JP6844952B2 - 水溶性共重合体及びその製造方法 - Google Patents

水溶性共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水溶性共重合体及びその製造方法に関する。
帯電防止の目的でスルホン酸基含有ポリマーが使用し得ることが知られている(特許文献1)。このスルホン酸基含有ポリマーを用いて表面に薄膜を形成することで樹脂基材や繊維、紙類に帯電防止性能を付与することが試みられてきたが、摩擦や洗浄によって薄膜が剥がれる結果、帯電防止性が失われてしまう問題が生じていた。一般に、薄膜を形成する際に架橋性の樹脂を添加することで、摩擦や洗浄に耐え得る機械強度を担保することが行われるが、スルホン酸基含有ポリマー自体は架橋構造内に組み込まれないこともあり、帯電防止性と機械強度の両立は難しく、高い水準で帯電防止性と機械強度とが求められる分野において、十分な性能を達成できない問題が生じていた。
特開平10−324866号公報
本発明は、水溶性に優れ、また、耐溶剤性、耐水性及び帯電防止性に優れた薄膜を得るために好適に用いられる水溶性共重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位とを特定の組成比で含み、特定の重量平均分子量を有する水溶性共重合体が、水溶性に優れ、また、耐溶剤性、耐水性及び帯電防止性に優れた薄膜を得るために好適に用いられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の水溶性共重合体は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含み、重量平均分子量が30,000〜2,000,000であることを特徴とする。
本発明の水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(I)が下記一般式(1)で表されることが好ましい。
Figure 0006844952
[一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]。
本発明の水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(II)が下記一般式(2)又は(3)で表されることが好ましい。
Figure 0006844952
[一般式(2)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、それぞれ独立して、反応性置換基を表す]
Figure 0006844952
[一般式(3)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表し、Rは、水素、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表す]。
本発明の水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(II)が一般式(2)で表され、一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、それぞれ独立して、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すか、又は、
繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
本発明の水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(II)が一般式(2)で表され、かつ、一般式(2)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すか、又は、
繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、かつ、一般式(3)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
本発明の水溶性共重合体の製造方法は、スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)と、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)とを70〜98:30〜2のモル比で重合させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の水溶性共重合体は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを特定の組成比で含み、特定の重量平均分子量を有するため、水溶性に優れ、また、耐溶剤性、耐水性及び帯電防止性に優れた薄膜を得るために好適に用いられる。
本発明の水溶性共重合体の製造方法は、スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマーと、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマーとを特定のモル比で重合させる工程を含むため、本発明の水溶性共重合体を好適に製造することができる。
<<水溶性共重合体>>
本発明の水溶性共重合体は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含み、重量平均分子量が30,000〜2,000,000であることを特徴とする。
<スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)>
スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)(以下、単に繰り返し構造単位(I)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される構造や、ビニルスルホン酸残基、ビニルスルホン酸残基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ビニルナフタレンスルホン酸残基、ビニルナフタレンスルホン酸残基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、水溶性及び帯電防止性に優れることから、下記一般式(1)で表される構造が好ましい。繰り返し構造単位(I)は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
Figure 0006844952
[一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
Mは、後述の、水溶性共重合体を合成した後に行うイオン交換処理等が容易なことから、ナトリウムであることが好ましい。
一般式(1)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、p−スチレンスルホン酸残基、p−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩、m−スチレンスルホン酸残基、m−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩、o−スチレンスルホン酸残基、o−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、水溶性及び帯電防止性に優れ、重合が容易であることから、p−スチレンスルホン酸残基及びp−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩が好ましい。
