JP5207453B2 - 配管接続部材 - Google Patents
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Description
一端部の継手であるネジ継手又はホース継手と水道配管や他の水回り機器との接続配管との接続作業は、水回り機器の設置現場で行われるので、作業環境が悪い場合もあり、作業員が不慣れな場合もあって、ネジ継手やホース継手に曲げ外力であるこじり力が印加され易い。上記こじり力はネジ継手やホース継手から配管接続部材の筒体中央部を介して水回り機器に伝達される。従って配管接続部材の筒体中央部には大きな曲げ応力が発生する。従来の配管接続部材は、こじり力に対する強度確保の観点から筒体中央部を含む全体が金属製であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一端部と他端部とに継手を有する筒体を備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、水回り機器に取り付けられて当該水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続される配管接続部材であって、従来に比べて製造コストが低く且つこじり力に対する強度低下が抑制された配管接続部材を提供することを目的とする。
本発明に係る配管接続部材においては、中央部と他端部とを樹脂製とすることにより、製造コストの低減を実現している。一端部の継手であるネジ継手又はホース継手に水道配管や他の水回り機器との接続配管を接続する際に発生するこじり力は、当該一端部の継手の基部に一端部が係止すると共に筒体中央部を覆い、他端近傍部が筒体中央部に係止し、他端部が水回り機器に固定される板金筒体を介して水回り機器に伝達されるので、前記こじり力に起因する曲げ応力は筒体中央部には発生しない。この結果、こじり力に対する強度低下が抑制される。樹脂製の他端部の継手は、樹脂製のネジには強度上の不安がある点を勘案すると、フランジ継手又はホース継手が望ましい。他端部の継手に接続されるのは本発明に係る配管接続部材が取り付けられる水回り機器の入出水部であり、接続作業は水回り機器メーカーの工場内で良好な作業環境の下に慎重に行われるので、仮に他端部の継手がホース継手であったとしても、配管接続時に発生するこじり力は微小であり、樹脂製の中央部に伝達されても問題を生じない。
高圧配管の接続に使用される配管接続部材においては、一端部の継手はネジ継手とし、他端部の継手はフランジ継手とするのが望ましい。ネジ継手はネジ山の強度を勘案して金属製とするのが望ましい。従って、配管接続部材を形成する筒体を、一端部のネジ継手を形成する金属製の第1筒体と、中央部と他端部のフランジ継手とを形成する樹脂製の第2筒体に分割するのが望ましい。第2筒体の一端部を第1筒体の他端部に嵌合させ、板金筒体を第1筒体のネジ継手の基部と第2筒体の他端部を除く部位とに係止させることにより、第1筒体と第2筒体とを一体に組み付けることができる。
低圧配管には一般に樹脂製やゴム製のホースが使用されるので、低圧配管の接続に使用される配管接続部材においては、一端部の継手はホース継手とし、他端部の継手もホース継手とするのが望ましい。ホース継手は樹脂製でも十分に実用に耐え得る。従って配管接続部材を形成する筒体は、一端部から他端部まで一体形成された樹脂製とするのが望ましい。
一端部の継手の基部に形成された互いに平行な2辺を外周に有する横断面形状の前記平行な2辺を工具で挟持することにより、前記一端部の継手であるネジ継手に配管を接続する際、或いは前記一端部の継手であるホース継手にホースを接続する際に、筒体の回転を防止して接続作業を容易化することができる。
ネジ継手に接続される配管が水道配管の場合、水回り機器から水道配管への水の逆流を防止するために、配管接続部材内に逆止弁が配設される。第2筒体の側面に開口を形成し、前記開口を閉鎖する蓋部材を配設し、蓋部材に対峙して第2筒体内に逆止弁を配設し、逆止弁に形成された爪又は溝と、前記爪又は溝に係合可能な第2筒体内面に形成された溝又は爪とにより形成される簡易接続機構又は逆止弁に形成された貫通孔と第2筒体に形成された孔と逆止弁の貫通孔に挿通されると共に第2筒体の孔に挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって逆止弁を第2筒体に着脱可能に取り付けておけば、逆止弁が故障した時に、容易に逆止弁を交換することができる。
ネジ継手に接続される配管が水道配管の場合、水回り機器への異物の流入を防止するために配管接続部材内にストレーナが配設される。蓋部材がストレーナを形成すれば、ストレーナの掃除と逆止弁の交換とを同時に且つ容易に行うことができる。
本発明に係る配管接続部材集合体が取り付けられた水回り機器の入水部に水道配管を接続し、前記水回り機器よりも下流側にある単一又は並列の複数の水回り機器との接続配管を前記水回り機器の単一又は複数の出入水部に接続することができる。配管接続部材集合体を用いることにより、複数の配管接続部材を水回り機器に取り付ける際の作業が容易になる。
図1に示すように、高圧の水道配管と電気温水器の高圧の入水部とを接続する配管接続部材Aは、一端部に雄ネジ1aが形成された金属製の第1筒体1を備えている。雄ネジ1aの基部に外周の横断面形状が正6角形の外フランジ1bが形成され、第1筒体1の他端部1cの外周面に周溝1dが形成されている。周溝1dにOリング2が収容されている。
