JP2010227995A - 湾曲状チャンネル部材の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2段曲げ成形方法により、湾曲状チャンネル部を含むチャンネル部材を曲げ成形する際に、縮み変形を受ける湾曲外側の縦壁部やフランジ部に生じる折れ筋やしわ痕の発生を抑制する。
【解決手段】本発明の成形方法は、湾曲状チャンネル部1cを備えたチャンネル部材を成形するに際し、まずその仮成形体を第1成形し、次いで前記仮成形体を第2成形する。前記仮成形体は、前記湾曲状チャンネル部に対応した仮湾曲状チャンネル部において縮み変形を受ける側の仮縦壁部12oaに、前記仮縦壁部12oaの仮横壁部11a側上部から仮フランジ部13oa側下部に沿って前記仮縦壁部12oaの平坦面から外方に膨れたビード21が一個又は複数個形成される。前記ビード21はその仮横壁部11a側上部が仮フランジ部13oa側下部に対して前記平坦面からの高さが高く形成される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、自動車などの各種輸送機の車体や産業機械類の機体などの構造部材として用いられる湾曲状チャンネル部材の成形方法に関し、特に曲げ成形の際に生じる成形部材の折り筋、しわ痕の発生を抑制する方法に関する。
近年、燃費の向上、環境への配慮、安全性の向上などを企図して、自動車の車体や部品の強化と軽量化が推し進められている。その手段の一つとして車体構造部材(フレーム部材、メンバー部材)やパネル類(外板、内板)などに対して鋼板の高強度化(ハイテン化)やアルミニウム合金板等の軽量材への転換が進められている。
前記構造部材の代表的な断面形状としては、図1に示すように、長さ方向に垂直な平面で切断した縦断面の形状が横壁部(ウェブ)11と、前記横壁部11の両端に第1曲げ部14を介して屈曲形成された縦壁部12と、各縦壁部12の他端に第2曲げ部15を介して屈曲形成されたフランジ部13を備えたハット形のチャンネル部材1sが知られている。このチャンネル部材1sは縦断面の中心を連ねた線が直線状となっており、このようなチャンネル部材を「直線状チャンネル部材」という。
前記直線状チャンネル部材1sの成形目標形状(製品の設計形状)は、その縦断面形状によって特定される。すなわち、図1に示すように、幅(縦壁部12の内幅)W、高さ(フランジ部13の下面から横壁部11の下面までの高さ)H、フランジ部13の幅Lf(フランジ部の先端から第2曲げ部のフランジ側曲げ止め端までの長さ)、第1曲げ部14の曲げ半径rp、第2曲げ部15の曲げ半径rd、横壁部11と縦壁部12とのなす角(以下、「第1曲げ部の曲げ角」という。)θp、縦壁部12とフランジ部13とのなす角(以下、「第2曲げ部の曲げ角」という。)θdによって特定される。通常、θp、θdは直角に設定されるが、θpは鈍角に設定され、縦壁部12が傾斜状に形成される場合もある。なお、横壁部の幅W' は、両側の第1曲げ部の曲げ止め端の間の長さW’(W’=W−2rp)に等しい。
前記直線状チャンネル部材1sは、通常、絞り成形(ドロー成形)あるいは曲げ成形(フォーム成形)によって成形される。前記チャンネル部材1sの成形においては、絞り成形、曲げ成形のいずれの成形においても、その縦壁部12が曲げ曲げ戻し変形を受けるため、縦壁部12の表面に引っ張り、裏面に圧縮の応力分布が生じ、離型後、この応力が解放されて弾性回復(スプリングバック)により、縦壁部12に外側が凹んだ変形(「反り」という。)を生じる。また、第1曲げ部14についても角度不良が生じ、成形目標の曲げ角よりも大きくなる。なお、絞り成形は曲げ成形に比して曲げ曲げ戻し変形が大きいため、反りも大きく、成形荷重も曲げ成形に比して大きくなる。
上記反りや角度不良を抑制する成形法として、特許文献1(特開2006−15404号公報)に、第1成形工程によって仮成形体を曲げ成形した後、第2成形工程により前記仮成形体から成形目標形状の成形部材を成形する方法(以下、「2段曲げ成形方法」という。)が提案されている。この2段曲げ成形方法は本発明と関係があるので、以下詳しく説明する。
まず、第1成形工程で成形する仮成形体について説明する。図2に示すように、成形目標形状の直線状チャンネル部材1sの仮成形体1saは、直線状チャンネル部材1sの各部に対応するように、仮横壁部11aの両側に仮第1曲げ部14aを介して仮縦壁部12aが形成され、前記仮縦壁部12aの他端に仮第2曲げ部15aを介して仮フランジ部13aが形成されたものである。前記仮横壁部11aの幅Wa'は、成形目標形状のチャンネル部材1sの横壁部11の幅W’より2×ΔW長く設定される。前記仮第1曲げ部14aの曲げ角θpaは、成形目標形状(図1参照)の第1曲げ角θpよりも15°〜60°程度大きく設定される。また、前記仮第2曲げ部15aの曲げ半径rdaおよび曲げ角θdaは、成形目標形状のrd、θdと同等に設定され、仮フランジ部13aも最終成形目標形状のフランジ部13と同幅に形成される。成形目標形状のθpが90°の場合、θpaは105°〜150°、好ましくは130°〜140°程度に設定される。なお、図2は仮成形体1saの成形目標形状(設計形状)を示しており、成形終了時点において、成形体が成形金型に拘束された状態にあるときの形状である。
