JP6846505B2 - 全固体二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体二次電池及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極と、負極と正極との間に挟まれた電解質とを有し、両極間にリチウムイオンを往復移動させることにより充電と放電を可能とした蓄電池である。リチウムイオン二次電池には従来から、電解質として有機電解液が用いられてきた。しかし有機電解液は液漏れを生じやすく、また、過充電、過放電により電池内部において短絡が生じ発火するおそれもあり、信頼性と安全性のさらなる向上が求められている。
このような状況下、有機電解液に代えて、不燃性の無機固体電解質を用いた全固体二次電池の開発が進められている。全固体二次電池は負極、電解質及び正極のすべてが固体からなり、有機電解液を用いた電池の課題とされる安全性ないし信頼性を大きく改善することができ、また長寿命化も可能になるとされる。
リチウムイオン二次電池は、充電時には正極から負極へと電子が移動し、同時に正極を構成するリチウム酸化物等からリチウムイオンが放出され、このリチウムイオンは電解質を通って負極へと到達して負極に溜め込まれる。こうして負極に溜め込まれたリチウムイオンの一部は電子を取り込み金属リチウムとして析出する現象が生じる。
この金属リチウムの析出物を負極活物質として機能させる技術が知られている。例えば特許文献1には、電池の組み立て時には負極集電体上に負極活物質層を形成せずに、充電時に正極側から供給されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属を負極集電体上に析出させる形態の二次電池が記載されている。
特開2011−159596号公報
上記特許文献1記載の技術は、負極集電体上に金属を析出させて負極として機能させるものである。しかし、負極集電体上に析出する金属はデンドライト状に成長するために、全固体二次電池の充放電を繰り返すとデンドライトが成長して析出金属と負極集電体との間に空隙が生じ、徐々に抵抗が上昇して寿命が低下する懸念があることがわかってきた。
更にこのデンドライトは、例えば数10μmの長さに析出する場合もあり、この場合には体積の膨張に電池外装体が耐えられず、電池外装体が破裂(ひび割れ)する懸念もあることがわかってきた。全固体二次電池が圧壊加重を受けて電池外装体が変形し、水分が内部に浸入しやすくなる。固体電解質として硫化物系電解質を用いた場合には、この水分と電解質とが反応して毒性を有する硫化水素が発生する懸念がある。
本発明は、充電時に負極集電体上に析出する金属を塑性変形させ、析出金属と負極集電体の接触を良好に保つことができ、電気抵抗の悪化を抑制することができる全固体二次電池を提供することを課題とする。また本発明は、充電時に金属を負極集電体上に析出させて負極活物質層として機能させる形態であって、負極集電体表面の析出金属による電池の膨張を効果的に抑制して電池外装体の破裂を防ぐことができる全固体二次電池を提供することを課題とする。更に本発明は、上記全固体二次電池の製造に適した全固体二次電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
集電体と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電池要素部材と、
上記電池要素部材が側面外周に配された軸芯と、
上記電池要素部材及び上記軸芯を収納する電池外装体と、を有する全固体二次電池であって、
上記電池外装体の側面外周にこの側面外周を内部方向に圧する補強被覆体を有し、
上記補強被覆体は炭素繊維を有し、
放電状態において、上記軸芯と上記電池要素部材との間、及び上記電池外装体と上記電池要素部材との間に25℃において0.5MPa以上の圧縮応力を有する、全固体二次電池。
〔2〕
集電体と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電池要素部材と、
上記電池要素部材が側面外周に配された軸芯と、
上記電池要素部材及び前記軸芯を収納する電池外装体と、を有する全固体二次電池であって、
上記電池外装体の側面外周にこの側面外周を内部方向に圧する補強被覆体を有し、
上記軸芯用の筒の中に詰められた炭素粉末に対して軸方向から加えた圧縮力によって該筒の直径方向への圧力が高められて、上記軸芯と上記補強被覆体との間に圧縮応力が作用しており、
放電状態において、上記軸芯と上記電池要素部材との間、及び上記電池外装体と上記電池要素部材との間に25℃において0.5MPa以上の圧縮応力を有する、全固体二次電池。
〔3〕
上記補強被覆体は上記電池外装体の側面外周に捲回されている、〔1〕又は〔2〕に記載の全固体二次電池。
〔4〕
上記補強被覆体の内径は電池正極側から電池負極側にかけて一定であり、上記軸の長手方向において上記補強被覆体の幅は上記電池要素部材の幅より長い、〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の全固体二次電池。
〔5〕
上記軸芯が、炭素材料を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の全固体二次電池。
〔6〕上記固体電解質層及び/又は上記正極活物質層が硫黄及び/又は改質硫黄を含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の全固体二次電池。
〔7〕
〔6〕に記載の全固体二次電池の製造方法であって、
(a)上記電池外装体内に上記電池要素部材を配する工程と、
(b)上記電池外装体の側面外周に補強被覆体を配する工程と
(c)上記補強被覆体が配された電池外装体を200℃以下の温度領域において加熱して上記硫黄及び/又は上記改質硫黄を熱溶融させることを含む、全固体二次電池の製造方法。
〔8〕
上記電池要素部材を円筒形状にした後に、上記加熱をする、〔7〕に記載の全固体二次電池の製造方法。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の全固体二次電池は、0.5MPa以上の圧縮応力下において金属が集電体上に析出するため、析出した金属は塑性変形して集電体との密着が維持される。その結果、電気抵抗の上昇が抑制されて電池寿命が向上する。また本発明の全固体二次電池は、負極集電体表面の析出金属による電池の膨張を効果的に抑制して電池外装体の破裂(ひび割れ)を防ぐことができる。また、仮にひび割れが生じても、ひび割れの拡大を防ぐことができる。
