JP2021159001A - カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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Akira Ishii
琢也 杉山
Takuya Sugiyama
航 遠藤
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順幸 諸石
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Abstract

【課題】本発明は、コーヒーまたは茶の本来の味、風味や香りを損なわずにカフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法の提供を目的とする。【解決手段】コーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材を接触させて混合物を作製する工程(1)、前記混合物に加圧濾過を行い吸着材を分離する工程(2)を含む、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法。なお、前記加圧濾過の圧力は、0.1〜50kg/cm2が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法に関する。
近年の消費者ニーズの多様化に伴い、飲料市場では、カフェインレスコーヒーまたはカフェインレス茶等のニーズが高まってきている。カフェインレス飲料の一般的な製造方法は、コーヒー豆の抽出液や茶の抽出液に、活性炭や白土などの吸着材を用いてカフェインを除去する方法が一般的である。
特許文献1では抽出液と吸着材の分離を2回以上の遠心分離で行う製造方法が開示されている。
特開2014−212742号公報
従来の製造方法は、抽出液と吸着材を効率良く固液分離するためにはメッシュなどを用いる必要があり、抽出液を効率良く回収することは難しく、抽出液すなわち飲料の味、風味や香りを両立出来る抽出物を得ることも難しかった。
本発明は、効率よくコーヒーまたは茶の本来の味、風味や香りを損なわずにカフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物を得る製造方法の提供を目的とする。
本発明の製造方法は、コーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材を接触させて混合物を作製する工程(1)、前記混合物に加圧濾過を行い吸着材を分離する工程(2)を含む、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法である。
上記の本発明によれば、効率よくコーヒーまたは茶の本来の味、風味や香りを損なわずにカフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物を得る製造方法を提供できる。
本発明の製造方法は、コーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材を接触させて混合物を作製する工程(1)、前記混合物に加圧濾過を行い吸着材を分離する工程(2)を含む、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法である。本発明の製造方法により、従来と比較して風味や香りを損なわずカフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物が得られる。得られたコーヒー豆抽出物または茶抽出物は、コーヒー飲料や茶飲料として使用できる、または、得られた抽出物を抽出済のコーヒー豆や茶に戻すことで、いわゆるデカフェコーヒー生豆、デカフェ茶葉として使用することもできる。
(コーヒー抽出液)
まず、コーヒー豆抽出液について説明する。本発明で用いられるコーヒー豆抽出液は、特に限定されないが、コーヒー豆から公知公用の方法を用いて製造出来る。従って、コーヒー豆(生豆)、および焙煎したコーヒー豆や、豆を加工したインスタントコーヒーから抽出された液である。
コーヒー豆の品種は、特に限定されないが、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等が挙げられる。また、コーヒー豆の産地としては、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、キリマンジェロ、コナ、タンザニア、モカ、マンデリン、ブルーマウンテン、グアテマラ等が挙げられる。コーヒー豆は1種でも良いし、複数種をブレンドしても良い。また、コーヒー豆を焙煎する場合の方法は、特に限定されないが、具体的には焙煎温度は100〜300℃であり、焙煎方法としては、直火式、熱風式、半熱風式等が挙げられる。焙煎したコーヒー豆の焙煎度としては、特に限定されないが、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアン等が挙げられる。また、焙煎度の異なるコーヒー豆をブレンドしても良い。
コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されないが、例えばコーヒー豆またはその粉砕物から水、温水、および熱水などの抽出溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。また、一度の抽出処理でコーヒー豆中の成分が十分取り出せない場合は、複数回抽出処理を行っても良い。複数回抽出処理を行う場合は、抽出処理毎にコーヒー豆と抽出液を分離した方が抽出量を多く出来るために好ましい。具体的には、40〜100℃の水をコーヒー豆に対して1〜10倍の質量用いて、3〜10回程度抽出処理を行うことが出来る。
コーヒー豆を粉砕する場合の粉砕度合いは、極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、中粗挽き、粗挽き、極粗挽き等が挙げられる。抽出方法は、特に限定されないが、バッチ式抽出法、半バッチ式抽出法、連続式抽出法などが挙げられ、焙煎したコーヒー豆から抽出する場合の抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式などと呼ばれる公知公用の方法が挙げられる。
抽出溶媒としては、水、炭酸水、アルコール、ミルク、それら混合物等が挙げられる。抽出溶媒のpHは、特に限定されないが、通常4〜10である。尚、抽出溶媒中に重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸などのpH調整剤を必要に応じて添加しても良い。
(茶抽出液)
次に、茶抽出液について説明する。本発明で用いられる茶抽出液は、特に限定されないが、茶から公知公用の方法を用いて製造出来る。従って、茶葉や、茶葉を加工した濃縮物やパウダー粉末から抽出された液である。
抽出液を得るために用いられる茶葉としては、特に限定されないが、不発酵茶(煎茶、玉露、抹茶、番茶、ほうじ茶、釜炒り茶などの緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)、後発酵茶(プーアル茶)等が挙げられる。
茶からの抽出方法については、特に限定されないが、例えば茶葉またはそのパウダーから水などの抽出溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。また、抽出溶媒としては、水、炭酸水、アルコール、ミルク、それら混合物等が挙げられる。また、一度の抽出処理で茶葉中の成分が十分取り出せない場合は、複数回抽出処理を行っても良い。複数回抽出処理を行う場合は、抽出処理毎に茶葉と抽出液を分離した方が抽出量を多く出来るために好ましい。抽出温度は適宜設定できる。
上記のコーヒー豆または茶の抽出処理について、一度の抽出処理ではコーヒー豆または茶の中の成分が十分抽出出来ない場合があるため、コーヒー豆または茶と抽出液を一度固液分離した後で、さらに少なくとも1回以上の抽出処理を行い、コーヒー豆または茶の中の成分を十分取り出しても良い。
(吸着材)
次に、吸着材について説明する。本発明で用いられる吸着材は、特に限定されないが、カフェインを吸着出来るものであれば、公知公用の吸着材を用いることが出来る。そのような吸着材としては、例えば、酸性白土、活性白土、活性炭、イオン交換樹脂、珪藻土等が挙げられる。好ましくは酸性白土、活性白土、活性炭から選ばれる多孔質材料である。
酸性白土の具体例としては、ミズカエース #20、#200、#400、ミズライト、ミズカファイン MC10、MC40、MC200(水澤化学社製)等が挙げられる。
活性白土の具体例としては、ガレオンアース V2R、V2、NVZ、NV、NF2(水澤化学社製)等が挙げられるが、二種以上を併用して使用しても良い。
本発明に使用する酸性白土および活性白土の比表面積(m/g)は、50m/ 以上800m/g未満であるものが好ましい。
活性炭の具体例としては、クラレコール GW、GW−H(クラレケミカル社製)、粒状白鷺LH2c、KL、WH2c、(大阪ガスケミカルズ社製)、太閤CW(フタムラ化学社製)、ホクエツBA炭(味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
吸着材は、単独または2種類以上を併用して使用できる。吸着材の使用量は、吸着材の性質によるため限定できないが、抽出液100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
(吸着材の接触工程)
