JP3768080B2 - 筒型二次電池及び組電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池缶の内部に巻き取り電極体が収容されて、電池缶に取り付けられた電極端子機構から巻き取り電極体の発生電力を取り出すことが可能な筒型二次電池及び、複数本の単電池を組み合わせてなる組電池に関し、特に、外部から振動や衝撃力を受けることによって発生する内部抵抗の増大を効果的に防止することが出来る筒型二次電池及び組電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型電子機器、電気自動車、ロードレベリング等の電源として、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が注目されている。
例えば電気自動車に用いられる比較的大きな容量の円筒型リチウム二次電池は、図7及び図8に示す様に、筒体(11)の両端部に蓋体(12)(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(10)の内部に、巻き取り電極体(2)を収容して構成されている。両蓋体(12)(12)には、正負一対の電極端子機構(9)(9)が取り付けられており、巻き取り電極体(2)と両電極端子機構(9)(9)とが、複数本の集電タブ(3)により互いに連結されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を一対の電極端子機構(9)(9)から外部に取り出すことが可能となっている。又、蓋体(12)にはガス排出弁(13)が取り付けられている。
尚、電池缶(10)の材質としては、アルミニウムやアルミニウム合金が用いられている。
【0003】
巻き取り電極体(2)は、図9に示す様に、リチウム複合酸化物を含む正極(21)と、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)と、炭素材料を含む負極(23)とを重ね合わせ、これらを渦巻き状に巻回して構成されている。正極(21)及び負極(23)からは夫々複数本の集電タブ(3)が引き出され、図6の如く、極性が同じ複数本の集電タブ(3)の先端部(31)が1つの電極端子機構(9)に接続されている。尚、図6においては、便宜上、一部の集電タブの先端部が電極端子機構(9)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブについては、先端部が電極端子機構(9)に接続されている状態の図示を省略している。
【0004】
電極端子機構(9)は、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたネジ部材(91)を具え、該ネジ部材(91)の基端部には鍔部(92)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には絶縁パッキング(93)が装着され、蓋体(12)と締結部材(91)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。ネジ部材(91)には、筒体(11)の外側からワッシャ(94)が嵌められると共に、第1ナット(95)及び第2ナット(96)が螺合しており、第1ナット(95)を締め付けて、ネジ部材(91)の鍔部(92)とワッシャ(94)によって絶縁パッキング(93)を挟圧することにより、シール性を高めている。各集電タブ(3)の先端部(31)にはネジ通し孔(32)が開設されると共に、ネジ部材(91)の鍔部(92)の裏面にはネジ孔(99)が凹設されており、複数本の集電タブ(3)の先端部(31)は、それぞれのネジ通し孔(32)を貫通してネジ部材(91)のネジ孔(99)にねじ込まれた固定ネジ(90)によって、ネジ部材(91)の鍔部(92)に連結固定されている。
【0005】
又、大きな容量と高い出力を得るため、図10及び図11に示す如く、樹脂製容器(50)の内部に、上述の如き円筒型リチウム二次電池からなる単電池(7)を複数本収容して、これらの単電池(7)を互いに電気的に接続した組電池が構成される。図示する組電池においては、容器(50)の内部に、複数枚の電池固定板(51)(51)が配備され、該電池固定板(51)(51)に各単電池(7)が固定されている。