JP6847522B2 - 接合方法 - Google Patents
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Description
このキャリアでは、ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトの一端と他端が、回転軸方向で対向配置されたベースプレートとキャリアプレートで支持されている。
キャリアでは、キャリアプレートの外周側から延びる連結用の脚部の先端を、ベースプレートに連結することで、キャリア組立体を形成しており、形成されたキャリア組立体の内側で、ピニオンシャフトが支持されている。
しかし、キャリア組立体の作製にあたり、キャリアプレートから延びる連結用の脚部を成型する必要がある場合には、炭素の含有量が多くて硬い鋼材になると、連結用の脚部の成型性が悪化してしまう。
しかし、炭素の含有量が多い鋼材同士を、電子ビーム溶接で連結すると、溶接した範囲に割れや孔が生じることがあり、溶接した範囲での割れや孔の発生を抑制することが求められていた。
第1の鋼材と第2の鋼材とが、共通の軸線上で対向配置されており、前記第1の鋼材から前記第2の鋼材に向けて延びる連結部と前記第2の鋼材との接合部を、当該接合部の境界線に沿って、前記軸線方向から電子ビーム溶接で接合する接合方法であって、
前記境界線上に、溶接範囲の始点と終点を設定し、
電子ビームの照射位置を、前記始点から前記終点に向けて前記境界線に沿って変位させたのち、前記境界線から離れる方向に変位させて、前記電子ビームの照射位置が、前記境界線に沿うと共に前記境界線から離れた位置に設定された仮想線まで到達すると、以降、前記電子ビームの照射位置を、前記仮想線に沿って変位させつつ、前記電子ビームの照射を終了する構成とした。
その結果、溶接範囲の終点で電子ビームの照射を止めると、溶接範囲の終点の近傍では、溶解した鋼材の領域(溶解領域)に隣接して形成される溶解した鋼材と溶解していない鋼材とが混在する領域(固液共存領域)が小さくなること、この固液共存領域に、隣接する溶解領域から、固化する途中の鋼材が引き寄せられることで割れや孔が生じる傾向があること、を見いだした。
そのため、上記のように構成して、電子ビームの照射を溶接範囲の終点で終了させるのではなく、電子ビームの照射位置が溶接範囲の終点を通過するようにすることで、溶接範囲の終点の近傍での固液共存領域が小さくならないようにして、割れや孔の発生を抑制した。
図2は、キャリアプレート2とベースプレート3を説明する図であり、(a)は、キャリアプレート2の平面図であり、(b)は、ベースプレート3の平面図である。
ここで、本明細書における用語「炭素鋼鋼材」は、炭素の含有量が0.18質量%以上である鉄系の鋼材を意味しており、炭素の含有量の上限は、鋼材が含有することができる最大質量%を想定している。
なお、質量%は、鋼材の総質量に対する割合を百分率で示したものである。
なお、これらキャリアプレート2とベースプレート3の作製に用いる炭素鋼鋼材は、ここで例示したもの(25C材、35C材)に限定されない。要求性能や用途などに応じて決まる任意の炭素含有量の炭素鋼鋼材が選択される。
基部20において脚部21は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられており、周方向で隣接する脚部21、脚部21の間には、ピニオンシャフトの支持孔22が、基部20を厚み方向に貫通して設けられている。
この支持孔22もまた、脚部21と同様に、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
回転軸X方向から見て、脚部21の先端部21aは、基部20の外周201に沿う弧状の内周210と外周211とを有しており、これら内周210と外周211の周方向の両端部は、円弧状の周縁212で互いに接続されている。
この基部30の外径側には、基部30を厚み方向に貫通する貫通孔31が設けられており、この貫通孔31に、キャリアプレート2の脚部21が、回転軸X方向から挿入されるようになっている。
