JP2015146262A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時においてより多くのガスを発生させることで電流遮断装置を安定的に作動させ得る非水電解液二次電池を提供すること。【解決手段】本発明によって提供される非水電解液二次電池100では、電極体20の巻き芯部分又は該電極体と電池ケース側面との間にインサート材90を有する。かかるインサート材は、対向する電極体と接する面が面一となるように配置された、JIS K 7191−2に規定される1.8MPa荷重時の荷重たわみ温度が100℃以上の第一領域部92と上記荷重たわみ温度が80℃以下の第二領域部94とを有しており、上記第一領域部の上記面一となっている面積(Sa)と上記第二領域部の上記面一となっている面積(Sb)との比(Sb/Sa)が、0.28≰Sb/Sa≰2.1の範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、例えば、電気を駆動源として利用する車両に搭載される電源、或いはパソコンや携帯端末その他の電気製品等に用いられる電源として重要性が高まっている。特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましい。
かかる非水電解液二次電池は、一般に所定の電圧領域に収まるよう制御された状態で使用されるが、電池に通常以上の電流が供給されると、所定の電圧を超えて過充電となる場合がある。一般に、過充電状態の電池内では非水電解液中の非水溶媒が電気分解されてガスが発生し、電池内圧が上昇する。そこで、過充電対策として、電池ケースの内圧が上昇した際に充電電流を遮断し、それ以上の過充電を防止する電流遮断機構(Current Interrupt Device,CID)が広く用いられている。かかるCIDは、予め定められた過充電状態において、速やかに充電電流を遮断させ得ることが求められている。そこで、上記非水溶媒よりも酸化電位の低い(即ち、酸化分解の始まる電圧が低い)化合物(以下、「ガス発生剤」または「過充電添加剤」という)を非水電解液に含有させておく方策等がとられている。
特開2011−71052号公報 特開平11−260392号公報 特開平7−192753号公報
ところで、例えば車載用電池のような電池内に空隙(電池ケース内の電極体と非水電解液とを引いた空間)が存在する電池においてCIDを精度よく作動させるためには、多量のガスを必要とする。そのため、CIDの作動電圧が高くなることや、CIDが作動する充電深度(State of Chage,SOC)が深くなること等の課題があった。かかる課題を解決するため、従来は非水電解液中に含有させる過充電添加剤の含有量を増やす等の手法によりガス発生量を確保していた。しかし、過充電添加剤は電池反応の抵抗成分となり得るため、過剰に添加すると入出力特性が低下する虞があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、過充電添加剤を過剰量添加することなく、より多くのガスを過充電領域の早期に発生させることで、CIDを安定的に作動させ得る非水電解液二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、電池ケースと、該電池ケースに収容された正極および負極を有する捲回電極体と、非水電解液と、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得る過充電添加剤と、該電池ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構と、を備える非水電解液二次電池が提供される。上記非水電解液二次電池は、さらに、上記捲回電極体の巻き芯部分又は上記捲回電極体と電池ケース側面との間に配置された一又は複数のインサート材を有している。そして、上記インサート材は、以下の(A)および(B)の特徴を有している。即ち、
(A)上記インサート材は、対向する電極体と接する面が面一となるように配置された、JIS K 7191−2に規定される1.8MPa荷重時の荷重たわみ温度が100℃以上の第一領域部と、上記荷重たわみ温度が80℃以下の第二領域部とを有している。
(B)上記インサート材は、上記第一領域部の上記面一となっている面積(Sa)と上記第二領域部の上記面一となっている面積(Sb)との比(Sb/Sa)が、0.28≦Sb/Sa≦2.1を満たす。
