JP6579184B2 - 車両の側部車体構造及び車両用ピラー部材の製造方法 - Google Patents

車両の側部車体構造及び車両用ピラー部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ピラー部材を備えた車両の側部車体構造及び車両用ピラー部材の製造方法に関し、車体の生産技術分野に属する。
自動車等の車両の車体の側部では、ルーフパネルの側部に沿って車体前後方向に延びるルーフサイドレールと、フロアパネルの側部に沿って車体前後方向に延びるサイドシルとが、車体上下方向に延びるセンターピラーを介して連結されることがある。
この種の側部車体構造において、センターピラーは、車体上方からの荷重入力(ルーフクラッシュ)によるルーフの変形を抑制したり、車体側方からの入力荷重をルーフサイドレール及びサイドシル等に分散させたりする機能を果たす。
一般に、センターピラーは、互いに接合されたインナーピラー部材とアウターピラー部材とを備え、これらの部材間に、車体上下方向に連続する閉断面が形成される。これにより、センターピラーの各種機能が効果的に果たされ得る。
例えば特許文献1に開示されているように、センターピラーを構成するピラー部材は、上記の閉断面を構成する本体パネルと、本体パネルの一部に重ね合わされて接合された補強パネルとで構成されることがある。特許文献1に開示されたピラー部材では、本体パネルの長さ方向中間部に補強パネルが設けられることで、ピラー部材の曲げ剛性の向上が図られている。
特開2014−193712号公報
ところで、車体の生産技術分野においては、ルーフクラッシュに対するピラー部材の耐力向上を図るために、本体パネルの長さ方向中間部だけでなく、上端部についても、補強パネルによる補強を行うことが検討ないし実用化されている。
この場合、本体パネルに対する補強パネルの望ましい配置を具体的に検討する際には、ピラーとルーフサイドレールとの間での荷重伝達機能を含めた車体側部の各種機能を総合的に考慮することが求められる。
そこで、本発明は、本体パネルと補強パネルを備えた車両用ピラー部材の各種機能を効果的に発揮し得る車両の側部車体構造、および車両用ピラー部材の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
車体側部において車体前後方向に延びるように配置されたルーフサイドレールと、該ルーフサイドレールから車体下方側に延びるように配置され、車体上下方向に連続する閉断面を形成するピラーとを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ピラーは、前記閉断面の少なくとも一部を構成し、上端部において前記ルーフサイドレールに接合された本体パネルと、該本体パネルの一部に重ね合わされて接合された補強パネルとを有するピラー部材を備え、
前記本体パネルは、前記閉断面における車体幅方向外側の側面を構成するように車体上下方向に延びて、上端部において前記ルーフサイドレールに連結された側面部と、該側面部の前縁に沿って車体上下方向に延びる第1稜線部と、前記側面部の後縁に沿って車体上下方向に延びる第2稜線部とを備え、
前記第1稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第1直線部と、該第1直線部の上端から前記第1稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体前上方側へ延びる第1湾曲部とを備え、
前記補強パネルは、前記本体パネルにおける前記第1直線部、前記第2直線部、及び前記第1直線部と前記第2直線部とを繋ぐ部分に沿って、前記側面部の長さ方向に延びるように配置されたメイン補強部と、該メイン補強部の上縁部から車体前上方側に向かって前記第1湾曲部に沿って延びるように配置された第1上端補強部と、前記メイン補強部の上縁部から車体後上方側に向かって前記第2湾曲部に沿って延びるように配置された第2上端補強部と、前記第1上端補強部の上端部と前記第2上端補強部の上端部とを繋ぐ架橋部とを備え、
前記補強パネルには、前記第1上端補強部、前記第2上端補強部、及び前記架橋部で囲まれた開口部が形成されており、
前記本体パネルの前記側面部には、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔が設けられ、
前記補強パネルは、前記位置決め孔が前記開口部を通して露出するように前記側面部に重ねられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は
車体側部において車体前後方向に延びるように配置されたルーフサイドレールと、該ルーフサイドレールから車体下方側に延びるように配置され、車体上下方向に連続する閉断面を形成するピラーとを備えた車両の側部車体構造であって、
前記ピラーは、前記閉断面の少なくとも一部を構成し、上端部において前記ルーフサイドレールに接合された本体パネルと、該本体パネルの一部に重ね合わされて接合された補強パネルとを有するピラー部材を備え、
前記本体パネルは、前記閉断面における車体幅方向外側の側面を構成するように車体上下方向に延びて、上端部において前記ルーフサイドレールに連結された側面部と、該側面部の前縁に沿って車体上下方向に延びる第1稜線部と、前記側面部の後縁に沿って車体上下方向に延びる第2稜線部とを備え、
前記第1稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第1直線部と、該第1直線部の上端から前記第1稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体前上方側へ延びる第1湾曲部とを備え、