また本発明の全固体二次電池の製造方法によれば、上記効果を有する本発明の全固体二次電池を得ることができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、下記の記載及び添付の図面からより明らかになるであろう。
一般的な全固体二次電池の基本構成を模式化して示す縦断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係る円筒型全固体二次電池を模式化して示す縦断面図及び図2中のA部拡大断面図である。
本発明の全固体二次電池は、電池外装体の側面外周に補強被覆体を設けることによって、軸芯と電池要素部材との間、及び電池外装体と電池要素部材との間に0.5MPa以上の圧縮応力を有するようにして、上記課題の解決を図る。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
[全固体二次電池]
図1に一般的な全固体二次電池の基本構成を示す。図1に示すように、本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4及び正極集電体5を、この順に積層した構造を有する。各層において隣接する層同士は直に接触している。
上記構造によって、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、同時に正極活物質を構成するアルカリ金属又はアルカリ土類金属がイオン化する。イオン化したイオンは、固体電解質層3を通過(伝導)して移動し、負極に蓄積される。例えば、リチウムイオン二次電池においては負極にリチウムイオン(Li)が蓄積される。
放電時には、負極に蓄積された上記のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンが正極側に戻され、作動部位6に電子を供給する。図示例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。
また、全固体二次電池は、負極活物質層2を有さずに、固体電解質層3と負極集電体1とが直に接する形態とすることもできる。この形態の全固体二次電池では、充電時に負極に蓄積したアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの一部が電子と結合し、金属として負極集電体表面に析出する現象を利用する。すなわち、この形態の全固体二次電池は、負極表面に析出した金属を負極活物質層として機能させる。例えば金属リチウムは、負極活物質として汎用されている黒鉛に比べて10倍以上の理論容量を有するとされている。したがって、負極に金属リチウムを析出させてこの析出した金属リチウムに固体電解質層を押しつけた形態とすることにより、集電体表面に金属リチウムの層を形成することができ、高エネルギー密度の二次電池を実現することが可能になるとされる。
また、負極活物質層を取り除いた形態の全固体二次電池は、電池の厚さが薄くなるために、電池をロール状に巻いた形態とする場合には、固体電解質層の亀裂等の発生をより抑えることが可能になる利点もある。
なお、本発明において負極活物質層を有しない形態の全固体二次電池とは、あくまで電池製造における層形成工程において負極活物質層を形成しないことを意味する。そして、上記の通り、充電により固体電解質層と負極集電体との間に負極活物質層が形成されるものである。
図2は本発明の全固体二次電池の好ましい形態を示す。図2に示すように、円筒型の全固体二次電池30は、上述した層構成のうち、負極活物質層を有しない構成を円筒型の形態にて実現したものである。円筒型の全固体二次電池30は、集電体と、固体電解質層と、正極活物質層からなる積層構造を基本単位とする電池要素部材21が軸22の周りに積層状に配されている。すなわち、電池要素部材21は、少なくとも負極集電体21d、固体電解質層21a、正極活物質層21c及び正極集電体21bを有する。なお、図2に示す形態は、負極集電体21d、固体電解質層21a、正極活物質層21c、正極集電体21b、正極活物質層21c及び固体電解質層21aがこの順に積層された発電要素が複層化されて、電池要素部材21が構成されたものである。この円筒型の全固体二次電池30において、接する2つの発電要素は集電体1つを共有する形態となっている。すなわち、1つの集電体の両面に固体活物質層が設けられ、また1つの集電体の両面に正極活物質層が設けられた形態となっている。また、上述した図2の説明は、電池組み立て時の構成を説明するものであり、電池を製造後、充電により、負極集電体21dと固体電解質層21aとの間には析出金属からなる負極活物質層が形成される。すなわち、本発明において「集電体と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電池要素部材」とは、負極集電体と、固体電解質層と、正極活物質層と、正極集電体とから構成される形態を含む意味である。また、負極集電体と、負極活物質(析出金属)と、固体電解質層と、正極活物質層と、正極集電体とから構成される形態を含む意味でもある。
また、円筒型全固体二次電池30は、上記電池要素部材21が挿入される電池容器となる電池外装体23を備えている。
更に、電池外装体23の側面外周には、補強被覆体29が配されている。
また更に、電池要素部材21の正極集電体21bは電気的に接続する正極タブ25を介して電池正極26に接続され、電池要素部材21の負極集電体21dは電気的に接続する負極タブ27を介して電池負極28に接続されている。
本発明の全固体二次電池において、正極活物質層及び固体電解質層の厚さは特に限定されない。一般的な電池の寸法を考慮すると、上記各層の厚さは10〜1000μmが好ましく、20μm以上500μm未満がより好ましい。
本明細書において、固体電解質層は無機固体電解質を含み、更に活物質を含有してもよい。固体電解質層を構成する無機固体電解質、もしくは固体電解質層を構成する無機固体電解質と活物質との組み合わせを無機固体電解質材料という。また活物質とは、正極活物質及び/又は負極活物質を意味する。固体電解質層は通常は活物質を含まない。
正極活物質層には正極活物質が含有される。
<補強被覆体>
上記補強被覆体29は、全固体二次電池30の放電状態において、軸芯22と電池要素部材21との間、及び電池外装体23と電池要素部材21との間が25℃において0.5MPa以上の圧縮応力を有して電池外装体23を内部側に圧するように配されている。
