JP2019093435A - 金型形状決定方法 - Google Patents

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【課題】断面が略L字形状を有する成形部材のスプリングバックを抑制して成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法を提供する。【解決手段】本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部3と第2片部5を有し断面が略L字形状となる成形部材1を成形する金型の形状を決定するものであって、前記山形状の稜線Lに交差する複数の断面を設定し、該複数の断面それぞれに成形部材1の断面形状を設定する断面形状設定工程P1と、該複数の断面形状を稜線Lに沿って補間し、成形部材1の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程P3と、該決定した成形部材1の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程P5とを有し、断面形状設定工程P1は、離型後に第1片部3と第2片部5のなす角度θ0が目標角度となるように前記複数の断面形状を設定することを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属素板を山形状に屈曲させて断面が略L字形状を有する成形部材を、離型後に前記屈曲の曲げ角度が目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法に関する。
近年、環境問題に起因した自動車車体の軽量化のため、自動車部品に高強度鋼板が多用されつつある。自動車部品の製作には、製作コストに優れたプレス成形が用いられることが多い。しかし、高強度鋼板は低強度な鋼板と比較して成形後の弾性回復(スプリングバック)が大きく、目的の形状の自動車部品をプレス成形によって得ることを困難にしている。したがって、高強度鋼板を使用した自動車部品のスプリングバックを抑制するためのプレス成形方法の開発が強く要求されている。
プレス成形した成形部材に生じるスプリングバックの一例として、図10に示すように第1片部43と第2片部45とが屈曲部47を介して連続する断面が略L字形状を有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する成形部材41を金型により成形すると、離型後において第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0が増加するものがある。
このようなスプリングバックを抑制してプレス成形する技術として、例えば非特許文献1には、ハット形断面形状を有するメンバー類(自動車部品)の寸法精度を得るために、成形工程に加えてリストライク工程を取り入れ、該リストライク工程で成形する曲げ部の曲げ半径を成形工程で成形する曲げ部の曲げ半径よりも小さくすることで、成形工程で成形された曲げ部の一部をリストライク工程でウェブ、フランジに曲げ戻し、前記曲げ部を内向きに閉じる角度変化(スプリングゴー要素)を発生させることにより、前記曲げ部の角度変化の改善を図り、スプリングバックを抑制する方法が開示されている。
また、特許文献1には、コの字型断面形状またはVの字型断面形状を有するプレス成形部品について、コの字またはVの字を形成する面部と面部の間を繋ぐ繋ぎ部を、断面形状が曲線からなる2つ以上の曲線部と断面形状が直線からなる1つ以上の直線部となるように面取りすることで、プレス成形後の前記直線部に残留する応力がスプリングゴーの要因となり、繋ぎ部における角度変化量を小さくしてスプリングバックを抑制する方法が開示されている。
特許4992048号公報
薄鋼板成形技術研究会編、プレス成形難易ハンドブック(第4版)、日刊工業新聞社、2017年、p.319
非特許文献1および特許文献1に開示されているように、金属素板を山形状に屈曲させて、断面が略L字形状となる成形部材において、該断面が略L字形状の片部と片部とを接続する部位のスプリングバックによる角度変化を抑制するためには、前記接続する部位にスプリングゴー成分とスプリングバック成分を混在させ、両者を打ち消して角度変化を抑える方法が有効である。
しかしながら、非特許文献1に開示されている方法は、成形工程に加えてリストライク工程を必要とし、1度のプレス成形では寸法精度を満たす成形部材を成形することができないため、生産性低下の問題がある。また、特許文献1に開示される方法は、最終製品形状に制約があるため、製品仕様上、繋ぎ部形状に設計変更が認められない場合には適用できない上、引張強度が1180MPaを越えるような高張力鋼板を用いた場合では、プレス機の能力によってはプレス荷重が不足し、前記繋ぎ部に付与する直線部を十分に直線状に成形できないという課題があった。
さらに、非特許文献1および特許文献1に開示されている方法は、山形状に屈曲させて断面が略L字形状となる成形部材において、長手方向に沿って湾曲する部位を有する場合や、前記屈曲の曲げ角度(前記略L字形状の片部と片部とがなす角度)が長手方向に沿って変化する部位を有する場合には、湾曲による縮みフランジまたは伸びフランジの影響が加わり、長手方向の変化する部位への対処が複雑で適用することが困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、金属素板を山形状に屈曲させて断面が略L字形状となる成形部材を、離型後に前記屈曲の曲げ角度が目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、スプリングバックによる角度の変化を防止するため、前記成形部材に複数の断面形状を設定し、該設定した複数の断面形状のそれぞれに、成形下死点における第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2とを設定することにより、離型後において、前記複数の断面のそれぞれにおいて第1片部と第2片部のなす角度θ0が目標角度θaになる手段であって、成形下死点における第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2とを設定した前記複数の断面形状に基づいて金型の形状を決定することで、該金型を用いて成形した成形部材の離型後におけるスプリングバックが防止できるわけである。
ここで、成形部材に設定した断面形状の金型離型後における第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とを相殺させるため、変更可能な因子として以下の(a)〜(d)が挙げられる。
(a)成形下死点における第1屈曲部の曲率半径R1
(b)成形下死点における第2屈曲部の曲率半径R2
(c)成形下死点における第1屈曲部の曲げ角度α1
(d)成形下死点における第2屈曲部の曲げ角度α2
また、対象となる形状には、以下の(i)および(ii)が挙げられる。
(i)第2片部に第2屈曲部がある場合
(ii)第1片部に第2屈曲部がある場合
なお、第1屈曲部を目標形状あるいは製品形状とする必要がある場合は、上記(a)、(c)を求めることになるため、上記(b)、(d)について(i)と(ii)の場合を変更因子として扱うことになる。
本願では、上述の(a)、(b)について検討した。
