JP3648540B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器や通信機器等の急速な小型化および軽量化に伴い、非水電解質二次電池(以下、単に「電池」と称することがある)においても小型化、高容量化が要求されている。このため、電池ケースとして、従来用いられてきた金属製の電池缶に代えて、ラミネートフィルム製の外装材が用いられるようになってきた。しかし、このような外装材を用いた場合には、剛性のある電池缶を用いた場合のような効果、すなわち、内部に収容された発電要素への加圧力により正極−負極間の電気的接合性を確保するという効果を得られにくくなる。
【0003】
この問題を解決するための技術としては、例えば特開2001−6744公報に開示されているように、正極もしくは負極とセパレータとの間を高分子材料により接着させ、正極、負極およびセパレータを一体化することによって、正極−負極間の電気的接合性を改善する技術がある。ここで、正極−セパレータ間、負極−セパレータ間の接着には、比較的安定性の高いフッ素樹脂を使用することが通常であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような非水電解質二次電池を高温環境下で長時間放置した場合に、大きな膨れが生じる場合があった。このような事態を放置すれば、電池の破損や性能低下に繋がる可能性があり、改善が求められていた。
【0005】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温環境下での電池の膨れを抑制できる非水電解質二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記したような電池の膨れの原因は必ずしも明らかではないが、以下のようであると考えられる。
【0007】
電池の使用時には、正極と接している正極側高分子材料は電気化学的酸化雰囲気にさらされる。反対に、負極と接している負極側高分子材料は電気的還元雰囲気にさらされる。一方で、高分子材料は、強い酸化雰囲気下と還元雰囲気下との双方で安定であるという相反する性質を必ずしも両立させるものではなく、強い酸化雰囲気下で安定なものは還元雰囲気下では比較的不安定であり、強い還元雰囲気下で安定なものは酸化雰囲気では比較的不安定であるという性質を備えるのが通常である。
【0008】
ところで、高温環境下での放置や短絡等、電池が過酷な状況下におかれた場合には、正極および負極と接している高分子材料は、通常の使用状態と比して著しく強い酸化雰囲気、あるいは還元雰囲気にさらされると考えられる。このとき、高分子材料として例えば酸化雰囲気下で安定なものを用いると、正極側では酸化雰囲気に耐えるものの、負極側では強い還元雰囲気に耐えきれなくなり、分解を生じてしまう。反対に、高分子材料として還元雰囲気下で安定なものを用いれば、正極側で分解を生じてしまう。この分解によりガスが発生し、電池に膨れを生じると考えられる。
【0009】
ここで、従来より使用されているフッ素樹脂は、耐酸化性には優れる一方、耐還元性にはやや劣る。このため、特に充電状態で高温環境下に置かれるといったような過酷な状況では、負極側での極めて強い還元雰囲気にフッ素樹脂が耐えきれずに分解を生じ、ガスを発生すると考えられた。
【0010】
本発明者は、膨れを防止できる非水電解質二次電池を提供すべく、鋭意研究してきたところ、正極側と負極側で、それぞれ強い電気化学的酸化雰囲気、還元雰囲気に対応可能な異種の高分子材料を配することにより、高分子材料の分解を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、かかる新規な知見に基づいてなされたものであり、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとを備えるとともに、前記正極および前記負極と前記セパレータとが接着性を有する高分子材料により接着された非水電解質二次電池であって、前記正極と前記セパレータとを接着する正極側高分子材料と、前記負極と前記セパレータとを接着する負極側高分子材料とが互いに異なる種類の高分子材料であり、前記正極側高分子材料が耐酸化性材料であり、前記負極側高分子材料が耐還元性材料であることを特徴とする。
【0012】
正極側高分子材料としては、強い電気化学的酸化雰囲気に耐え得るフッ素系樹脂が好ましく、特にポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体が好ましい。これらのフッ素系樹脂は、単独で使用されてもよく、2種以上が混合されて使用されてもよい。
【0013】
一方、強い電気化学的還元雰囲気に耐える必要のある負極側高分子材料としては、非フッ素系樹脂が好ましく、なかでもポリアクリロニトリル等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ポリビニルアルコールが好ましい。これらの非フッ素系樹脂は、単独で使用されてもよく、2種以上が混合されて使用されてもよい。