例えば上記補強被覆体29は、電池外装体23よりも熱膨張係数が小さい材料を用いることが好ましい。通常、全固体二次電池30が充放電を繰り返すことによって発熱した場合、その熱によって電池外装体23が膨張する。しかし、補強被覆体29が電池外装体23よりも熱膨張係数が小さいことから、補強被覆体29によって、電池外装体23の側面外周を内部方向に圧するため、電池外装体23の膨張を抑えることが可能になる。
具体的には、補強被覆体29は炭素繊維を有することが好ましく、電池外装体23の側面外周に配した炭素繊維からなることがより好ましい。例えば、炭素繊維の単繊維を束ねた炭素繊維フィラメントを捲回したものによって構成することが好ましい。
[圧縮応力の測定方法]
上記圧縮応力は、電池外装体と補強被覆体との間に、圧力測定フィルム(プレスケール(登録商標))のプレシート ツーシート超低圧用(LLW)(富士フイルム製)を挟むことで、測定することができる。
上記炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維とピッチ系炭素繊とが挙げられる。PAN系炭素繊維は、単繊維の太さが5〜7μmであり、この短繊維を1000〜24000本程度束ねたフィラメント状態にして用いられることが好ましい。ピッチ系炭素繊維は、単繊維の太さが7〜10μmであり、この短繊維を1000〜24000本程度束ねたフィラメントの状態にして用いられることが好ましい。
上記炭素繊維フィラメントの巻き付け開始点は、炭素繊維フィラメントの巻き付け開始端を金属製の電池外装体の側面外周端部にステンレスワイヤーを使って縛り付けた状態にして、瞬間接着剤を用いて縛り付けた部分を固着する。また、炭素繊維フィラメントの巻き付けの終点は、炭素繊維フィラメントの巻き付け終端を金属製の電池外装体の側面外周端部にステンレスワイヤーを使って縛り付けた状態にして、瞬間接着剤を用いて縛り付けた部分を固着する。炭素繊維は、25℃における引張強度が1GPa程度以上あるため、巻き付けに際しては、電池外装体23が潰れない範囲において強く巻きつけることが可能である。例えば、東レ株式会社製の炭素繊維トレカ(商標登録)のT800S(商品名)では引張強度が5.9GPa(カタログ値)であり、T1000G(商品名)では引張強度が6.4GPa(カタログ値)ある。このように、炭素繊維は炭素鋼のおよそ8倍以上の引張強度を有する。ちなみに、炭素鋼S55Cの引張強度はおよそ0.75GPaである。例えば、巻き付けた炭素繊維フィラメントの張力(締め付け力)は、0.1N以上1000N以下であり、好ましくは1N以上300N以下であり、更に好ましくは3N以上100N以下である。巻き付けの張力が強すぎると電池外装体23が変形する恐れがあり、巻き付けの張力が弱すぎると巻き付けた炭素繊維フィラメントがほどけて外れるおそれがある。上記のような炭素繊維フィラメントは、電池外装体23の側面外周に上記の張力範囲にて巻きつけても切れない太さを有する。例えば、炭素繊維フィラメントの太さは、0.01mm〜1.0mmであり、好ましくは0.1mm〜0.7mmであり、更に好ましくは0.2mm〜0.5mmである。このような炭素繊維フィラメントが電池外装体23の側面外周に巻きつけられて、補強被覆体29が構成されている。このように炭素繊維フィラメントが巻き付けられていることによって、電池外装体23にかかる内部圧力を均等に抑えることができる。また、上記炭素繊維フィラメントは、隙間なく巻き付けることが好ましい。この様に隙間なく巻きつけることによって、電極外装体23に内部からかかる圧力を均等に抑え込むことができる。また、炭素繊維フィラメントは、複数層にわたって巻きつけてもよい。
炭素繊維フィラメントを構成する炭素繊維は、通常、マイナスの熱膨張係数を有する。すなわち、概ね200℃以下では、温度上昇とともに収縮する性質を有する。その熱膨張係数は、最大−4×10−6/K程度であるが、充放電を繰り返すことによって全固体二次電池の内部温度が上昇すると、その熱によって炭素繊維フィラメントの補強被覆体29は収縮する。このように補強被覆体29が熱膨張することがないため、全固体二次電池の内圧によって電池外装体23に内部から外向きの力がかかっても、補強被覆体29によって、その外向きの力が抑え込まれる。その結果、電池外装体23に亀裂が入ったり、電池外装体23が圧壊したりするのを防止することができる。
また補強被覆体29により、デンドライトによる負極集電体21dと固体電解質層21aとの間に生じようとする隙間を抑え込むことができる。更に、充電時に負極に析出するデンドライトによる電池外装体23にかかる内部圧力を抑え込むことができる。これらによって、電池寿命を延ばすことができる。
補強被覆体29は、電池外装体23の側面外周に重なり合うように隙間なく巻きつけられた炭素繊維を含むテープからなるものであってもよい。このテープは、炭素繊維強化樹脂(CFRP)のテープからなることが好ましい。このテープは、電池外装体23にかかる内部圧力を均等に支えるように、電池外装体23の側面外周に重なり合うように隙間なく巻きつけられたCFRPのテープからなることが好ましい。
上記補強被覆体29は、電池外装体23の側面外周に巻きつけられたCFRPのシートからなるものであってもよい。また、上記補強被覆体29は、電池外装体23の側面外周に嵌め込まれたCFRP又はガラス繊維強化樹脂(GFRP)の筒状体からなるものであってもよい。
22の長手方向において補強被覆体29の幅Wcは電池要素部材21の幅Weより長いことが好ましい。このように、補強被覆体29の幅Wcが電池要素部材21の幅Weより長いことから、電池要素部材21の幅方向にわたって、電池の内部圧力を均等に支えることができるため、上記効果を奏することができる。
上記全固体二次電池30によれば、補強被覆体29によって、固体電解質層21aにおいて発生したデンドライトによる負極集電体21dと固体電解質層21aとの間に生じようとする隙間の発生を抑えることができる。また、充電時に負極に析出するデンドライトによる電池外装体23にかかる内部圧力を抑え込むことができる。その結果、電池外装体23に亀裂が入ったり、電池外装体23が圧壊したりするのを防止できるため、電池寿命を延ばせる。また電池外装体3にクラックが入りにくくなるため、またたとえクラックが入ったとしても補強被覆体29によってクラックが塞がれるため、電池内部に水分が浸入して発生する、電解質と水分との反応が起こらなくなる。よって、電池内部における硫化水素(HS)の発生が抑えられる。
<軸
上記軸22には、炭素材料が含まれていることが好ましい。炭素材料を用いることによって全固体二次電池30の軽量化が図れる。炭素材料としては、活性炭粉を固めた炭素棒が挙げられる。