なお、本発明は、断面が略L字形状の片部に、スプリングバックの抑制に伴う塑性曲げが残る場合も含む。
(1)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
(2)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
(3)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
(4)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記成形部材は、長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有し、前記断面形状設定工程は、前記湾曲部における断面形状を少なくとも1つ設定することを特徴とするものである。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記成形部材は、前記山形状の稜線に沿って前記略L字形状の屈曲の曲げ角度が変化する部位を有し、前記断面形状設定工程は、少なくとも、前記曲げ角度の変化する部位の前記稜線に沿った方向の両端位置における断面形状を設定し、前記曲げ角度の変化する部位において前記曲げ角度が極値を有する場合には、該極値となる位置における断面形状をさらに設定することを特徴とするものである。
本発明においては、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求めて設定することにより、離型後におけるスプリングバックを抑制して形状凍結性に優れた成形部材を1度のプレス成形で能率よく成形することができる金型の形状を決定することができる。さらには、前記成形部材が長手方向に沿って湾曲する部位を有する場合や、前記屈曲の曲げ角度が前記成形部材の長手方向に沿って変化する部位を有する場合においても、前記成形部材の離型後におけるスプリングバックを抑制して成形することができる金型の形状を決定することができる。
本実施の形態に係る金型形状決定方法において、金型の形状を決定する手順を示すフロー図である。 本実施の形態に係る金型形状決定方法において、成形部材の成形下死点における形状を説明する図である((a)斜視図、(b)断面図)(その1)。 本実施の形態に係る金型形状決定方法において、成形部材の成形下死点における形状を説明する図である((a)斜視図、(b)断面図)(その2)。 本実施の形態に係る成形部材の稜線に交差する断面と、該断面における断面形状を説明する図である((a)上面図、(b)斜視図)。 本実施の形態に係る金型形状決定方法において、断面形状を補間して決定された成形部材の成形下死点における形状を示す図である。 本発明の実施形態1において、第1屈曲部の曲げ角度と、第2屈曲部の曲率半径および曲げ角度とを与えて、第1屈曲部の曲率半径を求める手順を示すフロー図である。 実施形態1および実施形態2において、金属素板を屈曲させた屈曲部の成形下死点における曲率半径と、成形下死点における曲げ角度および離型後における曲げ角度を説明する図である。 実施形態1および実施形態2において、金属素板を屈曲させた屈曲部の曲率半径と曲げ角度の角度比の関係を示すグラフである。 実施形態2において、第1屈曲部の曲率半径および曲げ角度と、第2屈曲部の曲げ角度とを与えて、第2屈曲部の曲率半径を求める手順を示すフロー図である。 従来のプレス成形方法により成形する断面が略L字形状を有する成形部材に生じるスプリングバックを説明する図である。
本発明の実施の形態に係る金型形状決定方法は、図10に一例として示すような、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部43と第2片部45とが屈曲部47を介して接続し断面が略L字形状となる成形部材41に成形するに際し、第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものである。
前述のとおり、成形部材41は、その離型後に第1片部43と第2片部45のなす角度θ0が増加するスプリングバックが生じる。そこで、本実施の形態に係る金型形状決定方法では、成形下死点において図2に示す形状の成形部材1を成形する金型の形状を決定することで、成形部材1の離型後における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0が目標角度となるようにする。
成形部材1は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部3と第2片部5とを有し断面が略L字形状となるものであり、成形部材1の成形下死点における形状は、図2に示すように、第1片部3から連続する第1屈曲部7と、第1屈曲部7から連続して第2片部5に接続する第2屈曲部9とを有する。そして、第1屈曲部7は、前記略L字形状の屈曲、すなわち成形部材41の屈曲部47(図10)と同一方向に屈曲し、屈曲部47と曲率が等しく屈曲部47よりも曲げ角度が大きく設定されているのに対し、第2屈曲部9は、第1屈曲部7と反対方向に屈曲するように曲率と曲げ角度が設定されている。
ここで、屈曲部47の曲げ角度や、第1屈曲部7および第2屈曲部9の曲げ角度とは、それぞれの屈曲した部位の円弧の中心角に相当するものである。
なお、対象とする成形部材41が、図10に示すように、平面視で長手方向に沿って湾曲し、山形状の稜線Lが前記湾曲に沿った形状である場合、成形部材1の成形下死点における形状は、図2に示すように、稜線Lを含む第1屈曲部7と第1屈曲部7に連続する第2屈曲部9とが稜線Lに沿った形状にすればよい。
また、成形部材41の第1片部43と第2片部45のなす角度θ0が成形部材41の長手方向に沿って一定である場合、成形部材1の成形下死点における形状としては、第1屈曲部7と第2屈曲部9それぞれの曲率および曲げ角度を長手方向に沿って一定に設定すればよい。
さらに、本発明は、成形下死点において図3に示す形状の成形部材11を成形する金型の形状を決定するものであってもよい。成形部材11は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部13と第2片部15を有し断面が略L字形状となるものであり、成形部材11の成形下死点における形状は、図3に示すように、第2片部15から連続する第1屈曲部17と、第1屈曲部17から連続して第1片部13に接続する第2屈曲部19とを有する。そして、第1屈曲部17は、前記略L字形状の屈曲(図10の屈曲部47)と同一方向に屈曲し、屈曲部47と曲率が等しく屈曲部47よりも曲げ角度が大きく設定されているのに対し、第2屈曲部19は、第1屈曲部17と反対方向に屈曲するように曲率と曲げ角度が設定されている。
以下、特に断りがない場合は、成形下死点において図2に示す形状の成形部材1を成形する金型の形状を決定する場合について、本実施の形態に係る金型形状決定方法を説明する。
本実施の形態に係る金型形状決定方法は、図2に示すような、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部43と第2片部45とで断面が略L字形状を有する成形部材41を、第1片部43と第2片部45のなす角度θ0が目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、図1に示すように、断面形状設定工程P1と、成形下死点形状決定工程P3と、金型形状決定工程P5とを有するものである。以下、上記の各工程について説明する。