前記第2稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第2直線部と、該第2直線部の上端から前記第2稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体後上方側へ延びる第2湾曲部とを備え、
前記補強パネルは、前記本体パネルにおける前記第1直線部、前記第2直線部、及び前記第1直線部と前記第2直線部とを繋ぐ部分に沿って、前記側面部の長さ方向に延びるように配置されたメイン補強部と、該メイン補強部の上縁部から車体前上方側に向かって前記第1湾曲部に沿って延びるように配置された第1上端補強部と、前記メイン補強部の上縁部から車体後上方側に向かって前記第2湾曲部に沿って延びるように配置された第2上端補強部と、前記第1上端補強部の上端部と前記第2上端補強部の上端部とを繋ぐ架橋部とを備え、
前記補強パネルには、前記第1上端補強部、前記第2上端補強部、及び前記架橋部で囲まれた開口部が形成されており、
前記開口部は、前記架橋部の下縁に沿って車体前後方向に延びる上縁部と、該上縁部の前端部から車体下方側に向かって斜め後方に延びる前縁部と、前記上縁部の後端部から前記前縁部の下端部にかけて車体下方側に向かって斜め前方に延びる後縁部とを有する逆三角形状とされていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記本体パネルの前記側面部には、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔が設けられ、
前記補強パネルは、前記位置決め孔が前記開口部を通して露出するように前記側面部に重ねられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
本体パネルの一部に補強パネルを接合してなるピラー部材を製造する車両用ピラー部材の製造方法であって、
前記本体パネルの素材として、平坦な長尺の第1板材を準備し、前記補強パネルの素材として、長さ方向の一端側に、先端に向かって互いに離反するように分岐した第1枝部および第2枝部を有する平坦な長尺の第2板材を準備する準備工程と、
前記第1板材の長さ方向一端部に前記第1枝部および前記第2枝部が重ねられるように、前記第1板材と前記第2板材を重ね合わせて相互に接合することで、接合板材を形成する接合工程と、
前記接合板材の長さ方向に延びて前記第1枝部を通る第1稜線と、前記接合板材の長さ方向に延びて前記第2枝部を通る第2稜線とが形成されるように、前記接合板材をプレス成形して、所定形状の前記車両用ピラー部材を形成する成形工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、
前記成形工程の後、前記ピラー部材における前記本体パネルの所定部に、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔を形成する穿孔工程を更に備え、
前記準備工程では、前記第2板材における前記接合工程で前記所定部に重ね合わされる部分に、該所定部を露出させる開口部を形成しておくことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項4または請求項5に記載の発明において、
前記接合工程の後、前記成形工程の前に、前記接合板材を加熱する加熱工程を備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ピラー部材の本体パネルにおける第1稜線部および第2稜線部が、それぞれの長さ方向の少なくとも中間部から上端部にかけて、補強パネルによって補強される。そのため、ピラー部材の曲げ剛性を効果的に高めることができる。したがって、ピラーからルーフサイドレールへの荷重伝達機能の向上、及び、ルーフクラッシュに対するピラーの耐力向上を効果的に図ることができる。
また、補強パネルの上端部は、第1稜線部の第1湾曲部に沿って設けられた第1上端補強部と、第2稜線部の第2湾曲部に沿って設けられた第2上端補強部とに分岐されている。そのため、車体側方からピラー部材に入力されて第1稜線部および第2稜線部を経由してピラー部材の上端部に伝達される荷重を、ルーフサイドレールとピラーとの連結部を挟んだ車体前方側と車体後方側とに効果的に分散させることができる。これにより、ルーフサイドレールとピラーとの連結部への応力集中が緩和されることで、該連結部におけるルーフサイドレールの変形を抑制できる。したがって、ピラーからルーフサイドレールを経由した車体各部への荷重分散機能の向上を図ることができる。
また、補強パネルにおける第1上端補強部の上端部と第2上端補強部の上端部とが架橋部を介して繋がっていることにより、ピラー部材の上端部の面剛性の向上を図ることができる。これにより、ルーフクラッシュに対するピラーの耐力向上、及び、ピラーからルーフサイドレールへの荷重伝達機能の向上をより効果的に図ることができる。
また、本体パネルの側面部に設けられた位置決め孔が補強パネルの開口部を通して露出するように、ピラー部材が構成されている。そのため、かかるピラー部材の製造において、予め開口部が形成された補強パネルを本体パネルに接合する接合工程、これらのパネルを一体的にプレス成形する成形工程、ピラー部材に位置決め孔を形成する穿孔工程がこの順で行われる場合、穿孔工程では、補強パネルの開口部を通して本体パネルのみに対して穿孔加工を行えばよい。そのため、本体パネルと補強パネルが重なり合う部分に穿孔加工を行う場合に比べて、位置決め孔を簡単かつ精度よく形成できる。
