JP2004029989A - ロボットのオフライン教示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】CADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成するときにグラフィックディスプレイを用いてより簡便に教示を行うことができるような汎用性のあるロボットのオフライン教示方法を提供する。
【解決手段】CADから被加工物5の加工面形状をコンピュータ1に読み取って、シミュレーションディスプレイ装置12に表示した被加工物に適宜の基準面Xを設定し、基準面Xに平行な所定幅の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントp1〜pnにおける垂線c上に、加工面から一定の距離の点である加工工具基準点x1〜xnを求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡を加工工具20の移動軌跡bとし、垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具20の移動速度とするようにして、ロボット4の加工工具20の動作プログラムを作成する。
【選択図】 図2
【解決手段】CADから被加工物5の加工面形状をコンピュータ1に読み取って、シミュレーションディスプレイ装置12に表示した被加工物に適宜の基準面Xを設定し、基準面Xに平行な所定幅の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントp1〜pnにおける垂線c上に、加工面から一定の距離の点である加工工具基準点x1〜xnを求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡を加工工具20の移動軌跡bとし、垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具20の移動速度とするようにして、ロボット4の加工工具20の動作プログラムを作成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CAD(Computer Aided Design;コンピュータ支援設計システム)で作図された塗装ロボット,表面仕上加工ロボット等の被加工物の形状データに基づいて被加工物を加工するロボットのオフライン教示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物としてのワークを加工するロボット装置においては、作動アーム先端に加工工具が取付けられ、ワークのサイズ及び形状に合わせてロボットヘッドが加工動作するように、作動アーム等の可動部の動作及び動作速度等がティーチング(教示)されている。なお、従来におけるロボットの動作のティーチング方法としては、ロボットの作動アーム先端を作業者が手動で直接に動作させて各通過ポイントをティーチングポイントとして記憶させるようにしたダイレクト教示方法、或いは、遠隔操作盤のスイッチイング操作により作業者がロボットを遠隔操作してロボットの作動アーム先端を各ティーチングポイントに移動させ、そのポイントを記憶させるようにしたリモート教示方法が一般的である。
【0003】
しかし、ダイレクト教示方法並びにリモート教示方法は何れもオンライン教示方法であり、ロボット教示のためには作業現場でロボットを実際に作動させることが必要である。そのため、ロボット教示に当たっては、ロボットが介在する生産ラインを長時間にわたり停止する必要があり、生産ラインの稼働効率が悪くなる。そこで、このような不具合を解消するために、生産ライン上のロボットを使わずにロボットの作業制御プログラムを作成するオフライン教示方法が提案されており、特開昭62−269205号に開示されたものはその1例である。
【0004】
特開昭62−269205号に開示されたロボットのオフライン教示システムは、図面入力装置でワークの図面(形状)を中央処理装置に入力して画像をディスプレイ装置に表示し、このディスプレイ装置上で、対話的にロボット動作のコマンドを入力しながらロボットの工具作動のシミュレーション表示をして、その動作コマンドを記憶装置に記憶し、必要に応じてロボットのコントローラに教示するようにした方法である。
【0005】
近年においては、CADにより作図し、CADデータを用いてワークやロボットの動作を3次元表示するシミュレーションソフトが提供されている。そして、ディスプレイ上でワークの加工動作状態や姿勢の表現がますます自由となり、ロボット教示のプロセスを容易に検証できるようになり、オフラインでのロボット教示が容易となった。
【0006】
このようなオフライン教示方法の従来例として、特開平7−168617号に開示されたロボットのオフライン教示方法がある。このオフライン教示方法にあっては、図6に示すように、CAD01でワーク(被加工物)の三次元幾何形状モデル定義を行い、そのワークのモデルデータをロボットシミュレーションシステム02に転送する。ロボットシミュレーションシステム02ではワークモデルデータを再構築するとともに、ロボットのモデル定義を行い、ロボットの教示位置・姿勢・軌跡・動作コマンド列を自動生成し、更にシミュレーション言語プログラムをロボット言語プログラムに変換する。パーソナルコンピュータ(パソコン)03では、転送されたロボット言語プログラムをロボットコントローラ04が解釈可能なデータに変換し、必要に応じて変換したデータをロボットコントローラ04へ転送する。ロボットコントローラ04は、転送されたデータに基づいてロボット05を動作させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のリモート操作によるオンライン教示方法は、ロボット教示のために、ロボットが介在する生産ラインを長時間にわたり停止する必要があるので、生産ラインの稼働効率が悪くなる。更に、教示のためにロボットの作動アームが動作する区域内で長時間にわたり作業をしなければならないので、肉体的及び精神的な負担が大きいのが実状である。