<反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)>
反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)(以下、単に繰り返し構造単位(II)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される構造、下記一般式(3)で表される構造、1−テトラデセン誘導体残基、ビニルアントラセン誘導体残基等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性に優れ、重合が容易であることから、下記一般式(2)又は(3)で表される構造が好ましい。これらの繰り返し構造単位(II)は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
Figure 0006844952
[一般式(2)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、それぞれ独立して、反応性置換基を表す]
Figure 0006844952
[一般式(3)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表し、Rは、水素、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表す]
一般式(2)中のR及び一般式(3)中のRについて、反応性置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
また、後述するとおり、本発明の水溶性共重合体を製造する際、出発材料として、反応性置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)を使用する以外に、反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)を使用することもできるが、本発明の水溶性共重合体では、所定の効果が得られる限りにおいて、反応性置換基に変換可能な置換基の一部が反応性置換基に変換されないまま残存していても良い。
反応性置換基に変換可能な置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基等の反応性置換基に変換可能なハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルチオ基、アミド基等が挙げられる。
繰り返し構造単位(II)が一般式(2)で表される構造である場合、耐溶剤性、耐水性の観点から、一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、それぞれ独立して、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
別の態様において、耐溶剤性や耐水性、水溶性の観点から、一般式(2)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表される構造である場合、耐溶剤性や耐水性の観点から、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
別の態様において、耐溶剤性や耐水性、水溶性の観点から、一般式(3)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
一般式(2)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、ビニルフェノール残基、ビニル安息香酸残基、アミノスチレン残基、4−ビニルベンジルアミン残基、ビニルベンゼンチオール残基、ビニルベンゼングリシジルエーテル残基等の反応性置換基を有するビニルモノマー残基等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性の観点から、ビニルフェノール残基、ビニル安息香酸残基及びアミノスチレン残基が好ましい。
一般式(3)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、アリルアミン残基、アリルアルコール残基、グリセリンモノアリルエーテル残基、アリルグリシジルエーテル残基、ビニルナフトール残基、ビニルナフタレングリシジルエーテル残基等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性に優れ、重合が容易であることから、アクリル酸残基、及びメタクリル酸残基が好ましい。
本発明の水溶性共重合体において、繰り返し構造単位(I)と繰り返し構造単位(II)との組成比は、70〜98:30〜2である限り特に限定されないが、75〜98:25〜2であることが好ましく、80〜95:20〜5であることがより好ましい。繰り返し構造単位(I)の組成比が70未満であると、水溶性が低下し、沈殿やゲル化を生じることがあり、98を超えると、耐溶剤性や耐水性が低下することがある。また、繰り返し構造単位(II)の組成比が30を超えると、帯電防止性が低下することがあり、2未満であると、耐溶剤性や耐水性が低下することがある。
本発明の水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)に加えて、任意に、他の繰り返し構造単位を含んでも良い。他の繰り返し構造単位としては、特に限定されないが、例えば、スチレン残基、フルオロスチレン残基、ブロモスチレン残基、クロロスチレン残基、ビニルスルホン酸残基等が挙げられる。これらの他の繰り返し構造単位は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
本発明の水溶性共重合体が繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)に加えて他の繰り返し構造単位を含む場合、その含有量は、特に限定されないが、繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)の合計量を100モル%とした場合に、30モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。他の繰り返し構造単位の添加量が、30モル%を超えると、薄膜とした際の帯電防止性や耐溶剤性、耐水性が低下することがある。
本発明の水溶性共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜2,000,000である限り特に限定されないが、40,000〜200,000であることが好ましい。重量平均分子量が30,000未満であると、薄膜とした際、高温高湿下において薄膜中からのブリードアウトが起こり、帯電防止性が低下することがあり、2,000,000を超えると、水溶性が低下し、ゲル化や沈殿が生じやすくなることがある。
本発明の水溶性共重合体は、後述する本発明の水溶性共重合体の製造方法の他に、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基を有する(共)重合体をスルホン化することによって製造することもできる。例えば、スチレン/ビニルフェノール共重合体、スチレン/アミノスチレン共重合体、スチレン/ビニル安息香酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体等の反応性置換基を有する(共)重合体、スチレン/アルコキシスチレン共重合体、スチレン/アセトキシスチレン(共)重合体等の反応性置換基に変換可能な置換基を有する(共)重合体を、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解あるいは分散させた後、発煙硫酸、クロロ硫酸、無水硫酸等のスルホン化剤を添加し、0〜80℃で2〜10時間スルホン化処理を行う。その後、スルホン化された(共)重合体を水で抽出し、後述する方法で精製、あるいは脱保護及び精製を行うことにより、本発明の水溶性共重合体を製造することができる。
