JP6025019B2 - 反応性重合体溶液の製造方法 - Google Patents
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Description
このラジカル重合性不飽和基及び酸基を有する反応性重合体の製造方法としては、酸基を有する重合体に対して、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物を付加反応させる方法が一般的である。中でも、カルボキシル基を有する重合体に対して、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物とを反応させることにより反応性重合体を得る方法が工業的に好ましく用いられている。前記方法で使用されるカルボキシル基を有する重合体としては、(メタ)アクリル酸共重合体が、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートがあげられる(特許文献1、2)。
前記方法により製造される反応性重合体は、酸価及びラジカル重合性不飽和基量の自由度が高いこと、用途に応じた溶媒を用いて工業的に合成できることなどから、その用途が拡大しつつある。用途の一例としてはフォトリソスペーサー、カラーフィルター用保護膜用の感光性樹脂組成物のバインダーポリマー、さらに感光性ペーストのバインダーポリマーなどである(特許文献3)。
これらの理由により、前記反応性重合体の重量平均分子量及び分子量分布を制御し製造することが望まれるが、付加反応時に重量平均分子量が増大し、また分子量分布が拡がるため分子量及び分子量分布の制御は困難である。
さらに、前記反応性重合体は、熱及び光に対して活性な官能基を多数有しているために、反応性重合体溶液の保存中にも、経時的に分子量の増大と、それに伴う粘度の上昇が起こる。保存中に重量平均分子量が増大すると、アルカリ現像性が過少となりパターンの解像度の低下を招くので好ましくない。さらに粘度の上昇により塗工性が悪化し、塗工時に均一な膜を得ることが困難になり、パターンの解像度の低下を招くため好ましくない。そのため、反応性重合体溶液を低温下で保存することにより、保存中の経時変化を抑制しているが、低温下でも経時変化は生じるために根本的な解決には至っていない。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
−0.014X2+3.95X+150≦W≦−0.014X2+3.95X+1500 (1)(X=AV0×変性率÷100
変性率:(メタ)アクリル酸共重合体中の酸基に対するグリシジル(メタ)アクリレートの添加量(モル%))
(2) 非プロトン性極性溶媒が、スルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、ニトリル系、又はグリコールエステル系である、(1)に記載の反応性重合体溶液の製造方法。
本発明の反応性重合体溶液の製造方法は、(メタ)アクリル酸共重合体溶液に、グリシジル(メタ)アクリレートを添加し、反応性重合体溶液を製造する際に、(メタ)アクリル酸共重合体溶液に、一定の水分量を存在させることを特徴とする。
反応性重合体の合成に使用される(メタ)アクリル酸共重合体の酸価は、50〜350mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは100〜300mgKOH/gである。前記範囲よりも大きすぎると、非プロトン性極性溶媒に対する溶解性が悪化し、溶解に多量の溶媒を要することによる生産性の低下、また、溶解後の粘度が高くなりすぎることにより、撹拌の均一性を損ねる恐れがあるので好ましくない。前記範囲よりも小さすぎると、グリシジル(メタ)アクリレートの付加反応により得られる反応性重合体の酸価が小さくなりすぎ、例えば、感光性レジスト用樹脂としては、アルカリ現像性が過少となることによるパターン解像度の低下を招くので、好ましくない。
(メタ)アクリル酸共重合体を構成する単量体のうち酸基を有する単量体は、酸基としてカルボキシル基、スルホ基、リン酸基などを有する、1種又は2種以上の重合性単量体であり、好ましくは、カルボキシル基を有する単量体、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、好ましくはスチレン、クロルスチレン、ヒドロキシスチレン、t−ブトキシスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等が挙げられ、より好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
酸基を有する単量体と、共重合可能な他の単量体を、非プロトン性極性溶媒中で、常法により重合反応させることによって、共重合体溶液を得ることができる。当該共重合体溶液は、そのまま、付加反応に使用できるが、溶媒の一部又は全部を除去し、付加反応用に新たな溶媒を添加しても良い。
(メタ)アクリル酸共重合体の重量平均分子量は、1,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000である。
付加反応に使用する溶媒としては、酸基を持つ(メタ)アクリル酸共重合体を溶解させるために極性溶媒が使用されるが、塗料、粘・接着剤、感光性レジストなどの樹脂配合物、及び導電性ペースト、セラミックス、繊維強化プラスチック等のバインダーなどの用途に使用することを考慮して、沸点が150℃以上の非プロトン性極性溶媒が選択される。
本発明で好適に使用される非プロトン性極性溶媒は、スルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、シクロウレア系、ニトリル系、グリコールエステル系溶媒の1種又は2種以上であり、スルホキシド系としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ラクトン系としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロカーボネート系としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アミド系としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、シクロウレア系としては、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等が例示される。
グリシジル(メタ)アクリレートの付加反応に使用する溶媒量としては、前記(メタ)アクリル酸共重合体に対して100〜1,000質量%が好ましい。100質量%以下であると、重合体濃度が高くなりすぎることによる重合体溶液粘度の増大に伴う撹拌の均一性の低下を招くので好ましくない。1,000質量%以上であると、(メタ)アクリル酸共重合体濃度が低くなりすぎるために、付加反応が充分進行しない一方、分子量が増大する恐れがあるので好ましくない。
次に、グリシジル(メタ)アクリレートを(メタ)アクリル酸共重合体に付加反応させることによって、反応性重合体溶液を得る。グリシジル(メタ)アクリレートによる酸基の変性率は、酸基のモル数に対して、好ましくは30〜70モル%、より好ましくは40〜60モル%である。その割合が前記範囲より多すぎると、付加反応に長時間の加熱を要するため、分子量の増大が顕著になり、また、ゲル化を招くおそれがある。他方、少なすぎると重合性不飽和二重結合が少なくなり、例えば、塗料用樹脂としては、親水性が高くなりすぎることによる耐水性の低下、粘・接着剤用樹脂としては、樹脂内部の凝集力が強くなりすぎることによる接着性の低下、感光性レジスト用樹脂としては、溶媒溶解性や他組成物との相溶性の低下や、アルカリ現像性が過剰となることによるパターン解像度の低下、導電性ペースト用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによるペースト粘度の増大に伴う回路形成性の低下、セラミック用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによる粘度の増大と機械物性や電気物性の低下、繊維強化プラスチック用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによる繊維の凝集や透明性の低下を招くので好ましくない。
