JP5207453B2 - 配管接続部材 - Google Patents

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本発明は、一端部と他端部とに継手を有する筒体を備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、水回り機器に取り付けられて当該水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続される配管接続部材に関するものである。
一端部と他端部とに継手を有する筒体を備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、水回り機器に取り付けられて当該水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続される配管接続部材が従来から使用されている。配管接続部材は、筒体中央部が水回り機器に固定されることにより前記水回り機器に取り付けられる。
一端部の継手であるネジ継手又はホース継手と水道配管や他の水回り機器との接続配管との接続作業は、水回り機器の設置現場で行われるので、作業環境が悪い場合もあり、作業員が不慣れな場合もあって、ネジ継手やホース継手に曲げ外力であるこじり力が印加され易い。上記こじり力はネジ継手やホース継手から配管接続部材の筒体中央部を介して水回り機器に伝達される。従って配管接続部材の筒体中央部には大きな曲げ応力が発生する。従来の配管接続部材は、こじり力に対する強度確保の観点から筒体中央部を含む全体が金属製であった。
近年の金属価格の高騰により、全体が金属製の従来の配管接続部材は製造コストが高いという問題を抱えるようになった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一端部と他端部とに継手を有する筒体を備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、水回り機器に取り付けられて当該水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続される配管接続部材であって、従来に比べて製造コストが低く且つこじり力に対する強度低下が抑制された配管接続部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、一端部と他端部とに継手を有し少なくとも一端部を除く中央部と他端部とが樹脂製の筒体と、一端部の継手の基部に一端部が係止すると共に筒体中央部を覆い、他端近傍部が筒体中央部に係止する板金製筒体とを備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、板金筒体の他端部が水回り機器に固定されることにより前記水回り機器に取り付けられ、前記水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続されることを特徴とする配管接続部材を提供する。
本発明に係る配管接続部材においては、中央部と他端部とを樹脂製とすることにより、製造コストの低減を実現している。一端部の継手であるネジ継手又はホース継手に水道配管や他の水回り機器との接続配管を接続する際に発生するこじり力は、当該一端部の継手の基部に一端部が係止すると共に筒体中央部を覆い、他端近傍部が筒体中央部に係止し、他端部が水回り機器に固定される板金筒体を介して水回り機器に伝達されるので、前記こじり力に起因する曲げ応力は筒体中央部には発生しない。この結果、こじり力に対する強度低下が抑制される。樹脂製の他端部の継手は、樹脂製のネジには強度上の不安がある点を勘案すると、フランジ継手又はホース継手が望ましい。他端部の継手に接続されるのは本発明に係る配管接続部材が取り付けられる水回り機器の入出水部であり、接続作業は水回り機器メーカーの工場内で良好な作業環境の下に慎重に行われるので、仮に他端部の継手がホース継手であったとしても、配管接続時に発生するこじり力は微小であり、樹脂製の中央部に伝達されても問題を生じない。
