JP6842295B2 - コーヒー濃縮物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コーヒー濃縮物の製造方法に関する。
コーヒー飲料はリフレッシュ作用や、それに含まれるクロロゲン酸類の生理機能が注目されるに伴い、その消費量が増加する傾向にある。淹れたてのコーヒー飲料は、コーヒーの風味が豊かで格段に優れているが、抽出プロセスが不便で利便性に劣る。そこで、その利便性を改善するために、コーヒー抽出液を高濃度化した濃縮液又は粉末化したインスタントコーヒー等のコーヒー濃縮物が開発され、広く利用されている。
近年、利便性とは異なる観点で付加価値を高めたコーヒー濃縮物が提案されている。例えば、焙煎コーヒー豆抽出物を吸着剤処理し濃縮することにより、ヒドロキシヒドロキノン量を低減し、クロロゲン酸類の生理機能を高めたソリュブルコーヒーが得られることが報告されている(特許文献1)。
特開2006−204192号公報 特開2003−116463号公報
本発明者らは、コーヒー濃縮物を工業的規模で製造すべく詳細に検討したところ、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を一般的な減圧加熱濃縮に供すると、泡立ちを生じて濃縮し難くなり、生産性が著しく低下することが判明した。また、吸着剤で処理されていないコーヒー抽出液を一般的な減圧加熱濃縮に供しても泡立ちの問題が生じないことから、かかる泡立ちの課題は、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を用いて減圧加熱濃縮のスケールを拡大したときに特異的に生ずる課題であることを見出した。
本発明の課題は、泡立ちを抑制し、工業的規模で効率よくコーヒー濃縮物を製造する方法を提供することにある。
発泡性のある液体の減圧加熱濃縮において泡立ちを抑制するためには、例えば、温度や減圧度を温和な条件とするか、消泡剤を添加するか、あるいは機械的に破泡することが有効であると考えられる。一方で、発泡を抑えるために減圧度を低めに設定すると、濃縮温度が高くなるため、コーヒー抽出液の加熱劣化が発生するとの報告がある(特許文献2)。
本発明者らは、吸着剤処理後のコーヒー抽出液の減圧加熱濃縮について詳細に検討したところ、意外にも、90℃以上の高い温度に設定して減圧濃縮すると、泡立ちが抑制され、工業的規模で効率よくコーヒー濃縮物を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を、減圧下、90〜98℃にて濃縮する、コーヒー濃縮物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、泡立ちを抑制し、工業的規模で効率よくコーヒー濃縮物を製造することができる。
以下、本発明のコーヒー濃縮物の製造方法について説明する。
ここで、本明細書において「コーヒー濃縮物」とは、コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を濃縮又は乾燥したものであって、一般的に飲用されるコーヒー飲料よりもBrixが高いものをいう。
<吸着剤処理後のコーヒー抽出液>
本発明で使用するコーヒー抽出液は、吸着剤で処理されたものである。
(コーヒー抽出液)
コーヒー抽出液は、コーヒー豆から抽出するか、あるいはインスタントコーヒーの水溶液等から調製することができる。コーヒー豆としては、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でも、それらの混合物でも構わない。中でも、コーヒー抽出液としては、風味の観点から、焙煎コーヒー豆抽出液を使用することが好ましい。本発明で使用するコーヒー抽出液は、当該コーヒー抽出液100g当たり、コーヒー豆を生豆換算で通常1g以上、好ましくは2.5g以上、更に好ましくは5g以上使用しているものである。
コーヒー豆の豆種及び産地は特に限定されず、嗜好性に応じて適宜選択することができる。コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種等が挙げられ、またコーヒー豆の産地としては、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジャロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グァテマラ、ベトナム、インドネシア等を挙げることができる。また、豆種及び/又は産地の異なるコーヒー豆を2種以上使用しても構わない。
コーヒー豆の焙煎方法としては、例えば、直火式、熱風式、半熱風式等の公知の方法を適宜選択することが可能であり、これらの焙煎方式に回転ドラムを有するものが好ましい。焙煎時のドラム内部又はコーヒー豆の表面温度は特に限定されないが、通常100〜300℃、好ましくは150〜250℃である。焙煎後においては、風味の観点から、焙煎後1時間以内に0〜100℃まで冷却することが好ましく、更に好ましくは10〜60℃である。
