JP7238437B2 - 溶接方法及び溶接接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材とを溶接する溶接方法、及び、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接接合体に関する。
金属材同士を溶接により接合して製品を製造する技術として、特開2015-119557号公報(特許文献1)には、軸体(10)とエンドプレート(30)とを溶接する工程を備えた回転電機用ロータ(1)の製造方法が開示されている。特許文献1の段落0027,0038に記載されているように、軸体(10)やエンドプレート(30)は、例えば、鉄、ステンレススチール、アルミニウム合金等の、溶接可能な金属材とされる。なお、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
ところで、部品を構成する金属材の種類は、各部品に要求される性能や特性(例えば、機械的強度、電気的特性、磁気的特性、加工特性等)に応じて選択されるため、溶接の対象となる2つの金属材が、互いに異なる種類の金属材となる場合がある。この場合、2つの金属材の溶接部には、これら2つの金属材の成分が混合した組織が形成され、溶接条件によっては、溶接部に脆い組織が形成される場合がある。レーザビームや電子ビーム等のエネルギビームの照射位置を走査して溶接を行う場合、エネルギビームの照射により溶融した溶融金属は走査方向の後方側に流れるため、溶接終端位置には、一般に、溶融金属の不足によりクレータ(凹部)が形成される。また、溶接終端位置では残留応力やひずみが大きくなりやすいため、溶接終端位置に脆い組織が形成されると、割れが発生しやすくなる等の溶接部の信頼性の低下につながるおそれがある。しかしながら、特許文献1にはこの点についての記載はない。
特開2015-119557号公報
そこで、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接部の信頼性を適切に確保することが可能な技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との境界部にエネルギビームを照射して、前記第1種金属材と前記第2種金属材とを溶接する溶接方法の特徴構成は、前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、前記エネルギビームの照射位置を前記境界部に沿って第1位置から第2位置まで走査して、前記境界部に沿った線状の溶融凝固部を形成する第1工程と、前記境界部に交差する方向に沿って前記第2種金属材の側から前記第1種金属材の側へ向かう側を第1側として、前記第1工程の後、前記エネルギビームの照射位置を、前記第2位置よりも前記第1側の位置である第3位置まで前記第2位置から走査して、前記エネルギビームの照射を終了する第2工程と、を備える点にある。
上記の特徴構成によれば、溶接方法が第1工程に加えて第2工程を備えるため、溶接終端位置を、第2位置よりも第1側の位置である第3位置とすることができる。第1側は、第1種金属材と第2種金属材との境界部に交差する方向に沿って第2種金属材の側から第1種金属材の側へ向かう側であるため、溶接終端位置を第3位置とすることで、溶接終端位置が第2位置となる場合に比べて、溶接終端位置における第1種金属材の溶融比率を高めることができる。第1種金属材は、第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であるため、溶接終端位置における第1種金属材の溶融比率を高めることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えること(すなわち、脆さの程度を低く抑えること)ができる。この結果、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接部の信頼性を適切に確保することが可能となる。
また、第2位置は、第3位置とは異なり、境界部に沿った線状の溶融凝固部を形成する際のエネルギビームの照射位置であるため、第2位置に形成され得るクレータの深さは、溶接部の信頼性に与える影響が大きくなりやすい。この点に関して、上記の特徴構成によれば、第2工程の実行により第2位置に対して溶融金属を供給することができるため、仮に第2位置にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることができる。更には、第2工程では、エネルギビームの照射位置が第2位置から第1側に走査されるため、第2位置に対して供給される溶融金属に含まれる第1種金属材の割合を高めて、第2位置に形成される組織の脆性を低く抑えることもできる。上記の特徴構成によれば、これらの点からも、溶接部の信頼性を適切に確保することが可能となっている。
上記に鑑みた、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接接合体の特徴構成は、前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、前記第1種金属材と前記第2種金属材との境界部に沿って、前記第1種金属材と前記第2種金属材とが溶融凝固した第1溶融凝固部が形成され、前記境界部に交差する方向に沿って前記第2種金属材の側から前記第1種金属材の側へ向かう側を第1側として、前記第1溶融凝固部の一部から前記第1側へ延びるように、少なくとも前記第1種金属材が溶融凝固した第2溶融凝固部が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、溶接接合体に、第1溶融凝固部に加えて第2溶融凝固部が形成されるため、エネルギビームの照射位置を走査してこれらの溶融凝固部を形成する場合に、溶接終端位置を、第2溶融凝固部の形成位置(例えば、第2溶融凝固部における第1溶融凝固部との連結部とは反対側の端部の形成位置)とすることができる。第2溶融凝固部は、第1溶融凝固部の一部から第1側に延びるように形成され、第1側は、第1種金属材と第2種金属材との境界部に交差する方向に沿って第2種金属材の側から第1種金属材の側へ向かう側である。そのため、溶接終端位置を第2溶融凝固部の形成位置とすることで、溶接終端位置が第1溶融凝固部の形成位置となる場合に比べて、溶接終端位置における第1種金属材の溶融比率を高めることができる。第1種金属材は、第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であるため、溶接終端位置における第1種金属材の溶融比率を高めることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。この結果、互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接部の信頼性を適切に確保することが可能となる。
また、第1溶融凝固部は、第2溶融凝固部とは異なり境界部に沿って形成されるため、第1溶融凝固部に形成され得るクレータの深さは、溶接部の信頼性に与える影響が大きくなりやすい。この点に関して、上記の特徴構成によれば、クレータが形成されやすい溶接終端位置を、第1溶融凝固部が形成されない位置とすることができるため、仮に第1溶融凝固部にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることができる。上記の特徴構成によれば、この点からも、溶接部の信頼性を適切に確保することが可能となっている。
溶接方法及び溶接接合体の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