本発明の水溶性共重合体は、他の成分と混合して水溶性共重合体組成物としても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、架橋剤、硬化促進剤、溶媒、レベリング剤、バインダー樹脂、スリップ剤等が挙げられる。
架橋剤を配合することにより、水溶性重合体を用いて形成する薄膜の強度を向上させることができる。架橋剤としては、特に限定されないが、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、アルデヒド系、シリケート系、カルボン酸系、酸無水物系、アクリレート系、メタクリレート系等の各種材料が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水溶性共重合体組成物が架橋剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、水溶性共重合体100重量部に対し、0.1〜20000重量部であることが好ましく、1〜1000重量部であることがより好ましい。含有量が0.1重量部未満であると、薄膜の機械強度が不十分となることがあり、20000重量部を超えると、薄膜の帯電防止性を十分に確保することができなくなることがある。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、アミン類、イミダゾール類、ホスフィン、ホスフィンオキサイド類、DBU及びその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウム化合物、スルホン酸類、ヒドロキシアセトフェノン類、アルキルフェノン類、チタノセン類、チタネート類、オキシムエステル類、有機酸又は無機酸、酸発生剤、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水溶性共重合体組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、架橋剤100重量部に対し、0.1〜300重量部であることが好ましい。
溶媒としては、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフラン;アセトン;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水溶性共重合体組成物が溶媒を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、水溶性共重合体100重量部に対し、20〜1000000重量部であることが好ましく、200〜500000重量部であることがより好ましい。含有量が20重量部未満であると、水溶性共重合体組成物の粘度が高くなりハンドリングが困難となることがあり、1000000重量部を超えると、水溶性共重合体組成物の固形分濃度が低くなりすぎて薄膜とする際の厚みの調整が困難となることがある。
<<水溶性共重合体の製造方法>>
本発明の水溶性共重合体の製造方法は、スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)と、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)とを70〜98:30〜2のモル比で重合させる工程を含むことを特徴とする。
<モノマー(A)>
スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)(以下、単にモノマー(A)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(4)で表される化合物、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ビニルナフタレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、水溶性及び帯電防止性に優れることから、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。これらのモノマー(A)は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
Figure 0006844952
[一般式(4)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
Mは、後述の、水溶性共重合体を合成した後に行うイオン交換処理等が容易なことから、ナトリウムであることが好ましい。
一般式(4)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、p−スチレンスルホン酸アンモニウム、m−スチレンスルホン酸、m−スチレンスルホン酸ナトリウム、m−スチレンスルホン酸カリウム、m−スチレンスルホン酸アンモニウム、o−スチレンスルホン酸、o−スチレンスルホン酸ナトリウム、o−スチレンスルホン酸カリウム、o−スチレンスルホン酸アンモニウム等が挙げられる。これらの中では、水溶性及び帯電防止性に優れ、重合が容易であることから、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
<モノマー(B)>
反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)(以下、単にモノマー(B)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、1−テトラデセン誘導体、ビニルアントラセン誘導体等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性に優れ、重合が容易であることから、下記一般式(5)又は(6)で表される化合物が好ましい。これらのモノマー(B)は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
Figure 0006844952
[一般式(5)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、それぞれ独立して、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基を表す]
Figure 0006844952
[一般式(6)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基を表し、Rは、水素、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表す]
一般式(5)中のR及び一般式(6)中のRについて、反応性置換基及び反応性置換基に変換可能な置換基としては、上述のとおりである。
モノマー(B)が一般式(5)で表される化合物である場合、耐溶剤性、耐水性の観点から、一般式(5)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、それぞれ独立して、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
別の態様において、耐溶剤性や耐水性、水溶性の観点から、一般式(5)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