請求項2に記載の発明によれば、ピラー部材の本体パネルにおける第1稜線部および第2稜線部が、それぞれの長さ方向の少なくとも中間部から上端部にかけて、補強パネルによって補強される。そのため、ピラー部材の曲げ剛性を効果的に高めることができる。したがって、ピラーからルーフサイドレールへの荷重伝達機能の向上、及び、ルーフクラッシュに対するピラーの耐力向上を効果的に図ることができる。
また、補強パネルの上端部は、第1稜線部の第1湾曲部に沿って設けられた第1上端補強部と、第2稜線部の第2湾曲部に沿って設けられた第2上端補強部とに分岐されている。そのため、車体側方からピラー部材に入力されて第1稜線部および第2稜線部を経由してピラー部材の上端部に伝達される荷重を、ルーフサイドレールとピラーとの連結部を挟んだ車体前方側と車体後方側とに効果的に分散させることができる。これにより、ルーフサイドレールとピラーとの連結部への応力集中が緩和されることで、該連結部におけるルーフサイドレールの変形を抑制できる。したがって、ピラーからルーフサイドレールを経由した車体各部への荷重分散機能の向上を図ることができる。
また、補強パネルにおける第1上端補強部の上端部と第2上端補強部の上端部とが架橋部を介して繋がっていることにより、ピラー部材の上端部の面剛性の向上を図ることができる。これにより、ルーフクラッシュに対するピラーの耐力向上、及び、ピラーからルーフサイドレールへの荷重伝達機能の向上をより効果的に図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本体パネルの側面部に設けられた位置決め孔が補強パネルの開口部を通して露出するように、ピラー部材が構成されている。そのため、かかるピラー部材の製造において、予め開口部が形成された補強パネルを本体パネルに接合する接合工程、これらのパネルを一体的にプレス成形する成形工程、ピラー部材に位置決め孔を形成する穿孔工程がこの順で行われる場合、穿孔工程では、補強パネルの開口部を通して本体パネルのみに対して穿孔加工を行えばよい。そのため、本体パネルと補強パネルが重なり合う部分に穿孔加工を行う場合に比べて、位置決め孔を簡単かつ精度よく形成できる。
請求項4に記載の発明に係る製造方法によって製造された車両用ピラー部材には、その長さ方向に延びる第1稜線および第2稜線が、これらの一端側において補強パネルにおける二股に分岐された部分を通るように形成される。当該ピラー部材の一端部をルーフサイドレールに接合することで、第1稜線および第2稜線における長さ方向の少なくとも中間部から上端部にかけて、補強パネルによる補強がなされることになる。そのため、ピラー部材の曲げ剛性を効果的に高めることができる。したがって、ピラーからルーフサイドレールへの荷重伝達機能の向上、及び、ルーフクラッシュに対するピラーの耐力向上を効果的に図ることができる。
また、当該ピラー部材の上端部では、補強パネルにおける二股に分岐された部分によって第1稜線および第2稜線が補強される。そのため、車体側方からピラー部材に入力されて第1稜線および第2稜線を経由してピラー部材の上端部に伝達される荷重を、ルーフサイドレールとピラーとの連結部を挟んだ車体前方側と車体後方側とに効果的に分散させることができる。これにより、ルーフサイドレールとピラーとの連結部への応力集中が緩和されることで、該連結部におけるルーフサイドレールの変形を抑制できる。したがって、ピラーからルーフサイドレールを経由した車体各部への荷重分散機能の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、予め、準備工程において補強パネルに開口部が形成されることで、成形工程後の穿孔工程において位置決め孔を形成するとき、補強パネルの開口部を通して本体パネルのみに対して穿孔加工を行えばよい。そのため、本体パネルと補強パネルが重なり合う部分に穿孔加工を行う場合に比べて、位置決め孔を簡単かつ精度よく形成できる。
請求項6に記載の発明によれば、第1板材および第2板材として、冷間状態では成形性に乏しい高張力鋼板などが用いられる場合にも、これらの板材を接合工程によって接合してなる接合板材は、加熱工程によって成形性が高められた状態で成形工程が行われる。そのため、ピラー部材を精度よく成形することができる。
本発明の一実施形態に係る車両の側部車体構造を示す側面図である。 センターピラーの断面形状を示す図1のA−A線断面図である。 センターピラーの上端部及びその周辺部を車体前方側から見た図1のB−B線断面図である。 センターピラーの上端部及びその周辺部を車体上方側から見た図1のC−C線断面図である。 アウターピラー部材を示す斜視図である。 アウターピラー部材の本体パネルの一部を示す側面図である。 アウターピラー部材の補強パネルの一部を示す側面図である。 アウターピラー部材の製造工程を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る下部車体構造を説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、「下」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、車両の前進走行時の進行方向を「前」とした場合における車体の各方向を指すものとする。また、添付図面では、車体幅方向に符号「X」、車体前後方向に符号「Y」、車体上下方向に符号「Z」を付している。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両の側部車体構造を備えた自動車1の一部を示す側面図である。なお、図1では、発明の理解を容易にするために、車室外側に露出する化粧パネルの図示が省略されている。また、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB−B線断面図、図4は、図1のC−C線断面図である。