かかる態様の非水電解液二次電池は、典型的に、インサート材の電極体に対向する面(即ち、第一領域部と第二領域部が面一となる面)に対して直交する方向の荷重がインサート材に対して加えられた状態(典型的には、電池ケース外部から所定の拘束荷重で拘束された状態)において、好適に使用され得る。かかる態様の非水電解液二次電池が過充電状態となり、電池温度が上昇すると、インサート材の中でも荷重たわみ温度(熱変形温度ともいう)の低い第二領域部が荷重たわみ温度の高い第一領域部に先んじて上記荷重により変形する(典型的にはたわむ、潰れる)。これにより、捲回電極体の中でも上記第一領域部に対向する部分に上記拘束荷重が集中し、かかる部分の電極間距離が狭くなる。このように拘束荷重が集中して電極間距離が短くなった捲回電極体の部分(即ち、上記第一領域部に対向する部分)には電流が集中して正極分極が大きくなり、かかる部分での過充電添加剤の分解が促進される。したがって、本発明によって提供される非水電解液二次電池によると、CIDの作動に十分な量のガスを早期に確保することができる。即ち、通常使用時の電池特性を維持しつつ、過充電時の安全性向上を実現できる。
従って、本発明によると、ここで開示される上記構成の非水電解液二次電池を単電池として複数備え、外部から所定の拘束荷重で拘束された状態で構成された組電池(特には車載用)を提供することができる。
なお、特許文献1〜3には各種巻き芯を有する捲回電極体を備えた電池について記載されているが、該文献に記載の電池は過充電時において電極体(典型的には正極)の特定領域に電流が集中しないか不十分であり、ここで開示される発明の作用効果を奏するものではない。
なお、本明細書において「荷重たわみ温度」は、JIS K 7191−2に規定する試験方法(例えばフラットワイズでの試験方法)によって測定される曲げ応力(荷重)1.8MPaのときの荷重たわみ温度をいう。従って、かかる荷重たわみ温度は対象物の材質に応じて決定される値である。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態をリチウムイオン二次電池を例として説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施し得る。また、リチウムイオン二次電池は一例であり、本発明の技術思想は、その他の電荷担体(例えばナトリウムイオン)を備える他の非水電解液二次電池(例えばナトリウムイオン二次電池)にも適用される。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、大まかにいって、扁平形状の捲回電極体20と、インサート材90と、扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30とを備える。非水電解液(図示せず)は電池ケース30に収容される。電池ケース30は、一端に開口部を有する箱形のケース本体32と、該ケース本体32の開口部を封止する蓋体34とから構成される。電池ケース30の材質は、例えばアルミニウムが挙げられる。電池ケース30(典型的には蓋体34)には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された安全弁36とが設けられている。
図1に示すように、電池ケース30の内部には電池ケース30の内圧上昇により作動する電流遮断機構(CID)80が設けられている。CID80は、電池ケース30の内圧が上昇した場合に、少なくとも一方の電極端子(ここでは正極端子42)から電極体20に至る導電経路を切断するように構成されていればよく、従来公知の種々の機構を採用し得る。本実施形態では、CID80は、正極端子42と電極体20との間に設けられている。
具体的には、かかるCID80は、プラスチック等により形成された絶縁ケース88ならびに接合点86において相互に電気的に接続される変形金属板82および接続金属板84を備える。絶縁ケース88は、変形金属板82を囲むように設けられ、変形金属板82の上面側を気密に密閉している。この気密に密閉された変形金属板82の上面側には電池ケース30の内圧が作用しない。変形金属板82の中央部分は電池ケース30の下方に向けて湾曲した湾曲部分83を構成しており、その周縁部分は集電リード端子85を介して正極端子42の下面に接続されている。一方、接続金属板84の下面(裏面)には正極集電板42aが接合されている。
そして、電池ケース30の内圧が設定圧力よりも上昇した場合には、変形金属板82の下方へ湾曲した湾曲部分83が上方へ押し上げられように変形(上下反転)して変形金属板82と接続金属板84との接合点86が切断されて接続金属板84から離隔することにより、上記導電経路も切断される。
なお、本発明の実施において電流遮断機構(CID)の構造は上記実施形態に限定されないことは勿論である。
