JP6849160B1 - 構造部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

この構造部材の製造方法は、中間工程と曲げ工程とを有する。中間工程で、プレスにより、溝部の底壁に、前記溝部の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を設けることで、前記底壁に、平面視で凹型湾曲形状かつ前記縦断面視で凸型湾曲形状をなす第1湾曲部、及び、平面視で凸型湾曲形状かつ前記縦断面視で凹型湾曲形状をなす第2湾曲部、のうちの少なくとも一方を形成する。

Description

この発明は、構造部材の製造方法及び製造装置に関する。
本願は、2019年7月4日に、日本国に出願された特願2019−125318号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動車車体の構造部材であるサスペンション部品は、自動車の操縦安定性に影響する重要な部品である。例えば、フロントロアアーム(以下、単に「ロアアーム」と言う場合もある)は、タイヤの位置及び向きの保持、車両旋回時の横力保持、衝撃入力時のボディ側への衝撃伝達遮断、縁石乗り上げ時の強度保持等の役割を担っている。これらの役割に関し高い性能を実現するための検討を本発明者らが行った結果、ロアアームの各部位の中でも、特に湾曲縁の部分の強度を高めることが重要であるとの結論に至った。
平板素材を加工して強度を高める加工技術が、特許文献1〜3に開示されている。
すなわち、特許文献1に記載の技術は、平板状の加工材を、幅方向中央部側に形成される底部と、この底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、これら左右の側壁部の幅方向端部に形成される一対のフランジ部とを備えた閉断面構造体に成形する方法である。そして、この閉断面構造体の成形方法は、以下の各工程を備える:長手方向及び幅方向に最終の閉断面形状で要求される曲率形状に前記加工材をプレス成形する第1工程と;前記第1工程で成形した前記加工材に対し、前記底部を板厚方向から第1ポンチとパッドで挟み込むことで、前記左右の側壁部が対向するように曲げ成形する第2工程と;前記第2工程で成形された前記加工材の前記底部を前記パッドの上に配置した状態で、一対の押圧カムの押し込み動作により前記左右の側壁部を互いに近接する方向に移動させて前記一対のフランジ部同士を突き合わせ、前記パッドの前記底部を支持している支持面と前記一対の押圧カムの前記左右の側壁部を押し込んだ押し込み面とで最終の閉断面形状と同一空間形状のダイキャビティを画成するとともに、前記一対のフランジ部の上方に配置した第2ポンチの押し下げ部で前記一対のフランジ部を前記キャビティ側に押し下げることで、前記底部及び前記左右の側壁部を前記ダイキャビティの前記支持面及び前記押し込み面に向けて押し当てる第3工程。
また、特許文献2に記載の技術は、平板状の加工材を、長手方向に延在する複数の曲げ線となる位置で曲げて、前記加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、この底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部とを備えた閉断面構造体に成形する方法である。そして、この閉断面構造体の成形方法は、以下の各工程を備える:プレス成形により、前記加工材に対して長手方向及び幅方向に最終の閉断面形状で要求される曲率形状に成形するとともに、最終の閉断面形状で曲げ線となる位置に曲げ誘導線を付与する第1工程と;前記第1工程で成形した前記加工材に対し、前記底部を板厚方向からポンチとパッドで挟み込み、一対のダイスの間に前記ポンチを押し込むことで、前記左右の側壁部が近づく方向に曲げ成形する第2工程と;前記第2工程で成形した前記加工材の前記底部の上に、前記最終の閉断面形状と同一外周形状のプラグを配置した状態で、前記底部及び前記左右の側壁部を前記プラグの外周に押し当てることで前記曲げ誘導線を境界として前記底部及び前記左右の側壁部を曲げ成形する第3工程。
また、特許文献3に記載の技術は、平板状の加工材を、底面部が長手方向に沿って湾曲した閉断面構造に成形して閉断面構造部材を製造する方法である。そして、この閉断面構造部材の製造方法は、以下の各工程を備える:上記加工材の少なくとも底面部位置に対し、それぞれが凹形状若しくは凸形状からなる第1の面外変形部を上記長手方向に沿って複数形成すると共に、屈曲部を形成する第1成形工程と;上記加工材の底面部位置をパッドとパンチで挟み込んだ状態で、上記パンチをダイの間に押し込むことで、パッドとパンチとで上記第1の面外変形部を押し潰すと共に上記屈曲部を曲げ成形する第2成形工程。
また、特許文献4に記載の技術は、パンチと、前記パンチに隣接して配置されるブランクホルダと、ダイ肩及び板押さえ面を含むダイであって、前記ダイ肩の延在方向に沿って前記ダイ肩の一部の領域が凹形状に湾曲したダイと、を備えるプレス装置である。そして、このプレス装置では、前記ダイ肩の前記凹形状に湾曲した領域以外の領域における前記ダイ肩の前記板押さえ面側のR止まりで定義されるダイ肩境界線と、前記ブランクホルダの縁と、の水平方向での距離が、前記ダイ肩の前記凹形状に湾曲した領域における前記ダイ肩境界線と、前記ブランクホルダの縁と、の水平方向での距離よりも広い。
また、特許文献5に記載の技術は、荷重の入力面と略平行に配置される板状の本体部と、この本体部の少なくとも一側縁に沿って連設された略パイプ状の補強部とを備えてなる車両用サスペンションアームである。
また、特許文献6に記載の技術は、第1の縁部及び前記第1の縁部に対向する第2の縁部を有する天板部と、前記第2の縁部から前記天板部と交差する方向に延びる壁部と、前記第1の縁部に設けられる前記閉断面部と、を有する構造部材である。この構造部材では、前記第1の縁部が、前記天板部に対する平面視で前記天板部の内側に向かって湾曲し、前記構造部材の前記第1の縁部から前記第2の縁部までの距離を構造部材幅としたとき、前記閉断面部が、前記天板部の湾曲内側に設けられ前記構造部材幅の方向に沿った前記構造部材の垂直断面において閉断面を形成し、前記構造部材幅の方向に沿った前記構造部材の垂直切断面が開断面を有し、前記閉断面部を含む前記構造部材の前記垂直切断面の形状が、前記構造部材幅の長さ中央に対して非対称である。
特開2013−244511号公報 特開2013−244512号公報 特開2012−152765号公報 特開2017−127898号公報 特開平8−188022号公報 国際公開第2019/103152号
しかしながら、特許文献1〜5に開示された何れも、ロアアームの湾曲縁のような、中立軸から離れた位置に湾曲した補強部を形成できる技術ではなかった。なお、ここで言う中立軸とは、ロアアームの、湾曲縁と、湾曲縁とは反対側にある縁との間の中心位置を通る軸線である。
特に、ロアアームの湾曲縁のように、平板状の天板部を残したまま、その縁部に沿って小さい曲率半径の曲がりを持つ補強部を形成することは困難であった。例えば特許文献1〜5の技術を適用しようとした場合、これら開示の技術に基づいてチューブ状の別部品を製造し、この別部品を湾曲縁に溶接して補強部とすることも考えられる。その一例が、特許文献6に開示されている。しかし、別部品を湾曲縁に溶接して補強部とすることは、溶接施工性及び製作コストの観点より課題があった。そもそも、特許文献1〜6に開示の技術を用いて小さい曲率半径を持つ補強部を成形することは困難であり、その長手方向に沿って見た場合に部分的な断面形状の潰れが生じる虞が高い。また、潰れを防ぐために中子を用いたとしても、今度は成形後に中子が抜けなくなる虞が高い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、別部品を用いることなく天板部の湾曲縁を補強できる、構造部材の製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
(1)本発明の一態様に係る構造部材の製造方法は、湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が閉断面形状又は開断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する方法であって、前記平板素材のうち、前記天板部に対応する第1の部位を挟持した状態で、前記第1の部位に連なる第2の部位を前記平板素材の面に対し交差する方向にプレスすることで、前記平板素材のうちで前記湾曲縁となる部位に沿って、溝部及び前記溝部に連なる縦壁部を形成する中間工程と;前記中間工程の後に、前記縦壁部の上端縁を、前記天板部に近付く移動を許容したまま前記溝部に向かって押し下げることで、前記上端縁を前記天板部に向けて折り曲げる曲げ工程と;を有し、前記中間工程で、前記プレスにより、前記溝部の底壁に、前記溝部の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を設けることで、前記底壁に、平面視で凹型湾曲形状かつ前記縦断面視で凸型湾曲形状をなす第1湾曲部、及び、平面視で凸型湾曲形状かつ前記縦断面視で凹型湾曲形状をなす第2湾曲部、のうちの少なくとも一方を形成する。
上記(1)に記載の構造部材の製造方法によれば、中間工程のプレスで、延在方向に沿って縦断面視した底壁に第1湾曲部及び第2湾曲部のうちの少なくとも一方を設けたので、構造部材の湾曲補強部の曲がり方向と同じ方向の曲がりを次工程よりも前に、底壁に付与できる。加えて、底壁に第1湾曲部及び第2湾曲部のうちの少なくとも一方を形成するように曲げることにより、この底壁に連なる縦壁部の上端縁を伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形させることができる。この伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形により、縦壁部を、その上端縁が第1の部位に近付くように傾けさせることができるので、続く曲げ工程で縦壁部を折り曲げることが容易になる。従って、中子を用いずとも、閉断面形状又は開断面形状を有する湾曲補強部が形成でき、構造部材の剛性を高めることが可能になる。ここで、曲げ工程時に、湾曲補強部の形状を崩さずに成形できること、割れを起こさないこと、の2点がポイントとして挙げられる。上記態様では、中間工程により、縦壁部に、延びフランジ変形または縮みフランジ変形という予変形を行い、材料の変形範囲を局所的に限定せずに広い範囲で行わせる。これにより、上記2点が達成できる。
なお、中間工程のプレス成形時に、天板部に対応する第1の部位を完全に固定するのではなく、挟持した状態としている。そのため、第1の部位がその平面外に移動及び変形するのを制限しているが、第1の部位の一部が第2の部位に向かうメタルフローは許容している。
前記中間工程の前記プレスにより、前記底壁に、平面視では凹型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凸型湾曲形状である第1湾曲部を形成した場合には、湾曲補強部に、平面視で凹型の部分を形成することができる。また、前記中間工程の前記プレスにより、前記底壁に、平面視では凸型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凹型湾曲形状である第2湾曲部を形成した場合には、湾曲補強部に、平面視で凸型の部分を形成することができる。ここで、第1湾曲部及び第2湾曲部は、それぞれ、底壁の一部であっても全部であってもよい。
そして、曲げ工程後に、上端縁を天板部に接合すれば閉断面形状の補強部が形成される。また、曲げ工程後に、上端縁を天板部から離間したままとすれば開断面形状の湾曲補強部が形成される。
なお、上記「湾曲」の形状は、一定の曲率半径を有する円弧形状のみに限らず、例えば楕円形状や放物形状のように円弧形状でない曲線形状を含んでもよい。さらには、湾曲形状に直線形状を一部に含んでもよい。また、「湾曲」の形状は、平面視で、その長手方向の中央位置を境として、対称形状及び非対称形状のどちらであってもよい。
(2)上記(1)に記載の態様では、前記中間工程の前記プレスにより、前記溝部の、前記溝部の延在方向に直交する断面の内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にしてもよい。
上記(2)に記載の態様の場合、湾曲補強部の延在方向に沿った各位置での断面形状の大きさを略等しく揃えることができる。加えて、湾曲補強部のうち平面視で天板部に重なる部分に割れやしわ等の成形不具合が生じるのを防ぐことができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の態様では、前記中間工程の前記プレスにより、前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部のうちの少なくとも一方において、前記底壁の平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を、前記底壁の前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内にしてもよい。
上記(3)に記載の態様の場合、中間工程後の第1湾曲部及または第2湾曲部における前記高低差が過度に大きかったり小さかったりすることを防げる。これにより、湾曲補強部における寸法不良、くびれ、破断といった不具合発生を避けることが出来る。
第1湾曲部または第2湾曲部を複数含む場合、曲率半径R,R1は、曲率半径Rのうちで最も小さな値を持つ位置における、曲率半径R,R1の組み合わせを採用する。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の態様では、前記曲げ工程の後に、前記縦壁部の上端縁の少なくとも一部を前記天板部に重ね合わせて接合し、前記閉断面形状を持つ前記湾曲補強部を形成する接合工程をさらに有してもよい。
上記(4)に記載の態様の場合、閉断面形状の湾曲補強部を天板部の湾曲縁に沿って形成することができる。
(5)上記(4)に記載の態様では、前記接合工程で、前記上端縁の、前記天板部における接合予定位置を超えた移動を規制してもよい。
上記(5)に記載の態様の場合、縦壁部の上端縁は、接合予定位置を超えて移動しないように規制する力を受ける。この力を反力として得た縦壁部はその断面形状が膨らむように変形するため、中子を用いずとも適切な閉断面形状を形成することができる。
(6)上記(4)または(5)に記載の態様では、前記接合工程時の前記上端縁が前記天板部に向かう屈曲部を、前記接合工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
上記(6)に記載の態様の場合、上端縁に屈曲部を予め形成しておくことで、上端縁を押し下げて縦壁部を曲げる際、上端縁を加圧する面(例えば金型の加圧面)への負荷を下げることができる。
(7)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の態様では、前記曲げ工程が、前記天板部に対向する平面視では前記上端縁の少なくとも一部が前記天板部に重なる一方、側面視では前記上端縁が前記天板部から離間した状態に至るまで、前記縦壁部をさらに曲げることで、前記開断面形状を持つ前記湾曲補強部を形成する折り返し工程を含んでもよい。
上記(7)に記載の態様の場合、開断面形状の湾曲補強部を天板部の湾曲縁に沿って形成することができる。
(8)上記(7)に記載の態様では、前記折り返し工程で前記縦壁部をさらに曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制してもよい。
上記(8)に記載の態様の場合、縦壁部の上端縁は、所定位置を超えて移動しないように規制する力を受ける。この力を反力として得た縦壁部はその断面形状が膨らむように変形するため、中子を用いずとも適切な開断面形状を形成することができる。
(9)上記(7)または(8)に記載の態様では、前記折り返し工程時の前記上端縁が前記天板部に向かう屈曲部を、前記折り返し工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
上記(9)に記載の態様の場合、上端縁に屈曲部を予め形成しておくことで、上端縁を押し下げて縦壁部を曲げる際、上端縁を加圧する面(例えば金型の加圧面)への負荷を下げることができる。
(10)上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の態様では、前記中間工程で前記プレスにより前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部の両方を形成することで、前記曲げ工程後に、前記天板部に対向する平面視で凹型湾曲形状及び凸型湾曲形状の両方を含む前記湾曲補強部を形成してもよい。
上記(10)に記載の態様の場合、同一の湾曲補強部内に複数の湾曲形状(凹凸形状)を持つ構造部材を得ることが出来る。
(11)本発明の一態様に係る構造部材の製造装置は、湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する装置であって、平面視で湾曲した第1の金型溝が形成された第1のダイと;前記第1の金型溝に対して相対的に接近離間する第1のパンチと;平面視で前記第1の金型溝よりも細い第2の金型溝を有する第2のダイと;前記第2の金型溝に対応した形状の湾曲凸部を有する第1のホルダーと;平面視で、前記第1のホルダーの第1縦壁面に対し水平方向に5mm以上50mm以下の距離を空けて対向配置された第2縦壁面を有し、前記第2の金型溝に対して相対的に接近離間する第2のパンチと;前記第2のダイに重なるように配置された第2のホルダーと;前記第2の金型溝に対して接近離間する加圧面を有するパッドと;を備え、前記第1の金型溝の底面が、前記第1の金型溝の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を有し、前記第1のパンチの加圧面が、前記第1の金型溝の前記底面に対応した高低差を有し、前記第1の金型溝の前記底面が、前記平面視では凹型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凸型湾曲形状をなす第1金型湾曲面、及び、前記平面視では凸型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凹型湾曲形状をなす第2金型湾曲面、のうちの少なくとも一方を有し、前記第2のダイの第1の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、前記第2のホルダーの加圧面よりも前記パッドの加圧面の方が大きい。
上記(11)に記載の構造部材の製造装置によれば、第1の金属溝と第1のパンチの加圧面との間に平板素材を挟んで成形することにより、構造部材の湾曲補強部の曲がり方向と同じ方向の曲がりの底壁を持つ溝部を、予め、平板素材に付与することができる。加えて、第1金型湾曲面及び第2金型湾曲面に対応した凹凸形状を溝部の底壁に付与するように平板素材を曲げられるので、この底壁に連なる縦壁部の上端縁を伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形させることができる。この伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形により、縦壁部を、その上端縁が天板部となる部位に近付くように傾けさせることができるので、次の工程で縦壁部を折り曲げることが容易になる。なお、第1のパンチの加圧面における「対応した高低差」とは、第1のパンチの加圧面が第1の金型溝の底面と同じ方向へ曲がって形成された高低差を意味し、第1の金型溝の高低差と同じであることが好ましい。
第1の金型溝の底面が、平面視では凹型湾曲形状でかつ縦断面視では凸型湾曲形状をなす第1金型湾曲面を含む場合には、湾曲補強部に、平面視で凹型の部分を形成することができる。また、第1の金型溝の底面が、平面視では凸型湾曲形状でかつ縦断面視では凹型湾曲形状をなす第2金型湾曲面を含む場合には、湾曲補強部に、平面視で凸型の部分を形成することができる。ここで、第1湾曲部及び第2湾曲部は、それぞれ、第1金型湾曲面及び第2金型湾曲面は、第1の金型溝の底面の一部であっても全部であってもよい。
そして、上記構造部材の製造装置は、上述のように、第2のダイ、第1のホルダー、第2のパンチを備えている。この構成によれば、第1のダイ及び第1のパンチにより平板素材に溝部及び縦壁部を形成した後、溝部が第2の金型溝と湾曲凸部との間に挟み込まれるように、平板素材を第2のダイと第1のホルダーとの間に挟持する。そして、第2のパンチを平板素材に近付けることで、溝部の底壁に曲げを与えることができる。その結果、底壁の一部が縦壁部の一部になり、なおかつ、この底壁の一部と、元々の縦壁部との間に、次工程で用いる曲がりを予め付与することができる。
そして、上記構造部材の製造装置は、上述のように、第2のホルダーとパッドをさらに備えている。加えて、第2のダイの第1の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、第2のホルダーの加圧面よりも前記パッドの加圧面の方が大きくなっている。この構成によれば、第2のパンチによって一部が折り曲げられた底壁を第2の金型溝及び第3の金型溝内に収めた後、第2のダイと第2のホルダーとの間に平板素材を挟み込む。そして、パッドの加圧面を縦壁部の上端縁に当てて押し下げることにより、縦壁部を曲げて第2のダイとパッドとの隙間において天板部に当接させ、閉断面形状の湾曲補強部を形成することができる。ここで、第2のダイの第1の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、第2のホルダーの加圧面よりもパッドの加圧面の方が大きくなっている。そのため、第2のホルダーにおいては天板部をしっかりと挟持し、また、パッドにおいては第2のダイとの間で、天板部及び縦壁部の上端縁を挟み込むための接合代を得ることが出来る。
(12)上記(11)に記載の態様では、前記第1の金型溝の、前記第1の金型溝の延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にあってもよい。
上記(12)に記載の態様の場合、この構造部材の製造装置により得た構造部材において、湾曲補強部の延在方向に沿った各位置での断面形状の大きさを略等しく揃えることができる。加えて、湾曲補強部のうち平面視で天板部に重なる部分に割れやしわ等の成形不具合が生じるのを防ぐことができる。
(13)上記(11)または(12)に記載の態様では、前記第1の金型溝の前記底面の、前記第1金型湾曲面及び前記第2金型湾曲面のうちの少なくとも一方において、前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比が、0.2〜1.2の範囲内にあってもよい。
上記(13)に記載の態様の場合、平板素材を成形した際に、第1金型湾曲面または第2金型湾曲面により形成された前記高低差が、過度に大きかったり小さかったりすることを防げる。これにより、湾曲補強部における寸法不良、くびれ、破断といった不具合発生を避けることが出来る。
第1の金型溝の底面に、第1金型湾曲面及び第2金型湾曲面を複数含む場合、曲率半径R,R1は、曲率半径Rのうちで最も小さな値を持つ位置における、曲率半径R,R1を採用する。
(14)本発明の他の態様に係る構造部材の製造装置は、湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する装置であって、平面視で湾曲した第1の金型湾曲縁を含む第2の天板支持面を有する第3のダイと;前記第2の天板支持面に対して接近離間する第3のホルダーと;平面視で前記第1の金型湾曲縁に隣接配置された第4の金型溝を有する、第4のダイと;前記第4の金型溝に対して接近離間する第4のパンチと;平面視で湾曲した第2の金型湾曲縁を含む第3の天板支持面を有する第5のダイと;前記第3の天板支持面に対して接近離間する第4のホルダーと;平面視で、前記第4のホルダーの第3縦壁面に対し水平方向に5mm以上50mm以下の距離を空けて対向配置された第4縦壁面を有する第5のパンチと;平面視で湾曲した第3の金型湾曲縁を含む第4の天板支持面を有する第6のダイと;前記第4の天板支持面に対して接近離間する第5のホルダーと;平面視で前記第3の金型湾曲縁の上に重なる加圧面を有し、前記第6のダイに対して接近離間する第6のパンチと;を備え、前記第4の金型溝の底面が、前記第4の金型溝の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を有し;前記第4のパンチの加圧面が、前記第4の金型溝の前記底面に対応した高低差を有し、前記第4の金型溝の前記底面が、前記平面視では凹型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凸型湾曲形状をなす第3金型湾曲面、及び、前記平面視では凸型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凹型湾曲形状をなす第4金型湾曲面、のうちの少なくとも一方を有し、前記第6のダイの前記第4の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、前記第5のホルダーの加圧面よりも前記第6のパンチの加圧面の方が大きい。
上記(14)に記載の構造部材の製造装置によれば、第4の金属溝と第4のパンチの加圧面との間に平板素材を挟んで成形することにより、構造部材の湾曲補強部の曲がり方向と同じ方向の曲がりの底壁を持つ溝部を、予め、平板素材に付与することができる。加えて、第3金型湾曲面及び第4金型湾曲面に対応した凹凸形状を溝部の底壁に付与するように平板素材を曲げられるので、この底壁に連なる縦壁部の上端縁を伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形させることができる。この伸びフランジ変形又は縮みフランジ変形により、縦壁部を、その上端縁が天板部となる部位に近付くように傾けさせることができるので、次の工程で縦壁部を折り曲げることが容易になる。なお、第4のパンチの加圧面における「対応した高低差」とは、第4のパンチの加圧面が第4の金型溝の底面と同じ方向へ曲がって形成された高低差を意味し、第4の金型溝の高低差と同じであることが好ましい。
第4の金型溝の底面が、平面視では凹型湾曲形状でかつ縦断面視では凸型湾曲形状をなす第3金型湾曲面を含む場合には、湾曲補強部に、平面視で凹型の部分を形成することができる。また、第4の金型溝の底面が、平面視では凸型湾曲形状でかつ縦断面視では凹型湾曲形状をなす第4金型湾曲面を含む場合には、湾曲補強部に、平面視で凸型の部分を形成することができる。
そして、上記構造部材の製造装置は、上述のように、第5のダイ、第4のホルダー、第5のパンチを備えている。この構成によれば、第4のダイ及び第4のパンチにより平板素材に溝部及び縦壁部を形成した後、溝部が第5のダイと第4のホルダーとの間に挟み込まれるように、平板素材を第5のダイと第4のホルダーとの間に挟持する。そして、第5のパンチを平板素材に近付けることで、溝部の底壁に曲げを与えることができる。その結果、底壁の一部が縦壁部の一部になり、なおかつ、この底壁の一部と、元々の縦壁部との間に、次工程で用いる曲がりを予め付与することができる。
そして、上記構造部材の製造装置は、上述のように、第6のダイ、第5のホルダー、第6のパンチを備えている。加えて、第6のダイの第4の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、第5のホルダーの加圧面よりも第6のパンチの加圧面の方が大きくなっている。この構成によれば、縦壁部を形成した後の平板素材を第6のダイと第5のホルダーとの間に挟持した状態で、縦壁部の上端縁を、第6のパンチの加圧面によって押し下げる。これにより、縦壁部の曲げ加工を行って開断面形状の湾曲補強部が形成される。ここで、第6のダイの第4の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、第5のホルダーの加圧面よりも第6のパンチの加圧面の方が大きくなっている。そのため、第5のホルダーにおいては天板部をしっかりと挟持し、また、第6のパンチにおいては第6のダイとの間で、開断面形状の湾曲補強部を得ることが出来る。