又、容器(50)には、これら複数本の単電池(7)から電流を取り出すための正負一対の電流取出し端子(52)(52)が取り付けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示す如き円筒型リチウム二次電池を例えば電気自動車に搭載して電源として用いる場合、電気自動車の走行に伴って、電池に振動や衝撃等の外力が繰り返し加えられるため、巻き取り電極体(2)のセパレータ(22)に目詰まりが発生し、正極(21)及び負極(23)から電極活物質が剥がれ、或いは電極端子機構(9)に緩みが発生して、電池の内部抵抗が増大する虞があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、外部から振動や衝撃が繰り返し加わったとしても、内部抵抗の増大を効果的に防止することが出来る筒型二次電池及び組電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る筒型二次電池においては、電池缶(1)の内部に二次電池要素となる巻き取り電極体(2)が収容され、該巻き取り電極体(2)が発生する電力を、電池缶(1)に取り付けられた電極端子機構(9)から外部へ取り出すことが可能である。
電池缶(1)は、巻き取り電極体(2)を収容する筒体(11)と、該筒体(11)の開口部に固定された蓋体(12)と、筒体(11)の外周面を包囲して設置された外装筒(41)と、筒体(11)と外装筒(41)の間に介在する粘弾性高分子層(4)とを具えている。
【0009】
粘弾性高分子層(4)の材質としては、ポリイソシアネート架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、スチレン−ブタジエン共重合体架橋体、ポリアクリルアミド架橋体、ポリアクリルニトリル架橋体、或いはテレケリックポリマー架橋体を採用することが出来る。尚、テレケリックポリマーとは、直鎖状高分子主鎖の両末端のみに官能基を有する高分子の総称である。
【0010】
上記本発明の筒型二次電池を電気自動車等のベースに取り付ける場合、ベースに対して外装筒(41)が固定されて、該外装筒(41)に、粘弾性高分子層(4)を介して、筒体(11)が弾性支持されることになる。従って、外部から電池に振動や衝撃が加わったとしても、粘弾性高分子層(4)が振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、振動を効果的に減衰させる。
【0011】
尚、電池缶(1)の粘弾性高分子層(4)の厚さは、筒体(11)、粘弾性高分子層(4)及び外装筒(41)の全体の厚さに対して、3%〜10%の範囲が好ましい。
粘弾性高分子層(4)の厚さが3%を下回ると、十分な振動減衰効果が得られない。粘弾性高分子層(4)の厚さが10%を上回ると、逆に筒体(11)及び外装筒(41)の厚さが小さくなって強度が低下するため、粘弾性高分子層(4)に加わる振動が大きくなって、粘弾性高分子層(4)による振動減衰効果が十分に得られなくなる。
【0012】
又、本発明に係る組電池は、容器(5)の内部に複数本の単電池(7)を収容して、これらの単電池(7)を互いに接続したものであって、容器(5)は、少なくとも単電池(7)の外周面を包囲する周壁が、金属製の内壁(53)と外壁(54)の間に粘弾性高分子層(55)を形成して構成されている。
【0013】
上記本発明の組電池を電気自動車等のベースに取り付ける場合、ベースに対して容器(5)の外壁(54)が固定されて、該外壁(54)に、粘弾性高分子層(55)を介して、内壁(53)が弾性支持されることになる。従って、外部から組電池に振動や衝撃が加わったとしても、粘弾性高分子層(55)が振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、振動を効果的に減衰させる。
【0014】
具体的には、容器(5)の内部に、単電池(7)を固定するための電池固定板(51)が設置され、該電池固定板(51)は、支持板(6)を介して、容器(5)の内壁(53)に連結され、該支持板(6)は、電池固定板(51)側に配置された内板(61)と、容器(5)側に配置された外板(62)との間に、粘弾性高分子層(63)を形成して構成されている。
【0015】
該具体的構成においては、支持板(6)が、内板(61)、粘弾性高分子層(63)及び外板(62)からなるサンドイッチ構造を有し、粘弾性高分子層(63)は両端が開放されているので、その厚さ方向に弾性変形すると共に、厚さ方向とは直交する方向にも弾性変形して、効果的に振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る筒型二次電池及び組電池によれば、外部から振動や衝撃が繰り返し加わったとしても、粘弾性高分子層が振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、効果的に振動を減衰させるので、巻き取り電極体のセパレータに目詰まりが発生したり、正極及び負極から電極活物質が剥がれたり、電極端子機構に緩みが発生したりする虞はなく、従って、電池の内部抵抗が増大することはない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る円筒型リチウム二次電池は、図2に示す如く円筒状の電池缶(1)を具え、該電池缶(1)の両端部に正負一対の電極端子機構(9)(9)が取り付けられている。