【0008】
また、特開昭62−269205号に開示された従来のオフライン教示方法のように、予め用意したパターンに対し、パラメータを変更して工具基準位置の軌跡を生成する方法では、ワークが相似なものに対しては応用できるが、寸法が少しでも異なると大幅に訂正が必要となるので、汎用性に難がある。また、工具基準位置の軌跡を生成する方法では、細かく分割した1ポイントづつの教示となるため、作業時間が大となる。
【0009】
また、特開平7−168617号に開示された従来例のように、CADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成する方法では、ロボットの動作ヘッドの速度を加減する教示についての具体的な方法の提示がなく、熟練者の技術を要するという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述の如き実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、CADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成するときにグラフィックディスプレイ(シミュレーションディスプレイ装置)を用いてより簡便に教示を行うことができるような汎用性のあるロボットのオフライン教示方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、CADで作図されて記憶された被加工物の加工面形状と、ロボットの加工工具の動作条件とに基づいて、ロボットの動作制御プログラムを作成し、ロボットのコントローラに教示するオフライン教示方法において、前記被加工物の加工面形状及び前記ロボットの加工工具の動作を一定比率の相似形に3次元のグラフィックに表示するシミュレーションディスプレイ装置と、コマンド入力装置と、CPUとを備えたコンピュータを使用し、前記CADのメモリより前記被加工物の加工面形状をコンピュータに読み取って、前記シミュレーションディスプレイ装置に表示した被加工物に適宜の基準面を設定し、前記基準面に平行な所定幅の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点、すなわち、前記ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点を求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡をロボットの加工工具の移動軌跡とし、前記垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、前記加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具の移動速度とするようにして、ロボットの加工工具の動作プログラム(教示プログラム)を作成し、前記動作プログラムに基づいて前記ロボットのコントローラに教示するようにしている。
また、本発明では、前記被加工物の基準面設定操作以降における前記コンピュータのコマンド入力装置の操作を、自動プログラムに置き換え、被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成して前記ロボットのコントローラに教示するようにしている。
また、本発明では、コンピュータの記憶装置に記憶された複数の動作プログラムの中より、これから加工する被加工物の加工面形状と類似のモデルの動作プログラムを選択し、前記シミュレーションデスプレイ装置に前記被加工物及び前記モデルの両方を重ね合わせて表示し、前記被加工物の加工面形状と異なる形状の部分、並びに、異なる動作条件にのみに対応して前記動作プログラムを修正するようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るロボットのオフライン教示方法につき図1〜図6を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムを示すものであって、本システムは、パーソナルコンピュータ(パソコン)1と、記憶媒体にファイルされたCADデータ2と、パーソナルコンピュータ1から動作制御コマンドが送り込まれるロボットコントローラ3と、このロボットコントローラ3によって制御される塗装ロボット4と、この塗装ロボット4により加工(例えば、塗装)されるワーク5とによって構成されている。
【0014】
また、上述のパーソナルコンピュータ1には、CPU(中央処理ユニット)11,幾何図形の三次元表示が可能なグラフィックディスプレイ12,CPU11にコマンドを入力するコマンド入力装置としてのキーボード13及びマウス14,処理用ソフトを記憶し、データを一時的にファイルするパーソナルコンピュータ1内の記憶装置15等が備えられている。なお、上述のグラフィックディスプレイ12は、被加工物であるワーク5の加工面形状及びロボット4の加工工具の動作を一定比率の相似形に3次元のグラフィックに表示するシミュレーションディスプレイ装置である。
【0015】
次に、上述のシステムを使用して本発明の実施形態に係るロボットのオフライン教示方法を施行する際の手順を説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいて、図3に示すワーク5を塗装する塗装ロボット4の教示プログラムを作成するステップを示している。なお、図3においては、塗装すべきワーク5、並びに、スプレイガン20(図1参照)の移動軌跡b及びスプレイ方向cが示されている。
【0017】
図2に示す塗装ロボット4のオフライン教示方法の各ステップは、次の通りである。
