JP2024093539A - 接合用工具及び接合部材 - Google Patents

接合用工具及び接合部材

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巧也 勝田
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Abstract

【課題】摩擦攪拌接合により円環形状の孔部を接合するときに適した接合用工具及び接合部材を提供する。
【解決手段】接合用工具Aは、第1部材10の円形状の第1孔部14と第2部材20の円形状の第2孔部26とを摩擦攪拌接合により接合する。接合用工具Aは、回転軸芯X周りに回転可能なショルダ1と、ショルダ1から延出するプローブ5と、を備えており、プローブ5は回転軸芯Xを中心とした円環形状である。
【選択図】図2

Description

本発明は、接合用工具及び接合部材に関する。
従来、金属部材同士を接合する際に摩擦熱を利用する方法の一つとして摩擦攪拌接合法がある。この方法では、同種の金属部材同士若しくは異種の金属部材同士を突き合わせた部位に回転ツールであるプローブを高速回転させた状態で接触させ、その摩擦熱により金属部材を軟化させる。これにより、両金属部材が混合状態で固化した接合部が形成され、両金属部材は接合される。
特許文献1には、一対の金属部材の突合せ部に回転させながら接触させて摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合ツールが開示されている。該摩擦攪拌接合ツールは、ツール先端部の中央に突設され一対の金属部材内に挿入させるプローブと、プローブとツール先端部の外周縁との間に形成され部材表面を押え付けるショルダ部とを有する。摩擦攪拌接合ツールを一対の金属部材の突合せ部に沿って移動させることにより、突合せ部の端面は相互に摩擦攪拌接合される。
特開2021-062376号公報
特許文献1に開示された摩擦攪拌接合ツールのプローブは、円柱形状である。そのた、め、一対の金属部材の突合せ部が円環状の場合(例えば、円筒若しくは円柱の接合部材に円形の孔が開いた金属板を外嵌して摩擦攪拌接合する場合)、プローブを円環状の突合せ面に沿って移動させる必要があり、更なる改良の余地がある。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、摩擦攪拌接合により円環形状の孔部を接合するときに適した接合用工具及び接合部材を提供する点にある。
本発明に係る接合用工具の一つの実施形態は、第1部材の円形状の第1孔部と第2部材の円形状の第2孔部とを摩擦攪拌接合により接合する接合用工具であって、回転軸芯周りに回転可能なショルダと、前記ショルダから延出するプローブと、を備え、前記プローブは前記回転軸芯を中心とした円環形状である。
本実施形態によると、プローブが円環形状を有しているので、プローブの外径を第1孔部若しくは第2孔部の内径近傍に設定することにより、プローブを回転させたときに、第1孔部と第2孔部とが接合される円環状の部分の全体を一度に軟化させて接合することができる。これにより、従来のように、プローブを突合せ面に沿って環状に移動させて第1孔部と第2孔部とを接合する場合と比較して、接合時間を大幅に短縮することができる。
本発明に係る接合用工具の他の一つの実施形態において、前記ショルダは、前記プローブの径外側かつ前記回転軸芯周りに円環形状の凹部を有する。
プローブを回転させて摩擦攪拌接合を行うと、摩擦により軟化した第1部材及び/又は第2部材の一部はプローブの外方に押出され、バリになって硬化する。そのため、接合後にバリを取除く工程が発生する。しかし、本実施形態によると、プローブの回転により軟化して外方に押出された第1部材及び/又は第2部材の一部は、ショルダに形成された円環形状の凹部に収容されて硬化する。そのため、バリが発生しないので、第1部材と第2部材の接合後のバリを取除く工程が不要となり、更に接合時間を短縮することができる。
本発明に係る接合用工具の他の一つの実施形態において、前記プローブは、外周面に摩擦により前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方を塑性流動させるテーパ形状の摩擦部を有する。
本実施形態によると、プローブがテーパ形状の摩擦部を有するので、該摩擦部を第1孔部若しくは第2孔部の内周面に押付けた場合に、常に内周面に摩擦部を押付けることができる。
本発明に係る接合部材の一つの実施形態は、第1部材の円形状の第1孔部と第2部材の円形状の第2孔部とを円環形状のプローブを用いて摩擦攪拌接合により接合した接合部材であって、前記第1部材と前記第2部材とが接合された摩擦接合部の幅が4mm以下である。
