JP2024048676A - プレス成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上面視で湾曲し、少なくとも、天板部と、天板部から連続する縦壁部を有するプレス成形品における、離型後のスプリングバックによる目標形状との誤差を低減できるプレス成形品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形品1の製造方法は、上面視で湾曲し、少なくとも、天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5を有し、離型後のスプリングバックによる目標形状との誤差を低減するためのプレス成形品1の製造方法であって、金型に見込み角を付与せずに1工程でプレス成形した際にスプリングバックにより生ずる捩れ(正捩れ)と逆方向のスプリングバックによる捩れ(逆捩れ)が残存するような第1見込み角を付与した成形金型を用いてプレス成形する成形工程と、該成形工程で成形された成形品17を、前記逆捩れを低減する第2見込み角を付与したリストライク金型を用いてプレス成形するリストライク工程と、を備えたものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、上面視で湾曲し、少なくとも、天板部と、天板部から連続する縦壁部を有するプレス成形品の製造方法に関する。
自動車の衝突安全性基準の厳格化により、車体の衝突安全性の向上が進む中で、二酸化炭素排出規制を受けて、燃費向上やEV化のために車体の軽量化も必要とされている。
これら車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるために、車体構造部品への590MPa級以上の高強度鋼板(ハイテン材とも称する)の適用が進んでいる。
自動車部品はその構造の一部を含めて、例えば図3に示すように、上面視で湾曲し、少なくとも、天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5を備えたプレス成形品1がある。
このようなプレス成形品をプレス成形する場合、金型を成形下死点まで移動した後に離型するとスプリングバックが生じて、プレス成形品に捩れが生じやすい。特にハイテン材の場合、高強度化によって成形下死点で発生する応力が大きくなり、離型後に大きな応力が解放されて、大きな捩れが発生しやすくなり問題である。
このようなスプリングバックによる捩れを低減するための方法として、例えば特許文献1には、プレス成形品に貫通孔または溝等を付与して発生する応力を低減する方法が開示されている。
また、特許文献2の段落[0004]には、スプリングバックと逆方向の捩れ角を付与した金型でプレス成形する方法が開示されている。
特開2007-253173号公報 特開2007-130671号公報
特許文献1に記載されるプレス成形方法は、プレス成形品に貫通孔や溝を形成するため、目標とは異なる形状のプレス成形品となり、車体に組み付けた際に剛性が低下する、部品同士を接合することが困難になるなどの課題があった。
また、上記の特許文献2に記載されるプレス成形方法では、スプリングバックと逆方向のみの一方向の捩れ角を金型に与えてプレス成形するため、金型に与える捩れ角の設定が難しいという課題がある。すなわち、捩れ角が小さすぎるとスプリングバックである捩れを十分解消できず、捩れ角が大きすぎると逆方向の捩れが残存してしまうため、適切な捩れ角を付与する必要があるが、これが難しい。
さらに、同じ金型を用いて、材料強度の異なるブランクをプレス成形する場合や、プレス成形に供するブランクの材質や板厚等のバラツキがある場合、以下のような問題がある。
すなわち、従来の一方向のみの捩れ角を与えた同じ金型によりプレス成形しても、材料強度の違い、板厚や材質のバラツキによってスプリングバックの程度が異なり、プレス成形品のスプリングバックのバラツキが発生してしまう。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものである。すなわち、上面視で湾曲し、少なくとも、天板部と、天板部から連続する縦壁部を有するプレス成形品における、離型後のスプリングバックによる形状誤差を低減できるプレス成形品の製造方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係るプレス成形品の製造方法は、上面視で湾曲し、少なくとも、天板部と、天板部から連続する縦壁部を有し、離型後のスプリングバックによる目標形状との誤差を低減するために、金型に見込み角を付与して製造されるプレス成形品の製造方法であって、
