JP6841706B2 - リチウムイオン電池セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池セパレータに関する。
リチウムイオン電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等の二次電池と比較して、高いエネルギー密度が得られることから、近年急激に用途が拡大している。リチウムイオン電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記する場合がある)としては、従来、ポリエチレン、ポリプロピレンのフィルムを延伸法等の方法により多孔質とした多孔質フィルムが広く用いられてきた。しかし、多孔質フィルムは、安全上重大な問題を抱えている。すなわち、このような多孔質フィルムをセパレータとして用いた電池は、内部短絡等の原因によって電池内部で局部的な発熱が生じた場合、発熱部位周辺のセパレータが収縮して内部短絡がさらに拡大し、暴走的に発熱して発火・破裂等の重大な事象に至ることがある。この問題を解決するために、耐熱性の高いセパレータが求められている。
このような問題に対し、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の耐熱性の高い繊維からなる不織布基材と、アルミナ等の無機粒子を含有する無機粒子層とを有するセパレータが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、このようなリチウムイオン電池セパレータは、無機粒子層におけるバインダー含有量が少ない場合、傷が入りやすく、欠点が生じやすいという問題があった。無機粒子層の強度を強くするために、無機粒子層におけるバインダー含有量を多くした場合、リチウムイオン電池の内部抵抗が高くなりやすいという問題があった。
特表2005−536857号公報 特開2009−230975号公報 特開2012−134024号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものである。すなわち、不織布基材と無機粒子層とを有するリチウムイオン電池セパレータにおいて、無機粒子層に欠点が生じにくく、内部抵抗の低いリチウムイオン電池セパレータを提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するための手段として、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Bとが、不織布基材の一面にこの順に積層された構成を有し、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーの含有率が、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーの含有率よりも多く、
無機粒子層A及び無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率の比率(無機粒子層Aの有機ポリマーバインダー含有率/無機粒子層Bの有機ポリマーバインダー含有率)が1.2以上12.0以下であり、
無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーの含有率が1.0質量%以上9.0質量%以下であり、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーの含有率が0.8質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ、を見出した。
本発明によれば、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率を、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率よりも多くすることで、セパレータの空隙を塞ぎ過ぎることなく、不織布基材と無機粒子層との接着を強くすることができることから、内部抵抗が低く、無機粒子層の強度の強いセパレータとすることができる。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Bとが、不織布基材の一面にこの順に積層された構成を有している。そして、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率が、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率よりも多いことを特徴とする。
本発明におけるリチウムイオン電池とは、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池を意味する。
リチウムイオン電池の負極活物質としては、何ら限定されることはないが、リチウムイオンを吸蔵・放出する平衡電位が1V(vsLi+/Li)以下である負極活物質が用いられることが好ましい。このような負極活物質を用いることで、正負極間の電位差が大きい、すなわち、貯蔵できるエネルギー量が大きい電池を得ることができる。この条件を満たす負極活物質として、例えばグラファイト、ハードカーボン、低結晶性炭素、黒鉛に非晶質炭素をコートしたもの、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物などの炭素材料を用いることができる。また、炭素系材料のみならず、Si、Sn、N等を含有する負極材料も用いることができる。
正極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出できるものであれば、特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)等の複合金属酸化物が挙げられる。
リチウムイオン電池の電解液には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、これらの混合溶媒などの有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液が用いられる。リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウムや四フッ化ホウ酸リチウムが挙げられる。固体電解質としては、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
本発明において、不織布基材における合成樹脂繊維の含有量は70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。合成樹脂繊維の含有量が70質量%よりも少ない場合、不織布基材の強度が弱くなる場合がある。
合成樹脂繊維の平均繊維径は1〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。平均繊維径が1μm未満の場合、繊維が細すぎて、無機粒子層が不織布基材内部に滲み込みにくくなり、セパレータの厚み増加を抑制することが難しくなることがある。平均繊維径が20μmより太い場合、不織布基材自体の厚みを薄くすることが困難になり、セパレータの厚み増加を抑制することが難しくなることがある。
