JP6850697B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、空調システムに関する
従来、業務用の空調機として、1台の室外機に複数台の室内機が接続されて構成された、いわゆるマルチエアコンがある。このようなマルチエアコンの室外機および各室内機には、マイクロコンピュータ(MCU)が搭載され、そのメモリには、MCUが通信や空調に関する各種機能を実行するための制御プログラムであるファームウェアが記憶されている。
マルチエアコンの各機器に搭載されているファームウェアは、当該マルチエアコン内における機能の追加や変更等に応じて、適宜更新する必要がある。
特開2002−81721号公報
各室内機におけるファームウェアの更新処理は、再起動処理が伴うため、当該室内機で実行されている空調制御になるべく影響を与えないように、MCUの制御処理負荷が少ないときに実行することが望ましい。
しかし、マルチエアコンの各室内機は、それぞれ別箇の場所、例えば部屋で空調制御が実行されており、処理負荷が増減するタイミングもそれぞれ異なる。例えば室内機が停止、すなわち空調運転が停止している状態で更新処理を行うことが考えられるが、マルチエアコンでは、継続的に運転が必要な空間に取り付けられて、停止させることがない室内機も存在する場合がある。そのため、同一の室外機に接続された複数台の室内機に対してなるべくタイミングを合わせつつ、それぞれの室内機の処理負荷が少ないときにファームウェアの更新処理を実行することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、同一の室外機に接続された複数の室内機で、実行中の空調制御処理への影響を抑えつつ、なるべく近いタイミングでファームウェアの更新処理を行うための空調システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための実施形態によれば、空調システムは、室外機と複数の室内機とが接続されて構成される。複数の室内機はそれぞれ、サーモオフ状態になったときに、未更新のファームウェア更新情報があれば、前記ファームウェア更新情報で自室内機内のファームウェアを更新するとともに、ファームウェア更新処理実行通知を室外機に送信する。室外機は、いずれかの室内機からファームウェア更新処理実行通知を受信すると、当該室内機を除外して、接続された室外機の制御処理を実行する。
本発明の第1〜第3実施形態による空調システムを示す全体図である。 本発明の第1〜第3実施形態による空調システムの室内制御器の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による空調システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による空調システムの動作を示すフローチャートである。
《第1実施形態》
〈第1実施形態による空調システムの構成〉
本発明の第1実施形態による空調システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る空調システム1Aの概略構成および空調システム1A内における冷媒の流れを示す説明図である。
空調システム1Aは、室外機10と、複数の室内機20A−1、20A−2・・・とが2本の冷媒配管30に並列に接続されて構成されている。図1においては、説明を簡略化するために室外機10に2台の室内機20A−1、20A−2が接続されている場合を示しているが、実際にはさらに多数の室内機が接続可能である。
空調システム1Aが冷房モードで動作する際には、室外機10において、冷媒がコンプレッサ11で高温高圧に圧縮された後、四方弁12を介して室外熱交換器13に送られ、室外熱交換器13において液化される。そして、液化された冷媒が膨張弁14により急激に膨張されて低温低圧にされる。この低温冷媒は、冷媒配管30を介して室内機20A−1、20A−2に供給される。
各室内機20A−1、20A−2には室内熱交換器21−1、21−2が設置されており、一方の冷媒配管30を通る低温冷媒が接続配管22−1、22−2から取り込まれて、室内熱交換器21−1、21−2に供給され、接続配管22−1,22−2を経由して他方の冷媒配管30に流れ出る。この接続配管22−1、22−2の途中には、配管中を流れる冷媒の流通(流量)を制御するための電動膨張弁23−1、23−2が設置されている。これらの電動膨張弁23−1、23−2は、それぞれ電力により開度の変更が可能である。これら電動膨張弁23−1、23−2の開度により、室内熱交換器21−1、21−2への冷媒の供給量が制御される。電動膨張弁23−1、23−2には、例えば、一般的にパルスモータバルブ(PMV)と称される、パルス電力により回転角度が変化するパルスモータによりニードル弁の弁座に対する出没、すなわち冷媒流路面積を制御するタイプの弁装置が使用される。