図1に示すように、自動車1の車体側部には、ルーフパネル4(図3参照)の側部に沿って車体前後方向Yに延びるルーフサイドレール2、フロアパネル(図示せず)の側部に沿って車体前後方向Yに延びるサイドシル6、及び、車体上下方向Zに延びるように配置され、ルーフサイドレール2とサイドシル6とを連結するセンターピラー10が設けられている。
図2の断面図に示すように、センターピラー10は、互いに接合されたインナーピラー部材11及びアウターピラー部材12を備えている。インナーピラー部材11及びアウターピラー部材12は、車体上下方向Zに延びる長尺部材である。
インナーピラー部材11は、車体上下方向Zから見て概ね平坦な断面形状を有する。アウターピラー部材12は、インナーピラー部材11の車体幅方向X外側に配置されている。アウターピラー部材12は、その前縁部および後縁部においてインナーピラー部材11に接合されている。これにより、インナーピラー部材11とアウターピラー部材12との間に、車体上下方向Zに連続する閉断面S1が形成されている。
アウターピラー部材12は、化粧パネルとしてのアウターパネル13によって車体幅方向X外側から覆われている。アウターパネル13は、その前縁部および後縁部において、アウターピラー部材12と共にインナーピラー部材11に接合されている。なお、図1では、アウターパネル13の図示が省略されている。
図3の断面図に示すように、ルーフサイドレール2は、インナーレール部材2aと、その車体幅方向X内側外側に対向配置されたアウターレール部材2bとを備えている。インナーレール部材2aとアウターレール部材2bは、これらの上縁部同士および下縁部同士において、例えば溶接によって接合されている。インナーレール部材2aとアウターレール部材2bとの間には、車体前後方向Yに連続する閉断面が形成されている。
センターピラー10とルーフサイドレール2との連結部において、アウターレール部材2bの側面部には、アウターピラー部材12の上縁部に設けられた上側フランジ部26が、例えば溶接によって接合されている。また、図3及び図4に示すように、センターピラー10とルーフサイドレール2との連結部において、インナーレール部材2a及びアウターレール部材2bの下縁部には、インナーピラー部材11の上縁部が共に接合されている。
図3に示すように、ルーフパネル4の側縁部には段下げ部4aが形成されており、該段下げ部4aにおいて、車体前後方向Yに延びる溝状のモヒカン部が形成されている。ルーフパネル4は、車体幅方向Xに延びる複数のルーフ補強部材3によって車体下方側から支持されている。ルーフパネル4の段下げ部4a及びルーフ補強部材3の側縁部には、インナーレール部材2a及びアウターレール部材2bの上縁部が接合されている。
センターピラー10とルーフサイドレール2との連結部は、ルーフガセット5を介してルーフ補強部材3に連結されている。ルーフガセット5は、車体幅方向X内側に向かって斜め車体上側に延びるように配置されている、ルーフガセット5の上縁部は、ルーフ補強部材3の下面に接合され、ルーフガセット5の下縁部は、インナーレール部材2aの車室内側の側面に接合されている。これにより、ルーフガセット5を介してセンターピラー10とルーフ補強部材3との間での荷重伝達の円滑化が図られている。
[アウターピラー部材]
図2及び図5に示すように、アウターピラー部材12は、車体上下方向Zに延びる長尺のピラー本体パネル20と、ピラー本体パネル20を補強するピラー補強パネル30とを備えている。なお、アウターピラー部材12は、ピラー本体パネル20の下端部に接続された下側延長パネル14を更に備えるが、下側延長パネル14は、ピラー本体パネル20と一体に設けられてもよい。ピラー本体パネル20、ピラー補強パネル30、及び下側延長パネル14は、それぞれ、例えば高張力鋼板等の鋼板からなる。
アウターピラー部材12は、全体として、車体幅方向X内側に開放した断面ハット状に成形されている。これにより、アウターピラー部材12の車体幅方向X外側の側面には、アウターピラー部材12の長さ方向に延びる第1稜線R1及び第2稜線R2が形成されている。第1稜線R1の上端部は、先端に向かって斜め前上方へ湾曲しながら延びる湾曲部で構成され、第2稜線R2の上端部は、先端に向かって斜め後上方へ湾曲しながら延びる湾曲部で構成されている。
ピラー本体パネル20は、インナーピラー部材11の車体幅方向X外側に対向する側面部21、側面部21の前縁部から車体幅方向X内側に延びる前面部22、側面部21の後縁部から車体幅方向X内側に延びる後面部23、前面部22の車体幅方向X内側縁部から車体前方側に延びる前側フランジ部24、及び、後面部23の車体幅方向X内側縁部から車体後方側に延びる後側フランジ部25を備えている。
図2に示すように、ピラー本体パネル20は、車体幅方向X内側に開放した断面ハット状の部材である。ピラー本体パネル20は、前側フランジ部24及び後側フランジ部25において、例えば溶接によってインナーピラー部材11に接合され、これにより、インナーピラー部材11との間に閉断面S1を形成している。