実施形態に係る溶接部の平面図 溶融凝固部の形状の一例を示す溶接部の断面図 金属組織図 実施形態に係る第1工程の説明図 実施形態に係る第2工程の説明図 溶接方法を示すフローチャート その他の実施形態に係る溶接接合体の一部の平面図 図7におけるVIII-VIII断面図 図7におけるIX-IX断面図 その他の実施形態に係る溶接部の平面図 その他の実施形態に係る溶接部の平面図 その他の実施形態に係る溶接部の平面図
溶接方法及び溶接接合体の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に述べるように、溶接方法は、互いに異なる種類の第1種金属材11と第2種金属材12との境界部10にエネルギビーム30を照射して、第1種金属材11と第2種金属材12とを溶接する方法である。このような溶接方法により、互いに異なる種類の第1種金属材11と第2種金属材12との溶接接合体1が得られる。
図1に示すように、溶接接合体1における第1種金属材11と第2種金属材12との溶接部20には、溶融凝固部40が形成されている。溶融凝固部40は、エネルギビーム30の照射により溶融した溶融金属(溶接金属)が凝固して形成される。以下に述べるように、本実施形態では、溶融凝固部40は、第1溶融凝固部41と第2溶融凝固部42とを備えている。なお、エネルギビーム30は、例えば、レーザビームや電子ビーム等とされる。
図1に示すように、溶接接合体1には、第1種金属材11と第2種金属材12との境界部10(対向部)に沿って、第1種金属材11と第2種金属材12とが溶融凝固した第1溶融凝固部41が形成されている。第1溶融凝固部41は、境界部10に沿った線状の溶融凝固部である。本実施形態では、境界部10は、直線状に延びるように形成されており、具体的には、エネルギビーム30の照射側(図2における上側)から見た平面視で、直線状に延びるように形成されている。そして、本実施形態では、第1溶融凝固部41は、境界部10に沿った直線状(平面視で直線状)に形成されている。ここでは、第1溶融凝固部41は、境界部10に平行な直線状に形成されている。以下では、平面視で境界部10に沿う方向を第1方向B1とする(図1参照)。すなわち、第1方向B1は、第1溶融凝固部41の延在方向である。また、以下では、第1方向B1に直交する断面において境界部10(第1種金属材11と第2種金属材12との接合面)に沿う方向を第2方向B2とする(図2参照)。すなわち、第2方向B2は、第1溶融凝固部41の深さ方向である。
図1に示すように、溶接接合体1には、第1溶融凝固部41の一部から第1側D1へ延びるように、少なくとも第1種金属材11が溶融凝固した第2溶融凝固部42が形成されている。本実施形態では、第2溶融凝固部42は、第1溶融凝固部41における第1方向B1の端部から第1側D1へ延びるように形成されている。ここで、第1側D1は、境界部10に交差する方向(交差方向D)に沿って第2種金属材12の側から第1種金属材11の側へ向かう側である。また、後述する第2側D2は、交差方向Dにおける第1側D1とは反対側、すなわち、交差方向Dに沿って第1種金属材11の側から第2種金属材12の側へ向かう側である。交差方向Dは、平面視で境界部10に交差する方向である。本実施形態では、交差方向Dを、一例として、境界部10に直角で交差する方向(すなわち、境界部10に直交する方向)としている。すなわち、交差方向Dは、第1方向B1及び第2方向B2の双方に直交する方向である。そして、本実施形態では、第2溶融凝固部42は、交差方向Dに沿った直線状(平面視で直線状)に形成されている。ここでは、第2溶融凝固部42は、交差方向Dに平行な直線状に形成されている。
図2に示すように、ここでは、第2種金属材12におけるエネルギビーム30が照射される側の外面(図2における上面)が、第1種金属材11におけるエネルギビーム30が照射される側の外面(図2における上面)と平行に配置される場合を例示しているが、第2種金属材12におけるエネルギビーム30が照射される側の外面が、第1種金属材11におけるエネルギビーム30が照射される側の外面に対して交差して配置される(例えば、直交するように配置される)構成とすることもできる。
第1種金属材11と第2種金属材12とは、互いに異なる種類の金属材である。そのため、第1種金属材11と第2種金属材12との溶接部20には、これら第1種金属材11及び第2種金属材12の成分が混合した組織が形成される。そして、溶接部20に形成される組織の組成(溶接金属の組成)は、第1種金属材11の溶融比率Wに応じて変化する。ここでは、溶融比率Wを、図2に示すように、溶融凝固部40の断面(第1方向B1に直交する断面)における、“11a”で示す面積(第1種金属材11の溶融面積)と“12a”で示す面積(第2種金属材12の溶融面積)との和に対する、“11a”で示す面積(第1種金属材11の溶融面積)の比率として定義する。
溶接部20に形成される組織の特性は、溶融比率Wが低くなるに従って、第2種金属材12の特性に近くなり、溶融比率Wが高くなるに従って、第1種金属材11の特性に近くなる。第1種金属材11は、第2種金属材12よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である。そのため、溶接部20に形成される組織の脆性は、溶融比率Wが低くなるに従って増加し(すなわち、脆さの程度が高くなり)、溶融比率Wが高くなるに従って減少する(すなわち、脆さの程度が低くなる)。
本実施形態では、第1種金属材11はステンレス鋼材であり、第2種金属材12は炭素鋼材である。また、本実施形態では、第1種金属材11は、第2種金属材12よりも炭素量が少ないステンレス鋼材である。第1種金属材11を構成するステンレス鋼は、例えば、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼(すなわち、オーステナイト系又はオーステナイト・フェライト系のステンレス鋼)とすることができる。一例として、第1種金属材11を構成するステンレス鋼を、日本工業規格(JIS)に規定されるSUS304とすることができる。また、第2種金属材12を構成する炭素鋼は、例えば、機械構造用炭素鋼とすることができる。一例として、第2種金属材12を構成する炭素鋼を、JISに規定されるS25Cとすることができる。
第1種金属材11と第2種金属材12との溶接部20に形成される組織は、図3に示す金属組織図(シェフラーの組織図)から、オーステナイト(A)、フェライト(F)、マルテンサイト(M)、及びこれらの混合組織のいずれであるかを推定することができる。具体的には、図3に一例を示すように、第1種金属材11のクロム当量(Creq)とニッケル当量(Nieq)とにより定まる点が、溶融比率Wが100(%)となる場合の組織(すなわち、第1種金属材11の組織)を示し、第2種金属材12のクロム当量(Creq)とニッケル当量(Nieq)とにより定まる点が、溶融比率Wが0(%)となる場合の組織(すなわち、第2種金属材12の組織)を示す。そして、これらの2点を結ぶ直線上の点が、溶接部20に形成される組織を表し、溶接部20に形成される組織を示す点は、溶融比率Wが高くなるに従って、“W=100(%)”で示す点に向かって移動する。図3から、溶融比率Wが低くなるに従って、溶接部20に形成される組織のクロム当量やニッケル当量が減少し、これに応じて脆く割れやすい(例えば、低温割れが発生しやすい)組織となることがわかる。また、図3から、溶融比率Wが高くなるに従って、溶接部20に形成される組織のクロム当量やニッケル当量が増加し、これに応じて割れ(例えば、低温割れ)や脆化を抑制できる組織となることがわかる。すなわち、溶融比率Wが低くなるに従って、溶接部20に形成される組織はマルテンサイト化しやすくなり、溶融比率Wが高くなるに従って、溶接部20に形成される組織はオーステナイト化しやすくなる。