金型に見込み角を付与せずに1工程でプレス成形した際にスプリングバックにより生ずる捩れ(正捩れ)と逆方向のスプリングバックによる捩れ(逆捩れ)が残存するような第1見込み角を付与した成形金型を用いてプレス成形する成形工程と、
該成形工程で成形された成形品を第2見込み角を付与したリストライク金型を用いてプレス成形するリストライク工程と、を備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記第1見込み角は、前記プレス成形品を1工程でプレス成形した際のスプリングバックによる捩れが所定の閾値以下となる1工程見込み角よりも大きいことを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、予め、前記プレス成形品のプレス成形解析およびスプリングバック解析を行って、スプリングバックによる捩れの方向と前記1工程見込み角を求めることを特徴とするものである。
(4)また、上記(2)に記載のものにおいて、予め、前記プレス成形品の実プレス成形を行って、スプリングバックによる捩れの方向と前記1工程見込み角を求めることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記第1見込み角又は前記第2見込み角は、前記成形金型又は前記リストライク金型の長手方向中央の幅方向断面の天板成形面部を基準として、前記成形金型又は前記リストライク金型の長手方向端部又はその近傍における幅方向断面の天板成形面部の傾斜角とすることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、リストライク工程における第2見込み角の絶対値を、第1見込み角の絶対値より小さくしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、離型後のスプリングバックである捩れを十分に低減できる。その結果、貫通孔や溝を付与する必要がなく、目標とするプレス成形品形状を保持して、従来に比べてさらに良好な形状を有するプレス成形品を製造することができる。
また、材料強度の違いや、板厚や材質のバラツキのあるブランクであっても、同じ金型を用いてスプリングバックを十分低減したプレス成形品を製造できる。
発明例における成形工程及びリストライク工程の金型見込み角の説明図である。 発明例における成形工程及びリストライク工程の成形下死点での応力状態の説明図である。 本発明が対象としているプレス成形品の一例の説明図である。 実施の形態に係る成形工程とリストライク工程の説明図である。 プレス成形品の捩れ角の説明図である。 金型見込み角の説明図である。 従来例における成形工程後の成形品及びリストライク工程後のプレス成品における捩れ角の説明図である。 従来例における成形工程及びリストライク工程の成形下死点での応力状態の説明図である。 比較例における成形工程及びリストライク工程の金型見込み角の説明図である。 比較例における成形工程及びリストライク工程の成形下死点での応力状態の説明図である。 実施例で対象としたプレス成形品の説明図である(その1)。 実施例で対象としたプレス成形品の説明図である(その2)。
本発明が対象としているプレス成形品1は、図3に一例として示すように、上面視で湾曲し、少なくとも天板部3と、天板部3から連続する縦壁部5と、縦壁部5の下端にフランジ部7とを有するハット断面形状のものである。なお、図3に示す例では、天板部3、縦壁部5に加えてフランジ部7を有しているが、フランジ部7を有することは必須ではない。
以下、板厚1.0mm、1470MPa級鋼板をブランク9として用いて成形された図3に示すプレス成形品1を例に挙げて本発明の作用について説明する。
図3に示すようなプレス成形品1は、図4に示すように、成形工程(図4(a))とリストライク工程(図4(b))によって成形される。成形工程では、金属板であるブランク9をパッド11と成形用パンチ13で押さえて、成形用ダイ15を相対的に移動させて、天板部3と縦壁部5とフランジ部7とを有する成形品17を成形する。そして、リストライク工程では、成形工程で成形された成形品17をリストライク用パンチ19とリストライク用ダイ21により整形する。