(15)上記(14)に記載の態様では、前記第4の金型溝の、前記第4の金型溝の延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内であってもよい。
上記(15)に記載の態様の場合、この構造部材の製造装置により得た構造部材において、湾曲補強部の延在方向に沿った各位置での断面形状の大きさを略等しく揃えることができる。加えて、湾曲補強部のうち平面視で天板部に重なる部分に割れやしわ等の成形不具合が生じるのを防ぐことができる。
(16)上記(14)または(15)に記載の態様では、前記第4の金型溝の前記底面の、前記第3金型湾曲面及び前記第4金型湾曲面のうちの少なくとも一方において、前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比が、0.2〜1.2の範囲内にあってもよい。
上記(16)に記載の態様の場合、平板素材を成形した際に、第3金型湾曲面または第4金型湾曲面により形成された前記高低差が、過度に大きかったり小さかったりすることを防げる。これにより、湾曲補強部における寸法不良、くびれ、破断といった不具合発生を避けることが出来る。
第4の金型溝の底面に、第3金型湾曲面及び第4金型湾曲面を複数含む場合、曲率半径R,R1は、曲率半径Rのうちで最も小さな値を持つ位置における、曲率半径R,R1を採用する。
上記各態様に係る構造部材の製造方法及び製造装置によれば、湾曲縁を補強して高い剛性を持つ構造部材を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材を示す図であって、(a)が斜視図であり(b)が平面図である。 同実施形態の効果の説明に際して比較対象となる比較例を示す図であって、第1工程で用いる各金型とブランクの斜視図である。 同比較例で用いるダイの金型溝底面の形状を示す図であって、(a)が(b)のA−A矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。 同比較例の第1工程で成形されたブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のB−B矢視図である。 同比較例の第1工程後のブランクを示す図であって、図4の(a)のC−C矢視図である。 (a)が、同比較例の第2工程、及び、第1実施形態の第2工程で用いる各金型の斜視図である。(b)が、第1実施形態の第2工程で用いるホルダー及びパンチ間の水平方向における相対位置関係を説明する図であって、金型溝m1の延在方向中央位置における縦断面図である。 同比較例の第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のD−D矢視図である。 同比較例の第3工程、及び、第1実施形態の第3工程で用いる各金型の斜視図である。 同比較例の第3工程を開始する前のブランク形状を示す図であって、図7の(a)のE−E矢視図である。 同比較例の第3工程中のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のF−F矢視図である。 同比較例の第2工程から第3工程にかけての、ブランクの形状変化を(a)〜(f)の順に時系列で並べた斜視図である。 本発明の第1実施形態において第1工程で用いる各金型とブランクの斜視図である。 同実施形態で用いるダイの金型溝底面の形状を示す図であって、(a)が(b)のG−G矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。 同実施形態の第1工程で成形されたブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のH−H矢視図である。 同実施形態の第1工程後のブランクを示す図であって、図14(a)のI−I矢視図である。 同実施形態の第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のJ−J矢視図である。 同実施形態の第3工程を開始する前のブランク形状を示す図であって、図16の(a)のK−K矢視図である。 同実施形態の第3工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のL−L矢視図である。 同実施形態の変形例を示す図であって、第3工程におけるブランクを、図18の(a)に示すM−M線で見た断面図である。 同比較例の第2工程から第3工程にかけての、ブランクの形状変化を(a)〜(f)の順に時系列で並べた斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材を示す図であって、(a)が斜視図であり(b)が平面図である。 同実施形態において第1工程で用いる各金型とブランクの斜視図である。 同実施形態で用いるダイの金型溝底面の形状を示す図であって、(a)が(b)のN−N矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。 同実施形態の第1工程で成形されたブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のO−O矢視図である。 同実施形態の第1工程後のブランクを示す図であって、図24(a)のP−P矢視図である。 同実施形態の第2工程で用いる各金型の斜視図である。 同実施形態の第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のQ−Q矢視図である。 同実施形態の第3工程で用いる各金型の斜視図である。 同実施形態の第3工程を開始する前のブランク形状を示す図であって、図27の(a)のR−R矢視図である。 同実施形態の第3工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のS−S矢視図である。 同実施形態の変形例を示す図であって、第3工程におけるブランクを、図30の(a)に示すT−T線で見た断面図である。 同実施形態の第2工程から第3工程にかけての、ブランクの形状変化を(a)〜(f)の順で時系列に並べた斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材を示す斜視図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法を説明する概略図であって、ブランクの形状変化を(a)〜(c)の順で時系列に並べた斜視図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の1工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視U1より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の2工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視U2より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の3工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視U3より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法におけるブランクの形状変化を(a)〜(i)の順で時系列に並べた斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材を示す斜視図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法を説明する概略図であって、ブランクの形状変化を(a)〜(c)の順で時系列に並べた斜視図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の1工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視V1より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の2工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視V2より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法の3工程目を示す図であって、(a)が同工程で用いる各金型の斜視図であり、(b)がブランクの斜視図であり、(c)がブランクを(b)の矢視V3より見た側面図である。 同実施形態に係る構造部材の製造方法におけるブランクの形状変化を(a)〜(i)の順で時系列に並べた斜視図である。 第1実施例における中間工程後のブランクを示す図であって、(a)が(b)のX−X矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。 第1実施例における構造部材を示す図であって、(a)が(b)のY−Y矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。 第2実施例における中間工程後のブランクを示す図であって、(a)が(b)のX1−X1矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。 第2実施例における構造部材を示す図であって、(a)が(b)のY1−Y1矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。
本発明の構造部材の製造方法及び製造装置の各実施形態及び実施例について、図面を参照しながら以下に説明を行う。
[第1実施形態]
本実施形態では、平板素材より図1に示す構造部材1を成形するための製造方法と製造装置について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材1を示す図であって、(a)が斜視図であり(b)が平面図である。
図1に示す構造部材1は、湾曲縁2aを有する天板部2と、湾曲縁2aの延在方向に沿って天板部2と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部3とを有する。なお、図1の(a)においては、湾曲縁2a及び湾曲補強部3の形状を分かりやすくするために、接合箇所を僅かに開けて図示しているが、実際には、接合箇所では隙間無く接合しており、湾曲補強部3が閉断面形状を形成している。他の図面においても同様に図示する場合がある。
天板部2は、互いに平行な一対の両側縁2b,2cと、これら両側縁2b,2c間に連なるとともに前縁をなす前記湾曲縁2aと、この湾曲縁2aに対向するとともに両側縁2b,2c間に連なる後縁2dと、で区画された平板である。これらのうち、両側縁2b,2c及び後縁2dは、それぞれ直線形状を有している。一方、湾曲縁2aは、その両端よりも中央が後縁2dに近い凹型湾曲形状を有している。この凹型湾曲形状の平面視における曲率半径Rとしては、100mm〜400mmが例示される。ただし、曲率半径Rはこの範囲内に限定されるものではない。
湾曲補強部3は、天板部2の湾曲縁2aに連なるとともに鉛直下方に向かう内壁3aと、内壁3aに連なるとともに天板部2より水平に離れる方向に向かう底壁3bと、底壁3bに連なるとともに鉛直上方に向かう外壁3cと、外壁3cに連なるとともに天板部2の上面2eに接合した上壁3dと、を備えている。
内壁3aは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部3の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この内壁3aは、平断面視で、湾曲縁2aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状を有している。
底壁3bは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部3の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この底壁3bは、側面視においては天板部2と平行であり、底面視では、湾曲縁2aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
外壁3cは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部3の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この外壁3cは、平断面視で、湾曲縁2aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
上壁3dは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部3の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じであり、なおかつ底壁3bよりも幅広になっている。そして、この上壁3dは、縦断面視においては天板部2と平行であり、平面視では、湾曲縁2aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。なお、上壁3dは、後縁2dに向かって湾曲縁2aを超えた位置で天板部2の上面2eに接合している。その接合手段としては、例えば、溶接、接着、ボルト固定などを適宜用いることができる。
内壁3aと外壁3cは互いに平行をなしており、また、上壁3dと底壁3bが互いに平行をなしている。そして、これら内壁3a、底壁3b、外壁3c、上壁3d、の4つの壁部により、閉断面形状が形成されている。すなわち、本実施形態では、湾曲補強部3内には凹型湾曲形状の空間が形成されており、そして湾曲補強部3の延在方向に沿った一端及び他端の2箇所においてのみ、前記空間が外部に連通している。
以上説明の構成を有する構造部材1によれば、閉断面形状を持つ湾曲補強部3の剛性により、天板部2の面外変形を防ぐことができる。また、湾曲縁2aの延在方向に沿った圧縮加重や引張荷重に対しても高い剛性を発揮できる。
続いて、本実施形態の製造方法及び製造装置を説明する前に、図2〜図11を用いて比較例を先に説明する。
本比較例では、以下に説明する第1工程〜第3工程により、図1に示した構造部材1の製造を試みている。まず、図2〜図5を用いて第1工程より説明する。
[比較例/第1工程]
図2は、本比較例の第1工程で用いる各金型とブランク100の斜視図である。同図2に示すように、本比較例における構造部材の製造装置は、ブランク100が載置されるダイ10Aと、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位をその上から押さえつけるホルダー20Aと、ブランク100のうちで前記湾曲補強部3となる部位に凹溝を形成するパンチ30Aと、ホルダー20A及びパンチ30Aのそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ10Aは、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位を支持する天板支持面11Aと、この天板支持面11Aに連なる金型溝12Aと、この金型溝12Aに連なる水平面13Aとを備えている。天板支持面11Aは、前記湾曲縁2aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁11Aaを含む水平面である。
金型溝12Aは、縁11Aaにおいて天板支持面11Aに連なり、図3に示す形状を有する。なお、図3は、金型溝12Aの形状を示す図であって、(a)が(b)のA−A矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。図3の(a)及び(b)では、両図での端縁の位置関係を明瞭にするために、端縁を太線で示している。なお、以降の各図においても同様に太線を用いて位置関係を示す場合がある。
同図3に示すように、金型溝12Aは、前記縁11Aaに連なるとともに鉛直下方に向かう金型溝側面12Aaと、金型溝側面12Aaに連なるとともに天板支持面11Aより水平に離れる方向に向かう金型溝底面12Abと、金型溝底面12Abに連なるとともに鉛直上方に向かう金型溝側面12Acと、を備えている。
金型溝側面12Aa及び金型溝側面12Acは、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、これら金型溝側面12Aa及び金型溝側面12Acは、平面視で、前記縁11Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
金型溝底面12Abは、水平方向の幅寸法が、その延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この金型溝底面12Abは、平面視で、前記縁11Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。さらに、金型溝底面12Abは、図3の(b)に示すように、金型溝12Aの一端から他端にかけて凹凸の無い水平面をなしている。
図2に戻り、ホルダー20Aは、前記縁11Aaと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状の縁20Aaと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面20Abと、を有している。
パンチ30Aは、金型溝12Aと略同一形状の加圧面30Aaを有している。加圧面30Aaは、ブランク100の板厚を考慮して、金型溝12Aの形状よりも一回り小さい形状を有している。加圧面30Aaの最下面は、その一端から他端にかけて凹凸の無い水平面をなしている。
前記駆動部は、ダイ10Aに向かってホルダー20Aを接近離間させる駆動機構と、パンチ30Aを金型溝12Aに向かって接近離間させる他の駆動機構とを備えている。したがって、ホルダー20A及びパンチ30Aを個別に駆動させることが可能になっている。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第1工程を行うには、まず、ダイ10Aの天板支持面11A上にブランク100を載置し、そしてホルダー20Aを下降させてブランク100をダイ10Aとの間に挟持する。その際、ブランク100の端部がダイ10Aの水平面13A上まで至るように配置した上で固定する。
続いて、前記駆動機構によりパンチ30Aを下降させることで、ブランク100の端部をダイ10Aの金型溝12Aと加圧面30Aaとの間に挟み込んで塑性変形させる。その後、前記駆動機構によりパンチ30Aを上昇させるとともにホルダー20Aを上昇させることで、ダイ10A上から第1工程後のブランク100を取り出す。
このようにしてプレス加工されたブランク100を図4及び図5に示す。図4において(a)が斜視図であり、(b)が(a)のB−B矢視図である。そして、図5は、図4の(a)のC−C矢視図である。第1工程後においては、天板部2と、湾曲縁2aを介して天板部2に連なる内壁3aとが一体に形成されている。ブランク100のうち、加圧面30Aaの下端面によって加圧された凹型の帯状円弧壁部100bの上面及び下面は、その延在方向の一端から他端にかけて水平面をなしている。この帯状円弧壁部100bは、続く第2工程及び第3工程を経て、底壁3b及び外壁3c及び上壁3dとなる予定の部分である。
また、ブランク100には、帯状円弧壁部100bに連なるとともに上方に立ち上がる縦壁部100cも形成されている。縦壁部100cは、加圧面30Aaと金型溝12Aとの間に挟み込まれて凹型湾曲形状に塑性変形するが、その上端縁における伸びフランジ変形が不十分であるため、図5に示されるとおり、前記湾曲縁2aから遠ざかるように斜めに後退している。
[比較例/第2工程]
続いて、比較例の第2工程について、図6(a)及び図7を用いて説明する。図6(a)は、第2工程で用いる各金型の斜視図である。また、図7は、第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のD−D矢視図である。
本比較例の、構造部材の製造装置は、図6(a)に示す金型をさらに備えている。これら金型は、第1工程後のブランク100が載置されるダイ40Aと、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位と前記底壁3bとなる部位とを上から押さえつけるホルダー50Aと、前記帯状円弧壁部100bを部分的に押し上げて折り曲げることで前記外壁3cを形成するパンチ60Aと、ホルダー50Aをダイ40Aに対して接近離間させる駆動機構(不図示)と、パンチ60Aをブランク100に対して接近離間させる他の駆動機構(不図示)とを備えている。
ダイ40Aは、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位を支持する天板支持面41Aと、この天板支持面41Aに連なる金型溝(第2の金型溝)m1とを有している。金型溝m1は、天板支持面41Aに連なるとともに鉛直下方に向かって形成された金型溝側面42Aと、この金型溝側面42Aに連なるとともに天板支持面41Aより水平に離れる方向に向かう金型溝底面43Aと、を有している。
金型溝側面42Aは、鉛直方向の高さ寸法が、その延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この金型溝側面42Aは、平面視で、前記縁11Aaと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状を有している。
金型溝底面43Aは、水平方向の幅寸法が、その延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この金型溝底面43Aは、平面視で、前記縁11Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。さらに、金型溝底面43Aは、その一端から他端にかけて凹凸の無い水平面をなしている。
ホルダー50Aは、前記縁11Aaと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状の縁50Aaと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面50Abと、下面50Abに対して縁50Aaを介して連なる内壁面50Acと、この内壁面50Acに連なる下面50Adと、下面50Adに連なってかつ鉛直上方に立ち上がる縦壁面50Aeとを備えている。
内壁面50Acと縦壁面50Aeは、互いに平行をなすとともに、縁50Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
また、下面50Adは、底面視で、前記縁11Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。そして、その幅寸法は、構造部材1の底壁3bの幅寸法に対応している。すなわち、下面50Adは、図4に示した帯状円弧壁部100bのうち、底壁3bとなる部分のみを加圧するよう、帯状円弧壁部100bよりも幅寸法が狭くなっている。そのため、帯状円弧壁部100bのうち、下面50Adによって加圧されない部分は、パンチ60Aの押し上げを受けた場合に、鉛直上方に屈曲して前記外壁3cとなる。より詳細には、図6(a)に示す下面50Adの稜線50Ad1が帯状円弧壁部100bの幅方向中央に当たった状態で、帯状円弧壁部100bが屈曲する。そのため、この屈曲位置を境として、底壁3bと、次工程で外壁3cとなる部分を含む縦壁部100cが形成される。
パンチ60Aは、平面視で、ホルダー50Aの稜線50Ad1と同じ方向に曲がった凸型湾曲形状の稜線60Aaを有している。そして、パンチ60Aを上昇させた際に、この稜線60Aaが帯状円弧壁部100bの裏面側に当たり、前記稜線50Ad1と協働して曲げを与える。
以上説明の各金型を用いて第2工程を行うには、まず、ダイ40Aの天板支持面41A上に第1工程後のブランク100を載置し、そしてホルダー50Aを下降させてブランク100をダイ40Aとの間に挟み込むように加圧していく。これにより、ブランク100の内壁3aが金型溝側面42Aと内壁面50Acとの間に挟み込まれて固定される。さらに、ブランク100の帯状円弧壁部100bの一部が他の部分を残して、金型溝底面43A及び下面50Ad間に挟み込まれて固定される。
続いて、前記駆動機構によりパンチ60Aを上昇させることで、帯状円弧壁部100bの前記他の部分がその下方より上方に向かって押し上げられる。その結果、帯状円弧壁部100bのうち、底壁3bとなる部分と縦壁部100cとなる部分との間に折り目が形成される。
このようにして第2工程でプレス加工されたブランク100を、図7に示す。第2工程後においては、天板部2と、湾曲縁2aを介して一体に形成された内壁3aと、この内壁3aに連なる底壁3bと、この底壁3bに連なる縦壁部100cとが形成されている。縦壁部100cは、帯状円弧壁部100bの一部に曲げを加えたことにより、図4の(b)との対比で分かるように、鉛直方向の高さ寸法が伸びている。また、第1工程の際に、縦壁部100cの上端縁における伸びフランジ変形が不十分であったために後退していた状態が、第2工程後も残ったままになっている。
[比較例/第3工程]
続いて、図8〜図10を用いて本比較例の第3工程を以下に説明する。
図8は、第3工程で用いる各金型の斜視図である。図9は、第3工程を開始する前におけるブランク100の形状を示す図であって、図7の(a)のE−E矢視図である。図10は、第3工程中のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のF−F矢視図である。
本比較例の、構造部材の製造装置は、図8に示す金型をさらに備えている。これら金型は、第2工程後のブランク100が引き続き載置される前記ダイ40Aと、ダイ40Aの上方に配置されて上下動するホルダー70Aと、ダイ40Aに隣接配置されて上下動するパンチ80Aと、パンチ80A上に配置されて上下動するパッド90Aと、ホルダー70Aをダイ40Aに対して接近離間させる駆動機構(不図示)と、パンチ80Aをブランク100に対して接近離間させる他の駆動機構(不図示)と、パッド90Aをパンチ80Aに対して接近離間させる他の駆動機構(不図示)とを備えている。
ホルダー70Aは、平面視で前記縁11Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状の稜線70Aaと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面70Abと、下面70Abに対して稜線70Aaを介して連なってかつ鉛直上方に立ち上がる縦壁面70Acとを備えている。
パンチ80Aは、平面視で、ホルダー70Aの稜線70Aaと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状の縁80Aaを有するとともにダイ40Aに隣接する金型溝(第3の金型溝)m2と、縁80Aaに連なる平坦な上面80Abとを有している。パンチ80Aを上昇させると、その縁80Aaがブランク100の縦壁部100cの下端部分に当たってここに曲げを与える。
パッド90Aは、平坦な下面90Aaと、この下面90Aaに連なる凸型湾曲形状の傾斜面90Abと、この傾斜面90Abに連なる凸型湾曲形状の下面90Acとを有している。下面90Aaと下面90Acとの間には、傾斜面90Abを介して段差が形成されている。また、下面90Acの縁90Ac1は、稜線70Aaと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凸型湾曲形状を有している。