溶接部20における溶融比率Wは、溶接を行う際のエネルギビーム30の照射範囲の中心位置(交差方向Dの位置)に応じて変化する。具体的には、エネルギビーム30の照射中心32(照射範囲の中心)が境界部10に一致する場合の溶融比率Wを基準溶融比率として、照射中心32が境界部10に対して第1側D1に位置する場合には、溶融比率Wは基準溶融比率よりも大きくなり、この場合、照射中心32と境界部10との離間距離A(図2参照)が大きくなるに従って、溶融比率Wも大きくなる。一方、照射中心32が境界部10に対して第2側D2に位置する場合には、溶融比率Wは基準溶融比率よりも小さくなり、この場合、照射中心32と境界部10との離間距離Aが大きくなるに従って、溶融比率Wは小さくなる。
次に、本実施形態に係る、境界部10にエネルギビーム30を照射して第1種金属材11と第2種金属材12とを溶接する溶接方法について説明する。図6に示すように、この溶接方法には、第1工程S1と第2工程S2とが含まれる。
図4に示すように、第1工程S1は、エネルギビーム30の照射位置31を境界部10に沿って第1位置P1から第2位置P2まで走査して、第1溶融凝固部41を形成する工程である。なお、エネルギビーム30の照射位置31の走査は、照射位置31及び金属材(11,12)の少なくとも一方を移動させて(例えば、直線移動又は回転移動させて)行われる。図4では、第1工程S1におけるエネルギビーム30の照射中心32の移動軌跡を矢印で示している。本実施形態では、第1工程S1では、エネルギビーム30の照射位置31を、第1位置P1から第2位置P2まで一方向に走査する。そのため、第1溶融凝固部41における第1方向B1の一方側の端部は第1位置P1に形成され、第1溶融凝固部41における第1方向B1の他方側の端部は第2位置P2に形成される。言い換えれば、本実施形態では、溶接始端位置である第1位置P1は、第1溶融凝固部41における第1方向B1の一方側の端部の形成位置とされ、第1工程S1から第2工程S2に移行する際のエネルギビーム30の照射位置31である第2位置P2は、第1溶融凝固部41における第1方向B1の他方側の端部の形成位置とされる。
図4では、エネルギビーム30が第2位置P2に照射されている状態を示している。そのため、第2位置P2には、溶融状態の溶融金属により溶融池50が形成されていると共に、金属の蒸気圧及び溶融金属の表面張力によりキーホール51が形成されている。一方、第2位置P2よりも走査方向の後方側の部分(第1位置P1側の部分)では、溶融金属が凝固して第1溶融凝固部41が形成されている。
図4に示すように、本実施形態では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1種金属材11の側(第1側D1)に位置するように、エネルギビーム30を照射する。これにより、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に位置するようにエネルギビーム30を照射する場合に比べて、第1溶融凝固部41を形成する際の溶融比率Wが高くなり、第1溶融凝固部41を構成する組織の脆性を低く抑えることが可能となっている。第1工程S1を実行する際の照射中心32と境界部10との離間距離Aは、例えば、溶融比率Wが45(%)~80(%)の範囲内の値となる距離に設定される。なお、本実施形態では、図2に示すように、第1工程S1において、エネルギビーム30を第2方向B2に対して傾斜した方向に照射する。具体的には、エネルギビーム30が照射中心32に対して第1側D1から入射するように、エネルギビーム30を照射する。
本実施形態では、照射中心32の境界部10に対する位置(交差方向Dの位置)により、溶接部20に形成される組織の組成を調整することができるため、第1工程S1を、フィラー(溶加材)を用いない溶接工程としている。本実施形態では、以下に述べる第2工程S2も、フィラーを用いない溶接工程としている。
図5に示すように、第2工程S2は、第1工程S1の後、エネルギビーム30の照射位置31を、第2位置P2よりも第1側D1の位置である第3位置P3まで第2位置P2から走査して、エネルギビーム30の照射を終了する工程である。すなわち、本実施形態では、第2工程S2は、第2溶融凝固部42を形成する工程である。図5では、第1工程S1におけるエネルギビーム30の照射中心32の移動軌跡を破線で示し、第2工程S2におけるエネルギビーム30の照射中心32の移動軌跡を実線の矢印で示している。本実施形態では、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31を、第2位置P2から第3位置P3まで一方向に走査する。そのため、第2溶融凝固部42における第1溶融凝固部41との連結部とは反対側の端部の位置は、第3位置P3に形成される。言い換えれば、溶接終端位置である第3位置P3は、第2溶融凝固部42の形成位置とされ、本実施形態では、第2溶融凝固部42における第1溶融凝固部41との連結部とは反対側の端部の形成位置とされる。また、本実施形態では、第3位置P3は、第2位置P2と第1方向B1の同じ位置とされる。
このように、第2位置P2よりも第1側D1の位置である第3位置P3を溶接終端位置とすることで、溶接方法が第2工程S2を備えずに溶接終端位置が第2位置P2となる場合に比べて、溶接終端位置における溶融比率Wを高めることができ、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えることが可能となっている。なお、第3位置P3は溶接終端位置であるため、残留応力やひずみが大きくなりやすいが、このように第3位置P3に形成される組織の脆性を低く抑えることができるため、第3位置P3に割れが発生し難い構成とすることが可能となっている。なお、第3位置P3は境界部10から離間した位置であるため、仮に第3位置P3に割れが発生したとしても、溶接部20の信頼性に与える影響は限定的である。
また、第1工程S1の後に第2工程S2を実行することで、第2位置P2に対して溶融金属を供給することができるため、仮に第2位置P2にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることが可能となっている。すなわち、第1工程S1での溶接条件が、仮に溶接終端位置が第2位置P2とされた場合に、図5において破線で示すような深さが第1深さZ1となるクレータが第2位置P2に形成される溶接条件である場合であっても、第2工程S2の実行により第2位置P2に対して溶融金属を供給して、第2位置P2に形成されるクレータの深さを低減すること(図5に示す例では、クレータの深さを、第1深さZ1よりも小さい第2深さZ2とすること)が可能となっている。なお、第2工程S2の実行により第2位置P2に対して供給される溶融金属の量によっては、第2位置P2にクレータが形成されない構成とすることもできる。更には、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31が第2位置P2から第1側D1に走査されるため、第2位置P2に対して供給される溶融金属に含まれる第1種金属材11の割合を高めて、第2位置P2に形成される組織の脆性を低く抑えることも可能となっている。