<断面形状設定工程>
断面形状設定工程P1は、成形部材1について前記山形状の稜線Lに沿う複数の位置に稜線Lに交差する断面を設定し、該設定した断面毎に成形部材1の成形下死点における断面形状を設定する工程であり、図4(a)においては、成形部材1について前記山形状の稜線Lに沿う複数の位置に稜線Lに直交する複数の断面Ca、Cb、Ccが設定され、図4(b)に示すように、設定した断面Ca、Cb、Cc毎に成形部材1の成形下死点における断面形状Sa、Sb、Scが設定されている。
そして、断面形状Sa、Sb、Scには、図5(a)に示すように、第1屈曲部7a、7bおよび7cと第2屈曲部9a、9bおよび9cがそれぞれ設定されている。
第1屈曲部7a、7bおよび7cは、第1片部3から連続し、成形部材1の前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きくなるように設定されている。一方、第2屈曲部9a、9bおよび9cは、第1屈曲部7a、7bおよび7cからそれぞれ連続し、第1屈曲部7a、7bおよび7cと反対方向に屈曲して第2片部5に連続するように設定されている。
さらに、断面形状設定工程P1は、各断面形状Sa、SbおよびScについて、第1屈曲部7a、7bおよび7cそれぞれの成形下死点における曲げ角度α1から離型後における曲げ角度β1への弾性回復による曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と、第2屈曲部9a、9bおよび9cそれぞれの成形下死点における曲げ角度α2から離型後における曲げ角度β2への弾性回復による曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが相殺されることで、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の離型後における角度変化が防止されて目標角度θaとなるように、成形下死点における第1屈曲部7a、7b、7cの曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9a、9bおよび9cの曲げ角度α2と曲率半径R2から、成形下死点における第1屈曲部7a、7bおよび7cの曲率半径R1を断面形状Sa、SbおよびSc毎に求める。あるいは、成形下死点における第1屈曲部7a、7b、7cの曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9a、9bおよび9cの曲げ角度α2から、成形下死点における第2屈曲部9a、9bおよび9cの曲率半径R2を断面形状Sa、SbおよびSc毎に求める。
成形下死点における第1屈曲部7a、7bおよび7cの曲率半径R1を求める具体的な手順は後述の実施形態1に、成形下死点における第2屈曲部9a、9bおよび9cの曲率半径R2を求める具体的な手順は後述の実施形態2にて具体的に説明する。
<成形下死点形状決定工程>
成形下死点形状決定工程P3は、図5(b)に示すように、断面形状設定工程P1で設定した複数の断面形状Sa、SbおよびScを稜線Lに沿って補間し、成形部材1の成形下死点における形状を決定する工程である。
複数の断面形状Sa、SbおよびScの補間には、例えばスプライン補間を用いることができる。もっとも、補間アルゴリズムは、スプライン補間に限らず、ラグランジュ補間やニュートン補間など、断面形状を稜線に沿って滑らかに補間できるものであればよい。
また、成形部材1の成形下死点における形状を決定するにあたり、長手方向に沿った稜線Lの両端位置を予め設定して、断面形状Sa、SbおよびScを補間してもよい。
<金型形状決定工程>
金型形状決定工程P5は、成形下死点形状決定工程P3で決定した成形部材1の成形下死点における形状(図5(b))に基づいて、金型の形状を決定する工程である。
金型の形状は、例えば金属素板の板厚や金型とのクリアランスを考慮して決定することができる。
上記のように、稜線Lに交差する断面形状Sa、SbおよびScに第1屈曲部7a、7bおよび7cと第2屈曲部9a、9bおよび9cをそれぞれ設定して決定した成形部材1の成形下死点における形状に基づいて金型の形状を決定することで、以下に述べる作用効果を奏する。なお、以下の説明では、断面形状Saに第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定した場合についてのものであるが、断面形状SbおよびScについても、同様の作用効果を奏する。
断面形状Saにおいて、第1屈曲部7aと第2屈曲部9aは、互いに屈曲の向きが反転しているため(図2参照)、第1屈曲部7aと第2屈曲部9aは、離型後において互いに反する向きに弾性回復による角度変化を生じる。
ここで、第1屈曲部7aは目標角度と同じ方向に屈曲しているため、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1から離型後における曲げ角度β1への変化は、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を増加させるスプリングバック成分となる。これに対し、第2屈曲部9aは第1屈曲部7aと反対方向に屈曲しているため、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2から離型後における曲げ角度β2への変化は、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を減少させるスプリングゴー成分となる。
これにより、離型後の断面形状Saにおいて、第1屈曲部7aのスプリングバック成分と第2屈曲部9aのスプリングゴー成分を相殺することができれば、すなわち、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とを等しくすれば、断面形状Saにおいて第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の角度変化が防止されて目標角度θaとなり、スプリングバックによる曲げ角度の変化を防止できる。
断面形状Sbにおいても、断面形状Saと同様、第1屈曲部7bと第2屈曲部9bとを設定し、離型後における第1屈曲部7bの角度変化と第2屈曲部9bの角度変化とを等しくすることで、断面形状Sbにおいても第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の角度変化を防止できる。また、断面形状Scにおいても、第1屈曲部7cと第2屈曲部9cとを設定し、離型後における第1屈曲部7cの角度変化と第2屈曲部9cの角度変化とを等しくすることで、断面形状Scにおいても第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の角度変化を防止できる。
そして、このように設定された断面形状Sa、SbおよびScを稜線Lに沿って補間し、成形部材1の成形下死点における形状を決定することで、離型後における成形部材1全体のスプリングバックを防止することができる金型の形状を決定することができる。
