JP2014138942A - 立体縁付き金属部品の製造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な成形工程で高強度金属ブランクから、われ、しわのない立体縁付き金属部品を製造する。
【解決手段】金属板から切り出した、両端をもつ曲線状の曲がり縁部15を有するブランク10を素材とし、曲がり縁部あるいはさらに曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体に成形して立体縁付き金属部品を製造する際に用いる製造用金型であって、曲がり縁部に、曲がりに沿った山折れ又は谷折れいずれかの折れ形線を付与する折れ形線付与工程に用いる1工程目金型と次いで、曲がり縁部の両端部を間隔が狭まるかあるいは広がるように動かすことにより、折れ形線を起点として曲がり縁部あるいはさらに隣接するブランク部分を立体化する立体成形工程に用いる2工程目金型とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体縁付き金属部品の製造用金型に関し、詳しくは、立体縁付き金属部品をプレス成形により製造するためのものであって、金属板(例えば引張強さ(TS)が590MPa以上の高強度鋼板)のブランクに設けた曲線状の縁部あるいはさらにこれに隣接するブランク部分を成形加工により立体化して立体縁付き金属部品となすに用いる、立体縁付き金属部品の製造用金型に関する。
ここで、前記立体縁における立体は、縦壁、山形、あるいはこれらの一方に他方が連なる立体である。又、ブランクとは、成形加工用の素材であって、原板から切り出され、該切り出しの際、前記成形加工後の立体形状に対応した平面輪郭形状を付与された単一平板である。
曲がり縁に立体、例えば縦壁をもつ金属部品を得る手段として、従来、金属単板に曲げ、絞り、伸びフランジの各種成形様式を複合したプレス成形(以降、従来プレス成形という)が行われており、寸法精度を得るための方法として縦壁部に末広がり状の段差を設ける方法(特許文献1)や、フランジ部を二段階に分けて成形する方法(特許文献2)が提案され、ねじれを防止する方法として二段階に分けて曲げ成形を行う方法(特許文献3)や、縦壁部に応力を付与する方法(特許文献4)が提案されている。
特開2010−5651号公報 特開2006−289480号公報 特開2009−241109号公報 特開2006−305627号公報
軽量化の要請に応じた鋼板の高強度化は、同時に鋼板の絞り、張出し、伸びフランジ成形性の低下を招く。高強度鋼板のブランクを成形加工して、縁に立体例えば縦壁をもつ部品を製造する場合、縁部が直線状であれば曲げ加工にて縦壁に成形することが可能であるが、縁部が曲線状のときは、通常のプレス成形(伸びフランジ成形、あるいは絞り成形)にて縦壁に成形しようとすると、縦壁部にする縁部領域のブランク縁側境界曲線と被折り曲げ部側境界曲線とで線長が異なることから、伸びフランジ成形を行った場合にはわれが発生し、絞り成形を行った場合にはしわが発生してしまう。このとき、しわ押さえ等の成形条件の最適化あるいは部品形状変更により、ある程度までわれ、しわの発生抑制を図ることは可能であるが、そのような方法では、軽量化ニーズに応えるための、例えばTSで980MPa以上のさらなる高強度化に対応するには限界があると言える。
また、二段階に分けて成形する、縦壁部に段差を設ける、縦壁部に応力を付与する等の方法ではいずれも工程が増える、歩留まりが落ちる等の問題があり、さらには前記縦壁部のわれ、しわは、縦壁部にする縁部領域のブランク縁側境界曲線と被折り曲げ部側境界曲線との線長差に起因しているため、われ、しわの対策にはなりえない。
すなわち、特にブランクが高強度鋼板である場合などにおいて、曲がり縁部を立体化する立体縁付き金属部品を従来のプレス成形金型で製造すると、単純な工程ではわれ、しわが生じて立体縁付き金属部品の目標形状を達成することができず、工程簡素化と製品軽量化との両立は極めて困難であるという課題があった。
本発明者らは上記課題を解決する手段を検討し、折り紙をヒントに、次の知見を得た。すなわち、紙は伸びも縮みもしない素材であるが、簡素な折り方によって紙ブランク縁部に曲がった稜線をもつ立体を形成することができる。その折り方を金属ブランクに適用することにより、被加工材は絞り、張出し、伸びフランジの各変形をほとんどすることなく曲げ変形するため、簡素な成形工程で高強度金属ブランクから、われ、しわのない立体縁付き金属部品を製造することが可能となる。