モノマー(B)が一般式(6)で表される化合物である場合、耐溶剤性や耐水性の観点から、一般式(6)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
別の態様において、耐溶剤性や耐水性、水溶性の観点から、一般式(6)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビニルフェノール、ビニル安息香酸、アミノスチレン、4−ビニルベンジルアミン、ビニルベンゼンチオール、ビニルベンゼングリシジルエーテル等の反応性置換基を有するビニルモノマー、4−ブトキシスチレン、2−ブトキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン等の反応性置換基に変換可能な置換基を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性の観点から、ビニル安息香酸、ビニルフェノール及びアミノスチレンが好ましい。
一般式(6)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アリルアミン、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ビニルナフトール、ビニルナフタレングリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中では、耐溶剤性や耐水性に優れ、重合が容易であることから、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
本発明の水溶性共重合体を重合する際、モノマー(A)とモノマー(B)とのモル比は、70〜98:30〜2である限り特に限定されないが、75〜98:25〜2であることが好ましく、80〜95:20〜5であることがより好ましい。モノマー(A)のモル比が70未満であると、水溶性が低下し、沈殿やゲル化を生じることがあり、98を超えると、耐溶剤性や耐水性が低下することがある。また、モノマー(B)のモル比が30を超えると、帯電防止性が低下することがあり、2未満であると、耐溶剤性や耐水性が低下することがある。
本発明の水溶性共重合体を重合する際、モノマー(A)及びモノマー(B)に加えて、任意に、これらとラジカル共重合可能な他のモノマーを加えても良い。他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルスルホン酸等が挙げられる。これらの他のモノマーは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
モノマー(A)及びモノマー(B)に加えて他のモノマーを加える場合、その添加量は、特に限定されないが、モノマー(A)及びモノマー(B)の合計量100モルに対して、30モル以下であることが好ましく、10モル以下であることがより好ましい。他のモノマーの添加量が、30モルを超えると、薄膜とした際の帯電防止性や耐溶剤性、耐水性が低下することがある。
モノマー(A)とモノマー(B)とを重合させる方法としては、例えば、反応容器に溶媒、モノマー(A)、モノマー(B)及び必要に応じてこれらとラジカル共重合可能な他のモノマーを仕込み、必要に応じて分子量調節剤を加え、系内を脱酸素した後、所定温度に加熱し、ラジカル重合開始剤を添加しながら重合すれば良い。この際、急激な重合を避けるため、最初に全てのモノマー混合物を反応容器に仕込むのではなく、各々のモノマーを、重合開始剤や分子量調節剤と共に、反応容器に少量ずつ連続添加しても良い。
反応溶媒は特に限定するものではないが、モノマー(A)とモノマー(B)の溶解性、及び、重合した後に行う重合溶液のイオン交換処理等を考慮すると、水及び水溶性溶剤の混合物が好ましい。
水溶性溶剤としては、モノマー混合物が溶解する組成であれば制限はないが、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ブタノール、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等があげられる。好ましくは、アセトン、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
反応溶媒の使用量は、モノマー全量100重量部に対し、通常、150〜2,000重量部である。
分子量調節剤は特に限定されるものではないが、例えば、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルチウラムジスルフィド、2,2’−ジチオジプロピオン酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、4,4’−ジチオジブタン酸、2,2’−ジチオビス安息香酸等のジスルフィド類、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオ酢酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、チオマロン酸、ジチオコハク酸、チオマレイン酸、チオマレイン酸無水物、ジチオマレイン酸、チオグルタール酸、システイン、ホモシステイン、5−メルカプトテトラゾール酢酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、メルカプトエタノール、1,2−ジメチルメルカプトエタン、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩、6−メルカプト−1−ヘキサノール、2−メルカプト−1−イミダゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、システイン、N−アシルシステイン、グルタチオン、N−ブチルアミノエタンチオール、N,N−ジエチルアミノエタンチオール、チオフェノール、アミノチオフェノール等のメルカプタン類、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素、ジフェニルエチレン、p−クロロジフェニルエチレン、p−シアノジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマー、ベンジルジチオベンゾエート、2−シアノプロプ−2−イルジチオベンゾエート、有機テルル化合物、イオウ、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
分子量調節剤の使用量は、モノマー全量100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部である。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等のパーオキサイド類、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート等のアゾ化合物等があげられる。また、必要に応じて、アスコルビン酸、エリソルビン酸、アニリン、三級アミン、ロンガリット、ハイドロサルファイト、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用しても良い。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー全量100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部である。
重合条件は特に限定するものではないが、不活性ガス雰囲気下、20〜120℃で、4〜50時間加熱すれば良く、反応溶媒、モノマー組成及び重合開始剤種によって適宜調整すれば良い。
