JP6851243B2 - ガスメータの部品取付構造、及び、ガスメータ - Google Patents

Description

この発明は、ガスメータにおいて部品を取り付けるための構造に関するものである。

例えば特許文献１に示されるように、ガスメータは、遮断弁等の様々な部品が取り付けられて構成される。
図８は、従来のガスメータ１００を示す断面図である。ガスメータ１００には、ガスの流入口となる開口部２００ａと、ガスの流出口となる開口部２００ｂとが設けられている。開口部２００ａには、遮断弁アダプタ６００を介して遮断弁７００が取り付けられている。開口部２００ｂには、計測ユニットアダプタ８００を介して計測ユニット９００が取り付けられている。
図９は、遮断弁アダプタ６００と当該遮断弁アダプタ６００に取り付けられた遮断弁７００とを、図８中のＥ方向から見たときの平面図である。遮断弁アダプタ６００の鍔部６００ａには、貫通孔６００ｂが２つ設けられている。遮断弁アダプタ６００は、これらの貫通孔６００ｂを用いたねじ止めによって、図８に示すように、ねじ３００にて開口部２００ａに取り付けられる。
また、図１０は、計測ユニットアダプタ８００と当該計測ユニットアダプタ８００に取り付けられた計測ユニット９００とを、図８中のＥ方向から見たときの平面図である。計測ユニットアダプタ８００の鍔部８００ａには、貫通孔８００ｂが２つ設けられている。計測ユニットアダプタ８００は、これらの貫通孔８００ｂを用いたねじ止めによって、図８に示すように、ねじ４００にて開口部２００ｂに取り付けられる。

特開２００９−１１５４９６号公報

従来のガスメータは、上記のように構成されており、ねじ止めを用いているので、ねじを含めた部品数、及び、組立に係る工程数が多くなって、組立に手間が掛かってしまっていた。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、組立の手間が減少するガスメータの部品取付構造を得ることを目的とする。

この発明に係るガスメータの部品取付構造は、弾性変形可能な掛止爪を有する樹脂部材と、ガスメータの内外をつなぐ開口部のガスメータ内部側で、当該開口部の周縁部となる被掛止部を有する板金部材とを備え、掛止爪が被掛止部に引っ掛かって、樹脂部材を板金部材に取り付けるスナップフィット部を形成し、樹脂部材には、計測ユニット又は遮断弁が接続することを特徴とするものである。

この発明によれば、ねじ止めに替えて、樹脂部材の掛止爪が板金部材の被掛止部に引っ掛かってスナップフィット部を形成することで、樹脂部材が板金部材に取り付くので、ねじ止め箇所が減少するぶん、組立の手間も減少する。

この発明の実施の形態１に係るガスメータの正面図である。 図１中のＡ方向から見たガスメータの側面図である。 図１中のＢ方向から見たガスメータの側面図である。 遮断弁アダプタを板金部材に取り付ける前の状態を示した斜視図である。 図４の状態から遮断弁アダプタを板金部材に取り付けたときの斜視図である。 図１中のＣ方向からガスメータを見て、ケースを断面とした図である。 図６中の部分Ｓを拡大した図である 従来のガスメータを示す断面図である。 従来のガスメータにおける、遮断弁アダプタと当該遮断弁アダプタに取り付けられた遮断弁との平面図である。 従来のガスメータにおける、計測ユニットアダプタと当該計測ユニットアダプタに取り付けられた計測ユニットとの平面図である。

実施の形態１．
図１は、この発明の実施の形態１に係るガスメータ１の正面図である。図１では、ガスメータ１内部の様子が分かるように、ケース２の大部分を透視した正面図としている。図２は、図１中のＡ方向から見たガスメータ１の側面図である。図２では、ケース２を一部破断して、ガスメータ１内部の構成を断面で示している。図３は、図１中のＢ方向から見たガスメータ１の側面図である。図３では、ケース２を一部破断して、ガスメータ１内部の構成を断面で示している。なお、ガスメータ１を制御するコントローラ、及び、遮断弁７側と計測ユニット９側とをつなぐガス流路等は、図示を省略している。

ガスメータ１では、金属製の略箱形のケース２に、ガスメータ１の内外をつなぐ開口部２ａ，２ｂが設けられている。開口部２ａは、ガスの流入口となる開口部である。また、開口部２ｂは、ガスの流出口となる開口部である。

開口部２ａのガスメータ１内部側には、板金部材３ａがケース２に固定されて設けられている。開口部２ａのガスメータ１外部側には、不図示のガス配管を接続するための略円筒形の接続部材４ａがケース２に固定されて設けられている。板金部材３ａには、ガスメータ１内部側から、Ｏリング５ａを挟んだ状態で遮断弁アダプタ６が取り付けられている。遮断弁アダプタ６は、遮断弁７が接続する略円筒形の樹脂部材である。遮断弁アダプタ６を介して、遮断弁７は、板金部材３ａひいては開口部２ａに取り付けられている。遮断弁７は、ガス漏れ等の異常発生時に閉弁して、ガスの流入を遮断するためのものである。遮断弁アダプタ６と遮断弁７との間には、Ｏリング５ｂが挟まれている。