図5に示すように、ピラー本体パネル20の側面部21、前面部22、後面部23、前側フランジ部24、及び後側フランジ部25は、それぞれ、ピラー本体パネル20の略全長に亘って設けられた壁部である。ピラー本体パネル20の上端部には、上記の上側フランジ部26が、側面部21の上縁部に沿って車体幅方向Xに延びるように設けられている。上側フランジ部26は、例えば溶接によって、ルーフサイドレール2の車体幅方向X外側の側面に接合される(図1参照)。側面部21の上端近傍部には、車体に対するアウターピラー部材12の組付作業に用いられる作業用開口部27及び位置決め孔28が設けられている。
図2に示すように、ピラー本体パネル20において、側面部21の前縁部、すなわち、側面部21と前面部22との間のコーナー部には、上記の第1稜線R1を構成するように車体上下方向Zに延びる第1稜線部R21が形成されている。また、側面部21の後縁部、すなわち、側面部21と後面部23とのコーナー部には、上記の第2稜線R2を構成するように車体上下方向Zに延びる第2稜線部R22が形成されている。
図2及び図5に示すように、ピラー補強パネル30は、ピラー本体パネル20の車室外側に重ね合わされている。ピラー補強パネル30は、溶接によってピラー本体パネル20に接合されている。
ピラー補強パネル30は、ピラー本体パネル20の側面部21に重ねられた側面補強部31、ピラー本体パネル20の前面部22に重ねられた前面補強部32、及び、ピラー本体パネル20の後面部23に重ねられた後面補強部33を備えている。前面補強部32は、側面補強部31の前縁部から車体幅方向X内側に延設され、後面補強部33は、側面補強部31の後縁部から車体幅方向X内側に延設されている。これにより、ピラー補強パネル30は、車体幅方向X内側に開放した断面コ字状に形成されている。
側面補強部31と前面補強部32とのコーナー部には、車体上下方向Zに延びる稜線部R31が形成され、該稜線部R31は、ピラー本体パネル20の第1稜線部R21に重ねられている。側面補強部31と後面補強部33とのコーナー部にも、車体上下方向Zに延びる稜線部R32が形成され、該稜線部R32は、ピラー本体パネル20の第2稜線部R22に重ねられている。
このように、ピラー補強パネル30は、第1及び第2稜線部R21,R22を含む部分においてピラー本体パネル20に重ね合わされており、これにより、第1及び第2稜線部R21,R22が効果的に補強されている。
図5に示すように、側面補強部31は、ピラー本体パネル20の長さ方向における側面部21の略上端部から中央部よりも下側部分にかけて2つの稜線部R31,R32を繋ぐように設けられた長尺の壁部である。前面補強部32及び後面補強部33も、側面補強部31に対応してピラー本体パネル20の長さ方向に延びる長尺の壁部である。
側面補強部31の下端部には、後席用ドアのドアヒンジ(図示せず)が固定される被固定部35が設けられている。また、ピラー補強パネル30の下端部には、第2稜線R2に沿って延びる側面延長部31c及び後面延長部33cを備えている。側面延長部31cは、被固定部35の下縁部31bよりも車体下方側へ側面補強部31を延長させた部分で構成され、後面延長部33cは、被固定部35よりも車体下方側へ後面延長部33cを延長させた部分で構成されている。
側面補強部31の上端部には、例えば逆三角形状の開口部34が設けられている。開口部34は、ピラー本体パネル20の作業用開口部27及び位置決め孔28に対応する位置に配置され、これにより、作業用開口部27及び位置決め孔28は、ピラー補強パネル30によって被覆されることなく露出している。
側面補強部31には、アウターピラー部材12の長さ方向に延びるスロット36(36a,36b,36c)が設けられている。スロット36a,36b,36cは、アウターピラー部材12の長さ方向において相互に間隔を空けて複数並べて配置されている。アウターピラー部材12の長さ方向において、スロット36a,36b,36cは、上記の開口部34と被固定部35との間に配置されている。各スロット36は、側面補強部31の短手方向の略中央部に配置されている。
[ピラー本体パネルの稜線部]
図6の側面図に示すように、ピラー本体パネル20の側面部21は、先端に向かってラッパ状に拡幅された略逆三角形状の上端部21aを有する。上記の第1稜線部R21及び第2稜線部R22の各上端部は、側面部21の上端部21aの形状に合わせた湾曲形状を有する。
すなわち、第1稜線部R21は、側面部21の長さ方向に沿って直線状に延びる第1直線部R21aと、該第1直線部R21aの上端から第1稜線部R21の上端にかけて湾曲しながら車体前上方側へ延びる第1湾曲部R21bとを備えている。また、第2稜線部R22は、側面部21の長さ方向に沿って直線状に延びる第2直線部R22aと、該第2直線部R22aの上端から第2稜線部R22の上端にかけて湾曲しながら車体後上方側へ延びる第2湾曲部R22bとを備えている。
[ピラー補強パネルの稜線部]
図7の側面図に示すように、ピラー補強パネル30の稜線部R31,R32も、ピラー本体パネル20の第1稜線部R21及び第2稜線部R22と同様、上端部において湾曲した形状を有する。
ピラー補強パネル30は、ピラー本体パネル20第1直線部R21a、第2直線部R22a、及び、側面部21における第1直線部R21aと第2直線部R22aとを繋ぐ部分に沿って側面部21の長さ方向に延びるように配置されるメイン補強部40を備えている。
また、ピラー補強パネル30は、メイン補強部40の上縁部から車体前上方側に向かって第1湾曲部R21bに沿って延びるように配置される第1上端補強部41、メイン補強部40の上縁部から車体後上方側に向かって第2湾曲部R22bに沿って延びるように配置される第2上端補強部42、及び、第1上端補強部41の上端部と第2上端補強部42の上端部とを繋ぐ架橋部43を備えている。