【0018】
電池缶(1)は、図1に示す如く、筒体(11)と、筒体(11)の各開口部に溶接固定された蓋体(12)と、筒体(11)の外周面を包囲して設置された外装筒(41)と、筒体(11)と外装筒(41)の間に介在する粘弾性高分子層(4)とから構成されており、外装筒(41)の外周面には、熱収縮性チューブ(42)が被着している。
尚、筒体(11)、蓋体(12)及び外装筒(41)はそれぞれアルミニウムから形成されている。
又、粘弾性高分子層(4)は、ポリイソシアネート架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、スチレン−ブタジエン共重合体架橋体、ポリアクリルアミド架橋体、ポリアクリルニトリル架橋体、或いはテレケリックポリマー架橋体から形成されている。
【0019】
各蓋体(12)には、電池組立時に電解液を注入するためのねじ孔に注液栓(15)がねじ込まれると共に、内部圧力の上昇時に作動すべきガス排出弁(14)が溶接固定されている。
【0020】
電池缶(1)の内部には、従来と同じ構成を有する巻き取り電極体(2)が収容されている。巻き取り電極体(2)は、リチウム複合酸化物を含む正極(21)と、非水電解液が含浸されたセパレータ(22)と、炭素材料を含む負極(23)とを重ね合わせ、これらを渦巻き状に巻回して構成されている。正極(21)及び負極(23)には夫々、複数本の集電タブ(3)の基端部がスポット溶接等によって接合され、先端部は巻き取り電極体(2)から突出している。
正極(21)に接合された集電タブ(3)はアルミニウム箔から形成され、負極(23)に接合された集電タブ(3)は銅箔から形成されている。
【0021】
電極端子機構(9)は、図1に示す如く、従来の電極端子機構と同じ構成を有している。尚、図1においては、便宜上、一部の集電タブ(3)のみが電極端子機構(9)に連結されている状態を示し、他の集電タブ(3)については、その先端部の図示を省略しているが、全ての集電タブ(3)が、それぞれの先端部(31)に開設されたネジ通し孔(32)を貫通してネジ部材(91)のネジ孔(99)にねじ込まれた固定ネジ(90)によって、ネジ部材(91)の鍔部(92)に連結固定されている。
【0022】
図2に示す正負一対の電極端子機構(9)(9)の内、正極側の電極端子機構(9)に対しては、前記正極(21)から引き出された複数本の集電タブ(3)が接続され、負極側の電極端子機構(9)に対しては、前記負極(23)から引き出された複数本の集電タブ(3)が接続される。
これによって、巻き取り電極体(2)が発生する電力を、正負一対の電極端子機構(9)(9)から取り出すことが出来るのである。
【0023】
又、本発明に係る組電池は、図10及び図11に示す組電池に本発明の振動減衰構造を採用したものである。
即ち、図10に示す単層構造の容器(50)に代えて、単電池(7)の外周面を包囲する4つの周壁部が図4に示す如く内壁(53)と外壁(54)の間に粘弾性高分子層(55)を介在させた容器(5)を採用する。
図5に示す如く、複数本の電池を固定するための電池固定板(51)は、支持板(6)を介して、容器(5)の内壁(53)に固定されており、該支持板(6)は、電池固定板(51)側に配置された内板(61)と容器(5)側に配置された外板(62)の間に粘弾性高分子層(63)を形成したサンドイッチ構造に形成されている。
【0024】
【実施例】
図1及び図2に示す本発明の円筒型リチウム二次電池(本発明電池A〜G)と、図6〜図8に示す従来の円筒型リチウム二次電池(比較例電池M)とを試作し、これらの電池について振動試験を行ない、内部抵抗を測定した。
又、図4及び図5に示す容器(5)を用いた本発明の組電池と、図10及び図11に示す従来の組電池を試作し、これらの組電池について振動試験を行ない、各単電池の内部抵抗を測定した。
【0025】
本発明電池A
(正極の作製)