前記仮成形体1saの成形終了時(下死点)における金型による成形状態を図3に示す。この第1成形用金型は、仮フランジ部成形溝を有するパンチ41と、前記仮フランジ部成形溝に係合して仮縦壁部12aおよび仮フランジ部13aを曲げ形成するダイ42を有し、成形中に金属素板Bを位置決めする板押さえ43を備えている。この仮成形体の成形の際に、特許文献1(図6参照)に記載されているように、仮縦壁部12aに「踊り」と呼ばれる変形が生じて、仮縦壁部12aの反り、仮第2曲げ部15aの角度不良が抑制され、概ねrda=rd、θda=θdになるように成形される。
第2成形工程では、図4に示すように、前記仮第1曲げ部14aの仮横壁部11a側の曲げ止め端をパンチ45の横壁成形部の曲げ止め端からΔWをずらせた状態で、ダイ46を下降し、パンチ45の縦壁成形面に沿って仮第1曲げ部14aの一部を曲げ戻して、成形目標形状の縦壁部12の上端部を成形する。成形に際して、仮成形体1aは板押さえ47によってパンチ45の横平坦面にその仮横壁部11aが押しつけられて位置決めされる。前記ΔW、仮第1曲げ部14aの曲げ半径rpaを適宜設定することにより、第2成形工程において、仮第2曲げ部14aの一部が曲げ戻されて縦壁部12の上端部となる領域を調整することができる。これにより従来、第1曲げ部14の曲げ角に生じていたスプリングバックに起因した角度不良を抑制することができる。なお、図3、図4では、パンチがダイの下方に配置され、成形過程でダイをパンチ側へ移動させるようにしたが、これとは逆にパンチをダイの上方に配置し、成形過程でダイをパンチ側へ上昇させて成形してもよい。また、図例では、パンチを固定側とし、ダイを移動側としたが、これとは逆にダイを固定側とし、パンチを移動側としてもよい。
ところで、成形目標形状の縦断面が図1と同様の形状であっても、断面中心線が横壁部と平行な平面(「横平面」という。)内で湾曲した湾曲状チャンネル部のみからなる湾曲状チャンネル部材(このような形態のものを「単純湾曲状チャンネル部材」という。)や、図5に示すように、前記直線状チャンネル部材に相当する直線状チャンネル部1s(直線状チャンネル部材の符合と区別せず、同符合1sで表す。)と湾曲状チャンネル部1cとが一体的に連成された湾曲状チャンネル部材(このような形態のものを「複合湾曲状チャンネル部材」という。)がある。以下、前記単純湾曲状チャンネル部材と複合湾曲状チャンネル部材とを区別せずに単に湾曲状チャンネル部材ということがある。また単純湾曲状チャンネル部材も符合1cで表すこととする。なお、図5では、湾曲状チャンネル部1cの両側に直線状チャンネル部1sを連成した複合湾曲状チャンネル部材を示すが、湾曲状チャンネル部のいずれか一方に直線状チャンネル部が連成されたものであってもよい。
図5において、直線状チャンネル部1s、湾曲状チャンネル部1cの各縦壁部、フランジ部の符合は数字部分と英小文字部分とからなり、数字部分は図1と同部分は同数字が付されている。英小文字部分は、湾曲の径方向の外側(湾曲外側)、湾曲の径方向の内側(湾曲内側)を区別するために付されたもので、「o」は湾曲外側、「i」は湾曲内側を示す。例えば、12o,13oは湾曲外側の縦壁部、フランジ部を示し、12i,13iは湾曲内側の縦壁部、フランジ部を示す。湾曲外側の縦壁部12o及びフランジ部13oは周方向に圧縮応力を受けて縮み変形し、湾曲内側の縦壁部12i及びフランジ部13iは引張応力を受けて伸び変形する。このため、13oは「縮みフランジ部」、13iは「伸びフランジ部」と呼ばれることがある。
上記複合湾曲状チャンネル部材を2段曲げ成形方法によって成形すると、湾曲状チャンネル部材はねじれ難くなるが、第1成形工程により成形した仮成形体(仮成形体の各部の符合は図5の各部と同様の符合をベースとして、末尾に「a」の文字を付することにする。)を用いて第2成形工程を行うと、図6に示すように、成形の途中で、仮成形体の仮湾曲状チャンネル部1caにおける湾曲外側(縮み変形を受ける側)の仮縦壁部12oaが周方向に沿って折れ曲がり、また前記仮縦壁部12oaに材料余りに起因する大きな膨らみ部が局部的に数カ所形成される。このため、成形後、図9に示すように、縮み変形を受けた縦壁部12oに前記折れ曲がりや膨らみによって生じたしわが圧壊されて、折れ筋やしわ痕が形成され、また縮みフランジ部13oに生じたしわが圧潰されてしわ痕が残存する。なお、図6は、図5に示す複合湾曲状チャンネル部材の仮成形体の第2成形途中の状態を示しているが、単純湾曲状チャンネル部材の場合も同様の成形不良が生じる。
縦壁部の折れやフランジ部のしわは、第2成形の際に、仮成形体の仮湾曲状チャンネル部1caの湾曲外側の仮縦壁部壁12oaの周壁が縮み変形を受ける際に材料余り(肉余り)を生じ、材料がパンチに沿って成形されず、パンチから浮き上がることが原因である。図7は、仮湾曲状チャンネル部を第2成形する途中(ダイ46が下死点より30mm上に位置)の成形状態を示しており、ダイ46の第2曲げ部成形用の角部によって仮縦壁部12oaが屈曲して折れ曲がっている。前記図6はこの状態における仮成形体の外観を示したものである。図6中の破線で示した平面は、パンチ45の上面に平行で、パンチ上面から40mm下方位置の横平面を示す。この横平面とパンチ45及び仮湾曲状チャンネル部の湾曲外側の仮縦壁部との交線を図8に示す。図8に示すように、パンチ外周面と仮湾曲状チャンネル部の仮縦壁部の周壁との間には、仮縦壁部の周壁がパンチから浮き上がったために生じた隙間が形成され、そこに3カ所の局部的に大きな膨らみが形成されている。図8のx座標、y座標は図6に示すように、仮湾曲状チャンネル部1caの中心部を原点とする直交座標を示す。