本発明における平均繊維径とは、不織布基材断面の走査型電子顕微鏡写真より、不織布基材を形成する繊維について、繊維の長さ方向に対して垂直な断面又は垂直に近い断面の繊維を30本選択し、その繊維径を測定した平均値である。合成樹脂繊維は熱や圧力によって溶融する場合や変形する場合がある。その場合は、断面積を測定して、真円換算の繊維径を算出する。
合成樹脂繊維の繊維長は1〜15mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜5mmがさらに好ましい。繊維長が1mmより短い場合、不織布基材から脱落することがあり、15mmより長い場合、繊維がもつれてダマになることがあり、厚みむらが生じることがある。
合成樹脂繊維を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、アクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリビニルエーテル系、ポリビニルケトン系、ポリエーテル系、ポリビニルアルコール系、ジエン系、ポリウレタン系、フェノール系、メラミン系、フラン系、尿素系、アニリン系、不飽和ポリエステル系、アルキド系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミドイミド系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリイミド系、ポリカーボネート系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール系、ポリベンゾイミダゾール系、エチレン−ビニルアルコール共重合体系等の樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂の誘導体も使用できる。これらの樹脂の中で、無機粒子層との接着性を高くするためには、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。また、セパレータの耐熱性を向上させるためには、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂を使用することが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)系、ポリエチレンナフタレート(PEN)系、ポリブチレンナフタレート系(PBN)、ポリエチレンイソフタレート系、全芳香族ポリエステル系等の樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂の誘導体も使用できる。これらの樹脂の中で、耐熱性、耐電解液性、無機粒子層との接着性を向上させるためには、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル等を共重合させたもの等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロンなどの脂肪族ポリアミド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、コポリ(パラ−フェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド)、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどの全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドにおける主鎖の一部に脂肪鎖を有する半芳香族ポリアミドが挙げられる。
半芳香族とは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有するものを指す。全芳香族ポリアミドはパラ型、メタ型いずれでも良い。
合成樹脂繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる繊維(複合繊維)であっても良い。また、不織布基材に含まれる合成樹脂繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。複合繊維を分割した繊維を使用しても良い。
不織布基材は、合成樹脂繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、溶剤紡糸セルロース、再生セルロース等の短繊維、溶剤紡糸セルロース、再生セルロース等のフィブリル化物、天然セルロース繊維、天然セルロース繊維のパルプ化物、天然セルロース繊維のフィブリル化物、無機繊維、合成樹脂のフィブリル化物、合成樹脂のパルプ化物等を含有しても良い。
不織布基材の坪量は、好ましくは6〜20g/mであり、より好ましくは7〜18g/mであり、さらに好ましくは8〜15g/mである。坪量が20g/mを超える場合、セパレータの薄膜化が難しくなる場合がある。坪量が6g/m未満の場合、十分な強度を得ることが難しい場合がある。なお、坪量はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づき測定される。
不織布基材の厚みは、好ましくは9〜30μmであり、より好ましくは10〜27μmであり、さらに好ましくは11〜24μmである。厚みが9μm未満の場合、十分な不織布基材の強度が得られない場合がある。厚みが30μmを超える場合、セパレータの薄膜化が難しくなる場合がある。なお、厚みはJIS B 7502に規定された外側マイクロメーターを使用して、5N荷重することにより測定された値を意味する。
不織布基材の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を結合させて不織布を得る製造方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま不織布基材として使用しても良いし、複数枚の不織布からなる積層体として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法等の乾式法;湿式抄紙法等の湿式法;静電紡糸法等が挙げられる。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均質かつ緻密であり、不織布基材として好適に用いることができる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網式、長網式、傾斜式等の抄紙方式の少なくとも1つを有する抄紙機を用いて、繊維ウェブを得る方法である。
繊維ウェブから不織布基材を製造する方法では、接着、融着及び絡合からなる群から選ばれる繊維結合方法によって、繊維を結合させる。繊維結合方法としては、水流交絡(スパンレース)法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。バインダー接着法には、繊維ウェブに付与したバインダーで繊維を結合させるケミカルボンド法、繊維ウェブに含まれるバインダー用合成樹脂繊維で繊維を結合させるサーマルボンド法等を使用することができる。特に、均一性を重視して前記湿式法を用いる場合、サーマルボンド法を施して、バインダー用合成樹脂繊維を接着することが好ましい。サーマルボンド法により、均一な繊維ウェブから均一な不織布が形成される。