室内熱交換器21−1、21−2では、供給された冷媒の熱交換により冷気が生成され、室内機20A−1、20A−2内部に設置された室内ファン24−1、24−2により空調制御対象エリアに送風される。そして、熱交換された冷媒が冷媒配管30を介して室外機10のコンプレッサ11に戻され、以降の冷媒の循環が繰り返される。
暖房モードでは、四方弁12の接続方向を切り替えることで上記とは逆方向に冷媒が流れ、室内熱交換器21−1、21−2には圧縮された高温のガス冷媒が流れて、室内の暖房に用いられる。
また、空調システム1A内では、室外機10に設置された室外制御器15と、室内機20A−1、20A−2内にそれぞれ設置された室内制御器25A−1、25A−2とが通信線35を介して接続されており、これらの間で各種情報が送受信されている。
室外制御器15は、室内機20A−1、20A−2の冷暖房モード、室内ファン24−1、24−2の回転数等の運転状況、検出した室温、設定温度等を示す情報を室内制御器25A−1、25A−2から所定時間間隔で取得し、取得した情報に基づいて、室外機10内のコンプレッサ11の回転速度や室外熱交換器13に通風する室外ファン(図示しない)の回転速度等を制御して空調負荷に対応した適切な温度で適切な流量の冷媒を室内機20A−1、20A−2に向けて送り出す。さらに、室内機20A−1、20A−2から送られてきた情報に基づいて、室内ファン24−1、24−2の回転数や電動膨張弁23−1、23−2の開度を決定し、その結果を室内制御器25A−1、25A−2に送信する。室内機20A−1、20A−2は、この室外機10からの指示に基づいて室内ファン24−1、24−2及び電動膨張弁23−1、23−2を制御する。
制御プログラムであるファームウェアの更新に関する室内制御器25A−1、25A−2の詳細な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。室内制御器25A−1、25A−2はそれぞれ、ファームウェア保持部251−1、251−2と、通信インタフェース252−1、252−2と、運転制御部253−1、253−2と、更新用プログラム情報保持部254−1、254−2と、判定部255A−1、255A−2と、更新処理制御部256A−1、256A−2とを有する。
ファームウェア保持部251−1、251−2は、室内制御器25A−1、25A−2の基本動作を制御するためのファームウェアを保持する。通信インタフェース252−1、252−2は、室外制御器15との通信処理を行う。運転制御部253−1、253−2は、ファームウェア保持部251−1、251−2に保持されたファームウェアを用いて、室外機10から指定された電動膨張弁23−1、23−2の開度、および、室内ファン24−1、24−1の回転数や図示しない風向変更板の角度等を制御する。更新用プログラム情報保持部254−1、254−2は、ファームウェア保持部251−1、251−2に保持されたファームウェアの更新用プログラム情報を保持する。判定部255A−1、255A−2は、運転制御部253−1、253−2による運転内容に基づいて、サーモオフ状態になったか否かを判定する。更新処理制御部256A−1、256A−2は、判定部255A−1、255A−2でサーモオフ状態になったと判定されたときに、更新用プログラム情報保持部254−1、254−2に未更新の更新用プログラムが保持されていれば、当該更新用プログラムで、ファームウェア保持部251−1、251−2内のファームウェアを更新する。
ここで、サーモオフ状態とは、各室内機20A−1、20A−2の各々が空調する室内が十分に空調された状態となり、各々の電動膨張弁23−1、23−2を全閉として、室内熱交換器に冷媒が流れないようになった状態をいう。具体的には、冷房時に室温が設定温度よりも何℃か下回った状態なること、また、暖房時に室温が設定温度よりも何℃か上回った状態となることである。なお、一般にサーモオフ状態では、室内ファン24−1、24−1は停止、回転数「0」の状態、とするが、冷房時には適宜送風運転を行う場合もある。
なお、サーモオフ状態の反対の状態であるサーモオン状態は、各々の電動膨張弁23−1、23−2を適切な開度に制御し、室内熱交換器に必要な量の冷媒を流し、各室内を空調する状態を意味している。
〈第1実施形態による空調システムの動作〉