本発明の好ましい態様においては、配管接続部材は、前記一端部を形成する金属製の第1筒体と、前記中央部と他端部とを形成する樹脂製の第2筒体とを備え、前記一端部の継手は第1筒体の一端部に形成されたネジ継手であり、第2筒体の一端部が第1筒体の他端部に嵌合し、前記他端部の継手は第2筒体の他端部に形成されたフランジ継手であり、板金筒体は第1筒体のネジ継手の基部と第2筒体の他端部を除く部位とに係止して第1筒体と第2筒体とを一体に組み付ける。
高圧配管の接続に使用される配管接続部材においては、一端部の継手はネジ継手とし、他端部の継手はフランジ継手とするのが望ましい。ネジ継手はネジ山の強度を勘案して金属製とするのが望ましい。従って、配管接続部材を形成する筒体を、一端部のネジ継手を形成する金属製の第1筒体と、中央部と他端部のフランジ継手とを形成する樹脂製の第2筒体に分割するのが望ましい。第2筒体の一端部を第1筒体の他端部に嵌合させ、板金筒体を第1筒体のネジ継手の基部と第2筒体の他端部を除く部位とに係止させることにより、第1筒体と第2筒体とを一体に組み付けることができる。
本発明の好ましい態様においては、前記一端部は樹脂製であって中央部と他端部と共に一体形成され、前記一端部と他端部の継手はホース継手である。
低圧配管には一般に樹脂製やゴム製のホースが使用されるので、低圧配管の接続に使用される配管接続部材においては、一端部の継手はホース継手とし、他端部の継手もホース継手とするのが望ましい。ホース継手は樹脂製でも十分に実用に耐え得る。従って配管接続部材を形成する筒体は、一端部から他端部まで一体形成された樹脂製とするのが望ましい。
本発明の好ましい態様においては、前記一端部の継手の基部に、互いに平行な2辺を外周に有する横断面形状が形成されている。
一端部の継手の基部に形成された互いに平行な2辺を外周に有する横断面形状の前記平行な2辺を工具で挟持することにより、前記一端部の継手であるネジ継手に配管を接続する際、或いは前記一端部の継手であるホース継手にホースを接続する際に、筒体の回転を防止して接続作業を容易化することができる。
本発明の好ましい態様においては、第2筒体の側面に開口が形成され、前記開口を閉鎖する蓋部材と、蓋部材に対峙して第2筒体内に配設された逆止弁とを備え、逆止弁は、逆止弁に形成された爪又は溝と、前記爪又は溝に係合可能な第2筒体内面に形成された溝又は爪とにより形成される簡易接続機構又は逆止弁に形成された貫通孔と第2筒体に形成された孔と逆止弁の貫通孔に挿通されると共に第2筒体の孔に挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって第2筒体に着脱可能に取り付けられている。
ネジ継手に接続される配管が水道配管の場合、水回り機器から水道配管への水の逆流を防止するために、配管接続部材内に逆止弁が配設される。第2筒体の側面に開口を形成し、前記開口を閉鎖する蓋部材を配設し、蓋部材に対峙して第2筒体内に逆止弁を配設し、逆止弁に形成された爪又は溝と、前記爪又は溝に係合可能な第2筒体内面に形成された溝又は爪とにより形成される簡易接続機構又は逆止弁に形成された貫通孔と第2筒体に形成された孔と逆止弁の貫通孔に挿通されると共に第2筒体の孔に挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって逆止弁を第2筒体に着脱可能に取り付けておけば、逆止弁が故障した時に、容易に逆止弁を交換することができる。
本発明の好ましい態様においては、蓋部材がストレーナを形成する。
ネジ継手に接続される配管が水道配管の場合、水回り機器への異物の流入を防止するために配管接続部材内にストレーナが配設される。蓋部材がストレーナを形成すれば、ストレーナの掃除と逆止弁の交換とを同時に且つ容易に行うことができる。
本発明においては、請求項5又は6に記載の配管接続部材と、請求項2又は3に記載の配管接続部材であって逆止弁もストレーナも有さない単一又は複数の配管接続部材との集合体であって、各配管接続部材の板金筒体が互いに間隔を隔てて一体形成されていることを特徴とする配管接続部材集合体を提供する。
本発明に係る配管接続部材集合体が取り付けられた水回り機器の入水部に水道配管を接続し、前記水回り機器よりも下流側にある単一又は並列の複数の水回り機器との接続配管を前記水回り機器の単一又は複数の出入水部に接続することができる。配管接続部材集合体を用いることにより、複数の配管接続部材を水回り機器に取り付ける際の作業が容易になる。