正極活物質としてのLiMn2O4粉末と導電剤としての人造黒鉛とを重量比9:1で混合し、正極合剤を作製した。次に、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、NMP溶液を調製した。そして、正極合剤とポリフッ化ビニリデンの重量比が95:5となる様に正極合剤とNMP溶液を混練して、スラリーを調製した。このスラリーを正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、正極を得た。
【0026】
(負極の作製)
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)をNMPに溶解させてNMP溶液を調製した。次に、黒鉛粉末とPVdFの重量比が85:15となる様に黒鉛粉末とNMP溶液を混練して、スラリーを調製した。このスラリーを負極集電体としての銅箔(厚さ20μm)の両面にドクターブレード法により塗布し、150℃で2時間の真空乾燥を施して、負極を得た。
【0027】
(電解液の作製)
エチレンカーボネートとジエルチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/lの割合で溶解し、電解液を調製した。
【0028】
(電池の組立)
従来と同様の工程を経て作製した巻き取り電極体をアルミニウム製の筒体に収容し、該巻き取り電極体から伸びる正極側及び負極側の集電タブを夫々電極端子機構に接続し、該電極端子機構を蓋体に取り付けた後、図3(a)に示す様に、該蓋体を筒体の開口部にレーザ溶接した。
その後、図3(b)に示す如く、筒体(11)の外周面に高温粘性状態の粘弾性高分子材料(テレケリックポリブタジエン)を50μmの厚さで塗布し、粘弾性高分子層(4)を形成した。
更に、粘弾性高分子層(4)を包囲して、図3(c)に示すアルミニウム製の外装筒(41)を装着し、更に、図1に示す如く外装筒(41)の外周面を覆って、熱収縮性チューブ(42)を被着した。
最後に、電池缶(1)の内部に電解液を注入して、定格容量18Ahの本発明電池Aを完成した。
【0029】
尚、電池缶(1)を構成する筒体(11)、粘弾性高分子層(4)及び外装筒(41)の全体の厚さは1.0mmであって、この中で粘弾性高分子層(4)が占める厚さの比率は5%である。
【0030】
本発明電池B〜G
電池缶(1)を構成する筒体(11)、粘弾性高分子層(4)及び外装筒(41)の全体の厚さに対し、粘弾性高分子層(4)が占める厚さの比率を1%、3%、7%、10%、12%、15%としたこと以外は本発明電池Aと同様にして、本発明電池B、C、D、E、F及びGを作製した。
【0031】
比較例電池M
図6に示す従来の電池缶(10)において筒体(11)がアルミニウム製であって、厚さが1mmであること以外は本発明電池Aと同様にして、比較例電池Mを作製した。
【0032】
振動試験
上記の本発明電池A〜G及び比較例電池Mを対象として振動試験を行なった。振動試験では、振幅0.8mm、掃引速度1Hz/minにて、周波数を10Hzから55Hzまで徐々に変更しつつ、互いに直交するXYZの3軸方向に100分間の振動を加えた。そして、振動試験前後にて、1kHzの交流によって内部抵抗を測定し、その測定値に基づいて下記数1により内部抵抗の上昇率(%)を算出した。その結果を表1及び表2に示す。
【0033】
【数1】
内部抵抗上昇率=(試験後内部抵抗値/試験前内部抵抗値−1)×100
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1から明らかな様に、粘弾性高分子層の厚さの比率が3%〜10%の範囲では、振動試験前後で内部抵抗の変化は見られなかった。これは、1%以下の厚さでは、粘弾性高分子層が十分に振動を減衰させる効果を発揮しないため、内部抵抗の増大が生じたものであり、又、12%以上の厚さでは、逆に筒体及び外装筒の厚さが過度に小さくなって強度が低下するため、粘弾性高分子層に加わる振動が大きくなり、粘弾性高分子層による振動減衰効果が十分に得られなくなって、内部抵抗の増大が生じたものと推測される。
【0037】
又、表2から明らかな様に、本発明電池Aでは、振動試験前後で内部抵抗の変化はなかったが、比較例電池Mでは内部抵抗が増大した。これは、本発明電池Aでは、外部から加わる振動が粘弾性高分子層によって減衰されたため、巻き取り電極体及び集電タブの損傷や電極端子機構の緩みが防止されたが、比較例電池では、振動によって巻き取り電極体や集電タブに損傷が生じ、或いは電極端子機構に緩みが生じて、内部抵抗が増大したものと推察される。
【0038】
本発明組電池及び比較例組電池
図4及び図5に示す容器(5)及び支持板(6)を具えた本発明組電池と、図10及び図11に示す単相構造の容器(50)を具えた比較例組電池とを作製した。尚、何れの組電池にも、8本の単電池を内蔵した。