従来のように、プローブを環状に移動させて第1孔部と第2孔部とを接合する場合、摩擦攪拌接合の品質確保のため、ショルダの直径は最低でも直径5mmが必要であった。その場合、摩擦接合部の径方向の幅は少なくとも5mm以上になった。しかし、本実施形態によると、プローブが円環形状を有しているので、プローブの強度を確保した上で、摩擦接合部の幅を4mm以下にすることができる。
本発明に係る接合部材の他の一つの実施形態において、前記摩擦接合部が前記第2部材に対して円環状に隆起している。
本実施形態によると、プローブの回転により外方に押出された第1部材及び/又は第2部材の摩擦接合部がバリにならずに、リベット接合されたリベットのように円環状に隆起する。そのため、接合部材の形成後にバリを取除く工程が不要となり、短い接合時間で接合部材を得ることができると共に、第1部材と第2部材とを強固に接合することができる。
第1実施形態に係る接合用工具及び接合部材を表す斜視図である。 接合用工具を用いて接合部材を形成する工程を表す概略断面図である。 第2実施形態に係る接合用工具を用いて接合部材を形成する工程を表す概略断面図である。 第3実施形態に係る接合用工具を用いて接合部材を形成する工程を表す概略断面図である。
以下、本発明に係る接合用工具及び接合部材の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
〔第1実施形態〕
〔接合用工具の構成〕
摩擦攪拌接合は、金属部材同士を突き合わせた部位に回転工具である接合用工具のプローブを高速回転させた状態で接触させて摩擦熱を供給し、その摩擦熱により金属部材を軟化させて接合し接合部材を形成する工法である。摩擦攪拌接合に用いられる金属部材は同種の金属部材であってもよいし、融点が互いに異なる金属部材であってもよい。
図1は、第1部材10、第2部材20、及び第1部材10と第2部材20とを摩擦攪拌接合により接合するために用いられる接合用工具Aを表す斜視図である。図2は、接合用工具Aを用いて第1部材10と第2部材20とを摩擦攪拌接合により接合して接合部材Bを形成する工程を表す概略断面図である。
図1、図2に示されるように、接合用工具Aは、回転軸芯Xを中心とした円柱形状のショルダ1と、ショルダ1よりも小径かつ回転軸芯Xと同軸芯になるようにショルダ1の下端1aに回転軸芯Xと平行な方向に延出して形成されたプローブ5と、を備えている。プローブ5は、ショルダ1と一体となって回転する。本実施形態に係るプローブ5は、回転軸芯Xに垂直な断面が円環形状を有している。
プローブ5は、プローブ5が回転した状態で第1部材10に当接することにより第1部材10に摩擦熱を発生させて溶融させる摩擦部7を外周面に有している。摩擦部7は、ショルダ1から延出する方向に縮径するテーパ形状を有している。摩擦部7は、後述する第1部材10との摩擦により第1部材10を軟化させ、第1部材10を塑性流動させる。
ショルダ1は、プローブ5の径外側かつ回転軸芯Xの周りに円環形状となる凹部2を有している。凹部2は、図2に示されるように、ショルダ1の下端1aよりもプローブ5の延出方向と反対方向に窪んでいる。なお、本実施形態においては、接合用工具Aのショルダ1の外径は約11mmである。
〔接合部材の形成工程〕
次に、接合用工具Aを用いて第1部材10と第2部材20とを接合することにより接合部材Bを形成する工程について説明する。第1部材10は、アルミニウムからなり、図1に示されるように、軸芯Yを中心とする円筒形状を有している。第1部材10は軸芯Yに沿う方向の一端に縮径接合部12を有する。縮径接合部12は、軸芯Yと同軸芯で、第1部材10の最外径よりも縮径された円筒形状を有している。第1部材10は軸芯Yを中心として軸芯Yに沿って形成された貫通孔である第1孔部14を有している。第1孔部14の内径は縮径接合部12の外径よりも小さく、第1孔部14は、縮径接合部12を含む第1部材10の全体を貫通している。なお、本実施形態においては、第1孔部14の内径は約7mmである。
第2部材20は、アルミニウム又は鉄等からなり、軟化温度が第1部材10の軟化温度以上である。第2部材20は、平行な二つの板面である上面22と下面24とを有し、上面22から下面24に亘って貫通形成された円形状の第2孔部26を有する。図2(a)に示されるように、摩擦攪拌接合を行う際に、第2孔部26は第1部材10の縮径接合部12に外嵌される。このとき、第2部材20の下面24が第1部材10の載置部16に当接すると共に、第2孔部26の内周面26aが縮径接合部12の外周面12aに当接する。また、縮径接合部12は、第2部材20の上面22よりも上方に突出している。すなわち、縮径接合部12の軸芯Yに沿う方向の長さは、第2部材20の板厚よりも長い。