次に、本実施形態による空調システム1Aの動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。本実施形態による空調システム1Aは、通常運転時は、室内制御器25A−1、25A−2の運転制御部253−1、253−2における運転状況が、所定時間間隔で通信インタフェース252−1、252−2を介して室外制御器15で取得されている。室外機10では、室外制御器15で取得された室内制御器25A−1、25A−2による運転状況に基づいて、室外機10内の機器を運転制御するとともに、室内制御器25A−1、25A−2に対して、室内機20A−1、20A−2内の機器の運転を指令する。
また、更新用プログラム情報保持部254−1、254−2には、ファームウェア保持部251−1、251−2に保持されたファームウェアの更新用プログラム情報が保持されている。この更新用プログラム情報は、室外制御器15から室内制御器25A−1および25A−2に通信線35を介して一斉送信されることにより記憶されてもよいし、作業員の操作により携帯端末等から無線送信されることにより記憶されてもよい。
このように通常運転が行われているとき(S1、S2)に、室内制御器25A−1、25A−2の判定部255A−1、255A−2では、運転制御部253−1、253−2の動作に基づいてサーモオフ状態になったか否かが監視される。なお、本実施形態においては、サーモオフ状態またはサーモオン状態のいずれにあるかは、室外機10の室外制御器15が決定していることから、この判定部は255A−1、255A−2は、室外制御器15の指示がサーモオフ状態であるか否かを判定している。なお、室温と設定温度等に基づき室内制御器25A−1、25A−2が自らサーオン状態とサーモオフ状態との切り替えを決定するのであれば、判定部255A−1、255A−2が切換えそのものを決定するようにしても良い。
以下、判定部255A−1において、サーモオフ状態になったと判定された場合について説明する。
判定部255A−1でサーモオフ状態になったと判定されると(S3の「YES」)、運転制御部253−1により当該室内機20A−1への冷媒の供給を無くすため、電動膨張弁23−1を全閉とする(S4)。なお、前述したとおり、この時点で室内ファン24−1をOFF 状態(停止)としても良い。続いて、更新処理制御部256A−1により、更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがあるか否か確認される(S5)。ここで、更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがあるときには(S5の「YES」)、更新処理制御部256A−1によりファームウェア更新処理実行通知が生成され、通信インタフェース252−1を介して室外制御器15に送信される(S6)。なお、ステップS3においてサーモオフ状態になっていないと判定されたとき(S3の「NO」)、または、サーモオフ状態になったが、ステップS5において更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがないときには(S5の「NO」)、ステップS2に戻り、通常運転が継続される。
室外制御器15では、室内制御器25A−1からファームウェア更新処理実行通知が受信されると(S7の「YES」)、当該通知の送信元の室内機20A−1を冷媒供給の制御対象から除外して、運転するように切り替えられる(S8)。
また、室内制御器25A−1では、運転制御部253−1により室内ファン24−1がOFF状態に切り替えられるとともに、電動膨張弁23−1が全開もしくは全開に近い開度にされることで、通常運転から更新処理用運転に切り替えられる(S9)。
このような状態に切り替えることにより、更新処理中に室外機10による冷媒回収運転または油回収運転の実行タイミングが到来しても、電動膨張弁23−1が開いていることで室内熱交換器21−1やその接続配管22−1に滞留している冷媒や油を適切に回収することができる。冷媒回収運転は、室外機10から冷媒配管30に送出されて、室内機20A−1、20A−2内の室内熱交換器21−1、21−2や接続配管22−1、22−2に滞留した冷媒を回収するために実行される。油回収運転は、室外機10から冷媒とともに冷媒配管30に送出され、室内熱交換器21−1、21−2や接続配管22−1、22−2に滞留したコンプレッサの油を、大量の液冷媒を流すことで冷媒と油を混在させて回収するために実行される。これらの冷媒回収運転および油回収運転は、室外制御器15の制御により所定時間間隔(例えば1〜2時間間隔)で、定期的に実施される。