本発明により、一端部と他端部とに継手を有する筒体を備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、水回り機器に取り付けられて当該水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続される配管接続部材であって、従来に比べて製造コストが低く且つこじり力に対する強度低下が抑制された配管接続部材が提供される。
本発明の第1実施例を説明する。
図1に示すように、高圧の水道配管と電気温水器の高圧の入水部とを接続する配管接続部材Aは、一端部に雄ネジ1aが形成された金属製の第1筒体1を備えている。雄ネジ1aの基部に外周の横断面形状が正6角形の外フランジ1bが形成され、第1筒体1の他端部1cの外周面に周溝1dが形成されている。周溝1dにOリング2が収容されている。
配管接続部材Aは、一端部3aが第1筒体1の他端部1cに外嵌合し、中央部側面に開口3bを形成する円筒壁3cが形成され、他端に外フランジ3dが形成された樹脂製の第2筒体3を備えている。第2筒体3の中央部外周面に、当該外周面を取り囲み円筒壁3cに突き当たる周リブ3eが形成され、円筒壁3cの外周面に周方向に180度の間隔を互いに隔てて一対のリブ3fが形成されている。一端部3aの先端面は外フランジ1bの第1筒体他端側へ差し向けられた端面に当接している。一端部3aと第1筒体1の他端部1cとの嵌合部はOリング2によってシールされている。
配管接続部材Aは、閉鎖された一端に外フランジ4aが形成され閉鎖端近傍部の外周面に周溝4bが形成された有底筒状の蓋部材4を備えている。周溝4bにOリング5が収容されている。蓋部材4の筒部はメッシュを備えるストレーナ6を形成している。蓋部材4は、筒部が開口3bを介して第2筒体3内へ挿入され、外フランジ4aが円筒壁3cの端面に当接すると共に一対のネジ7によって一対のリブ3fに固定されることにより、第2筒体3に固定されて開口3bを閉鎖している。蓋部材4の閉鎖端近傍部と円筒壁3cとの嵌合部は、Oリング5によってシールされている。
配管接続部材Aは、蓋部材4に対峙して第2筒体3内に配設された逆止弁8を備えている。逆止弁8は環状の弁座形成体8aと、弁座形成体8aの下流側に配設されバネにより弁座形成体8aへ向けて付勢された弁体8bとを有している。周方向に互いに間隔を隔てて弁座形成体8aの外周面に形成された放射状の複数の爪9aと、周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成され前記複数の爪9aが係合可能な複数の部分周溝9bとにより形成される簡易接続機構9によって、逆止弁8は第2筒体3に着脱可能に取り付けられている。部分周溝9bは、第2筒体3の内周面に形成された環状段部3gと、環状段部3gに近接して且つ周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成された径方向内方へ差し向けられた複数の爪3hとの間に形成されている。弁座形成体8aの第2筒体3への取付け部は、Oリング8cによってシールされている。蓋部材4の筒部先端は、弁座形成体8aの上流側端面に当接して、弁座形成体8aの脱落を防止している。
配管接続部材Aは、一端に内フランジ10aが形成され他端に外フランジ10bが形成された板金筒体10を備えている。板金筒体10の内フランジ10aに隣接する部位10cは正6角形の横断面形状を有している。板金筒体10の一端の内フランジ10aは外フランジ1bの第1筒体一端部側の端面に当接し、内フランジ10aに隣接する横断面形状が正6角形の部位10cは外周の横断面形状が正6角形の外フランジ1bに外嵌合している。板金筒体10の中央部と他端の外フランジ10bとは、第2筒体3の外フランジ3dと外フランジ3dに近接する部位とを含む他端部と円筒壁3cとを除く部位を覆っている。板金筒体10の中央部側壁に周方向に互いに間隔を隔てて形成された径方向内方への複数の切り起こし部10dの先端が第2筒体中央部外周面に形成された周リブ3eの一端部3aから離隔する端面に弾性係合している。板金筒体10は、内フランジ10aと隣接部10cとを介して一端部が第1筒体1の雄ネジ1aの基部に係止し、切り起こし部10dを介して他端近傍部が第2筒体3の中央部に係止することにより、第1筒体1と第2筒体3とを一体に組み付けている。