全固体二次電池30は、電池内部の軸方向に軸22が配され、最外周に内部方向に応力を与える補強被覆体29が配されている。そのため、軸22と電池群21との間及び電池要素部材21と電極外装体23との間に、0.5kPa以上の圧縮応力を発生させることが容易になる。つまり、補強被覆体29の締め付け力による内部方向への圧縮力を軸22が支えることによって、軸22と補強被覆体29との間に圧縮応力が作用することになる。また、軸として、軸用の筒の中に炭素粉末を詰め、プレス機で軸方向から圧縮力を加え、軸用の筒の直径方向への圧力を高める。その圧力によって、軸用の筒の直径を増加させ、補強被覆体が電極外装体の直径の増大を支えることによって、軸22と補強被覆体29との間に圧縮応力を作用させることもできる。この圧縮応力が作用している状態において、デンドライト(金属リチウム)が集電体上に析出すると、デンドライトが塑性変形するため、固体電解質層と集電体との密着が維持される。それによって電気抵抗の上昇が起こらないため、電池寿命を向上させることができる。
(固体電解質層)
本発明の固体電解質層は、無機固体電解質材料を含む。固体電解質層を構成する無機固体電解質材料は、無機固体電解質であるか、あるいは無機固体電解質と活物質との混合物であり、通常は無機固体電解質からなる。無機固体電解質の好ましい形態について以下に説明する。なお、活物質については後述する。
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。主たるイオン伝導性材料として有機物を含むものではないことから、有機固体電解質(ポリエチレンオキシド(PEO)などに代表される高分子電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、通常カチオン及びアニオンに解離又は遊離していない。この点においては、電解液やポリマー中においてカチオン及びアニオンが解離又は遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明において、無機固体電解質は、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン伝導性を有する。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質として、一般的には(i)硫化物系無機固体電解質及び/又は(ii)酸化物系無機固体電解質が用いられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含有し、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。硫化物系無機固体電解質は、元素として少なくともLi、S及びPを含有し、リチウムイオン伝導性を有しているものが好ましいが、目的又は場合に応じて、Li、S及びP以外の他の元素を含んでもよい。
例えば下記式(I)によって示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。

a1b1c1d1e1 式(I)

式中、LはLi、Na及びKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。Aは、I、Br、Cl及びFから選択される元素を示す。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜5:1:2〜12:0〜10を満たす。a1は更に、1〜9が好ましく、1.5〜7.5がより好ましい。b1は0〜3が好ましい。d1は更に、2.5〜10が好ましく、3.0〜8.5がより好ましい。e1は更に、0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
各元素の組成比は、下記のように、硫化物系無機固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系無機固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、P及びSを含有するLi−P−S系ガラス、又はLi、P及びSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
硫化物系無機固体電解質は、例えば硫化リチウム(LiS)、硫化リン(例えば五硫化二燐(P))、単体燐、単体硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素、ハロゲン化リチウム(例えばLiI、LiBr、LiCl)及び上記Mによって表される元素の硫化物(例えばSiS、SnS、GeS)の中の少なくとも2つ以上の原料の反応により製造することができる。
Li−P−S系ガラス及びLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは60:40〜90:10、より好ましくは68:32〜78:22である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。上限は特にないが、1×10−1S/cm以下であることが実際的である。
具体的な硫化物系無機固体電解質の例として、原料の組み合わせ例を下記に示す。例えば、LiS−P、LiS−P−LiCl、LiS−P−HS、LiS−P−HS−LiCl、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−LiBr−Pが挙げられる。またLiS−LiO−P、LiS−LiPO−P、LiS−P−P、LiS−P−SiS、LiS−P−SiS−LiCl、LiS−P−SnS、LiS−P−Alが挙げられる。更にLiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Alが挙げられる。また更にLiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12、などが挙げられる。ただし、各原料の混合比は問わない。このような原料組成物を用いて硫化物系無機固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法、溶液法及び溶融急冷法のいずれかを挙げることができる。これらの方法は、常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