不織布基材に対して、カレンダー等によって圧力を加えて、厚さを調整することや、厚さを均一化することが好ましい。ただし、バインダー用合成樹脂繊維が皮膜化しない温度(バインダー用合成樹脂繊維の融点又は軟化点よりも20℃以上低い温度)で加圧することが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池セパレータにおいて、無機粒子層Aは、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウムと有機ポリマーバインダーを含む塗液aを、不織布基材の片面上に塗工する方法で得られる。
本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法による粒度分布測定から求められる体積基準50%粒子径(D50)である。
無機粒子層Aにおける水酸化マグネシウムの平均粒子径は、より好ましくは2.2μm以上3.7μm以下であり、さらに好ましくは2.5μm以上3.5μm以下である。
無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーは、セパレータの無機粒子層に用いるのに好適なものであれば特に制限はされない。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、(メタ)アクリレート共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタンなどの樹脂が挙げられ、また、これらの樹脂の一部に、非水電解液への溶解を防止するために架橋構造を導入した樹脂も用いることができる。これらの有機バインダーポリマーは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、(メタ)アクリレート共重合体が特に好ましい。
無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーの含有率は、1.0質量%以上9.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上8.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上6.0質量%以下がさらに好ましい。有機ポリマーバインダーの含有率が1.0質量%未満では、不織布基材との接着性が不十分で層間剥離を起こす場合があり、9.0質量%より多いと、内部抵抗が高くなる場合がある。
無機粒子層Aの塗工量(絶乾)は、好ましくは2.0g/m以上8.0g/m以下であり、より好ましくは2.5g/m以上7.0g/m以下であり、さらに好ましくは3.0g/m以上6.0g/m以下である。塗工量が8.0g/mを超えた場合、リチウムイオン電池セパレータの厚みが厚くなり過ぎる場合がある。塗工量が2.0g/m未満の場合、ピンホールが発生しやすくなる場合がある。
本発明のリチウムイオン電池セパレータにおいて、無機粒子層Bは、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウムと有機ポリマーバインダーを含む塗液bを、無機粒子層A上に塗工する方法で得られる。
無機粒子層Bにおける水酸化マグネシウムの平均粒子径は、より好ましくは0.5μm以上1.5μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上1.3μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以上1.0μm以下である。
無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーは、セパレータの塗層に用いるのに好適なものであれば特に制限はされない。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、(メタ)アクリレート共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタンなどの樹脂が挙げられ、また、これらの樹脂の一部に、非水電解液への溶解を防止するために架橋構造を導入した樹脂も用いることができる。これらの有機バインダーポリマーは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、(メタ)アクリレート共重合体が特に好ましい。無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーは、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーと同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーの含有率は、0.8質量%以上8.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下がより好ましく、1.2質量%以上4.0質量%以下がさらに好ましい。有機ポリマーバインダーの含有率が0.8質量%未満では、無機粒子層Aとの接着性が不十分で層間剥離を起こす場合があり、8.0質量%より多いと、内部抵抗が高くなる場合がある。
無機粒子層Bの塗工量(絶乾)は、好ましくは2.0g/m以上8.0g/m以下であり、より好ましくは2.5g/m以上7.0g/m以下であり、さらに好ましくは3.0g/m以上6.0g/m以下である。塗工量が8.0g/mを超えた場合、リチウムイオン電池セパレータの厚みが厚くなり過ぎる場合がある。塗工量が2.0g/m未満の場合、ピンホールが発生しやすくなる場合がある。
無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率は、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率よりも多い。
無機粒子層A及び無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率の比率(=無機粒子層Aの有機ポリマーバインダー含有率(質量%)/無機粒子層Bの有機ポリマーバインダー含有率(質量%))は、1.2以上12.0以下であることが好ましく、1.3以上10.0以下がより好ましく、1.4以上6.5以下がさらに好ましい。以下、「無機粒子層A及び無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率の比率」を「含有比率A/B」と略記する場合がある。含有比率A/Bが12.0以上の場合、セパレータの内部抵抗が高くなることがあり、含有比率A/Bが1.2未満の場合、無機粒子層が剥がれることによる欠点が発生しやすくなることがある。
水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む塗液を調製するための媒体としては、有機ポリマーバインダーや水酸化マグネシウムを均一に溶解又は分散できるものであれば特に限定されず、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)などの環状エーテル類;メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類;イソプロパノールなどのアルコール類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチルスルホキシド(DMSO);水などを必要に応じて用いることができる。また、必要に応じてこれらの媒体を混合して用いても良い。