【0014】
本発明の正極としては、非水電解質二次電池の正極として通常使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、正極用集電体の表面に、正極活物質層を形成させたものを使用することができる。正極活物質層は、非水電解質二次電池の正極に通常使用される正極活物質を含むものであれば特に制限はなく、必要に応じて結着剤、導電剤等が含まれていてもよい。正極活物質としては、例えば遷移金属のリチウム含有酸化物であるコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、スピネル系マンガン酸リチウム、あるいはこれらの複合酸化物等が使用できる。
【0015】
本発明の負極としては、非水電解質二次電池の負極として通常使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、負極用集電体の表面に、負極活物質層を形成させたものを使用することができる。本発明の負極活物質層は、非水電解質二次電池の負極に通常使用される負極活物質を含むものであれば特に制限はなく、必要に応じて結着剤、導電剤等が含まれていてもよい。負極活物質としては、例えばグラファイト、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、コークス等の炭素材料が使用できる。
【0016】
特に、正極側高分子材料と正極活物質層に含まれる結着剤、および負極側高分子材料と負極活物質層に含まれる結着剤を、それぞれ同種のものとすることが好ましい。これにより、高分子材料と活物質層との結合を強固にすることができ、正極−負極間の電気的接合性を良好とすることができるためである。なお、高分子材料、または活物質層中の結着剤として、複数種の樹脂の混合物が使用される場合には、その中の一種が両者に共通して使用されていればよい。
【0017】
本発明のセパレータとしては、非水電解質二次電池に通常使用されるものであればとくに制限はなく、例えばポリエチレン製、またはポリプロピレン製の微多孔膜、または、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、アラミド繊維等からなる不織布等が使用できる。
【0018】
正極−セパレータ間と負極−セパレータ間に互いに異なる高分子材料を配する方法としては特に制限はなく、例えば、それぞれの高分子材料を適当な溶媒に溶解した溶液を、(a)セパレータの両面にそれぞれ塗布した後、その両面に正極板と負極板とを積層する方法、(b)正極板、負極板にそれぞれ含浸した後、高分子材料を溶解している溶媒と相溶性があるが高分子材料を溶解しない溶媒に浸漬して溶媒抽出工程を行った後、これらをセパレータを介して積層する方法、(c)正極板、負極板に直接に塗布した後、これらをセパレータを介して積層する方法、等が使用できる。また、正極−セパレータ間と負極−セパレータ間を接着する方法としては、例えば上記いずれかの方法で作製した積層体を、(d)そのまま乾燥し、溶媒を除去して接着させる方法、(e)電池ケース内に収容し、電解液を注入した状態で、加熱プレスにより接着させる方法、等が使用できる。
なお、形成された高分子相は、多孔質となっていることが好ましい。多孔質の高分子相を形成させる方法としては、(a)高分子材料を正極板、負極板、またはセパレータに含浸した後、高分子材料を溶解している溶媒と相溶性があるが高分子材料を溶解しない溶媒に浸漬して溶媒抽出を行うことにより多孔化する方法、(b)高分子材料の溶液にアルミナやシリカ等の無機粉末を混合したものを用い、乾燥時に無機粒子間に孔を形成させる方法、等を用いることができる。
【0019】
【発明の作用、および発明の効果】
本発明によれば、正極側と負極側で、それぞれ強い電気化学的酸化雰囲気、還元雰囲気に対応可能な異種の高分子材料を配することにより、高温放置時における高分子材料の分解を抑制して電池の膨れを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非水電解質二次電池を具体化した実施形態について、図1および図2を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図1には、本実施形態の非水電解質二次電池1(以下、単に「電池1」と称する)を示した。この電池1は、リチウムイオン二次電池であり、ラミネートフィルム製の電池ケース2と、その内部に収容される発電要素3とを備えている。
【0022】