リチウムイオン二次電池100は、好ましくは、電池ケース内の捲回電極体に対して、該捲回電極体の扁平面に対して直交する方向の荷重が加えられた状態となるように、電池ケース30の外部から押圧されている。典型的には、リチウムイオン二次電池100を単電池として複数備え、上記扁平形状の捲回電極体の該扁平面に対して直交する方向(垂直方向)に外部から拘束された状態で構成された組電池(図示せず)とすることができる。かかる組電池を構成する単電池は、隣接する単電池(扁平な捲回電極体)の扁平面が対向するように配列し、その配列方向において外部から拘束されている。特に限定しないが、上記電池ケース30を拘束する圧力(拘束荷重)は、概ね0.5MPa以上5MPa以下が好ましい。
ここに開示される捲回電極体20は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極60とを、2枚の長尺状のセパレータ70を介して積層した積層体が長尺方向に捲回され、扁平形状に成形されている。例えば、上記積層体を捲回した捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせる手法、或いは扁平な巻き芯に上記積層体を捲回する手法等によって扁平形状に成形することができる。
捲回電極体20の捲回軸方向の中央部分には、捲回コア部分(即ち、正極50の正極活物質層54と、負極60の負極活物質層64と、セパレータ70とが密に積層された部分)が形成されている。また、捲回電極体20の捲回軸方向の両端部では、正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aの一部が、それぞれ捲回コア部分から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分(正極活物質層非形成部分52a)および負極側はみ出し部分(負極活物質層非形成部分62a)には、正極集電板42aおよび負極集電板44aがそれぞれ付設され、正極端子42および負極端子44とそれぞれ電気的に接続されている。
ここに開示される非水電解液二次電池には、捲回電極体20の巻き芯部分(図1および図2)、或いは捲回電極体20と電池ケース側面との間(図示せず)に一又は複数(ここでは一個)のインサート材90が配置されている。例えば、インサート材90の周囲に上記積層体を捲回する、或いは上記積層体を捲回した捲回体の捲回軸方向の端部からインサート材90を挿入する等により、捲回電極体20の巻き芯部分にインサート材90を配置し得る。また、例えば捲回電極体20とインサート材90とを重ねて電池ケース内に収容する等により、捲回電極体20と電池ケース側面との間にインサート材90を配置し得る。
ここでは、上記インサート材90は扁平な長方形状をしており、該インサート材90の扁平面が捲回電極体20の扁平面と平行になり且つ該インサート材90の長手方向が捲回電極体20の捲回軸方向と平行になるように配置されている。また、インサート材90の長辺の中心と短辺の中心とが、それぞれ捲回電極体20の捲回軸方向の長さの中心と捲回軸方向と直交する方向の長さの中心と一致するように配置することが好ましい。
インサート材90の長辺の長さ(非水電解液二次電池内に配置したときに捲回電極体の捲回軸方向に沿う方向の長さ)は、捲回電極体20の捲回軸方向の長さ以下であり且つ上記捲回コア部分の捲回軸方向の長さ以上が好ましい。インサート材90を捲回電極体20の巻き芯部分に配置する場合、該インサート材90の短辺の長さは、該巻き芯部分の大きさにより設定される。インサート材90を捲回電極体20と電池ケース側面との間に配置する場合、該インサート材90の短辺の長さは、捲回電極体20の扁平面の捲回軸方向と直交する方向の長さと同じ長さが好ましい。インサート材90の厚みは、通常使用時(典型的には過充電状態もしくは高温状態ではない使用条件のとき、以下同じ)には均一であり、例えば0.5mm以上5mm以下(典型的には2mm〜3mm程度)が好ましい。
インサート材90は、図1に示すとおり、対向する電極体と接する面(電極体との対向面)が面一となるように配置された、第一領域部92と第二領域部94とを有する。第一領域部92の荷重たわみ温度は典型的には100℃以上である。また、第二領域部94の荷重たわみ温度は第一領域部92の荷重たわみ温度よりも低温であり、典型的には80℃以下である。
第一領域部92と第二領域部94の配置は、図1に示すとおり、非水電解液二次電池内に配置されたときに捲回電極体の捲回軸方向に沿う方向(ここでは、インサート材90の長手方向)に隣接した配置が好ましく、さらに第二領域部が正極集電板42a側となる配置がより好ましい。捲体電極体20の第一領域部92に対向する領域(即ち過充電時に電流が集中する領域)と正極集電板42aとの距離を長くすることで、過充電時の正極分極をより大きくし得るため、より多くのガスを発生させることができる。なお、第一領域部92と第二領域部94は、各々を分離可能な状態で配置してもよいし、第一領域部92と第二領域部94との隣接部分を接着剤や熱溶融によって接合してもよい。