外フランジ10bは電気温水器のケーシング100にネジ固定されている。第2筒体3の外フランジ3dと外フランジ3dに近接する部位とを含む他端部は、ケーシング100に形成された開口を通ってケーシング100内へ侵入している。
配管接続部材Aの雄ネジ1aに高圧の水道配管200が螺着され、第2筒体3の他端部に電気温水器の高圧の入水配管300の先端部が挿入されると共に第2筒体3の外フランジ3dに電気温水器の高圧の入水配管300の先端直近部に形成された外フランジ300aが図示しないクリップを用いて当接固定されている。
配管接続部材Aは、高圧の水道配管200と電気温水器の高圧の入水配管300とを接続するので、水道配管200との継手をネジ継手とし、入水配管300との継手をフランジ継手としている。ネジ継手を形成する第1筒体1を金属製にすることにより雄ネジ1aの強度を確保し、フランジ継手を形成する第2筒体3を樹脂製にすることにより製造コストを低減している。雄ネジ1aを水道配管200に接続する際に発生するこじり力は、雄ネジ1aの基部である第1筒体1の外フランジ1bに係止する板金筒体10を介して電気温水器のケーシング100に伝達されるので、前記こじり力に起因する曲げ応力は樹脂製の第2筒体3の中央部には発生しない。この結果、配管接続部材Aの中央部と他端部とを樹脂化したことによるこじり力に対する強度低下が抑制される。尚フランジ同士を突き当てクリップで固定するフランジ継手には接続時にこじり力は発生しない。
板金筒体10の内フランジ10aに隣接する部位10cの横断面形状の平行な2辺を介して、第1筒体1の外フランジ1bの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、第1筒体1の一端部に形成された雄ネジ1aに水道配管200を螺着する際の第1筒体1の回転を防止することができる。
配管接続部材Aにおいては、雄ネジ1aに水道配管200が螺着されるので、電気温水器から水道配管200への水の逆流を防止するために、配管接続部材A内に逆止弁8が配設されている。第2筒体3の側面に開口3bを形成し、開口3bを閉鎖する蓋部材4を配設し、蓋部材4に対峙して第2筒体3内に逆止弁8を配設し、逆止弁8に形成された複数の爪9aと、爪9aに係合可能な第2筒体3内面に形成された複数の部分周溝9bとにより形成される簡易接続機構9によって逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けたので、逆止弁8が故障した時に、容易に逆止弁8を交換することができる。
配管接続部材Aにおいては、雄ネジ1aに水道配管200が螺着されるので、電気温水器への異物の流入を防止するために配管接続部材A内にストレーナ6が配設されている。蓋部材4がストレーナ6を形成しているので、ストレーナ6の掃除と逆止弁8の交換とを同時に且つ容易に行うことができる。
本発明の第2実施例を説明する。
図2に示すように、電気温水器の高圧の出入水部と下流側の外部熱源や給水栓等の高圧の入出水配管とを接続する配管接続部材Bは、一端部に雄ネジ11aが形成された金属製の第1筒体11を備えている。雄ネジ11aの基部を形成する第1筒体11の他端部には、外周の横断面形状が正6角形の外フランジ11bが形成されている。
配管接続部材Bは、一端部13aが第1筒体11の他端部に内嵌合し、他端に外フランジ13bが形成された樹脂製の第2筒体13を備えている。一端部13aの外周面に形成された環状段部13cは第1筒体11の外フランジ11bの雄ネジ11aから離隔する端面に当接している。一端部13aと第1筒体11の他端部との嵌合部はOリング12によってシールされている。