焙煎コーヒー豆の焙煎度としては、例えば、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンが例示される。中でも、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティが好ましい。
焙煎度を色差計で測定したL値としては、風味の観点から、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、そして35以下が好ましく、30以下がより好ましく、28以下が更に好ましい。かかるL値の範囲としては、好ましくは10〜35、より好ましくは15〜30、更に好ましくは20〜28である。なお、本発明においては、焙煎度の異なるコーヒー豆を混合してもよく、例えば、L値が15〜20のコーヒー豆と、L値が30〜35のコーヒー豆を混合し、L値の平均値が上記範囲内となるように組み合わせて使用することもできる。なお、L値の平均値は、使用する焙煎コーヒー豆のL値に、当該焙煎コーヒー豆の含有質量比を乗じた値の総和として求められる。
また、コーヒー豆は、未粉砕のものでも、粉砕されたものでもよいが、抽出効率の観点から、粉砕されたものが好ましい。粉砕方法は特に限定されず、公知の方法及び装置を用いることができるが、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等の粉砕装置を挙げることができる。カッターミルとしては、例えば、ロールグラインダー、フラットカッター、コニカルカッター、グレードグラインダー等が挙げられる。
粉砕コーヒー豆は、粗挽き、中挽き及び細挽きのいずれでもよいが、カラム式抽出を行う場合、カラム内圧力損失の観点から、中挽きから粗挽きまでの挽き目であることが好ましい。粉砕微焙煎コーヒー豆の平均粒子径は、風味、圧力損失の観点から、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、1.5mm以上が更に好ましく、そして5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましく、3mm以下が更に好ましい。かかる平均粒子径の範囲としては、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜4mm、更に好ましくは1.5〜3mmである。ここで、本明細書において「コーヒー豆の平均粒子径」とは、JIS8815−1994に記載のふるい分け試験方法により測定される、質量基準の積算篩下百分率において50%(d50)に相当する粒子径である。このように平均粒径が制御されたコーヒー豆は、コーヒー豆を粉砕し篩分けして所望の平均粒径を有するコーヒー豆を採取すればよい。なお、篩として、例えば、Tyler標準篩、ASTM標準篩、JIS標準篩等を用いることができる。
抽出方法は特に限定されず、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)、カラム式等の公知の方法を適宜選択することができる。カラム式の場合には、例えば、カラム型抽出機内にコーヒー豆を収容し、抽出機内に熱水を供給すればよい。この場合、多段階抽出することもできる。ここで、本明細書において「多段階抽出法」とは、複数の独立した抽出塔を配管で直列につないだ装置を用いる抽出方法をいう。より具体的には、複数の独立した抽出塔に焙煎コーヒー豆をそれぞれ投入し、1段階目の抽出塔に抽出溶媒を供給して該抽出塔からコーヒー抽出液を排出させ、該コーヒー抽出液を次段階目の抽出塔に供給するという操作を繰り返し行い、最終段階の抽出塔から排出されたコーヒー抽出液を回収する抽出方法をいう。抽出は常圧下でも、加圧下でも構わない。なお、抽出条件は抽出方法により適宜選択することができる。
抽出溶媒としては、水、アルコール水溶液、ミルク、炭酸水等の水系溶媒が挙げられ、中でも、風味の観点から、水が好ましい。水としては、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができる。中でも、イオン交換水が好ましい。
抽出溶媒のpH(20℃)は、通常4〜10であり、風味の観点から、5〜7が好ましい。
抽出溶媒の温度は、圧力条件等により適宜選択可能であるが、例えば、水系溶媒の場合、クロロゲン酸類の回収率向上の観点から、85℃以上が好ましく、95℃以上がより好ましく、100℃以上が更に好ましく、また温度制御の容易さの観点から、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましい。かかる抽出溶媒の温度範囲としては、好ましくは85〜200℃、より好ましくは95〜180℃、更に好ましくは100〜150℃である。なお、100℃以上で処理する場合は、抽出系内を所望温度における溶媒の飽和蒸気圧以上に加圧すればよい。