(1) まず、ファイルされたCADデータ2より所望のワーク5の形状をパーソナルコンピュータ1のCPU11に読み取る(ステップS1参照)。すなわち、塗装(加工)すべきワーク5の加工面形状をCADのメモリよりコンピュータに読み取る。
(2) ワーク5の形状をグラフィックディスプレイ12に3次元表示する(ステップS2参照)。
図3はその表示例を示しており、図3において符号Pで示す部分を塗装面とする。
(3) 次に、図3に示すワーク5に適当な基準面を選定してこれを面Xとし、この面Xに対して直角の面を面Yとする(ステップS3参照)。
(4) ワーク4の塗装面P上に基準面Xに対して平行な線a1を画く(ステップS4参照)。
この線a1は、塗装ロボット4の作動アーム先端に取付けられた塗装スプレイガン20によって塗装面Pに塗料をスプレイするときの塗装中心の軌跡である。
(5) ワーク5の両端に亙って、線a1を等分割し、各分割点をp1,p2,……pnとし、p1,p2,……,pnに一定長さLの垂線cを立てて、その端部をそれぞれx1,x2,……,xnとする(ステップS4参照)。これにより、基準面Xに平行な所定幅(h)の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点、すなわち、前記ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点x1,x2,……,xnを求める。
(6) 上述のx1,x2,……,xnを結んだ線(繋いだ線)を塗装スプレイガン20の移動軌跡bとする(ステップS5参照)。
(7) x1,x2,……,xnの間隔距離をΔx1,Δx2,……,Δxn−1とし、Δtを単位時間とし、Δx1/Δt,Δx2/Δt,……,Δxn−1/Δtを点間を移動する塗装スプレイガン20の移動速度とする(ステップS6参照)。
(8) ワーク面の点p1,p2,……,pnより立ち上がる長さLの垂線cの方向を塗装スプレイガン20のスプレイ方向(加工姿勢方向)とする(ステップS7参照)。
(9) x1を塗装スプレイガン20のスプレイ開始点、xnをスプレイ停止点とする(ステップS8参照)。
(10) 軌跡a1と平行に塗装幅hだけワークの基準面Xと直角方向にずらして(例えば、図3において下方にずらす)、塗装面P上に次の塗装中心の軌跡a2を画き、上記と同じ作業を繰り返すことにより、全塗装面をカバーする(ステップS9参照)。
(11) 以上の塗装スプレイガン20の動作条件をCPU11で演算して数値化し、塗装ロボット4のスプレイガン動作(教示)プログラムを作成する(ステップS10参照)。スプレイガン動作条件よりロボットの動作プログラムを作成する時、ロボットの動作プログラムとして定義される動作軌跡及び動作速度は、
動作軌跡 : p1,p2,……pn
動作速度 : p1,p2,……pnの間隔距離をΔpn−1とすると、Δp1/Δt,Δp2/Δt……Δpn−1/Δtとなる。
【0018】
かくして、ワーク5が塗装作業位置に置かれたとき、塗装ロボット4が、ロボットコントローラ3により制御されて、上述の如く作成されたプログラム(教示されたプログラム)に従って所定の塗装作業を実行する。
【0019】
なお、この塗装ロボット4のオフライン教示の各ステップは、最初は逐一コマンド入力装置のキーボード13及びマウス14により人手で入力するが、各ステップは順序を追って自動的に連結できるので、次回からは自動的に新しいワーク5に対するロボットの塗装作業のオフライン教示プログラムを作成することが可能である。また、被加工物であるワーク5の基準面設定操作以降におけるパーソナルコンピュータ1のコマンド入力装置(キーボード13及びマウス14)の操作を、自動プログラムに置き換え、ワーク5についての被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成してロボット4のコントローラ3に教示することも可能である。
【0020】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいて、図5に示すワーク5を塗装する塗装ロボット4の教示プログラムを作成するステップ(塗装ロボット用の教示プログラム作成ステップ)を示している。本発明の第2の実施形態は、既にパーソナルコンピュータ1の記憶装置15に記憶された複数の動作プログラム(塗装教示プログラム)の中より、これから塗装するワーク5の塗装面形状と類似の塗装面形状を有するモデルの動作プログラムを選択し、ワークの塗装面形状と異なる形状の部分と、異なる動作条件にのみに対応して動作プログラムを修正するようにしたオフライン教示方法である。
【0021】
図4に示す塗装ロボット4のオフライン教示方法の各ステップは、次の通りである。
1) まず、ファイルされたCADデータ2より所望のワークの形状をパーソナルコンピュータ1のCPU11に読み取む(ステップR1参照)。
2) ワーク5の形状をグラフィックディスプレイ12に3次元表示する(ステップR2参照)。
図5はその表示例を示しており、図5において符号Qで示す部分を塗装面とする。
3) 記憶装置15にファイリングしてあるモデルの中よりワーク5の形状に近似の形状の塗装面Mを有するモデルを選択し(ステップR3参照)、グラフィックスディスプレイ12に塗装面Qを有するワーク5と塗装面Mを有する比較モデルM0とを互いに重ね合わせて表示する(図5参照)。
4) 比較モデルM0と、ワーク5の形状及びその動作条件とをグラフィックディスプレイ12に重ね合わせて表示し(ステップR4参照)、ワーク5の形状のCADデータと、比較モデルM0のCADデータとの間で許容範囲を超えた相異部分を選択し、その部分のロボット4のスプレイガン20の軌跡,移動速度,スプレイ方向を適宜に修正する(ステップR5参照)。