図6〜図8は、成形目標の縦断面形状がW=100mm、H=60mm、Lf=20mm、rp=rd=5mm(図1参照)で、直線状チャンネル部の長さLs=200mm、湾曲状チャンネル部の湾曲中心(曲率中心)から断面中心線までの半径R=1000mm、湾曲中心周りの湾曲角θc=14.4°の複合湾曲状チャンネル部材(図5参照)の第2成形工程における変形を示すものであり、金属素板として板厚1.4mm、引張強さ980MPaの高強度鋼板を用い、仮成形体(θpa=135°、ΔW=0mm、図2参照)の変形を有限要素法に基づく成形シミュレーションによって解析したものである。
上記のような材料余りによる浮き上がりが生じると、先に述べたように、折れ筋やしわ痕を生じ、外観の見映えが悪くなるだけでなく、材料の浮き上がりを無理に金型で押し潰しながら成形することになるため、金型に型かじり(焼付き)等が発生し、金型のメンテナンスを頻繁に行う必要が生じて、ひいては生産性の低下を招来する。
材料余りによるしわの発生を防止する方策として、例えば、非特許文献1(「塑性と加工」、日本塑性加工学会、1994年9月、第35巻、第404号、p.1054−1059)には、縮みフランジ成形に伴う寸法精度不良対策として、ベンド成形と同時にフランジ先端側に膨らんだビードを成形し、これに余剰材料を吸収して成形時の周方向の圧縮応力を緩和させることが記載されている(図9参照)。また、鞍型形状フレームの形状変化部に材料余りを吸収するビードを予め形成しておくことが記載されている(図12参照)。また、特許文献2(特開2007−253173号公報)には、チャンネル部材の縮みフランジ成形に際し、素板に予め縮みフランジ成形を受ける領域に貫通穴を形成しておくことが記載されている。なお、伸びフランジ成形の割れ対策としては、例えば特許文献3(特許第2855492号公報)に記載されているように、予め素板にビード(周長増加部)を成形しておき、この部分を伸びフランジ成形するように曲げ加工することが記載されている。
「塑性と加工」、日本塑性加工学会、1994年9月、第35巻、第404号、p.1054−1059
特開2006−15404号公報 特開2007−253173号公報 特許第2855492号公報
上記のように、縮みフランジ成形に対して、材料余りを吸収する方策が種々採られているが、いずれも材料余りを吸収するビードを製品形状の一部として設ける必要があり、製品形状そのものの変更を余儀なくされるという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、2段曲げ成形方法により湾曲状チャンネル部材を曲げ成形する際に、縮みフランジ成形を受ける縦壁部に生じる折れ筋やしわ痕の発生を抑制することができる、湾曲状チャンネル部材の成形方法を提供することを目的とする。
本発明者は、湾曲状チャンネル部材を2段曲げ成形するに際し、仮湾曲状チャンネル部の湾曲外側の仮縦壁部に種々のビードを形成した仮成形体を用いて第2成形を行った場合の変形挙動を、有限要素法に基づく成形シミュレーション(コンピュータ解析)した結果、仮湾曲状チャンネル部の縮み変形を受ける湾曲外側の仮縦壁部に従来とは膨らみの最高位置が異なるビードを設けることにより、湾曲状チャンネル部の湾曲外側の縦壁部やフランジ部における折れ筋やしわ痕の発生を抑制できることを知見した。さらに仮湾曲状チャンネル部の中央部における湾曲外側の仮第1曲げ部の曲げ角βcを仮湾曲状チャンネル部の周方向端部における湾曲外側の仮第1曲げ部の曲げ角βeよりも小さく設定することにより、折れ筋や縮みフランジ部のしわ痕の発生をより一層効果的に抑制できることを知見した。本発明はかかる知見を基になされたものである。
すなわち、本発明は、横壁部の両側に第1曲げ部を介して縦壁部が形成され、前記縦壁部の他端に第2曲げ部を介してフランジ部が形成された縦断面形状を有し、断面中心線が湾曲状とされた湾曲状チャンネル部を備えた湾曲状チャンネル部材の成形方法であって、前記湾曲状チャンネル部材の横壁部、第1曲げ部、縦壁部、第2曲げ部及びフランジ部にそれぞれ対応する仮横壁部、仮第1曲げ部、仮縦壁部、仮第2曲げ部及び仮フランジ部を有し、前記仮横壁部と仮縦壁部とのなす角θpaが前記横壁部と縦壁部とのなす角θpよりも大きく設定された仮成形体を金属素板から曲げ成形する第1成形工程と、前記仮成形体から前記湾曲状チャンネル部材を曲げ成形する第2成形工程を備える。前記仮成形体は、前記湾曲状チャンネル部に対応した仮湾曲状チャンネル部において縮み変形を受ける側の仮縦壁部に、前記仮縦壁部の仮横壁部側上部から仮フランジ部側下部に沿って前記仮縦壁部の平坦面から外方に膨れたビードが一個又は複数個形成され、前記ビードの仮横壁部側上部が仮フランジ部側下部に対して前記平坦面からの高さが高く形成される。