電池ケース2は、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム、アルミニウム箔、接着剤層、第1変性ポリオレフィン層、第2変性ポリオレフィン層を順に重ねたラミネートフィルムを、第2変性ポリオレフィン層側を内側として折り返して側辺部4をそれぞれ溶着することにより、あらかじめ袋状に形成されたものである。溶着された両側辺部4は、それぞれ内側に向かって折り返されている。この電池ケース2内には、発電要素3が収容され、非水電解液が注入されている。そして、電池ケース2の開放口は溶着により密閉されている。
【0023】
発電要素3は、長尺帯状の正極シート7(本発明の正極に該当する)と負極シート8(本発明の負極に該当する)とをポリエチレン製微多孔膜のセパレータ9を介して積層し、巻回することにより作製されたものである。
正極シート7、負極シート8の端部からは、それぞれ短冊状の正極リード5および負極リード6が延出されている。これらのリードは、電池ケース2の封口部から外部へ導出されて、それぞれ正極端子、負極端子とされている。
【0024】
正極シート7とセパレータ9、および負極シート8とセパレータ9は、正極−負極間の電気的接合性を確保する目的から、それぞれ接着性を有する高分子材料により接着されている。正極シート7とセパレータ9とを接着する正極側高分子材料10としては、強い電気化学的酸化雰囲気に耐え得るフッ素系樹脂が使用されている。一方、負極シート8とセパレータ9とを接着する負極側高分子材料11としては、強い電気化学的還元雰囲気に耐え得る非フッ素系樹脂が使用されている。このように、正極側と負極側で、それぞれ強い電気化学的酸化雰囲気、還元雰囲気に対応可能な異種の高分子材料10、11を配することにより、高分子材料10、11の分解を抑制し、ガスの発生を抑制することができる。これにより、電池1の膨れを抑制し、高温放置性能を向上させることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】
<実施例1−1>
1.リチウムイオン二次電池の作製
1)正極の作製
コバルト酸リチウムを正極活物質とし、この正極活物質に対して結着剤としてポリフッ化ビニリデンを、導電剤としてアセチレンブラックを重量比90:6:4の割合で混合し、N−メチルピロリドンを加えて正極合剤ペーストを調製した。このペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に均一に塗布、乾燥し、厚さ150μmとなるようにプレスした後に、幅48mmに裁断して、帯状の正極シートを作製した。
【0027】
2)負極の作製
グラファイトを負極活物質とし、このグラファイトに対して結着剤としてカルボキシ変性スチレンブタジエンゴム、およびカルボキシメチルセルロースを重量比97:2:1の割合で混合し、水を加えて負極合剤ペーストを調製した。このペーストを、厚さ15μmの銅箔からなる集電体の両面に均一に塗布、乾燥し、厚さ160μmとなるようにプレスした後に、幅49mmに裁断し、帯状の負極シートを作製した。
【0028】
3)電解液の調製
エチレンカーボネート、およびジエチルカーボネートを、体積比4:6の割合で混合して、非水溶媒を調製した。この非水溶媒に、電解質としてリチウム塩であるLiPFを1mol/lの濃度で加え、非水電解液を調製した。
【0029】
4)高分子溶液の調製
正極側の高分子溶液を以下のようにして調製した。
正極側高分子材料として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた。このポリフッ化ビニリデンを、溶媒であるN−メチルピロリドンに濃度10重量%となるように溶解した。この溶液に、10重量%のアルミナ粉末を混合して、正極側高分子溶液とした。
【0030】
負極側の高分子溶液を以下のようにして調製した。
負極側高分子材料として、ポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。このポリアクリロニトリルを、溶媒であるN−メチルピロリドンに濃度10重量%となるように溶解した。この溶液に、10重量%のアルミナ粉末を混合して、負極側高分子溶液とした。
【0031】
5)発電素子の作製
上記4)で調製した負極側高分子溶液を、負極シートの両面に、高分子材料の塗布量として1.0g/mとなるように均一に塗布した。そして、セパレータを負極シートの両面に重ね合わせ、80℃で20分間乾燥させることにより、セパレータと負極シートとを接着させた。
【0032】
上記4)で調製した正極側高分子溶液を、正極シートの両面に、高分子材料の塗布量として1.0g/mとなるように均一に塗布した。そして、この正極シートに、セパレータが張り合わせられた負極シートを重ね合わせ、積層体を作製した。
【0033】
この積層体を、ステンレスにより長方形状に形成された巻芯を中心として巻回し、50mm×35mm×3mmの長円渦状の巻回体を作製した。
この巻回体をプレスにより圧縮した状態で、80℃で12時間真空乾燥することにより、高分子溶液中の溶媒を揮散させた。このようにして、正極シート、負極シートとセパレータとが異種の高分子材料により接着された発電要素を作製した。