例えば、図5において、塗装中心線m上の等分点q1,q2,q3,q4,の内、q2,q3が塗装の許容範囲を超えたと判断したとき、この2点において垂線を立て直し、スプレイガン20の移動基準点はy2をz2に、y3をz3の位置に変えてスプレイガン20の移動軌跡nを移動軌跡rに修正するとともに、移動速度を修正する。なお、他の部分の修正は行わない。
5) 塗装ロボットの動作プログラムをオフラインで修正し(ステップR6参照)、塗装ロボット4のスプレイガン動作教示プログラムの作成を終了する。
【0022】
このようにして作成したスプレイガン動作教示プログラムによりロボット4を作動させた場合にも、既述の第1の実施形態の場合と同様に、塗装ロボット4を適正に動作させることができる。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、本発明に係るロボットのオフライン教示方法は、塗装ロボット4に限らず、各種の用途のロボットをオフラインで教示する場合にも適用可能である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、CADのメモリより被加工物の加工面形状をコンピュータに読み取って、シミュレーションディスプレイ装置に表示した被加工物に適宜の基準面を設定し、基準面に平行な所定幅の加工面の中心線(加工中心線)を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点(ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点)を求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡をロボットの加工工具の移動軌跡とし、垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具の移動速度とするようにして、ロボットの加工工具の動作プログラムを作成し、動作プログラム(教示プログラム)に基づいてロボットのコントローラに教示するようにしたものであるから、生産ラインを停止する必要がないので、ロボットが介在する生産ラインの稼働効率を良くすることが可能であり、しかもCADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成するときにグラフィックディスプレイ等のシミュレーションディスプレイ装置を用いて、熟練者の技術を要することなく、より簡便にロボットの教示を行うことができる。また、本発明に係るロボットのオフセット教示方法によれば、被加工面の形状は平面や回転面に限定されず、CADで作られた曲面等のあらゆるワーク形状に対応することができる。また、シミュレーションディスプレイ装置で、CADのデータと関連づけてロボットの工具ヘッドを被加工物(ワーク)上に沿って仮想移動させることにより、加工工具の姿勢と移動速度を自動的に演算できるので、動作プログラムの作成を簡単かつ容易に行うことができる。また、本発明によれば、汎用性のあるオフライン教示方法を提供することができる。
【0025】
また、請求項2に記載の本発明は、被加工物の基準面設定操作以降におけるコンピュータのコマンド入力装置の操作を、自動プログラムに置き換え、被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成してロボットのコントローラに教示するようにしたものであるから、被加工物の各々についてのロボット加工作業のオフライン動作プログラムを能率良く迅速に作成することが可能である。
【0026】
また、請求項3に記載の本発明は、コンピュータの記憶装置に記憶された複数の動作プログラムの中より、これから加工する被加工物の加工面形状と類似のモデルの動作プログラムを選択し、シミュレーションデスプレイ装置に被加工物及びモデルの両方を重ね合わせて表示し、被加工物の加工面形状と異なる形状の部分、並びに、異なる動作条件にのみに対応して動作プログラムを修正するようにしたものであるから、既存のロボット動作プログラムのデータを流用することができ、熟練者のノウハウを生かすことができ、また、類似形状のワークに対しては、部分的な修正のみで対応が可能であることから、教示時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいた塗装ロボットの動作プログラム作成ステップを示す図である。
【図3】図2の動作プログラム作成ステップにおけるワーク,スプレイガンの移動軌跡,及びスプレイ方向を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいた塗装ロボットの教示プログラム作成ステップを示す図である。
【図5】図4の教示プログラム作成ステップにおけるワーク,スプレイガンの移動軌跡,及びスプレイ方向を示す斜視図である。
【図6】従来のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムの構成図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 CADデータ(ファイル)
3 ロボットコントローラ
4 塗装ロボット
5 ワーク(被加工物)
11 CPU
12 グラフィックディスプレイ(シミュレーションディスプレイ装置)
13 キーボード
14 マウス
15 記憶装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、CAD(Computer Aided Design;コンピュータ支援設計システム)で作図された塗装ロボット,表面仕上加工ロボット等の被加工物の形状データに基づいて被加工物を加工するロボットのオフライン教示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物としてのワークを加工するロボット装置においては、作動アーム先端に加工工具が取付けられ、ワークのサイズ及び形状に合わせてロボットヘッドが加工動作するように、作動アーム等の可動部の動作及び動作速度等がティーチング(教示)されている。なお、従来におけるロボットの動作のティーチング方法としては、ロボットの作動アーム先端を作業者が手動で直接に動作させて各通過ポイントをティーチングポイントとして記憶させるようにしたダイレクト教示方法、或いは、遠隔操作盤のスイッチイング操作により作業者がロボットを遠隔操作してロボットの作動アーム先端を各ティーチングポイントに移動させ、そのポイントを記憶させるようにしたリモート教示方法が一般的である。