これにより、ピラー補強パネル30には、第1上端補強部41、第2上端補強部42、及び架橋部43で囲まれた逆三角形状の開口部34が形成されている。ピラー補強パネル30は、ピラー本体パネル20の側面部21における作業用開口部27及び位置決め孔28が開口部34を通して露出するように側面部21に重ねられる(図5参照)。
[アウターピラー部材の製造]
図8を参照しながら、アウターピラー部材12の製造方法の一例を説明する。
アウターピラー部材12は、図8(a)に示す準備工程、図8(b)に示す接合工程、加熱工程、図8(c)に示す成形工程、及び穿孔工程を経て製造される。
図8(a)に示す準備工程では、ピラー本体パネル20の素材としての第1板材120、及び、ピラー補強パネル30の素材としての第2板材130が用意される。なお、準備工程では、下側延長パネル14(図3参照)の素材となる板材も用意されるが、当該板材については、図8での図示及び説明を省略する。
準備工程において、第1板材120及び第2板材130としては、プレス機械によって所定の長尺形状にせん断された平坦な長尺の板材が用意される。より具体的に、第1板材120は、側面部21に対応する部分に作業用開口部27が穿孔され、ピラー補強パネル30の被固定部35に対応する位置に開口部29が穿孔された状態で用意される。
第2板材130は、その長さ方向の一端側に、先端に向かって互いに離反するように分岐した第1枝部131及び第2枝部132と、第1枝部131の先端部と第2枝部132の先端部とを繋ぐ接続部133とを備えている。第1枝部131は、上記の第1上端補強部41(図7参照)を構成する部分であり、第2枝部132は、上記の第2上端補強部42(図7参照)を構成する部分であり、接続部133は、上記の架橋部43(図7参照)を構成する部分である。
準備工程で用意される第2板材130には、側面補強部31に対応する部分において、第1枝部131、第2枝部132、及び接続部133で囲まれた開口部34、スロット36a,36b,36c、及び被固定部35のボルト穴35aが形成されている。
図8(b)に示す接合工程では、第1板材120の所定位置に第2板材130が重ね合わされて、第1板材120と第2板材130が複数箇所でのスポット溶接によって互いに接合される。第1板材120と第2板材130は、これらの長さ方向を一致させた状態で、第1板材120の長さ方向一端部に第1枝部131、第2枝部132、及び接続部133が重ねられるように位置決めされて接合される。これにより、互いに接合された第1板材120及び第2板材130からなる接合板材110が形成される。
なお、接合工程では、下側延長パネル14(図3参照)の素材である板材も第1板材120に接合され、接合板材110の一部を構成するが、当該板材については、図4での図示及び説明を省略する。
接合板材110における接合箇所には、接合板材110の短手方向(幅方向)においてスロット36a,36b,36cの一方側に位置する複数の第1接合部W1、スロット36a,36b,36cの他方側に位置する複数の第2接合部W2、接合板材110の長さ方向において隣接するスロット36a,36b,36c間に位置する第3接合部W3が含まれる。
接合工程において、第1枝部131では、その長さ方向に間隔を空けて配置された複数の第1接合部W1においてスポット溶接が行われ、第2枝部132では、その長さ方向に間隔を空けて配置された複数の第2接合部W2においてスポット溶接が行われる。
接合工程が終了すると、接合板材110を加熱する加熱工程を経て、図8(c)に示す成形工程において、プレス機械190による熱間プレス成形が行われる。
加熱工程において、接合板材110は、所定温度(例えば900℃程度)に加熱されることで軟質化される。これによって接合板材110の成形性が高められた状態で成形工程が行われることで、接合板材110を所定の立体形状に精度よく成形できる。したがって、第1板材120及び第2板材130として、冷間状態では成形性に乏しい高張力鋼板が用いられる場合でも、スプリングバック等による寸法精度不良の発生を抑制できる。
図8(c)に示す成形工程では、プレス機械190のダイ192とパンチ194との間で、接合板材110が所定形状に成形される。具体的に、第1板材120は断面ハット状に成形され、第2板材130は断面コ字状に成形される。また、第1板材120と第2板材130が重なり合う部分には、接合板材110の長さ方向に延びる第1稜線R1及び第2稜線R2が形成される。第1稜線R1は、第2板材130の第1枝部131を通るように形成され、第2稜線R2は、第2板材130の第2枝部132を通るように形成される。
成形工程が行われるとき、第2板材130では、第1枝部131に位置する第1接合部W1と、第2枝部132に位置する第2接合部W2との間に、開口部34が配置されている(図8(b)参照)。したがって、成形工程において、接合板材110に、第1枝部131を通る第1稜線R1と、第2枝部132を通る第2稜線R2とが形成されるとき、接合板材110の短手方向に開口部34を僅かに拡幅させるような第2板材130の変形が可能となっている。
これにより、第1稜線R1と第2稜線R2における第1板材120と第2板材130との曲率半径の差に起因する両板材120,130間の相対変位が、第1接合部W1と第2接合部W2との間の部分で促進される。そのため、第1接合部W1及び第2接合部W2においては、両板材120,130間の相対変位が抑制されることで、接合面におけるナゲット径を縮小させるような溶接部の変形を抑制でき、これにより、第1接合部W1及び第2接合部W2における接合強度の低下を抑制できる。