この成形方法によると、仮成形体の仮湾曲状チャンネル部の縮み変形を受ける側の仮縦壁部に上部から下部にかけて上部が膨らんだビードが形成されるので、第2成形工程の成形初期において、前記ビードがしわの元になる膨らみの発生起点となり、膨らみの発生起点が増加する。このため、個々の膨らみが小形化され、その結果、成形途中では仮縦壁部に折れが生じ難くなり、成形終期にしわも潰れ易くなり、目立った折れ筋やしわ痕が生じないようになる。
前記湾曲状チャンネル部材の成形方法において、材料余りによる膨らみを効果的に小形化して分散させるためには、前記仮縦壁部の平坦面からの高さが最も高い、前記ビードの最高部を前記仮縦壁部の長さをLとするとき、前記仮縦壁部の上端からL/4の間に配置し、また前記仮縦壁部の平坦面からの高さが最も低い、前記ビードの最低部を前記仮縦壁部の平坦面からの高さをゼロとし、かつ前記仮縦壁部の下端からL/4の間に配置することが好ましい。
さらに、前記成形方法において、前記湾曲状チャンネル部に対応した前記仮成形体の仮湾曲状チャンネル部の中央部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角βcを、前記仮湾曲状チャンネル部の周方向端部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角βeよりも小さく設定することが好ましい。
前記βc<βeに設定した仮成形体を曲げ成形すると、仮成形体から湾曲状チャンネル部を成形する際に、縮み変形を受ける仮縦壁部において湾曲の中央部から周方向へと材料の流動が生じ易くなり、縮み変形を受ける仮縦壁部や仮フランジ部における周方向の圧縮応力の残留が抑制されると考えられるため、しわの発生がより効果的に抑制され、ひいては折れ筋やしわ痕の発生をより一層抑制することができる。
さらに、前記湾曲状チャンネル部材が前記湾曲状チャンネル部の両側に断面中心線が直線状とされた直線状チャンネル部を有する場合、前記直線状チャンネル部に対応した前記仮成形体の仮直線状チャンネル部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角をβsとするとき、前記βeを前記βsよりも小さく設定することが好ましい。
本発明の成形方法によると、第1成形工程において仮成形体の仮湾曲状チャンネル部の縮み変形を受ける側の仮縦壁部に上部から下部にかけて上部が膨らんだビードが形成されるので、第2成形工程において、前記ビードがしわの元になる膨らみの発生起点となり、膨らみの発生起点が増加するため、個々の膨らみが小形化、分散され、その結果、成形途中では仮縦壁部に折れが生じ難くなり、成形終期にしわも潰れ易くなり、目立った折れ筋やしわ痕が生じないようになる。
ハット形のチャンネル部材の縦断面図である。 直線状チャンネル部材を2段曲げ成形する際の仮成形体の縦断面図である。 2段曲げ成形における第1成形工程の成形状態を示す半部説明図である。 2段曲げ成形における第2成形工程の成形状態を示す半部説明図である。 複合湾曲状チャンネル部材の平面図である。 複合湾曲状チャンネル部材の第2成形工程における仮成形体の変形状態を示す外観図である。 図6の第2成形状態における金型位置を示す断面説明図である。 図6の第2成形状態における仮湾曲状チャンネル部の横平面(パンチ上面より40mm下)における、パンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示すグラフ図である。 第2成形終了後の湾曲状チャンネル部の部分外観図である。 本発明に係るビード形態B1を示す外観図である。 本発明に係るビードの仮縦壁部長さ方向の断面説明図である。 ビード形態B1のビードの最高部を通る湾曲周方向の断面説明図である。 仮縦壁部の長さ方向の種々の位置にビード最高部が形成された種々のビード形態の断面説明図である。 図8に対応したパンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示し、湾曲の周方向の角度θと径方向の距離DとによってDの平均値Da、DaからのばらつきDdを定義する説明図である。 図8に対応したパンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示し、湾曲の周方向の角度θと径方向の距離Dとによって表現したグラフ図である。 種々の形態のビードを仮湾曲状チャンネル部の仮縦壁部に形成した仮成形体を第2成形した際の成形途中におけるパンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示すグラフ図である。 ビード形態B1のビードの最高部の高さHbを種々設定した場合のHbとDdとの関係を示すグラフである。 種々の断面位置を示すための複合湾曲状チャンネル部材の平面図である。 複合湾曲状チャンネル部材の仮成形体の(1) 仮直線状チャンネル部の周方向端部、(2) 仮湾曲状チャンネル部の中央部における縦断面図である。 複合湾曲状チャンネル部材の仮成形体に仮第1曲げ部の曲げ角制御を施した場合のパンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示すグラフ図である。 複合湾曲状チャンネル部材の仮成形体に仮第1曲げ部の曲げ角制御を施すと共に種々の形態のビードを仮湾曲状チャンネル部の仮縦壁部に形成した仮成形体を第2成形した際の成形途中におけるパンチと仮縦壁部の周壁との位置関係を示すグラフ図である。 本発明に係るビード形態Baを示す外観図である。 本発明に係るビード形態Bbを示す外観図である。 本発明に係るビード形態Bcを示す外観図である。 ビード形態Baのビードの最高部を通る湾曲周方向の断面説明図である。 ビード形態Bbのビードの最高部を通る湾曲周方向の断面説明図である。 ビード形態Bcのビードの最高部を通る湾曲周方向の断面説明図である。 断面中心線が縦平面内に湾曲した複合湾曲状チャンネル部材の側面図である。