図5に示すように、本実施形態では、第3位置P3は、境界部10に対して第1種金属材11の側(第1側D1)に離間して溶融池50が形成される位置である。すなわち、図5に示すように、エネルギビーム30が第3位置P3に照射されている状態で形成される溶融池50は、境界部10に対して第1側D1に離間して形成される。本実施形態では、第3位置P3は、第1溶融凝固部41に対して第1種金属材11の側(第1側D1)に離間して溶融池50が形成される位置である。すなわち、図5に示すように、エネルギビーム30が第3位置P3に照射されている状態で形成される溶融池50は、第1溶融凝固部41に対して第1側D1に離間して形成される。第3位置P3をこのような位置とすることで、エネルギビーム30が第3位置P3に照射されている状態で、溶融池50内の溶融金属の大部分が第1種金属材11となり、第3位置P3における第1種金属材11の溶融比率Wを高く確保しやすくなっている。なお、第3位置P3を、第1溶融凝固部41に対して第1側D1に離間して溶融池50が形成されない位置や、境界部10に対して第1側D1に離間して溶融池50が形成されない位置とすることも可能である。
また、本実施形態では、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31が、第1溶融凝固部41に対して第1種金属材11の側(第1側D1)に離間して溶融池50が形成される位置(特定位置)に移動するまでの間、エネルギビーム30の照射強度を、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射強度と同等(例えば、同一)とする。特定位置は、第3位置P3を限度として、溶融池50の第2側D2の端部が第1溶融凝固部41の第1側D1の端部と交差方向Dの同じ位置に配置される位置よりも第1側D1の位置に設定される。このような構成とすることで、第2工程S2の実行により第2位置P2に対して供給される溶融金属の量を多く確保することが可能となっている。なお、エネルギビーム30の照射強度を第1工程S1でのエネルギビーム30の照射強度と同等に維持したまま第2工程S2を開始するものの、第1溶融凝固部41に対して第1側D1に離間して溶融池50が形成されていない時点でエネルギビーム30の照射強度を低下させる構成や、第2工程S2の開始当初から、エネルギビーム30の照射強度を第1工程S1でのエネルギビーム30の照射強度よりも低くする構成とすることも可能である。
なお、第2工程S2の開始時点又はそれよりも後の時点で、エネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる(例えば、一定の変化率で低下させる)構成とすることもできる。この際のエネルギビーム30の照射強度の初期値(次第に低下させる前の値)は、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射強度と同等(例えば、同一)とすることができる。第2工程S2の開始時点よりも後の時点でエネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる構成とする場合、例えば、エネルギビーム30の照射位置31が上述した特定位置に到達した時点で、エネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる構成とすることができる。
〔その他の実施形態〕
次に、溶接方法及び溶接接合体のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、境界部10が直線状に延びるように形成され、第1溶融凝固部41が、境界部10に沿った直線状に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、境界部10が曲線状に延びるように形成され、第1溶融凝固部41が、境界部10に沿った曲線状に形成される構成とすることもできる。このような構成の一例を図7~図9に示す。
図7~図9に示す例では、回転電機60が備えるエンドプレート62及び支持部材63が、第1種金属材11と第2種金属材12との溶接接合体1である。具体的には、第1種金属材11は、回転電機60が備える円筒状のロータコア61の軸方向端面61aに取り付けられるエンドプレート62であり、第2種金属材12は、ロータコア61の内周面61bに接するように配置されてロータコア61を支持する支持部材63である。支持部材63は、回転電機60の軸方向Lに延びる筒状に形成されている。エンドプレート62の内周面は、支持部材63の外周面に対して回転電機60の径方向Rに対向するように配置されており、エンドプレート62の内周面と支持部材63の外周面とが、第1溶接部21において溶接により接合されている。第1溶接部21は、周方向Cの複数箇所に形成されている。第1溶接部21は、上記実施形態での溶接部20に相当するが、ここでは、第1種金属材11と第2種金属材12との境界部10は、回転電機60の周方向Cに沿って延びる曲線状(円弧状)に形成され、第1溶融凝固部41も、周方向Cに沿って延びる曲線状(円弧状)に形成されている。この例では、周方向Cが第1方向B1となり、軸方向Lが第2方向B2となり、径方向Rが交差方向Dとなる。
図7~図9に示す例では、ロータコア61の内周面と支持部材63の外周面とが、第2溶接部22において溶接により接合されている。第2溶接部22は、周方向Cの複数箇所に形成されている。ここでは、図7及び図8に示すように、エンドプレート62の内周面における周方向Cの一部の領域に、軸方向Lの外側(軸方向Lにおけるロータコア61の中央部から離れる側)から見てロータコア61の軸方向端面61aを露出させる切り欠き部62aが形成されている。これにより、ロータコア61及びエンドプレート62の双方を支持部材63に対して組み付けた状態で、エンドプレート62の内周面と支持部材63の外周面との境界部10(対向部)に対して軸方向Lの外側からエネルギビーム30を照射して第1溶接部21を形成する工程と、ロータコア61の内周面と支持部材63の外周面との境界部(対向部)に対して軸方向Lの外側からエネルギビーム30を照射して第2溶接部22を形成する工程とを行うことが可能となっている。なお、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
(2)上記の実施形態では、第2溶融凝固部42が、第1溶融凝固部41における第1方向B1の端部から第1側D1へ延びるように形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図10に示す例のように、第2溶融凝固部42が、第1溶融凝固部41における第1方向B1の中間部から第1側D1へ延びるように形成される構成とすることもできる。図10に示す例では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射位置31を、第1位置P1から第4位置P4まで一方向に走査した後、第4位置P4から第2位置P2(第1位置P1と第4位置P4との間の位置)まで逆方向に走査する構成とすることができる。この場合、第1溶融凝固部41における第1方向B1の一方側の端部は第1位置P1に形成され、第1溶融凝固部41における第1方向B1の他方側の端部は第4位置P4に形成される。なお、エネルギビーム30の照射位置31を第4位置P4から第2位置P2まで走査する際のエネルギビーム30の照射中心32の位置は、エネルギビーム30の照射位置31を第1位置P1から第4位置P4まで走査する際のエネルギビーム30の照射中心32と交差方向Dの同じ位置としても、交差方向Dにずらした位置(例えば、第1側D1にずらした位置)としてもよい。
(3)上記の実施形態では、第3位置P3が、第2位置P2と第1方向B1の同じ位置とされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第3位置P3を、第2位置P2とは第1方向B1の異なる位置とすることもできる。このような構成の2つの例を図11及び図12に示す。