次に、第2部材20が第1部材10の縮径接合部12に外嵌された状態で、回転軸芯Xが軸芯Yと同軸芯になるように、接合用工具Aを第1部材10及び第2部材20に対して上方に配置する。そして、接合用工具Aを下方に移動させて、プローブ5の摩擦部7を第1部材10の第1孔部14の内周面14aの上端に押当てる。このとき、ショルダ1とプローブ5とは一体回転している。上述したように、円環形状のプローブ5は摩擦部7がテーパ形状を有しており、プローブ5(摩擦部7)の先端側の外径は第1孔部14の内径よりも小さく、基端側の外径は第1孔部14の内径よりも大きい。これにより、第1孔部14の内周面14aに、常にプローブ5の摩擦部7を押当てることができる。
プローブ5が回転した状態で摩擦部7は第1部材10の第1孔部14の内周面14aに押当てられているので、摩擦部7が押当てられた内周面14aには摩擦熱が発生し、当該箇所が軟化する。プローブ5が回転しているので、第1部材10の内周面14aのうち軟化した部位(以下、摩擦接合部18という)は塑性流動により混ぜられる。摩擦接合部18は軟化しているので、接合用工具Aは下方への更なる移動が可能になる。接合用工具Aは、下方に移動して軟化していない第1部材10を新たに軟化させる。このように接合用工具Aは、第1部材10を軟化させながら下方に移動する。この結果、第1部材10における摩擦接合部18の量(体積)は増加する。
通常、プローブ5を回転させて摩擦攪拌接合を行うと、摩擦により軟化した第1部材10の摩擦接合部18の一部がプローブ5の外方に押出され、バリになって硬化する。そのため、接合後にバリを取除く工程が発生する。しかし、本実施形態では、ショルダ1が、プローブ5の径外側かつ回転軸芯Xの周りに円環形状となる凹部2を有している。そのため、第1部材10の摩擦接合部18のうちプローブ5の回転により外方に押出されたものは、バリにならずに凹部2に収容される。そして、摩擦接合部18のうち凹部2に収容された部分は、軟化した状態のまま凹部2の形状に沿って縮径接合部12の径外方向に流動し、第2部材20の上面22のうち第2孔部26の近傍を覆う(図2(b)参照)。このように、接合用工具Aを用いて摩擦攪拌接合を行うとバリが発生しないので、第1部材10と第2部材20の接合後にバリを取除く工程が不要となる。
接合用工具Aは、ショルダ1の下端1aが第2部材20の上面22に近接若しくは当接するまで下方に移動し、その後上方に移動する。接合用工具Aが上方に移動すると、プローブ5と第1部材10の第1孔部14の内周面14aとが離間するので、第1部材10には摩擦熱が発生しなくなる。そのため、軟化した摩擦接合部18は、第2部材20の第2孔部26と上面22とに密着しつつ硬化する。このようにして、第1部材10と第2部材20とは接合され、接合部材Bが形成される(図2(c)参照)。このとき、凹部2に収容された摩擦接合部18は、凹部2の形状に倣った形状で硬化する。
図2(c)に示されるように、凹部2に収容されて硬化した摩擦接合部18は、リベット接合されたリベットのように第2部材20の上面22よりも上方に円環状に隆起している。これにより、第1部材10と第2部材20とを強固に接合することができる。このとき、摩擦接合部18は、径方向で、第1孔部14からショルダ1の下端1aに亘って形成されている。したがって、摩擦接合部18の径方向の幅dは、約2mm(=(11mm-7mm)/2)である。
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態の接合用工具Aにおいては、プローブ5が円環形状を有しており、プローブ5(摩擦部7)の先端側の外径は第1孔部14の内径よりも小さく、基端側の外径は第1孔部14の内径よりも大きい。これにより、プローブ5を回転させたときに、第1孔部14の円環状の内周面14aの全体を一度に軟化させて接合することができる。その結果、従来のように、プローブを環状に移動させて第1孔部14と第2孔部26とを接合する場合と比較して、接合時間を大幅に短縮することができる。
本実施形態によると、プローブ5の回転により軟化して外方に押出された第1部材10の摩擦接合部18は、ショルダ1に形成された円環形状の凹部2に収容されて硬化する。そのため、バリが発生しないので、接合部材Bの形成後にバリを取除く工程が不要となり、更に接合時間を短縮することができる。
本実施形態によると、プローブ5がテーパ形状の摩擦部7を有するので、摩擦部7を第1孔部14の内周面14aに押付けた場合に、常に内周面14aに摩擦部7を押付けて摩擦接合部18を生成することができる。
従来のように、プローブを環状に移動させて第1孔部14と第2孔部26とを接合する場合、摩擦攪拌接合の品質確保のため、ショルダの直径は最低でも直径5mmが必要であった。その場合、摩擦接合部の径方向の幅は少なくとも5mm以上になった。しかし、本実施形態の接合用工具Aであれば、プローブ5を円環形状にしてショルダ1に凹部2を設けることにより、プローブ5の強度を確保した上で、摩擦接合部18の幅dを約2mmと従来の半分以下にすることができる。