本発明の反応性重合体の重量平均分子量は、1,000〜600,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜200,000、さらに好ましくは5,000〜100,000である。重量平均分子量が大きすぎると、例えば、塗料用樹脂、粘・接着剤用樹脂としては、粘度が高くなりすぎて塗膜の平滑性が損なわれる。感光性レジスト用樹脂としては、アルカリ現像性が過少となることによるパターン解像度の低下、導電性ペースト用バインダーとしては、ペースト粘度の増大に伴う回路形成性の低下、セラミック用バインダーとしては、粘度の増大による混和性の低下、繊維強化プラスチック用バインダーとしては、外観の低下を招くので好ましくない。重量平均分子量が小さすぎると、例えば、塗料用樹脂、粘・接着剤用樹脂としては、塗膜の機械的強度が低下する。感光性レジスト用樹脂としては、アルカリ現像性が過剰となることによるパターン解像度の低下、繊維強化プラスチック用バインダーとしては、強度の低下を招くので好ましくない。
本発明の反応性重合体の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは50〜150mgKOH/gである。前記範囲よりも大きすぎると、例えば、塗料用樹脂としては、親水性が高くなりすぎることによる耐水性の低下、粘・接着剤用樹脂としては、樹脂内部の凝集力が強くなりすぎることによる接着性の低下、感光性レジスト用樹脂としては、溶媒溶解性や他組成物との相溶性の低下や、アルカリ現像性が過剰となることによるパターン解像度の低下、導電性ペースト用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによるペースト粘度の増大に伴う回路形成性の低下、セラミック用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによる粘度の増大と機械物性や電気物性の低下、繊維強化プラスチック用バインダーとしては、親水性が高くなりすぎることによる繊維の凝集や透明性の低下を招くので好ましくない。前記範囲よりも小さすぎると、例えば、塗料用樹脂、粘・接着剤用樹脂としては、樹脂内部の凝集力が弱くなりすぎることによる強度と接着性の低下、感光性レジスト用樹脂としては、アルカリ現像性が過少となることによるパターン解像度の低下、導電性ペースト用バインダー、セラミック用バインダーとしては、疎水性が強くなりすぎることによる分散性の低下に伴う電気物性の低下、繊維強化プラスチック用バインダーとしては、分散性の低下に伴う強度の低下を招くので好ましくない。
(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量の調整方法は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸共重合体溶液を調製後に水分量を測定し、その後必要な水分を別途加える方法が好ましい。添加する水については、異物の混入を避けるため、イオン交換水等の脱イオン処理された水が好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸共重合体溶液に含まれる水分量
三菱化学(株)製水分測定装置KF−200を用い、JIS K−0068に従い行なった。
(2)重合体の重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、下記条件で求めた。
GPC装置:東ソー(株)製HLC−8220
カラム:昭和電工(株)製 Shodex KF−805L
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
Mw:重量平均分子量
Mn:数平均分子量
(3)付加反応時の重量平均分子量の増大幅Mw(a)/Mw(calc)
付加反応後の反応性重合体の重量平均分子量をMw(a)、(メタ)アクリル酸共重合体の重量平均分子量とグリシジル(メタ)アクリレートの添加量から算出した反応性重合体の重量平均分子量の計算値をMw(calc)として、下記式により算出した。
重量平均分子量の増大幅=Mw(a)/Mw(calc)
反応性重合体溶液に含まれるグリシジル(メタ)アクリレート加水分解物量を下記方法により定量した。
反応性重合体溶液2gと内部標準物質のビフェニル0.01gをメタノール2gに溶解させた後、トルエンを30ml加え、重合体を沈殿させる。この上澄み液をガスクロマトグラフ(GC)により下記条件で分析し、内部標準法により定量した。
GC装置:島津製作所(株)製GC−2014
検出器:FID
インジェクション温度:200℃
検出器温度:250℃
カラム温度:50℃10分保持、毎分10℃昇温、250℃10分保持
カラム:アジレント・テクノロジー(株)製、DB−WAX(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
(5)反応性重合体溶液の保存安定性評価ΔMw%
反応性重合体溶液20gを30mLガラス製スクリュー管に入れ密閉した後、庫内温度50℃の送風定温乾燥機で5日間加熱した。加熱前の重量平均分子量をMw(a)、加熱後の重量平均分子量をMw(b)とし、下記式によりΔMw%を算出した。
ΔMw%=〔(Mw(b)−Mw(a))/Mw(a)〕×100
<溶媒>
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N−メチルピロリドン
PC:プロピレンカーボネート
DMPU:1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)− ピリミジノン
GBL:γ−ブチロラクトン
<(メタ)アクリル酸共重合体溶液(1)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、DMSO830gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸230g、メタクリル酸メチル270g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、DMSO100gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、(メタ)アクリル酸共重合体溶液を調製した。これにより1,400gの収量で重量平均分子量25,200、分散度2.0、(メタ)アクリル酸共重合体酸価300mgKOH/g、水分量140ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(1)を調製した。反応は全て乾燥窒素雰囲気下で行なった。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(2)>
調製例1におけるDMSOをNMPに変更する他は、調製例1と同様に重合の操作を行った。これにより1,400gの収量で重量平均分子量25,000、分散度1.9、(メタ)アクリル酸共重合体酸価300mgKOH/g、水分量170ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(2)を調製した。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(3)>
調製例1におけるDMSOをPCに、単量体添加量をメタクリル酸115gに、メタクリル酸メチル385gに変更する他は、調製例1と同様に重合の操作を行った。これにより1,400gの収量で重量平均分子量25,600、分散度1.9、(メタ)アクリル酸共重合体酸価150mgKOH/g、水分量160ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(3)を調製した。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(4)>
調製例3におけるPCをDMPUに変更する他は、調製例3と同様に重合の操作を行った。これにより1,400gの収量で重量平均分子量24,600、分散度2.1、(メタ)アクリル酸共重合体酸価150mgKOH/g、水分量190ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(4)を調製した。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(5)>