配管接続部材Bは、一端に内フランジ20aが形成され他端に外フランジ20bが形成された板金筒体20を備えている。板金筒体20の内フランジ20aに隣接する部位20cは正6角形の横断面形状を有している。板金筒体20の一端の内フランジ20aは外フランジ11bの第1筒体一端部側の端面に当接し、内フランジ20aに隣接する横断面形状が正6角形の部位20cは外周の横断面形状が正6角形の外フランジ11bに外嵌合している。板金筒体20の中央部と他端の外フランジ20bとは第2筒体13の外フランジ13bと外フランジ13bに近接する部位とを含む他端部と第1筒体11の他端部に内嵌合した一端部13aとを除く部位を覆っている。周方向に互いに間隔を隔てて板金筒体20の外フランジ20bに近接する部位に形成された複数の径方向内方への切り起こし部20dの先端が、周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体13の中央部外周面に形成された複数の放射状突起13dの一端部13aから離隔する端面に弾性係合している。板金筒体20は、内フランジ20aと隣接部20cとを介して一端部が第1筒体11の雄ネジ11aの基部に係止し、切り起こし部20dを介して他端近傍部が第2筒体13の中央部に係止することにより、第1筒体11と第2筒体13とを一体に組み付けている。
外フランジ20bは電気温水器のケーシング100にネジ固定されている。第2筒体13の外フランジ13bと外フランジ13bに近接する部位とを含む他端部は、ケーシング100に形成された開口を通ってケーシング100内へ侵入している。
第2筒体13の他端部に電気温水器の高圧の出入水配管400の先端部が挿入されると共に第2筒体13の外フランジ13bに電気温水器の高圧の出入水配管400の先端近傍に形成された外フランジ400aが図示しないクリップを用いて固定され、雄ネジ11aに下流側の外部熱源や給水栓等の高圧の入出水配管500が螺着されている。
配管接続部材Bは、下流側の外部熱源や給水栓等の高圧の入出水配管500と電気温水器の高圧の出入水配管400とを接続するので、入出水配管500との継手をネジ継手とし、出入水配管400との継手をフランジ継手としている。ネジ継手を形成する第1筒体11を金属製にすることにより雄ネジ11aの強度を確保し、フランジ継手を形成する第2筒体13を樹脂製にすることにより製造コストを低減している。雄ネジ11aを入出水配管500に接続する際に発生するこじり力は、雄ネジ11aの基部である外フランジ11bに係止する板金筒体20を介して電気温水器のケーシング100に伝達されるので、前記こじり力に起因する曲げ応力は樹脂製の第2筒体13の中央部には発生しない。この結果、配管接続部材Bの中央部と他端部とを樹脂化したことによるこじり力に対する強度低下が抑制される。尚フランジ同士を突き当てクリップで固定するフランジ継手には接続時にこじり力は発生しない。
板金筒体20の内フランジ20aに隣接する部位20cの横断面形状の平行な2辺を介して、第1筒体11の外フランジ11bの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、第1筒体11の一端部に形成された雄ネジ11aに入出水配管500を螺着する際の第1筒体11の回転を防止することができる。
本発明の第3実施例を説明する。
図3に示すように、電気温水器の低圧の出入水部と下流側の浴槽等の低圧の入出水配管とを接続する配管接続部材Cは、一端部のホース継手33aと他端部のホース継手33bと中央部33cとが一体形成された樹脂製の筒体33を備えている。ホース継手33aの基部に外周の横断面形状が正6角形の外フランジ33dが形成されている。
配管接続部材Cは、一端に内フランジ40aが形成され他端に外フランジ40bが形成された板金筒体40を備えている。板金筒体40の内フランジ40aに隣接する部位40cは正6角形の横断面形状を有している。板金筒体40の一端の内フランジ40aは外フランジ33dのホース継手33a側の端面に当接し、内フランジ40aに隣接する横断面形状が正6角形の部位40cは外周の横断面形状が正6角形の外フランジ33dに外嵌合している。板金筒体40の中央部と他端の外フランジ40bとは筒体33のホース継手33aが形成された一端部とホース継手33bが形成された他端部とを除く筒体33の中央部33cを覆っている。周方向に互いに間隔を隔てて板金筒体40の外フランジ40bに近接する部位に形成された複数の径方向内方への切り起こし部40dの先端が、周方向に互いに間隔を隔てて筒体33の外周面に形成された複数の放射状突起33eのホース継手33aから離隔する端面に弾性係合している。板金筒体40は、内フランジ40aと隣接部40cとを介して一端部がホース継手33aの基部に係止し、切り起こし部40dを介して他端近傍部が筒体33の中央部に係止することにより、筒体33に係止している。