具体的な化合物例としては、例えば、LixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)が挙げられる。また、LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl,Mg,Ca,Sr,V,Nb,Ta,Ti,Ge,In,Sn等から選択された少なくとも1種以上の元素であり、xbは5≦xb≦10、ybは1≦yb≦4、zbは1≦zb≦4、mbは0≦mb≦2、及びnbは5≦nb≦20を満たす。)が挙げられる。また、Lixcyccc zcnc(MccはC,S,Al,Si,Ga,Ge,In,Sn等から選択された少なくとも1種以上の元素であり、xcは0≦xc≦5、ycは0≦yc≦1、zcは0≦zc≦1、及びncは0≦nc≦6を満たし、かつxc+yc+zc+nc≠0である。)が挙げられる。更に、Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(1≦xd≦3、0≦yd≦1、0≦zd≦2、0≦ad≦1、1≦md≦7、及び3≦nd≦13)、Li(3−2xe)ee xeeeO(xeは0以上0.1以下の数を表し、Meeは2価の金属原子を表し、Deeはハロゲン原子又は2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)が挙げられる。更にまた、LixfSiyfzf(1≦xf≦5、0<yf≦3、1≦zf≦10)、Lixgygzg(1≦xg≦3、0<yg≦2、1≦zg≦10)、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12(ただし、0≦xh≦1、0≦yh≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12(LLZ)等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素によって置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
無機固体電解質の粒子径(体積平均粒子径)は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。なお、無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、以下の手順によって行う。無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中において1質量%の分散液を希釈調整する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(HORIBA社製)を用いて、温度25℃において測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径を得る。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用する。
(正極活物質層)
上記正極活物質層は、上述した無機固体電解質と、正極活物質とを含有する。
正極活物質の好ましい形態について説明する。
−正極活物質−
上記正極活物質は、可逆的にリチウムイオンを貯蔵及び放出できるものが好ましい。その材料は、上記特性を有するものであれば、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、有機物、硫黄などのLiと複合化できる元素や硫黄と金属の複合物などでもよい。
中でも、正極活物質としては、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu及びVから選択される1種以上の元素)を有する遷移金属酸化物がより好ましい。また、この遷移金属酸化物に元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P又はBなどの元素)を混合してもよい。混合量としては、遷移金属元素Mの量(100mol%)に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Maのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物及び(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物等が挙げられる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])及びLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiMn(LMO)、LiCoMnO4、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMn及びLiNiMnが挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePO及びLiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類ならびにLi(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、LiFePOF等のフッ化リン酸鉄塩、LiMnPOF等のフッ化リン酸マンガン塩及びLiCoPOF等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiO及びLiCoSiO等が挙げられる。
本発明では、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物が好ましく、LCO、LMO、NCA又はNMCがより好ましい。
正極活物質の形状は特に制限されないが粒子状が好ましい。正極活物質の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は特に限定されない。例えば、0.1〜50μmとすることができる。正極活物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質粒子の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層を形成する場合、正極活物質層の単位面積(cm)当たりの正極活物質の質量(mg)(目付量)は特に限定されるものではない。設計された電池容量に応じて、適宜に決めることができる。