以上説明の各金型を用いて第3工程を行うには、まず、ダイ40Aの天板支持面41A上に第2工程後のブランク100を載置したまま、前記ホルダー50Aの代わりにホルダー70Aを用いて、天板部2を天板支持面41Aとの間に挟持する。
続いて、図9においてパンチ80Aを矢印UP方向に上昇させてブランク100の底壁3bと、縦壁部100cのうちで外壁3cになる部分とをそれらの外周囲より支持する。
その後、今度は図9においてパッド90Aを矢印DW方向に下降させ、パッド90Aの下面90Aaをパンチ80Aの上面80Abに当接させる。この時、ブランク100の縦壁部100cの上端縁が全て、傾斜面90Ab又は下面90Acの下方位置にあれば、縦壁部100cを天板部2側に向かって折り曲げることができる。しかしながら、本比較例では、第1工程及び第2工程後に、縦壁部100cが天板部2から後退する方向に傾斜したままであったため、第3工程でパッド90Aを下げた際、その下面90Aaに縦壁部100cの上端縁が当接する。そして、押し下げられるパッド90Aの加圧を受けて縦壁部100cが本来とは逆方向に倒れていき、ついには下面90Aaと上面80Abとの間に挟み込まれて潰される。
その結果、図10に示すように、天板部2の側方に閉断面形状の湾曲補強部3が形成されないため、図1に示した部品形状を得ることができない。
以上説明の各工程のうち、第2工程から第3工程にかけての、ブランク100の形状変化を(a)〜(f)の順に時系列で並べた斜視図を図11に示す。なお、図11のうち、(a)〜(c)が第2工程を示し、(d)〜(f)が第3工程を示す。
まず、図11の(a)においては、第1工程後のブランク100をダイ40A及びホルダー50A間に挟み込む。そして、パンチ60Aを上昇させることで、図11の(b)に示す状態となる。この時、縦壁部100cの上端縁がその延在方向に沿って伸びフランジ変形をしようとするが、十分な変形量が得られない。そのため、縦壁部100cが矢印aに示す方向に倒れ込めない。その結果、パンチ60Aをさらに上昇させても、縦壁部100cにおいて外壁3cとなる部分と上壁3dとなる部分との境目の折り目が付きにくいので、縦壁部100cの上端縁が天板部2から離れたままになっている。
続く第3工程では、ブランク100の縦壁部100cの倒れ込みが不十分な状態でパッド90Aにより縦壁部100cの上端縁を押し下げるため、図11の(d)から(e)に示すように、本来とは逆方向に縦壁部100cが倒れ込み、そして(f)に示すように押し潰される。
以上説明のように、湾曲縁2aを有する平板状のブランク100に対し、湾曲縁2aに沿って湾曲補強部3を形成することは容易ではなく、その理由を本発明者らが鋭意検討した結果、第2工程における図11の(b)において伸びフランジ変形が不十分であることが原因であると分かった。この点を改良した第1実施形態を、図12〜図20を用いて以下に説明する。
[第1実施形態/第1工程]
図12は、本実施形態の第1工程で用いる各金型とブランク100の斜視図である。同図12に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、ブランク100が載置されるダイ110と、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位をその上から押さえつけるホルダー120と、ブランク100のうちで前記湾曲補強部3を形成する部位に凹溝を形成するパンチ130と、ホルダー120及びパンチ130のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ110は、ブランク100のうちで前記天板部2となる部位を支持する天板支持面111と、この天板支持面111に連なる金型溝112と、この金型溝112に連なる水平面113とを備えている。天板支持面111は、前記湾曲縁2aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁111aを有する水平面である。
金型溝112は、縁111aにおいて天板支持面111に連なり、図13に示す形状を有する。なお、図13は、金型溝112の形状を示す図であって、(a)が(b)のG−G矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。図13の(a)及び(b)では、両図での端縁の位置関係を明瞭にするために、端縁を太線で示している。なお、以降の各図においても同様に太線を用いて位置関係を示す場合がある。
同図13に示すように、金型溝112は、前記縁111aに連なるとともに鉛直下方に向かう金型溝側面112aと、金型溝側面112aに連なるとともに天板支持面111より水平に離れる方向に向かう金型溝底面112bと、金型溝底面112bに連なるとともに鉛直上方に向かう金型溝側面112cと、を備えている。
金型溝側面112a及び金型溝側面112cは、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、側面視した場合、金型溝側面112a及び金型溝側面112cの上端縁は直線形状をなしている一方、下端縁は鉛直上方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。この湾曲線形状の曲率半径R1は、図1に示した構造部材1における前記湾曲縁2aの曲率半径Rよりも大きいことが好ましい。その理由については後述する。
このようなアーチ型の下端縁をそれぞれ有する金型溝側面112a及び金型溝側面112cは、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向の中央位置よりも両端位置の方が長くなっている。
これら金型溝側面112a及び金型溝側面112cは、平面視では、前記縁111aと同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。また、金型溝側面112aを平面視した場合の曲率半径は、構造部材1における前記湾曲縁2aの曲率半径Rに等しくなっている。さらに、金型溝側面112cを平面視した場合の曲率半径が、金型溝側面112aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、金型溝側面112a及び金型溝側面112cそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図13の(a)に示す長さl1,l2,l3の合計である周長和が、金型溝112の延在方向の各位置で同じになっている。これにより、成形後における湾曲補強部3の断面形状の大きさを、その延在方向の各位置で揃えることが可能になっている。
金型溝底面112bは、平面視で、前記縁111aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。さらに、金型溝底面112bは、図13の(b)に示すように、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差hを有する。すなわち、金型溝底面112bは、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に低くなるように曲がった凸型湾曲形状を有している。
図12に戻り、ホルダー120は、前記縁111aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状の縁120aと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面120bと、を有している。
パンチ130は、金型溝112と略同一形状の加圧面130aを有している。加圧面130aは、ブランク100の板厚を考慮して、金型溝112の形状よりも一回り小さくなっている。
加圧面130aは、一対のパンチ外側面130a1,130a2と、これらの下端縁間を繋げるパンチ下端面130a3と、を有している。これらパンチ外側面130a1,130a2及びパンチ下端面130a3は、平面視で、前記縁111aと同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。
パンチ外側面130a1,130a2は、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、側面視した場合、パンチ外側面130a1,130a2の上端縁は直線形状をなしている一方、下端縁は鉛直上方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
このようなアーチ型の下端縁をそれぞれ有するパンチ外側面130a1,130a2は、鉛直方向の高さ寸法が、前記延在方向の中央位置よりも両端位置の方が長くなっている。
これらパンチ外側面130a1,130a2は、平面視では、前記縁111aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。また、パンチ外側面130a1を平面視した場合の曲率半径は、構造部材1における前記湾曲縁2aの曲率半径Rに等しくなっている。さらに、パンチ外側面130a2を平面視した場合の曲率半径が、パンチ外側面130a1の曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、パンチ外側面130a1,130a2それぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図12に示す長さl4,l5,l6の合計である周長和が、パンチ130の延在方向の各位置で同じになっている。
前記駆動部は、ダイ110に向かってホルダー120を接近離間させる駆動機構と、パンチ130を金型溝112に向かって接近離間させる他の駆動機構とを備えている。したがって、ホルダー120及びパンチ130を個別に駆動させることが可能になっている。
ブランク100は、略矩形状をなす平板素材である。その板厚としては、0.8mm〜6.0mmが例示されるが、この厚みに限定されるものではない。ブランク100の材質としては、鋼、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金等の金属材料、またはガラス繊維もしくは炭素繊維等の樹脂材料を用いることができる。さらには、金属材料及び樹脂材料の複合材料をブランク100の材質としてもよい。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第1工程を行うには、まず、ダイ110の天板支持面111上にブランク100を載置し、そしてホルダー120を下降させてブランク100をダイ110との間に挟持する。その際、ブランク100の端部がダイ110の水平面113上にも重なるように配置した上で固定する。
続いて、前記駆動機構によりパンチ130を下降させることで、ブランク100をダイ110の金型溝112と加圧面130aとの間に挟み込んで塑性変形させる。その後、前記駆動機構によりパンチ130を上昇させてから、ホルダー120を上昇させる。そして、ダイ110上から第1工程後のブランク100を取り出す。
このようにしてプレス加工されたブランク100を図14及び図15に示す。図14において(a)が斜視図であり、(b)が(a)のH−H矢視図である。そして、図15は、図14の(a)のI−I矢視図である。第1工程後においては、天板部2と、湾曲縁2aを介して天板部2に連なる内壁3aとが一体に形成されている。
第1工程後のブランク100は、内壁3a及び縦壁部100cと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部100bとを含む溝部mを有している。これら内壁3a、縦壁部100c、帯状円弧壁部100bは、平面視で同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。
内壁3a及び縦壁部100cは、これらの下端縁の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、内壁3a及び縦壁部100cの各下端縁は、側面視で鉛直上方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
平面視した場合、縦壁部100cの曲率半径が、内壁3aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、内壁3a及び縦壁部100cそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図15に示す長さl7,l8,l9の合計である周長和が、帯状円弧壁部100bの延在方向の各位置で同じになっている。
帯状円弧壁部100bは、平面視で、前記縁111aと同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。さらに、帯状円弧壁部100bは、縦断面視で、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において高低差を有する。すなわち、帯状円弧壁部100bは、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に低くなるように曲がった凸型湾曲形状を有している。そして、帯状円弧壁部100bの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径よりも、帯状円弧壁部100bの縦断面視における曲率半径を大きくしている。これにより、次工程で金型を変えてブランク100を置いた際に、ブランク100の高さが高くなりすぎて不安定になることを防げる。
帯状円弧壁部100bは、続く第2工程及び第3工程を経て、底壁3b及び外壁3cとなる部分である。上述のように、第1工程(中間工程)では、プレスにより、溝部mの帯状円弧壁部(底壁)100bに、溝部mの延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)と、この中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を設けている。これにより、帯状円弧壁部100bに、平面視で凹型湾曲形状かつ縦断面視で凸型湾曲形状をなす湾曲部(第1湾曲部)を形成している。なお、本実施形態では、帯状円弧壁部100bの全てを湾曲部としているが、この形態のみに限らず、帯状円弧壁部100bの一部分のみを湾曲部としてもよい。
また、ブランク100には、帯状円弧壁部100bに連なるとともに上方に立ち上がる縦壁部100cも形成されている。上述した比較例では、図5を用いて説明したように、縦壁部100cの上端縁における伸びフランジ変形が不十分であったため、湾曲縁2aから遠ざかるように斜めに後退していた。一方、本実施形態では、本第1工程において帯状円弧壁部100bが鉛直上方に向かって凸型の湾曲形状をなすように曲げを与えているため、縦壁部100cの上端縁における伸びフランジ変形を第2工程の前に付与できている。すなわち、縦壁部100cの下端縁よりも上端縁の方が幅広になるように、縦壁部100cを面内方向に曲げ変形させている。その結果、比較例の図5に比べて、本実施形態の図15では、縦壁部100cを湾曲縁2aに予め近付けることができている。
[第1実施形態/第2工程]
続いて、本実施形態の第2工程について、図6及び図16を用いて説明する。図16は、第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のJ−J矢視図である。なお、本工程では、図6(a)に示した各金型と同じものを用いるため、これら金型の説明を省略する。
図6(a)に示したダイ40A、ホルダー50A、及びパンチ60Aを用いて第2工程を行うには、まず、ダイ40Aの天板支持面41A上に第1工程後のブランク100を載置する。その際、底壁3bを金型溝底面43A上に配置し、なおかつ内壁3aを金型溝側面42Aに面接触させるように配置する。この時、底壁3bは、湾曲形状を有しているため、その両端を除いて金型溝底面43Aから少し浮いている。
続いて、ホルダー50Aを下降させていくと、その平坦な下面50Adが凸型湾曲形状の底壁3bの延在方向中央位置にある最頂部に当接する。さらにホルダー50Aを下降させていくことで、底壁3bの湾曲が徐々に減じられるように曲げ戻されていく。そして、ホルダー50Aが下死点に至ったところで底壁3bが下面50Adと金型溝底面43Aとの間に挟み込まれて完全に平坦な形状に塑性変形する。この過程では、底壁3bの湾曲を曲げ戻す力が縦壁部100cに伝わるため、縦壁部100cが元の状態よりもさらに起立するように塑性変形する。
以上により、ブランク100の内壁3aが金型溝側面42Aと内壁面50Acとの間に挟み込まれて固定される。さらに、ブランク100の帯状円弧壁部100bの一部が他の部分を残して、金型溝底面43A及び下面50Ad間に挟み込まれて固定される。
続いて、前記駆動機構によりパンチ60Aを上昇させることで、帯状円弧壁部100bの前記他の部分がその下方より上方に向かって押し上げられる。その結果、帯状円弧壁部100bのうち、底壁3bとなる部分と縦壁部100cとなる部分との間に折り目が形成される。
この時、縦壁部100cが湾曲縁2aに向かって傾斜するには、縦壁部100cの上端縁の延在方向に沿った伸びフランジ変形が必要になる。前記比較例ではこの伸びフランジ変形が不十分であったため、縦壁部100cの上端縁を傾斜させることができなかった。一方、本実施形態では、第1工程の段階で伸びフランジ変形を予め与えていたため、縦壁部100cの高さ方向途中位置に曲がりを残したまま、縦壁部100cの上端縁を湾曲縁2aに向かって十分に倒れ込ませることができる。
なお、図6(b)に示すように、ホルダー50Aの縦壁面50Aeに対し、パンチ60Aの縦壁面60Aeを水平方向に5mm以上50mm以下の距離clを空けて対向配置させることが好ましい。この場合、縦壁部100cの高さ方向途中位置に第1工程で形成した曲がり部分bpを残しつつ、縦壁部100cの上端縁が天板部2に向かって前のめりに近付くよう傾斜させることが、より確実にできる。一方、距離clが5mmよりも小さいと、縦壁面50Ae及び縦壁面60Ae間が狭すぎるために曲がり部分bpを潰してしまい、次工程で縦壁部100cを適切に折り曲げられない虞がある。また、距離clが50mmよりも大きいと、曲がり部分bpは残るものの、縦壁部100cの上端縁が天板部2から遠ざかるように後退したままになるため、次工程で縦壁部100cを曲がり部分bpで折り曲げられない虞がある。
以上の理由より、平面視で、ホルダー50A(第1のホルダー)の縦壁面50Ae(第1縦壁面)に対し水平方向に5mm以上50mm以下の距離clを空けて、縦壁面60Ae(第2縦壁面)を対向配置させるように、パンチ60A(第2のパンチ)を配置することが好ましい。
このようにして第2工程でプレス加工されたブランク100を、図16に示す。第2工程後においては、天板部2と、湾曲縁2aを介して一体に形成された内壁3aと、この内壁3aに連なる平坦な底壁3bと、この底壁3bに連なる縦壁部100cとが形成されている。縦壁部100cは、帯状円弧壁部100bの一部に曲げを加えたことにより、図14の(b)との対比で分かるように、鉛直方向の寸法が伸びている。また、第1工程で付与した帯状円弧壁部100b及び縦壁部100c間の曲がりが、第2工程後の縦壁部100cのうち、図16の(b)の符号Pに示す位置に残っている。そのため、縦壁部100cの上端縁が比較例の第2工程の場合よりも湾曲縁2aに近付いている。
[第1実施形態/第3工程]
続いて、本実施形態の第3工程について、図8、図17、及び図18を用いて説明する。図17は、第3工程を開始する前のブランク100の形状を示す図であって、図16の(a)のK−K矢視図である。図18は、第3工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のL−L矢視図である。なお、本工程では、図8に示した金型と同じものを用いるため、それらの説明を省略する。
図8に示したダイ40A、ホルダー70A、パンチ80A、及びパッド90Aを用いて第3工程を行うには、まず、ダイ40Aの天板支持面41A上に第2工程後のブランク100を載置したまま、前記ホルダー50Aの代わりにホルダー70Aを用いて、天板部2を天板支持面41Aとの間に挟持する。このとき、ホルダー70Aを、その縦壁面70Acがダイ40Aの縁41Aaから所定の幅寸法tだけ後退した位置にくるように配置する。これにより、図8において幅寸法tのハッチングで示される領域が、第3工程で縦壁部100cを折り曲げて閉断面を形成する際の水平方向における接合代となる。
続いて、図17においてパンチ80Aを矢印UP方向に上昇させてブランク100の底壁3bと、縦壁部100cのうちで外壁3cになる部分とをそれらの外周囲より支持する。
その後、今度は図17においてパッド90Aを矢印DW方向に下降させ、パッド90Aの下面90Aaをパンチ80Aの上面80Abに当接させる。この時、ブランク100の縦壁部100cの上端縁が全て、傾斜面90Ab又は下面90Acの下方にある。そのため、パッド90Aを下降させていくと、その傾斜面90Ab及び下面90Acにより縦壁部100cの上端縁を天板部2上の接合位置に向けて案内しながら押し倒すことができる。その際、縦壁部100cの符号Pに示される曲がり(前記曲がり部分bp)が徐々に大きくなり、その結果として外壁3cと上壁3dとの境目が形成されていく。
しかも、パッド90Aが下死点に至る前に縦壁部100cの上端縁が天板部2との接合位置を超えようとしても、前記縦壁面70Acによって移動がせき止められる。上端縁がせき止められた縦壁部100cは、縦壁面70Acに与える力が反力として自らに帰ってくるので、ダイ40A、パンチ80A、及びパッド90Aによって形成される閉空間の内壁面に密接するように閉断面形状を形成していく。
ここで、ダイ40Aの天板支持面41A(第1の天板支持面)に対する成形下死点での間隙が、ホルダー70Aの加圧面よりもパッド90Aの加圧面の方が大きくなっている。より具体的に言うと、ホルダー70Aが下死点に至った際、このホルダー70Aの加圧面と、ダイ40Aの天板支持面41Aとの間の間隙をg1とする。さらに、パッド90Aが下死点に至った際、このパッド90Aの加圧面と、ダイ40Aの天板支持面41Aとの間の間隙をg2とする。この場合、間隙g1は天板部2の板厚に略等しく、間隙g2は天板部2の板厚に縦壁部100cの上端縁の板厚を加えた寸法に略等しい。すなわち、間隙g2>間隙g1となる。そのため、ホルダー70Aにおいてはダイ40Aとの間で天板部2をしっかりと挟持し、また、パッド90Aにおいてはダイ40Aとの間で、天板部2及び縦壁部100cの上端縁を挟み込むための接合代を得ることが出来る。
最後に、適宜の接合手段を用いて上壁3dを天板部2の接合位置に接合することで、図18に示す湾曲補強部3が形成される。この湾曲補強部3は、その延在方向に沿った各位置での断面形状が揃っている。
なお、本工程では、縦壁面70Acによって縦壁部100cの上端縁が過度に移動するのを規制したが、この形態のみに限らず、例えば図19の変形例に示すように、パッド90Aに対し、その下面90Acに連なってかつ下面90Acの端部より下方に向かって形成された規制面90Adを設けてもよい。この場合、縦壁部100cの上端縁の移動が規制面90Adによってせき止められるので、ホルダー70Aから縦壁面70Acを省略することができる。
また、本工程では、第2工程に続けて第3工程を行ったが、この態様に限られない。例えば図17に示すように、第2工程の後でかつ第3工程の前に、縦壁部100cの上端縁を天板部2に向かって曲げて屈曲部Qを形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。この場合、パッド90Aの下面90Acを縦壁部100cの上端縁との摺接により摩耗させてしまうことを抑制できる。加えて、パッド90Aが下死点まで至った際に、その下面90Acが屈曲部Qを平らに押し潰すので、屈曲部Qを後工程に残すことがない。
なお、屈曲部Qを設ける代わりに、パッド90Aの傾斜面90Ab及び下面90Acに耐摩耗性を付与するコーティング剤を予め塗布しておいてもよい。さらには、屈曲部Qの形成及びコーティング剤の塗布の両方を採用してもよい。
以上説明の各工程のうち、第2工程から第3工程にかけての、ブランク100の形状変化を(a)〜(f)の順に時系列で並べた斜視図を図20に示す。なお、図20のうち、(a)〜(c)が第2工程を示し、(d)〜(f)が第3工程を示す。
まず、図20の(a)においては、第1工程後のブランク100をダイ40A及びホルダー50A間に挟み込む。そして、パンチ60Aを上昇させることで、図20の(b)に示す状態となる。この時、縦壁部100cの上端縁を天板部2に向かって傾斜させるためには、その延在方向に沿った伸びフランジ変形が必要であるが、既に第1工程で伸びフランジ変形が付与されているため、余裕を持って傾斜させることができる。そのため、パンチ60Aをさらに上昇させて図20の(b)に示す状態になっても、縦壁部100cにおいて外壁3cとなる部分と上壁3dとなる部分との境目の折り目が維持される。
続く第3工程では、ブランク100の縦壁部100cの倒れ込みが十分な状態でパッド90Aにより縦壁部100cの上端縁を押し下げるため、図20の(d)から(e)に示すように、縦壁部100cが天板部2との接合位置に向かって正しく倒れ込む。そして、図20の(f)に示すように、接合位置において適宜の接合手段を用いて上壁3dを固定することで、湾曲補強部3を有する構造部材1が完成する。
以上説明の本実施形態の骨子を以下にまとめる。
本実施形態の構造部材の製造方法は、湾曲縁2aを有する天板部2と、湾曲縁2aの延在方向に沿って天板部2と一体に形成されてかつ湾曲縁2aの延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部3とを有する構造部材1を、ブランク(平板素材)100より製造する方法である。
そして、この製造方法は、ブランク100のうち、天板部2に対応する部位(第1の部位)を挟持した状態で、天板部2の湾曲縁2aに連なる他の部位(内壁3a、帯状円弧壁部100b、縦壁部100c、となる第2の部位)をブランク100の表面に対して奥行き方向にプレスして、湾曲縁2aの延在方向に沿ってかつ前記延在方向に直交する断面がU字をなす溝部m及び溝部mに連なる縦壁部100cを形成する第1工程(中間工程)と;縦壁部100cの上端縁を天板部2に重ね合わせて接合し、湾曲補強部3を形成する第3工程(接合工程)と;を有する。
そして、第1工程の前記プレスでは、前記延在方向に沿って縦断面視した溝部mの帯状円弧壁部100b(底壁)の中央位置と端部位置との間に高低差を設けている。
すなわち、図14に示したように、第1工程の前記プレスにより、帯状円弧壁部100bを、平面視で凹型湾曲形状かつ縦断面視で凸型湾曲形状に形成している。
なお、第1工程のプレス成形時に、天板部2に対応する部位を完全に固定するのではなく、挟持した状態としている。そのため、挟持した部位がその平面外に移動及び変形することは制限しているが、挟持した部位の一部が内壁3a等の他の部位に向かうメタルフローは許容している。
第3工程では、縦壁部100cの上端縁を、天板部2に近付く移動を許容したまま溝部mに向かって押し下げることで、上端縁を天板部2に向けて折り曲げている。そして、前記上端縁の、天板部2における接合予定位置を超えた移動を規制している。
第3工程の前に、前記上端縁を天板部2に向かって曲げて屈曲部Qを形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
第1工程の前記プレスにより、溝部mの延在方向に直交する断面での前記U字の内形の断面線長(図15に示した長さl7,l8,l9の合計である周長和)を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにすることがより好ましい。さらに、溝部mの延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくすることが最も好ましい。