塗液を塗工する方法としては、例えばブレード、ロッド、リバースロール、リップ、ダイ、カーテン、エアーナイフ等の各種塗工方式;フレキソ、スクリーン、オフセット、グラビア、インクジェット等の各種印刷方式;ロール転写、フィルム転写などの転写方式等を、必要に応じて選択して用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池セパレータの坪量は、好ましくは10g/m以上36g/m以下であり、より好ましくは12g/m以上32g/m以下であり、さらに好ましくは14g/m以上27g/m以下である。坪量が36g/mを超えた場合、内部抵抗が高くなり過ぎる場合がある。坪量が10g/m未満の場合、ピンホールが発生しやすくなる場合や、十分な強度を得ることが難しくなる場合がある。
本発明のリチウムイオン電池セパレータの厚みは、好ましくは10μm以上40μm以下であり、より好ましくは11μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上25μm以下である。厚みが40μmを超えた場合、リチウムイオン電池セパレータが厚くなり過ぎてしまい、内部抵抗が高くなる場合がある。厚みが10μm未満の場合、ピンホールが発生しやすくなる場合や、十分な強度を得ることが難しくなる場合がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例において百分率(%)及び部は、断りのない限り全て質量基準である。また、塗工量は乾燥塗工量(塗工量(絶乾))である。
表1に示した原料と配合量に従って、抄紙用スラリーを調製した。ここで、表1中の「PET1」は、平均繊維径2.5μm、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート繊維、「PET2」は、平均繊維径3.2μm、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート繊維、「PET3」は、平均繊維径4.3μm、繊維長3mmの単一成分型未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(バインダー、軟化点120℃、融点230℃)、「PA1」は、平均繊維径8.1μm、繊維長5mmの全芳香族ポリアミド繊維(コポリ(パラ−フェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド))を意味する。
Figure 0006841706
<不織布基材1〜5>
スラリー1〜3を円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、表2に示す不織布基材1〜5を作製した。厚みは、金属ロール−樹脂ロール(ショア硬度D92)の構成の熱カレンダー装置を使用して、金属ロール温度195℃、線圧200kN/m、加工速度10m/min、1ニップ(nip)の条件で熱カレンダー処理を行うことで調整した。
Figure 0006841706
<塗液a1の調製>
平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウム100質量部を、水150質量部に分散した分散液に、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)2質量%水溶液75質量部を添加・攪拌混合した後、有機ポリマーバインダーとして、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルション(固形分濃度50質量%、ガラス転移点−18℃、平均粒子径0.2μm)1質量部を添加・攪拌混合し、最後に水を加えて固形分濃度を25質量%に調整し、塗液a1を調製した。CMC−Naとして、1質量%水溶液の25℃における粘度が200mPa・sのCMC−Naを使用した。
<塗液a2の調製>
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を2質量部とした以外は、塗液a1の調製と同様にして、塗液a2を調製した。
<塗液a3の調製>
平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウムを平均粒子径3.0μmの水酸化マグネシウムに変更し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を5質量部とした以外は、塗液a1の調製と同様にして、塗液a3を調製した。
<塗液a4の調製>
平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウムを平均粒子径4.0μmの水酸化マグネシウムに変更し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を20質量部とした以外は、塗液a1の調製と同様にして、塗液a4を調製した。
<塗液b1の調製>
平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウム100質量部を、水150質量部に分散した分散液に、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)2質量%水溶液75質量部を添加・攪拌混合した後、有機ポリマーバインダーとして、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルション(固形分濃度50質量%、ガラス転移点−18℃、平均粒子径0.2μm)1質量部を添加・攪拌混合し、最後に水を加えて固形分濃度を25質量%に調整し、塗液b1を調製した。CMC−Naとして、1質量%水溶液の25℃における粘度が200mPa・sのCMC−Naを使用した。
<塗液b2の調製>
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を1.6質量部とした以外は、塗液b1の調製と同様にして、塗液b2を調製した。
<塗液b3の調製>
平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウムを平均粒子径1.0μmの水酸化マグネシウムに変更し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を2.4質量部とした以外は、塗液b1の調製と同様にして、塗液b3を調製した。
<塗液b4の調製>
平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウムを平均粒子径1.5μmの水酸化マグネシウムに変更し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を16質量部とした以外は、塗液b1の調製と同様にして、塗液b4を調製した。
<塗液b5の調製>
平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウムを平均粒子径1.5μmの水酸化マグネシウムに変更し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合樹脂エマルションの添加量を20質量部とした以外は、塗液b1の調製と同様にして、塗液b5を調製した。