なお、図3に示すような、第1片部13と第2片部15を有し断面が略L字形状となる成形部材11を成形する金型の形状を決定する場合においても、成形下死点において、第2片部15から連続し、前記略L字形状の屈曲(図10中の屈曲部47)と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部17と、第1屈曲部17から連続し、第1屈曲部17と反対方向に屈曲して第2片部15と接続する第2屈曲部19とを設定することで、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の角度変化が防止されて目標角度θaとなり、成形部材11におけるスプリングバックを防止することができる。
次に、断面形状設定工程P1において、成形下死点における第1屈曲部7a、7bおよび7cの曲率半径R1を求める手順を実施形態1に、成形下死点における第2屈曲部9a、9bおよび9cの曲率半径R2を求める手順を実施形態2に説明する。
[実施形態1]
断面形状設定工程P1において、図2と図5を参照し、断面形状Saに第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定するにあたり、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1は、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2と曲げ角度α2を与えることによって、図6に示すステップS1からステップS9の手順に従って求めることができる。以下、金属素板として鋼板強度980MPa級の鋼板を用いて図2に示す成形部材1を成形するに際し、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=120°に成形する場合を例として、ステップS1からステップS9の各ステップを説明する。
なお、以下の説明は、断面形状Saに設定する第1屈曲部7aの曲率半径R1を求めるものであるが、断面形状Sbに第1屈曲部7bと第2屈曲部9bを設定する場合や、断面形状Scに第1屈曲部7cと第2屈曲部9cを設定する場合においても、同様の手順により第1屈曲部7bおよび7cそれぞれの曲率半径R1を求めることができる。さらには、図3に示すように第2屈曲部19が第1片部13に接続する成形部材11についても、同様の手順により、成形下死点における第1屈曲部17の曲率半径R1を求めることができる。
<ステップS1>
ステップS1においては、金属素板の板厚および応力ひずみ関係を用いて、図7に示すように、ダイ23とパンチ25を備えた金型21により金属素板31を屈曲させて成形し、成形下死点における屈曲部33の曲率半径Rと、成形下死点における屈曲部33の曲げ角度αと離型後における曲げ角度βの角度比β/αとの関係を取得する。
図8に、金属素板31として引張強度980MPa級、板厚1.4mmの鋼板を屈曲させた屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αの関係を示す。
図8は、公知の参考文献(塑性加工学会編:「曲げ加工」、コロナ社(1995年)、p.23)に基づいて理論計算により取得した例であり、当該理論計算において、屈曲部33の角度比β/αは、参考文献中の式(1.46)を変形した以下の式(1)により算出される。
Figure 2019093435
ここで、nは加工硬化係数であり、λeは以下の式(2)(上記参考文献中の式(1.17))で与えられる。
Figure 2019093435
ここで、rは板厚中央面の曲率半径(=屈曲部33の曲率半径R)、t0は板厚、σは降伏応力、Eはヤング率であり、図8に示す曲率半径Rと角度比β/αの関係は、板厚t0=1.4mm、降伏応力σ=850MPa、ヤング率E=210GPa、加工硬化係数n=0.12を式(1)および式(2)に代入して求めたものである。
なお、屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係は、上記の理論計算により取得するものに限らず、例えば、屈曲部33を成形下死点まで成形する成形解析(図7(a)から(b)の工程)と、該成形した屈曲部33を金型21から離型した後のスプリングバック解析(図7(b)から(c)の工程)を有限要素解析により実施するものであってもよい。
有限要素解析により屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αの関係を取得する場合、金属素板31の種類(鋼板を用いる場合においては鋼種)と板厚t0を一定とし、成形下死点における屈曲部33の曲率半径Rと成形下死点(金型形状)の曲げ角度αを様々に変化させて成形解析およびスプリングバック解析を行えばよい。なお、有限要素解析においては、金属素板31の幅(紙面に対して奥行方向の長さ)は問題とならず、任意の値を適宜設定することができる。
さらに、上述の有限要素解析によらず、実際の実験において、屈曲部33の曲率半径Rと成形下死点(金型形状)の曲げ角度αを変更し、離型後の曲げ角度βを求めて、屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を取得してもよい。
<ステップS3>
ステップS3においては、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
なお、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0は、第1屈曲部7aの曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係から、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2とは、θ0=π−α1+α2の関係になる。
本実施形態1では、上記の関係から、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=120°とするには、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1=100°を与えると、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2=40°となる。さらに、第2屈曲部9aの曲率半径R2=60mmを与えた。
<ステップS5>
ステップS5においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β2を求める。
本実施形態1では、離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β2は、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2=60mm、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度がα2=40°であるので、図7に示す曲率半径Rと角度比β/αとの関係から、離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β2=α2×0.45=18°となる。
<ステップS7>