【0034】
6)電池の作製
ポリエチレンテレフタレート製のフィルム、アルミニウム箔、接着剤層、第1変性ポリオレフィン層、第2変性ポリオレフィン層を順に重ねたラミネートフィルムを、第2変性ポリオレフィン層側を内側として折り返して側辺部を溶着することにより、袋状の電池ケースを作成した。
【0035】
上記5)で作製した発電素子を、電池ケース内に収容した。電池ケース内に上記3)で調製した電解液を、過剰にならない程度に注入した。この状態の電池を100mAの電流で1時間充電した後、開口部を加熱圧着により封口して、電池を完成させた。なお、完成された電池の容量は約500mAhである。
【0036】
2.充放電試験
上記1で作製した電池について、20℃の温度雰囲気下において、500mAの定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で通算充電時間が3時間となるまで充電を行った。その後、この電池を500mAの定電流で2.75Vまで放電し、初期放電容量を求めた。
【0037】
3.高温放置試験
上記1で作製した電池について、電池の厚さ(放置前)を測定した。そして、20℃の温度雰囲気下において、500mAの定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で通算充電時間が3時間となるまで充電を行った。充電後、この電池を80℃の恒温槽中で3日間放置した。放置時間経過後、電池の厚さ(放置後)を測定した。その後、この電池を500mAの定電流で2.75Vまで放電した。
この電池について、再度、上記2と同様の条件で充電、放電を行い、放電容量(以下、回復容量と称する)を求めた。
【0038】
<実施例1−2>
正極側高分子材料としてフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(P(VDF/HEP))を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0039】
<実施例1−3>
正極側高分子材料としてフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(P(VDF/TFE))を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0040】
<実施例2−1>
負極側高分子材料としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0041】
<実施例2−2>
負極側高分子材料としてポリビニルアルコール(PVA)を、溶媒として水を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0042】
<実施例2−3>
負極側高分子材料としてポリアミドイミドを使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0043】
<比較例1−1>
正極側高分子材料としてポリアクリロニトリルを使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0044】
<比較例1−2>
正極側高分子材料としてスチレン−ブタジエンゴムを使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0045】
<比較例1−3>
正極側高分子材料としてポリビニルアルコールを、溶媒として水を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0046】
<比較例2−1>
負極側高分子材料としてポリフッ化ビニリデンを使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0047】
<比較例2−2>
負極側高分子材料としてフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体を使用した他は、実施例1と同様にして電池を作製し、試験を行った。
【0048】
なお、各実施例および比較例において用いられた高分子材料をまとめて表1に示した。
【表1】
Figure 0003648540
【0049】
<結果と考察>
1.充放電試験
実施例1−1〜2−3、および比較例1−1、1−3、2−1および2−2においては、詳細にはデータは示さないが、いずれも初期放電容量は約500mAhであり、ほぼ設計容量に近い容量を得ることができていた。しかし、比較例1−2の電池は充電後に大きく膨れていた。これは、正極側高分子材料として使用されたスチレン−ブタジエンゴムが、充電による正極付近の強い酸化雰囲気に耐えられず、分解してガスを発生したものと考えられる。このように、酸化雰囲気下での耐性に劣るスチレン−ブタジエンゴムは、正極側高分子材料としての使用には適さないことが分かった。