抽出倍率(原料コーヒー抽出液の質量/焙煎コーヒー豆の質量)は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、そして20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。かかる抽出倍率の範囲としては、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜15、更に好ましくは3〜10である。
(吸着剤)
吸着剤としては、食品分野において一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、吸着効率の観点から、多孔質吸着剤が好ましい。多孔質吸着剤としては、例えば、活性炭、活性白土、酸性白土、ゼオライト、シリカゲル、ケイソウ土、合成吸着剤、イオン交換樹脂等が挙げられる。中でも、コーヒー抽出液中の夾雑物除去、風味の観点から、活性炭が好ましい。
活性炭の由来原料としては、例えば、オガコ、石炭、ヤシ殻等が挙げられ、中でも、ヤシ殻活性炭が好ましい。また、水蒸気等のガスや薬品により賦活した活性炭を用いてもよく、中でも、水蒸気賦活活性炭が好ましい。また、活性炭の形状は、粉末状、粒状及び繊維状のいずれでもよいが、吸着効率の観点から、粉末状、粒状が好ましい。活性炭は、平均細孔半径が3nm以下であるものが好ましく、0.6〜3nmが更に好ましい。ここで、本明細書において「平均細孔直径」は、MP法により測定して得た細孔分布曲線のピークトップを示す細孔直径の値とする。「MP法」とは、文献(Colloid and Interface Science, 26, 46(1968))に記載の細孔測定法である。また、活性炭の平均粒径は、0.30〜0.60mmが好ましく、0.31〜0.55mmがより好ましく、0.32〜0.50mmが更に好ましい。ここでいう「平均粒径」は、JIS K1474に基づいて算出された質量平均粒径である。このような活性炭の市販品として、白鷺WH2c(日本エンバイロケミカルズ株式会社)、太閣CW(二村化学工業株式会社)、クラレコールGL(クラレケミカル株式会社)等を挙げることができる。
吸着剤の使用量は、不純物除去の観点から、コーヒー抽出液の固形分に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、またクロロゲン酸類の回収率向上の観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。かかる吸着剤の使用量の範囲としては、コーヒー抽出液の固形分に対して、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは15〜60質量%である。
吸着剤処理後のコーヒー抽出液は、濃縮効率の観点から、Brixが4%以上であることが好ましく、5%以上がより好ましく、6%以上が更に好ましく、送液性の観点から40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、15%以下が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは4〜40%、より好ましくは5〜30%、更に好ましくは6〜15%である。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、所望のBrixとするために、コーヒー豆から抽出条件を調整するか、あるいは常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等を採用することができる。
吸着剤処理後のコーヒー抽出液は、所望により、固液分離に供することができる。固液分離は、食品工業の分野で通常使用されている方法を採用することができるが、例えば、ろ過、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うこともできる。濾過は、例えば、濾紙、ステンレス等の金属製フィルタ等によるフィルタ分離を採用することができる。濾紙濾過においては、濾紙上に濾過助剤をプレコートしてもよい。遠心分離は、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。膜処理で使用する膜の材質としては、例えば、炭化水素系高分子、フッ素化炭化水素系高分子又はスルホン系高分子、セラミックが挙げられる。また、膜の形態としては、平膜、スパイラル膜、中空糸膜、モノリス型膜、ペンシル型膜等が挙げられる。
<濃縮>
吸着剤処理後のコーヒー抽出液の濃縮は、90〜98℃にて行うが、泡立ち防止の観点から、91℃以上が好ましく、92℃以上がより好ましく、93℃以上が更に好ましく、そして97℃以下が好ましく、96℃以下が更に好ましい。かかる温度範囲としては、好ましくは91〜98℃、より好ましくは92〜97℃、更に好ましくは93〜96℃である。なお、ここでいう「温度」とは、濃縮装置の蒸発缶入口温度をいう。