外フランジ40bは電気温水器のケーシング100にネジ固定されている。ホース継手33bは、ケーシング100に形成された開口を通ってケーシング100内へ侵入している。
ホース継手33bに電気温水器の低圧の出入水ホース600の先端部が外嵌固定され、ホース継手33aに下流側の浴槽等の低圧の入出水ホース700が外嵌固定されている。
配管接続部材Cは、下流側の浴槽等の低圧の入出水ホース700と電気温水器の低圧の出入水ホース600とを接続するので、入出水ホース700との継手33aも出入水ホース600との継手33bもホース継手としている。筒体33の全体を樹脂製にすることにより製造コストを低減している。ホース継手33aを入出水ホース700に接続する際に発生するこじり力は、ホース継手33aの基部である外フランジ33dに係止する板金筒体40を介して電気温水器のケーシング100に伝達されるので、前記こじり力に起因する曲げ応力は樹脂製筒体33の中央部には発生しない。この結果、配管接続部材Cの筒体33の全体を樹脂化したことによるこじり力に対する強度低下が抑制される。ホース継手33bに接続されるのは配管接続部材Cが取り付けられた電気温水器の出入水ホース600であり、接続作業は電気温水器メーカーの工場内で良好な作業環境の下に慎重に行われるので、ホース継手33bに出入水ホース600を接続する際に発生するこじり力は微小であり、樹脂製筒体33の中央部に伝達されても問題を生じない。
板金筒体40の内フランジ40aに隣接する部位40cの横断面形状の平行な2辺を介して、外フランジ33dの外周横断面形状の平行な2辺を工具を用いて挟持することにより、ホース継手33aに入出水ホース700を外嵌合させる際の筒体33の回転を防止することができる。
外フランジ1b、11b、33dの外周の横断面形状は正6角形に限定されない。平行な2辺を外周に有する形状であれば良い。
内フランジ10aと隣接部位10c、内フランジ20aと隣接部位20c、内フランジ40aと隣接部位40cを、周方向連続体ではなく、周方向に離散配置された爪にしても良い。
配管接続部材Aにおいて第2筒体3の一端部3aを配管接続部材Bと同様に第1筒体1の他端部に内嵌合させても良く、配管接続部材Bにおいて第2筒体13の一端部13aを配管接続部材Aと同様に第1筒体11の他端部に外嵌合させても良い。
配管接続部材Aにおいて、簡易接続機構9に代えて、弁座形成体8aの側壁に形成した一対の互いに正対する貫通孔と、当該貫通孔に正対して第2筒体3に形成した一対の有底孔或いは貫通孔と有底孔との組み合わせと、弁座形成体8aの前記一対の貫通孔に挿通されると共に第2筒体3の一対の有底孔或いは貫通孔と有底孔とに挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けても良い。
配管接続部材Aにおいて、簡易接続機構9に代えて、周方向に互いに間隔を隔てて弁座形成体8aの外周面に形成された複数の部分周溝と、周方向に互いに間隔を隔てて第2筒体3の内周面に形成され前記複数の周溝に係合可能な複数の径方向内方へ差し向けられた爪とにより形成される簡易接続機構によって、逆止弁8を第2筒体3に着脱可能に取り付けても良い。
第2筒体3、13の他端に外フランジ3d、13bを形成するのに代えて、図4に示すように第2筒体3、13の他端直近部に外フランジ3d、13bを形成し、第2筒体3、13の他端を配管300、400の先端部に挿入し、外フランジ3d、13bを配管300、400の先端に形成したフランジ300a、400aにクリップを用いて固定しても良い。
図5に示すように、単一の配管接続部材Aと複数の配管接続部材Bの集合体であって、板金筒体10と複数の板金筒体20とが互いに間隔を隔てて一体形成された配管接続部材集合体Dを電気温水器のケーシングに取り付けても良い。配管接続部材集合体Dを用いて、電気温水器の入水部に水道配管を接続し、電気温水器の複数の出入水部を電気温水器の下流に配設された外部熱源や水栓等の複数の水回り機器の入出水部に接続することができる。配管接続部材集合体Dを用いることにより、複数の配管接続部材を水回り機器に取り付ける際の作業が容易になる。