調製例1におけるDMPUをGBLに、単量体添加量をメタクリル酸200gに、メタクリル酸メチル300gに変更する他は、調製例1と同様に重合の操作を行った。これにより1,400gの収量で重量平均分子量23,100、分散度2.0、(メタ)アクリル酸共重合体酸価260mgKOH/g、水分量190ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(5)を調製した。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(6)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、DMSO1200gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸48g、メタクリル酸メチル272g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)6.0g、DMSO80gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.0gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、(メタ)アクリル酸共重合体溶液を調製した。これにより1,550gの収量で重量平均分子量26,700、分散度2.0、(メタ)アクリル酸共重合体酸価550mgKOH/g、水分量180ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(6)を調製した。反応は全て乾燥窒素雰囲気下で行なった。
<メタ)アクリル酸共重合体溶液(7)>
調製例1における単量体添加量をメタクリル酸15.5gに、メタクリル酸メチル484.5gに変更する他は、調製例1と同様に重合の操作を行った。これにより1,400gの収量で重量平均分子量28,000、分散度1.9、(メタ)アクリル酸共重合体酸価20mgKOH/g、水分量160ppmの(メタ)アクリル酸共重合体溶液(7)を調製した。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(1)600g、イオン交換水0.14mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド1.7g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート42g、DMSO78gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で4時間反応させた。これにより700gの収量で重合体酸価61mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は380ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=43,800、Mw/Mn=2.4であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.2であった。
<加水分解物量>
0.13%であった。
<保存安定性>
ΔMw%は21%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(2)600g、イオン交換水0.14mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド1.9g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート48g、NMP89gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で6時間反応させた。これにより730gの収量で重合体酸価172mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は400ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=37,600、Mw/Mn=2.0であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
0.32%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が20%であった。
実施例2のイオン交換水の導入量を0.37mLに変更する他は、実施例2と同様に付加反応の操作を行なった。これにより730gの収量で重合体酸価173mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は780ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=36,700、Mw/Mn=2.2であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
0.48%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が17%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(3)600g、イオン交換水0.15mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド2.2g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート55.7g、PC103gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で4時間反応させた。これにより750gの収量で重合体酸価36mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は410ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=35,800、Mw/Mn=2.4であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
0.35%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が24%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(3)600g、イオン交換水0.09mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド2.2g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート25g、PC46gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で6時間反応させた。これにより750gの収量で重合体酸価36mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は300ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=33,100、Mw/Mn=2.2であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
0.28%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が25%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(4)600g、イオン交換水0.60mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド2.2g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート55.7g、DMPU103gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で4時間反応させた。これにより750gの収量で重合体酸価37mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は1,210ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=34,400、Mw/Mn=2.5であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.0であった。
<加水分解物量>