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 金属板から切り出した、両端をもつ曲線状の曲がり縁部を有するブランクを素材とし、前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体に成形して立体縁付き金属部品を製造する際に用いる、立体縁付き金属部品の製造用金型であって、前記曲がり縁部に、該曲がり縁部の曲がりに沿った山折れ又は谷折れいずれかの折れ形線を付与する折れ形線付与工程に用いる1工程目金型と次いで、前記曲がり縁部の両端部を、該両端の間隔が狭まるかあるいは広がるように動かすことにより、前記折れ形線を起点として前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体化する立体成形工程に用いる2工程目金型とを有することを特徴とする立体縁付き金属部品の製造用金型。
(2) 前記1工程目金型を用いて付与する折れ形線が曲げ半径0.5mm以上30mm以下の折れ形線であることを特徴とする前記(1)に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(3) 前記1工程目金型は、平坦な挟持部、および該挟持部から前記ブランクの本体部分である一つ又は複数の中の少なくとも一つの折れ形線を付与される部分の両端あるいは中途部に繋がる中間部を前記ブランクに付与する構成とされたこと特徴とする前記(1)又は(2)に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(4) 前記折れ形線は、複数の曲線とされ、該複数のうちの少なくとも1つの曲線の一部が該一部の両側に連なる曲線部分よりも大きな曲率とされることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(5) 前記2工程目金型は、前記折れ線付与工程を経てなる成形品に対し、前記曲がり縁部の両端の間隔を狭めるかあるいは広げるように動かす構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(6) 前記2工程目金型は、前記挟持部を押さえる構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(7) 前記2工程目金型は、前記折れ線付与工程を経てなる成形品に対し、前記曲がり縁部の両側もしくは片側の端を動かす構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(8) 前記2工程目金型は、円柱状のピンを用いて前記曲がり縁部の両端を動かす構成とされたことを特徴とする前記(7)に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(9) 前記2工程目金型は、前記ブランク、もしくは前記折れ線付与工程を経てなる成形品に設けられた円弧状の端部を押す構成とされたことを特徴とする前記(7)に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(10) 前記2工程目金型は、前記立体化する曲がり縁部に隣接する部位である縦壁部を押さえる構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(11) 前記2工程目金型は、前記折れ形線の立体化を押さえる構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
(12) 前記2工程目金型は、前記立体化する途中の、または前記立体化後の、曲がり縁部の形状を矯正する構成とされたことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
本発明によれば、被加工材(材料)は、絞り、張出し、伸びフランジの各変形はほとんどせずに曲げ変形するため、曲がり縁部を、われ、しわの発生なく縦壁又は山形に立体成形できて、高強度鋼板の単板からでも、立体縁付き金属部品を製造することが可能となる。さらに、伸び、縮み変形をほとんどさせずに成形することが可能であるため、従来では前記立体成形ができなかった曲率半径Rの小さい曲がり縁部に対しても、前記立体成形が可能となる。
本発明の実施形態例(1)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(2)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(3)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(4)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(5)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(6)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(7)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(8)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(9)を示す概略図である。 本発明の実施形態例(10)を示す概略図である。