本発明の水溶性共重合体の製造方法において、モノマー(B)として反応性置換基に変換可能なアシル基、エーテル基等の置換基を有するビニルモノマーを用いた場合、例えば、重合後の溶液へモノマー(B)に対して1〜10モル%のトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸、蟻酸、塩酸、臭化水素酸、トルエンスルホン酸、硫酸等の酸触媒を添加して、常温〜100℃で1〜30時間加熱することにより、モノマー(B)の置換基を反応性置換基に変換することができる(脱保護)。
上記で得られた水溶性共重合体は、必要に応じて、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、キレート樹脂、限外濾過、及び/又は透析等の方法により、金属カチオン、アンモニウムカチオン、硫酸アニオン、ハロゲンアニオン等の不要なカチオン、アニオン不純物を除去し、精製することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(使用材料)
下記の実施例及び比較例においては、以下の材料を使用した。
・モノマー(A)
スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー有機化学株式会社製、純度88.8%)
・モノマー(B)
4−ブトキシスチレン(東ソー有機化学株式会社製、純度97%)
4−ビニル安息香酸(東ソー有機化学株式会社製、純度97%)
4−アミノスチレン(東京化成工業株式会社製、純度95%)
メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製、純度97%)
トリメトキシシリルスチレン(信越化学工業株式会社製、KBM−1403)
メタクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、純度98%)
・ラジカル重合開始剤
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、V−50)
・酸触媒
トリフルオロ酢酸(東京化成工業株式会社製、純度99%)
・架橋剤
エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−614B)
・硬化促進剤
エポキシ樹脂硬化促進剤(サンアプロ株式会社製、U−CAT SA−102)
・溶媒
含水エタノール(林純薬工業株式会社製、エタノール、含水率0.4重量%未満)
(実施例1)
冷却管、窒素導入菅を備えた500ml三口ガラスフラスコに、純水170.00g、イソプロパノール85.00g、モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム24.00g(103.36mmol)、モノマー(B)として4−t−ブトキシスチレン1.00g(5.50mmol)を仕込んだ。マグネチックスターラーで撹拌しながら、アスピレーター吸引と窒素導入を5回繰り返して系内を脱気した後、ラジカル重合開始剤V−50を0.35g(1.29mmol)添加し、70℃で16時間重合した。
ロータリーエバポレータを用いてイソプロパノールを留去した後、共重合体溶液を、カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去した。
さらに、得られた共重合体水溶液にトリフルオロ酢酸を0.05g(0.43mmol)添加し、60℃で5時間加熱することによってブトキシ基スチレン単位をヒドロキシスチレン単位へ変換した後、ロータリーエバポレーターで水分を調整し、固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体(10.5wt%水溶液)を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、水溶性共重合体組成物を得た。得られた組成物を、基材上にワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例2)
冷却管、窒素導入菅を備えた1000ml三口ガラスフラスコに、純水355.00g、モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム60.00g(258.39mmol)、モノマー(B)として4−ビニル安息香酸2.10g(13.75mmol)、10wt%水酸化ナトリウム水溶液11.90gを仕込んだ。マグネチックスターラーで撹拌しながら、アスピレーター吸引と窒素導入を5回繰り返して系内を脱気した後、ラジカル重合開始剤V−50を0.93g(3.43mmol)添加し、85℃で6時間重合した。
共重合体溶液を、カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去した。
ロータリーエバポレーターで水分を調整し、固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
本実施例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(実施例3)
モノマー(B)として、4−ビニル安息香酸に代えて4−アミノスチレン1.75g(13.95mmol)を用い、10wt%水酸化ナトリウム水溶液を添加しなかった以外、実施例2と同様にして、固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
本実施例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(実施例4)
モノマー(B)として、4−アミノスチレンに代えてメタクリル酸1.23g(13.86mmol)を用い、重合開始剤V−50を1.12g(4.13mmol)用いたこと以外、実施例3と同様にして固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
本実施例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(実施例5)
モノマー(B)として、メタクリル酸に代えてメタクリルアミド1.21g(13.88mmol)を用いたこと以外、実施例4と同様にして固形分11.0wt%の水溶性共重合体を得た。
本実施例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(実施例6)
モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウムを61.89g(266.55mmol)、モノマー(B)として4−ビニル安息香酸を0.84g(5.5mmol)用いたこと以外、実施例2と同様にして固形分13.0wt%の水溶性共重合体を得た。
本実施例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(比較例1)
モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム60.00g(258.39mmol)を用い、モノマー(B)として4−アミノスチレンを用いず、ラジカル重合開始剤V−50を1.00g(3.69mmol)を用いた以外は、実施例3と同様にして固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
本比較例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(比較例2)