冷媒を回収するためには、室内機に高圧のガス冷媒を流して滞留している液冷媒を押し出すことが有効である。このため、室外制御器15により、四方弁12を制御して冷凍サイクルを暖房運転モード時の冷媒の流れに設定した上でコンプレッサ11を高速回転で動作させて、高圧ガス冷媒を室内機20A−1、20A−2に送ることで、冷媒回収運転が実行される。
一方、油を回収するためには、液冷媒を流すことで室内機に滞留している潤滑油をこの液冷媒に溶け込ませて室外機10へと流し出すことが有効である。そのため、室外制御器15により、四方弁12を制御して冷凍サイクルを冷房運転モード時の冷媒の流れに設定した上でコンプレッサ11を高速回転で動作させて、膨張弁14で強く絞った低圧液冷媒を室内機20A−1、20A−2に送ることで、油回収運転が実行される。
冷媒回収運転及び油回収運転中は、室外制御器15が各室内制御器25A−1、25A−2に対して、室内ファン24−1、24−2をOFF状態、且つ電動膨張弁23−1、23−2が全開もしくは全開に近い状態に開度を開けるよう指示が出される。この指示に従って各室内制御器25A−1、25A−2は、室内ファン24−1、24−2を停止させ、電動膨張弁23−1、23−2の開度を制御する。冷媒回収運転および油回収運転のいずれも室内機の動作は同じなので、以降、冷媒回収運転および油回収運転を総称して、単に「回収運転」と記して説明する。
運転制御部253−1により更新処理用運転に切り替えられると、更新処理制御部256A−1により、更新用プログラム情報保持部254−1に保持された更新用プログラムで、ファームウェア保持部251−1内のファームウェアが更新される(S10)。ファームウェアの更新中は、更新処理制御部256A−1により更新処理が完了したか監視されており(S11の「NO」)、ファームウェアの更新処理が完了すると(S11の「YES」)、室内制御器25A−1が再起動される(S12)。ここで、再起動により電源が途切れる時間が発生しても、室内機20A−1はサーモオフ中であるため空調制御への影響は少なく、空調対象の室内の快適性が損なわれることを防ぐことができる。再起動後、更新処理制御部256A−1によりファームウェア更新処理完了通知が生成され、通信インタフェース252−1を介して室外制御器15に送信される(S13)。この再起動により、以後は更新されたファームウェアに基づき運転制御が実行される。
室外制御器15では、室内制御器25A−1からファームウェア更新処理完了通知が受信されるまでは、ステップS8で切り替えられた状態で、室内機20A−1を冷媒供給の制御対象から除外した運転が継続され(S14の「NO」)、ファームウェア更新処理完了通知が受信されると(S14の「YES」)、当該通知の送信元の室内機20A−1を冷媒供給の制御処理対象に含めて運転するように切り替えられる(S15)。
また、室内制御器25A−1では、再起動したときに回収運転が実行中であれば(S16の「YES」)、そのまま室内ファン24−1がOFF状態で電動膨張弁23−1が全開の状態が保持される。再起動時に回収運転が実行されていないとき、または実行していた回収運転が終了したとき(S16の「NO」)には、更新処理用運転から通常運転に復帰する(S17)。ここで通常運転とは、具体的には運転制御部253−1により室内ファン24−1がON状態に切り替えられるとともに、電動膨張弁23−1が通常運転時の開度で制御されるように切り替えられることである。なお、通常運転の復帰時点においても室内機20A−1が継続してサーモオフ状態にあれば、電動膨張弁23−1が全閉に制御され、室内ファン24−1はOFF状態が継続される。
以上の第1実施形態によれば、室外機に接続された複数の室内機において、サーモオフ状態になるタイミングでファームウェアの更新処理が行われるため、各室内機の空調制御処理になるべく影響を与えないように更新処理を実行することができる。
《第2実施形態》
〈第2実施形態による空調システムの構成〉
本発明の第2実施形態による空調システム1Bの構成は、第1実施形態で説明した空調システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
本実施形態において室外制御器15は、回収運転の実行タイミングが到来すると、回収運転実行通知を生成して室内機20B−1、20B−2の室内制御器25B−1、25B−2に送信する。その後、回収運転が完了すると、回収運転完了通知を生成して室内制御器25B−1、25B−2に送信する。
また、室内制御器25B−1、25B−2の判定部255B−1、255B−2は、室外制御器15から回収運転開始通知を受信したか否かを判定する。更新処理制御部256B−1、256B−2は、判定部255B−1、255B−2で回収運転開始通知を受信したと判定されたときに、更新用プログラム情報保持部254−1、254−2に未更新の更新用プログラムが保持されていれば、当該更新用プログラムで、ファームウェア保持部251−1、251−2内のファームウェアを更新する。