【0003】
しかし、ダイレクト教示方法並びにリモート教示方法は何れもオンライン教示方法であり、ロボット教示のためには作業現場でロボットを実際に作動させることが必要である。そのため、ロボット教示に当たっては、ロボットが介在する生産ラインを長時間にわたり停止する必要があり、生産ラインの稼働効率が悪くなる。そこで、このような不具合を解消するために、生産ライン上のロボットを使わずにロボットの作業制御プログラムを作成するオフライン教示方法が提案されており、特開昭62−269205号に開示されたものはその1例である。
【0004】
特開昭62−269205号に開示されたロボットのオフライン教示システムは、図面入力装置でワークの図面(形状)を中央処理装置に入力して画像をディスプレイ装置に表示し、このディスプレイ装置上で、対話的にロボット動作のコマンドを入力しながらロボットの工具作動のシミュレーション表示をして、その動作コマンドを記憶装置に記憶し、必要に応じてロボットのコントローラに教示するようにした方法である。
【0005】
近年においては、CADにより作図し、CADデータを用いてワークやロボットの動作を3次元表示するシミュレーションソフトが提供されている。そして、ディスプレイ上でワークの加工動作状態や姿勢の表現がますます自由となり、ロボット教示のプロセスを容易に検証できるようになり、オフラインでのロボット教示が容易となった。
【0006】
このようなオフライン教示方法の従来例として、特開平7−168617号に開示されたロボットのオフライン教示方法がある。このオフライン教示方法にあっては、図6に示すように、CAD01でワーク(被加工物)の三次元幾何形状モデル定義を行い、そのワークのモデルデータをロボットシミュレーションシステム02に転送する。ロボットシミュレーションシステム02ではワークモデルデータを再構築するとともに、ロボットのモデル定義を行い、ロボットの教示位置・姿勢・軌跡・動作コマンド列を自動生成し、更にシミュレーション言語プログラムをロボット言語プログラムに変換する。パーソナルコンピュータ(パソコン)03では、転送されたロボット言語プログラムをロボットコントローラ04が解釈可能なデータに変換し、必要に応じて変換したデータをロボットコントローラ04へ転送する。ロボットコントローラ04は、転送されたデータに基づいてロボット05を動作させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のリモート操作によるオンライン教示方法は、ロボット教示のために、ロボットが介在する生産ラインを長時間にわたり停止する必要があるので、生産ラインの稼働効率が悪くなる。更に、教示のためにロボットの作動アームが動作する区域内で長時間にわたり作業をしなければならないので、肉体的及び精神的な負担が大きいのが実状である。
【0008】
また、特開昭62−269205号に開示された従来のオフライン教示方法のように、予め用意したパターンに対し、パラメータを変更して工具基準位置の軌跡を生成する方法では、ワークが相似なものに対しては応用できるが、寸法が少しでも異なると大幅に訂正が必要となるので、汎用性に難がある。また、工具基準位置の軌跡を生成する方法では、細かく分割した1ポイントづつの教示となるため、作業時間が大となる。
【0009】
また、特開平7−168617号に開示された従来例のように、CADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成する方法では、ロボットの動作ヘッドの速度を加減する教示についての具体的な方法の提示がなく、熟練者の技術を要するという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述の如き実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、CADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成するときにグラフィックディスプレイ(シミュレーションディスプレイ装置)を用いてより簡便に教示を行うことができるような汎用性のあるロボットのオフライン教示方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、CADで作図されて記憶された被加工物の加工面形状と、ロボットの加工工具の動作条件とに基づいて、ロボットの動作制御プログラムを作成し、ロボットのコントローラに教示するオフライン教示方法において、前記被加工物の加工面形状及び前記ロボットの加工工具の動作を一定比率の相似形に3次元のグラフィックに表示するシミュレーションディスプレイ装置と、コマンド入力装置と、CPUとを備えたコンピュータを使用し、前記CADのメモリより前記被加工物の加工面形状をコンピュータに読み取って、前記シミュレーションディスプレイ装置に表示した被加工物に適宜の基準面を設定し、前記基準面に平行な所定幅の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点、すなわち、前記ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点を求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡をロボットの加工工具の移動軌跡とし、前記垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、前記加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具の移動速度とするようにして、ロボットの加工工具の動作プログラム(教示プログラム)を作成し、前記動作プログラムに基づいて前記ロボットのコントローラに教示するようにしている。