第一領域部92は、耐有機溶媒性を有し、且つ典型的には荷重たわみ温度が100℃以上である材質からなる。かかる材質として、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、金属(例えば、アルミ箔や銅箔等)等が挙げられる。これらの材料を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。絶縁性等の観点から合成樹脂製であることが好ましい。また、第一領域部92は、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造であってもよい。
第二領域部94は、耐有機溶媒性を有し、典型的には荷重たわみ温度が80℃以下である材質からなる。かかる材質として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン樹脂、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、等が挙げられる。これらの材料を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、第二領域部94は、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造であってもよい。第二領域部94の断面構造は、通常使用時には変形を生じず、過充電時には確実に変形する(典型的には厚み方向にたわむ)構造であれば、特に限定されない。例えば、中空構造や中実構造であり得る。
第一領域部92の上記面一となっている面(即ち、捲回電極体20に対向する面)の面積(Sa)と第二領域部94の上記面一となっている面(即ち、捲回電極体20に対向する面)の面積(Sb)との比(Sb/Sa)は、0.28以上(好ましくは0.29以上、より好ましくは0.3以上)であり、2.1以下(好ましくは2.0以下)である。典型的には、Sb/Sa=1とすることができる。
ここに開示される非水電解液二次電池の非水電解液は、適当な非水溶媒に支持塩を含有し、さらに過充電添加剤を含有する。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を用いることができる。また、支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
過充電添加剤としては、酸化電位(vs. Li/Li+)が正極の充電上限電位以上であって、かかる電位を超えた場合(電池が過充電状態となった場合)に分解してガスを発生する化合物であれば特に限定されず、同様の用途で用いられるもののなかから一種または2種以上を使用することができる。具体的な化合物(略称および該化合物の有する凡その酸化電位(vs. Li/Li+))としては、ビフェニル(BP;4.4V)、シクロヘキシルベンゼン(CHB;4.6V)、メチルフェニルカーボネート(MPhC;4.8V)、オルト−ターフェニル(OTP;4.3V)等が例示される。なお、各化合物の酸化電位は、従来公知の3極式セルを用いた測定方法により測定できる。上記過充電添加剤の含有量は、例えば非水電解液100質量%に対して0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。
次に、ここに開示される捲回電極体20を構成する各部材について簡単に説明する。正極50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質としては、例えば層状構造やスピネル構造等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5、LiFePO等)が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、PVDF等を使用し得る。
負極60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質としては、例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、スチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