本実施形態によると、プローブ5の回転により外方に押出された第1部材10の摩擦接合部18がバリにならずに、リベット接合されたリベットのように円環状に隆起する。そのため、接合部材Bの形成後にバリを取除く工程が不要となり、短い接合時間で接合部材Bを得ることができると共に、第1部材10と第2部材20とを強固に接合することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る接合用工具Aと接合部材Bの構成について図3を用いて説明する。本実施形態においては、接合用工具A及び第1部材10の形状が第1実施形態とは異なっている。それ以外は第1実施形態と同様の構成を有している。そのため、本実施形態の説明においては、第1実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、第2部材20の第2孔部26は第1部材10の縮径接合部12に外嵌されているが、縮径接合部12は第2部材20の上面22から上方に突出していない。すなわち、縮径接合部12の上面12bと第2部材20の上面22とは、面一になっている。本実施形態においては、第1部材10と第2部材20の材質は同じであり、例えば、いずれもアルミニウムからなる。
本実施形態に係る接合用工具Aにおいて、プローブ5は円環形状であり、ショルダ1から回転軸芯Xに沿って鉛直下方に延出している。本実施形態のプローブ5は摩擦部7を有しておらず、ショルダ1は凹部2を有していない。プローブ5の先端は、回転軸芯Xと軸芯Yとが同軸芯になったときに第1部材10の縮径接合部12の外周面12aと第2部材20の第2孔部26の内周面26aとの境界近傍に位置するように構成されている。
図3(a)に示されるように、第2部材20が第1部材10の縮径接合部12に外嵌された状態で、回転軸芯Xが軸芯Yと同軸芯になるように、接合用工具Aを第1部材10及び第2部材20に対して上方に配置する。そして、接合用工具Aを下方に移動させて、プローブ5の先端を第1部材10の縮径接合部12の外周面12aと第2部材20の第2孔部26の内周面26aとの境界を含むその近傍(以下、この部分を突合せ部28という)に押当てる。
プローブ5が回転した状態でプローブ5の先端は突合せ部28に押当てられているので、プローブ5が押当てられた突合せ部28は、第1部材10と第2部材20とに亘って摩擦熱が発生し、突合せ部28の近傍が軟化して摩擦接合部18となる。本実施形態においては、第1部材10と第2部材20とは同じ材質であるため、第1部材10と第2部材20の両方が摩擦熱により軟化する。そして接合用工具Aは、第1部材10と第2部材20とを軟化させながら下方に移動する(図3(b)参照)。
接合用工具Aは、ショルダ1の下端1aが第2部材20の上面22に近接若しくは当接するまで下方に移動し、その後上方に移動する(図3(c)参照)。接合用工具Aが上方に移動すると、プローブ5と摩擦接合部18とが離間するので、第1部材10及び第2部材20には摩擦熱が発生しない。そのため、軟化した摩擦接合部18は、第1部材10と第2部材20とに密着しつつ硬化する。このようにして、第1部材10と第2部材20とは接合され、接合部材Bが形成される。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係る接合用工具Aと接合部材Bの構成について図4を用いて説明する。本実施形態においては、第1部材10及び第2部材20の形状が第2実施形態とは異なっている。それ以外は第2実施形態と同様の構成を有している。そのため、本実施形態の説明においては、第2実施形態と同様の構成の箇所については同じ符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、第1部材10は、縮径接合部12を有していない。また、第1部材10は、第1孔部14の内周面14aの端部に第1テーパ19を有する。第2部材20は、第2孔部26が板厚方向の全体に亘って第2テーパ29を有する。第1テーパ19の軸芯Yに対する角度は、第2テーパ29の第2孔部26の中心軸に対する角度よりも大きい。そして、第1テーパ19と第2テーパ29とは、第1孔部14の軸芯Yと第2孔部26の中心軸とが同軸芯になるように第1部材10の上に第2部材20を配置したときに、第2部材20の第2テーパ29と第1部材10の第1テーパ19とが連続するように形成されている(図4(a)参照)。すなわち、第1部材10の載置部16と交差する箇所における第1テーパ19の内径と、第2部材20の下面24と交差する箇所における第2テーパ29の内径とは同じである。なお、本実施形態においても、第2実施形態と同様に第1部材10と第2部材20の材質は同じであり、例えば、いずれもアルミニウムからなる。