図11に示す例では、境界部10に沿って(すなわち、第1方向B1に沿って)第1位置P1から第2位置P2へ向かう側を走査方向前方側SDとして、第3位置P3は、第2位置P2に対して走査方向前方側SDの位置とされている。この例では、上記の実施形態と同様に、第1位置P1は、第1溶融凝固部41における第1方向B1の一方側の端部の形成位置とされ、第2位置P2は、第1溶融凝固部41における第1方向B1の他方側の端部の形成位置とされている。よって、図11に示す例では、第1方向B1の一方側(走査方向前方側SDと同じ側)を境界方向第1側BDとして、第2溶融凝固部42は、第1溶融凝固部41における境界方向第1側BDの端部から第1側D1へ延びるように、且つ、第1側D1に向かうに従って境界方向第1側BDに向かうように形成されている。すなわち、第2溶融凝固部42は、交差方向Dに対して傾斜した直線状に形成されている。
このように第3位置P3を第2位置P2に対して走査方向前方側SDの位置とした場合には、第2工程S2でのエネルギビーム30の照射位置31の走査方向に、走査方向前方側SDの成分が含まれる。そのため、照射位置31の走査方向前方側SDへの走査を第2位置P2において停止させることなく(例えば、走査方向前方側SDへの走査速度を維持したまま)、第1工程S1から第2工程S2に移行することができる。例えば、照射位置31を第1方向B1に沿って走査する第1走査機構と、照射位置31を交差方向Dに沿って走査する第2走査機構とを用いる場合、第1工程S1では、第1走査機構を動作させて照射位置31を第1位置P1から第2位置P2まで走査し、第2工程S2では、第1走査機構の動作を継続したまま第2走査機構を動作させることで、照射位置31を第2位置P2から第3位置P3まで走査することができる。
図12に示す例でも、図11に示す例と同様に、第3位置P3は、第2位置P2に対して走査方向前方側SDの位置とされている。但し、図12に示す例では、第2位置P2と第3位置P3との間に、第5位置P5を設定し、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31を、第2位置P2から第5位置P5まで走査した後、第5位置P5から第3位置P3まで走査する。そして、第5位置P5は、第1方向B1における第2位置P2と第3位置P3との間の位置であって、第3位置P3と交差方向Dの同じ位置に設定されている。よって、図12に示す例では、第2工程S2において、第2溶融凝固部42に加えて第3溶融凝固部43が形成される。ここで、第2溶融凝固部42は、第1溶融凝固部41における境界方向第1側BDの端部から第1側D1へ延びるように、且つ、第1側D1に向かうに従って境界方向第1側BDに向かうように形成される。また、第3溶融凝固部43は、第2溶融凝固部42における第1溶融凝固部41との連結部とは反対側の端部から、境界部10に沿って(ここでは、境界部10に平行に)境界方向第1側BDへ延びるように形成される。このように、図12に示す例では、溶融凝固部40は、第1溶融凝固部41及び第2溶融凝固部42に加えて、第3溶融凝固部43を備えている。
図12に示す例では、図11に示す例に比べて、溶融凝固部40の形成領域が交差方向Dに大きくなることを抑制しつつ、第2位置P2から第3位置P3までの照射位置31の走査方向に沿った距離を長く確保しやすい。よって、第2工程S2の開始時点又はそれよりも後の時点で、エネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる場合に、溶接終端位置となる第3位置P3でのエネルギビーム30の照射強度を小さく抑えて、第3位置P3に形成され得るクレータの深さを小さく抑えることが容易となる。なお、図12に示す例において第2工程S2の開始時点よりも後の時点でエネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる構成とする場合、例えば、エネルギビーム30の照射位置31が第5位置P5に到達する時点又はそれよりも前の時点で、エネルギビーム30の照射強度を次第に低下させる構成とすることができる。
(4)上記の実施形態では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1種金属材11の側に位置するように、エネルギビーム30を照射する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に位置するようにエネルギビーム30が照射される構成や、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第2種金属材12の側に位置するようにエネルギビーム30が照射される構成とすることも可能である。
(5)上記の実施形態では、第1種金属材11がステンレス鋼材であり、第2種金属材12が炭素鋼材である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1種金属材11が炭素鋼材であり、第2種金属材12が鋳鉄材である構成とすることや、第1種金属材11が炭素鋼材であり、第2種金属材12が第1種金属材11より炭素量の多い炭素鋼材である構成とすることができる。すなわち、互いに異なる2種類の金属材のうち、炭素量又は炭素当量の少ない金属材を第1種金属材11とし、残りの金属材を第2種金属材12とすることができる。このように、炭素量又は炭素当量を指標(硬度又は脆性に関する指標)として、第1種金属材11が、第2種金属材12よりも、炭素量又は炭素当量が少ない構成とすることができる。
(6)上記の実施形態では、第2溶融凝固部42が、交差方向Dに沿った直線状に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図11及び図12に示す例のように、第2溶融凝固部42が、交差方向Dに対して傾斜した直線状に形成される構成とすることもできる。また、第2溶融凝固部42の境界部10に沿う方向の位置(第1方向B1の位置)が、交差方向Dに沿って一定でない構成、例えば、第2溶融凝固部42が、平面視で曲線状に形成される構成とすることもできる。
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した溶接方法及び溶接接合体の概要について説明する。
互いに異なる種類の第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との境界部(10)にエネルギビーム(30)を照射して、前記第1種金属材(11)と前記第2種金属材(12)とを溶接する溶接方法であって、前記第1種金属材(11)は、前記第2種金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)を前記境界部(10)に沿って第1位置(P1)から第2位置(P2)まで走査して、前記境界部(10)に沿った線状の溶融凝固部(41)を形成する第1工程(S1)と、前記境界部(10)に交差する方向(D)に沿って前記第2種金属材(12)の側から前記第1種金属材(11)の側へ向かう側を第1側(D1)として、前記第1工程(S1)の後、前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)を、前記第2位置(P2)よりも前記第1側(D1)の位置である第3位置(P3)まで前記第2位置(P2)から走査して、前記エネルギビーム(30)の照射を終了する第2工程(S2)と、を備える。