また、濃縮操作は減圧下で行う。減圧条件は、濃縮温度に応じて適宜選択することが可能であるが、泡立ち防止の観点から、200hPa以上が好ましく、250hPa以上がより好ましく、300hPa以上が更に好ましく、濃縮効率の観点から500hPa以下が好ましく、450hPa以下がより好ましく、400hPa以下が更に好ましい。かかる減圧度の範囲としては、好ましくは200〜500hPa、より好ましくは250〜450hPa、更に好ましくは300〜400hPaである。
なお、濃縮操作は、一般的な濃縮装置を使用することが可能であり、特に限定されない。
このようにして得られたコーヒー濃縮物は、生産効率の観点から、Brixが15%以上であることが好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上が更に好ましく、そして70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは15〜70%、より好ましくは20〜60%、更に好ましくは25〜50%である。
本発明においては、コーヒー濃縮物の濃度を上記Brix値とするために、濃縮液の濃度を計測するための濃度計を濃縮装置に設置して濃縮物のBrix値を管理し、所望のBrix値の濃縮物を回収してもよい。この場合、濃縮物が所望のBrix値となるまで濃縮装置内を循環させることもできる。
また、コーヒー濃縮物は、生理効果の観点から、固形分中のクロロゲン酸類の含有量が、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上が更に好ましく、また生産効率の観点から、80質量%以下好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。かかる固形分中のクロロゲン酸類の範囲としては、好ましくは2〜80質量%、より好ましくは4〜60質量%、更に好ましくは6〜50質量%である。ここで、本明細書において「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。また、「クロロゲン酸類」とは、「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記6種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、植物由来の抽出物を使用できる点から6種すべてを含有することが好ましい。なお、「クロロゲン酸類の含有量」の測定条件は、後掲の実施例の記載の方法に従うものとする。
このようにして得られたコーヒー濃縮物は、そのまま、又は必要により水で希釈するなどの還元操作後、摂取することができる。また、コーヒー濃縮物の製品形態として固体が好ましい場合には、噴霧乾燥や凍結乾燥等の公知の乾燥方法により粉体化することができる。
1.L値の測定
試料100gを、粉砕機(大阪ケミカル(株)製 ワンダーブレンダーWB−1)を用いて10秒間粉砕した。コーヒー豆のL値を色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて測定した。
2.Brixの測定
20℃における試料のBrixを、糖度計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
3.クロロゲン酸類の分析
HPLC(島津製作所(株)製)を使用した。装置の構成は次の通りである。
・装置:島津 LC−Solution HPLC
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株)製)
・検出器:UV−Vis検出器
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:
クロロゲン酸類 325nm
カフェイン 270nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間
6種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:6.2分、10.8分、14.2分の計3点
・モノフェルラキナ酸 :15.8分、22.2分、23.4分の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
実施例1
(吸着剤処理後のコーヒー抽出液)
焙煎コーヒー豆(L30)を抽出カラムに200kg仕込み、150℃の熱水を2t/hで供給した。通液から30分経過後、カラム出口を同じコーヒー豆200kgを充填した2本目の抽出カラム入口に接続し、同様に30分通液した。この操作を抽出カラム6本目まで同様に行った。抽出カラム6本目出口から回収された抽出液を速やかに25℃に冷却した。続いて、活性炭(大阪ガスケミカル製、粒状白鷺WH2c)を235kg充填した吸着カラムに冷却したコーヒー抽出液を2t/hで6時間供給し、吸着処理後のコーヒー抽出液を得た。
(濃縮)