本発明は、(1)金属板から切り出した、両端をもつ曲線状の曲がり縁部を有するブランクを素材とし、前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体に成形して立体縁付き金属部品を製造する際に用いる、立体縁付き金属部品の製造用金型である。
前記製造用金型は、前記曲がり縁部に、該曲がり縁部の曲がりに沿った山折れ又は谷折れいずれかの折れ形線を付与する折れ形線付与工程に用いる1工程目金型と次いで、前記曲がり縁部の両端部を、該両端の間隔が狭まるかあるいは広がるように動かすことにより、前記折れ形線を起点として前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体化する立体成形工程に用いる2工程目金型とを有する[本発明(1)]。ここで、前記両端をもつ曲線は、両端をもつ折れ線をも含むものとする。
前記折れ形線付与工程において折れ形線を付与すると、次工程である立体成形工程において、前記曲がり縁部の両端部を、該両端の間隔が狭まるかあるいは広がるように動かすことにより前記折れ形線を境界とする両側の線長差から、これら両側の一方が他方に対し自然に起き上がり、若しくは沈み、それゆえ前記折れ形線を起点として前記曲がり縁部あるいはさらに、該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体化することが可能かつ容易となる。前記折れ形線付与工程なしでは、前記立体成形工程による立体化は極めて困難である。
なお、前記折れ形線付与工程に用いる1工程目金型は、ブランクに折れ形線を付与できるものである限りにおいて、ロール成形や逐次成形、液圧成形、ゴム成形、フォーム成形、絞り成形、張出し成形など如何なる成形に用いる金型であっても良い。尤も、折れ形線の位置精度や生産効率を考えれば、折れ形に対応する金型形状を有するプレス加工用金型が好ましい。
更に、折れ形線の形状は曲げ半径0.5mm以上かつ30mm以下であることが好ましい[本発明(2)]。高強度鋼板は曲げ加工性が軟鋼よりも劣るため、折れ形線の曲げ半径が0.5mm未満であると曲げ部で割れが生じる可能性がある。一方、30mmを超えると立体成形工程にて、立体化の起点となりにくい。なお、立体成形工程をより効率的なものとしかつ曲げ部での割れをより効果的に防ぐには、曲げ半径1mm以上10mm以下であることが好ましい。
1工程目成形品(前記折れ線付与工程を経てなる成形品)に対し、2工程目金型は、曲がり縁部の両端の間隔を広げるか狭めるように動かす構成とされる[本発明(5)]。斯かる構成は、治具により両端側または片端側に力を加え、外方または内方に向かって動かす機構を有する。
立体成形工程では、曲がり縁部の両端部が移動するにつれて両端部自体も立体化するため、両端部が立体化しても力が加えられる機構が必要となると云う問題がある。更に、立体化の起点となる位置を中心に曲がり縁部の両端部は回転運動をするため、両端部が回転しても力が加えられる必要もある。しかしながら、そのような動きを金型で再現するには機構が複雑になると云う問題もある。
前記諸問題の解決策としては、力を加える部位を曲面形状にすることが好ましい。曲がり縁部の端部を、金型に設けた曲面形状で押す機構を用いれば、上記の立体化と回転運動に伴って、1工程目成形品と金型の接点が曲面上で順次その位置を変える。それにより、金型は簡単な動き、例えば直線運動をするだけで上記の問題を解決できる。具体的には、ブランクもしくは1工程目成形品に丸い穴を空け、円柱状のピンで穴を押す機構があればよい[本発明(8)]。また、別の手段としては、ブランクもしくは1工程目成形品の端部を円弧形状とする方法もある[本発明(9)]。
より安定して成形を行うためには1工程目成形品が金型内から飛び出したりしないように両端部を挟持しつつ両端、もしくは片端を動かす機構がよい[本発明(6乃至7)]。挟持をする場合、単に上下の金型等で挟持して1工程目成形品の保持部を水平に保ったまま動かせるようにするのが好ましい。かといって単純に水平に保ったまま動かすと挟持されている部分が成形中立ち上がるのが阻害され、1工程目成形品に所望の立体縁付き金属部品形状を付与できなくなる部分が生じる。そこで、1工程目金型は、平坦な挟持部、および該挟持部から前記ブランクの本体部分である一つ又は複数の中の少なくとも一つの折れ形線を付与される部分の両端あるいは中途部に繋がる中間部を前記ブランクに付与する構成とされることが好ましい[本発明(3)]。成形中に水平に対する角度が連続的に変化する部分に中間部を当てることで、挟持部は水平に保ったまま容易に両端部を動かすことができるようになる。