前記断面線長の比が0.7未満となるか又は1.3を超えるようになると、前記中央位置と前記端部位置との間における前記断面線長の差が大きくなりすぎる。この場合、溝部mの延在方向に沿った各位置での断面積が略等しい湾曲補強部を形成した際に、前記断面線長の差が上壁3dの端縁における割れやしわなどの成形不具合を生じる可能性がある。そのため、前記断面線長の比としては、0.7〜1.3の範囲内であることが好ましい。
また、第1工程のプレスにより、帯状円弧壁部100bの平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を、帯状円弧壁部100bの縦断面視における曲率半径R1(mm)で除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内にしてもよい。この場合、ブランク100として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、第1工程の前記プレスにより、帯状円弧壁部100bの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径Rよりも、帯状円弧壁部100bの縦断面視における曲率半径R1の方を大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
構造部材1は、自動車車体部品であってもよい。より具体的には、ロアアームの製造に際して本発明を適用してもよい。
本実施形態の構造部材の製造装置は、上記製造方法に好適に用いられるものであって、構造部材1を、ブランク100より製造する。
そして、この製造装置は、平面視で湾曲した金型溝(第1の金型溝)112が形成されたダイ(第1のダイ)110と、金型溝112に対して相対的に接近離間するパンチ(第1のパンチ)130とを第1工程で用いる。そして、金型溝112の金型溝底面(底面)112bが、金型溝底面112bの延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。
さらに、パンチ130の加圧面130aのパンチ下端面130a3が、金型溝底面112bに対応した高低差を有している。なお、パンチ下端面130a3における「対応した高低差」とは、パンチ下端面130a3が金型溝底面112bと同じ方向へ曲がって形成された高低差を意味し、金型溝底面112bの高低差と同じであることが好ましい。
金型溝112の金型溝底面112bは、平面視では凹型湾曲形状でかつ縦断面視では凸型湾曲形状である。すなわち、金型溝底面112bは、金型溝(第1の金型溝)112の延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有する。そして、パンチ(第1のパンチ)130の加圧面130aが、金型溝底面112bに対応した高低差を有する。さらに、金型溝底面112bが、平面視では凹型湾曲形状でかつ縦断面視では凸型湾曲形状をなす湾曲面(第1金型湾曲面)を形成している。なお、本実施形態では、金型溝底面112bの全てを湾曲面としているが、この形態のみに限らず、金型溝底面112bの一部分のみを湾曲面としてもよい。
金型溝112の延在方向に直交する断面であるU字の断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにすることがより好ましい。さらに、金型溝112の延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくすることが最も好ましい。この場合、成形不具合をより確実に防ぐことができる。
金型溝底面112bの、縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内としてもよい。この場合、ブランク100として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、金型溝底面112bの、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径Rよりも、縦断面視における曲率半径R1の方を大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
さらに、前記製造装置は、第2工程で用いる以下の金型をさらに備える:金型溝112よりも細い金型溝底面(第2の金型溝)43Aを有するダイ(第2のダイ)40Aと;金型溝底面43Aに対応した形状を有する下面(湾曲凸部)50Adを有するホルダー(第1のホルダー)50Aと;金型溝底面43Aに隣接配置され、金型溝底面43Aに対して相対的に接近離間するパンチ(第2のパンチ)60A。
さらに、前記製造装置は、第3工程で用いる以下の金型をさらに備える:ダイ40Aに重なるように配置されたホルダー(第2のホルダー)70Aと;金型溝底面43Aに隣接した第3の金型溝を有するパンチ(第3のパンチ)80Aと;金型溝底面43A及び前記第3の金型溝の双方に対して接近離間する下面(加圧面)90Acを有するパッド90A。
ホルダー70Aは、パッド90Aの下面90Acに隣接してかつ下面90Acに交差する縦壁面(第1の規制面)70Acを有する。または、図19に示したように、パッド90Aが、下面90Acに連なってかつ下面90Acに交差する規制面(第2の規制面)90Adを備えてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態では、平板素材より図21に示す構造部材201を成形するための製造方法と製造装置について説明する。なお、図21は、本実施形態に係る構造部材の製造方法により製造された構造部材201を示す図であって、(a)が斜視図であり(b)が平面図である。
図21に示す構造部材201は、平面視で凸型の湾曲縁202aを有する天板部202と、湾曲縁202aの延在方向に沿って天板部202と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部203とを有する。なお、図21の(a)においては、湾曲縁202a及び湾曲補強部203の形状を分かりやすくするために、接合箇所を僅かに開けて図示しているが、実際には、接合箇所では隙間無く接合しており、湾曲補強部203が閉断面形状を形成している。他の図面においても同様に図示する場合がある。
天板部202は、互いに平行な一対の両側縁202b,202cと、これら両側縁202b,202c間に連なるとともに前縁をなす前記湾曲縁202aと、この湾曲縁202aに対向するとともに両側縁202b,202c間に連なる後縁202dと、で区画された平板である。これらのうち、両側縁202b,202c及び後縁202dは、それぞれ直線形状を有している。一方、湾曲縁202aは、その両端よりも中央が後縁202dから遠くなる凸型湾曲形状を有している。この凸型湾曲形状の平面視における曲率半径R1としては、100mm〜400mmが例示される。ただし、曲率半径R1はこの範囲内に限定されるものではない。
湾曲補強部203は、天板部202の湾曲縁202aに連なるとともに鉛直下方に向かう内壁203aと、内壁203aに連なるとともに天板部202より水平に離れる方向に向かう底壁203bと、底壁203bに連なるとともに鉛直上方に向かう外壁203cと、外壁203cに連なるとともに天板部202の上面202eに接合した上壁203dと、を備えている。
内壁203aは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部203の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この内壁203aは、平断面視で、湾曲縁202aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凸型湾曲形状を有している。
底壁203bは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部203の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この底壁203bは、側面視においては天板部202と平行であり、底面視では、湾曲縁202aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
外壁203cは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部203の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この外壁203cは、平断面視で、湾曲縁202aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
上壁203dは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部203の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じであり、なおかつ底壁203bよりも幅広になっている。そして、この上壁203dは、縦断面視においては天板部202と平行であり、平面視では、湾曲縁202aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。なお、上壁203dは、後縁202dに向かって湾曲縁202aを超えた位置で天板部202の上面202eに接合している。その接合手段としては、例えば、溶接、接着、ボルト固定などを適宜用いることができる。
内壁203aと外壁203cは互いに平行をなしており、また、上壁203dと底壁203bが互いに平行をなしている。そして、これら内壁203a、底壁203b、外壁203c、上壁203d、の4つの壁部により、閉断面形状が形成されている。すなわち、本実施形態では、湾曲補強部203内には凸型湾曲形状の空間が形成されており、そして湾曲補強部203の延在方向に沿った一端及び他端の2箇所においてのみ、前記空間が外部に連通している。
以上説明の構成を有する構造部材201によれば、閉断面形状を持つ湾曲補強部203の剛性により、天板部202の面外変形を防ぐことができる。また、湾曲縁202aの延在方向に沿った圧縮加重や引張荷重に対しても高い剛性を発揮できる。
続いて、本実施形態の製造方法及び製造装置を、図22〜図32を用いて以下に説明する。
[第2実施形態/第1工程]
図22は、本実施形態の第1工程で用いる各金型とブランク100の斜視図である。同図22に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、ブランク100が載置されるダイ210と、ブランク100のうちで前記天板部202となる部位をその上から押さえつけるホルダー220と、ブランク100のうちで前記湾曲補強部203を形成する部位に凹溝を形成するパンチ230と、ホルダー220及びパンチ230のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ210は、ブランク100のうちで前記天板部202となる部位を支持する天板支持面211と、この天板支持面211に連なる金型溝212と、この金型溝212に連なる水平面213とを備えている。天板支持面211は、前記湾曲縁202aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁211aを有する水平面である。
金型溝212は、縁211aにおいて天板支持面211に連なり、図23に示す形状を有する。なお、図23は、金型溝212の形状を示す図であって、(a)が(b)のN−N矢視図であり、(b)が長手方向に直交する方向より見た側面図である。図23の(a)及び(b)では、両図での端縁の位置関係を明瞭にするために、端縁を太線で示している。なお、以降の各図においても同様に太線を用いて位置関係を示す場合がある。
同図23に示すように、金型溝212は、前記縁211aに連なるとともに鉛直下方に向かう金型溝側面212aと、金型溝側面212aに連なるとともに天板支持面211より水平に離れる方向に向かう金型溝底面212bと、金型溝底面212bに連なるとともに鉛直上方に向かう金型溝側面212cと、を備えている。
金型溝側面212a及び金型溝側面212cは、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、側面視した場合、金型溝側面212a及び金型溝側面212cの上端縁は直線形状をなしている一方、下端縁は鉛直下方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。この湾曲線形状の曲率半径Rは、図21に示した構造部材201における前記湾曲縁202aの曲率半径R1よりも大きいことが好ましい。その理由については後述する。
このような逆アーチ型の下端縁をそれぞれ有する金型溝側面212a及び金型溝側面212cは、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向の両端位置よりも中央位置の方が長くなっている。
これら金型溝側面212a及び金型溝側面212cは、平面視では、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型の湾曲形状を有している。また、金型溝側面212aを平面視した場合の曲率半径は、構造部材201における前記湾曲縁202aの曲率半径R1に等しくなっている。さらに、金型溝側面212cを平面視した場合の曲率半径が、金型溝側面212aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、図23の(a)に示す長さl12は、金型溝底面212bの長手方向の中央位置よりも端部位置の方が長くなっている。これにより、金型溝側面212a及び金型溝側面212cそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図23の(a)に示す長さl11,l12,l13の合計である周長和が、金型溝212の延在方向の各位置で同じになっている。これにより、成形後における湾曲補強部203の断面形状の大きさを、その延在方向の各位置で揃えることが可能になっている。
金型溝底面212bは、平面視で、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。さらに、金型溝底面212bは、図23の(b)に示すように、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差h1を有する。すなわち、金型溝底面212bは、その延在方向に沿った両端位置に対して中央位置が相対的に低くなるように曲がった凹型湾曲形状を有している。
すなわち、金型溝底面212bは、金型溝(第1の金型溝)212の延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有する。そして、パンチ(第1のパンチ)230の加圧面230aが、金型溝底面212bに対応した高低差を有する。さらに、金型溝底面212bが、平面視では凸型湾曲形状でかつ縦断面視では凹型湾曲形状をなす湾曲面(第2金型湾曲面)を形成している。なお、本実施形態では、金型溝底面212bの全てを湾曲面としているが、この形態のみに限らず、金型溝底面212bの一部分のみを湾曲面としてもよい。
図22に戻り、ホルダー220は、前記縁211aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凸型湾曲形状の縁220aと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面220bと、を有している。
パンチ230は、金型溝212と略同一形状の加圧面230aを有している。加圧面230aは、ブランク100の板厚を考慮して、金型溝212の形状よりも一回り小さくなっている。
加圧面230aは、一対のパンチ外側面230a1,230a2と、これらの下端縁間を繋げるパンチ下端面230a3と、を有している。これらパンチ外側面230a1,230a2及びパンチ下端面230a3は、平面視で、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
パンチ外側面230a1,230a2は、鉛直方向の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、側面視した場合、パンチ外側面230a1,230a2の上端縁は直線形状をなしている一方、下端縁は鉛直下方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
このような逆アーチ型の下端縁をそれぞれ有するパンチ外側面230a1,230a2は、鉛直方向の高さ寸法が、前記延在方向の両端位置よりも中央位置の方が長くなっている。
これらパンチ外側面230a1,230a2は、平面視では、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。また、パンチ外側面230a1を平面視した場合の曲率半径は、構造部材201における前記湾曲縁202aの曲率半径R1に等しくなっている。さらに、パンチ外側面230a2を平面視した場合の曲率半径が、パンチ外側面230a1の曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、図22に示す長さl15は、パンチ下端面230a3の長手方向の中央位置よりも端部位置の方が長くなっている。これにより、パンチ外側面230a1,230a2それぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図22に示す長さl14,l15,l16の合計である周長和が、パンチ230の延在方向の各位置で同じになっている。
前記駆動部は、ダイ210に向かってホルダー220を接近離間させる駆動機構と、パンチ230を金型溝212に向かって接近離間させる他の駆動機構とを備えている。したがって、ホルダー220及びパンチ230を個別に駆動させることが可能になっている。
ブランク100の詳細は上述した通りであり、ここではその重複説明を省略する。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第1工程を行うには、まず、ダイ210の天板支持面211上にブランク100を載置し、そしてホルダー220を下降させてブランク100をダイ210との間に挟持する。その際、ブランク100の端部がダイ210の水平面213上にも重なるように配置した上で固定する。
続いて、前記駆動機構によりパンチ230を下降させることで、ブランク100をダイ210の金型溝212と加圧面230aとの間に挟み込んで塑性変形させる。その後、前記駆動機構によりパンチ230を上昇させ、続いて、前記駆動機構によりホルダー220を上昇させる。そして、ダイ210上から第1工程後のブランク100を取り出す。
このようにしてプレス加工されたブランク100を図24及び図25に示す。図24において(a)が斜視図であり、(b)が(a)のO−O矢視図である。そして、図25は、図24の(a)のP−P矢視図である。第1工程後においては、天板部202と、湾曲縁202aを介して天板部202に連なる内壁203aとが一体に形成されている。
第1工程後のブランク100は、内壁203a及び縦壁部100eと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部100dとを含む溝部maを有している。これら内壁203a、縦壁部100e、帯状円弧壁部100dは、平面視で同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
内壁203a及び縦壁部100eは、これらの下端縁の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、内壁203a及び縦壁部100eの各下端縁は、側面視で鉛直下方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
平面視した場合、縦壁部100eの曲率半径が、内壁203aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、図25に示す長さl18は、帯状円弧壁部100dの長手方向の中央位置よりも端部位置の方が長くなっている。これにより、内壁203a及び縦壁部100eそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。言い換えると、図25に示す長さl17,l18,l19の合計である周長和が、帯状円弧壁部100dの延在方向の各位置で同じになっている。
帯状円弧壁部100dは、平面視で、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。さらに、帯状円弧壁部100dは、縦断面視で、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において高低差を有する。すなわち、帯状円弧壁部100dは、その延在方向に沿った両端位置に対して中央位置が相対的に低くなるように曲がった凹型湾曲形状を有している。そして、帯状円弧壁部100dの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径よりも、帯状円弧壁部100dの縦断面視における曲率半径を大きくしている。これにより、次工程で金型を変えてブランク100を置いた際に、ブランク100の高さが高くなりすぎて不安定になることを防げる。
帯状円弧壁部100dは、続く第2工程及び第3工程を経て、底壁203b及び外壁203cとなる部分である。上述のように、第1工程(中間工程)では、プレスにより、溝部mの帯状円弧壁部(底壁)100dに、溝部maの延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)と、この中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を設けている。これにより、帯状円弧壁部100dに、平面視で凸型湾曲形状かつ縦断面視で凹型湾曲形状をなす湾曲部(第2湾曲部)を形成している。なお、本実施形態では、帯状円弧壁部100dの全てを湾曲部としているが、この形態のみに限らず、帯状円弧壁部100dの一部分のみを湾曲部としてもよい。
本第1工程では、この帯状円弧壁部100dが側面視で鉛直下方に向かって凸型の湾曲形状をなすようにプレス加工をする際、同時に、平面視で凸型の湾曲形状に変形させている。これにより、縦壁部100eの上部が縮みフランジ変形して天板部202に近付くため、縦壁部100eの上部を湾曲縁202aに予め近付けることができている。
[第2実施形態/第2工程]
続いて、本実施形態の第2工程について、図26及び図27を用いて説明する。図26は、第2工程で用いる各金型の斜視図である。図27は、第2工程後のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のQ−Q矢視図である。
なお、本工程の説明の前に、図26に示す金型について以下に説明する。
本実施形態の、構造部材の製造装置は、図26に示す金型をさらに備えている。これら金型は、第1工程後のブランク100が載置されるダイ240Aと、ブランク100のうちで前記天板部202となる部位と前記底壁203bとなる部位とを上から押さえつけるホルダー250Aと、前記帯状円弧壁部100dを部分的に押し上げて折り曲げることで前記外壁203cを形成するパンチ260Aと、ホルダー250Aをダイ240Aに対して接近離間させる駆動機構(不図示)と、パンチ260Aをブランク100に対して接近離間させる他の駆動機構(不図示)とを備えている。
ダイ240Aは、ブランク100のうちで前記天板部202となる部位を支持する天板支持面241Aと、この天板支持面241Aに連なる金型溝(第2の金型溝)m3とを有している。金型溝m3は、天板支持面241Aに連なるとともに鉛直下方に向かって形成された金型溝側面242Aと、この金型溝側面242Aに連なるとともに天板支持面241Aより水平に離れる方向に向かう金型溝底面243Aと、を有している。
金型溝側面242Aは、鉛直方向の高さ寸法が、その延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この金型溝側面242Aは、平面視で、前記縁211aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凸型湾曲形状を有している。
金型溝底面243Aは、水平方向の幅寸法が、その延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この金型溝底面243Aは、平面視で、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。さらに、金型溝底面243Aは、その一端から他端にかけて凹凸の無い水平面をなしている。
ホルダー250Aは、前記縁211aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凸型湾曲形状の縁250Aaと、ブランク100の上面200aを押さえつける平坦な下面250Abと、下面250Abに対して縁250Aaを介して連なる内壁面250Acと、この内壁面250Acに連なる下面250Adと、下面250Adに連なってかつ鉛直上方に立ち上がる縦壁面250Aeとを備えている。
内壁面250Acと縦壁面250Aeは、互いに平行をなすとともに、縁250Aaと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
また、下面250Adは、底面視で、前記縁211aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。そして、その幅寸法は、構造部材201の底壁203bの幅寸法に対応している。すなわち、下面250Adは、図24に示した帯状円弧壁部100dのうち、底壁203bとなる部分のみを加圧するよう、帯状円弧壁部100dよりも幅寸法が狭くなっている。そのため、帯状円弧壁部100dのうち、下面250Adによって加圧されない部分は、パンチ260Aの押し上げを受けた場合に、鉛直上方に屈曲して前記外壁203cとなる。より詳細には、図26に示す下面250Adの稜線250Ad1が帯状円弧壁部100dの幅方向中央に当たった状態で、帯状円弧壁部100dが屈曲する。そのため、この屈曲位置を境として、底壁203bと、次工程で外壁203cとなる部分を含む縦壁部100eとが形成される。
パンチ260Aは、平面視で、ホルダー250Aの稜線250Ad1と同じ方向に曲がった凹型湾曲形状の稜線260Aaを有している。そして、パンチ260Aを上昇させた
際に、この稜線260Aaが帯状円弧壁部100dの裏面側に当たり、前記稜線250Ad1と協働して曲げを与える。
以上説明の各金型を用いて第2工程を行うには、まず、ダイ240Aの天板支持面241A上に第1工程後のブランク100を載置する。その際、ブランク100の底壁203bを金型溝底面243A上に配置し、なおかつ内壁203aを金型溝側面242Aに面接触させるように配置する。この時、底壁203bは、湾曲形状を有しているため、その中央を除いて金型溝底面243Aから少し浮いている。
続いて、ホルダー250Aを下降させていくと、その平坦な下面250Adが凹型湾曲形状の底壁203bの延在方向両端位置にある2つの最頂部に当接する。さらにホルダー250Aを下降させていくことで、底壁203bの湾曲が徐々に減じられるように曲げ戻されていく。そして、ホルダー250Aが下死点に至ったところで底壁203bが下面250Adと金型溝底面243Aとの間に挟み込まれて完全に平坦な形状に塑性変形する。この過程では、底壁203bの湾曲を曲げ戻す力が縦壁部100eに伝わるため、縦壁部100eが元の状態よりもさらに起立するように塑性変形する。
以上により、ブランク100の内壁203aが金型溝側面242Aと内壁面250Acとの間に挟み込まれて固定される。さらに、ブランク100の帯状円弧壁部100dの一部が他の部分を残して、金型溝底面243A及び下面250Ad間に挟み込まれて固定される。