また、本発明では、前記被加工物の基準面設定操作以降における前記コンピュータのコマンド入力装置の操作を、自動プログラムに置き換え、被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成して前記ロボットのコントローラに教示するようにしている。
また、本発明では、コンピュータの記憶装置に記憶された複数の動作プログラムの中より、これから加工する被加工物の加工面形状と類似のモデルの動作プログラムを選択し、前記シミュレーションデスプレイ装置に前記被加工物及び前記モデルの両方を重ね合わせて表示し、前記被加工物の加工面形状と異なる形状の部分、並びに、異なる動作条件にのみに対応して前記動作プログラムを修正するようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るロボットのオフライン教示方法につき図1〜図6を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムを示すものであって、本システムは、パーソナルコンピュータ(パソコン)1と、記憶媒体にファイルされたCADデータ2と、パーソナルコンピュータ1から動作制御コマンドが送り込まれるロボットコントローラ3と、このロボットコントローラ3によって制御される塗装ロボット4と、この塗装ロボット4により加工(例えば、塗装)されるワーク5とによって構成されている。
【0014】
また、上述のパーソナルコンピュータ1には、CPU(中央処理ユニット)11,幾何図形の三次元表示が可能なグラフィックディスプレイ12,CPU11にコマンドを入力するコマンド入力装置としてのキーボード13及びマウス14,処理用ソフトを記憶し、データを一時的にファイルするパーソナルコンピュータ1内の記憶装置15等が備えられている。なお、上述のグラフィックディスプレイ12は、被加工物であるワーク5の加工面形状及びロボット4の加工工具の動作を一定比率の相似形に3次元のグラフィックに表示するシミュレーションディスプレイ装置である。
【0015】
次に、上述のシステムを使用して本発明の実施形態に係るロボットのオフライン教示方法を施行する際の手順を説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいて、図3に示すワーク5を塗装する塗装ロボット4の教示プログラムを作成するステップを示している。なお、図3においては、塗装すべきワーク5、並びに、スプレイガン20(図1参照)の移動軌跡b及びスプレイ方向cが示されている。
【0017】
図2に示す塗装ロボット4のオフライン教示方法の各ステップは、次の通りである。
(1) まず、ファイルされたCADデータ2より所望のワーク5の形状をパーソナルコンピュータ1のCPU11に読み取る(ステップS1参照)。すなわち、塗装(加工)すべきワーク5の加工面形状をCADのメモリよりコンピュータに読み取る。
(2) ワーク5の形状をグラフィックディスプレイ12に3次元表示する(ステップS2参照)。
図3はその表示例を示しており、図3において符号Pで示す部分を塗装面とする。
(3) 次に、図3に示すワーク5に適当な基準面を選定してこれを面Xとし、この面Xに対して直角の面を面Yとする(ステップS3参照)。
(4) ワーク4の塗装面P上に基準面Xに対して平行な線a1を画く(ステップS4参照)。
この線a1は、塗装ロボット4の作動アーム先端に取付けられた塗装スプレイガン20によって塗装面Pに塗料をスプレイするときの塗装中心の軌跡である。
(5) ワーク5の両端に亙って、線a1を等分割し、各分割点をp1,p2,……pnとし、p1,p2,……,pnに一定長さLの垂線cを立てて、その端部をそれぞれx1,x2,……,xnとする(ステップS4参照)。これにより、基準面Xに平行な所定幅(h)の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点、すなわち、前記ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点x1,x2,……,xnを求める。
(6) 上述のx1,x2,……,xnを結んだ線(繋いだ線)を塗装スプレイガン20の移動軌跡bとする(ステップS5参照)。
(7) x1,x2,……,xnの間隔距離をΔx1,Δx2,……,Δxn−1とし、Δtを単位時間とし、Δx1/Δt,Δx2/Δt,……,Δxn−1/Δtを点間を移動する塗装スプレイガン20の移動速度とする(ステップS6参照)。
(8) ワーク面の点p1,p2,……,pnより立ち上がる長さLの垂線cの方向を塗装スプレイガン20のスプレイ方向(加工姿勢方向)とする(ステップS7参照)。
(9) x1を塗装スプレイガン20のスプレイ開始点、xnをスプレイ停止点とする(ステップS8参照)。
(10) 軌跡a1と平行に塗装幅hだけワークの基準面Xと直角方向にずらして(例えば、図3において下方にずらす)、塗装面P上に次の塗装中心の軌跡a2を画き、上記と同じ作業を繰り返すことにより、全塗装面をカバーする(ステップS9参照)。
(11) 以上の塗装スプレイガン20の動作条件をCPU11で演算して数値化し、塗装ロボット4のスプレイガン動作(教示)プログラムを作成する(ステップS10参照)。スプレイガン動作条件よりロボットの動作プログラムを作成する時、ロボットの動作プログラムとして定義される動作軌跡及び動作速度は、