配管接続部材Aは、一端部3aが第1筒体1の他端部1cに外嵌合し、中央部側面に開口3bを形成する円筒壁3cが形成され、他端に外フランジ3dが形成された樹脂製の第2筒体3を備えている。第2筒体3の中央部外周面に、当該外周面を取り囲み円筒壁3cに突き当たる周リブ3eが形成され、円筒壁3cの外周面に周方向に180度の間隔を互いに隔てて一対のリブ3fが形成されている。一端部3aの先端面は外フランジ1bの第1筒体他端側へ差し向けられた端面に当接している。一端部3aと第1筒体1の他端部1cとの嵌合部はOリング2によってシールされている。
配管接続部材Aは、蓋部材4に対峙して第2筒体3内に配設された逆止弁8を備えている。逆止弁8は環状の弁座形成体8aと、弁座形成体8aの下流側に配設されバネにより弁座形成体8aへ向けて付勢された弁体8bとを有している。周方向に互いに間隔を隔てて弁座形成体8aの外周面に形成された放射状の複数の爪9aと、周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成され前記複数の爪9aが係合可能な複数の部分周溝9bとにより形成される簡易接続機構9によって、逆止弁8は第2筒体3に着脱可能に取り付けられている。部分周溝9bは、第2筒体3の内周面に形成された環状段部3gと、環状段部3gに近接して且つ周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成された径方向内方へ差し向けられた複数の爪3hとの間に形成されている。弁座形成体8aの第2筒体3への取付け部は、Oリング8cによってシールされている。蓋部材4の筒部先端は、弁座形成体8aの上流側端面に当接して、弁座形成体8aの脱落を防止している。
配管接続部材Aの雄ネジ1aに高圧の水道配管200が螺着され、第2筒体3の他端部に電気温水器の高圧の入水配管300の先端部が挿入されると共に第2筒体3の外フランジ3dに電気温水器の高圧の入水配管300の先端直近部に形成された外フランジ300aが図示しないクリップを用いて当接固定されている。
板金筒体10の内フランジ10aに隣接する部位10cの横断面形状の平行な2辺を介して、第1筒体1の外フランジ1bの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、第1筒体1の一端部に形成された雄ネジ1aに水道配管200を螺着する際の第1筒体1の回転を防止することができる。
配管接続部材Aにおいては、雄ネジ1aに水道配管200が螺着されるので、電気温水器から水道配管200への水の逆流を防止するために、配管接続部材A内に逆止弁8が配設されている。第2筒体3の側面に開口3bを形成し、開口3bを閉鎖する蓋部材4を配設し、蓋部材4に対峙して第2筒体3内に逆止弁8を配設し、逆止弁8に形成された複数の爪9aと、爪9aに係合可能な第2筒体3内面に形成された複数の部分周溝9bとにより形成される簡易接続機構9によって逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けたので、逆止弁8が故障した時に、容易に逆止弁8を交換することができる。
配管接続部材Aにおいては、雄ネジ1aに水道配管200が螺着されるので、電気温水器への異物の流入を防止するために配管接続部材A内にストレーナ6が配設されている。蓋部材4がストレーナ6を形成しているので、ストレーナ6の掃除と逆止弁8の交換とを同時に且つ容易に行うことができる。
図2に示すように、電気温水器の高圧の出入水部と下流側の外部熱源や給水栓等の高圧の入出水配管とを接続する配管接続部材Bは、一端部に雄ネジ11aが形成された金属製の第1筒体11を備えている。雄ネジ11aの基部を形成する第1筒体11の他端部には、外周の横断面形状が正6角形の外フランジ11bが形成されている。
配管接続部材Bは、一端部13aが第1筒体11の他端部に内嵌合し、他端に外フランジ13bが形成された樹脂製の第2筒体13を備えている。一端部13aの外周面に形成された環状段部13cは第1筒体11の外フランジ11bの雄ネジ11aから離隔する端面に当接している。一端部13aと第1筒体11の他端部との嵌合部はOリング12によってシールされている。
第2筒体13の他端部に電気温水器の高圧の出入水配管400の先端部が挿入されると共に第2筒体13の外フランジ13bに電気温水器の高圧の出入水配管400の先端近傍に形成された外フランジ400aが図示しないクリップを用いて固定され、雄ネジ11aに下流側の外部熱源や給水栓等の高圧の入出水配管500が螺着されている。
板金筒体20の内フランジ20aに隣接する部位20cの横断面形状の平行な2辺を介して、第1筒体11の外フランジ11bの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、第1筒体11の一端部に形成された雄ネジ11aに入出水配管500を螺着する際の第1筒体11の回転を防止することができる。
図3に示すように、電気温水器の低圧の出入水部と下流側の浴槽等の低圧の入出水配管とを接続する配管接続部材Cは、一端部のホース継手33aと他端部のホース継手33bと中央部33cとが一体形成された樹脂製の筒体33を備えている。ホース継手33aの基部に外周の横断面形状が正6角形の外フランジ33dが形成されている。
ホース継手33bに電気温水器の低圧の出入水ホース600の先端部が外嵌固定され、ホース継手33aに下流側の浴槽等の低圧の入出水ホース700が外嵌固定されている。