リストライク後のプレス成形品1の形状、特に捩れ角について図5に基づいて説明する。図5(a)はプレス成形品1の平面図、図5(b)はプレス成形品1の長手方向中央部のP-P断面をリストライク用パンチ19の長手方向中央部の成形面と共に示した図、図5(c)はプレス成形品1の長手方向端部近傍のQ-Q断面をリストライク用パンチ19の長手方向中央部の成形面と共に示した図である。
図5に示すように、リストライク用パンチ19の長手方向中央部の天板成形面の断面とプレス成形品1の長手方向中央部のP-P断面の天板部3を一致させた場合、長手方向端部近傍のQ-Q断面形状が、リストライク用パンチ19の長手方向中央部の天板成形面の断面に対して時計回り(湾曲外側を左、湾曲内側を右とする紙面右回り)方向に回転している。これは、スプリングバックによりプレス成形品1が捩れていることを示している。
以下の説明では、成形品17及びプレス成形品1の捩れ角を、成形用パンチ13、リストライク用パンチ19の長手方向中央部の天板成形面の断面を基準とし(図5(b)参照)、長手方向端部近傍(例えば、最端部から10mm程度中央寄り)の天板部3断面が成形用パンチ13、リストライク用パンチ19の長手方向中央部の天板成形面の断面と成す角度と定義する。そして、当該角度が湾曲外側を左、湾曲内側を右とする紙面左回り(反時計回り)にずれている場合を+(プラス)の値、紙面右回り(時計回り)にずれている場合を-(マイナス)の値とする。
また、金型見込み角として、成形用パンチ13、リストライク用パンチ19の天板成形面部の長手方向中央部の断面(R-R断面)(図6(a)(b)参照)を基準とした、長手方向端部近傍(例えば、最端部から10mm程度内部)(図6(a)(c)参照)の断面(S-S断面)の角度と定義とする。そして、金型見込み角が湾曲外側を左、湾曲内側を右とする紙面左回り(反時計回り)の場合を+(プラス)、紙面右回り(時計回り)の場合を-(マイナス)とする。
以下、従来例及び比較例の説明を通じて本発明に至った経緯について説明する。
<従来例>
従来例は、成形工程を行った後、同じ形状の金型でリストライクしていた。図7は、従来例の成形工程後(図7(a))の成形品17A及びリストライク工程後(図7(b))のプレス成形品1Aにおける長手方向端部近傍のQ-Q断面(図5参照)を示している。
従来例では、図7に示すとおり、成形工程後のスプリングバックによる捩れ角はマイナスのままであり、リストライク工程でも矯正されずにほぼそのまま残留する。
図7(a)に示すプレス成形工程後の成形品17のスプリングバックによる捩れ角は、-3.1度であり、図7(b)に示すリストライク後のプレス成形品1Aのスプリングバックによる捩れ角は-3.4度である。
従来例における2工程(成形工程とリストライク工程)について有限要素法(FEM)によるプレス成形解析を行った。図8は解析結果のコンター図であって、図8(a)は成形工程後の成形品17A、図8(b)はリストライク工程後のプレス成形品1A、それぞれの成形下死点における応力分布を示す。
図8に示されるように、成形品17A、プレス成形品1Aともに長手方向中央部には、外側のフランジ部177A、7Aに縮みフランジ変形による大きな圧縮応力が発生し、内側のフランジ部177A、7Aに伸びフランジ変形による大きな引張応力が発生する。また、天板部173A、3Aの湾曲外側に大きな引張応力が発生し、天板部173A、3Aの湾曲内側に大きな圧縮応力が発生する。
また、成形品17A、プレス成形品1Aともに長手方向端部近傍では、前記の圧縮応力や引張応力は小さくなっている。
従って、離型によりこれらの応力が解放されると、従来例では、これらの応力を駆動力として、長手方向端部に捩れが生じていたわけである。
<比較例>
比較例は、従来例で発生した捩れを解消するために、成形工程において長手方向中央部から長手方向端部に向かって、長手方向端部近傍(最端部から10mm内部)にて、1工程見込み角を付与した成形金型(成形用パンチ13B)を用いて成形し(図9(a)参照)、その後にリストライク工程で目標形状のリストライク金型(リストライク用パンチ19B)で成形する(図9(b)参照)。
本例の1工程見込み角は、目標形状の金型に対してスプリングバックの捩れと逆方向に6.0度である。
比較例によれば、成形工程においてスプリングバックを見込んで1工程見込み角を付与しているので、成形工程後のスプリングバックによる捩れはほぼ発生せず、リストライク工程で目標形状のリストライク金型19Bで成形すると、目標形状に近い形状となる。