0.57%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が19%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(5)600g、イオン交換水0.19mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド2.8g、メトキノン0.1gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート69.3g、GBL129gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で3時間反応させた。これにより790gの収量で重合体酸価101mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は520ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=32,000、Mw/Mn=2.5であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.2であった。
<加水分解物量>
0.26%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が28%であった。
実施例7のイオン交換水の導入量を0.80mLに変更する他は、実施例7と同様に付加反応の操作を行なった。これにより790gの収量で重合体酸価103mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は1,560ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=28,800、Mw/Mn=2.3であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
0.65%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が21%であった。
実施例1のイオン交換水の導入量を1.42mLに変更する他は、実施例1と同様の付加反応の操作を行なった。これにより700gの収量で重合体酸価66mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は2,500ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=39,600、Mw/Mn=2.1であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.1であった。
<加水分解物量>
1.39%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が18%であった。
イオン交換水を導入せずに実施例3と同様の付加反応の操作を行なった。これにより730gの収量で重合体酸価170mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は170ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=49,200、Mw/Mn=3.5であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.5であった。
<加水分解物量>
0.10%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が62%であった。
イオン交換水を導入せずに実施例5と同様の付加反応の操作を行なった。これにより750gの収量で重合体酸価35mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は160ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=46,700、Mw/Mn=3.2であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.3であった。
<加水分解物量>
0.11%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が45%であった。
実施例7のイオン交換水の導入量を0.07mLに変更する他は、実施例7と同様に付加反応の操作を行なった。これにより790gの収量で重合体酸価100mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は300ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=47,000、Mw/Mn=3.5であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.7であった。
<加水分解物量>
0.15%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が68%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(6)600g、イオン交換水0.19mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド2.0g、メトキノン0.10gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート50.5g、DMSO202gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で4時間反応させた。これにより830gの収量で重合体酸価278mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は500ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=52,100、Mw/Mn=3.3であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.4であった。
<加水分解物量>
0.12%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が38%であった。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び空気導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、(メタ)アクリル酸共重合体溶液(7)600g、イオン交換水0.08mLを導入した。次にテトラメチルアンモニウムクロライド0.2g、メトキノン0.01gを加え、80℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート5.5g、DMSO10.2gを加えて、乾燥空気を導入しながら80℃で8時間反応させた。これにより600gの収量で重合体酸価10mgKOH/gの反応性重合体溶液を調製した。
グリシジルメタクリレート添加前の(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量は290ppmであった。
得られた反応性重合体溶液について、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ΔMw、保存安定性、加水分解物量を評価した。
<Mw,Mw/Mn>
Mw=40,200、Mw/Mn=3.4であった。
<Mw(a)/Mw(calc)>
1.4であった。
<加水分解物量>
0.01%であった。
<保存安定性>
ΔMw%が15%であった。
実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
Claims (2)
- 酸価(AV0)が50mgKOH/g以上350mgKOH/g以下の、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルによって構成される(メタ)アクリル酸共重合体を、非プロトン性極性溶媒に溶解し、水分を添加して、(メタ)アクリル酸共重合体溶液の水分量(W:ppm)を、式(1)で示される範囲に調整したのち、(メタ)アクリル酸共重合体の酸基に対して30〜70モル%の変性率で、グリシジル(メタ)アクリレートを付加反応させることからなる、反応性重合体溶液の製造方法。
−0.014X2+3.95X+150≦W≦−0.014X2+3.95X+1500 (1)(X=AV0×変性率÷100
変性率:(メタ)アクリル酸共重合体中の酸基に対するグリシジル(メタ)アクリレートの添加量(モル%)) - 非プロトン性極性溶媒が、スルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、ニトリル系、又はグリコールエステル系である、請求項1に記載の反応性重合体溶液の製造方法。
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