<リチウムイオン電池セパレータ>
(実施例1)
不織布基材1の一面上に、塗液a2を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b2をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が4.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例1のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例2)
不織布基材2の一面上に、塗液a3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b2をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例2のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例3)
不織布基材2の一面上に、塗液a3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が6.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が6.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例3のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例4)
不織布基材2の一面上に、塗液a3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が8.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が8.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例4のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例5)
不織布基材3の一面上に、塗液a3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が3.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b1をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が3.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例5のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例6)
不織布基材4の一面上に、塗液a2を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が2.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b2をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が2.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例6のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(実施例7)
不織布基材5の一面上に、塗液a4を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が8.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b2をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が8.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す実施例7のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例1)
不織布基材2の一面上に、塗液a3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液a3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得て、表3に示す比較例1のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例2)
不織布基材2の一面上に、塗液b3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得た後、無機粒子層B上に、塗液b3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す比較例2のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例3)
不織布基材2の一面上に、塗液b3を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得た後、無機粒子層B上に、塗液a3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得て、表3に示す比較例3のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例4)
不織布基材2の一面上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b1をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す比較例4のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例5)
不織布基材2の一面上に、塗液a4を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b5をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す比較例5のリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例6)
不織布基材2の一面上に、塗液a1を、キスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Aを得た後、無機粒子層A上に、塗液b3をキスリバース方式のグラビアコーターにて塗工量(絶乾)が5.0g/mとなるように塗工・乾燥して無機粒子層Bを得て、表3に示す比較例6のリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例及び比較例のリチウムイオン電池セパレータについて、下記の評価を行い、その結果を表3に示した。
[ピンホール評価]
作製したセパレータについて、セパレータのピンホールの状態についてA4サイズ(幅方向210mm×流れ方向297mm)1枚を透過光を用いて目視にて確認し、次の度合いで評価した。結果を表3に記す。
○:目視でのピンホールの発生は見られない。
△:うっすらと透過光が観察される部分が存在する。
×:明らかに透過光が多数観察される。
[無機粒子層の強度評価]