比較例における成形工程とリストライク工程について有限要素法(FEM)によるプレス成形解析を行った。図10は解析結果のコンター図であって、図10(a)は成形工程後の成形品17B、図10(b)はリストライク工程後のプレス成形品1B、それぞれの成形下死点における応力分布を示す。
図10(a)に示されるように、比較例の場合、成形下死点では、成形品17Bの長手方向中央部には、外側のフランジ部177Bに縮みフランジ変形による大きな圧縮応力が発生し、内側のフランジ部177Bに伸びフランジ変形による大きな引張応力が発生する。また、天板部173Bの湾曲外側に大きな引張応力が発生し、天板部173Bの湾曲内側に大きな圧縮応力が発生する。
成形工程における離型後には、スプリングバックが発生するが、1工程見込み角が従来例のスプリングバックとは逆方向のスプリングバックを生じさせるものであるため、スプリングバック後には、ほぼ目標形状となる。
そのため、リストライク工程の成形下死点では、図10(b)に示されるように、発生応力は従来例より低減されており、リストライク工程の成形下死点後に離型すると、スプリングバックはほとんど発生せずに目標形状となるのである。
しかしながら、リストライク工程の成形下死点において、外側のフランジ部7Bや天板部3Bの湾曲内側には圧縮応力が多少残留し、内側のフランジ部7Bや天板部3Bの湾曲外側には引張応力が残留して、十分に応力を低減するに至っていない。
そのため、同じ金型を用いて、材料強度が異なるブランク9をプレス成形する場合や、材質や板厚等のバラツキがあるブランク9をプレス成形する場合には、リストライク工程の後、スプリングバックによる捩れが発生する場合があった。
すなわち、比較例で示したように、成形工程のみで1工程見込み角を付与する方法では、材料強度の相違や材質や板厚等のバラツキによってプレス成形品1Bの残留応力の分布が異なり、その結果、同じ金型を用いたとしてもスプリングバックを十分低減できない場合があった。
そこで、本発明においては、成形工程とリストライク工程を以下のように行うこととした。
<成形工程>
成形工程は、金型に見込み角を付与せずに1工程でプレス成形した際のスプリングバックにより生ずる捩れ(正捩れ)とは逆方向のスプリングバックによる捩れ(逆捩れ)が残存するような第1見込み角を付与した成形金型13C(図1(a)参照)を用いてプレス成形する。
比較例で示したように、本例では、1工程見込み角を6.0度にすることで、スプリングバック後の捩れが最も低減されるので、逆捩れを残存させるには、第1見込み角を6.0度よりも大きくする。具体的には、図1(a)の成形工程では、図6の金型長手方向中央部のR-R断面に対し、金型長手方向のS-S断面の第1見込み角を8.0度とする。
<リストライク工程>
リストライク工程は、成形工程で成形された成形品17Cを、前記逆捩れを低減する第2見込み角を付与したリストライク金型19Cを用いてプレス成形する。
成形工程の離型後には、スプリングバックによって逆捩れが残存しているので、これを低減するために図1(b)に示すように、逆捩れを低減するためにスプリングバックと同方向の第2見込み角(本例では図6の金型長手方向中央部のR-R断面に対し、金型長手方向端部近傍のS-S断面の角度が-6.0度)を付与したリストライク金型19Cで成形して、目標形状とする。
これら成形工程及びリストライク工程をFEM解析して、成形下死点での応力分布を求めたものを図2に示す。
図2(a)に示すとおり、成形工程では、成形品17Cの長手方向中央部には、外側のフランジ部177Cに縮みフランジ変形による大きな圧縮応力が発生し、内側のフランジ部177Cに伸びフランジ変形による大きな引張応力が発生する。
また、天板部173Cの湾曲外側に大きな引張応力が発生し、天板部173Cの湾曲内側に大きな圧縮応力が発生する。
図2(b)に示すとおり、リストライク工程のプレス成形品1Cの長手方向中央部では、外側のフランジ部7Cの圧縮応力、天板部3Cの湾曲外側の引張応力、内側のフランジ部7Cの引張応力、天板部3Cの湾曲内側の圧縮応力ともに大幅に低減する。
本発明である図2(b)と比較例である図10(b)を比較すると、図2(b)に示す本発明の場合、比較例よりも外側のフランジ部7Cの圧縮応力、内側のフランジ部7Cの引張応力が低減する。さらに、天板部3Cの湾曲外側の引張応力、天板部3Cの湾曲内側の圧縮応力も比較例よりも低減している。