スプリングバックによる角度の変化を防止するには、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが相殺すればよく、すなわち等しくなればよい。そこで、ステップS7においては、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2および離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β2と、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1とを用いて、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが等しくなるように、第1屈曲部7aの離型後における曲げ角度β1を算出する。
本実施形態1では、第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)は、Δγ2=40−18=22°であり、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1は100°であるので、Δγ2=22°=Δγ1=α1―β1=100−β1の関係から、離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β1は、78°となる。
<ステップS9>
ステップS9においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1を求める。
本実施形態1では、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1は100°であり離型後における曲げ角度β1は78°であるので、角度比β1/α1は、78/100=0.78であり、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1は、図7の関係からR1=20mmと求まる。
以上、本実施形態1に係る断面形状設定工程P1においては、成形部材1の成形下死点における断面形状Saについて、第1屈曲部7aの曲げ角度α1=100°と、第2屈曲部9aの曲率半径R2=60mmと曲げ角度α2=40°を与えることにより第1屈曲部7aの曲率半径R1=20mmと求められ、該求めた曲率半径と曲げ角度を用いて第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定することで、金型離型後の第1屈曲部7aの角度変化と第2屈曲部9aの角度変化が相殺され、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を目標角度θa=120°とすることができる断面形状Saが設定される。
[実施形態2]
断面形状設定工程P1において、断面形状Saに第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定するにあたり、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2は、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2を与えることによって、図9に示すステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることができる。以下、金属素板として鋼板強度980MPa級の鋼板を用いて図2に示す成形部材1を成形するに際し、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=105°に成形する場合を例として、ステップS1およびステップS13からステップS19の各ステップを説明する。
なお、以下の説明は、断面形状Saに設定する第2屈曲部9aの曲率半径R2を求めるものであるが、断面形状Sbに第1屈曲部7bと第2屈曲部9bを設定する場合や、断面形状Scに第1屈曲部7cと第2屈曲部9cを設定する場合においても、同様の手順により第1屈曲部7bおよび7cそれぞれの曲率半径R1を求めることができる。さらには、図3に示すように第2屈曲部19が第1片部13に接続する成形部材11についても、同様の手順により、成形下死点における第2屈曲部19の曲率半径R2を求めることができる。
<ステップS1>
上述の実施形態1と同様に、ステップS1においては、金属素板の板厚および応力ひずみ関係を用いて、図7に示すように、ダイ23とパンチ25を備えた金属素板31を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部33の曲率半径Rと、成形下死点における屈曲部33の曲げ角度αと離型後における曲げ角度βの角度比β/αとの関係を取得する。
図8に、金属素板31として引張強度980MPa級、板厚1.4mm、降伏応力σ=850MPa、ヤング率E=210GPa、加工硬化係数n=0.12の鋼板を屈曲させた屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αの関係を示す。
<ステップS13>
ステップS13においては、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1および曲げ角度α2と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2を与える。
なお、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0は、第1屈曲部7aの曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係から、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2とは、θ0=π−α1+α2の関係になる。
本実施形態2では、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1=90°を与えると、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2=15°となる。また、第1屈曲部7aの曲率半径R1=15mmを与えた。
<ステップS15>
ステップS15においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係とを用いて、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1を求める。
本実施形態2では、離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1は、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1=15mm、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1=90°であるので、図8に示す曲率半径Rと角度比β/αとの関係から、離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1=α1×0.84=75.6°となる。
<ステップS17>