この支持孔32もまた、貫通孔31と同様に、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
回転軸X方向から見て貫通孔31は、基部30の外周301に沿う弧状の内周310と内周311とを有しており、内径側の内周310と外径側の内周311の周方向の両端部は、弧状の周縁312で互いに接続されている。
貫通孔31は、前記した脚部21の先端部21aの長さL1および幅W1よりも大きい長さL2および幅W2で形成されている(L2>L1、W2>W1:図2の(a)、(b)参照)。
そして、これら外周211と内周311との接合部では、仮想円Im1に重なる領域が、外周211と内周311との境界線となっており、この境界線に沿って接合部を、回転軸X方向から溶接することで、キャリアプレート2とベースプレート3とを互いに連結している。
電子ビーム溶接は、例えば、図4に示すような構成の電子ビーム溶接装置10を用いて実施される。この電子ビーム溶接装置10では、支持台15載置されたワーク(図4の場合には、キャリア組立体1)における溶接される領域に、ワークに対向配置された電子銃11から電子ビームEBを照射して電子ビーム溶接を実施する。
電子銃11から照射された電子ビームEBの照射位置と、電子銃11から照射される電子ビームEBの照射出力は、数値制御(NC制御)のプログラムに従って制御装置12が制御する。
図3の(a)は、キャリアプレート2の脚部21の外周211と、ベースプレート3の貫通孔31の外径側の内周311とを、従来例にかかる方法で溶接した場合の溶接痕Wを説明する図であり、(b)は、キャリアプレート2の脚部21の外周211と、ベースプレート3の貫通孔31の外径側の内周311との接合部の境界線Im1を説明する図であり、(c)は、境界線Im1上に設定された溶接範囲の始点Psと終点Peを説明する図である。
脚部21の外周211と貫通孔31の内周311とが互いに接触した領域が、電子ビーム溶接により接合される接合部となっており、外周211と内周311との境界を通る仮想円Im1の位置が、この接合部の境界線となっている。
この仮想円Im1における境界線の部分は、回転軸Xを中心とした円弧状を成している。
そうすると、脚部21の外周211と貫通孔31の内周311の互いの接合部が溶解したのちに固化する結果、脚部21の外周211と貫通孔31の内周311とが接合されると共に、図3の(a)に示すような溶接痕Wが形成される。
図5の(a)は、溶接範囲の終点Peの近傍を、電子ビームEBの照射位置の変位方向(溶接方向)に沿って切断した断面を模式的に示した図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面を模式的に示した図である。
この図5において、固液共存領域は、電子ビームEBの照射により溶解した鋼材と、溶解していない鋼材とが混在している領域を意味し、溶解領域は、電子ビームEBの照射により溶解した鋼材の領域を意味している。
(b)鋼材の溶解量が少なくなると、終点Peの近傍領域では、溶解領域に隣接して形成される固液共存領域が小さくなり、溶解領域の鋼材が、固化する過程で固液共存領域側に鋼材が引き寄せられて、割れKや孔が生じる。
(c)鋼材における炭素の含有量が多くなる。例えば0.18質量%よりも多くなると、鋼材の延性の低下及び凝固温度の低下により、割れKや孔が生じ易くなる。
その結果、電子ビーム溶接を、従来例の場合に設定されていた終点Peで終了させるのではなく、設定されていた終点Peから離れた位置で終了させることで、割れKや孔の発生を抑制できることを見いだした。
図6は、実施の形態にかかる電子ビーム溶接を説明する図であり、(a)は、電子ビーム溶接を行う過程における電子ビームEBの照射位置の変位例を説明する図であり、(b)は、(a)の場合における溶接痕Wを説明する図である。
図6の(c)は、電子ビーム溶接を行う過程における電子ビームEBの照射位置の他の変位例であり、(d)は、(c)の場合における溶接痕Wを説明する図である。