冷却管、窒素導入菅を備えた500ml三口ガラスフラスコに、純水200.00g、イソプロパノール50.00g、モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム30.00g(129.19mmol)、モノマー(B)として4−アミノスチレン11.50g(91.68mmol)を仕込んだ。マグネチックスターラーで撹拌しながら、アスピレーター吸引と窒素導入を5回繰り返して系内を脱気した後、ラジカル重合開始剤V−50を1.00g(3.69mmol)添加し、70℃で10時間重合した。
ロータリーエバポレーターを用いて共重合体溶液からイソプロパノールを留去した後、カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去した。
ロータリーエバポレーターで水分を調整し、固形分10.5wt%の水溶性共重合体を得た。
本比較例で得られた水溶性共重合体を用いた以外、実施例1と同様にして薄膜を得た。
(比較例3)
モノマー(B)として、アミノスチレンに代えてトリメトキシシリルスチレン1.60g(6.92mmol)を用いたこと以外、比較例2と同様にして共重合を実施した。得られた共重合体はゲル化しており、水には溶解しなかった(水に溶解しなかったため、薄膜は作製せず)。
実施例1〜6及び比較例1〜3において、水溶性共重合体の重量平均分子量及び水溶性、薄膜の耐溶剤性、耐水性及び帯電防止性(表面抵抗率)を以下に記載の方法により評価した。結果を下記表1に示す。なお、比較例3で得られた水溶性共重合体はゲル化していたため、これらの評価を行うことができなかった。
(重量平均分子量)
水溶性共重合体の重量平均分子量は、以下のとおり測定した。
装置:東ソー有機化学株式会社製、LC−8020(デガッサー:SD−8022、ポンプ:DP−8020、カラムオーブン:CO−8020、紫外可視検出器:UV−8020)
カラム:TSK guardcolumn α+TSK gel α−6000+TSK gel α−3000
溶離液:リン酸緩衝液(pH=7)とアセトニトリルの体積比65:35溶液
カラム温度:40℃、流量=0.6ml/min
検出器:UV検出器(波長230nm)、注入量=100μl
検量線:単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(創和科学株式会社製、3K、15K、41K、300K、1000K、2350K、5000K)のピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
(水溶性)
得られた水溶性共重合体を室温で1ヶ月放置した後の液外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:沈殿物が観測されない。
×:沈殿物が観測される。
(耐溶剤性)
アセトン及びトルエンの2種類の溶剤について、耐溶剤性を評価した。溶剤を含浸させた綿棒を用いて薄膜の表面を軽く5回擦り、傷つき具合を観察し、以下の基準で評価した。
5:剥がれた部分が全くない。
4:剥がれた部分が5%未満である。
3:剥がれた部分が5%以上、10%未満である。
2:剥がれた部分が10%以上、20%未満である。
1:剥がれた部分が20%以上、50%未満である。
0:剥がれた部分が50%以上である。
(耐水性)
薄膜を水で洗い流した場合(洗い流し洗浄)、及び、超音波洗浄機(アズワン株式会社製、ASUMシリーズ)を用いて2分間洗浄した場合(超音波洗浄)のそれぞれについて、薄膜の外観を観察し、以下の基準で評価した。
3:薄膜に変化が全くない。
2:膨潤又は剥離部分が5%未満である。
1:膨潤又は剥離部分が5%以上、50%未満である。
0:膨潤又は剥離部分が50%以上である。
(帯電防止性(表面抵抗率))
薄膜の表面抵抗率は、高抵抗抵抗率計(三菱化学株式会社製、ハイレスターUP(MCP−HT450))により測定した。
Figure 0006844952

Claims (7)

  1. スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2のモル比で含み、重量平均分子量が30,000〜2,000,000であることを特徴とする水溶性共重合体であって、
    前記反応性置換基が、アルケニル基、アルキニル基、オキセタン基、または、アミノ基である水溶性共重合体。
  2. 繰り返し構造単位(I)が下記一般式(1)で表される、請求項1に記載の水溶性共重合体:
    Figure 0006844952
    [一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]。
  3. 繰り返し構造単位(II)が下記一般式(2)又は(3)で表される、請求項1又は2に記載の水溶性共重合体:
    Figure 0006844952
    [一般式(2)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、それぞれ独立して、アルケニル基、アルキニル基、オキセタン基、およびアミノ基から選択される反応性置換基を表す]
    Figure 0006844952
    [一般式(3)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、アルケニル基、アルキニル基、オキセタン基、およびアミノ基から選択される反応性置換基を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表す]。
  4. 繰り返し構造単位(II)が一般式(2)で表され、一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、それぞれ独立して、アルケニル基、アルキニル基、又はオキセタン基を表すか、又は、
    繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、又はオキセタン基を表す、
    請求項3に記載の水溶性共重合体。
  5. 繰り返し構造単位(II)が一般式(2)で表され、かつ、一般式(2)中、Rは、アミノ基を表すか、又は、
    繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、かつ、一般式(3)中、Rは、アミノ基を表す、
    請求項3に記載の水溶性共重合体。
  6. スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)と、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)とを70〜98:30〜2のモル比で重合させる工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水溶性共重合体の製造方法。
  7. スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、チオール基を有さずカルボキシル基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2のモル比で含み、重量平均分子量が30,000〜2,000,000であることを特徴とする水溶性ランダム共重合体であって、
    繰り返し構造単位(II)が下記一般式(2)で表される水溶性共重合体:
    Figure 0006844952
    [一般式(2)中、pは1〜5の整数を表し、R は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素原子の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、R は、それぞれ独立して、チオール基以外の反応性置換基であって、少なくとも一つはカルボキシル基である]。
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