或いはまた、本発明の他の好適な一実施形態として、円筒型の非水電解液二次電池が挙げられる。例えば、上述した扁平形状のインサート材90に替えて、円柱状のインサート材を捲回電極体の巻き芯部分に配置することができる。かかる円柱状のインサート材は、該インサート材の軸方向が捲回電極体の捲回軸方向と一致するように配置する。或いは、円筒状の捲回電極体の円周側面に沿って長尺なシート状のインサート材を配置することができる。かかるシート状のインサート材は、該インサート材の幅方向が捲回電極体の捲回軸方向と一致するように配置する。なお、上記の事項以外の事柄については、上述した角型の非水電解液二次電池の場合と同様の構成とし得るため、詳細は割愛する。
ここで開示される非水電解液二次電池は各種用途に利用可能であるが、高い信頼性(過充電時の安全性)を備えていることを特徴とする。従って、かかる特徴を活かして、例えば車両用の動力源(駆動電源)として好適に利用し得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
以下の材料、プロセスによって、例1〜22に係るリチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)を構築した。
正極の作製は以下の手順で行った。正極活物質粉末としてのLiNi0.33Co0.33Mn0.33(LNCM)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVDFとを、LNCM:AB:PVDF=92:5:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚み15μmの長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥、プレスすることにより、正極の平均総厚みが120μmの正極を作製した。
負極の作製は以下の手順で行った。負極活物質としての黒鉛(C)と、バインダとしてのSBRと、増粘剤としてのCMCとを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚み10μmの長尺状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥、プレスすることにより、負極の平均総厚みが130μmの負極を作製した。
インサート材として、第一領域部と第二領域部とが扁平面で面一となり且つ長手方向に隣接するように配置し、各領域部の隣接部分を熱融着により接合した厚さ3mmの板状(扁平形状)のものを準備した。上記第一領域部には、荷重たわみ温度が100℃のPVDF若しくは荷重たわみ温度が80℃のPA6を表1に示すとおりに適宜用いた。上記第二領域部には、荷重たわみ温度65℃のPP若しくは上記PA6を表1に示すとおりに適宜用いた。また、インサート材が電極体と接する面における、第一領域部の面積(Sa)と第二領域部の面積(Sb)とが、表1中の「面積比(Sb/Sa)」欄に示すとおりとなるように設定した。なお、第一領域部または第二領域部を有しないインサート材を用いた場合は、表1中の該当領域の「材質」欄および「荷重たわみ温度」欄を「−」と表示し、さらに上記「面積比(Sb/Sa)」欄を「−」で表示した。
上述の方法で作製した正極および負極を、多孔質ポリエチレン層の両面に多孔質ポリプロピレン層が形成された三層構造のセパレータ(厚さ24μm)2枚を介して長尺方向に重ねあわせ、さらに上記インサート材1枚の周囲に捲回することで、表1中の「インサート材の配置」欄に「巻き芯部」と記した例にかかる扁平形状の捲回電極体を作製した。このとき、インサート材の長手方向と捲回軸方向とが一致するように配置した。一方、表1中の「インサート材の配置」欄に「捲回電極体外」と記した例にかかる捲回電極体の作製には上記インサート材を用いず、上記正極、負極とセパレータを捲回し、該捲回体を押しつぶして拉げることで扁平形状の捲回電極体を作製した。
上記の方法で作製した各捲回電極体をアルミ製の電池ケース内に収容した。表1中の「インサート材の配置」欄に「捲回電極体外」と記した例にかかる電池の捲回電極体と電池ケース側面との間には、上記インサート材1枚を、上記捲回電極体の扁平面と当該インサート材の扁平面とが対向する配置となるように挿入した。
次いで、上記捲回電極体を収容した電池ケースの電解液注入口から非水電解液を注入し、該注入口を封止ネジにて封止した。上記非水電解液としては、ECとDMCとEMCとをEC:DMC:EMC=30:30:40の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させ、さらに過充電添加剤として3質量%のCHBと1質量%のBPを含有させたものを用いた。次いで、電池ケース内の捲回電極体の扁平面に対して直交する方向に、電池ケースを0.5〜1.0MPaの拘束圧力で外部から拘束した。そして、各電池について0.2Cの充電レートで4.1Vまで定電流充電した後に、0.2Cの充電レートで3.0Vまで定電流放電して初期充放電を行い、電池容量が25Ahの例1〜22にかかるリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 2015146262