正極活物質の、正極活物質層中における含有量は、特に限定されず、10〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、50〜85質量が更に好ましく、55〜80質量%が特に好ましい。
本発明の全固体二次電池において、固体電解質層及び正極活物質層には、リチウム塩、導電助剤、バインダー、分散剤等が含まれていることも好ましい。また、固体電解質層は上述した正極活物質を含んでもよいし、負極活物質を含んでもよい。
負極活物質としては、全固体二次電池に一般的に用いられるものを用いることができる。例えば、炭素質材料、酸化錫等の金属酸化物、酸化ケイ素、金属複合酸化物、リチウム単体及びリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、並びに、Sn、Si、Al及びIn等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
〔集電体(金属箔)〕
正極集電体及び負極集電体は、電子伝導体が好ましい。
本発明において、正極集電体及び負極集電体のいずれか、又は、両方を合わせて、単に、集電体と称することがある。
正極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの他に、アルミニウム又はステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの(薄膜を形成したもの)が好ましい。その中でも、アルミニウム及びアルミニウム合金がより好ましい。
負極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの他に、アルミニウム、銅、銅合金又はステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましい。その中でも、アルミニウム、銅、銅合金及びステンレス鋼がより好ましい。
集電体の形状は、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
集電体の厚さは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
本発明において、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層及び正極集電体の各層の間又はその外側には、機能性の層や部材等を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
<全固体二次電池の製造方法>
本発明の全固体二次電池の製造方法の好ましい一例を以下に示すが、本発明の全固体二次電池の製造方法はこれらの形態に限定されるものではない。
基材(例えば、集電体となる金属箔)の両面上に、正極活物質層を構成する成分を含む組成物(正極用組成物)を塗布して正極活物質層を形成し、全固体二次電池用正極シートを作製する。次に、正極活物質層の上に、少なくとも上記無機固体電解質材料を含有する組成物を、両面に塗布して固体電解質層を形成する。上記固体電解質層及び/又は正極活物質層には硫黄及び/又は改質硫黄が含まれていることも好ましい。
次に、一方の固体電解質層の上に、負極集電体(金属箔)を重ね、軸に捲きつけることにより、正極活物質層と負極集電体との間に固体電解質層が挟まれた構造の電池要素部材を得ることができる。そして電池要素部材を電池外装体内に配して封入する。
上記工程において、固体電解質層もしくは正極活物質層中に硫黄及び/又は改質硫黄を含有させた形態とした場合、後述する補強被覆体を配した後に、上記全固体二次電池を封入した電池外装体を200℃以下の温度領域において加熱をすることが好ましい。この加熱によってデンドライトよりも硬い硫黄及び/又は改質硫黄が熱溶融し、固体電解質層に生じている隙間に毛細管現象により入り込むことができ、デンドライトがその隙間に入り込み、成長することを阻止することができる。デンドライトが正極に到達すると内部短絡の原因となるため、少なくとも固体電解質層が硫黄及び/又は改質硫黄を含有する形態とすることが好ましい。
その後、電池外装体の側面外周に補強被覆体を配する。このようにして、所望の全固体二次電池とすることができる。
上記製造方法によれば、上記固体電解質層及び/又は正極活物質層によって、負極集電体上にデンドライト状に析出する金属の成長を十分に阻止してこれを塑性変形し、負極集電体と析出金属との密着を高めることができる。この結果、電気抵抗の上昇を防止して電池寿命の低下を抑制することができる。
上記電池要素部材を電極外装体23内に配する前に、電池要素部材を円筒形状にした後に、200℃以下の温度領域において加熱をしてもよい。
補強被覆体29は、前述の樹脂に含浸された炭素繊維フィラメントを電池外装体23の側面外周に隙間を空けることなく、上記した張力(巻き付け力)となるように巻きつけることによって作製される。巻き付け開始点及び巻き付け終点については、前述したようにステンレスワイヤーを使って縛り付けた状態にして、瞬間接着剤を用いて縛り付けた部分を固着する。巻き付けは、電池長手方向において、電池要素部材21の幅Weよりも長い幅Wcになるように巻きつけることが好ましい。巻き付けは複数層になってもよい。
なお、補強被覆体29は、例えば、常温(例えば23℃)よりも温度を下げた状態において電池外装体23の側面外周に炭素繊維フィラメントを巻くと、炭素繊維フィラメントは常温時よりも僅かながら膨張した状態になる。そして常温に戻したときには、炭素繊維フィラメントは巻いた時点よりも僅かではあるが収縮するため、巻いた炭素繊維フィラメントには電池外装体23の内部方向に応力が働くようになり、ほどけにくくなる。
上記常温とは、一般的には、23℃もしくは23℃前後の温度、例えば、20℃〜25℃の範囲の温度をいう。ここでは、一例として23℃とした。
補強被覆体の別の製造方法を以下に説明する。電池外装体と同じ寸法を有する部材に、前述したCFRPテープを巻き付け、樹脂で固め、その後、部材から取りはずして、補強被覆体を作製することができる。樹脂には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましく、エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。例えば電池外装体が円筒形状の場合、補強被覆体の内径は、電池外装体の外形よりも0μm〜20μm程度大きく形成されるため、補強被覆体の内径と電池外装体の外形との間に隙間があるので、補強被覆体を電池外装体にはめることができる。なお、部材にCFRPテープを巻き付ける際に、特にCFRPテープに張力をかけて巻き付ける必要はない。