板金筒体40の内フランジ40aに隣接する部位40cの横断面形状の平行な2辺を介して、外フランジ33dの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、ホース継手33aに入出水ホース700を外嵌合させる際の筒体33の回転を防止することができる。
内フランジ10aと隣接部位10c、内フランジ20aと隣接部位20c、内フランジ40aと隣接部位40cを、周方向連続体ではなく、周方向に離散配置された爪にしても良い。
配管接続部材Aにおいて第2筒体3の一端部3aを配管接続部材Bと同様に第1筒体1の他端部に内嵌合させても良く、配管接続部材Bにおいて第2筒体13の一端部13aを配管接続部材Aと同様に第1筒体11の他端部に外嵌合させても良い。
配管接続部材Aにおいて、簡易接続機構9に代えて、弁座形成体8aの側壁に形成した一対の互いに正対する貫通孔と、当該貫通孔に正対して第2筒体3に形成した一対の有底孔或いは貫通孔と有底孔との組み合わせと、弁座形成体8aの前記一対の貫通孔に挿通されると共に第2筒体3の一対の有底孔或いは貫通孔と有底孔とに挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けても良い。
配管接続部材Aにおいて、簡易接続機構9に代えて、周方向に互いに間隔を隔てて弁座形成体8aの外周面に形成された複数の部分周溝と、周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成され前記複数の周溝に係合可能な複数の径方向内方へ差し向けられた爪とにより形成される簡易接続機構によって、逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けても良い。
第2筒体3、13の他端に外フランジ3d、13bを形成するのに代えて、図4に示すように第2筒体3、13の他端直近部に外フランジ3d、13bを形成し、第2筒体3、13の他端を配管300、400の先端部に挿入し、外フランジ3d、13bを配管300、400の先端に形成したフランジ300a、400aにクリップを用いて固定しても良い。
電気温水器の下流に配設される水回り機器が単一の場合には、単一の配管接続部材Aと単一の配管接続部材Bの集合体であって、板金筒体10と板金筒体20とが互いに間隔を隔てて一体形成された配管接続部材集合体を電気温水器のケーシングに取り付けても良い。
単一の配管接続部材Aと単一又は複数の配管接続部材Cとで配管接続部材集合体を形成しても良い。
単一の配管接続部材Aと単一又は複数の配管接続部材Bと単一又は複数の配管接続部材Cとで配管接続部材集合体を形成しても良い。
D 配管接続部材集合体
1、11 第1筒体
1a、11a 雄ネジ
3、13 第2筒体
3d、13b 外フランジ
4 蓋部材
6 ストレーナ
8 逆止弁
10、20、40 板金筒体
33 筒体
33a、33b ホース継手
Claims (7)
- 一端部と他端部とに継手を有し少なくとも一端部を除く中央部と他端部とが樹脂製の筒体と、一端部の継手の基部に一端部が係止すると共に筒体中央部を覆い、他端近傍部が筒体中央部に係止する板金製筒体とを備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、板金筒体の他端部が水回り機器に固定されることにより前記水回り機器に取り付けられ、前記水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続されることを特徴とする配管接続部材。
- 前記一端部を形成する金属製の第1筒体と、前記中央部と他端部とを形成する樹脂製の第2筒体とを備え、前記一端部の継手は第1筒体の一端部に形成されたネジ継手であり、第2筒体の一端部が第1筒体の他端部に嵌合し、前記他端部の継手は第2筒体の他端部に形成されたフランジ継手であり、板金筒体は第1筒体のネジ継手の基部と第2筒体の他端部を除く部位とに係止して第1筒体と第2筒体とを一体に組み付けることを特徴とする請求項1に記載の配管接続部材。
- 前記一端部は樹脂製であって中央部と他端部と共に一体形成され、前記一端部と他端部の継手はホース継手であることを特徴とする請求項1に記載の配管接続部材。
- 前記一端部の継手の基部に、互いに平行な2辺を外周に有する横断面形状が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の配管接続部材。
- 第2筒体の側面に開口が形成され、前記開口を閉鎖する蓋部材と、蓋部材に対峙して第2筒体内に配設された逆止弁とを備え、逆止弁は、逆止弁に形成された爪又は溝と、前記爪又は溝に係合可能な第2筒体内面に形成された溝又は爪とにより形成される簡易接続機構又は逆止弁に形成された貫通孔と第2筒体に形成された孔と逆止弁の貫通孔に挿通されると共に第2筒体の孔に挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって第2筒体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の配管接続部材。
- 蓋部材がストレーナを形成することを特徴とする請求項5に記載の配管接続部材。
- 請求項5又は6に記載の配管接続部材と、請求項2又は3に記載の配管接続部材であって逆止弁もストレーナも有さない単一又は複数の配管接続部材との集合体であって、各配管接続部材の板金筒体が互いに間隔を隔てて一体形成されていることを特徴とする配管接続部材集合体。
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