これにより、電子ビームEBの照射位置は、仮想線Im2上を始点Psに近づく方向に変位し、最終的に仮想線Im2上に設定された照射終了点Pxに達した時点で、電子ビームEBの照射が終了する。
ここで、照射の開始位置である始点Psから終点Peに向けた変位と、境界線Im1から離れる方向の変位との過渡期では、電子ビームEBの照射位置の変位速度を、過渡期外での変位速度よりも遅くするようにしても良い。
この場合には、終点Peの近傍での照射位置の変位速度が遅くなって、終点Peの近傍領域への電子ビームEBの照射量が増えるので、終点Pe近傍において、溶解領域に隣接して形成される固液共存領域が小さくなることを好適に防止できるからである。
そのため、終点Peの近傍領域では、固液共存領域(溶解した鋼材と、溶解していない鋼材との混合領域)が小さくなり、溶解領域(溶解した鋼材の領域)の鋼材が固化する過程で、固液共存領域側に鋼材が引き寄せられて、割れKや孔が生じていた。
よって、溶接痕Wにおける終点Peの近傍領域での割れKや孔の発生を抑制できる。
なお、この場合の溶接痕Wは、始点Psから終点Peまでの接合に寄与する溶接範囲に加えて、終点Peから照射終了点Pxまでの範囲にも形成される(図6の(b)参照)。
(1)キャリアプレート2(第1の鋼材)とベースプレート3(第2の鋼材)とが、遊星歯車組のピニオンギヤを支持するために共通の回転軸X(軸線)上で対向配置されており、キャリアプレート2からベースプレート3に向けて延びる脚部21(連結部)と、ベースプレート3の貫通孔31との接合部を、当該接合部の境界線Im1に沿って、回転軸X方向から電子ビーム溶接で接合する接合方法であって、
キャリアプレート2の脚部21の外周211と、ベースプレート3の貫通孔31の外径側の内周311との接合部の境界線Im1上に、溶接範囲の始点Psと、終点Peを設定し、
電子ビームEBの照射位置を、始点Psから終点Peに向けて境界線Im1に沿って変位させたのち、境界線Im1から離れる方向に変位させて、電子ビームEBの照射を、境界線Im1から離れた位置に設定した照射終了点Pxで終了する構成とした。
その結果、溶接範囲の終点Peで電子ビームEBの照射を止めると、終点Peの近傍では、溶解した鋼材と溶解していない鋼材とが混在する領域(固液共存領域)が小さくなること、この固液共存領域に、隣接する溶解した鋼材の領域(溶解領域)から、固化する途中の鋼材が引き寄せられることで割れKや孔が生じる傾向があること、を見いだした。
そのため、上記のように構成して、電子ビームEBの照射を、溶接範囲の終点Peで終了させるのではなく、接合部の境界線Im1から離れた位置に設定した照射終了点Pxで終了させるようにした。
これにより、電子ビームEB溶接を実施した際に、溶接範囲の終点Peの近傍に生じる固液共存領域が小さくならないようにすることができ、固液共存領域が小さくなることに起因する割れKや孔の発生を抑制できる。
上記のように構成して、電子ビームEBの照射位置が、溶接範囲の終点Peを通過するようにすることで、溶接範囲の終点Peの近傍での電子ビームEBの照射量が少なくならないようにした。
これにより、キャリアプレート2とベースプレート3を、溶解速度の遅い炭素鋼鋼材で作製した場合であっても、キャリアプレート2の脚部21の外周211と、ベースプレート3の貫通孔31の外径側の内周311との接合部の溶接範囲をより確実に溶解させて、溶接範囲の終点Pe近傍に発生する固液共存領域が小さくなることを好適に防止できる。
よって、溶接範囲(溶接痕W)での割れKや孔の発生を抑制できるので、キャリアプレート2とベースプレート3を溶接で連結したキャリア組立体1を十分な強度を持って作製することができる。
上記のように構成して、電子ビームEBの照射位置が溶接範囲の終点Peを通過するようにすることで、溶接範囲の終点Peの近傍での電子ビームEBの照射量を、電子ビームEBの照射を溶接範囲の終点Peで終了する従来例の場合よりも多くすることができる。
よって、炭素の含有量が多く凝固速度が速く延性も高い炭素鋼鋼材でキャリアプレート2とベースプレート3を作製した場合であっても、溶接範囲(溶接痕W)における割れKや孔の発生を好適に抑制できる。