以下、成形目標形状、寸法が図1及び図5に示した複合湾曲状チャンネル部材の成形方法の実施形態について説明する。素板は引張強さ980MPa、板厚1.4mmの高強度鋼板とする。この実施形態においても、従来の2段曲げ成形方法と同様、第1成形工程において、成形対象の複合湾曲状チャンネル部材に対応した仮成形体(本実施形態ではθp=135°)を成形する。ただし、従来とは異なり、仮成形体の成形に際し、仮湾曲状チャンネル部の縮み変形を受ける側(湾曲外側)の仮縦壁部12oaに、図10〜図12に示すように、仮縦壁部12oaの上部から下部に沿って仮縦壁部12oaの平坦面から外方に膨れたビード21を複数個(図例では3個)同時に形成する。そして、得られた仮成形体を従来と同様、第2成形工程によって成形目標形状の湾曲状チャンネル部材に成形する。なお、本発明の成形方法において成形金型を用いたプレス成形動作自体は従来の2段曲げ成形方法と基本的には同様であるのでその説明は省略する。また、後述する第2成形工程における仮成形体の変形状態は図8と同様の条件で成形シミュレーションによって計算するものとする。
前記ビード21は、図11に示すように、仮横壁部11a側上部がフランジ部13oa側下部に対して、仮縦壁部12oaの平坦面からの高さが高く形成される。前記ビード21の最高部Pの高さHbは仮縦壁部12oaの平坦面から3mm(Hb/H=0.05)とされ、前記最高部Pから前記平坦面に下ろした垂線の足は仮縦壁部12oaの仮第1曲げ部14oaの曲げ止め部(仮縦壁部の「上端」という。)の近傍に位置している。一方、前記ビード21の最低部は高さがゼロとされ、仮縦壁部12oaの仮第2曲げ部15oaの曲げ止まり部(仮縦壁部の「下端」という。)の近傍に形成されており、前記最高部から最低部にかけて、稜線が徐々に低くなるように形成されている。また、湾曲周方向の形状は、図12(図11のA方向断面、すなわち最高部から仮縦壁部の平坦面に下ろした垂線を含み、湾曲の周方向に沿った断面)に示すように、3.2°ピッチで3つのビード21がそれぞれ連続して周方向に滑らかに形成されており、各ビード21は最高部から最低部に向かって同幅で高さが漸次低く形成されている。このビードの態様をB1とする。
一般的には、仮縦壁部12oaの長さ(仮第1曲げ部の曲げ止め端から仮第2曲げ部の曲げ止め端までの最小長さ)をLとするとき、図11に示すように、前記最高部Pから平坦面に下ろした垂線の足が仮縦壁部12oaの上端からL/4、好ましくは1/8の間に配置され、前記最低部が前記仮縦壁部12oaの下端からL/4、好ましくは1/8の間に配置されるようにすることが好ましい。また、ビード21の個数は、ビードを形成しない仮成形体を用いて第2成形をシミュレーションし、図8のような変形予測結果を得て、少なくとも膨らみのピークの間に少なくとも1個のビードを設けるようにすればよい。ビードの個数が多いほど最高部の高さHbは低くすることができる。
また、前記ビード態様(B1)と比較するため、ビードの個数、湾曲周方向の配置、最高部の高さ(Hb=3mm)をビード形態B1と同様とし、仮縦壁部の長さ方向における最高部の位置のみを図13のように設定した仮成形体を第1成形し、これらの仮成形体を用いて第2成形をシミュレーションした。図中、B2のビード形態は最高部の位置を仮縦壁部の下端近傍に設けたもの、B3は最後部の位置を仮縦壁部の中央に設けたもの、B4は仮縦壁部の上端から下端にかけて同一の高さとしたものである。
ここで、湾曲状チャンネル部材の成形(第2成形)に対する評価方法について説明する。折れ筋やしわ痕の原因は、第2成形工程における仮成形体の縮み変形を受ける仮縦壁部に生じる膨らみであるから、これを定量化することで本発明の効果を評価することができる。すなわち、縮み変形を受ける仮縦壁部に生じる膨らみ状態は、前記図8によって表すことができるが、x−y座標系では湾曲状チャンネル部の平面形状を規定するパラメータ(図5に示すθc、R)と相違するので、図14に示すように、x−y座標系を湾曲角θと、湾曲中心からの径方向におけるパンチ外周面からの仮縦壁部の周壁までの隙間Dによって仮縦壁部の周壁の膨らみ状態を表すこととし、同図に示したDd(湾曲角θcにおける膨らみDの平均値Daからのばらつき)によって、材料余りに起因する膨らみやしわの抑制程度を評価することとする。Ddが小さいほど、成形の際の材料の局部的な集中による膨らみが生じず、縮み変形を受ける仮縦壁部部や仮フランジ部の全体に満遍なく材料が流動したことを示す。このため、Ddが小さいほど、仮成形体の縮み変形を受ける仮縦壁部に折れ曲がりや、しわが生じにくくなる。x−y座標系の図8をθ−D座標系に変換したグラフを図15に示す。