すなわち、本発明の図2(b)のリストライク工程後のプレス成形品1Cの応力分布は、比較例の図10(b)に示すリストライク工程後のプレス成形品1Bの応力よりプレス成形品全体に応力が低減し、スプリングバックによる捩れを十分に低減できる。また、これと同時に、同じ金型を用いて、材料強度が異なるブランク9や材質や板厚等のバラツキがあるブランク9をプレス成形する場合でも、プレス成形品1Cに発生する応力を十分に低減できる結果、プレス成形品1Cのスプリングバックを低減できるわけである。
なお、上記はハット断面部品について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、上面視で湾曲し、天板とその両側の縦壁部からなるコの字断面部品、天板部片側のみの縦壁部とフランジ部からなるZ字断面部品、天板部と片側のみの縦壁部からなるL字断面部品にも適用できる。また、プレス成形品の一部が湾曲しているような場合でも適用できる。
本発明の効果を確認するため、板厚1.0mm、1470MPa級鋼板と980MPa級鋼板をブランク9として用いて、スプリングバックである捩れ角と材料強度の相違による捩れ角の差について検討した。
プレス成形品1の形状は、図11に示すように、天板部3、天板部3に連続する縦壁部5、縦壁部5に連続するフランジ部7を有するハット断面形状であり、断面寸法は図12に示す通りである。
なお、スプリングバックによる捩れ角、および金型見込み角は、上述したのと同様に、金型長手方向中央部の天板成形部の断面を基準として、湾曲外側を左、湾曲内側を右とする紙面左回りを+(プラス)の値、紙面右回りを-(マイナス)の値とした。
まず、金型見込み角を与えていない金型で成形してスプリングバックによる捩れ(正捩れ)の方向を求めた。さらに、1工程でスプリングバックによる捩れを極力低減できる1工程見込み角を求めると6.0度であった。
その後、前述した従来例、比較例、発明例それぞれの成形工程、リストライク工程を実施した。
結果を、表1に示す。
Figure 2024048676000002
従来例であるNo.1―1(1470MPa級材)とNo.1-2(980MPa級材)は、成形工程、リストライク工程ともに、金型見込み角を0度として、目標形状の金型をそのまま用いたものである。これらのリストライク後のプレス成形品1Aの捩れ角はそれぞれ-3.4度、-2.3度であってスプリングバックによる捩れが大きく生じていた。また、リストライク工程後の材料強度による捩れ角の差は-1.1度と大きかった。
比較例であるNo.2―1(1470MPa級材)とNo.2-2(980MPa級材)は、成形工程の1工程見込み角を6.0度、リストライク工程の金型見込み角を0度としたものである。これらのリストライク後のプレス成形品1Aの捩れ角は、No.2―1(1470MPa級材)の場合に0.6度と捩れを低減できたが、No.2-2(980MPa級材)の場合に2.0度であってスプリングバックによる捩れが大きく生じていた。その結果、リストライク工程後の材料強度による捩れ角の差は-1.4度と従来例のNo.1-1とNo.1-2との差より大きかった。
一方、発明例であるNo.3―1(1470MPa級材)とNo.3-2(980MPa級材)は、成形工程の第1見込み角を7.0度、リストライク工程の第2見込み角を-2.0度としたものである。これらのリストライク後のプレス成形品1Cの捩れ角は、No.3―1(1470MPa級材)の場合に0.3度、No.3-2(980MPa級材)の場合に0.6度とスプリングバックによる捩れを低減できた。その結果、リストライク工程後の材料強度による捩れ角の差は-0.3度であって、材料強度が1470MPa級材、980MPa級材と大きく異なるにも係わらず、同じ金型を用いて材料強度の相違による捩れ角の差はわずかであった。そのため、同じ金型を用いて材料が異なるプレス成形を行っても、十分にスプリングバックを低減できることがわかった。
比較例であるNo.4―1(1470MPa級材)とNo.4-2(980MPa級材)は、成形工程の第1見込み角を8.0度と大きくし、リストライク工程の金型見込み角を0度としたものである。これらのリストライク後のプレス成形品1Bの捩れ角は、No.4―1(1470MPa級材)の場合に2.2度、No.4-2(980MPa級材)の場合に3.4度であった。また、リストライク工程後の材料強度による捩れ角の差は-1.2度と大きかった。