スプリングバックによる角度の変化を防止するには、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが相殺すればよく、すなわち等しくなればよい。そこで、ステップS17においては、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1および離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2とを用いて、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが等しくなるように、第2屈曲部9aの離型後における曲げ角度β2を算出する。
本実施形態2では、第1屈曲部7aの曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)は、Δγ1=90−75.6=14.4°であり、第2屈曲部9aの曲げ角度α2は15°であるので、Δγ1=Δγ2=14.4°=α2―β2=15−β2から、第2屈曲部9aの離型後における曲げ角度β2は、0.6°となる。
<ステップS19>
ステップS19においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αの関係とを用いて、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2と離型後における第2屈曲部9aの曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2を求める。
本実施形態2では、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2は15°であり離型後における曲げ角度β2は0.6°であるので、角度比β2/α2は、0.6/15=0.04であり、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2は、図8よりR2=113mmと求まる。
以上、本実施形態2に係る断面形状設定工程P1においては、成形部材1の成形下死点における断面形状Saについて、第1屈曲部7aの曲率半径R1=15mm、曲げ角度α1=100°と、第2屈曲部9aの曲げ角度α2=15°を与えることにより、第2屈曲部9aの曲率半径R1=113mmと求められ、該求めた曲率半径と曲げ角度を用いて第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定することで、金型離型後の第1屈曲部7aの角度変化と第2屈曲部9aの角度変化が相殺され、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を目標角度θa=105°とすることができる断面形状Saが設定される。
なお、上記の実施形態1および実施形態2において、各断面形状Sa、SbおよびScについて第2屈曲部9a、9bおよび9cを塑性変形領域で屈曲した形状に設定すると、断面形状Sa、SbおよびScを補間して成形部材1の成形下死点における形状を決定した場合、離型後において第2屈曲部9の形状が残ってしまう。
そこで、各断面形状Sa、SbおよびScについて、成形下死点における第2屈曲部9を弾性変形領域で屈曲させた形状と設定することで、離型後に弾性回復させて第2屈曲部9の形状が残らないようにすることができて好ましい。
例えば、断面形状Saに設定する第2屈曲部9aを弾性変形領域で屈曲させた形状とするためには、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2を弾性変形領域以上の値(図8に示す曲率半径Rと角度比β/αの関係においてはR=117mm以上)とし、かつ、目標角度θaと成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2との関係がθa=α1+α2を満たすようにすることで、離型後の第2屈曲部9aを平面状に弾性回復させることができる。なお、弾性変形領域は金属素板の種類によって異なるため、成形下死点における第2屈曲部9aの曲率半径R2には、各金属素板において取得した曲率半径Rと角度比β/αの関係において弾性変形領域の値を設定すればよい。
また、θa=α1+α2とする理由は以下のとおりである。各断面形状において、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2がスプリングバックにより角度差Δα2だけ弾性変形で戻ると離型後の第2屈曲部9の曲げ角度β2は0°となるため、β2=α2−Δα2=0からα2=Δα2となる。他方、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1は角度差Δα1だけ弾性変形で増加して離型後の第1屈曲部7の曲げ角度β1となり、β1=α1+Δα1となる。そして、離型後に目標角度θaとなるには、スプリングバック(弾性変形)による戻り角度差Δα1とスプリングバック(弾性変形)により増加する角度差Δα2が等しくする必要がある。
その結果、β1=α1+Δα1=α1+Δα2=α1+α2が成り立ち、しかも、離型後の第1屈曲部7の曲げ角度β1は、スプリングバックがない状態、すなわち目標角度θaにする必要があることから、β1=θa=α1+α2となる。
以上から、この条件『θa=α1+α2』と、β2/α2が弾性域となる第2屈曲部9の曲率半径R2が成り立てば、弾性変形を加えることでスプリングバックを防止できることになる。
また、上記の実施形態1のステップS3または実施形態2のステップS13において、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1の代わりに、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0が与えられた場合は、第1屈曲部7の曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係(θ0=π−α1+α2)から、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2を用いて、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1を求めてもよい。
さらに、上記の実施形態1のステップS3または実施形態2のステップS13において、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2の代わりに、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0が与えられた場合、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1を用いて、第1屈曲部7の曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係(θ0=π−α1+α2)から、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2を求めてもよい。
なお、上記の実施形態1および実施形態2では、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=120°または105°に成形するものを例示したが、本発明に係る金型形状決定方法において、成形部材41の目標角度はこの値に限るものではなく、成形対象とする成形部材の形状に併せて適宜設定すればよい。
さらに、本発明によれば、従来の金型では、スプリングバックを抑制して成形することが困難であった目標角度90°で成形することができる金型の形状を決定することができる。