そのため、キャリアプレート2を、ベースプレート3を作製する炭素鋼鋼材(35C材)よりも炭素の含有量が少ない炭素鋼鋼材(25C材)に変更して、脚部21の成型性を確保したのち、キャリアプレート2の脚部21の外周211とベースプレート3の貫通孔31の内周311とを溶接している。
よって、溶接範囲の終点Pe近傍の鋼材を適切に溶解させて、固液共存領域が小さくなることを防止することで、電子ビーム溶接後の溶接範囲(溶接痕W)に、割れKや孔が生じる頻度を、好適に抑制できる。
電子ビームEBの照射位置が溶接範囲の終点Peに達した時点から、電子ビームEBの照射位置を境界線Im1から離れる方向に直線状に変位する構成とした。
電子ビームEBの照射位置が、境界線Im1に沿うと共に境界線から離れた位置に設定された仮想線Im2(他の仮想線:図6の(a)点P2参照)まで到達すると、以降、電子ビームEBの照射位置を、仮想線Im2に沿って、溶接領域の始点Psに近づく方向に変位させつつ、仮想線Im2上に設定した照射終了点Pxで電子ビームEBの照射を終了する構成とした。
よって、上記のように構成することで、電子ビームEBの照射位置が、溶接範囲の終点Peの近傍にあるときから、電子ビームEBの照射量を減少させずに済むことになる。
よって、溶接範囲の終点Peの近傍領域への電子ビームEBの照射量が減少して、鋼材の溶解量が不十分になることを好適に防止できる。
そうすると、終点Peの近傍領域への電子ビームの照射量が増えるので、終点Pe近傍において、溶解領域に隣接して形成される固液共存領域が小さくなることを好適に防止できる。これにより、溶接領域(溶接痕W)に割れKや孔が生じる割合を好適に抑制できる。
本願発明は、この態様に限定されるものではなく、溶接範囲の終点Peの近傍に生じる固液共存領域が小さくならないようにすることができる範囲内で、照射位置を変位させる態様を変更しても良い。
キャリアプレート2の脚部21の外周211と、ベースプレート3の貫通孔31の外径側の内周311との接合部の境界線Im1上の溶接範囲を、予め設定した始点Psから終点Peまでの確実に溶接して接合するためである。
電子ビームEBの照射位置を滑らかに変位させることができるからである。
電子ビームEBの照射位置が仮想線Im2まで到達すると、以降、電子ビームEBの照射位置を、仮想線Im2に沿って、溶接領域の始点Psに近づく方向に変位させつつ、仮想線Im2上に設定した照射終了点Pxで電子ビームEBの照射を終了することが好ましい。溶接範囲の終点Peの近傍領域への電子ビームEBの照射量が減少して、鋼材の溶解量が不十分になることを好適に防止できるからである。
(7)境界線Im1から離れる方向の変位は、電子ビームEBの照射位置が終点Peの手前の開始点P1(所定位置)に達した時点から開始され、
電子ビームEBの照射位置が開始点P1に達した時点から、電子ビームEBの照射位置を、電子ビームEBの照射側から見て円弧状を成す仮想円Im4に沿って境界線Im1から離れる方向に変位させる構成とした。
これにより、過渡期において照射位置の変位方向を急激に変化させる場合に比べて、照射位置の変位方向がなめらかに変化することで、変位方向の変化の過程において、照射位置の変位に一瞬の静止が生じないようにすることができる。
これにより、溶接範囲の終点Peの近傍を適切に溶解させて、割れKや孔の発生を好適に抑制できる。
前記した実施の形態では、電子ビームEBの照射位置の境界線Im1から離れる方向への変位がキャリアプレート2の脚部21側に設定されている場合を例示した(図6参照)。
本願発明は、この態様に限定されるものではなく、溶接範囲の終点Peの近傍に生じる固液共存領域が小さくならないようにすることができる範囲内で、照射位置を変位させる態様を変更しても良い。
電子ビームEBの照射位置が、溶接範囲の終点Peの近傍にあるときから、電子ビームEBの照射量を減少させずに済むからである。また、溶接範囲の終点Peの近傍領域への電子ビームEBの照射量が減少して、鋼材の溶解量が不十分になることを好適に防止できるからである。