動作軌跡 : p1,p2,……pn
動作速度 : p1,p2,……pnの間隔距離をΔpn−1とすると、Δp1/Δt,Δp2/Δt……Δpn−1/Δtとなる。
【0018】
かくして、ワーク5が塗装作業位置に置かれたとき、塗装ロボット4が、ロボットコントローラ3により制御されて、上述の如く作成されたプログラム(教示されたプログラム)に従って所定の塗装作業を実行する。
【0019】
なお、この塗装ロボット4のオフライン教示の各ステップは、最初は逐一コマンド入力装置のキーボード13及びマウス14により人手で入力するが、各ステップは順序を追って自動的に連結できるので、次回からは自動的に新しいワーク5に対するロボットの塗装作業のオフライン教示プログラムを作成することが可能である。また、被加工物であるワーク5の基準面設定操作以降におけるパーソナルコンピュータ1のコマンド入力装置(キーボード13及びマウス14)の操作を、自動プログラムに置き換え、ワーク5についての被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成してロボット4のコントローラ3に教示することも可能である。
【0020】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいて、図5に示すワーク5を塗装する塗装ロボット4の教示プログラムを作成するステップ(塗装ロボット用の教示プログラム作成ステップ)を示している。本発明の第2の実施形態は、既にパーソナルコンピュータ1の記憶装置15に記憶された複数の動作プログラム(塗装教示プログラム)の中より、これから塗装するワーク5の塗装面形状と類似の塗装面形状を有するモデルの動作プログラムを選択し、ワークの塗装面形状と異なる形状の部分と、異なる動作条件にのみに対応して動作プログラムを修正するようにしたオフライン教示方法である。
【0021】
図4に示す塗装ロボット4のオフライン教示方法の各ステップは、次の通りである。
1) まず、ファイルされたCADデータ2より所望のワークの形状をパーソナルコンピュータ1のCPU11に読み取む(ステップR1参照)。
2) ワーク5の形状をグラフィックディスプレイ12に3次元表示する(ステップR2参照)。
図5はその表示例を示しており、図5において符号Qで示す部分を塗装面とする。
3) 記憶装置15にファイリングしてあるモデルの中よりワーク5の形状に近似の形状の塗装面Mを有するモデルを選択し(ステップR3参照)、グラフィックスディスプレイ12に塗装面Qを有するワーク5と塗装面Mを有する比較モデルM0とを互いに重ね合わせて表示する(図5参照)。
4) 比較モデルM0と、ワーク5の形状及びその動作条件とをグラフィックディスプレイ12に重ね合わせて表示し(ステップR4参照)、ワーク5の形状のCADデータと、比較モデルM0のCADデータとの間で許容範囲を超えた相異部分を選択し、その部分のロボット4のスプレイガン20の軌跡,移動速度,スプレイ方向を適宜に修正する(ステップR5参照)。
例えば、図5において、塗装中心線m上の等分点q1,q2,q3,q4,の内、q2,q3が塗装の許容範囲を超えたと判断したとき、この2点において垂線を立て直し、スプレイガン20の移動基準点はy2をz2に、y3をz3の位置に変えてスプレイガン20の移動軌跡nを移動軌跡rに修正するとともに、移動速度を修正する。なお、他の部分の修正は行わない。
5) 塗装ロボットの動作プログラムをオフラインで修正し(ステップR6参照)、塗装ロボット4のスプレイガン動作教示プログラムの作成を終了する。
【0022】
このようにして作成したスプレイガン動作教示プログラムによりロボット4を作動させた場合にも、既述の第1の実施形態の場合と同様に、塗装ロボット4を適正に動作させることができる。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、本発明に係るロボットのオフライン教示方法は、塗装ロボット4に限らず、各種の用途のロボットをオフラインで教示する場合にも適用可能である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、CADのメモリより被加工物の加工面形状をコンピュータに読み取って、シミュレーションディスプレイ装置に表示した被加工物に適宜の基準面を設定し、基準面に平行な所定幅の加工面の中心線(加工中心線)を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点(ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点)を求め、これらの加工工具基準点を結んだ軌跡をロボットの加工工具の移動軌跡とし、垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具の移動速度とするようにして、ロボットの加工工具の動作プログラムを作成し、動作プログラム(教示プログラム)に基づいてロボットのコントローラに教示するようにしたものであるから、生産ラインを停止する必要がないので、ロボットが介在する生産ラインの稼働効率を良くすることが可能であり、しかもCADデータを基に工具基準位置の軌跡を生成するときにグラフィックディスプレイ等のシミュレーションディスプレイ装置を用いて、熟練者の技術を要することなく、より簡便にロボットの教示を行うことができる。また、本発明に係るロボットのオフセット教示方法によれば、被加工面の形状は平面や回転面に限定されず、CADで作られた曲面等のあらゆるワーク形状に対応することができる。また、シミュレーションディスプレイ装置で、CADのデータと関連づけてロボットの工具ヘッドを被加工物(ワーク)上に沿って仮想移動させることにより、加工工具の姿勢と移動速度を自動的に演算できるので、動作プログラムの作成を簡単かつ容易に行うことができる。また、本発明によれば、汎用性のあるオフライン教示方法を提供することができる。