すなわち、従来の金型を用いて図10に示すような屈曲部47を介して第1片部43と第2片部45が接続し断面が略L字形状となる成形部材41を成形するに際し、第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0を目標角度90°で成形しようとする場合、スプリングバックを見込んで第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0を設定すると成形下死点における角度θ0は90°未満の負角となり、成形後に成形部材を金型(パンチ)から抜き取ることが困難となった。
これに対し、本発明に係る金型形状決定方法によれば、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0が目標角度(=90°)を維持するように、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1および曲げ角度α1と第2屈曲部9の曲げ角度α2から第2屈曲部9の曲率半径R2を求めるため、あるいは、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と第2屈曲部9の曲率半径R2および曲げ角度α2から第1屈曲部7の曲率半径R1を求めるため、成形下死点においても第1片部3と第2片部5のなす角度θ0が90°未満の負角とならずに成形部材1のスプリングバックを抑制して成形することができる金型の形状を決定することができる。
また、上記の説明は、成形対象とする成形部材1が長手方向の全体に亘って湾曲するものであったが、本発明に係る金型形状決定方法は、長手方向に沿ってその一部が湾曲する湾曲部を有する成形部材や、長手方向に沿って直線状の成形部材を成形する金型の形状を決定するものであってもよい。
もっとも、長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有する成形部材を対象とする場合、断面形状設定工程P1で設定する複数の断面形状は、少なくとも前記湾曲部に断面形状を1つ設定することが好ましく、前記湾曲部における湾曲の曲率に合わせて設定する断面形状の数を適宜調整することで、成形部材のスプリングバックを防止することができる金型の形状を精度良く決定することができる。
さらに、上記の説明では、成形部材1の屈曲の曲げ角度(第1片部3と第2片部5のなす角度θ0)が長手方向に沿って一定、すなわち、長手方向に沿って設定した複数の断面形状Sa、SbおよびScが同一形状のものであったが、本実施の形態に係る金型形状決定方法は、長手方向にわたって屈曲の曲げ角度が一定ではない場合にも適用することが可能である。この場合、断面形状設定工程P1では、少なくとも、曲げ角度の変化する部位の稜線Lに沿った方向の両端位置に断面形状を設定することが好ましく、曲げ角度の変化する部位において曲げ角度が極小及び/又は極大となる極値を有する場合には、該極値となる位置に断面形状をさらに設定することが望ましい。このように断面形状を設定することで、各断面形状における曲げ角度が滑らかに変化するように各断面形状を補間することができる。
なお、上記の説明では、図2に示すように、第1片部3と第2片部5とからなる断面が略L字形状の成形部材1を例として挙げていたが、本発明で成形対象とする成形部材はこれに限るものではなく、例えばハット断面形状やコ字断面形状の成形部材のように、金属素板を山形状に屈曲させて断面が略L字形状を含むものであればよく、長手方向において局所的に断面が略L字形状を有する成形部材であってもよい。
長手方向において局所的に断面が略L字形状を有する成形部材においても、当該断面が略L字形状を有する部位について、前記屈曲と同一方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部と反対方向に屈曲する第2屈曲部をそれぞれ局所的に形成するような金型の形状を決定することで、局所的なスプリングバックについても適切に抑制することができる。
また、本発明に係る金型形状決定方法は、成形部材1(図2)や成形部材11(図3)をフォーム成形又はドロー成形のいずれかで成形する場合であっても、成形部材1または成形部材11の離型後におけるスプリングバックを適切に抑制することができる金型の形状を決定することができる。
1 成形部材
3 第1片部
5 第2片部
7 第1屈曲部
7a、7b、7c 各断面形状における第1屈曲部
9 第2屈曲部
9a、9b、9c 各断面形状における第2屈曲部
11 成形部材
13 第1片部
15 第2片部
17 第1屈曲部
19 第2屈曲部
21 金型
23 ダイ
25 パンチ
31 金属素板
33 屈曲部
41 成形部材
43 第1片部
45 第2片部
47 屈曲部
Ca、Cb、Cc 断面
L 稜線
Sa、Sb、Sc 断面形状
(3)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
(4)本発明に係る金型形状決定方法は、金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定するものであって、前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、前記断面形状設定工程は、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とするものである。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
本実施形態1では、第2屈曲部9aの曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)は、Δγ2=40−18=22°であり、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1は100°であるので、Δγ2=22°=Δγ1=α1―β1=100−β1の関係から、離型後における第1屈曲部7aの曲げ角度β1は、78°となる。
<ステップS13>
ステップS13においては、成形下死点における第1屈曲部7aの曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2を与える。
なお、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0は、第1屈曲部7aの曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係から、成形下死点における第1屈曲部7aの曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部9aの曲げ角度α2とは、θ0=π−α1+α2の関係になる。
以上、本実施形態2に係る断面形状設定工程P1においては、成形部材1の成形下死点における断面形状Saについて、第1屈曲部7aの曲率半径R1=15mm、曲げ角度α1=100°と、第2屈曲部9aの曲げ角度α2=15°を与えることにより、第2屈曲部9aの曲率半径R2=113mmと求められ、該求めた曲率半径と曲げ角度を用いて第1屈曲部7aと第2屈曲部9aを設定することで、金型離型後の第1屈曲部7aの角度変化と第2屈曲部9aの角度変化が相殺され、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を目標角度θa=105°とすることができる断面形状Saが設定される。