次に、本発明のコーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材を接触させて混合物を作製する工程(1)について説明する。工程(1)により吸着材に抽出液中のカフェインを吸着させる。コーヒー抽出液または茶抽出液が吸着材と接触する限り、特に限定されるものではなく、公知公用の方法を用いることが出来る。コーヒー抽出液または茶抽出液に吸着材を接触させる方法としては、例えば、タンク内に抽出液と吸着材を添加し、必要に応じて撹拌などを行い接触処理するバッチ処理や、カラムおよび配管の内に吸着材を充填し、カラムおよび配管内に抽出液を通液させる連続処理等が挙げられる。これらの抽出液と吸着材を接触させる時間は、1分〜5時間、好ましくは5分〜1時間 であり、抽出液と吸着材を接触させる際の温度は、0〜90℃、好ましくは10〜50℃である。
(吸着材の分離工程)
次に、本発明のコーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材からなる混合物に圧力差を利用する濾過を行い吸着材を分離する工程(2)について説明する。
吸着材を分離する方法は、ヌッチェまたはフィルターを用いて、加圧により抽出液と吸着材を分離する。前記分離は、ヌッチェやフィルターを併用したヌッチェ、およびフィルタープレスなどの濾過装置が使用出来る。
加圧濾過の圧力は0.1〜50kg/cmが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10kg/cmである。0.1〜50kg/cmの範囲内だと、吸着材に含まれたコーヒー豆抽出液または茶抽出液の固液分離が良く、抽出液の回収率が良好になるだけでなく、吸着材(粒子)の破壊や損傷などを防ぐことが出来るため、除去したい吸着成分の吸着量を高めることが出来る。
また、工程(2)の加圧は、一定圧力のみならず、変化させることができる。例えば、濾過当初は、低圧で行い、濾過時間に比例して徐々に圧力を高めることができる。また、高圧で濾過を始め、濾過時間に比例して徐々に圧力を下げることもできる。圧力変化は、多段的でもよく、低圧・高圧を適宜使い分けることができる。
フィルターは、特に限定されないが、例えば、濾紙、濾布、高分子フィルター、ガラスフィルター等が挙げられる。また、ヌッチェまたはフィルターの粗さは、分離したい吸着材の大きさに合わせて定義選択することが出来る。
(吸着材の洗浄工程)
本発明の製造方法では、前記工程(2)の後、前記吸着材を溶媒または前記工程(2)で分離した抽出液で洗浄してコーヒー豆抽出液または茶抽出液を回収する工程(3)を含むことが好ましい。溶媒は、既に説明した抽出溶媒を使用することが好ましい。
工程(3)では、工程(2)で分離された吸着材に対して、新たな溶媒や前記工程(2)で分離した抽出液を使用して洗浄することで吸着材に吸着しているカフェイン以外のコーヒー豆抽出成分または茶抽出成分をより多く回収できる。
前記工程(3)の洗浄に使用する溶媒および前記工程(2)で分離した抽出液の合計質量は、工程(1)で用いた吸着材の質量の1〜20倍であることが好ましく、1〜10倍量がより好ましい。なお、工程(3)は複数回行っても良い。
工程(3)における洗浄は、工程(2)で分離した抽出液を使用する方法、新たな溶媒を使用する方法、両者を併用する方法が挙げられる。
本発明の製造方法では、吸着材に酸性白土や活性白土を用いると工程(3)において、吸着したカフェインは脱離しにくく、風味成分や香り成分などを効率良く回収することが出来る。
上記で得られたコーヒー豆抽出物または茶抽出物は、カフェインが低減されたコーヒー飲料や茶飲料に利用することが出来る。また、コーヒー豆抽出物では、抽出後のコーヒー生豆に抽出物を吸収させることにより、カフェインの低減されたデカフェ生豆を製造することも出来る。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例によって本発明は限定されない。なお、「部」は「質量部」を表す。
(カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物の製造方法)
「実施例1」
ガラス容器中に、コーヒー生豆Colombia Supremo(クラシカルコーヒーロースター社)1250部、90℃の熱水3750部を添加して100分抽出を行った後、メッシュを用いてコーヒー生豆と1回目の抽出液を分離した。得られた抽出液を室温まで冷却させた後、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製、比表面積95m/g)460部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を0.1kg/cmで加圧濾過して吸着材と抽出液とに分離し、抽出液(1)を得た。
次に、吸着材を接触させる前後の抽出液(合計)中に含まれているカフェイン含有量を測定し、カフェインの低減率を算出した。評価結果を表1に示す。
次に、抽出後のコーヒー生豆を乾燥させて水分を除去した後、抽出液(1)を乾燥豆と等量程度に濃縮し、中に乾燥させたコーヒー生豆を添加してコーヒー生豆に抽出液を吸収させ、デカフェコーヒー生豆(1)を作製した。
「実施例2」
吸着材と抽出液を分離する際の加圧濾過の条件を45kg/cmにする以外は実施例1と同様にして、抽出液(2)およびデカフェコーヒー生豆(2)を得た。また、カフェイン含有量の評価結果は表1に示す。
「実施例3」