すなわち、電子ビームEBの照射位置が終点Peの手前の所定位置に達した時点から、電子ビームEBの照射位置を、電子ビームEBの照射側から見て円弧状を成す仮想円に沿って境界線Im1から離れる方向に変位させる構成としても良い。
溶接範囲の始点Psから終点Peに向けた変位と、境界線Im1から離れる方向の変位との過渡期において、電子ビームEBの照射位置を滑らかに変位させることができるからである。
2 キャリアプレート(第1の鋼材)
20 基部
201 外周
21 脚部(連結部)
21a 先端部
210 内周
211 外周
212 周縁
22 支持孔
3 ベースプレート(第2の鋼材)
30 基部
301 外周
31 貫通孔
310 内周
311 内周
312 周縁
32 支持孔
4 インターナルギヤ
10 電子ビーム溶接装置
11 電子銃
12 制御装置
15 支持台
EB 電子ビーム
Im1 境界線(仮想円)
Im2 仮想線
Im3 仮想線
Im4 仮想円(円弧状を成す仮想線)
P1 開始点
Ps 始点
Pe 終点
W 溶接痕
W1 幅
W2 幅
X 回転軸(共通の軸線)
r 半径
k 割れ
Claims (7)
- 第1の鋼材と第2の鋼材とが、共通の軸線上で対向配置されており、前記第1の鋼材から前記第2の鋼材に向けて延びる連結部と前記第2の鋼材との接合部を、当該接合部の境界線に沿って、前記軸線方向から電子ビーム溶接で接合する接合方法であって、
前記境界線上に、溶接範囲の始点と終点を設定し、
電子ビームの照射位置を、前記始点から前記終点に向けて前記境界線に沿って変位させたのち、前記境界線から離れる方向に変位させて、前記電子ビームの照射位置が、前記境界線に沿うと共に前記境界線から離れた位置に設定された仮想線まで到達すると、以降、前記電子ビームの照射位置を、前記仮想線に沿って変位させつつ、前記電子ビームの照射を終了することを特徴とする接合方法。 - 前記第1の鋼材と前記第2の鋼材は、炭素の含有量が所定量以上の炭素鋼鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記境界線から離れる方向への変位は、前記電子ビームの照射位置が前記終点に達した時点から開始され、
前記電子ビームの照射位置が前記終点に達した時点から、前記電子ビームの照射位置を前記境界線から離れる方向に直線状に変位させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接合方法。 - 前記境界線から離れる方向への変位は、前記電子ビームの照射位置が前記終点の手前の所定位置に達した時点から開始され、
前記電子ビームの照射位置が前記終点の手前の所定位置に達した時点から、前記電子ビームの照射位置を、前記電子ビームの照射側から見て円弧状を成す仮想線に沿って前記境界線から離れる方向に変位させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接合方法。 - 前記始点から前記終点に向けた変位と、前記境界線から離れる方向の変位の過渡期では、前記電子ビームの照射位置の変位速度を、前記過渡期外での変位速度よりも遅くすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の接合方法。
- 前記第1の鋼材と前記第2の鋼材は、遊星歯車組のピニオンギヤを支持するために前記共通の軸線上で対向配置されたキャリアプレートとベースプレートであり、
前記接合部は、前記ベースプレートを前記軸線方向に貫通する貫通孔の内周と、前記キャリアプレートから前記ベースプレート側に延びると共に前記貫通孔に挿入された前記連結部とが互いに接触した領域であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の接合方法。 - 前記キャリアプレートは、前記ベースプレートよりも炭素の含有量が少ない鋼材であり、前記電子ビームの照射位置の前記境界線から離れる方向の変位は、前記キャリアプレートの連結部側への変位であることを特徴とする請求項6に記載の接合方法。
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