(各層の形成方法)
本発明の全固体二次電池の製造において、固体電解質層及び活物質層の形成方法は特に限定されず、適宜に選択できる。例えば、塗布(好ましくは湿式塗布)、スプレー塗布、スピンコート塗布、ディップコート、スリット塗布、ストライプ塗布及びバーコート塗布が挙げられる。
このとき、塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下が更に好ましい。このような温度範囲にて加熱することによって、(C)分散媒を除去し、固体状態にすることができる。また、温度を高くしすぎず、全固体二次電池の各部材を損傷せずに済むため好ましい。これにより、全固体二次電池において、優れた総合性能を示し、かつ良好な結着性を得ることができる。
(初期化)
上記のようにして製造した全固体二次電池は、製造後又は使用前に初期化を行うことが好ましい。初期化の方法は特に限定されず、例えば、プレス圧を高めた状態において初充放電を行い、その後、全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放することにより行うことができる。
<全固体二次電池の用途>
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載される。電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンターなどが挙げられる。また、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ポータブルCDプレーヤー、ミニディスクプレーヤー、携帯テープレコーダー、ラジオ等の音響、映像機器に搭載される。更に搭載機器として、ハンディークリーナー、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、卓上電子計算機、メモリーカード、バックアップ電源などが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量かつ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用することが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い安全性が必須となり更に電池性能の両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭において日々充電が行われる用途が想定される。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[参考例1] 無機固体電解質の合成
アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)4.84g、五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)7.80gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入した。LiS及びPはモル比でLiS:P=75:25である。メノウ製乳鉢上において、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、上記混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、25℃で、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行うことで黄色粉体の硫化物系無機固体電解質(Li/P/Sガラス、以下「LPS」ともいう。)12.4gを得た。
得られたLPSの体積平均粒子径を、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定した結果、8μmであった。
[参考例2] 硫黄と硫黄系無機固体電解質との混合物の調製
アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫黄(S、Aldrich社製、純度>99.98%)を0.8g、上記LPSを6.2g、それぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入した。硫黄及びLPSは質量比でLPS:S=88:12、体積比でLPS:S=100:11である。メノウ製乳鉢上において、メノウ製乳棒を用いて、10分間混合した。
[製造例] 全固体二次電池の製造
<全固体二次電池用正極シートの作製>
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLPS2.0gと、スチレンブタジエンゴム(商品コード182907、アルドリッチ社製)0.1gと、分散媒としてオクタン22gとを投入した。その後に、この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃で、回転数300rpmで2時間攪拌した。その後、正極活物質LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム)7.9gを容器に投入し、再びこの容器を遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数100rpmで15分間混合を続けた。このようにして、正極用組成物を得た。
次に常法により、集電体となる厚み20μmのアルミ箔の両面に、上記で得られた正極活物質を構成する成分を含む組成物(正極用組成物)をベーカー式アプリケーターにより塗布し、80℃2時間加熱して、正極用組成物を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、所定の密度になるように乾燥させた正極用組成物を加熱(120℃)しながら加圧(600MPa、1分)した。このようにして、膜厚110μmの正極活物質層を有する全固体二次電池用正極シートを作製した。
次いで、上記参考例2で調製した硫黄と無機固体電解質の混合物を、常温にてトルエン中で混合物に対しスチレンブタジエンゴム2質量%添加した上で分散し、固形分20質量%の塗布液を得た。この塗布液を、常温で正極シート上に、両面にバーコート塗布し、120℃で乾燥して、幅50mm、膜厚100μmの固体電解質層を両面に積層した。