続いて、前記駆動機構によりパンチ260Aを上昇させることで、帯状円弧壁部100dの前記他の部分がその下方より上方に向かって押し上げられる。その結果、帯状円弧壁部100dのうち、底壁203bとなる部分と縦壁部100eとなる部分との間に折り目が形成される。
この時、上述したように、第1工程の時点で、縦壁部100eの上部を湾曲縁202aに予め近付けているので、縦壁部100eの高さ方向途中位置に曲がりを残したまま、縦壁部100eの上端縁を湾曲縁202aに向かって十分に倒れ込ませることができる。
なお、図26に示すように、ホルダー250Aの縦壁面250Ae(第1縦壁面)に対し、パンチ260Aの縦壁面260Ae(第2縦壁面)を水平方向に5mm以上50mm以下の距離clを空けて対向配置させることが好ましい。この場合、縦壁部100cの高さ方向途中位置に第1工程で形成した曲がり部分を残しつつ、縦壁部100eの上端縁が天板部202に向かって前のめりに近付くよう傾斜させることが、より確実にできる。その理由は、上記第1実施形態において図6(b)を用いて説明した理由と同じであり、ここではその説明を省略する。
このようにして第2工程でプレス加工されたブランク100を、図27に示す。第2工程後においては、天板部202と、湾曲縁202aを介して一体に形成された内壁203aと、この内壁203aに連なる平坦な底壁203bと、この底壁203bに連なる縦壁部100eとが形成されている。縦壁部100eは、帯状円弧壁部100dの一部に曲げを加えたことにより、図24の(b)との対比で分かるように、鉛直方向の寸法が伸びている。また、第1工程で付与した帯状円弧壁部100d及び縦壁部100e間の曲がりが、第2工程後の縦壁部100eのうち、図27の(b)の符号P1に示す位置に残っている。そのため、縦壁部100eの上端縁が湾曲縁202aに近付いている。
[第2実施形態/第3工程]
続いて、図28〜図30を用いて本実施形態の第3工程を以下に説明する。
図28は、第3工程で用いる各金型の斜視図である。図29は、第3工程を開始する前におけるブランク100の形状を示す図であって、図27の(a)のR−R矢視図である。図30は、第3工程中のブランクを示す図であって、(a)が斜視図であり、(b)が(a)のT−T矢視図である。
本実施形態の、構造部材の製造装置は、図28に示す金型をさらに備えている。これら金型は、第2工程後のブランク100が引き続き載置される前記ダイ240Aと、ダイ240Aの上方に配置されて上下動するホルダー270Aと、ダイ240Aに隣接配置されて上下動するパンチ280Aと、パンチ280A上に配置されて上下動するパッド290Aと、ホルダー270Aをダイ240Aに対して接近離間させる駆動機構(不図示)と、パンチ280Aをブランク100に対して接近離間させる他の駆動機構(不図示)と、パッド290Aをパンチ280Aに対して接近離間させるさらに他の駆動機構(不図示)とを備えている。
ホルダー270Aは、平面視で前記縁211Aaと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状の稜線270Aaと、ブランク100の上面100aを押さえつける平坦な下面270Abと、下面270Abに対して稜線270Aaを介して連なってかつ鉛直上方に立ち上がる縦壁面270Acとを備えている。
パンチ280Aは、平面視で、ホルダー270Aの稜線270Aaと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状の縁280Aaを有するとともにダイ240Aに隣接する金型溝(第3の金型溝)m4と、縁280Aaに連なる平坦な上面280Abとを有している。パンチ280Aを上昇させると、その縁280Aaがブランク100の縦壁部100eの下端部分に当たってここに曲げを与える。
パッド290Aは、平坦な下面290Aaと、この下面290Aaに連なる凹型湾曲形状の傾斜面290Abと、この傾斜面290Abに連なる凹型湾曲形状の下面290Acとを有している。下面290Aaと下面290Acとの間には、傾斜面290Abを介して段差が形成されている。また、下面290Acの縁290Ac1は、稜線270Aaと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凹型湾曲形状を有している。
以上説明の各金型を用いて第3工程を行うには、まず、ダイ240Aの天板支持面241A上に第2工程後のブランク100を載置したまま、前記ホルダー250Aの代わりにホルダー270Aを用いて、天板部202を天板支持面241Aとの間に挟持する。このとき、ホルダー270Aを、平面視で、その縦壁面270Acがダイ240Aの縁241Aaから所定の幅寸法tだけ後退した位置にくるように配置する。これにより、図28において幅寸法tのハッチングで示される領域が、第3工程で縦壁部100eを折り曲げて閉断面を形成する際の水平方向における接合代となる。
続いて、図29においてパンチ280Aを矢印UP方向に上昇させてブランク100の底壁203bと、縦壁部100eのうちで外壁203cになる部分とをそれらの外周囲より支持する。
その後、今度は図29においてパッド290Aを矢印DW方向に下降させ、パッド290Aの下面290Aaをパンチ280Aの上面280Abに当接させる。この時、ブランク100の縦壁部100eの上端縁が全て、傾斜面290Ab又は下面290Acの下方にある。そのため、パッド290Aを下降させていくと、その傾斜面290Ab及び下面290Acにより縦壁部100eの上端縁を天板部202上の接合位置に向けて案内しながら押し倒すことができる。その際、縦壁部100eの符号P1に示される曲がりが徐々に大きくなり、その結果として外壁203cと上壁203dとの境目が形成されていく。
しかも、パッド290Aが下死点に至る前に縦壁部100eの上端縁が天板部202との接合位置を超えようとしても、前記縦壁面270Acによって移動がせき止められる。上端縁がせき止められた縦壁部100eは、縦壁面270Acに与える力が反力として自らに帰ってくるので、ダイ240A、パンチ280A、及びパッド290Aによって形成される閉空間の内壁面に密接するように閉断面形状を形成していく。
ここで、ダイ240Aの天板支持面241A(第1の天板支持面)に対する成形下死点での間隙が、ホルダー270Aの加圧面(下面270Ab)よりもパッド290Aの加圧面(下面290Ac)の方が大きくなっている。より具体的に言うと、ホルダー270Aが下死点に至った際、このホルダー270Aの加圧面と、ダイ240Aの天板支持面241Aとの間の間隙をg3とする。さらに、パッド290Aが下死点に至った際、このパッド290Aの加圧面と、ダイ240Aの天板支持面241Aとの間の間隙をg4とする。この場合、間隙g3は天板部202の板厚に略等しく、間隙g4は天板部202の板厚に縦壁部100eの上端縁の板厚を加えた寸法に略等しい。すなわち、間隙g4>間隙g3となる。そのため、ホルダー270Aにおいてはダイ240Aとの間で天板部202をしっかりと挟持し、また、パッド290Aにおいてはダイ240Aとの間で、天板部202及び縦壁部100eの上端縁を間に挟み込むための接合代を得ることが出来る。
最後に、適宜の接合手段を用いて上壁203dを天板部202の接合位置に接合することで、図30に示す湾曲補強部203が形成される。この湾曲補強部203は、その延在方向に沿った各位置での断面形状が揃っている。
なお、本工程では、縦壁面270Acによって縦壁部100eの上端縁が過度に移動するのを規制したが、この形態のみに限らず、例えば図31の変形例に示すように、パッド290Aに対し、その下面290Acに連なってかつ下面290Acの端部より下方に向かって形成された規制面290Adを設けてもよい。この場合、縦壁部100eの上端縁の移動が規制面290Adによってせき止められるので、ホルダー270Aから縦壁面270Acを省略することができる。
また、本工程では、第2工程に続けて第3工程を行ったが、この態様に限られない。例えば図29に示すように、第2工程の後でかつ第3工程の前に、縦壁部100eの上端縁を天板部202に向かって曲げて屈曲部Q1を形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。この場合、パッド290Aの下面290Acを縦壁部100eの上端縁との摺接により摩耗させてしまうことを抑制できる。加えて、パッド290Aが下死点まで至った際に、その下面290Acが屈曲部Q1を平らに押し潰すので、屈曲部Q1を後工程に残すことがない。
なお、屈曲部Q1を設ける代わりに、パッド290Aの傾斜面290Ab及び下面290Acに耐摩耗性を付与するコーティング剤を予め塗布しておいてもよい。さらには、屈曲部Q1の形成及びコーティング剤の塗布の両方を採用してもよい。
以上説明の各工程のうち、第2工程から第3工程にかけての、ブランク100の形状変化を(a)〜(f)の順に時系列で並べた斜視図を図32に示す。なお、図32のうち、(a)〜(c)が第2工程を示し、(d)〜(f)が第3工程を示す。また、各金型の図示は省略する。
まず、図32の(a)においては、第1工程後のブランク100をダイ240A及びホルダー250A間に挟み込む。そして、パンチ260Aを上昇させることで、図32の(b)に示す状態となる。この時、縦壁部100eの上端縁を天板部202に向かって傾斜させるためには、縦壁部100eの上部を湾曲縁202aに向かって予め傾ける必要があるが、既に第1工程でそのための曲げ加工が付与されているため、余裕を持って傾斜させることができる。そのため、パンチ260Aをさらに上昇させて図32の(b)に示す状態になっても、縦壁部100eにおいて外壁203cとなる部分と上壁203dとなる部分との境目(折り目)が維持される。
続く第3工程では、ブランク100の縦壁部100eの倒れ込みが十分な状態でパッド290Aにより縦壁部100eの上端縁を押し下げるため、図32の(d)から(e)に示すように、縦壁部100eが天板部202との接合位置に向かって正しく倒れ込む。そして、図32の(f)に示すように、接合位置において適宜の接合手段を用いて上壁203dを固定することで、湾曲補強部203を有する構造部材201が完成する。
以上説明の本実施形態の骨子を以下にまとめる。
本実施形態の構造部材の製造方法は、湾曲縁202aを有する天板部202と、湾曲縁202aの延在方向に沿って天板部202と一体に形成されてかつ湾曲縁202aの延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部203とを有する構造部材201を、ブランク(平板素材)100より製造する方法である。
そして、この製造方法は、ブランク100のうち、天板部202に対応する部位(第1の部位)を挟持した状態で、天板部202の湾曲縁202aに連なる他の部位(内壁203a、帯状円弧壁部100d、縦壁部100e、となる第2の部位)をブランク100の表面に対して奥行き方向にプレスして、湾曲縁202aの延在方向に沿ってかつ前記延在方向に直交する断面がU字をなす溝部ma及び溝部maに連なる縦壁部100eを形成する第1工程(中間工程)と;縦壁部100eの上端縁を天板部202に重ね合わせて接合し、湾曲補強部203を形成する第3工程(接合工程)と;を有する。
そして、第1工程の前記プレスでは、前記延在方向に沿って縦断面視した溝部maの帯状円弧壁部100d(底壁)の中央位置と端部位置との間に高低差を設けている。
すなわち、図24に示したように、第1工程の前記プレスにより、帯状円弧壁部100dを、平面視で凸型湾曲形状かつ縦断面視で凹型湾曲形状に形成している。
なお、第1工程のプレス成形時に、天板部202に対応する部位を完全に固定するのではなく、挟持した状態としている。そのため、挟持した部位がその平面外に移動及び変形することは制限しているが、挟持した部位の一部が内壁203a等の他の部位に向かうメタルフローは許容している。
第3工程では、縦壁部100eの上端縁を、天板部202に近付く移動を許容したまま溝部maに向かって押し下げることで、上端縁を天板部202に向けて折り曲げている。そして、前記上端縁の、天板部202における接合予定位置を超えた移動を規制している。
第3工程の前に、前記上端縁を天板部202に向かって曲げて前記屈曲部Q1を形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
第1工程の前記プレスにより、溝部maの延在方向に直交する断面での前記U字の断面線長(図25に示した長さl17,l18,l19の合計である周長和)を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにすることがより好ましい。さらに、溝部maの延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくすることが最も好ましい。
前記断面線長の比が0.7未満になるか又は1.3を超えるようになると、前記中央位置と前記端部位置との間における前記断面線長の差が大きくなりすぎる。この場合、溝部maの延在方向に沿った各位置での断面積が略等しい湾曲補強部203を形成した際に、前記断面線長の差が上壁203dの端縁における割れやしわなどの成形不具合を生じる可能性がある。そのため、前記断面線長の比としては、0.7〜1.3の範囲内であることが好ましい。
また、第1工程のプレスにより、溝部maにおいて、帯状円弧壁部100dの平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を、帯状円弧壁部100dの縦断面視における曲率半径R1(mm)で除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内にしてもよい。この場合、ブランク100として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、第1工程の前記プレスにより、帯状円弧壁部100dの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径Rよりも、帯状円弧壁部100dの縦断面視における曲率半径R1の方を大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
構造部材201は、自動車車体部品であってもよい。より具体的には、ロアアームの製造に際して本発明を適用してもよい。
本実施形態の構造部材の製造装置は、上記製造方法に好適に用いられるものであって、構造部材201を、ブランク100より製造する。
そして、この製造装置は、平面視で湾曲した金型溝(第1の金型溝)212が形成されたダイ(第1のダイ)210と、金型溝212に対して相対的に接近離間するパンチ(第1のパンチ)230とを第1工程で用いる。そして、金型溝212の金型溝底面(底面)212bが、金型溝底面212bの延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。
さらに、パンチ230の加圧面230aのパンチ下端面230a3が、金型溝底面212bに対応した高低差を有している。なお、パンチ下端面230a3における「対応した高低差」とは、パンチ下端面230a3が金型溝底面212bと同じ方向へ曲がって形成された高低差を意味し、金型溝底面212bの高低差と同じであることが好ましい。
金型溝212の金型溝底面212bは、平面視では凸型湾曲形状でかつ縦断面視では凹型湾曲形状である。
金型溝212の延在方向に直交する断面であるU字の断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにすることがより好ましい。さらに、金型溝212の延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくすることが最も好ましい。これにより、上述した成形不具合をより確実に防ぐことができる。
金型溝底面212bの、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径が、縦断面視における曲率半径よりも小さい。
さらに、前記製造装置は、第2工程で用いる以下の金型をさらに備える:金型溝212よりも細い金型溝底面(第2の金型溝)243Aを有するダイ(第2のダイ)240Aと;金型溝底面243Aに対応した形状を有する下面(湾曲凸部)250Adを有するホルダー(第1のホルダー)250Aと;金型溝底面243Aに隣接配置され、金型溝底面243Aに対して相対的に接近離間するパンチ(第2のパンチ)260A。
さらに、前記製造装置は、第3工程で用いる以下の金型をさらに備える:ダイ240Aに重なるように配置されたホルダー(第2のホルダー)270Aと;金型溝底面243Aに隣接した第3の金型溝を有するパンチ(第3のパンチ)280Aと;金型溝底面243A及び前記第3の金型溝の双方に対して接近離間する下面(加圧面)290Acを有するパッド290A。
ホルダー270Aは、パッド290Aの下面290Acに隣接してかつ下面290Acに交差する縦壁面(第1の規制面)270Acを有する。または、図31に示したように、パッド290Aが、下面290Acに連なってかつ下面290Acに交差する規制面(第2の規制面)290Adを備えてもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では平面視で凹型の湾曲補強部3を形成し、また、上記第2実施形態では平面視で凸型の湾曲補強部203を形成した。これら湾曲補強部3,203の双方とも、それらの延在方向に交差する断面形状が閉断面形状であった。しかし、本発明は、開断面形状を持つ湾曲補強部の加工にも適用可能である。そこで、平面視で凹型をなす、開断面形状の湾曲補強部を有する構造部材を製造する場合について、本実施形態で説明する。また、平面視で凸型をなす、開断面形状の湾曲補強部を有する構造部材を製造する場合については、後述の第4実施形態で説明する。
図33に示す構造部材301は、底面視で凹型の湾曲縁302aを有する天板部302と、湾曲縁302aにおいて天板部302と一体に形成されてかつ湾曲縁302aの延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部303とを有する。
天板部302は、互いに平行な一対の両側縁302b,302cと、これら両側縁302b,302c間に連なるとともに前縁をなす前記湾曲縁302aと、この湾曲縁302aに対向するとともに両側縁302b,302c間に連なる後縁302dと、で区画された平板部分である。両側縁302b,302c及び後縁302dは、それぞれ直線形状を有している。一方、湾曲縁302aは、その両端よりも中央が後縁302dに近い凹型湾曲形状を有している。この凹型湾曲形状の平面視における曲率半径Rとしては、100mm〜400mmが例示される。ただし、曲率半径Rはこの範囲内に限定されるものではない。
湾曲補強部303は、天板部302の湾曲縁302aに連なるとともに鉛直上方に向かう外壁303cと、外壁303cに連なるとともに天板部302の上面302eに対して離間した上壁303dと、を備えている。
外壁303cは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部303の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この外壁303cは、平断面視で、湾曲縁302aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
上壁303dは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部303の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この上壁303dは、縦断面視においては天板部302と平行であり、平面視では、湾曲縁302aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。
そして、天板部302の一部、外壁303c、上壁303d、の3つの壁部により、開断面形状が形成されている。すなわち、本実施形態では、湾曲補強部303内には凹型湾曲形状の空間が形成されており、そして、湾曲補強部303の延在方向に沿った一端及び他端の2面と、上壁303dのうち前記後縁302dに近い縁と前記上面302eとの間の1面と、の合計3面において、前記空間が外部に連通している。
以上説明の構成を有する構造部材301によれば、開断面形状を持つ湾曲補強部303の剛性により、天板部302の面外変形を防ぐことができる。また、湾曲縁302aの延在方向に沿った圧縮加重や引張荷重に対しても高い剛性を発揮できる。
図34は、本実施形態に係る構造部材の製造方法を説明する概略図であって、ブランク500から構造部材301に至るまでの形状変化を(a)〜(c)の順で時系列に並べた斜視図である。各図では、成形課程を明示するために各金型の図示を省略している。各金型及びそれらの用い方については、別図を用いて後述する。
図34(a)は、上記第1実施形態で示した図14に対応する時点でのブランク500を示す。なお、本実施形態のブランク500は、図38(a)を用いて説明する形状を有し、前記ブランク100とは形状が異なるため、品番を500に変えて説明する。
本実施形態では、第1工程として、まず、ダイの天板支持面上にブランク500を載置し、そしてホルダーを下降させてブランク500をダイとの間に挟持する。
続いて、パンチを下降させることで、ブランク500を下型とパンチとの間に挟み込んで塑性変形させる。
その後、パンチを上昇させてから、ホルダーを上昇させる。そして、ダイ上から第1工程後のブランク500を取り出して、図34(a)の状態となる。
第1工程後のブランク500は、内壁503a及び縦壁部500gと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部500fとによって区画される溝部mbを有している。これら内壁503a、縦壁部500g、帯状円弧壁部500fは、平面視で同じ方向に曲がった凹型の湾曲形状を有している。
内壁503a及び縦壁部500gは、これらの下端縁の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、内壁503a及び縦壁部500gの各下端縁は、側面視で鉛直上方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
平面視した場合、縦壁部500gの曲率半径が、内壁503aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、内壁503a及び縦壁部500gそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。
帯状円弧壁部500fは、平面視で、内壁503aと同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。さらに、帯状円弧壁部500fは、縦断面視で、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において高低差を有する。すなわち、帯状円弧壁部500fは、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に低くなるように曲がった凸型湾曲形状を有している。これにより、縦壁部500gの上端縁における伸びフランジ変形を第2工程の前に付与できている。すなわち、縦壁部500gの下端縁よりも上端縁の方が幅広になるように、縦壁部500gを面内方向に曲げ変形させている。その結果、縦壁部500gを天板部502に予め近付けることができている。
上述のように、第1工程(中間工程)では、プレスにより、溝部mbの帯状円弧壁部(底壁)500fに、溝部mbの延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)と、この中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を設けている。これにより、帯状円弧壁部500fに、平面視で凹型湾曲形状かつ縦断面視で凸型湾曲形状をなす湾曲部(第1湾曲部)を形成している。なお、本実施形態では、帯状円弧壁部500fの全てを湾曲部としているが、この形態のみに限らず、帯状円弧壁部500fの一部分のみを湾曲部としてもよい。
続く第2工程では、天板部502をその上下よりダイ及びホルダー間に挟み込んで保持する。そして、ダイ及びホルダーをパンチに対して近付ける。すると、帯状円弧壁部500fの外面が、定位置に固定されたパンチに当たるので、縦壁部500gが前記後縁502dに近付くように折り曲げられていく。その結果、前記高低差が無くなるとともに、縦壁部500gの上縁が前記後縁502dに近付けられて図34(b)に示す状態となる。
続く第3工程では、パッドを用いて縦壁部500gの上端縁を押し下げることにより、図34(c)に示すように、開断面形状の湾曲補強部303を有する構造部材301が形成される。湾曲補強部303は、天板部302に連なるとともに鉛直上方に向かう外壁303cと、外壁303cに連なるとともに天板部302の上面302eに平行をなす上壁303dと、を備えている。そして、外壁303c及び上壁303dは平面視して凹型の湾曲形状を有している。
以上説明のような第1工程〜第3工程による折り返し加工を行うことにより、U字型開断面形状の湾曲補強部303を有する構造部材301を形成することができる。この折り返し加工では、天板部502に対向する方向より見て縦壁部500gの上端縁が天板部502に重なる一方、縦壁部500gの上端縁が天板部502から離間した状態に至るまで、縦壁部500gを曲げることで、U字型開断面形状を持つ湾曲補強部303を形成している。
なお、この折り返し加工で縦壁部500gを曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制してもよい。また、第3工程時の前記上端縁が天板部502に向かう屈曲部(不図示)を、第3工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
以上説明の第1工程〜第3工程を、各金型との対応関係を含めて以下に説明する。具体的には、図35を用いて第1工程を説明し、図36を用いて第2工程を説明し、図37を用いて第3工程を説明する。
[第3実施形態/第1工程]
まず、図35(a)は、本実施形態の第1工程で用いる各金型の斜視図である。同図35(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、ブランク500が載置されるダイ410と、ブランク500のうちで前記天板部302となる部位をその上から押さえつけるホルダー420と、ブランク500のうちで前記湾曲補強部303となる部位に凹溝を形成するパンチ430及び下型440と、これらダイ410、ホルダー420、パンチ430のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。なお、下型440は、定位置に固定されている。
ダイ410は、ブランク500のうちで前記天板部502となる部位を支持する天板支持面411と、この天板支持面411に連なる縦壁面412とを備えている。天板支持面411は、前記湾曲縁302aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁411aを有する水平面である。縦壁面412は、縁411aにおいて天板支持面411に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面412は、平面視で、縁411aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
下型440は、底壁面441、縦壁面442、上壁面443を備えている。