[過充電試験]
上記初期充放電を行った後の各電池について過充電時のガス発生量を測定した。具体的には、まず、電解液注入口を封止した封止ネジを外し、代わりに圧力センサーを取り付けて電池内圧を測定可能な状態にし、密封した。なお、各電池の空隙(電池ケース内の電極体と非水電解液とを引いた空間)の体積はいずれも50cmであった。そして、当該電池を45℃の温度環境下で3時間放置し、過充電前の電池内圧を測定した。次いで、45℃の温度環境下において、25Aの充電電流でSOC150%となるまで定電流充電を行い、過充電後の電池内圧を測定した。なお、SOC100%の電池電圧(即ち、充電上限電圧)は4.1Vとした。なお、過充電後内圧は、過充電後のガス総量(cm)÷50(cm)、即ち{過充電によるガス発生量(cm)+過充電前のガス量(cm)}÷50(cm)である。過充電により発生したガス量(ガス発生量)は、次式:ガス発生量(mL/Ah)={50(cm)×(過充電後の電池内圧)÷(過充電前の電池内圧)−50(cm)}÷25(Ah)から算出した。結果を、表1中の「過充電ガス発生量(mL/Ah)」欄に示す。
表1に示すように、例13〜21に比べて例1〜12は、ガス発生量が20mL/Ah以上と多かった。このことから、荷重たわみ温度が100℃以上の第一領域部と荷重たわみ温度が80℃以下の第二領域部とを有し、且つ、上記第一領域部の面積(Sa)と第二領域部の面積(Sb)との比(Sb/Sa)が、0.28≦Sb/Sa≦2.1を満たすインサート材を捲回電極体の巻き芯部分又は捲回電極体と電池ケース側面との間に配置することで、過充電時におけるガス発生量を増大させ得ることを確認した。
さらに、例2、3および5は例4および6と比べて、また、例7、8および10は例9および11と比べて、ガス発生量が多かった。このことから、上記の面積比(Sb/Sa)を0.3≦Sb/Sa≦2.0の範囲とすることで、過充電時におけるガス発生量をさらに増大させ得ることを確認した。
また、電池ケースを拘束する圧力のみ異なる例2、例12および例22を比較すると、例22はガス発生量が少なかった。このことから、上記電池ケースの拘束が本発明の実施に好適であることを確認した。さらに、捲回電極体の巻き芯部分にインサート材を配置した例2〜6および例13〜16は、捲回電極体と電池ケースの間にインサート材を配置したことのみ異なる構成の例7〜11および例18〜21とそれぞれ比較して、ガス発生量が多かった。このことから、インサート材を捲回電極体の巻き芯部分に配置することで、本発明の効果をより高レベルで実現し得ることを確認した。
上述のとおり、ここで開示される技術によれば、過充電時において多量のガスを発生し得る非水電解液二次電池を提供することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
32 電池ケース本体
34 蓋体
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータ
80 電流遮断機構(CID)
82 変形金属板
83 湾曲部分
84 接続金属板
85 集電リード端子
86 接合点
88 絶縁ケース
90 インサート材
92 第一領域部
94 第二領域部
100 非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)

Claims (1)

  1. 電池ケースと、該電池ケースに収容された正極および負極を有する捲回電極体と、非水電解液と、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得る過充電添加剤と、該電池ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構と、を備える非水電解液二次電池であって、
    前記捲回電極体の巻き芯部分又は前記捲回電極体と電池ケース側面との間に配置された一又は複数のインサート材を有しており、
    前記インサート材は、対向する電極体と接する面が面一となるように配置されたJIS K 7191−2に規定される1.8MPa荷重時の荷重たわみ温度が100℃以上の第一領域部と、前記荷重たわみ温度が80℃以下の第二領域部とを有しており、
    前記第一領域部の前記面一となっている面積(Sa)と前記第二領域部の前記面一となっている面積(Sb)との比(Sb/Sa)が、0.28≦Sb/Sa≦2.1の範囲にある、非水電解液二次電池。
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