成形工程において、接合板材110は、ダイ192及びパンチ194との接触により冷却されることで、焼き入れが強化される。これにより、高強度のアウターピラー部材12(図3参照)が形成される。このように、アウターピラー部材12の製造では、接合工程後に成形工程が行われる。そのため、ピラー本体パネル20の形状にピラー補強パネル30の形状を沿わせるような成形性の向上を図ることができるとともに、プレス加工の工数を低減できる。
成形工程が終了すると、接合板材110の所定部に位置決め孔28(図5及び図6参照)を形成する穿孔工程が行われる。位置決め孔28は、第1板材120における第2板材130の開口部34とオーバラップする部分に形成される。開口部34は、準備工程において予め形成されているため、穿孔工程が行われるとき、第1板材120において位置決め孔28が形成される部分は開口部34を通して露出している。
そのため、穿孔工程では、第1板材120のみに対して穿孔加工を行えばよい。したがって、第1板材120と第2板材130が重なり合う部分に穿孔加工を行う場合に比べて、位置決め孔28を簡単かつ精度よく形成できる。
[作用効果]
本実施形態によれば、図5に示すように、ピラー本体パネル20の第1稜線部R21の長さ方向の中間部から上端部に亘る領域、及び、第2稜線部R22の略全長に亘る領域が、ピラー補強パネル30によって補強される。そのため、アウターピラー部材12の曲げ剛性を効果的に高めることができる。したがって、センターピラー10からルーフサイドレール2への荷重伝達機能の向上、及び、ルーフクラッシュに対するセンターピラー10の耐力向上を効果的に図ることができる。
また、図7に示すように、ピラー補強パネル30の上端部は、第1稜線部R21の第1湾曲部R21b(図6参照)に沿って設けられた第1上端補強部41と、第2稜線部R22の第2湾曲部R22b(図6参照)に沿って設けられた第2上端補強部42とに分岐されている。
そのため、車体側方からセンターピラー10に入力されて第1稜線R1及び第2稜線R2を経由してセンターピラー10の上端部に伝達される荷重を、センターピラー10とルーフサイドレール2との連結部を挟んだ車体前方側と車体後方側とに効果的に分散させることができる。これにより、センターピラー10とルーフサイドレール2との連結部への応力集中が緩和されることで、該連結部におけるルーフサイドレール2の変形を抑制できる。したがって、センターピラー10からルーフサイドレール2を経由した車体各部への荷重分散機能の向上を図ることができる。
また、ピラー補強パネル30における第1上端補強部41の上端部と第2上端補強部42の上端部とが架橋部43を介して繋がっていることにより、アウターピラー部材12の上端部の面剛性の向上を図ることができる。これにより、ルーフクラッシュに対するセンターピラー10の耐力向上、及び、センターピラー10からルーフサイドレール2への荷重伝達機能の向上をより効果的に図ることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ピラー本体パネル20の外側にピラー補強パネル30が重ねられる例を説明したが、本発明は、本体部材の内側に補強部材が重ねられる構成にも適用可能である。
以上のように、本発明によれば、本体パネルと補強パネルを備えた車両用ピラー部材の各種機能を効果的に発揮させることが可能となるから、この種のピラー部材を備えた自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
2 ルーフサイドレール
10 センターピラー
12 アウターピラー部材
20 ピラー本体パネル
21 側面部
28 位置決め孔
30 ピラー補強パネル
34 開口部
40 メイン補強部
41 第1上端補強部
42 第2上端補強部
43 架橋部
110 接合板材
120 第1板材
130 第2板材
131 第1枝部
132 第2枝部
R1 第1稜線
R2 第2稜線
R21 第1稜線部
R21a 第1直線部
R21b 第1湾曲部
R22 第2稜線部
R22a 第2直線部
R22b 第2湾曲部

Claims (6)

  1. 車体側部において車体前後方向に延びるように配置されたルーフサイドレールと、該ルーフサイドレールから車体下方側に延びるように配置され、車体上下方向に連続する閉断面を形成するピラーとを備えた車両の側部車体構造であって、
    前記ピラーは、前記閉断面の少なくとも一部を構成し、上端部において前記ルーフサイドレールに接合された本体パネルと、該本体パネルの一部に重ね合わされて接合された補強パネルとを有するピラー部材を備え、
    前記本体パネルは、前記閉断面における車体幅方向外側の側面を構成するように車体上下方向に延びて、上端部において前記ルーフサイドレールに連結された側面部と、該側面部の前縁に沿って車体上下方向に延びる第1稜線部と、前記側面部の後縁に沿って車体上下方向に延びる第2稜線部とを備え、
    前記第1稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第1直線部と、該第1直線部の上端から前記第1稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体前上方側へ延びる第1湾曲部とを備え、
    前記第2稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第2直線部と、該第2直線部の上端から前記第2稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体後上方側へ延びる第2湾曲部とを備え、