【0039】
振動試験
本発明組電池及び比較例組電池を対象として、上記同様の振動試験を行ない、振動試験前後にて各単電池の内部抵抗を測定して、各単電池の内部抵抗上昇率(%)を算出し、それらの平均値を求めた。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3から明らかな様に、本発明組電池では、内部抵抗の増大は見られなかったが比較例組電池では、内部抵抗が増大している。これは、本発明組電池では、容器(5)の粘弾性高分子層(55)(63)が振動を減衰させる効果を発揮したため、各単電池に加わる振動が緩和され、この結果、内部抵抗の増大が防止されたためと推測される。
【0042】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施例においては、粘弾性高分子層の材質として、テレケリックポリブタジエンを用いたが、これに限らず、ポリイソシアネート架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、スチレン−ブタジエン共重合体架橋体、ポリアクリルアミド架橋体、或いはテレケリックポリマー架橋体を採用することも可能であって、これらの材質によっても同様の効果が得られることを確認した。
又、図4及び図5に示す本発明の容器(5)に、図1に示す本発明の円筒型リチウム二次電池を複数本収容して、組電池を構成することも可能であって、これによって、更に高い振動減衰効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒型リチウム二次電池の要部を示す断面図である。
【図2】該円筒型リチウム二次電池の外観を示す斜視図である。
【図3】該円筒型リチウム二次電池の分解斜視図である。
【図4】本発明に係る組電池を構成する容器の拡大断面図である。
【図5】該容器に取り付けられている支持板の拡大断面図である。
【図6】従来の円筒型リチウム二次電池の要部を示す断面図である。
【図7】該円筒型リチウム二次電池の外観を示す斜視図である。
【図8】該円筒型リチウム二次電池の分解斜視図である。
【図9】巻き取り電極体の一部展開斜視図である。
【図10】従来の組電池の一部破断斜視図である。
【図11】従来の組電池に内蔵されている複数本の単電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(11) 筒体
(12) 蓋体
(14) ガス排出弁
(15) 注液栓
(2) 巻き取り電極体
(21) 正極
(22) セパレータ
(23) 負極
(3) 集電タブ
(4) 粘弾性高分子層
(41) 外装筒
(42) 熱収縮性チューブ
(9) 電極端子機構
Claims (3)
- 電池缶(1)の内部に二次電池要素となる巻き取り電極体(2)を収容して構成される筒型二次電池において、電池缶(1)は、巻き取り電極体(2)を収容する筒体(11)と、該筒体(11)の開口部に固定された蓋体(12)と、筒体(11)の外周面を包囲して設置された外装筒(41)と、筒体(11)と外装筒(41)の間に介在する粘弾性高分子層(4)とを具え、粘弾性高分子層 ( 4 ) の厚さは、筒体 (11) 、粘弾性高分子層 ( 4 ) 及び外装筒 (41) の全体の厚さに対して、3%〜10%の範囲であることを特徴とする筒型二次電池。
- 粘弾性高分子層(4)は、ポリイソシアネート架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、スチレン−ブタジエン共重合体架橋体、ポリアクリルアミド架橋体、ポリアクリルニトリル架橋体、或いはテレケリックポリマー架橋体から形成されている請求項1に記載の筒型二次電池。
- 容器(5)の内部に複数本の単電池(7)を収容して、これらの単電池(7)を互い接続した組電池において、容器(5)は、少なくとも単電池(7)の外周面を包囲する周壁部が、金属製の内壁(53)と外壁(54)の間に粘弾性高分子層(55)を形成して構成され、容器 ( 5 ) の内部には、単電池 ( 7 ) を固定するための電池固定板 (51) が設置され、該電池固定板 (51) は、支持板 ( 6 ) を介して、容器 ( 5 ) の内壁 (53) に連結され、該支持板 ( 6 ) は、電池固定板 (51) 側に配置された内板 (61) と、容器 ( 5 ) 側に配置された外板 (62) との間に、粘弾性高分子層 (63) を形成して構成されていることを特徴とする組電池。
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