底壁面441は、平面視で、前記縁411aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。さらに、底壁面441は、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。すなわち、底壁面441は、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に低くなるように曲がった凸型湾曲形状を有している。なお、底壁面441は、上記第1実施形態で図13を用いて説明した前記金型溝底面112bと比べて若干、形状が異なっている。具体的には、前記金型溝底面112bの場合は溝幅方向で高さがほぼ一定であったのに対し、本実施形態の底壁面441は、その溝幅方向に沿って前記ダイ410から離れる方向に向かって深さが深くなっている。
縦壁面442は、底壁面441に連なり、鉛直上方に向かって延在する壁面である。縦壁面442は、平面視で、前記縁411aと同じ方向に曲がった凸曲面である。上壁面443は、縦壁面442の上端縁に連なり、水平方向に向かって延在する平坦面である。
ホルダー420は、前記縁411aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凹型湾曲形状の縁420aと、ブランク500の上面502eを押さえつける平坦な下面420bと、を有している。
パンチ430は、その底部に形成された加圧面431と、その側部に形成された縦壁面432と、を備えている。
加圧面431は、前記底壁面441と略同一形状を有している。すなわち、加圧面431は、底面視で、前記縁411aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。さらに、加圧面431は、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。すなわち、加圧面431は、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に低くなるように曲がった凹型湾曲形状を有している。なお、加圧面431は、上記第1実施形態で図12を用いて説明した前記パンチ下端面130a3と比べて若干、形状が異なっている。具体的には、前記パンチ下端面130a3の場合はその幅方向で高さがほぼ一定であったのに対し、本実施形態の加圧面431は、その幅方向に沿って前記ホルダー420から離れるに従って高さが低くなっている。
縦壁面432は、加圧面431に連なり、鉛直上方に向かって延在する壁面である。縦壁面432は、平面視で、前記縁411aと同じ方向に曲がった凹曲面である。
上述した底壁面(第4の金型溝の底面)441は、底壁面441の延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有する。そして、パンチ430(第4のパンチ)の加圧面431が、底壁面441に対応した高低差を有している。底面壁441は、平面視では凹型湾曲形状でかつ縦断面視では凸型湾曲形状をなす湾曲面(第3金型湾曲面)を形成している。なお、本実施形態では、底壁面441の全てを湾曲面としているが、この形態のみに限らず、底壁面441の一部分のみを湾曲面としてもよい。
前記駆動部は、ダイ410に向かってホルダー420を接近離間させる駆動機構と、ダイ410を昇降させる駆動機構と、下型440に向かってパンチ430を昇降させる駆動機構と、を備えている。
加工前の前記ブランク500は、図38(a)に示す形状を有する。すなわち、ブランク500は、平面視で凹状をなす前縁502aと、この前縁502aに連なる一対の側縁502bと、これら一対の側縁502bに連なり前縁502aと対向する後縁502dと、を有する。一対の側縁502bは、互いに平行である部分と、前縁502aに近付くにつれて間隔が狭くなる部分とを有する。ブランク500の板厚としては、0.8mm〜6.0mmが例示されるが、この厚みに限定されるものではない。ブランク500の材質としては、鋼、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金等の金属材料、またはガラス繊維もしくは炭素繊維等の樹脂材料を用いることができる。さらには、金属材料及び樹脂材料の複合材料をブランク500の材質としてもよい。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第1工程を行うには、まず、ダイ410の天板支持面411上にブランク500を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー420を下降させてブランク500をダイ410との間に挟持する。その際、ブランク500の前縁502aがダイ410の縁411aを超えてはみ出すように配置した上で固定する。
続いて、前記駆動機構によりパンチ430を下型440に向かって下降させる。また、ダイ410を、ホルダー420との間にブランク500を挟んだまま下降させていく。そして、パンチ430が下死点に至ることで、ブランク500のうちの前縁502aを含む周辺部分が鉛直上方に向かって折り曲げられる。すなわち、ブランク500は、図38(a)に示す成形開始より図38(b)の成形途中を経て、図38(c)に示す成形終了に至る。図35の(b)及び(c)に示すように、第1工程の成形終了時のブランク500には、前縁502aを上端縁とする平面視凹状の縦壁部500gと、この縦壁部500gの根元部分に位置し、平面視凹状でかつブランク500の幅方向において高低差を有する溝部mbと、が形成される。溝部mbの帯状円弧壁部100f(底壁)は、溝部mbの延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を有する。すなわち、中央位置が端部位置よりも高くなる高低差が形成されている。この第1工程により、縦壁部500gの上端縁が伸びフランジ変形する。
その後、前記駆動機構によりパンチ430を上昇させてから、ホルダー420を上昇させる。そして、ダイ410上からブランク500を取り出す。以上により、第1工程が完了する。
[第3実施形態/第2工程]
上記第1工程に続く第2工程について、図36及び図38の(d)〜(f)を用いて説明する。
まず、図36(a)は、本実施形態の第2工程で用いる各金型の斜視図である。同図36(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、第1工程後のブランク500が載置されるダイ610と、ダイ610に対して接近離間するホルダー620と、ダイ610の側方に固定配置されたパンチ630と、ダイ610及びホルダー620のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ610は、ブランク500をその溝部mbに対応する部分の外面も含めて支持する天板支持面611と、この天板支持面611に連なる縦壁面612とを備えている。天板支持面611は、前記ダイ410の縁411aと同じ方向に湾曲した縁611aを有する水平面である。縦壁面612は、縁611aにおいて天板支持面611に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面612は、平面視で、縁611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
パンチ630は、上壁面631と縦壁面632を備えている。
上壁面631は、平面視で、前記縁611aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有する平面である。
縦壁面632は、上壁面631に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面632は、平面視で、前記縁611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
ホルダー620は、底壁面621と縦壁面622を備えている。
底壁面621は、底面視で前記縁611aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凹型湾曲形状の縁621aを有し、ブランク500の上面502eを押さえつける平坦面である。
縦壁面622は、縁621aにおいて底壁面621に連なり、鉛直上方に向かって延在する。縦壁面622は、平面視で、前記縁621aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第2工程を行うには、まず、ダイ610の天板支持面611上にブランク500を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー620を下降させてブランク500をダイ610との間に挟み込んでいく。これにより、第1工程で形成された溝部mbにおける高低差が徐々に減じられていき、この変形に伴い、ブランク500の縦壁部500gの上端縁が後縁502dに向かって近付く。ブランク500を間に挟んだ状態でホルダー620をダイ610とともに押し下げていくと、ブランク500のうち、溝部mbが有った部分の外面がパンチ630の上壁面631に当たる。その結果、ブランク500は、上壁面631に与える力の反力を受けて縦壁部500gの上端縁が後縁502dに向かってさらに近付くよう、折り曲げられていく。
すなわち、ブランク500は、図38(d)に示す第2工程の成形開始より、図38(e)の成形途中を経て、図38(f)に示す成形終了に至る。図36の(b)及び(c)に示すように、成形終了時のブランク500は、溝部mbが消えて高低差も無くなっている。そのため、ブランク500の下面は平坦になっている。また、縦壁部500gは、前記高低差の減少に加えてその下端部分がパンチ630からの反力を受けるため、次の第3工程で確実に倒れ込めるよう、予め傾斜することができる。
その後、前記駆動機構によりホルダー620を上昇させる。そして、ダイ610上からブランク500を取り出す。以上により、第2工程が完了する。
なお、図36に示すように、ホルダー620の縦壁面622(第3縦壁面)に対し、パンチ630の縦壁面632(第4縦壁面)を水平方向に5mm以上50mm以下の距離clを空けて対向配置させることが好ましい。この場合、縦壁部500gの高さ方向途中位置に第1工程で形成した曲がり部分を残しつつ、縦壁部500gの上端縁が天板部502に向かって前のめりに近付くよう傾斜させることが、より確実にできる。その理由は、上記第1実施形態において図6(b)を用いて説明した理由と同じであり、ここではその説明を省略する。
[第3実施形態/第3工程]
上記第2工程に続く第3工程について、図37及び図38の(g)〜(i)を用いて説明する。
まず、図37(a)は、本実施形態の第3工程で用いる各金型の斜視図である。同図37(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、第2工程後のブランク500が載置されるダイ710と、ダイ710に対して接近離間するホルダー720と、ダイ710に対して接近離間するパッド730と、ホルダー720及びパッド730のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ710は、ブランク500を支持する天板支持面711と、この天板支持面711に連なる縦壁面712とを備えている。天板支持面711は、前記ダイ610の縁611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁711aを有する水平面である。縦壁面712は、縁711aにおいて天板支持面711に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面712は、平面視で、縁711aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
ホルダー720は、底壁面721と、折り返し面722と、縦壁面723と、を備えている。
底壁面721は、底面視で前記縁711aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凹型湾曲形状の縁721aを有し、ブランク500の上面502eを押さえつける平坦面である。
折り返し面722は、縁721aにおいて底壁面721に連なり、縁721aより平面視で底壁面721に重なる方向に折り返された曲げ面である。折り返し面722は、平面視で、前記縁721aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ曲げ形状を有する。折り返し面722は、平面視で、前記縁621aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
縦壁面723は、折り返し面722を介して底壁面721に連なり、鉛直上方に向かって延在する。縦壁面723は、平面視で、前記縁721aと同じ方向に曲がった凹曲面である。
パッド730は、第1下面731と、傾斜面732と、第2下面733とを有する。
第1下面731は、底面視でホルダー720に向かって凸型の湾曲形状をなす平坦面である。
傾斜面732は、第1下面731に連なり、斜め上方に向かって形成されている。傾斜面732は、底面視でホルダー720に向かって凸型の湾曲形状をなす湾曲面である。
第2下面733は、傾斜面732に連なり、底面視でホルダー720に向かって凸型の湾曲形状をなす平坦面である。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第3工程を行うには、まず、ダイ710の天板支持面711上に第2工程後のブランク500を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー720を下降させてブランク500をダイ710との間に挟持する。続いて、前記駆動機構によりパッド730を下げていく。すると、パッド730の第2下面733が縦壁部500gの上縁に当接し、そして縦壁部500gを倒しながら折り曲げていく。この折り曲げの際、第1工程及び第2工程において縦壁部500gに予め傾斜が付けられており、加えて縦壁部500gの上縁に伸びフランジ変形が予め与えられているため、余裕をもって縦壁部500gを折り曲げることができる。この折り曲げの結果、構造部材301が得られる。
ここで、ダイ710の天板支持面711(第4の天板支持面)に対する成形下死点での間隙が、ホルダー720の加圧面(底壁面721)よりもパッド730の加圧面(第2下面733)の方が大きくなっている。より具体的に言うと、ホルダー720が下死点に至った際、このホルダー720の加圧面と、ダイ710の天板支持面711との間の間隙をg5とする。さらに、パッド730が下死点に至った際、このパッド730の加圧面と、ダイ710の天板支持面711との間の間隙をg6とする。この場合、間隙g5は天板部502の板厚に略等しく、間隙g6は湾曲補強部303の厚み寸法に略等しい。すなわち、間隙g6>間隙g5となる。そのため、ホルダー720においてはダイ710との間で天板部502をしっかりと挟持し、また、パッド730においてはダイ710との間で、開断面形状の湾曲補強部303を得ることが出来る。
その後、前記駆動機構によりまずパッド730を上昇させる。そして、前記駆動機構によりホルダー720を若干上昇させて、ダイ710の天板支持面711から離間させる。これにより、構造部材301の固定が解かれる。その状態で、構造部材301をホルダー720及びダイ710間より水平方向に引き抜くことにより、構造部材301を取り外せる。以上により、第3工程が完了する。
本実施形態のブランク500は、図38(g)に示す第3工程の成形開始より、図38(h)の成形途中を経て、図38(i)に示す成形終了に至って構造部材301となる。図37の(b)及び(c)に示すように、成形終了時の構造部材301は、底面視で凹型の湾曲縁302aを有する天板部302と、湾曲縁302aの延在方向に沿って天板部302と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部303とを有する。
以上説明の本実施形態の骨子を以下にまとめる。
本実施形態の構造部材の製造方法は、湾曲縁302aを有する天板部302と、湾曲縁302aの延在方向に沿って天板部302と一体に形成されてかつ湾曲縁302aの延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部303とを有する構造部材301を、ブランク500(平板素材)より製造する方法である。具体的には、ブランク500のうち、天板部302に対応する部位(第1の部位)を挟持した状態で、この部位に連なる他の部位(第2の部位)をブランク500の上面502eに対して交差する方向にプレスすることで、ブランク500のうちで湾曲縁302aとなる部位に沿って、溝部mb及び溝部mbに連なる縦壁部500gを形成する第1工程(中間工程)を有する。
この第1工程のプレスにより、溝部mbの帯状円弧壁部500f(底壁)に、溝部mbの延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を設けている。帯状円弧壁部500fは、平面視では凹型湾曲形状を有してかつ縦断面視では凸型湾曲形状を有する。
なお、第1工程のプレス成形時に、天板部2に対応する部位を完全に固定するのではなく、挟持した状態としている。そのため、挟持した部位がその平面外に移動及び変形することは制限しているが、挟持した部位の一部が他の部位に向かうメタルフローは許容している。
加えて、本実施形態における構造部材の製造方法では、以下のようにしてもよい。
すなわち、第1工程のプレスにより、溝部mbの、溝部mbの延在方向に直交する断面の内形に沿った断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にしてもよい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにしてもよい。さらに、溝部mbの延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくしてもよい。
前記断面線長の比が0.7未満になるか又は1.3を超えるようになると、前記中央位置と前記端部位置との間における前記断面線長の差が大きくなりすぎる。この場合、溝部mbの延在方向に沿った各位置での断面積が略等しい湾曲補強部303を形成した際に、前記断面線長の差が上壁303dの端縁における割れやしわなどの成形不具合を生じる可能性がある。そのため、前記断面線長の比としては、0.7〜1.3の範囲内であることが好ましい。
また、第1工程のプレスにより、溝部mbにおいて、帯状円弧壁部500fの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径R(mm)を、帯状円弧壁部500fの縦断面視における曲率半径R1(mm)で除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内にしてもよい。この場合、ブランク500として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、第1工程のプレスにより、帯状円弧壁部500fの平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径Rよりも、帯状円弧壁部500fの縦断面視における曲率半径R1の方を大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
本実施形態の構造部材の製造方法では、第1工程のプレスの後に、第2工程を経て行われる第3工程において、縦壁部500gの上端縁を、天板部502に近付く移動を許容したまま溝部mbに向かって押し下げることで、上端縁を天板部502に向けて折り曲げる曲げ工程をさらに有する。
この曲げ工程は、折り返し工程を含む。この折り返し工程では、天板部502に対向する方向より見て縦壁部500gの上端縁が天板部502に重なる一方、側面視では前記上端縁が天板部502から離間した状態に至るまで、縦壁部500gを曲げる。その結果、開断面形状を持つ湾曲補強部303を形成することができる。
さらに、この折り返し工程で縦壁部500gをさらに曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制している。すなわち、前記上端縁をホルダー720の縦壁面723に当てて規制することにより、適切な開断面を有する湾曲補強部303を形成することができる。
なお、折り返し工程時の前記上端縁が天板部502に向かう屈曲部(不図示。第1実施形態で言う屈曲部Q1に相当する曲げ)を、折り返し工程の前に形成する上端縁曲げ工程を行ってもよい。
構造部材301は、自動車車体部品であってもよい。より具体的には、ロアアームの製造に際して本発明を適用してもよい。
本実施形態の構造部材の製造装置は、上記製造方法に好適に用いられるものであって、構造部材301を、ブランク500より製造する。
そして、この製造装置は、平面視で湾曲した縁411a(第1の金型湾曲縁)を含む天板支持面411(第2の天板支持面)を有するダイ410(第3のダイ)と;天板支持面411に対して接近離間するホルダー420(第3のホルダー)と;平面視で縁411aに隣接配置された底壁面441(第4の金型溝)を有する下型440(第4のダイ)と;底壁面441に対して接近離間するパンチ430(第4のパンチ)と;を備える。
底壁面441が、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を有している。同様に、パンチ430の加圧面431も、底壁面441に対応した高低差を有する。すなわち、加圧面431は、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を有している。
底壁面441は、平面視では凹型湾曲形状を有してかつ縦断面視では凸型湾曲形状を有している。
本実施形態の構造部材の製造装置は、以下の構成を採用してもよい。
すなわち、底壁面441の、その延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にしてもよい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにしてもよい。さらに、溝部maの延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくしてもよい。これにより、上述した成形不具合をより確実に防ぐことができる。
底壁面441の、縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内としてもよい。この場合、ブランク500として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、底壁面441の、縦断面視における曲率半径R1を、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径Rより大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、第1工程に続く第2工程で以下の金型を用いる。
すなわち、平面視で湾曲した縁611a(第2の金型湾曲縁)を含む天板支持面611(第3の天板支持面)を有するダイ610(第5のダイ)と;天板支持面611に対して接近離間するホルダー620(第4のホルダー)と;平面視で縁611aに隣接配置されたパンチ630(第5のパンチ)と;を用いる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、第2工程に続く第3工程で以下の金型を用いる。
すなわち、平面視で湾曲した縁711a(第3の金型湾曲縁)を含む天板支持面711(第4の天板支持面)を有するダイ710(第6のダイ)と;天板支持面711に対して接近離間するホルダー720(第5のホルダー)と;平面視で縁711aの上に重なる第2下面733(加圧面)を有し、ダイ710に対して接近離間するパッド730(第6のパンチ)と;を用いる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、ホルダー720が、パッド730の第2下面733に隣接してかつ同第2下面733に対して交差する方向に延在する縦壁面723(第3の規制面)を有する。
この縦壁面723を設ける代わりに、パッド730が、同パッド730の第2下面733に連なってかつ交差する方向に延在する縦壁面(不図示。第4の規制面)を有してもよい。
[第4実施形態]
上記第3実施形態では、平面視で凹型の湾曲補強部303を形成した。本実施形態では、平面視で凸型となる、開断面形状を持つ湾曲補強部303を形成する場合について説明する。
図39に示す構造部材401は、底面視で凸型の湾曲縁402aを有する天板部402
と、湾曲縁402aにおいて天板部402と一体に形成されてかつ湾曲縁402aの延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部403とを有する。
天板部402は、互いに平行な一対の両側縁402b,402cと、これら両側縁402b,402c間に連なるとともに前縁をなす前記湾曲縁402aと、この湾曲縁402aに対向するとともに両側縁402b,402c間に連なる後縁402dと、で区画された平板部分である。両側縁402b,402c及び後縁402dは、それぞれ直線形状を有している。一方、湾曲縁402aは、その両端よりも中央が後縁402dよりも遠い凸型湾曲形状を有している。この凸型湾曲形状の平面視における曲率半径Rとしては、100mm〜400mmが例示される。ただし、曲率半径Rはこの範囲内に限定されるものではない。
湾曲補強部403は、天板部402の湾曲縁402aに連なるとともに鉛直上方に向かう外壁403cと、外壁403cに連なるとともに天板部402の上面402eに対して離間した上壁403dと、を備えている。
外壁403cは、鉛直方向の高さ寸法が、湾曲補強部403の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この外壁403cは、平断面視で、湾曲縁402aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
上壁403dは、水平方向の幅寸法が、湾曲補強部403の延在方向に沿った一端から他端にかけての各位置で同じである。そして、この上壁403dは、縦断面視においては天板部402と平行であり、平面視では、湾曲縁402aと同じ方向に曲がった凸型湾曲形状を有している。
そして、天板部402の一部、外壁403c、上壁403d、の3つの壁部により、開断面形状が形成されている。すなわち、本実施形態では、湾曲補強部403内には凹型湾曲形状の空間が形成されており、そして、湾曲補強部403の延在方向に沿った一端及び他端の2面と、上壁403dのうち前記後縁402dに近い縁と前記上面402eとの間の1面と、の合計3面において、前記空間が外部に連通している。
以上説明の構成を有する構造部材401によれば、開断面形状を持つ湾曲補強部403の剛性により、天板部402の面外変形を防ぐことができる。また、湾曲縁402aの延在方向に沿った圧縮加重や引張荷重に対しても高い剛性を発揮できる。
図40は、本実施形態に係る構造部材の製造方法を説明する概略図であって、ブランク800から構造部材401に至るまでの形状変化を(a)〜(c)の順で時系列に並べた斜視図である。各図では、成形課程を明示するために各金型の図示を省略している。各金型及びそれらの用い方については、別図を用いて後述する。
図40(a)は、上記第2実施形態で示した図24に対応する時点でのブランク800を示す。なお、本実施形態のブランク800は、図44(a)を用いて説明する形状を有し、前記ブランク100及び前記ブランク500とは形状が異なるため、品番を800に変えて説明する。
本実施形態では、第1工程として、まず、ダイの天板支持面上にブランク800を載置し、そしてホルダーを下降させてブランク800をダイとの間に挟持する。
続いて、パンチを下降させることで、ブランク800を下型とパンチとの間に挟み込んで塑性変形させる。
その後、パンチを上昇させてから、ホルダーを上昇させる。そして、ダイ上から第1工程後のブランク800を取り出して、図40(a)の状態となる。