実施例1〜7及び比較例4〜6のセパレータから、幅方向100mm×流れ方向100mmサイズの試験片を5枚切り出し、幅10mm×長さ50mmのセロハンテープを、流れ方向と幅方向に、セパレータの無機粒子層の上から軽く貼り付けて、1kgのステンレス製の円柱を2往復させた。その後、セロハンテープを無機粒子層から剥がし、セパレータを目視にて観察し、次の評価基準で評価した。
○:不織布基材面に無機粒子層が残っている。
△:無機粒子層の約半分が不織布基材から剥がれている。
×:無機粒子層の殆ど全部分が不織布基材から剥がれている。
[評価用電池の作製]
実施例1〜7及び比較例4〜6のセパレータを用い、正極に3元系正極材(LiNi0.5Co0.2Mn0.3)、負極にグラファイト、電解液に1mol/Lヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)の炭酸エチレン(EC)/炭酸ジエチル(DEC)/炭酸ジメチル(DMC)(容量比1/1/1)混合溶媒溶液を用いた設計容量30mAhの評価用電池を作製した。
[内部抵抗の評価]
作製した各電池について、「30mA定電流充電→4.2V定電圧充電(1時間)→30mAで定電流放電→2.7Vになったら次のサイクル」のシーケンスにて、3サイクルの慣らし充放電を行った後、「30mA定電流充電→4.2V定電圧充電(1時間)→6mAで30分間定電流放電(放電量3mAh)→放電終了直前の電圧を測定(電圧a)→30mA定電流充電→4.2V定電圧充電(1時間)→150mAで72秒間定電流放電(放電量3mAh)→放電終了直前の電圧(電圧b)の測定」を行い、「内部抵抗Ω=(電圧a−電圧b)/(150mA−6mA)」の式で内部抵抗を求めた。結果を表3に記す。
○:内部抵抗2.8Ω未満
△:内部抵抗2.8Ω以上3.5Ω未満
×:内部抵抗3.5Ω以上
Figure 0006841706
表1に示した通り、実施例1〜7で作製したリチウムイオン電池セパレータは、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Bとが、不織布基材の一面上にこの順に積層された構成を有し、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率が、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率よりも多いことから、ピンホール、無機粒子層強度及び内部抵抗の評価のいずれもが優れていた。
一方、比較例1で作製したリチウムイオン電池セパレータは、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウムを含む無機粒子層Bを含まないため、低塗工量では、不織布基材の空隙を埋めきれず、ピンホールの発生が見られた。
比較例2で作製したリチウムイオン電池セパレータは、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウムを含む無機粒子層Aを含まないため、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウムが不織布基材内部に入り込み、セパレータ表面に均一な無機粒子層を形成させることができなかったことから、ピンホールの発生が見られた。
比較例3で作製したリチウムイオン電池セパレータは、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウムを含む無機粒子層Bと、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウムを含む無機粒子層Aとが、不織布基材の一面にこの順に積層された構成を有しているが、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウムが不織布基材内部に入り込み、セパレータ表面に均一な無機粒子層を形成させることができなかったことから、ピンホールの発生が見られた。
比較例4で作製したリチウムイオン電池セパレータは、無機粒子層Aと無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率(質量%)が同じで、含有比率A/Bが1.0であり、無機粒子層A及びBにおける有機ポリマーバインダー含有率が0.5質量%と、低いことから、実施例で作製したリチウムイオン電池セパレータに比べ、無機粒子層強度に劣っていた。
比較例5で作製したリチウムイオン電池セパレータは、無機粒子層Aと無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率(質量%)が同じであり、含有比率A/Bが1.0であり、無機粒子層A及びBにおける有機ポリマーバインダー含有率が9.0質量%と、高いことから、実施例で作製したリチウムイオン電池セパレータに比べ、内部抵抗に劣っていた。
比較例6で作製したリチウムイオン電池セパレータは、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率が、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率よりも少なく、含有比率A/Bが0.4であることから、実施例で作製したリチウムイオン電池セパレータに比べ、無機粒子層強度に劣っていた。
坪量がやや低く、厚みもやや薄い、実施例6で作製したリチウムイオン電池セパレータよりも、実施例1〜5、7のセパレータの方が、ピンホール評価において、透過光が観察される部分も無く、優れていた。
坪量がやや高く、厚みもやや厚く、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダー含有率がやや多い、実施例7で作製したリチウムイオン電池セパレータよりも、実施例1〜6のセパレータの方が、内部抵抗が低く、優れていた。
本発明のリチウムイオン電池セパレータは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等に好適に使用できる。

Claims (1)

  1. 平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の水酸化マグネシウム及び有機ポリマーバインダーを含む無機粒子層Bとが、不織布基材の一面にこの順に積層された構成を有し、無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーの含有率が、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーの含有率よりも多く、
    無機粒子層A及び無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダー含有率の比率(無機粒子層Aの有機ポリマーバインダー含有率/無機粒子層Bの有機ポリマーバインダー含有率)が1.2以上12.0以下であり、
    無機粒子層Aにおける有機ポリマーバインダーの含有率が1.0質量%以上9.0質量%以下であり、無機粒子層Bにおける有機ポリマーバインダーの含有率が0.8質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
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