更に、前記挟持部に2工程目金型との接点を曲面にする手法を適用することが好ましい。また、本発明(8)において1工程目成形品に設けた丸い穴と2工程目金型の円柱状のピンを同じ直径とすれば、曲がり縁部の端とピンは常に同じ距離を保ったまま同じ平面上を回転するため、挟持部の保持が容易に出来る。これは、ブランクもしくは1工程目成形品の端部を円弧形状とする本発明(9)の実施形態でも同様である。
なお、1工程目成形品の曲がり縁部の両端部を動かす金型の機構は、プレス機械のスライドの上下運動をパンチなどの冶具を介して直接伝える機構以外にも、上記の上下運動の方向を変換して利用する方法として、カム機構に代表される傾斜面を利用した機構、リンク機構、てこを用いた機構でも良い。また、プレス機の駆動力以外にも、電気や空気圧、油圧を利用したシリンダを用いても良い。
立体成形工程においては、1工程目成形品が折れ形線を起点に立体化するよりも容易に変形する部位があれば、そちらが優先的に変形する事になる。折れ形線の座屈などの成形不良を防ぐためには、割れやしわの発生が懸念される1工程目成形品の曲がり縁部を優先的に立体化させることが有効である。そのためには、前記優先的に立体化させたい曲がり縁部の周囲において、折れ形線は、複数の曲線とされ、該複数のうちの少なくとも1つの曲線の一部が該一部の両側に連なる曲線部分よりも大きい曲率とされることが好ましい[本発明(4)]。折れ形線の曲率を大きくすると、曲がり縁部の両端部の移動量に対し、前記折れ形線を境界とする両側の線長差が大きくなる。そのため、曲がり縁部が容易に立体化するようになる。
一方で、曲がり縁部の立体化が局所化すると、その他の曲がり縁部の立体化が不十分となる場合がある。その対策としては、曲がり縁部が立体化する途中で、局所的に立体化する曲がり縁部に隣接する部位である縦壁部を押さえるよう2工程目金型を構成することが有効である[本発明(10)]。立体化する曲がり縁部を押さえると、その周囲が立体化せざるをえない。そのため、要所要所に押さえ冶具を配置した構成の2工程目金型とすれば、広範囲を立体化することが出来る。
また、2工程目金型により曲がり縁部を立体化する途中、または立体化後に曲がり縁部の形状を矯正することで、曲がり縁部を所望の形状に成形することも出来る[本発明(12)]。矯正方法はフォーム成形やコイニング、しごき加工、リストライクによる再成形など、形状を矯正できる方法であればどのような方法でも良い。より好ましくは、カム機構を用いたリストライクにより、曲がり縁部を再成形するのが良い。フォーム成形やコイニング、しごき加工、リストライクなどの加工には、成形品を加工するためのオス型、メス型の一対の冶具、または成形品を固定するための冶具が必要となる。しかし、曲がり縁部を立体化する際には曲がり縁部周辺の形状が乱されやすいため、曲がり縁部の立体化が完了するまで冶具と完成品の形状が合わない場合や、冶具が成形品に干渉することで設置が困難となる場合がある。そこで、カム機構を用いて冶具を動かせば、曲がり縁部の形状を矯正する時以外は、成形品に干渉しない位置に冶具を退避しておくことが出来る。また、リストライク用の冶具を用いれば、局所的に立体化した曲がり縁部やしわの矯正をすることが出来る。
1工程目成形品の折れ形線と曲がり縁部、もしくは折れ形線同士の間隔が等間隔でない場合、2工程目金型において、曲がり縁部の立体化に伴い、前記の起点を頂点として折れ形線が水平面から見て弓なり状に立体化しようとする。このとき、折れ形線を押さえると、1工程目成形品の変形が他の位置に分散されるため、折れ形線が弓なり状に立体化するのを防ぐことができる[本発明(11)]。押さえる位置は弓なり状の頂点の周囲のみが好ましく、押さえ方は金属板を折れ形線付近に設置するなど、どのような方法でも良い。また、折れ形線の立体化が進みすぎると起点付近で折れ形線が座屈を起こす恐れがあるため、座屈を防ぐ効果もある。さらに、座屈が防げることで、曲がり縁部の両端側の1工程目成形品部位をより円滑に動かすことができるため、曲がり縁部をより効果的に立体化することもできる。
図1は、本発明の実施形態例(1)を示す概略図である。本例では、山折れ線(山折れの折れ形線)110をブランク10に付与し、V字断面を持つ部材を製造するための1工程目金型の構造を示している。この1工程目金型は前記製品のV字断面に対応する型断面形状とされたダイス1とパンチ2とを有する。尚、15は曲がり縁部、16は曲がり縁部の端である。又、SOA、COAは夫々、ブランク10から製造した製品のしわ発生有無の観察部位、われ発生有無の観察部位である(以下同じ)。