この構成によれば、溶接方法が第1工程(S1)に加えて第2工程(S2)を備えるため、溶接終端位置を、第2位置(P2)よりも第1側(D1)の位置である第3位置(P3)とすることができる。第1側(D1)は、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との境界部(10)に交差する方向(D)に沿って第2種金属材(12)の側から第1種金属材(11)の側へ向かう側であるため、溶接終端位置を第3位置(P3)とすることで、溶接終端位置が第2位置(P2)となる場合に比べて、溶接終端位置における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることができる。第1種金属材(11)は、第2種金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であるため、溶接終端位置における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えること(すなわち、脆さの程度を低く抑えること)ができる。この結果、互いに異なる種類の第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが可能となる。
また、第2位置(P2)は、第3位置(P3)とは異なり、境界部(10)に沿った線状の溶融凝固部(41)を形成する際のエネルギビーム(30)の照射位置(31)であるため、第2位置(P2)に形成され得るクレータの深さは、溶接部(20)の信頼性に与える影響が大きくなりやすい。この点に関して、上記の構成によれば、第2工程(S2)の実行により第2位置(P2)に対して溶融金属を供給することができるため、仮に第2位置(P2)にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることができる。更には、第2工程(S2)では、エネルギビーム(30)の照射位置(31)が第2位置(P2)から第1側(D1)に走査されるため、第2位置(P2)に対して供給される溶融金属に含まれる第1種金属材(11)の割合を高めて、第2位置(P2)に形成される組織の脆性を低く抑えることもできる。上記の構成によれば、これらの点からも、溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが可能となっている。
ここで、前記境界部(10)に沿って前記第1位置(P1)から前記第2位置(P2)へ向かう側を走査方向前方側(SD)として、前記第3位置(P3)は、前記第2位置(P2)に対して前記走査方向前方側(SD)の位置であると好適である。
この構成では、第2工程(S2)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の走査方向に、走査方向前方側(SD)の成分が含まれる。そのため、照射位置(31)の走査方向前方側(SD)への走査を第2位置(P2)において停止させることなく、第1工程(S1)から第2工程(S2)に移行することができる。この結果、第2位置(P2)でのエネルギビーム(30)の照射量を、第2位置(P2)に対して第1位置(P1)の側の位置での照射量に近づけること、すなわち、エネルギビーム(30)の照射量の偏りを低減することが容易となる。また、第2位置(P2)における溶融凝固した組織の再溶融を回避することが容易となり、低融点材料の偏析の少ない組織を第2位置(P2)に形成しやすくなる。この結果、溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが容易となる。
また、前記第1工程(S1)では、前記エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)が前記境界部(10)に対して前記第1種金属材(11)の側に位置するように、前記エネルギビーム(30)を照射すると好適である。
この構成によれば、第1工程(S1)においてエネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)が境界部(10)に位置するようにエネルギビーム(30)が照射される場合に比べて、線状の溶融凝固部(41)を形成する際の第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることができる。よって、線状の溶融凝固部(41)を構成する組織の脆性を低く抑えて、溶接部(20)の信頼性を更に高めることができる。
また、前記第3位置(P3)は、前記境界部(10)に対して前記第1種金属材(11)の側に離間して溶融池(50)が形成される位置であると好適である。
この構成によれば、溶接終端位置である第3位置(P3)を、エネルギビーム(30)が第3位置(P3)に照射されている状態で、溶融池(50)内の溶融金属の大部分が第1種金属材(11)となる位置とすることができる。よって、第3位置(P3)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高く確保しやすくなる。
また、前記第2工程(S2)の開始時点又はそれよりも後の時点で、前記エネルギビーム(30)の照射強度を次第に低下させると好適である。
この構成によれば、第2工程(S2)の開始時点でのエネルギビーム(30)の照射強度を、第2位置(P2)に対して適切な量の溶融金属を供給することが可能な程度に確保しつつ、第3位置(P3)に向かうに従ってエネルギビーム(30)の照射強度を次第に低下させることで、溶接終端位置となる第3位置(P3)でのエネルギビーム(30)の照射強度を小さく抑えて、第3位置(P3)に形成され得るクレータの深さを小さく抑えやすくなる。
また、前記第3位置(P3)は、前記線状の溶融凝固部(41)に対して前記第1種金属材(11)の側に離間して溶融池(50)が形成される位置であり、前記第2工程(S2)では、前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)が、前記線状の溶融凝固部(41)に対して前記第1種金属材(11)の側に離間して溶融池(50)が形成される位置に移動するまでの間、前記エネルギビーム(30)の照射強度を、前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射強度と同等とすると好適である。
この構成によっても、溶接終端位置である第3位置(P3)を、エネルギビーム(30)が第3位置(P3)に照射されている状態で、溶融池(50)内の溶融金属の大部分が第1種金属材(11)となる位置とすることができ、第3位置(P3)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高く確保しやすくなる。
その上で、この構成によれば、エネルギビーム(30)の照射位置(31)が、線状の溶融凝固部(41)に対して第1種金属材(11)の側に離間して溶融池(50)が形成される位置に移動するまでの間、エネルギビーム(30)の照射強度が、第1工程(S1)でのエネルギビーム(30)の照射強度と同等とされる。よって、第2工程(S2)の開始当初からエネルギビーム(30)の照射強度が第1工程(S1)でのエネルギビーム(30)の照射強度よりも低くされる場合等に比べて、第2工程(S2)の実行により第2位置(P2)に対して供給される溶融金属の量を多く確保することができる。よって、仮に第2位置(P2)にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることが容易となる。
また、前記第1種金属材(11)は、前記第2種金属材(12)よりも、炭素量又は炭素当量が少ないと好適である。