【0025】
また、請求項2に記載の本発明は、被加工物の基準面設定操作以降におけるコンピュータのコマンド入力装置の操作を、自動プログラムに置き換え、被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成してロボットのコントローラに教示するようにしたものであるから、被加工物の各々についてのロボット加工作業のオフライン動作プログラムを能率良く迅速に作成することが可能である。
【0026】
また、請求項3に記載の本発明は、コンピュータの記憶装置に記憶された複数の動作プログラムの中より、これから加工する被加工物の加工面形状と類似のモデルの動作プログラムを選択し、シミュレーションデスプレイ装置に被加工物及びモデルの両方を重ね合わせて表示し、被加工物の加工面形状と異なる形状の部分、並びに、異なる動作条件にのみに対応して動作プログラムを修正するようにしたものであるから、既存のロボット動作プログラムのデータを流用することができ、熟練者のノウハウを生かすことができ、また、類似形状のワークに対しては、部分的な修正のみで対応が可能であることから、教示時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいた塗装ロボットの動作プログラム作成ステップを示す図である。
【図3】図2の動作プログラム作成ステップにおけるワーク,スプレイガンの移動軌跡,及びスプレイ方向を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るオフライン教示方法に基づいた塗装ロボットの教示プログラム作成ステップを示す図である。
【図5】図4の教示プログラム作成ステップにおけるワーク,スプレイガンの移動軌跡,及びスプレイ方向を示す斜視図である。
【図6】従来のロボットのオフライン教示方法を施行するシステムの構成図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 CADデータ(ファイル)
3 ロボットコントローラ
4 塗装ロボット
5 ワーク(被加工物)
11 CPU
12 グラフィックディスプレイ(シミュレーションディスプレイ装置)
13 キーボード
14 マウス
15 記憶装置
Claims (3)
- CADで作図されて記憶された被加工物の加工面形状と、ロボットの加工工具の動作条件とに基づいて、ロボットの動作制御プログラムを作成し、ロボットのコントローラに教示するオフライン教示方法において、
前記被加工物の加工面形状及び前記ロボットの加工工具の動作を一定比率の相似形に3次元のグラフィックに表示するシミュレーションディスプレイ装置と、コマンド入力装置と、CPUとを備えたコンピュータを使用し、
前記CADのメモリより前記被加工物の加工面形状をコンピュータに読み取って、前記シミュレーションディスプレイ装置に表示した被加工物に適宜の基準面を設定し、
前記基準面に平行な所定幅の加工面の中心線である加工中心線を等分した各ポイントにおける垂線上に、加工面から一定の距離の点、すなわち、前記ロボットの加工工具の動作基準点からの垂直距離の点である加工工具基準点を求め、
これらの加工工具基準点を結んだ軌跡をロボットの加工工具の移動軌跡とし、前記垂線方向を工具の加工姿勢方向とし、前記加工工具基準点の間の距離を単位時間で割った値を加工工具の移動速度とするようにして、ロボットの加工工具の動作プログラムを作成し、
前記動作プログラムに基づいて前記ロボットのコントローラに教示すること、を特徴とするロボットのオフライン教示方法。 - 前記被加工物の基準面設定操作以降における前記コンピュータのコマンド入力装置の操作を、自動プログラムに置き換え、被加工物モデルに対して、自動的にロボットの加工工具の動作プログラムを作成して前記ロボットのコントローラに教示することを特徴とする請求項1に記載のロボットのオフライン教示方法。
- コンピュータの記憶装置に記憶された複数の動作プログラムの中より、これから加工する被加工物の加工面形状と類似のモデルの動作プログラムを選択し、前記シミュレーションデスプレイ装置に前記被加工物及び前記モデルの両方を重ね合わせて表示し、前記被加工物の加工面形状と異なる形状の部分、並びに、異なる動作条件にのみに対応して前記動作プログラムを修正することを特徴とする請求項1に記載のロボットのオフライン教示方法。
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---|---|---|---|
JP2002182377A JP2004029989A (ja) | 2002-06-24 | 2002-06-24 | ロボットのオフライン教示方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010000582A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Honda Motor Co Ltd | 多関節ロボットのティーチングデータ検証方法 |
JP2013193194A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Toyota Motor Corp | 軌道生成装置、移動体、軌道生成方法及びプログラム |
JP2019048380A (ja) * | 2018-12-12 | 2019-03-28 | Ntn株式会社 | リンク作動装置の制御方法 |
-
2002
- 2002-06-24 JP JP2002182377A patent/JP2004029989A/ja not_active Withdrawn
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