電気温水器の下流に配設される水回り機器が単一の場合には、単一の配管接続部材Aと単一の配管接続部材Bの集合体であって、板金筒体10と板金筒体20とが互いに間隔を隔てて一体形成された配管接続部材集合体を電気温水器のケーシングに取り付けても良い。
単一の配管接続部材Aと単一又は複数の配管接続部材Cとで配管接続部材集合体を形成しても良い。
単一の配管接続部材Aと単一又は複数の配管接続部材Bと単一又は複数の配管接続部材Cとで配管接続部材集合体を形成しても良い。
本発明に係る配管接続部材は電気温水器のみならずガス給湯器その他の種々の給湯給水機器を含む種々の水回り機器に利用可能である。
本発明の第1実施例に係る配管接続部材の構造図である。(a)は断面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(b)のc−c矢視図である。 本発明の第2実施例に係る配管接続部材の断面図である。 本発明の第3実施例に係る配管接続部材の断面図である。 本発明の他の実施例に係る配管接続部材の部分断面図である。 本発明の実施例に係る配管接続部材集合体の断面図である。
符号の説明
A、B、C 配管接続部材
D 配管接続部材集合体
1、11 第1筒体
1a、11a 雄ネジ
3、13 第2筒体
3d、13b 外フランジ
4 蓋部材
6 ストレーナ
8 逆止弁
10、20、40 板金筒体
33 筒体
33a、33b ホース継手

Claims (7)

  1. 一端部と他端部とに継手を有し少なくとも一端部を除く中央部と他端部とが樹脂製の筒体と、一端部の継手の基部に一端部が係止すると共に筒体中央部を覆い、他端近傍部が筒体中央部に係止する板金製筒体とを備え、前記一端部の継手はネジ継手又はホース継手であり、板金筒体の他端部が水回り機器に固定されることにより前記水回り機器に取り付けられ、前記水回り機器の入出水部が前記他端部の継手に接続され、前記一端部の継手に水道配管又は他の水回り機器との接続配管が接続されることを特徴とする配管接続部材。
  2. 前記一端部を形成する金属製の第1筒体と、前記中央部と他端部とを形成する樹脂製の第2筒体とを備え、前記一端部の継手は第1筒体の一端部に形成されたネジ継手であり、第2筒体の一端部が第1筒体の他端部に嵌合し、前記他端部の継手は第2筒体の他端部に形成されたフランジ継手であり、板金筒体は第1筒体のネジ継手の基部と第2筒体の他端部を除く部位とに係止して第1筒体と第2筒体とを一体に組み付けることを特徴とする請求項1に記載の配管接続部材。
  3. 前記一端部は樹脂製であって中央部と他端部と共に一体形成され、前記一端部と他端部の継手はホース継手であることを特徴とする請求項1に記載の配管接続部材。
  4. 前記一端部の継手の基部に、互いに平行な2辺を外周に有する横断面形状が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の配管接続部材。
  5. 第2筒体の側面に開口が形成され、前記開口を閉鎖する蓋部材と、蓋部材に対峙して第2筒体内に配設された逆止弁とを備え、逆止弁は、逆止弁に形成された爪又は溝と、前記爪又は溝に係合可能な第2筒体内面に形成された溝又は爪とにより形成される簡易接続機構又は逆止弁に形成された貫通孔と第2筒体に形成された孔と逆止弁の貫通孔に挿通されると共に第2筒体の孔に挿入される抜け止めピンとにより形成される簡易接続機構によって第2筒体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の配管接続部材。
  6. 蓋部材がストレーナを形成することを特徴とする請求項5に記載の配管接続部材。
  7. 請求項5又は6に記載の配管接続部材と、請求項2又は3に記載の配管接続部材であって逆止弁もストレーナも有さない単一又は複数の配管接続部材との集合体であって、各配管接続部材の板金筒体が互いに間隔を隔てて一体形成されていることを特徴とする配管接続部材集合体。
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