この構成によれば、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接部(20)に形成される組織の炭素量又は炭素当量を少なく抑えて、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。よって、上述した各構成の溶接方法を実行することで、溶接終端位置である第3位置(P3)に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1種金属材(11)はステンレス鋼材であり、前記第2種金属材(12)は炭素鋼材であると好適である。
この構成によれば、第1種金属材(11)が、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼材である場合に、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接部(20)に形成される組織のクロム当量及びニッケル当量を多く確保して、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。よって、上述した各構成の溶接方法を実行することで、溶接終端位置である第3位置(P3)に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1種金属材(11)は、回転電機(60)が備える円筒状のロータコア(61)の軸方向端面(61a)に取り付けられるエンドプレート(62)であり、前記第2種金属材(12)は、前記ロータコア(61)の内周面(61b)に接するように配置されて前記ロータコア(61)を支持する支持部材(63)であると好適である。
この構成によれば、互いに異なる種類の金属材により構成されたエンドプレート(62)と支持部材(63)とを溶接により接合して回転電機(60)を製造する場合に、エンドプレート(62)と支持部材(63)との溶接部(20)の信頼性を適切に確保することができる。
互いに異なる種類の第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接接合体(1)であって、前記第1種金属材(11)は、前記第2種金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、前記第1種金属材(11)と前記第2種金属材(12)との境界部(10)に沿って、前記第1種金属材(11)と前記第2種金属材(12)とが溶融凝固した第1溶融凝固部(41)が形成され、前記境界部(10)に交差する方向(D)に沿って前記第2種金属材(12)の側から前記第1種金属材(11)の側へ向かう側を第1側(D1)として、前記第1溶融凝固部(41)の一部から前記第1側(D1)へ延びるように、少なくとも前記第1種金属材(11)が溶融凝固した第2溶融凝固部(42)が形成されている。
この構成によれば、溶接接合体(1)に、第1溶融凝固部(41)に加えて第2溶融凝固部(42)が形成されるため、エネルギビーム(30)の照射位置(31)を走査してこれらの溶融凝固部(41,42)を形成する場合に、溶接終端位置を、第2溶融凝固部(42)の形成位置(例えば、第2溶融凝固部(42)における第1溶融凝固部(41)との連結部とは反対側の端部の形成位置)とすることができる。第2溶融凝固部(42)は、第1溶融凝固部(41)の一部から第1側(D1)に延びるように形成され、第1側(D1)は、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との境界部(10)に交差する方向(D)に沿って第2種金属材(12)の側から第1種金属材(11)の側へ向かう側である。そのため、溶接終端位置を第2溶融凝固部(42)の形成位置とすることで、溶接終端位置が第1溶融凝固部(41)の形成位置となる場合に比べて、溶接終端位置における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることができる。第1種金属材(11)は、第2種金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であるため、溶接終端位置における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。この結果、互いに異なる種類の第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが可能となる。
また、第1溶融凝固部(41)は、第2溶融凝固部(42)とは異なり境界部(10)に沿って形成されるため、第1溶融凝固部(41)に形成され得るクレータの深さは、溶接部(20)の信頼性に与える影響が大きくなりやすい。この点に関して、上記の構成によれば、クレータが形成されやすい溶接終端位置を、第1溶融凝固部(41)が形成されない位置とすることができるため、仮に第1溶融凝固部(41)にクレータが形成される場合であっても、その深さを小さく抑えることができる。上記の構成によれば、この点からも、溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが可能となっている。
ここで、前記第1側(D1)は、前記境界部(10)に直角で交差する方向(D)に沿って前記第2種金属材(12)の側から前記第1種金属材(11)の側へ向かう側であり、前記境界部(10)に沿う方向(B1)の一方側を境界方向第1側(BD)として、前記第2溶融凝固部(42)は、前記第1溶融凝固部(41)における前記境界方向第1側(BD)の端部から前記第1側(D1)へ延びるように、且つ、前記第1側(D1)に向かうに従って前記境界方向第1側(BD)に向かうように形成されていると好適である。
この構成によれば、第1溶融凝固部(41)における境界方向第1側(BD)とは反対側の端部を溶接始端位置とし、第2溶融凝固部(42)における第1溶融凝固部(41)との連結部とは反対側の端部を溶接終端位置としてエネルギビーム(30)の照射位置(31)を走査することで、上記のような溶融凝固部(41,42)を形成することができる。この際、第2溶融凝固部(42)を形成する際の照射位置(31)の走査方向に、境界方向第1側(BD)の成分が含まれるため、照射位置(31)の境界方向第1側(BD)への走査を第1溶融凝固部(41)と第2溶融凝固部(42)との連結部において停止させることなく、第1溶融凝固部(41)の形成後に第2溶融凝固部(42)を形成することができる。この結果、第1溶融凝固部(41)と第2溶融凝固部(42)との連結部でのエネルギビーム(30)の照射量を、当該連結部に対して溶接始端位置の側の位置での照射量に近づけること、すなわち、エネルギビーム(30)の照射量の偏りを低減することが容易となる。また、第1溶融凝固部(41)と第2溶融凝固部(42)との連結部における溶融凝固した組織の再溶融を回避することが容易となり、低融点材料の偏析の少ない組織を当該連結部に形成しやすくなる。この結果、溶接部(20)の信頼性を適切に確保することが容易となる。
また、前記第1種金属材(11)は、前記第2種金属材(12)よりも、炭素量又は炭素当量が少ないと好適である。
この構成によれば、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接部(20)に形成される組織の炭素量又は炭素当量を少なく抑えて、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。よって、上述したように溶接終端位置を第2溶融凝固部(42)の形成位置とすることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1種金属材(11)はステンレス鋼材であり、前記第2種金属材(12)は炭素鋼材であると好適である。