上記B1〜B4のビード態様の仮成形体を用いて第2成形をシミュレートした結果を図16に示す。図には、ビードなしの変形状態を破線で示し、またDa、Ddの値も記入した。これより、本発明に係る形態B1のビードでは、大きな膨らみが小さくなり、θcの全域に分散し、その結果Ddがかなり小さくなった。このため、第2成形工程では膨らみやしわを潰し易くなり、折れ筋やしわ痕の発生を抑制することができる。一方、ビード形態がB2〜B4では、ビードを形成しない場合と同様の膨らみパターンを示しており、Daがビードなしに比べて若干低下しているものの、Ddはむしろ大きくなっている。
さらに、ビード形態をB1とし、最高部の高さHbを種々設定したビードを形成した仮成形体を用いて第2成形をシミュレートした結果を下記及び図17に示す。これらから、DaはHbが大きくなるほど低下するが、図17に示すとおり、DdはHbが3〜7mm(Hb/H=0.05〜0.12)の場合に大きく低下することが分かった。
ビードなし(Hb=0mm):Da=11.0mm、Dd=2.0mm
ビードHb=0.5mm:Da=10.7mm、Dd=1.9mm
ビードHb=1.0mm:Da=10.6mm、Dd=1.8mm
ビードHb=3.0mm:Da=10.6mm、Dd=1.4mm
ビードHb=5.0mm:Da=9.6mm、Dd=1.3mm
ビードHb=7.0mm:Da=8.1mm、Dd=1.4mm
ビードHb=10.0mm:Da=4.7mm、Dd=1.8mm
次に、本発明に係るビード形成の効果をより一層向上させる方法について説明する。この方法は、第1成形工程で成形する仮成形体について、仮成形体の仮湾曲状チャンネル部の中央部における仮横壁部と縮み変形を受ける側(湾曲外側)の仮縦壁部とのなす角βcを、前記仮湾曲状チャンネル部の周方向端部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角βeよりも小さくする。湾曲状チャンネル部に直線状チャンネル部を連成する場合は、前記直線状チャンネル部に対応した前記仮成形体の仮直線状チャンネル部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角をβsとするとき、前記βeを前記βsよりも小さく設定する。
上記方法を複合湾曲状チャンネル部材の成形例について詳しく説明する。第1成形工程によって成形される仮成形体の仮直線状チャンネル部1saの周方向端部の縦断面(図18のA線断面に対応する仮成形体の縦断面。但し、端部という場合、その末端でもよい。)を図19(1) に、仮湾曲状チャンネル部1caの中央部の縦断面(図18のB線断面に対応する仮成形体の縦断面。)を図19(2) に示す。図19(仮成形体の成形目標形状)に示すように、前記仮湾曲状チャンネル部1ca、仮直線状チャンネル部1saは、それぞれ仮横壁部11aと、その両端から仮第1曲げ部14oa,14iaを介して形成された仮縦壁部12oa,12iaと、前記仮縦壁部12oa,12iaの他端に仮第2曲げ部15oa,15iaを介して形成された仮フランジ部13oa,13iaを有する。既述のとおり、湾曲外側と湾曲内側の構成部分を区別するため、湾曲外側の部分の符号では数字部分の次に「o」を、湾曲内側の部分の符号では数字部分の次に「i」を付した。なお、湾曲外側、内側を区別する必要がない場合は「o」、「i」の添え字を省略することがある。
前記仮横壁部11aの幅Wa’は、最終成形目標形状の横壁部11の幅W’に対して2×ΔWだけ長く設定され、仮第2曲げ部15aの曲げ角θda、仮フランジ部13aの幅は最終成形目標形状の第2曲げ部15の曲げ角θd、フランジ部13の幅と同様に設定される。また、前記ΔWは、通常、仮第1曲げ部14aの一部が曲げ戻されて成形目標形状の縦壁部12の上端部を形成するように設定される。前記上端部を形成する、仮第1曲げ部14aの曲げ戻される長さとしては、rp/5〜rp/2程度(rp:成形目標形状の第1曲げ部14の曲げ半径)が好ましい。
一方、仮第1曲げ部14oaの曲げ角θpaの内、仮湾曲状チャンネル部1caの湾曲外側の中央部のθpaをβcと、仮直線状チャンネル部1saの湾曲外側の周方向端部のθpaをβsで表すとき、図19に示すように、βc<βsに設定する。好ましくは、βs=βc+αとするとき、α=10°〜30°に設定するのがよい。また、湾曲外側において、仮湾曲状チャンネル部1caの中央部から仮直線状チャンネル部1saの周方向端部の間においては、θpaは滑らかに変化するように設定する。これにより仮湾曲状チャンネル部1caにおける周方向端部(図11のC線断面に対応する仮湾曲状チャンネル部の端部。但し、端部という場合、その末端でもよい。)における湾曲外側のθpaをβeとするとき、βc<βe<βsとなる。また、前記βs、仮湾曲状チャンネル部1ca及び仮直線状チャンネル部1saの湾曲内側のθpaについては、成形目標形状の第1曲げ部14の曲げ角θpに対して、(θp+15°)〜(θp+60°)程度、好ましくは(θp+35°)〜(θp+55°)程度に設定すればよい。なお、θpaを上記のようにθpよりも大きく設定することにより、縦壁部の圧縮あるいは引張の残留応力は抑制されるので、第1曲げ部14の曲げ角θpの角度を厳密に制御する必要がない場合は前記ΔWをゼロとしてもよい。