ガラス容器中に、コーヒー生豆Colombia Supremo(クラシカルコーヒーロースター社)1250部、90℃の熱水3750部を添加して100分抽出を行った後、メッシュを用いてコーヒー生豆と1回目の抽出液を分離した。次に、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)220部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を10kg/cmで加圧濾過して吸着材と1回目の抽出液とに分離した。次に、分離した抽出液を90℃に加温して1回目の抽出処理を行ったコーヒー生豆を添加し、2回目の抽出処理を100分間行った。その後、メッシュを用いてコーヒー生豆と2回目の抽出液を分離し、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)110部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を10kg/cmで加圧濾過して吸着材と2回目の抽出液とに分離した。さらに、分離した抽出液を90℃に加温して2回目の抽出処理を行ったコーヒー生豆を添加し、3回目の抽出処理を100分間行った。その後、メッシュを用いてコーヒー生豆と3回目の抽出液を分離し、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)80部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を10kg/cmで加圧濾過して吸着材と3回目の抽出液とに分離した。さらに、分離した抽出液を90℃に加温して3回目の抽出処理を行ったコーヒー生豆を添加し、4回目の抽出処理を100分間行った。その後、メッシュを用いてコーヒー生豆と4回目の抽出液を分離し、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)50部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を10kg/cmで加圧濾過して吸着材と4回目の抽出液とに分離し、抽出液(3)を得た。
以降、カフェイン含有量の測定やデカフェコーヒー生豆(3)の作製は実施例1と同様にして行った。評価結果を表1に示す。
「実施例4」
吸着材と抽出液を分離する際の加圧濾過の条件を1kg/cmにする以外は実施例3と同様にして、抽出液(4)およびデカフェコーヒー生豆(4)を得た。また、カフェイン含有量の評価結果は表1に示す。
「実施例5」
吸着材と抽出液を分離する際の加圧濾過の条件を1kg/cmにする以外は実施例3と同様にして、4回目の抽出液を得た。次に、1〜4回抽出処理を行った際に分離した吸着材を合わせ、水460部を用いて吸着材に振りかけるよう水洗を行った後、1kg/cmで加圧濾過して吸着材と抽出液とに分離して、抽出液(5)を得た。
以降、カフェイン含有量の測定やデカフェコーヒー生豆(5)の作製は実施例1と同様にして行った。評価結果を表1に示す。
「実施例6」
吸着材と抽出液を分離する際の加圧濾過の条件を5kg/cmにし、水洗に用いる水の 量を9200部にする以外は実施例5と同様にして、抽出液(6)およびデカフェコーヒー生豆(6)を得た。また、カフェイン含有量の評価結果は表1に示す。
「実施例7」
ガラス容器中に、コーヒー生豆Colombia Supremo(クラシカルコーヒーロースター社)1250部、90℃の熱水2500部を添加して100分抽出を行った後、メッシュを用いてコーヒー生豆と1回目の抽出液を分離し、抽出液を別の容器に移した。さらに、分離したコーヒー生豆および新たな90℃の熱水2500部を用いて、1回目と同様にして2回目の抽出液、3回目の抽出液、および4回目の抽出液を得た。得られた1回目の抽出液を室温まで冷却させた後、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)460部を添加し、撹拌させてカフェインの吸着処理を行った。吸着材が含まれた抽出液を2kg/cmで加圧濾過して吸着材と抽出液とに分離した。次に、吸着材を洗い流すようにして2回目の抽出液を振りかけ洗浄を行った後、再び2kg/cmで加圧濾過して吸着材と抽出液とに分離した。さらに、同様の振りかけ洗浄を3回目の抽出液および4回目の抽出液を用いて吸着材を水洗し、ろ過して吸着材と抽出液とに分離した。そして、吸着材から分離して得られた各々の抽出液を合わせて回収し、抽出液(7)を得た。
次に、吸着材を接触させる前後の抽出液(合計)中に含まれているカフェイン含有量を測定し、カフェインの低減率を算出した。評価結果を表1に示す。
次に、最後の抽出後のコーヒー生豆を乾燥させて水分を除去した後、抽出液(7)を乾燥豆と等量程度に濃縮し、中に乾燥させたコーヒー生豆を添加してコーヒー生豆に抽出液を吸収させ、デカフェコーヒー生豆(7)を作製した。
「比較例1」