発明例であるNo.5―1(1470MPa級材)とNo.5-2(980MPa級材)は、成形工程の第1見込み角を8.0度、リストライク工程の第2見込み角を-6.0度としたものである。これらのリストライク後のプレス成形品1Cの捩れ角は、No.5―1(1470MPa級材)の場合に0.1度、No.5-2(980MPa級材)の場合に0.2度であり、1470MPa級材、980MPa級材ともにスプリングバックによる捩れを十分低減できた。
また、リストライク工程後の材料強度による捩れ角の差は-0.1度であって、材料強度が1470MPa級材、980MPa級材と大きく異なるにも係わらず、同じ金型を用いても材料強度の相違による捩れ角の差はわずかであった。
そのため、本発明によれば、同じ金型を用いて材料が異なるプレス成形を行っても、十分にスプリングバックを低減できることがわかった。
1 プレス成形品
3 天板部
5 縦壁部
7 フランジ部
9 ブランク
11 パッド
13 成形用パンチ
15 成形用ダイ
17 成形品
19 リストライク用パンチ
21 リストライク用ダイ
1A プレス成形品(従来例)
3A 天板部
5A 縦壁部
7A フランジ部
1B プレス成形品(比較例)
3B 天板部
5B 縦壁部
7B フランジ部
1C プレス成形品(発明例)
3C 天板部
5C 縦壁部
7C フランジ部
13A 成形用パンチ(従来例)
13B 成形用パンチ(比較例)
13C 成形用パンチ(発明例)
17A 成形品(従来例)
173A 天板部
175A 縦壁部
177A フランジ部
17B 成形品(比較例)
173B 天板部
175B 縦壁部
177B フランジ部
17C 成形品(発明例)
173C 天板部
175C 縦壁部
177C フランジ部
19A リストライク用パンチ(従来例)
19B リストライク用パンチ(比較例)
19C リストライク用パンチ(発明例)

Claims (7)

  1. 上面視で湾曲し、少なくとも、天板部と、天板部から連続する縦壁部を有し、離型後のスプリングバックによる目標形状との誤差を低減するために、金型に見込み角を付与して製造されるプレス成形品の製造方法であって、
    金型に見込み角を付与せずに1工程でプレス成形した際にスプリングバックにより生ずる捩れ(正捩れ)と逆方向のスプリングバックによる捩れ(逆捩れ)が残存するような第1見込み角を付与した成形金型を用いてプレス成形する成形工程と、
    該成形工程で成形された成形品を第2見込み角を付与したリストライク金型を用いてプレス成形するリストライク工程と、を備えたことを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  2. 前記第1見込み角は、前記プレス成形品を1工程でプレス成形した際のスプリングバックによる捩れが所定の閾値以下となる1工程見込み角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 予め、前記プレス成形品のプレス成形解析およびスプリングバック解析を行って、スプリングバックによる捩れの方向と前記1工程見込み角を求めることを特徴とする請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 予め、前記プレス成形品の実プレス成形を行って、スプリングバックによる捩れの方向と前記1工程見込み角を求めることを特徴とする請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 前記第1見込み角又は前記第2見込み角は、前記成形金型又は前記リストライク金型の長手方向中央の幅方向断面の天板成形面部を基準として、前記成形金型又は前記リストライク金型の長手方向端部又はその近傍における幅方向断面の天板成形面部の傾斜角とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法。
  6. リストライク工程における第2見込み角の絶対値を、第1見込み角の絶対値より小さくしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法。
  7. リストライク工程における第2見込み角の絶対値を、第1見込み角の絶対値より小さくしたことを特徴とする請求項5に記載のプレス成形品の製造方法。
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