次に、従来の2段曲げ成形と同様、第2成形工程において、前記仮成形体を曲げ成形して成形目標形状の複合湾曲状チャンネル部材を得る。第2成形において、前記仮湾曲状チャンネル部1caおよび仮直線状チャンネル部1saのそれぞれの仮第1曲げ部14aが曲げ戻されて、前記湾曲状チャンネル部1cおよび直線状チャンネル部1sのそれぞれの縦壁部12の上端部を形成する。
上記のとおり、第1成形工程において成形した仮成形体の仮湾曲状チャンネル部1caの湾曲外側の仮第1曲げ部14aの曲げ角βcは、仮直線状チャンネル部1saの湾曲外側の第1曲げ部14aの曲げ角βsよりも小さく設定されている。このため、この仮成形体を第2成形する際、仮湾曲状チャンネル部1caの湾曲外側において、中央部から周方向外側への材料の流動が生じるようになり、湾曲状チャンネル部1cの湾曲外側(縮み変形を受ける側)の仮縦壁部の局部的な大きな膨らみが抑制され、湾曲状チャンネル部1cの湾曲外側の縦壁部12oの折れ筋やフランジ部13oのしわ痕の発生が防止される。
ここで、複合湾曲状チャンネル部材を上記方法で2段成形した場合の第2成形における成形状態のシミュレーション結果を示す。複合湾曲状チャンネル部材の成形目標形状、サイズは図1、図5と同様とし、素板は引張強さ980MPa、板厚1.4mmの高強度鋼板とした。仮湾曲状チャンネル部1caに対して仮第1曲げ角14oaの角度制御を行わなかった場合(βc=βs)と角度制御を行った場合(βc=110°、βs=135°)の第2成形の成形シミュレーションの結果を図20に示す。図20は、図8と同様の横平面における計算結果である。図20から明らかなように、上記角度制御を行うことにより、第2成形工程における仮縦壁部の膨らみが全体的に減少し、また局部的な大きな膨らみも抑制されることが分かる。上記角度制御した場合のDaは4.8mm、Ddは1.0mmであった。
次に、複合湾曲状チャンネル部材の2段成形に際し、第1成形工程で上記仮湾曲状チャンネル部の仮第1曲げ角の角度制御を行うと共に、本発明に係るビードの形成を行った場合の成形シミュレーション結果を示す。複合湾曲状チャンネル部材の成形目標形状、寸法は図1、図5と同様であり、素板も板厚1.4mm、980MPaの高強度鋼板とした。
まず第1成形工程において、βc=110°、βs=135°とし、仮湾曲状チャンネル部1caの中央と仮直線状チャンネル部1saの末端部とを仮第1曲げ部14oaの曲げ角を滑らかに変化させるように形成した仮成形体を成形すると共に、仮湾曲状チャンネル部1caの湾曲外側の仮縦壁部12oaに図11、図12と同様、Hb=3mmの3個のビード21からなるビード形態B1のビードを成形した。また、比較のため図13と同様、ビード形態B2〜B4のビードを成形した。これらの仮成形体を用いて第2成形をシミュレーションした結果を図21にまとめて示す。図21も図8と同様の横平面で計算したものである。図21には各ビード形態のDa、Ddの値も併記した。
図21より、仮第1曲げ部の曲げ角をβc=110°、βs=135°に角度制御すると共に本発明に係るビード形態B1のビードを形成した場合、角度制御の効果とビードの効果とが相まって、局部的な膨らみの大きさがさらに小さくなって、その数が増え、材料余りが仮湾曲状チャンネル部の湾曲外側の周壁全体に分散していることが確認された。他のビード形態ではこのような膨らみの大きさの減少や分散が生じておらず、その結果、ビード形態B1では他の形態よりDa、Ddが最も小さくなった。ビード形態2〜4では、角度制御のみを行った場合(破線で表示。Da=4.8mm、Dd=1.0mm)よりもDdが大きくなり、むしろしわが発生し易いことが分かった。
さらに、上記同様の角度制御を行うとともに、ビード形態をB1とし、Hbを1mm(Hb/H=0.016)としたビードを形成して第2成形をシミュレートしたところ、Da=4.1mm、Dd=0.8mmであり、わずかな高さのビードを形成するだけでも大きな効果が得られることが確認された。
さらにまた、上記角度制御を行うとともに、図22〜図24に示すように、ビード形態をBa、Bb、Bcとしたビード21を形成した仮成形体を成形し、この成形体の第2成形をシミュレートした。各ビード形態について、ビードの最高部から仮縦壁部の平坦面に下ろした垂線を含み、湾曲の周方向に沿った断面形状を図25〜図27に示す。ビード形態Baは、図25に示すように、図12に示すビード形態B1に対して湾曲中央部のビードを無くした二山状のものである。ビード形態Bbは図26に示すように、最高部の高さHb=1mmのビードを1.6°ピッチで7山形成したものである。これらの形態Ba,Bbのビードは、ビード形態B1と同様、同幅で最高部から仮縦壁部の下端に向かって高さが漸次低下し、下端にて高さがゼロとしたものである。また、ビード形態Bcのビードは、図24に示すように仮縦壁部に向かって見た形状が、仮縦壁部の湾曲中心線を対象軸とするV字形をしており、ビード21の最高部における周方向断面は図27に示すようなHb=1mmの山形をしており、V字の交点部が仮縦壁部の下端近傍に配置され、その交点部においてビードの高さ、幅がゼロとしたものである。