Claims (6)

  1. 金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法であって、
    前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、
    該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、
    該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、
    前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めることを特徴とする金型形状決定方法。
    (S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
    (S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
    (S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
    (S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
    (S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
  2. 金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法であって、
    前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、
    該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、
    該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、
    前記断面形状設定工程は、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めることを特徴とする金型形状決定方法。
    (S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
    (S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
    (S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
    (S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
    (S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
  3. 金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法であって、
    前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、
    該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、
    該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、
    前記断面形状設定工程は、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とする金型形状決定方法。
    (S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
    (S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
    (S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
    (S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
    (S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
  4. 金属素板を山形状に屈曲させて、第1片部と第2片部を有し断面が略L字形状となる成形部材を、前記第1片部と前記第2片部のなす角度を目標角度となるように成形する金型の形状を決定する金型形状決定方法であって、
    前記成形部材について前記山形状の稜線に沿う複数の位置に該稜線に交差する断面を設定し、該設定した断面毎に前記成形部材の成形下死点における断面形状を設定する断面形状設定工程と、
    該設定した複数の断面形状を前記稜線に沿って補間し、前記成形部材の成形下死点における形状を決定する成形下死点形状決定工程と、
    該決定した前記成形部材の成形下死点における形状に基づいて、前記金型の形状を決定する金型形状決定工程と、を有し、
    前記断面形状設定工程は、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲と曲率が等しく該屈曲よりも曲げ角度が大きい第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを前記各断面形状に設定し、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることを特徴とする金型形状決定方法。
    (S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
    (S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
    (S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
    (S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
    (S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
  5. 前記成形部材は、長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有し、前記断面形状設定工程は、前記湾曲部における断面形状を少なくとも1つ設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金型形状決定方法。
  6. 前記成形部材は、前記山形状の稜線に沿って前記略L字形状の屈曲の曲げ角度が変化する部位を有し、前記断面形状設定工程は、少なくとも、前記曲げ角度の変化する部位の前記稜線に沿った方向の両端位置における断面形状を設定し、前記曲げ角度の変化する部位において前記曲げ角度が極値を有する場合には、該極値となる位置における断面形状をさらに設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金型形状決定方法。
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