開口部２ｂのガスメータ１内部側には、板金部材３ｂがケース２に固定されて設けられている。開口部２ｂのガスメータ１外部側には、不図示のガス配管を接続するための略円筒形の接続部材４ｂがケース２に固定されて設けられている。板金部材３ｂには、ガスメータ１内部側から、Ｏリング５ｃを挟んだ状態で計測ユニットアダプタ８が取り付けられている。計測ユニットアダプタ８は、計測ユニット９が接続する略円筒形の樹脂部材である。計測ユニットアダプタ８を介して、計測ユニット９は、板金部材３ｂひいては開口部２ｂに取り付けられている。計測ユニット９は、流入するガスの流量を計測するものであり、実施の形態１では、計測ユニット９が超音波を利用して流量を計測するＵＳＭ（Ｕｌｔｒａ Ｓｏｎｉｃ Ｍｅｔｅｒ）式のガスメータであるとする。計測ユニットアダプタ８と計測ユニット９との間には、Ｏリング５ｄが挟まれている。

ここで、図４及び図５を用いて、遮断弁アダプタ６の板金部材３ａへの取付について説明する。図４は、遮断弁アダプタ６を板金部材３ａに取り付ける前の状態を示した開口部２ａ周辺の斜視図である。また、図５は、図４の状態から遮断弁アダプタ６を板金部材３ａに取り付けたときの斜視図である。
図４に示すように、遮断弁アダプタ６は、板金部材３ａに向けられた鍔部６ａを有する。鍔部６ａの外縁では、板金部材３ａに向けて掛止爪６ｂが３つ立ち上がっている。
掛止爪６ｂは、鍔部６ａから立ち上がる基部６ｃと、基部６ｃから内周側に向けて凸となった爪部６ｄとを有する。掛止爪６ｂは、樹脂部材である遮断弁アダプタ６が一体的に有するものである。

また、図４に示すように、板金部材３ａは、開口部２ａの周縁部となる略円環状の被掛止部３ｃを一体的に有する。被掛止部３ｃは、遮断弁アダプタ６に向けられている。

遮断弁アダプタ６を板金部材３ａに取り付ける際は、このように構成された遮断弁アダプタ６を、鍔部６ａが略円環状の被掛止部３ｃに面接触するように、板金部材３ａに向けて押し当てていく。すると、掛止爪６ｂの爪部６ｄが略円環状の被掛止部３ｃの外縁に接触して、樹脂部材である遮断弁アダプタ６の一部である掛止爪６ｂは、外周側に反るように弾性変形する。この状態からさらに遮断弁アダプタ６を板金部材３ａに向けて押し当てていくと、やがて爪部６ｄは略円環状の被掛止部３ｃよりもガスメータ１外部側に達し、このとき掛止爪６ｂは、自身の弾性によって内周側に付勢され、爪部６ｄで鍔部６ａとの間に被掛止部３ｃを挟んだ状態となる。この状態を示したのが図５である。

このように、被掛止部３ｃと、当該被掛止部３ｃに引っ掛かった掛止爪６ｂとで形成されたスナップフィット部により、遮断弁アダプタ６が板金部材３ａに取り付けられた状態となる。つまり、図８、図９及び図１０で示したような従来用いられていたねじ止めに替えて、スナップフィットを利用しての部品取付構造をガスメータ１は有する。ガスメータ１では、ねじ止め箇所が減少するぶん、組立の手間を減少させることができる。

図４及び図５では、遮断弁アダプタ６の板金部材３ａへの取付について示したが、計測ユニットアダプタ８の板金部材３ｂへの取付についても、図４及び図５で示した様子と同様になる。つまり、計測ユニットアダプタ８も、鍔部６ａ、及び、基部６ｃと爪部６ｄとを有する掛止爪６ｂを有し、板金部材３ｂも、略円環状の被掛止部３ｃを有する。そして、ねじ止めではなく、被掛止部３ｃと、当該被掛止部３ｃに引っ掛かった掛止爪６ｂとで形成されたスナップフィット部により、計測ユニットアダプタ８が板金部材３ｂに取り付けられた状態となる。

また、図４に示すように、鍔部６ａは貫通孔６ｅを有する。また、図４に示すように、板金部材３ａは、遮断弁アダプタ６に向けて被掛止部３ｃから一体的に伸びる板金片３ｄを有する。板金片３ｄは、略円環状の被掛止部３ｃに接続した固定端である一端側に小片部３ｅを有し、自由端である他端側に小片部３ｅよりも幅広の大片部３ｆを有する。
掛止爪６ｂが、自身の弾性により被掛止部３ｃに引っ掛かったとき、図５に示すように、板金片３ｄは貫通孔６ｅを貫通して、大片部３ｆが鍔部６ａから飛び出た状態となる。この状態で、大片部３ｆを捻って塑性変形させる。この捻りによって、大片部３ｆで鍔部６ａを支持することで、遮断弁アダプタ６を板金部材３ａに強固に取り付けるとともに、万が一スナップフィット部が破損しても、遮断弁アダプタ６が板金部材３ａから脱落するのを防ぐことができる。