上記ビード形態Ba、Bb、Bcのビードを設けた仮成形体の第2成形をシミュレーとし、Da、Ddを計算した結果を、ビードなし、ビード形態B1の計算結果と共に下記に示す。下記の計算結果より、ビードの最高部が仮縦壁部の上端近傍に形成される場合、いずれのビード形態のビードによっても縮み変形を受ける側の仮縦壁部に生じる全体的な膨らみ、局部的な大きな膨らみの発生を抑制することができ、しわの発生を防止することができることが確かめられた。
ビードなし:Da=4.8mm、Dd=1.0mm
ビード形態B1:Da=4.0mm、Dd=0.7mm
ビード形態Ba:Da=4.1mm、Dd=0.8mm
ビード形態Bb:Da=4.1mm、Dd=0.7mm
ビード形態Bc:Da=4.6mm、Dd=0.9mm
上記実施形態では、本発明に係るビードは仮成形体の湾曲外側の仮縦壁部のみに形成したが、ビードの膨らみを仮横壁部や仮フランジ部に延長して形成してもよい。また、上記説明では仮成形体を成形する工程を第1成形工程と、仮成形体から成形目標の湾曲状チャンネル部材を成形する工程を第2成形工程と呼んで説明したが、「第1」、「第2」に特別な意味はなく、もちろん本発明はこれらの二つの成形工程のみからなるものではなく、成形工程内に前記第1、第2成形工程を含んでおれば十分である。また、本発明の成形方法は、しわの発生、形成を抑制するものであるが、同時に縮み変形を受ける仮縦壁部や仮フランジ部の圧縮応力も緩和することができるので、これに起因するねじれなどの変形や寸法精度不良をも抑制することができる。
また、上記実施形態は、複合湾曲状チャンネル部材を対象として説明したが、単純湾曲状チャンネル部材でも同様に本発明を適用することができる。さらに、図28に示すように、湾曲状チャンネル部の断面中心が縦壁部と平行な平面(「縦平面」という。)内で湾曲した複合湾曲状チャンネル部材、単純湾曲状チャンネル部材に対しても本発明を適用することができる。この場合、湾曲状チャンネル部1cの対向する左右の縦壁部12、フランジ部13が縮み変形を受けるため、仮成形体の左右の仮縦壁部に本発明に係るビードを形成すればよく、また図19のβc、βsの角度制御も仮成形体の左右の仮第1曲げ部の曲げ角に適用すればよい。
1c:湾曲状チャンネル部、1s:直線状チャンネル部、11:横壁部、12:縦壁部、13:フランジ部、14:第1曲げ部、15:第2曲げ部、1ca:仮湾曲状チャンネル部、1sa:仮直線状チャンネル部、11a:仮横壁部、12a:仮縦壁部、12oa:湾曲外側の仮縦壁部、13a:仮フランジ部、21:ビード、θpa:第1曲げ部の曲げ角、βc:仮湾曲状チャンネル部の湾曲外側の第1曲げ部の曲げ角、βs:仮直線状チャンネル部の湾曲外側の第1曲げ部の曲げ角

Claims (4)

  1. 横壁部の両側に第1曲げ部を介して縦壁部が形成され、前記縦壁部の他端に第2曲げ部を介してフランジ部が形成された縦断面形状を有し、断面中心線が湾曲状とされた湾曲状チャンネル部を備えた湾曲状チャンネル部材の成形方法であって、
    前記湾曲状チャンネル部材の横壁部、第1曲げ部、縦壁部、第2曲げ部及びフランジ部にそれぞれ対応する仮横壁部、仮第1曲げ部、仮縦壁部、仮第2曲げ部及び仮フランジ部を有し、前記仮横壁部と仮縦壁部とのなす角θpaが前記横壁部と縦壁部とのなす角θpよりも大きく設定された仮成形体を金属素板から曲げ成形する第1成形工程と、
    前記仮成形体から前記湾曲状チャンネル部材を曲げ成形する第2成形工程を備え、
    前記仮成形体は、前記湾曲状チャンネル部に対応した仮湾曲状チャンネル部において縮み変形を受ける側の仮縦壁部に、前記仮縦壁部の仮横壁部側上部から仮フランジ部側下部に沿って前記仮縦壁部の平坦面から外方に膨れたビードが一個又は複数個形成され、前記ビードの仮横壁部側上部が仮フランジ部側下部に対して前記平坦面からの高さが高く形成された、湾曲状チャンネル部材の成形方法。
  2. 前記仮縦壁部の平坦面からの高さが最も高い、前記ビードの最高部が前記仮縦壁部の長さをLとするとき、前記仮縦壁部の上端からL/4の間に配置され、前記仮縦壁部の平坦面からの高さが最も低い、前記ビードの最低部が前記仮縦壁部の平坦面からの高さがゼロとされ、かつ前記仮縦壁部の下端からL/4の間に配置された、請求項1に記載した湾曲状チャンネル部材の成形方法。
  3. 前記湾曲状チャンネル部に対応した前記仮成形体の仮湾曲状チャンネル部の中央部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角βcが、前記仮湾曲状チャンネル部の周方向端部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角βeよりも小さく設定された、請求項1又は2に記載した湾曲状チャンネル部材の成形方法。
  4. 前記湾曲状チャンネル部材は、前記湾曲状チャンネル部の両側に断面中心線が直線状とされた直線状チャンネル部を有し、前記直線状チャンネル部に対応した前記仮成形体の仮直線状チャンネル部における仮横壁部と縮み変形を受ける側の仮縦壁部とのなす角をβsとするとき、前記βeが前記βsよりも小さく設定された、請求項1から3のいずれか1項に記載した湾曲状チャンネル部材の成形方法。
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