    前記補強パネルは、前記本体パネルにおける前記第1直線部、前記第2直線部、及び前記第1直線部と前記第2直線部とを繋ぐ部分に沿って、前記側面部の長さ方向に延びるように配置されたメイン補強部と、該メイン補強部の上縁部から車体前上方側に向かって前記第1湾曲部に沿って延びるように配置された第1上端補強部と、前記メイン補強部の上縁部から車体後上方側に向かって前記第2湾曲部に沿って延びるように配置された第2上端補強部と、前記第1上端補強部の上端部と前記第2上端補強部の上端部とを繋ぐ架橋部とを備え、
    前記補強パネルには、前記第1上端補強部、前記第2上端補強部、及び前記架橋部で囲まれた開口部が形成されており、
    前記本体パネルの前記側面部には、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔が設けられ、
    前記補強パネルは、前記位置決め孔が前記開口部を通して露出するように前記側面部に重ねられていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  2. 車体側部において車体前後方向に延びるように配置されたルーフサイドレールと、該ルーフサイドレールから車体下方側に延びるように配置され、車体上下方向に連続する閉断面を形成するピラーとを備えた車両の側部車体構造であって、
    前記ピラーは、前記閉断面の少なくとも一部を構成し、上端部において前記ルーフサイドレールに接合された本体パネルと、該本体パネルの一部に重ね合わされて接合された補強パネルとを有するピラー部材を備え、
    前記本体パネルは、前記閉断面における車体幅方向外側の側面を構成するように車体上下方向に延びて、上端部において前記ルーフサイドレールに連結された側面部と、該側面部の前縁に沿って車体上下方向に延びる第1稜線部と、前記側面部の後縁に沿って車体上下方向に延びる第2稜線部とを備え、
    前記第1稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第1直線部と、該第1直線部の上端から前記第1稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体前上方側へ延びる第1湾曲部とを備え、
    前記第2稜線部は、前記側面部の長さ方向に沿って直線状に延びる第2直線部と、該第2直線部の上端から前記第2稜線部の上端にかけて湾曲しながら車体後上方側へ延びる第2湾曲部とを備え、
    前記補強パネルは、前記本体パネルにおける前記第1直線部、前記第2直線部、及び前記第1直線部と前記第2直線部とを繋ぐ部分に沿って、前記側面部の長さ方向に延びるように配置されたメイン補強部と、該メイン補強部の上縁部から車体前上方側に向かって前記第1湾曲部に沿って延びるように配置された第1上端補強部と、前記メイン補強部の上縁部から車体後上方側に向かって前記第2湾曲部に沿って延びるように配置された第2上端補強部と、前記第1上端補強部の上端部と前記第2上端補強部の上端部とを繋ぐ架橋部とを備え、
    前記補強パネルには、前記第1上端補強部、前記第2上端補強部、及び前記架橋部で囲まれた開口部が形成されており、
    前記開口部は、前記架橋部の下縁に沿って車体前後方向に延びる上縁部と、該上縁部の前端部から車体下方側に向かって斜め後方に延びる前縁部と、前記上縁部の後端部から前記前縁部の下端部にかけて車体下方側に向かって斜め前方に延びる後縁部とを有する逆三角形状とされていることを特徴とする車両の側部車体構造。
  3. 前記本体パネルの前記側面部には、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔が設けられ、
    前記補強パネルは、前記位置決め孔が前記開口部を通して露出するように前記側面部に重ねられていることを特徴とする請求項2に記載の車両の側部車体構造。
  4. 本体パネルの一部に補強パネルを接合してなるピラー部材を製造する車両用ピラー部材の製造方法であって、
    前記本体パネルの素材として、平坦な長尺の第1板材を準備し、前記補強パネルの素材として、長さ方向の一端側に、先端に向かって互いに離反するように分岐した第1枝部および第2枝部を有する平坦な長尺の第2板材を準備する準備工程と、
    前記第1板材の長さ方向一端部に前記第1枝部および前記第2枝部が重ねられるように、前記第1板材と前記第2板材を重ね合わせて相互に接合することで、接合板材を形成する接合工程と、
    前記接合板材の長さ方向に延びて前記第1枝部を通る第1稜線と、前記接合板材の長さ方向に延びて前記第2枝部を通る第2稜線とが形成されるように、前記接合板材をプレス成形して、所定形状の前記車両用ピラー部材を形成する成形工程と、を備えたことを特徴とする車両用ピラー部材の製造方法。
  5. 前記成形工程の後、前記ピラー部材における前記本体パネルの所定部に、車体に対する前記ピラー部材の組付作業に用いられる位置決め孔を形成する穿孔工程を更に備え、
    前記準備工程では、前記第2板材における前記接合工程で前記所定部に重ね合わされる部分に、該所定部を露出させる開口部を形成しておくことを特徴とする請求項4に記載の車両用ピラー部材の製造方法。
  6. 前記接合工程の後、前記成形工程の前に、前記接合板材を加熱する加熱工程を備えていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用ピラー部材の製造方法。
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