第1工程後のブランク800は、内壁803a及び縦壁部800gと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部800fとにより区画される溝部mcを有している。これら内壁803a、縦壁部800g、帯状円弧壁部800fは、平面視で同じ方向に曲がった凸型の湾曲形状を有している。
内壁803a及び縦壁部800gは、これらの下端縁の高さ寸法が、これらの延在方向に沿った中央位置と両端位置との間で差が設けられている。すなわち、内壁803a及び縦壁部800gの各下端縁は、側面視で鉛直下方に向かって凸型の湾曲線形状をなしている。
平面視した場合、縦壁部800gの曲率半径が、内壁803aの曲率半径よりも大きくなっている。この曲率半径差により、内壁803a及び縦壁部800gそれぞれの延在方向に沿った高さ寸法差を吸収している。
帯状円弧壁部800fは、平面視で、内壁803aと同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。さらに、帯状円弧壁部800fは、縦断面視で、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において高低差を有する。すなわち、帯状円弧壁部800fは、その延在方向に沿った中央位置に対して両端位置が相対的に高くなるように曲がった凹型湾曲形状を有している。これにより、第2工程の前に、縦壁部800gの上端縁を天板部802に近付けている。
上述のように、第1工程(中間工程)では、プレスにより、溝部mcの帯状円弧壁部(底壁)800fに、溝部mcの延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)と、この中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を設けている。これにより、帯状円弧壁部800fに、平面視で凸型湾曲形状かつ縦断面視で凹型湾曲形状をなす湾曲部(第2湾曲部)を形成している。なお、本実施形態では、帯状円弧壁部100dの中央部分のみを湾曲部としているが、この形態のみに限らず、帯状円弧壁部100dの全部を湾曲部としてもよい。
続く第2工程では、天板部802をその上下よりダイ及びホルダー間に挟み込んで保持する。そして、ダイ及びホルダーをパンチに対して近付ける。すると、帯状円弧壁部800fの外面が、定位置に固定されたパンチに当たるので、縦壁部800gが前記後縁802dに近付くように折り曲げられていく。その結果、前記高低差が無くなるとともに、縦壁部800gの上縁が前記後縁802dに近付けられて図40(b)に示す状態となる。
続く第3工程では、パッドを用いて縦壁部800gの上端縁を押し下げることにより、図40(c)に示すように、開断面形状の湾曲補強部403を有する構造部材401が形成される。湾曲補強部403は、天板部402に連なるとともに鉛直上方に向かう外壁403cと、外壁403cに連なるとともに天板部402の上面402eに平行をなす上壁403dと、を備えている。そして、外壁403c及び上壁403dは平面視して凸型の湾曲形状を有している。
以上説明のような第1工程〜第3工程による折り返し加工を行うことにより、U字型開断面形状の湾曲補強部403を有する構造部材401を形成することができる。この折り返し加工では、天板部802に対向する方向より見て縦壁部800gの上端縁が天板部802に重なる一方、縦壁部800gの上端縁が天板部802から離間した状態に至るまで、縦壁部800gを曲げることで、U字型開断面形状を持つ湾曲補強部403を形成している。
なお、この折り返し加工で縦壁部800gを曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制してもよい。また、第3工程時の前記上端縁が天板部802に向かう屈曲部(不図示)を、第3工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有してもよい。
以上説明の第1工程〜第3工程を、各金型との対応関係を含めて以下に説明する。具体的には、図41を用いて第1工程を説明し、図42を用いて第2工程を説明し、図43を用いて第3工程を説明する。
[第4実施形態/第1工程]
まず、図41(a)は、本実施形態の第1工程で用いる各金型の斜視図である。同図41(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、ブランク800が載置されるダイ1410と、ブランク800のうちで前記天板部402となる部位をその上から押さえつけるホルダー1420と、ブランク800のうちで前記湾曲補強部403となる部位に凹溝を形成するパンチ1430及び下型1440と、これらダイ1410、ホルダー1420、パンチ1430のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。なお、下型1440は、定位置に固定されている。
ダイ1410は、ブランク800のうちで前記天板部802となる部位を支持する天板支持面1411と、この天板支持面1411に連なる縦壁面1412とを備えている。天板支持面1411は、前記湾曲縁402aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁1411aを有する水平面である。縦壁面1412は、縁1411aにおいて天板支持面1411に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面1412は、平面視で、縁1411aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
下型1440は、底壁面1441、縦壁面1442、上壁面1443を備えている。
底壁面1441は、平面視で、前記縁1411aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。さらに、底壁面1441は、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。すなわち、底壁面1441は、その延在方向に沿った中央位置が両端位置に対して相対的に深く(低く)なるように曲がった凹型湾曲形状を有している。なお、底壁面1441は、上記第2実施形態で図23を用いて説明した前記金型溝底面212bと比べて若干、形状が異なっている。具体的には、前記金型溝底面212bの場合は溝幅方向で高さがほぼ一定であったのに対し、本実施形態の底壁面1441は、その溝幅方向に沿って前記ダイ1410から離れるに従って深さが深くなっている。
縦壁面1442は、底壁面1441に連なり、鉛直上方に向かって延在する壁面である。縦壁面1442は、平面視で、前記縁1411aと同じ方向に曲がった凹曲面である。上壁面1443は、縦壁面1442の上端縁に連なり、水平方向に向かって延在する壁面である。
ホルダー1420は、前記縁1411aと同じ方向に同じ曲率半径を持った凸型湾曲形状の縁1420aと、ブランク800の上面802eを押さえつける平坦な下面1420bと、を有している。
パンチ1430は、その底部に形成された加圧面1431と、その側部に形成された縦壁面1432と、を備えている。
加圧面1431は、前記底壁面1441と略同一形状を有している。すなわち、加圧面1431は、底面視で、前記縁1411aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有している。さらに、加圧面1431は、その延在方向に沿った中央位置と端部位置との間において縦断面視で高低差を有する。すなわち、加圧面1431は、その延在方向に沿った中央位置が両端位置に対して相対的に深く(低く)なるように曲がった凸型湾曲形状を有している。なお、加圧面1431は、上記第2実施形態で図22を用いて説明した前記パンチ下端面230a3と比べて若干、形状が異なっている。具体的には、前記パンチ下端面230a3の場合はその幅方向で高さがほぼ一定であったのに対し、本実施形態の加圧面1431は、その幅方向に沿って前記ホルダー1420から離れるに従って高さが低くなっている。
縦壁面1432は、加圧面1431に連なり、鉛直上方に向かって延在する壁面である。縦壁面1432は、平面視で、前記縁1411aと同じ方向に曲がった凸曲面である。
上述した底壁面(第4の金型溝の底面)1441は、底壁面1441の延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有する。そして、パンチ1430(第4のパンチ)の加圧面1431が、底壁面1441に対応した高低差を有している。底面壁1441は、平面視では凸型湾曲形状でかつ縦断面視では凹型湾曲形状をなす湾曲面(第4金型湾曲面)を形成している。なお、底壁面1441の全てを湾曲面としてもよいし、あるいは、底壁面1441の一部分のみを湾曲面としてもよい。
前記駆動部は、ダイ1410に向かってホルダー1420を接近離間させる駆動機構と、ダイ1410を昇降させる駆動機構と、下型1440に向かってパンチ1430を昇降させる駆動機構と、を備えている。
加工前の前記ブランク800は、図44(a)に示す形状を有する。すなわち、ブランク800は、平面視で凸状をなす前縁802aと、この前縁802aに連なる一対の側縁802bと、これら一対の側縁802bに連なり前縁802aと対向する後縁802dと、を有する。一対の側縁802bは、互いに平行な直線形状を有する。ブランク800の板厚としては、0.8mm〜6.0mmが例示されるが、この厚みに限定されるものではない。ブランク800の材質としては、鋼、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金等の金属材料、またはガラス繊維もしくは炭素繊維等の樹脂材料を用いることができる。さらには、金属材料及び樹脂材料の複合材料をブランク800の材質としてもよい。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第1工程を行うには、まず、ダイ1410の天板支持面1411上にブランク800を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー1420を下降させてブランク800をダイ1410との間に挟持する。その際、ブランク800の前縁802aがダイ1410の縁1411aを超えてはみ出すように配置した上で固定する。
続いて、前記駆動機構によりパンチ1430を下型1440に向かって下降させる。また、ダイ1410を、ホルダー1420との間にブランク800を挟んだまま下降させていく。そして、パンチ1430が下死点に至ることで、ブランク800のうちの前縁802aを含む周辺部分が鉛直上方に向かって折り曲げられる。すなわち、ブランク800は、図44(a)に示す成形開始より図44(b)の成形途中を経て、図44(c)に示す成形終了に至る。図44の(b)及び(c)に示すように、第1工程の成形終了時のブランク800には、前縁802aを上端縁とする平面視凸状の縦壁部800gと、この縦壁部800gの根元部分に位置し、平面視凸状でかつブランク800の幅方向において高低差を有する溝部mcと、が形成される。以上により、縦壁部800gの上端縁が縮みフランジ変形する。
その後、前記駆動機構によりパンチ1430を上昇させてから、ホルダー1420を上昇させる。そして、ダイ1410上からブランク800を取り出す。以上により、第1工程が完了する。
[第4実施形態/第2工程]
上記第1工程に続く第2工程について、図42及び図44の(d)〜(f)を用いて説明する。
まず、図42は、本実施形態の第2工程で用いる各金型の斜視図である。同図42(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、第1工程後のブランク800が載置されるダイ1610と、ダイ1610に対して接近離間するホルダー1620と、ダイ1610の側方に固定配置されたパンチ1630と、ダイ1610及びホルダー1620のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ1610は、ブランク800をその溝部mcに対応する部分の外面も含めて支持する天板支持面1611と、この天板支持面1611に連なる縦壁面1612とを備えている。天板支持面1611は、前記ダイ1410の縁1411aと同じ方向に湾曲した縁1611aを有する水平面である。縦壁面1612は、縁1611aにおいて天板支持面1611に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面1612は、平面視で、縁1611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
パンチ1630は、上壁面1631と縦壁面1632を備えている。
上壁面1631は、平面視で、前記縁1611aと同じ方向に曲がった凹型湾曲形状を有する平面である。
縦壁面1632は、上壁面1631に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面1632は、平面視で、前記縁1611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凹曲面である。
ホルダー1620は、底壁面1621と縦壁面1622を備えている。
底壁面1621は、底面視で前記縁1611aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凸型湾曲形状の縁1621aを有し、ブランク800の上面802eを押さえつける平坦面である。
縦壁面1622は、縁1621aにおいて底壁面1621に連なり、鉛直上方に向かって延在する。縦壁面1622は、平面視で、前記縁1621aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第2工程を行うには、まず、ダイ1610の天板支持面1611上にブランク800を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー1620を下降させてブランク800をダイ1610との間に挟み込んでいく。これにより、第1工程で形成された溝部mcにおける高低差が徐々に減じられていき、この変形に伴い、ブランク800の縦壁部800gの上端縁が後縁802dに向かって近付く。ブランク800を間に挟んだ状態でホルダー1620をダイ1610とともに押し下げていくと、ブランク800のうち、溝部mcが有った部分の外面がパンチ1630の上壁面1631に当たる。その結果、ブランク800は、上壁面1631に与える力の反力を受けて縦壁部800gの上端縁が後縁802dに向かってさらに近付くよう、折り曲げられていく。
すなわち、ブランク800は、図44(d)に示す第2工程の成形開始より、図44(e)の成形途中を経て、図44(f)に示す成形終了に至る。図42の(b)及び(c)に示すように、成形終了時のブランク800は、溝部mcが消えて高低差も無くなっている。そのため、ブランク800の下面は平坦になっている。また、縦壁部800gは、前記高低差の減少に加え、パンチ1630からの反力を受ける。そのため、縦壁部800gは、次の第3工程で確実に倒れ込めるよう、予め傾斜することができる。
その後、前記駆動機構によりホルダー1620を上昇させる。そして、ダイ1610上からブランク800を取り出す。以上により、第2工程が完了する。
なお、図42に示すように、ホルダー1620の縦壁面1622(第3縦壁面)に対し、パンチ1630の縦壁面1632(第4縦壁面)を水平方向に5mm以上50mm以下の距離clを空けて対向配置させることが好ましい。この場合、縦壁部800gの高さ方向途中位置に第1工程で形成した曲がり部分を残しつつ、縦壁部800gの上端縁が天板部802に向かって前のめりに近付くよう傾斜させることが、より確実にできる。その理由は、上記第1実施形態において図6(b)を用いて説明した理由と同じであり、ここではその説明を省略する。
[第4実施形態/第3工程]
上記第2工程に続く第3工程について、図43及び図44の(g)〜(i)を用いて説明する。
まず、図43(a)は、本実施形態の第3工程で用いる各金型の斜視図である。同図43(a)に示すように、本実施形態における構造部材の製造装置は、第2工程後のブランク800が載置されるダイ1710と、ダイ1710に対して接近離間するホルダー1720と、ホルダー1720に対して接近離間するパッド1730と、ホルダー1720及びパッド1730のそれぞれを独立して駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。
ダイ1710は、ブランク800を支持する天板支持面1711と、この天板支持面1711に連なる縦壁面1712とを備えている。天板支持面1711は、前記ダイ1610の縁1611aと同じ方向に同じ曲率半径をもって湾曲した縁1711aを有する水平面である。縦壁面1712は、縁1711aにおいて天板支持面1711に連なり、鉛直下方に向かって延在する壁面である。縦壁面1712は、平面視で、縁1711aと同じ
方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
ホルダー1720は、底壁面1721と、折り返し面1722と、縦壁面1723と、を備えている。
底壁面1721は、底面視で前記縁1711aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ凸型湾曲形状の縁1721aを有し、ブランク800の上面802eを押さえつける平坦面である。
折り返し面1722は、縁1721aにおいて底壁面1721に連なり、縁1721aより平面視で底壁面1721に重なる方向に折り返された曲げ面である。折り返し面1722は、平面視で、前記縁1721aと同じ方向に同じ曲率半径を持つ曲げ形状を有する。折り返し面1722は、平面視で、前記縁1621aと同じ方向に同じ曲率半径をもって曲がった凸曲面である。
縦壁面1723は、折り返し面1722を介して底壁面1721に連なり、鉛直上方に向かって延在する。縦壁面1723は、平面視で、前記縁1721aと同じ方向に曲がった凸曲面である。
パッド1730は、第1下面1731と、傾斜面1732と、第2下面1733とを有する。
第1下面1731は、底面視でホルダー1720から離れる方向に凹む湾曲形状をなす平坦面である。
傾斜面1732は、第1下面1731に連なり、斜め上方に向かって形成されている。傾斜面1732は、底面視でホルダー1720から離れる方向に凹む湾曲形状をなす湾曲面である。
第2下面1733は、傾斜面1732に連なり、底面視でホルダー1720から離れる方向に凹む湾曲形状をなす平坦面である。
以上説明の構成を有する、構造部材の製造装置により第3工程を行うには、まず、ダイ1710の天板支持面1711上に第2工程後のブランク800を載置し、そして前記駆動機構によりホルダー1720を下降させてブランク800をダイ1710との間に挟持する。続いて、前記駆動機構によりパッド1730を下げていく。すると、パッド1730の第2下面1733が縦壁部800gの上縁に当接し、そして縦壁部800gを倒しながら折り曲げていく。この折り曲げの際、第1工程及び第2工程において縦壁部800gに予め傾斜が付けられており、加えて縦壁部800gの上縁に縮みフランジ変形が予め与えられているため、余裕をもって縦壁部800gを折り曲げることができる。この折り曲げの結果、構造部材401が得られる。
ここで、ダイ1710の天板支持面1711(第4の天板支持面)に対する成形下死点での間隙が、ホルダー1720の加圧面(底壁面1721)よりもパッド1730の加圧面(第2下面1733)の方が大きくなっている。より具体的に言うと、ホルダー1720が下死点に至った際、このホルダー1720の加圧面と、ダイ1710の天板支持面1711との間の間隙をg7とする。さらに、パッド1730が下死点に至った際、このパッド1730の加圧面と、ダイ1710の天板支持面1711との間の間隙をg8とする。この場合、間隙g7は天板部402の板厚に略等しく、間隙g6は湾曲補強部403の厚み寸法に略等しい。すなわち、間隙g8>間隙g7となる。そのため、ホルダー1720においてはダイ1710との間で天板部402をしっかりと挟持し、また、パッド1730においてはダイ1710との間で、開断面形状の湾曲補強部403を得ることが出来る。
その後、前記駆動機構によりまずパッド1730を上昇させる。そして、前記駆動機構によりホルダー1720を若干上昇させて、ダイ1710の天板支持面1711から離間
させる。これにより、構造部材401の固定が解かれる。その状態で、構造部材401をホルダー1720及びダイ1710間より水平方向に引き抜くことにより、構造部材401を取り外せる。以上により、第3工程が完了する。
本実施形態のブランク800は、図44(g)に示す第3工程の成形開始より、図44(h)の成形途中を経て、図44(i)に示す成形終了に至って構造部材401となる。図43の(b)及び(c)に示すように、成形終了時の構造部材401は、底面視で凸型の湾曲縁402aを有する天板部402と、湾曲縁402aの延在方向に沿って天板部402と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部403とを有する。
以上説明の本実施形態の骨子を以下にまとめる。
本実施形態の構造部材の製造方法は、湾曲縁402aを有する天板部402と、湾曲縁402aの延在方向に沿って天板部402と一体に形成されてかつ湾曲縁402aの延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部403とを有する構造部材401を、ブランク800(平板素材)より製造する方法である。具体的には、ブランク800のうち、天板部402に対応する部位(第1の部位)を挟持した状態で、この部位に連なる他の部位(第2の部位)をブランク800の上面802eに対して交差する方向にプレスすることで、ブランク800のうちで湾曲縁402aとなる部位に沿って、溝部mc及び溝部mcに連なる縦壁部800gを形成する第1工程(中間工程)を有する。
この第1工程のプレスにより、溝部mcの帯状円弧壁部800f(底壁)に、溝部mcの延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を設けている。帯状円弧壁部800fは、平面視では凸型湾曲形状を有してかつ縦断面視では凹型湾曲形状を有する。
なお、第1工程のプレス成形時に、天板部402に対応する部位を完全に固定するのではなく、挟持した状態としている。そのため、挟持した部位がその平面外に移動及び変形することは制限しているが、挟持した部位の一部が他の部位に向かうメタルフローは許容している。
加えて、本実施形態における構造部材の製造方法では、以下のようにしてもよい。
すなわち、第1工程のプレスにより、溝部mcの、溝部mcの延在方向に直交する断面の内形に沿った断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にしてもよい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにしてもよい。さらに、溝部mcの延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくしてもよい。
前記断面線長の比が0.7未満になるか又は1.3を超えるようになると、前記中央位置と前記端部位置との間における前記断面線長の差が大きくなりすぎる。この場合、溝部mcの延在方向に沿った各位置での断面積が略等しい湾曲補強部403を形成した際に、前記断面線長の差が上壁403dの端縁における割れやしわなどの成形不具合を生じる可能性がある。そのため、前記断面線長の比としては、0.7〜1.3の範囲内であることが好ましい。
溝部mcの帯状円弧壁部800f(底壁)の、縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径R(mm)を除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内としてもよい。この場合、ブランク800として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、第1工程のプレスにより、帯状円弧壁部800fの平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径よりも、帯状円弧壁部800fの縦断面視における曲率半径の方を大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
本実施形態の構造部材の製造方法では、第1工程のプレスの後に、第2工程を経て行われる第3工程において、縦壁部800gの上端縁を、天板部802に近付く移動を許容したまま溝部mcに向かって押し下げることで、上端縁を天板部802に向けて折り曲げる曲げ工程をさらに有する。
この曲げ工程は、折り返し工程を含む。この折り返し工程では、天板部802に対向する方向より見て縦壁部800gの上端縁が天板部802に重なる一方、側面視では前記上端縁が天板部802から離間した状態に至るまで、縦壁部800gを曲げる。その結果、開断面形状を持つ湾曲補強部403を形成することができる。
さらに、この折り返し工程で縦壁部800gをさらに曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制している。すなわち、前記上端縁をホルダー1720の縦壁面1723に当てて規制することにより、適切な開断面を有する湾曲補強部403を形成することができる。
なお、折り返し工程時の前記上端縁が天板部802に向かう屈曲部(不図示。第1実施形態で言う屈曲部Q1に相当する曲げ)を、折り返し工程の前に形成する上端縁曲げ工程を行ってもよい。
構造部材401は、自動車車体部品であってもよい。より具体的には、ロアアームの製造に際して本発明を適用してもよい。
本実施形態の構造部材の製造装置は、上記製造方法に好適に用いられるものであって、構造部材401を、ブランク800より製造する。
そして、この製造装置は、平面視で湾曲した縁1411a(第1の金型湾曲縁)を含む天板支持面1411(第2の天板支持面)を有するダイ1410(第3のダイ)と;天板支持面1411に対して接近離間するホルダー1420(第3のホルダー)と;平面視で縁1411aに隣接配置された底壁面1441(第4の金型溝)を有する下型1440(第4のダイ)と;底壁面1441に対して接近離間するパンチ1430(第4のパンチ)と;を備える。
底壁面1441が、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を有している。同様に、パンチ1430の加圧面1431も、底壁面1441に対応した高低差を有する。すなわち、加圧面1431は、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置と端部位置との間で高低差を有している。
底壁面1441は、平面視では凸型湾曲形状を有してかつ縦断面視では凹型湾曲形状を有している。
本実施形態の構造部材の製造装置は、以下の構成を採用してもよい。
すなわち、底壁面1441の、その延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、中央位置での前記断面線長を端部位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にしてもよい。さらに、前記断面線長を、前記中央位置と前記端部位置とで互いに同じにしてもよい。さらに、底壁面1441の延在方向の各位置における前記断面線長を全て等しくしてもよい。これにより、上述した成形不具合をより確実に防ぐことができる。