以下の濃縮では、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を貯留する貯留槽と、濃縮に供する吸着剤処理後のコーヒー抽出液を収容する原料タンクと、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を加熱する加熱器と、吸着剤処理後のコーヒー抽出液を濃縮する蒸発缶を備える濃縮装置を使用した。なお、貯留槽−原料タンク、原料タンク−加熱器、及び加熱器−蒸発缶の各装置間は配管で連結されており、また貯留槽、原料タンク及び蒸発缶にはポンプが接続されているため、吸着剤処理後のコーヒー抽出液が原料タンク、加熱器及び蒸発缶を循環できる構造である。また、原料タンクには液面を制御するための液面センサーが設置されており、蒸発缶には装置内の真空度を測定するための真空度計、濃縮液の濃度を計測するための濃度計、及び濃縮液を回収するための回収タンクが設置されている。
先ず、吸着剤処理後のコーヒー抽出液(Brix=6%)を原料タンクに収容し、加熱器を95℃に設定し、真空度計の指示値が450hPaとなるように調節した。次に、原料タンクに収容された吸着剤処理後のコーヒー抽出液をポンプで加熱器に送液し、95℃に加熱された吸着剤処理後のコーヒー抽出液を、蒸発缶に3.0t/hで供給した。そして、濃度計の指示値が30%に達するまで、濃縮液を原料タンクに戻し、原料タンクに収容された吸着剤処理後のコーヒー抽出液をポンプで再び加熱器及び蒸発缶に3t/hで供給することで循環操作を行った。なお、原料タンクの液面が所定の高さより下がった場合には、貯留槽内の吸着剤処理後のコーヒー抽出液を原料タンクに送液し、原料タンクの液面が一定に維持されるよう制御した。
濃度計の指示値が30%に達したときに、コーヒー濃縮物を回収タンクに移送するとともに、原料タンクの液面が一定に維持されるよう制御することで、連続して4時間濃縮を行った。
実施例2
真空度計の指示値を350hPaに調節し、連続して11時間運転したこと以外は、実施例1と同様の操作により、コーヒー濃縮物を製造した。
参考例1
吸着剤処理後のコーヒー抽出液に代えて、吸着剤で処理されていないBrix 10%のコーヒー抽出液を使用し、加熱器を80℃に、真空度計の指示値を200hPaに、濃度計の指示値を45%に、それぞれ設定し、連続して11時間運転したこと以外は、実施例1と同様の操作により、コーヒー濃縮物を製造した。
比較例1
Brix 10%の吸着剤処理後のコーヒー抽出液を使用したこと以外は、参考例1と同様の操作によりコーヒー濃縮物の製造を試みたが、泡立ちが生じて、運転を断念した。
比較例2
Brix 6%の吸着剤処理後のコーヒー抽出液を使用し、加熱器を60℃に設定したこと以外は、参考例1と同様の操作によりコーヒー濃縮物の製造を試みたが、泡立ちが生じて、運転を断念した。
比較例3
加熱器を45℃に設定したこと以外は、比較例2と同様の操作によりコーヒー濃縮物の製造を試みたが、泡立ちが生じて、運転を断念した。
Figure 0006842295
表1から、以下のことが分かる。
(1)参考例1から、吸着剤で処理されていないコーヒー抽出液を一般的な減圧加熱濃縮に供しても泡立ちの問題が生じない。
(2)比較例1〜3から、濃縮温度が90℃未満であると、泡立ちを生じてコーヒー濃縮物を製造できない。
(3)実施例1、2から、濃縮温度を90〜98℃という高い温度に設定し減圧下にて濃縮すると、泡立ちを生じず、効率よくコーヒー濃縮物を製造できる。中でも、実施例2は、減圧度をより高く設定したにも拘わらず、泡立ちを生じないことから、濃縮効率の点で好ましい。

Claims (7)

  1. 吸着剤処理後のコーヒー抽出液を、200〜500hPaの減圧下、90〜98℃にて濃縮する、コーヒー濃縮物の製造方法。
  2. 吸着剤が多孔質吸着剤である、請求項1記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
  3. 多孔質吸着剤が、活性炭、活性白土、酸性白土、ゼオライト、シリカゲル、ケイソウ土、合成吸着剤又はイオン交換樹脂である、請求項2記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
  4. 多孔質吸着剤が活性炭である、請求項2又は3記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
  5. コーヒー抽出液が焙煎コーヒー豆抽出液である、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
  6. 吸着剤処理後のコーヒー抽出液のBrixが4〜40%である、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
  7. コーヒー濃縮物は、固形分中のクロロゲン酸類の含有量が2〜80質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーヒー濃縮物の製造方法。
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