次いで、負極集電体となる、幅50mmのステンレス(SUS)箔を、片方の固体電解質層の上に重ね、この積層体シートを、ステンレス製の円筒からなる軸の外周に、負極集電体を内接するようにして巻き付けた。円筒は、直径18mm、厚み0.1mm、長さ65mmの円筒にスリットを入れて、内部からの圧力で破壊できるようにしたものである。
その後、直径26mm、厚み0.1mm、長さ65mmのステンレス製の円筒の外装ケースの内に詰めた。
更に外装ケースの外側に、樹脂で含浸した炭素繊維フィラメント(直径7μmの単繊維を1000本束ねた)がフープ状に巻かれた厚み1mmの補強被覆体をはめた。
その後、上記円筒軸芯の中に活性炭を充填し、プレス機で活性炭を円筒軸の両側から24Paの圧力にて圧縮し、円筒軸芯のスリット幅を広げて、円筒軸芯の直径を増加させた。その直径の増加によって、外装ケースと円筒軸芯間に0.5MPa以上の拘束圧をかけた。拘束圧は、外装ケース内側に圧力測定フィルム(プレスケール)を入れて確認した。
正極集電体を一部剥きださせ、電池外装ケース内側に接触させて導通をとった。
負極集電体は軸芯の外周と接触させて導通をとった。これより電流を外部に取り出すことができる。
電池外装体の側周部に補強被覆体を配した状態で、積層体シートをホットプレート上で150°C30分間加熱し、硫黄を熱溶融させ、その後、冷却して、外装ケースを封止し、全固体二次電池Aを得た。
下記表に記載の条件に変更した以外は、同様の条件で全固体電池B〜Eを得た。
[試験例1]充放電サイクル特性試験
(試験方法)
上記製造例と同様にして作製した全固体二次電池(無機絶縁被覆体を有するものと、有しないものを1つずつ作製)を用いて、下記条件により充放電サイクル特性試験を行った。そして、充放電サイクルにおける初回放電容量に対する、2サイクルめの放電容量の割合(放電容量維持率(%)=100×[2サイクルめの放電容量/初回放電容量])を算出した。
充放電条件は、測定環境の温度30℃、電流密度0.09ma/cm2(0.05cに相当)、電圧4.2V、一定電流充放電とした。
(判定基準)
・2サイクルめの放電容量維持率90%以上の場合:A
・2サイクルめの放電容量維持率80%以上90%未満の場合:B
・2サイクルめの放電容量維持率80%未満の場合:C
[試験例2]硫化水素(HS)ガス発生試験
(試験方法)
充放電サイクル特性試験を1サイクル実施した後の全固体二次電池を、容積1Lのビニール袋の中に、HSガスモニター(理研計器社製GX−2009(商品名))とともに入れる。そしてビニール袋の容積を1Lとした状態にして密封し、HS濃度が10ppmに達した後から1分間、わずかに漏れるHSガスの発生速度を検知した。
充放電条件は、測定環境の温度30℃、電流密度0.09mA/cm(0.05Cに相当)、電圧4.2V、一定電流充放電とした。
(判定基準)
・1サイクル後、HS発生速度<0.5ppm/1分間の場合:A
・1サイクル後、HS発生速度0.5‐2ppm/1分間の場合:B
・1サイクル後、HS発生速度>2ppm/1分間の場合:C
結果を下表に示す。
Figure 0006846505
上記表に示されるように、補強被覆体を有し、軸プレスによって電池外装体と電池要素部材との間に圧縮応力を有することにより、放電容量維持率が高められ、また硫化水素の発生が抑えられることがわかった。
本願は、2017年3月13日に日本国で特許出願された特願2017−047773に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
21 電池要素部材
21a 固体電解質層
21b 正極集電体
21c 正極活物質層
21d 負極集電体
22 軸
23 電池外装体
29 補強被覆体
30 全固体二次電池

Claims (8)

  1. 集電体と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電池要素部材と、
    前記電池要素部材が側面外周に配された軸芯と、
    前記電池要素部材及び前記軸芯を収納する電池外装体と、を有する全固体二次電池であって、
    前記電池外装体の側面外周に該側面外周を内部方向に圧する補強被覆体を有し、
    前記補強被覆体は炭素繊維を有し、
    放電状態において、前記軸芯と前記電池要素部材との間、及び前記電池外装体と前記電池要素部材との間に25℃において0.5MPa以上の圧縮応力を有する、全固体二次電池。
  2. 集電体と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電池要素部材と、
    前記電池要素部材が側面外周に配された軸芯と、
    前記電池要素部材及び前記軸芯を収納する電池外装体と、を有する全固体二次電池であって、
    前記電池外装体の側面外周に該側面外周を内部方向に圧する補強被覆体を有し、
    前記軸芯用の筒の中に詰められた炭素粉末に対して軸方向から加えた圧縮力によって該筒の直径方向への圧力が高められて、前記軸芯と前記補強被覆体との間に圧縮応力が作用しており、
    放電状態において、前記軸芯と前記電池要素部材との間、及び前記電池外装体と前記電池要素部材との間に25℃において0.5MPa以上の圧縮応力を有する、全固体二次電池。
  3. 前記補強被覆体は前記電池外装体の側面外周に捲回されている、請求項1又は2に記載の全固体二次電池。
  4. 前記補強被覆体の内径は電池正極側から電池負極側にかけて一定であり、前記軸芯の長手方向において前記補強被覆体の幅は前記電池要素部材の幅より長い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  5. 前記軸芯が、炭素材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  6. 前記固体電解質層及び/又は前記正極活物質層が硫黄及び/又は改質硫黄を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  7. 請求項6に記載の全固体二次電池の製造方法であって、
    (a)前記電池外装体内に、前記電池要素部材を配する工程と、
    (b)前記電池外装体の側面外周に補強被覆体を配する工程と
    (c)前記補強被覆体が配された電池外装体を200℃以下の温度領域において加熱して前記硫黄及び/又は前記改質硫黄を熱溶融させる工程と
    を含む全固体二次電池の製造方法。
  8. 前記電池要素部材を円筒形状にした後に、前記加熱をする、請求項7に記載の全固体二次電池の製造方法。
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