本実施形態に係る接合用工具Aは、第2実施形態と同様、プローブ5が円環形状かつショルダ1から回転軸芯Xに沿って鉛直下方に延出している。本実施形態のプローブ5の先端は、回転軸芯Xと軸芯Yとが同軸芯になったときに第1部材10の第1テーパ19と第2部材20の第2テーパ29との境界近傍に位置するように構成されている。
図4(a)に示されるように、第1孔部14の軸芯Yと第2孔部26の中心軸とが同軸芯になるように第2部材20が第1部材10に配置された状態で、回転軸芯Xが軸芯Yと同軸芯になるように、接合用工具Aを第1部材10及び第2部材20に対して上方に配置する。そして、接合用工具Aを下方に移動させて、プローブ5の先端を第1部材10の第1テーパ19と第2部材20の第2テーパ29との境界を含むその近傍(以下、この部分を突合せ部28という)に押当てる。
プローブ5が回転した状態でプローブ5の先端は突合せ部28に押当てられているので、プローブ5が押当てられた突合せ部28は、第1部材10と第2部材20とに亘って摩擦熱が発生し、突合せ部28の近傍が軟化して摩擦接合部18となる。本実施形態においては、第1部材10と第2部材20とは同じ材質であるため、第1部材10と第2部材20の両方が摩擦熱により軟化する。そして接合用工具Aは、第1部材10と第2部材20とを軟化させながら下方に移動する(図4(b)参照)。
接合用工具Aは、ショルダ1の下端1aが第2部材20の上面22に近接若しくは当接するまで下方に移動し、その後上方に移動する(図4(c)参照)。接合用工具Aが上方に移動すると、プローブ5と摩擦接合部18とが離間するので、第1部材10及び第2部材20には摩擦熱が発生しない。そのため、軟化した摩擦接合部18は、第1部材10と第2部材20とに密着しつつ硬化する。このようにして、第1部材10と第2部材20とは接合され、接合部材Bが形成される。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態以外に以下のように構成してもよい(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(1)上記各実施形態の接合用工具Aにおいて、ショルダ1とプローブ5とは一体的に形成されていたが、ショルダ1とプローブ5とを別々に形成して組付けるようにしてもよい。
(2)上記第3実施形態において、第1テーパ19の軸芯Yに対する角度は、第2テーパ29の中心軸に対する角度よりも大きかったが、これに限られるものではない。第1テーパ19の軸芯Yに対する角度と、第2テーパ29の中心軸に対する角度とが同じ大きさであってもよい。また、第1テーパ19の軸芯Yに対する角度が、第2テーパ29の中心軸に対する角度よりも小さくてもよい。
(3)第2実施形態と第3実施形態においては、ショルダ1に凹部2は形成されていなかったが、ショルダ1が凹部2を有していてもよい。凹部2を設けることにより、第1部材10と第2部材20との接合後にバリを取除く工程が不要になる。
本発明は、接合用工具及び接合部材に利用することができる。
1 :ショルダ
2 :凹部
5 :プローブ
7 :摩擦部
10 :第1部材
14 :第1孔部
18 :摩擦接合部
20 :第2部材
26 :第2孔部
A :接合用工具
B :接合部材
d :幅
X :回転軸芯

Claims (5)

  1. 第1部材の円形状の第1孔部と第2部材の円形状の第2孔部とを摩擦攪拌接合により接合する接合用工具であって、
    回転軸芯周りに回転可能なショルダと、
    前記ショルダから延出するプローブと、を備え、
    前記プローブは前記回転軸芯を中心とした円環形状である接合用工具。
  2. 前記ショルダは、前記プローブの径外側かつ前記回転軸芯周りに円環形状の凹部を有する請求項1に記載の接合用工具。
  3. 前記プローブは、外周面に摩擦により前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方を塑性流動させるテーパ形状の摩擦部を有する請求項1又は2に記載の接合用工具。
  4. 第1部材の円形状の第1孔部と第2部材の円形状の第2孔部とを円環形状のプローブを用いて摩擦攪拌接合により接合した接合部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材とが接合された摩擦接合部の幅が4mm以下である接合部材。
  5. 前記摩擦接合部が前記第2部材に対して円環状に隆起している請求項4に記載の接合部材。
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