図2は、本発明の実施形態例(2)を示す概略図である。本例では、実施形態例(1)においてブランク10に山折れ線111と谷折れ線(谷折れの折れ形線)120を追加することで中間部6と挟持部5(図1中の曲がり縁部の端16と対応する)とを付与する構成とした1工程目金型の構造を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図3は、本発明の実施形態例(3)を示す概略図である。本例では、M字断面を持つ部材を製造するために、実施形態例(1)において山折れ線111,112と谷折れ線121,122を追加することで中間部6と挟持部5とを付与する構成とした1工程目金型の構造を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図4は、本発明の実施形態例(4)を示す概略図である。本例では、実施形態例(3)において、山折れ線111、谷折れ線121に代えて、夫々、他部分よりも曲率の大きい部分50をもつ山折れ線113、谷折れ線123とした場合の1工程目金型の構造を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図5は、本発明の実施形態例(5)を示す概略図である。本例では、2工程目金型の構造を示している。1工程目成形品11の曲がり縁部の端16を固定ブロック(下、上)21,22で保持し、これを押す機構として、カムスライダー24及びカムドライバー25を備えた。曲がり縁部の端16は固定ブロック(上)22の当接面で押されて対向端との間隔が狭まる。
図6は、本発明の実施形態例(6)を示す概略図である。本例では、実施形態例(5)において、1工程目成形品11の保持機構として、円柱状のパイロットピン23を追加した2工程目金型の構造を示している。1工程目成形品11にはブランクの段階からパイロットピン23を通すための丸穴30が設けられている。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図7は、本発明の実施形態例(7)を示す概略図である。本例では、実施形態例(5)において、1工程目成形品11の保持機構として、曲がり縁部の端を凸円弧状と固定ブロック(上)22の当接面を凹円弧状として、両者が円弧状接触部31を形成するようにした場合の2工程目金型の構造を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態例(8)を示す概略図である。本例では、2工程目金型が、曲がり縁部の立ち上がり41の際に局所的に立体化する曲がり縁部を押さえる押さえ冶具40を備えた場合を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図9は、本発明の実施形態例(9)を示す概略図である。本例では、2工程目金型が、弓なり状に立体化する山折れ線110の円弧状の立ち上がり43を押さえる押さえブロック42を備えた場合を示している。尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
図10は、本発明の実施形態例(10)を示す概略図である。本例では、2工程目金型が、2工程目後或いは途中の成形品12の局所的に立体化する曲がり縁部15を所望の形状に矯正するリストライク工具(凹型、凸形)60,61を備えた場合を示している。 尚、前掲図と同一部又は相当部には同じ符号を付し説明を省略する。
表1に示す機械的特性を有する鋼板から切り出したブランクを素材とし、表2(表2-1乃至表2-2)に示す成形方法で立体縁付き金属部品を製造し、得られた部品についてわれ、しわの発生有無を判定した。
さらに、目視により目標形状との一致具合を観察し、実施例No.5と比較して目標形状との一致具合が同等ならば○、さらに良好な場合には形状評価を◎とした。
ここで、本発明例において、山折れ形線、谷折れ形線の折れ角度は90度とした。比較例No.1〜4において、製造対象部品はそれぞれ本発明の実施形態例(1)〜(4)のそれと同じとした。われ発生有無は図1〜4の観察部位COAを目視観察して判定し、しわ発生有無は観察部位SOAを目視観察して判定した。その結果を表2に示す。
表2より、高強度鋼板を素材としたブランクの曲がり縁部を立体成形して立体縁付き金属部品を製造する際、従来プレス成形ではわれ、しわが発生したが、本発明では、われ、しわを発生させることなく、所望の部品を製造できた。
さらに、実施形態例(8)〜(9)を併用することで、目標形状との一致具合がさらに良好(形状評価が◎)である立体縁付き金属部品を製造できた。
Figure 2014138942