ガラス容器中に、コーヒー生豆Colombia Supremo(クラシカルコーヒーロースター社)1250部、90℃の熱水3750部を添加して100分抽出を行った後、メッシュを用いてコーヒー生豆と抽出液を分離し、抽出液を別の容器に移した。次に、得られた抽出液を室温まで冷却させた後、吸着材である酸性白土ミズカエース#200(水澤化学社製)460部を添加し、撹拌させてカフェイン吸着処理を行った後、遠心分離機を用いて遠心分離(1回目:3000rpm、2分、2回目:3000rpm、2分)を行った。遠心分離後の上澄み液を回収することにより吸着材と抽出液(8)とに分離した。実施例1と同様にして、吸着材を接触させる前後の抽出液のカフェインの低減率を算出した。評価結果を表1に示す。なお、比較例1の製造方法を遠心分離法という。
次に、抽出後のコーヒー生豆を乾燥させて水分をなくした後、抽出液(8)を乾燥豆と等量程度に濃縮し、中に乾燥させたコーヒー生豆を添加してコーヒー生豆に抽出液を吸収させ、デカフェコーヒー生豆(8)を作製した。
「比較例2」
遠心分離処理を行わない以外は比較例1と同様にして、抽出液に吸着材を添加してカフェインの吸着処理を行った。次に、ヌッチェを用いて加圧を行わずに自然濾過を行い吸着材と抽出液(9)とに分離した。以降、実施例1と同様にして、吸着材を接触させる前後の抽出液のカフェインの低減率を算出し、デカフェコーヒー生豆(9)を作製した。評価結果を表1に示す。
(カフェイン含有量の測定方法)
抽出液中のカフェイン含有量は、以下の通りに測定を行った。抽出液を0.2μmメンブレンフィルターで濾過して、表2に示す条件にて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて抽出液中のカフェイン含有量を定量した。評価結果を表1に示す。尚、評価基準は下記の通りである。
◎:カフェイン低減率96%以上
○:カフェイン低減率94%以上
△:カフェイン低減率92%以上
×:カフェイン低減率90%未満
<測定条件>
装置:島津高速液体クロマトグラフシステム(島津製作所社製)
カラム:GLサイエンス ODS−3、2.1mm×150mm、5μm
移動相:A液 10mMリン酸緩衝液/B液 アセトニトリル 85/15
流量:0.2ml/min
注入量:5μl
カラム温度:40℃
検出器:PDA カフェイン:270nm、クロロゲン酸:325nm
(味、風味、香りの評価)
実施例および比較例で作製したデカフェコーヒー生豆100部を焙煎機に投入して、160℃から焙煎を開始して、270℃に到達するまで5分間の焙煎を行い、デカフェ焙煎豆を得た。焙煎豆を十分冷却させた後、コーヒーミルにて粉砕し、沸騰させた水で抽出し、固液分離してデカフェコーヒー飲料を得た。デカフェコーヒー飲料の味、風味、香りについて、パネラー10名による官能評価を実施した。評価結果を表1に示す。尚、評価基準は下記の通りである。
◎:遠心分離法より明らかに良好
○:遠心分離法よりわずかに良好
△:遠心分離法と同等
×:遠心分離法より劣る
Figure 2021159001
表1に示す結果から、加圧ろ過を行うとコーヒーの味、風味や香りを損ねることなく、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物が得られる。また、実施例5〜7は、工程(3)を行っているため、吸着材に残存しているカフェイン以外のコーヒー豆抽出成分を回収出来たため、コーヒーの風味向上している。




Claims (6)

  1. コーヒー豆抽出液または茶抽出液、および吸着材を接触させて混合物を作製する工程(1)、前記混合物に加圧濾過を行い吸着材を分離する工程(2)を含む、カフェインが低減されたコーヒー豆抽出物または茶抽出物の製造方法。
  2. 前記加圧濾過の圧力が0.1〜50kg/cmである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加圧濾過がヌッチェ濾過、またはフィルタ濾過である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記吸着材が多孔質材料である、請求項1〜3いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記工程(2)の後、前記吸着材を溶媒または前記工程(2)で分離した抽出液で洗浄してコーヒー豆抽出液または茶抽出液を回収する工程(3)を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記工程(3)の洗浄に使用する溶媒および前記工程(2)で分離した抽出液の合計質量が、工程(1)で用いた吸着材の質量の1〜20倍である、請求項5記載の製造方法。
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WO2024135404A1 (ja) * 2022-12-20 2024-06-27 サントリーホールディングス株式会社 プリンアルカロイド低減経口飲用水溶液の製造方法

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