上記の捻りは、遮断弁アダプタ６の板金部材３ａへの取付に限らず、計測ユニットアダプタ８の板金部材３ｂへの取付においても同様である。つまり、計測ユニットアダプタ８も、鍔部６ａ及び掛止爪６ｂに加えて貫通孔６ｅを有し、板金部材３ｂも、被掛止部３ｃに加えて、小片部３ｅと大片部３ｆとを有する板金片３ｄを有する。
図６では、この捻りを、図１中のＣ方向からガスメータ１を見てケース２を断面とした図にて示している。図６では、遮断弁アダプタ６が取り付く板金部材３ａでの捻りよりも、計測ユニットアダプタ８が取り付く板金部材３ｂでの捻りの方が見やすく図示されているので、ここでは、計測ユニットアダプタ８の取付での捻りを用いて説明する。また、図７は、図６中の部分Ｓを拡大した図である。

板金片３ｄが貫通孔６ｅを貫通した直後は、図７に点線で示す位置に板金片３ｄの大片部３ｆは平面視される。このときは、大片部３ｆは、貫通孔６ｅの周縁部のうち、ガスメータ１内部側に向けられた周縁部（つまり、図６及び図７で図示されている側の周縁部）に対向していない。この状態から、図７中のＤ方向に大片部３ｆを捻ると、図６及び図７に示すように、大片部３ｆは、貫通孔６ｅのガスメータ１内部側に向けられた周縁部に対向するようになる。当該周縁部に対向する大片部３ｆは、いわゆるストッパとして機能する。なお、捻る角度は、２５度程度から３０度程度が好ましい。

なお、上記では、ガスメータ１をＵＳＭ式のガスメータとして説明したが、膜式ガスメータ等の他の方式のガスメータにおいて、遮断弁及び計測ユニット等を取り付けるための構造として、上記したスナップフィット部を利用してもよい。
また、掛止爪６ｂの個数についても、図示したものに限らず、適宜増減させてよい。また、被掛止部３ｃに引っ掛かってスナップフィット部を形成できる範囲で、掛止爪６ｂの形状も、上記で図示したものから適宜変形させてよい。

以上のように、この発明の実施の形態１に係るガスメータ１によれば、ねじ止めではなく、掛止爪６ｂと被掛止部３ｃとでスナップフィット部を形成することにより、遮断弁アダプタ６及び計測ユニットアダプタ８等の部品を取り付ける。したがって、ねじ止め箇所が減少するぶん、組立の手間を減少させることができる。

また、樹脂部材である遮断弁アダプタ６又は計測ユニットアダプタ８は、貫通孔６ｅを有し、板金部材３ａ，３ｂは、樹脂部材に向けて伸びて貫通孔６ｅを貫通する板金片３ｄを有し、板金片３ｄは、固定端である一端側に小片部３ｅ、自由端である他端側に大片部３ｆを有し、大片部３ｆは、貫通孔６ｅのガスメータ１内部側に向けられた周縁部に対向していることとした。このようにすると、樹脂部材である遮断弁アダプタ６又は計測ユニットアダプタ８を強固に取り付けるとともに、万が一スナップフィット部が破損しても、遮断弁アダプタ６又は計測ユニットアダプタ８が脱落するのを防ぐことができる。

また、樹脂部材である遮断弁アダプタ６又は計測ユニットアダプタ８には、計測ユニット９又は遮断弁７が接続することとした。このように、計測ユニット９又は遮断弁７を取り付けるための構造として利用することができる。

なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

１ ガスメータ
２ ケース
２ａ，２ｂ 開口部
３ａ，３ｂ 板金部材
３ｃ 被掛止部
３ｄ 板金片
３ｅ 小片部
３ｆ 大片部
４ａ，４ｂ 接続部材
５ａ〜５ｄ Ｏリング
６ 遮断弁アダプタ
６ａ 鍔部
６ｂ 掛止爪
６ｃ 基部
６ｄ 爪部
６ｅ 貫通孔
７ 遮断弁
８ 計測ユニットアダプタ
９ 計測ユニット

Claims (3)

1. 弾性変形可能な掛止爪を有する樹脂部材と、
   ガスメータの内外をつなぐ開口部のガスメータ内部側で、当該開口部の周縁部となる被掛止部を有する板金部材とを備え、
   前記掛止爪が前記被掛止部に引っ掛かって、前記樹脂部材を前記板金部材に取り付けるスナップフィット部を形成し、
   前記樹脂部材には、計測ユニット又は遮断弁が接続することを特徴とするガスメータの部品取付構造。
2. 前記樹脂部材は、貫通孔を有し、
   前記板金部材は、前記樹脂部材に向けて伸びて前記貫通孔を貫通する板金片を有し、
   前記板金片は、固定端である一端側に小片部、自由端である他端側に大片部を有し、前記大片部は、前記貫通孔のガスメータ内部側に向けられた周縁部に対向していることを特徴とする請求項１記載のガスメータの部品取付構造。
3. 請求項１または請求項２記載のガスメータの部品取付構造を備えることを特徴とするガスメータ。

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