この構成によれば、第1種金属材(11)が、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼材である場合に、第1種金属材(11)と第2種金属材(12)との溶接部(20)における第1種金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶接部(20)に形成される組織のクロム当量及びニッケル当量を多く確保して、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。よって、上述したように溶接終端位置を第2溶融凝固部(42)の形成位置とすることで、溶接終端位置に形成される組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1種金属材(11)は、回転電機(60)が備える円筒状のロータコア(61)の軸方向端面(61a)に取り付けられるエンドプレート(62)であり、前記第2種金属材(12)は、前記ロータコア(61)の内周面(61b)に接するように配置されて前記ロータコア(61)を支持する支持部材(63)であると好適である。
この構成によれば、回転電機(60)が備えるエンドプレート(62)及び支持部材(63)が、互いに異なる種類の金属材を溶接により接合した溶接接合体である場合に、エンドプレート(62)と支持部材(63)との溶接部(20)の信頼性の高い回転電機(60)を実現することができる。
本開示に係る溶接方法及び溶接接合体は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1:溶接接合体
10:境界部
11:第1種金属材
12:第2種金属材
30:エネルギビーム
31:照射位置
32:照射中心(照射範囲の中心)
41:第1溶融凝固部(線状の溶融凝固部)
42:第2溶融凝固部
50:溶融池
60:回転電機
61:ロータコア
61a:軸方向端面
61b:内周面
62:エンドプレート
63:支持部材
B1:第1方向(境界部に沿う方向)
BD:境界方向第1側
D:交差方向(境界部に交差する方向)
D1:第1側
P1:第1位置
P2:第2位置
P3:第3位置
S1:第1工程
S2:第2工程
SD:走査方向前方側

Claims (12)

  1. 互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との境界部にエネルギビームを照射して、前記第1種金属材と前記第2種金属材とを溶接する溶接方法であって、
    前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、
    前記エネルギビームの照射位置を前記境界部に沿って第1位置から第2位置まで走査して、前記境界部に沿った開いた線状の溶融凝固部を形成する第1工程と、
    前記境界部に交差する方向に沿って前記第2種金属材の側から前記第1種金属材の側へ向かう側を第1側として、前記第1工程の後、前記エネルギビームの照射位置を、前記第2位置よりも前記第1側の位置である第3位置まで前記第2位置から走査して、前記エネルギビームの照射を終了する第2工程と、を備え
    前記境界部に沿って前記第1位置から前記第2位置へ向かう側を走査方向前方側として、前記第3位置は、前記第2位置に対して前記走査方向前方側の位置であり、
    前記境界部に沿う方向における前記第2位置と前記第3位置との間の位置であって、前記境界部に交差する方向において前記第3位置と同じ位置を対象位置として、
    前記第2工程では、前記エネルギビームの照射位置を、前記第2位置から前記対象位置まで走査した後、前記対象位置から前記第3位置まで走査する、溶接方法。
  2. 前記第1工程では、前記エネルギビームの照射範囲の中心が前記境界部に対して前記第1種金属材の側に位置するように、前記エネルギビームを照射する、請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記第3位置は、前記境界部に対して前記第1種金属材の側に離間して溶融池が形成される位置である、請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 前記第2工程の開始時点又はそれよりも後の時点で、前記エネルギビームの照射強度を次第に低下させる、請求項1からのいずれか一項に記載の溶接方法。
  5. 前記第3位置は、前記線状の溶融凝固部に対して前記第1種金属材の側に離間して溶融池が形成される位置であり、
    前記第2工程では、前記エネルギビームの照射位置が、前記線状の溶融凝固部に対して前記第1種金属材の側に離間して溶融池が形成される位置に移動するまでの間、前記エネルギビームの照射強度を、前記第1工程での前記エネルギビームの照射強度と同等とする、請求項1からのいずれか一項に記載の溶接方法。
  6. 前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも、炭素量又は炭素当量が少ない、請求項1からのいずれか一項に記載の溶接方法。
  7. 前記第1種金属材はステンレス鋼材であり、前記第2種金属材は炭素鋼材である、請求項1からのいずれか一項に記載の溶接方法。
  8. 前記第1種金属材は、回転電機が備える円筒状のロータコアの軸方向端面に取り付けられるエンドプレートであり、前記第2種金属材は、前記ロータコアの内周面に接するように配置されて前記ロータコアを支持する支持部材である、請求項1からのいずれか一項に記載の溶接方法。
  9. 互いに異なる種類の第1種金属材と第2種金属材との溶接接合体であって、
    前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であり、
    前記第1種金属材と前記第2種金属材との境界部に沿って、前記第1種金属材と前記第2種金属材とが溶融凝固した開いた線状の第1溶融凝固部が形成され、
    前記境界部に交差する方向に沿って前記第2種金属材の側から前記第1種金属材の側へ向かう側を第1側として、前記第1溶融凝固部の一部から前記第1側へ延びるように、少なくとも前記第1種金属材が溶融凝固した第2溶融凝固部が形成され
    前記第1側は、前記境界部に直角で交差する方向に沿って前記第2種金属材の側から前記第1種金属材の側へ向かう側であり、
    前記境界部に沿う方向の一方側を境界方向第1側として、前記第2溶融凝固部は、前記第1溶融凝固部における前記境界方向第1側の端部から前記第1側へ延びるように、且つ、前記第1側に向かうに従って前記境界方向第1側に向かうように形成され、
    前記第2溶融凝固部における前記第1溶融凝固部との連結部とは反対側の端部から前記境界部に沿って前記境界方向第1側へ延びるように、少なくとも前記第1種金属材が溶融凝固した第3溶融凝固部が形成されている、溶接接合体。
  10. 前記第1種金属材は、前記第2種金属材よりも、炭素量又は炭素当量が少ない、請求項に記載の溶接接合体。
  11. 前記第1種金属材はステンレス鋼材であり、前記第2種金属材は炭素鋼材である、請求項9又は10に記載の溶接接合体。
  12. 前記第1種金属材は、回転電機が備える円筒状のロータコアの軸方向端面に取り付けられるエンドプレートであり、前記第2種金属材は、前記ロータコアの内周面に接するように配置されて前記ロータコアを支持する支持部材である、請求項から1のいずれか一項に記載の溶接接合体。
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