Figure 2014138942
Figure 2014138942
1 ダイス
2 パンチ
5 挟持部
6 中間部
10 ブランク
11 1工程目成形品
12 2工程目後或いは途中の成形品
15 曲がり縁部
16 曲がり縁部の端
20 ホルダ
21 固定ブロック(下)
22 固定ブロック(上)
23 パイロットピン
24 カムスライダー
25 カムドライバー
30 丸穴
31 円弧状接触部
43 円弧状の立ち上がり
40 押さえ治具
41 曲がり縁部の立ち上がり
42 押さえブロック
43 円弧状の立ち上がり
50 他部分よりも曲率の大きい部分
60 リストライク工具(凹型)
61 リストライク工具(凸形)
110,111,112,113 山折れ線
120,121,122,123 谷折れ線

Claims (12)

  1. 金属板から切り出した、両端をもつ曲線状の曲がり縁部を有するブランクを素材とし、前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体に成形して立体縁付き金属部品を製造する際に用いる、立体縁付き金属部品の製造用金型であって、前記曲がり縁部に、該曲がり縁部の曲がりに沿った山折れ又は谷折れいずれかの折れ形線を付与する折れ形線付与工程に用いる1工程目金型と次いで、前記曲がり縁部の両端部を、該両端の間隔が狭まるかあるいは広がるように動かすことにより、前記折れ形線を起点として前記曲がり縁部あるいはさらに該曲がり縁部に隣接するブランク部分を立体化する立体成形工程に用いる2工程目金型とを有することを特徴とする立体縁付き金属部品の製造用金型。
  2. 前記1工程目金型を用いて付与する折れ形線が曲げ半径0.5mm以上30mm以下の折れ形線であることを特徴とする請求項1に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  3. 前記1工程目金型は、平坦な挟持部、および該挟持部から前記ブランクの本体部分である一つ又は複数の中の少なくとも一つの折れ形線を付与される部分の両端あるいは中途部に繋がる中間部を前記ブランクに付与する構成とされたこと特徴とする請求項1又は2に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  4. 前記折れ形線は、複数の曲線とされ、該複数のうちの少なくとも1つの曲線の一部が該一部の両側に連なる曲線部分よりも大きな曲率とされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  5. 前記2工程目金型は、前記折れ線付与工程を経てなる成形品に対し、前記曲がり縁部の両端の間隔を狭めるかあるいは広げるように動かす構成とされたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  6. 前記2工程目金型は、前記挟持部を押さえる構成とされたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  7. 前記2工程目金型は、前記折れ線付与工程を経てなる成形品に対し、前記曲がり縁部の両側もしくは片側の端を動かす構成とされたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  8. 前記2工程目金型は、円柱状のピンを用いて前記曲がり縁部の両端を動かす構成とされたことを特徴とする請求項7に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  9. 前記2工程目金型は、前記ブランク、もしくは前記折れ線付与工程を経てなる成形品に設けられた円弧状の端部を押す構成とされたことを特徴とする請求項7に記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  10. 前記2工程目金型は、前記立体化する曲がり縁部に隣接する部位である縦壁部を押さえる構成とされたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  11. 前記2工程目金型は、前記折れ形線の立体化を押さえる構成とされたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
  12. 前記2工程目金型は、前記立体化する途中の、または前記立体化後の、曲がり縁部の形状を矯正する構成とされたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の立体縁付き金属部品の製造用金型。
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