底壁面1441の、縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内としてもよい。この場合、ブランク500として780MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、980MPa級以上の高強度鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲とすることがより好ましく、この場合には980MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。さらに、R/R1比を0.5とすることが最も好ましく、この場合には1180MPa級の高強度鋼板を用いても、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られる。
一方、別の観点で見た場合、底壁面1441の、縦断面視における曲率半径R1を、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径Rより大きくする(R1>R)ことが好ましい。この場合、次工程で他の金型に構造部材を移した際に、位置決めが不安定になることを避けられる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、第1工程に続く第2工程で以下の金型を用いる。
すなわち、平面視で湾曲した縁1611a(第2の金型湾曲縁)を含む天板支持面1611(第3の天板支持面)を有するダイ1610(第5のダイ)と;天板支持面1611に対して接近離間するホルダー1620(第4のホルダー)と;平面視で縁1611aに隣接配置されたパンチ1630(第5のパンチ)と;を用いる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、第2工程に続く第3工程で以下の金型を用いる。
すなわち、平面視で湾曲した縁1711a(第3の金型湾曲縁)を含む天板支持面1711(第4の天板支持面)を有するダイ1710(第6のダイ)と;天板支持面1711に対して接近離間するホルダー1720(第5のホルダー)と;平面視で縁1711aの上に重なる第2下面1733(加圧面)を有し、ダイ1710に対して接近離間するパッド1730(第6のパンチ)と;を用いる。
本実施形態の構造部材の製造装置は、ホルダー1720が、パッド1730の第2下面1733に隣接してかつ同第2下面1733に対して交差する方向に延在する縦壁面1723(第3の規制面)を有する。
この縦壁面1723を設ける代わりに、パッド1730が、同パッド1730の第2下面1733に連なってかつ交差する方向に延在する縦壁面(不図示。第4の規制面)を有してもよい。
[第1実施例]
本発明に係る構造部材の製造方法及び製造装置の第1実施例を、図45及び図46を用いて以下に説明する。
図45は、本実施例における中間工程後のブランク100を示す図であって、(a)が(b)のX−X矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。図46は、本実施例における構造部材1を示す図であって、(a)が(b)のY−Y矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。
本実施例の構造部材1は、図1を用いて説明した上記第1実施形態の構造部材1と略同一の構成を有するので、各部詳細については同一符号を用いてそれらの説明を省略する。
図46の(a)及び(b)に示す構造部材1は、湾曲縁2aを有する天板部2と、湾曲縁2aの延在方向に沿って天板部2と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部3とを有する。
なお、図46(a)においては、湾曲縁2a及び湾曲補強部3の形状を分かりやすくするために、接合箇所を僅かに開けて図示しているが、実際には、接合箇所では隙間無く接合しており、湾曲補強部3が閉断面形状を形成している。
図46(b)に示すように、湾曲補強部3は、延在方向の中央位置にある円弧部3Aと、この円弧部3Aの両隣位置に一体に連なる一対の直線部3Bと、を有する。円弧部3Aは、平面視において天板部2に向かって凹型に湾曲しており、その曲率半径がR(mm)となっている。そして、この円弧部3Aの上下面は、天板部2の上面2eと略平行である。各直線部3Bは、円弧部3Aの左右両端に対し段差無く一体に連なっている。各直線部3Bは、それぞれが平面視及び正面視の双方において直線形状を有する。各直線部3Bの上下面は、それぞれ、天板部2の上面2eと略平行である。
上記構造部材1は、平板素材であるブランク100に対して前記中間工程及び前記曲げ工程を加えることで得られる。中間工程後のブランク100は、図45の(a)及び(b)に示すように、天板部2と、この天板部2に対し湾曲縁2aを介して一体に連なる溝部mとを有する。溝部mは、内壁3a及び縦壁部100cと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部(底壁)100bとによって形成される。図45(b)に示すように、内壁3a、縦壁部100c、帯状円弧壁部100bは、平面視で同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。
帯状円弧壁部100bは、その延在方向に沿った縦断面視で、延在方向の中央位置にある円弧底壁部100b1と、この円弧底壁部100b1の両隣位置に連なる一対の直線底壁部100b2と、を有する。
円弧底壁部100b1は、縦断面視で鉛直上方に向かって凸型湾曲形状をなしており、その曲率半径がR1(mm)となっている。そのため、溝部mは、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有している。溝部mは、円弧底壁部100b1の長手方向中央位置で最も高く、なおかつ円弧底壁部100b1の長手方向両端位置で最も低くなっている。
円弧底壁部100b1は、平面視で天板部2に向かって凹型に湾曲しており、その平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径がR(mm)となっている。円弧底壁部100b1は、平板素材100に前記曲げ工程を加えて上記構造部材1としたときに、前記円弧部3Aの一部となる部分である。
各直線底壁部100b2は、円弧底壁部100b1の左右両端に対し段差無く一体に連なっている。各直線底壁部100b2は、それぞれが平面視及び縦断面視の双方において直線形状を有する。各直線底壁部100b2の上下面は、それぞれ、天板部2の上面2eと略平行である。
以上説明の構成を有する図45のブランクに対して曲げ工程を加えて図46の構造部材1を得る場合について、曲率半径R,R1及び鋼板強度(引張強度)のそれぞれを変えて数値計算を行った。なお、板厚は全て共通で2.3mmとした。
具体的に言うと、曲率半径Rについては、250mmの場合と60mmの場合の2ケースとした。
また、曲率半径Rが250mmのケースでは、曲率半径R1を160mm,200mm,250mm,500mm,1000mm、2000mmの計6ケースとした。また、曲率半径Rが60mmのケースでは、曲率半径R1を40mm,50mm,60mm,120mm,400mm、600mmの計6ケースとした。これにより、曲率半径Rが250mmの場合と60mmの場合の両ケースにおいて、R/R1の比率を、共に、1.5,1.2,1.0,0.5,0.2,0.1に揃えた。なお、曲率半径R,R1以外の数値は、図45,図46に示す通りとした。
さらに、鋼板強度については、780MPa級鋼板,980MPa級鋼板,1180MPa級鋼板、の3ケースとした。
以上の各パラメータを適宜組み合わせて数値計算を行い、成形不良の有無を調べた結果を、下表1に示す。
Figure 0006849160
表1に示すように、780MPa級鋼板の場合では、曲率半径Rが250mmと60mmの両ケース共に、R/R1比が0.2〜1.2の範囲で、くびれや寸法不良のない、好適な成形結果が得られた。
980MPa級鋼板の場合では、曲率半径Rが250mmのケースにおいて、R/R1比が0.2以下あるいは1.2以上で、破断、くびれ、寸法不良等の不具合が生じた。一方、曲率半径Rが60mmのケースにおいては、R/R1比が0.2以下あるいは1.0以上で、破断、くびれ、寸法不良等の不具合が生じた。
1180MPa級鋼板の場合では、曲率半径Rが250mmと60mmの両ケース共に、R/R1比が0.2以下あるいは1.0以上で、破断、くびれ、寸法不良等の不具合が生じた。
以上の結果より、R/R1比を0.2〜1.2の範囲内にすることが好ましいとの結果が得られた。さらに、980MPa級以上のさらに高強度な鋼板を用いる場合には、R/R1比を0.3〜0.9の範囲内とすることが好ましく、R/R1比を0.5にすることが最も好ましいとの結果が得られた。
以上説明のように、本実施例によれば、780MPa級鋼板、980MPa級鋼板、さらには1180MPa級鋼板といった高強度鋼板においても本発明が有効であることが確認された。
なお、本実施例は、湾曲補強部3が閉断面形状の場合についての結果である。湾曲補強部3が開断面形状である場合についても同様の数値計算を行ったところ、R1/R比の結果は閉断面形状の場合と変わらなかった。よって、開断面形状の場合も、R/R1比を上述の範囲とすることが好ましい。
[第2実施例]
本発明に係る構造部材の製造方法及び製造装置の第2実施例を、図47及び図48を用いて以下に説明する。
図47は、本実施例における中間工程後のブランク100を示す図であって、(a)が(b)のX1−X1矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。図48は、本実施例における構造部材201を示す図であって、(a)が(b)のY1−Y1矢視より見た側面図であり、(b)が正面図である。
本実施例の構造部材201は、図30を用いて説明した上記第2実施形態の構造部材201と略同一の構成を有するので、各部詳細については同一符号を用いてそれらの説明を省略する。
図48の(a)及び(b)に示す構造部材201は、湾曲縁202aを有する天板部202と、湾曲縁202aの延在方向に沿って天板部202と一体に形成されてかつ前記延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部203とを有する。
なお、図48(a)においては、湾曲縁202a及び湾曲補強部203の形状を分かりやすくするために、接合箇所を僅かに開けて図示しているが、実際には、接合箇所では隙間無く接合しており、湾曲補強部203が閉断面形状を形成している。
図48(b)に示すように、湾曲補強部203は、延在方向の中央位置にある円弧部203Aと、この円弧部203Aの両隣位置に一体に連なる一対の直線部203Bと、を有する。円弧部203Aは、平面視において天板部202から離れる方向に向かって凸型に湾曲しており、その曲率半径がR(mm)となっている。そして、この円弧部203Aの上下面は、天板部202の上面202eと略平行である。各直線部203Bは、円弧部203Aの左右両端に対し段差無く一体に連なっている。各直線部203Bは、それぞれが平面視及び正面視の双方において直線形状を有する。各直線部203Bの上下面は、それぞれ、天板部202の上面202eと略平行である。
上記構造部材201は、平板素材であるブランク100に対して前記中間工程及び前記曲げ工程を加えることで得られる。中間工程後のブランク100は、図47の(a)及び(b)に示すように、天板部202と、この天板部202に対し湾曲縁202aを介して一体に連なる溝部maとを有する。溝部maは、内壁203a及び縦壁部100eと、これらの下端縁間を繋げる帯状円弧壁部(底壁)100dとによって形成される。内壁203a、縦壁部100e、帯状円弧壁部100dは、平面視で同じ方向に曲がった湾曲形状を有している。
帯状円弧壁部100dは、その延在方向に沿った縦断面視で、延在方向の中央位置にある円弧底壁部100d1と、この円弧底壁部100d1の両隣位置に連なる一対の直線底壁部100d2と、を有する。
円弧底壁部100d1は、縦断面視で鉛直下方に向かって凸型湾曲形状をなしており、その曲率半径がR1(mm)となっている。そのため、溝部maは、その延在方向に沿って縦断面視した中央位置(途中位置)とこの中央位置を間に挟む両端位置(両隣位置)との間で高低差を有している。溝部maは、円弧底壁部100d1の長手方向中央位置で最も低く、なおかつ円弧底壁部100d1の長手方向両端位置で最も高くなっている。
円弧底壁部100d1は、平面視で天板部202に向かって凸型に湾曲しており、その平面視における幅方向中央位置を通る中心線CLの曲率半径がR(mm)となっている。円弧底壁部100d1は、図47のブランク(平板素材100)に前記曲げ工程を加えて上記構造部材201としたときに、前記円弧部203Aの一部となる部分である。
各直線底壁部100d2は、円弧底壁部100d1の左右両端に対し段差無く一体に連なっている。各直線底壁部100d2は、それぞれが平面視及び縦断面視の双方において直線形状を有する。各直線底壁部100d2の上下面は、それぞれ、天板部202の上面202eと略平行である。
以上説明の構成を有する図47のブランクに対して曲げ工程を加えて図48の構造部材201を得る場合について、曲率半径R,R1及び鋼板強度(引張強度)のそれぞれを変えて数値計算を行った。なお、板厚は全て共通で2.3mmとした。
具体的に言うと、曲率半径Rについては、250mmの場合と60mmの場合の2ケースとした。
また、曲率半径Rが250mmのケースでは、曲率半径R1を160mm,200mm,250mm,500mm,1000mm、2000mm、の計6ケースとした。また、曲率半径Rが60mmのケースでは、曲率半径R1を40mm,50mm,60mm,120mm,400mm、600mmの計6ケースとした。これにより、曲率半径Rが250mmの場合と60mmの場合の両ケースにおいて、R/R1の比率を、共に、1.5,1.2,1.0,0.5,0.2,0.1に揃えた。なお、曲率半径R,R1以外の数値は、図47,図48に示す通りとした。
さらに、鋼板強度については、780MPa級鋼板,980MPa級鋼板,1180MPa級鋼板、の3ケースとした。
以上の各パラメータを適宜組み合わせて数値計算を行い、成形不良の有無を調べた結果を、下表2に示す。
Figure 0006849160
表2に示すように、780MPa級鋼板の場合では、曲率半径Rが250mmと60mmの両ケース共に、R/R1比が0.2〜1.2の範囲で、寸法不良のない、好適な成形結果が得られた。
980MPa級鋼板の場は、曲率半径Rが250mmと60mmの両ケース共に、R/R1比が0.2以下あるいは1.2以上で寸法不良が生じた。
1180MPa級鋼板の場合も、曲率半径Rが250mmと60mmの両ケース共に、R/R1比が0.2以下あるいは1.2以上で寸法不良が生じた。
以上の結果より、R/R1比を0.2〜1.2の範囲内にすることが好ましいとの結果が得られた。さらに、このR/R1比を、上記結果に加えて0.3〜1.1の範囲内にすることがより好ましく、R/R1比を0.5とすることが最も好ましいとの結果が得られた。なお、上記第1実施例の結果と組み合わせて考えると、R/R1比の好ましい範囲としては、0.3〜0.9を採用することがよい。
以上説明のように、本実施例によれば、780MPa級鋼板、980MPa級鋼板、さらには1180MPa級鋼板といった高強度鋼板においても本発明が有効であることが確認された。
なお、本実施例は、湾曲補強部203が閉断面形状の場合についての結果である。湾曲補強部203が開断面形状である場合についても同様の数値計算を行ったところ、R1/R比の結果は閉断面形状の場合と変わらなかった。よって、開断面形状の場合も、R/R1比を上述の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る構造部材の製造方法及び製造装置によれば、湾曲縁を補強して高い剛性を持つ構造部材を製造することができる。よって、産業上の利用可能性は大である。
1,201,301,401 構造部材
2,202,302,402 天板部
2a,202a 湾曲縁
3,203,303,403 湾曲補強部
40A,240A ダイ(第2のダイ)
41A,241A 天板支持面(第1の天板支持面)
50Ad,250Ad 下面(湾曲凸部)
50A,250A ホルダー(第1のホルダー)
50Ae,250Ae 縦壁面(第1縦壁面)
60A,260A パンチ(第2のパンチ)
60Ae,260Ae 縦壁面(第2縦壁面)
70A,270A ホルダー(第2のホルダー)
70Ac,270Ac 縦壁面(第1の規制面)
80A,280A パンチ(第3のパンチ)
90A,290A パッド
90Ad,290Ad 規制面(第2の規制面)
100 平板素材
100b,100d,100f,100h 帯状円弧壁部(底壁)
100c,100e,100g,100i 縦壁部
112,212 金型溝(第1の金型溝)
112b,212b 金型溝底面(底面)
110,210 ダイ(第1のダイ)
130,230 パンチ(第1のパンチ)
130a,230a 加圧面
410,1410 ダイ(第3のダイ)
411,1411 天板支持面(第2の天板支持面)
411a,1411a 縁(第1の金型湾曲縁)
420,1420 ホルダー(第3のホルダー)
430,1430 パンチ(第4のパンチ)
431,1431 加圧面(第4のパンチの加圧面)
440,1440 下型(第4のダイ)
441,1441 底壁面(第4の金型溝、第4の金型溝の底面)
610,1610 ダイ(第5のダイ)
611,1611 天板支持面(第3の天板支持面)
611a,1611a 縁(第2の金型湾曲縁)
620,1620 ホルダー(第4のホルダー)
622,1622 縦壁面(第3縦壁面)
630,1630 パンチ(第5のパンチ)
632,1632 縦壁面(第4縦壁面)
710,1710 ダイ(第6のダイ)
711,1711 天板支持面(第4の天板支持面)
711a,1711a 縁(第3の金型湾曲縁)
720,1720 ホルダー(第5のホルダー)
723,1723 縦壁面(第3の規制面)
730,1730 パッド(第6のパンチ)
733,1733 第2下面(加圧面)
CL 中心線
m,ma 溝部
m1,m3 金型溝(第2の金型溝)
m2,m4 金型溝(第3の金型溝)
Q,Q1 屈曲部

Claims (16)

  1. 湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が閉断面形状又は開断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する方法であって、
    前記平板素材のうち、前記天板部に対応する第1の部位を挟持した状態で、前記第1の部位に連なる第2の部位を前記平板素材の面に対し交差する方向にプレスすることで、前記平板素材のうちで前記湾曲縁となる部位に沿って、溝部及び前記溝部に連なる縦壁部を形成する中間工程と;
    前記中間工程の後に、前記縦壁部の上端縁を、前記天板部に近付く移動を許容したまま前記溝部に向かって押し下げることで、前記上端縁を前記天板部に向けて折り曲げる曲げ工程と;
    を有し、
    前記中間工程では、前記プレスにより、前記溝部の底壁に、前記溝部の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を設けることで、
    前記底壁に、平面視で凹型湾曲形状かつ前記縦断面視で凸型湾曲形状をなす第1湾曲部、及び、平面視で凸型湾曲形状かつ前記縦断面視で凹型湾曲形状をなす第2湾曲部、のうちの少なくとも一方を形成することを特徴とする構造部材の製造方法。
  2. 前記中間工程の前記プレスにより、前記溝部の、前記溝部の延在方向に直交する断面の内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比を0.7〜1.3の範囲内にする
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造部材の製造方法。
  3. 前記中間工程の前記プレスにより、前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部のうちの少なくとも一方において、前記底壁の平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を、前記底壁の前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で除算したR/R1比を、0.2〜1.2の範囲内にする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の構造部材の製造方法。
  4. 前記曲げ工程の後に、前記縦壁部の上端縁の少なくとも一部を前記天板部に重ね合わせて接合し、前記閉断面形状を持つ前記湾曲補強部を形成する接合工程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の構造部材の製造方法。
  5. 前記接合工程で、前記上端縁の、前記天板部における接合予定位置を超えた移動を規制する
    ことを特徴とする請求項4に記載の構造部材の製造方法。
  6. 前記接合工程時の前記上端縁が前記天板部に向かう屈曲部を、前記接合工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の構造部材の製造方法。
  7. 前記曲げ工程が、
    前記天板部に対向する平面視では前記上端縁の少なくとも一部が前記天板部に重なる一方、側面視では前記上端縁が前記天板部から離間した状態に至るまで、前記縦壁部をさらに曲げることで、
    前記開断面形状を持つ前記湾曲補強部を形成する折り返し工程を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の構造部材の製造方法。
  8. 前記折り返し工程で前記縦壁部をさらに曲げる際に、前記上端縁の、所定位置を超えた前記移動を規制する
    ことを特徴とする請求項7に記載の構造部材の製造方法。
  9. 前記折り返し工程時の前記上端縁が前記天板部に向かう屈曲部を、前記折り返し工程の前に形成する上端縁曲げ工程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の構造部材の製造方法。
  10. 前記中間工程で前記プレスにより前記第1湾曲部及び前記第2湾曲部の両方を形成することで、
    前記曲げ工程後に、前記天板部に対向する平面視で凹型湾曲形状及び凸型湾曲形状の両方を含む前記湾曲補強部を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の構造部材の製造方法。
  11. 湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が閉断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する装置であって、
    平面視で湾曲した第1の金型溝が形成された第1のダイと;
    前記第1の金型溝に対して相対的に接近離間する第1のパンチと;
    平面視で前記第1の金型溝よりも細い第2の金型溝を有する第2のダイと;
    前記第2の金型溝に対応した形状の湾曲凸部を有する第1のホルダーと;
    平面視で、前記第1のホルダーの第1縦壁面に対し水平方向に5mm以上50mm以下の距離を空けて対向配置された第2縦壁面を有し、前記第2の金型溝に対して相対的に接近離間する第2のパンチと;
    前記第2のダイに重なるように配置された第2のホルダーと;
    前記第2の金型溝に対して接近離間する加圧面を有するパッドと;
    を備え、
    前記第1の金型溝の底面が、前記第1の金型溝の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を有し、
    前記第1のパンチの加圧面が、前記第1の金型溝の前記底面に対応した高低差を有し、
    前記第1の金型溝の前記底面が、前記平面視では凹型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凸型湾曲形状をなす第1金型湾曲面、及び、前記平面視では凸型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凹型湾曲形状をなす第2金型湾曲面、のうちの少なくとも一方を有し、
    前記第2のダイの第1の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、前記第2のホルダーの加圧面よりも前記パッドの加圧面の方が大きい
    ことを特徴とする構造部材の製造装置。
  12. 前記第1の金型溝の、前記第1の金型溝の延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項11項に記載の構造部材の製造装置。
  13. 前記第1の金型溝の前記底面の、前記第1金型湾曲面及び前記第2金型湾曲面のうちの少なくとも一方において、前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比が、0.2〜1.2の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の構造部材の製造装置。
  14. 湾曲縁を有する天板部と、前記湾曲縁の延在方向に沿って前記天板部と一体に形成されてかつ前記湾曲縁の延在方向に直交する断面が開断面形状である湾曲補強部とを有する構造部材を、平板素材より製造する装置であって、
    平面視で湾曲した第1の金型湾曲縁を含む第2の天板支持面を有する第3のダイと;
    前記第2の天板支持面に対して接近離間する第3のホルダーと;
    平面視で前記第1の金型湾曲縁に隣接配置された第4の金型溝を有する、第4のダイと;
    前記第4の金型溝に対して接近離間する第4のパンチと;
    平面視で湾曲した第2の金型湾曲縁を含む第3の天板支持面を有する第5のダイと;
    前記第3の天板支持面に対して接近離間する第4のホルダーと;
    平面視で、前記第4のホルダーの第3縦壁面に対し水平方向に5mm以上50mm以下の距離を空けて対向配置された第4縦壁面を有する第5のパンチと;
    平面視で湾曲した第3の金型湾曲縁を含む第4の天板支持面を有する第6のダイと;
    前記第4の天板支持面に対して接近離間する第5のホルダーと;
    平面視で前記第3の金型湾曲縁の上に重なる加圧面を有し、前記第6のダイに対して接近離間する第6のパンチと;
    を備え、
    前記第4の金型溝の底面が、前記第4の金型溝の延在方向に沿って縦断面視した途中位置と前記途中位置を間に挟む両隣位置との間で高低差を有し;
    前記第4のパンチの加圧面が、前記第4の金型溝の前記底面に対応した高低差を有し、
    前記第4の金型溝の前記底面が、前記平面視では凹型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凸型湾曲形状をなす第3金型湾曲面、及び、前記平面視では凸型湾曲形状でかつ前記縦断面視では凹型湾曲形状をなす第4金型湾曲面、のうちの少なくとも一方を有し、
    前記第6のダイの前記第4の天板支持面に対する成形下死点での間隙が、前記第5のホルダーの加圧面よりも前記第6のパンチの加圧面の方が大きい
    ことを特徴とする構造部材の製造装置。
  15. 前記第4の金型溝の、前記第4の金型溝の延在方向に直交する断面での内形に沿った断面線長を見たときに、前記途中位置での前記断面線長を前記両隣位置での前記断面線長で除算した比が0.7〜1.3の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項14に記載の構造部材の製造装置。
  16. 前記第4の金型溝の前記底面の、前記第3金型湾曲面及び前記第4金型湾曲面のうちの少なくとも一方において、前記縦断面視における曲率半径R1(mm)で、平面視における幅方向中央位置を通る中心線の曲率半径R(mm)を除算したR/R1比が、0.2〜1.2の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の構造部材の製造装置。
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