〈第2実施形態による空調システムの動作〉
次に、本実施形態による空調システム1Bの動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。本実施形態による空調システム1Bは、第1実施形態と同様にファームウェアの更新用プログラム情報が保持されて通常運転が行われているとき(S21、S22)に、室外制御器15で回収運転の実行タイミングが到来したか否かが監視され(S23の「NO」)、回収運転の実行タイミングが到来したことが検知されると(S23の「YES」)、回収運転実行通知が生成されて室内制御器25B−1、25B−2に送信され(S24)、回収運転が実行される(S25)。
室内制御器25B−1、25B−2ではそれぞれ、室外制御器15から回収運転実行通知が受信されたか否かが監視されており(S26の「NO」)、回収運転実行通知が受信されると(S26の「YES」)、運転制御部253−1により室内ファン24−1がOFF状態に切り替えられるとともに、電動膨張弁23−1が全開もしくはそれに近い開度に開放され、回収運転用の状態に切り替えられる(S27)。また、回収運転実行通知が受信されると、更新処理制御部256B−1により、更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがあるか否か確認される(S28)。ここで、更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがあるときには(S28の「YES」)、室外制御器15の制御による回収運転の実行中に、更新処理制御部256B−1により、更新用プログラム情報保持部254−1に保持された更新用プログラムで、ファームウェア保持部251−1内のファームウェアが更新される(S29)。ファームウェアの更新中は、更新処理制御部256B−1により更新処理が完了したか監視されており(S30の「NO」)、ファームウェアの更新処理が完了すると(S30の「YES」)、室内制御器25B−1が再起動される(S31)。ここで、再起動により電源が途切れる時間が発生しても、室内機20A−1、20A−2は室内ファン24−1、24−2がOFF状態の負荷が少ない状態であるため、空調制御への影響は少なく、空調対象の室内の快適性が損なわれることを防ぐことができる。この再起動により、以後は更新されたファームウェアに基づき運転制御が実行される。
その後、室外制御器15による回収運転が完了すると(S33の「YES」)、回収運転完了通知が生成され、室内制御器25B−1、25B−2に送信される(S34)。室内制御器25B−1、25B−2ではそれぞれ、室外制御器15から回収運転完了通知が受信されたか否かが監視されており(S35の「NO」)、回遊運転完了通知が受信されると(S35の「YES」)、運転制御部253−1により通常運転に復帰する(S36)。室外制御器15では、回収運転の完了後は、通常運転に復帰する。
ステップS28において、更新処理制御部256B−1により更新用プログラム情報保持部254−1に未更新の更新用プログラムがないと判定されると(S28の「NO」)、ステップS35に移行し、回収運転完了通知を受信すれば通常運転に復帰する(S35の「YES」)、S36)。
以上の第2実施形態によれば、室外機10による回収運転中に、当該室外機10に接続された複数の室内機20B−1、20B−2で一斉にファームウェアの更新処理を行うことにより、もともと一時的に空調運転を停止せざるを得ない回収運転の時間を有効活用することができ、かつ、複数の室内機20B−1、20B−2を同時に更新処理を行うことができる。また、室内機20Bがサーバールーム等で常に冷房運転を継続しなければならない部屋に取り付けられた場合、サーモオフ状態になることがない。このようなケースでは、第1実施形態のようなサーモオフ状態でのファームウェアの更新はできないため、本実施形態のような回収運転の時間を活用することで、全ての室内機のファームウェアを確実に更新することができるようになる。
《第3実施形態》
〈第3実施形態による空調システムの構成〉
本発明の第3実施形態による空調システム1Cの構成は、第1実施形態で説明した空調システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