なお、比較例1−2の電池については、以後の試験を行わなかった。
【0050】
2.高温放置試験
各実施例および比較例における放置前、放置後の電池の厚さ、電池の厚さの増加量、および放電容量の回復率を表2に示した。なお、厚さの増加量は、放置後と放置前の電池の厚さの差で示した。また、放電容量の回復率は、初期放電容量に対する回復容量の割合で示した。
【0051】
【表2】
Figure 0003648540
【0052】
正極側高分子材料として非フッ素系樹脂を用いた電池(比較例1−1、1−3)については、厚さの増加量が5.4mm、6.1mmときわめて大きく、電池に大きな膨れを生じていた。また、放電容量の回復率は48%、40%であり、高温放置により電池が大きく劣化していた。これは、充電状態でかつ高温の条件下に電池を放置することにより、正極付近が強い酸化雰囲気下におかれたために、高分子材料が分解し、ガスが発生するとともに正極が劣化したことによるものと考えられる。このように、耐酸化性に劣る非フッ素系樹脂は、正極側高分子材料としての使用には適さないことが分かった。
【0053】
一方、正極側高分子材料としてフッ素系樹脂を用いた電池(実施例1−1〜2−3)については、厚さの増加量は0.7mm〜1.1mmであり、電池の膨れが抑制されていた。また、放電容量の回復率は86%〜90%であり、いずれも良好な回復率を示していた。
【0054】
また、負極側高分子材料としてフッ素系樹脂を用いた電池についてであるが、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合(比較例2−1)には、厚さの増加量は2.1mmであり、膨れを生じていた。また、放電容量の回復率は71%であり、劣化が見られた。また、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体を用いた電池(比較例2−2)については、厚さの増加量は2.9mmであり、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合よりも大きな膨れを生じていた。また、放電容量の回復率は63%であり、劣化が見られた。これは、フッ素系樹脂が還元雰囲気にさらされることにより、分解してガスを生じたためと考えられる。なお、ポリフッ化ビニリデンよりもポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体の方が劣化が大きくなったのは、共重合体中、テトラフルオロエチレン構造が、フッ化ビニリデン構造よりも耐還元性に劣るためであると推測される。
【0055】
以上の結果より明らかなように、正極、負極とセパレータとが高分子材料により接着された電池において、正極側高分子材料としてフッ素系樹脂を、負極側高分子材料として非フッ素系樹脂を用いることにより、高温放置時の電池の膨れを抑制することができる。これにより、優れた性能を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の電池を示す斜視図
【図2】発電素子の部分拡大図
【符号の説明】
1…電池
7…正極シート(正極)
8…負極シート(負極)
9…セパレータ
10…正極側高分子材料
11…負極側高分子材料

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとを備えるとともに、
    前記正極および前記負極と前記セパレータとが接着性を有する高分子材料により接着された非水電解質二次電池であって、
    前記正極と前記セパレータとを接着する正極側高分子材料と、前記負極と前記セパレータとを接着する負極側高分子材料とが互いに異なる種類の高分子材料であって、前記正極側高分子材料が耐酸化性材料であり、前記負極側高分子材料が耐還元性材料であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記正極側高分子材料が、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体から選ばれるフッ素系樹脂の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極側高分子材料が非フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記負極側高分子材料がスチレン−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、およびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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