実施形態において空調システム1C内の室内機20C−1、20C−2の室内制御器25C−1、25C−2の判定部255C−1、255C−2は、第1実施形態の判定部255A−1、255A−2の機能、および第2実施形態の判定部255B−1、255B−2の機能を有する。また、更新処理制御部256C−1、256C−2は、第1実施形態の更新処理制御部256A−1、256A−2の機能、および第2実施形態の更新処理制御部256B−1、256B−2の機能を有する。
〈第3実施形態による空調システムの動作〉
本実施形態においては、第1実施形態で説明した図3のステップS1〜S16の処理と、第2実施形態で説明した図4のステップS21〜S36の処理の双方が実行される。つまり、更新用プログラム情報保持部254−1、254−2に更新用部プログラム情報が保持された後、室内制御器25C−1、25C−2でサーモオフ状態になると、ファームウェアの更新処理が実行され、サーモオフ状態になる前に回収運転が開始されればその時点で更新処理が実行される。
空調システム1Cの運転においては、その制御処理上、室外機10に接続された全ての室内機20C−1、20C−2の室内制御器25C−1、25C−2において、回収運転により同一のタイミングで一斉にファームウェアの更新処理が実行されていることが望ましい。しかし、運転内容により、油や冷媒が室内機側に滞留せず回収運転の頻度が極端に低い場合や、長期間実行されない場合もあり得る。また、運転内容によっては長時間サーモオフ状態が発生しない場合もあり得る。
そのため、上述したようにサーモオフ時に更新処理を行うことを基本とし、サーモオフ状態になる前に回収運転が開始されればその時点で更新処理を行うようにすることで、複数台の室内機の中で一部の室外機のみが長期間ファームウェアが更新されない事態が発生することを防ぐことができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A,1B,1C…空調システム、10…室外機、11…コンプレッサ、12…四方弁、
13…室外熱交換器、14…膨張弁、15…室外制御器、
20A−1,20A−2,20B−1,20B−2,20C−1,20C−2…室内機、
21−1,21−2…室内熱交換器、22−1,22−2…接続配管
23−1,23−2…電動膨張弁、24−1,24−2…室内ファン、
25−1,25−2…室内制御器、
25A−1,25A−2,25B−1,25B−2,25C−1,25C−2…室内制御器
30…冷媒配管、35…通信線、251−1,251−2…ファームウェア保持部、
252−1,252−2…通信インタフェース、253−1,253−2…運転制御部、
254−1,254−2…更新用プログラム情報保持部
255A−1,255A−2,255B−1,255B−2,255C−1,255C−2…判定部
256A−1,256A−2,256B−1,256B−2,256C−1,256C−2…更新処理制御部

Claims (3)

  1. 室外機と、前記室外機に接続された複数の室内機とを備えた空調システムにおいて、
    前記複数の室内機はそれぞれ、
    サーモオフ状態になったときに、未更新のファームウェア更新情報があれば、前記ファームウェア更新情報で自室内機内のファームウェアを更新するとともに、ファームウェア更新処理実行通知を前記室外機に送信する室内制御器を有し、
    前記室外機は、
    いずれかの室内機からファームウェア更新処理実行通知を受信すると、当該室内機を除外して、接続された室内機に対する制御処理を実行する室外制御器を有する
    ことを特徴とする空調システム。
  2. 前記複数の室内機の室内制御器はそれぞれ、ファームウェアの更新処理が完了すると、再起動した後、ファームウェア更新処理完了通知を前記室外機に送信し、
    前記室外機の室外機制御器は、いずれかの室内機からファームウェア更新処理完了通知を受信すると、当該室内機を制御処理対象に含めるように切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記室外機の室外制御器は、所定時間間隔で実行する冷媒回収運転または油回収運転の実行タイミングが到来すると、回収運転実行通知を前記複数の室内機に送信し、
    前記複数の室内機の室内制御器はそれぞれ、前記室外機から回収運転実行通知を受信したときに、未更新のファームウェア更新情報があれば、前記ファームウェア更新情報で自室内機内のファームウェアを更新し、当該更新処理が完了すると再起動する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
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