JP6841534B1 - 吊下げ金具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、フックを石詰めカゴの一の横線材に引っ掛け、建設機械にて石詰めカゴを吊下げて搬送(運搬)する。
これにより、請求項1では、吊下げ金具において、中詰材が充填された金網籠の隣り合う縦金属線間の一の横金属線を保持(線接触)して、中詰材が充填された金網籠を吊下げても、一の横金属線に集中荷重を作用することなく、金網籠の重量による一の横金属線の変形や破損等を抑えることができる。
請求項1では、金網籠の筒形状は、円筒形状又は四角筒形状等である。
これにより、請求項2では、吊下げ金具において、中詰材が充填された金網籠の隣り合う縦金属線間の一の横金属線を保持(線接触)して、中詰材が充填された金網籠を吊下げても、一の横金属線に集中荷重を作用することなく、金網籠の重量による一の横金属線の変形や破損等を抑えることができる。
請求項2では、金網籠の筒形状は、円筒形状又は四角筒形状等である。
第1実施形態、及び第2実施形態の吊下げ金具について説明する。
第1実施形態の吊下げ金具X1は、金網籠を吊下げるための金網籠用吊下げ金具である。
吊り部3は、図3、図4、図7及び図10に示すように、矩形状(長方形状)に形成され、吊り幅H1、吊り厚さT及び吊り長さL1を有する。吊り幅H1は、金属平板の幅方向LR(以下、「左右方向LR」という)の板幅である。吊り厚さTは、金属平板の板厚さ方向FR(以下、「前後方向FR」という)の板厚である。吊り長さL1は、金属平板の長手方向UD(以下、「上下方向UD」という)の板長さである。
抜止め部4は、図3及び図7に示すように、矩形状(長方形状)に形成され、止め幅H2、止め厚さT及び止め長さL2を有する。止め幅H2は、左右方向LRの板幅である。止め厚さTは、前後方向FRの板厚である。止め長さL2は、上下方向UDの板長さである。
抜止め部4において、止め幅H2は、例えば、吊り部3の吊り幅H1と同一の幅(同一の板幅)である。
抜止め部4は、抜け表面4a(抜け板表平面)を吊り部3の吊り裏面3bに対向(対峙)して、吊り部3と平行に配置(並列)される。
抜止め部4は、左右方向LRにおいて、一方の幅端4Cを吊り部3の一方の幅端3Cに面一に配置し、他方の幅端4Dを吊り部3の他方の幅端4Dに面一に配置して、吊り部3に並列される。
抜止め部4は、上下方向UDにおいて、他方の端4B(他方の抜け板端)を吊り部3の他方の端3Bに面一に配置して、吊り部3に並列される。抜止め部4は、図8に示すように、上下方向UDに延びて、一方の端4A(一方の抜け板端)を外止め用穴8の上方(外止め用穴8及び吊り用長穴7の間)に配置する。
抜止め部4において、止め長さL2は、図3に示すように、例えば、吊り部3の吊り長さL1より短く形成される(L1<L2)。
第1線保持部5は、前後方向FRの吊り部3及び抜止め部4間において、吊り部3の一方の幅端3C側(抜止め部4の一方の幅端4C側)に配置される。
第1線保持部5は、吊り部3の吊り裏面3b及び抜止め部4の抜け表面4a間に配置される。
第1線保持部5は、上下方向UDにおいて、吊り部3の他方の端3B(抜止め部4の他方の端4B側)に配置される。
第1線保持部5は、吊り部3及び抜止め部4と一体にされて、吊り部3及び抜止め部4に連結(連続)される。
第2線保持部6は、前後方向FRの吊り部3及び抜止め部4の間において、吊り部3の他方の幅端3D側(抜止め部4の他方の幅端4D側)に配置される。
第2線保持部6は、吊り部の吊り裏面3b及び抜止め部4の抜け表面4a間に配置される。
第2線保持部6は、上下方向UDにおいて、吊り部3の他方の端3B(抜止め部4の他方の端4B)に配置される。
第2線保持部6は、吊り部3及び抜止め部4と一体にされ、吊り部3及び抜止め部4に連結(連続)される。
第2線保持部6は、左右方向LRにおいて、第1線保持部5と並列し、及び上下方向UDにおいて、第1線保持部5と同じ位置に配置される。
吊下げ金具X1において、J字状に形成した金具本体1は、図1乃至図6、図8及び図10に示すように、吊り部3の他方の端3B側及び抜止め部4の他方の端4B側に空隙穴15を開けて、第1及び第2線保持部5,6を形成する。
空隙穴15は、図1乃至図4、図6、図8及び図10に示すように、円弧穴に形成され、穴幅HWを有して、上下方向UDにおいて、J字状の曲り部分16を貫通して、吊り部3及び抜止め部4間(線隙間σ2)に開口する。
これにより、吊下げ金具X1は、左右方向LRにおいて、空隙穴15によって、吊り部3の各幅端3C,3D側(抜止め部4の各幅端4C,4D間側)に、第1保持幅H1の第1線保持部5、及び第2保持幅H2の第2線保持部6を形成する。
曲げ加工した金具本体1において、吊り部3の吊り幅H1、及び抜止め部4の止め幅H2は、同一幅である(H1=H2)。
第1線保持部5の第1保持幅H3は、図10に示すように、第1穴位置幅G3にて保持厚さTを有し、第1穴位置P3及び第1位置P1間(H3−G3)において、吊り部3の幅中心aに向うにしたがって段々に保持厚さTを薄くする厚さ形状に形成される。
第2線保持部6の第2保持幅H4は、図10に示すように、第2穴位置幅G4にて保持厚さTを有し、第穴位置P4及び第2位置P2間(H4−G4)において、吊り部3の幅中心aに向うにしたがって段々に保持厚さTを薄くする厚さ形状に形成される。
ナット21は、図2、図4乃至図8に示すように、吊り部3の吊り表面3aに配置される。ナット21は、吊り部3の幅中心aに位置して、ネジ穴24を外止め用穴8と同心にして配置される。ナット21は、吊り部3の吊り表面3aから吊り部3に溶接にて固定される。
ボルト22は、図8に示すように、軸部28をナット21のネジ穴24、及び外止め用穴8を貫通(挿通)し、及びネジ軸部27をナット21のネジ穴24に螺着して、ナット21に設けられる。
ネジ軸26において、軸部28は、図7及び図8に示すように、外止め用穴8を通して、吊り部3及び抜止め部4間(線隙間σ2)に突出し、軸端29を抜止め部4の抜け表面4aに当接して配置される。
止めリング23は、図8に示すように、ボルト22において、ネジ軸26の軸部28に外嵌されて、軸部28の軸端29側に配置される。止めリング23は、軸部28の軸端29と面一にされ、抜止め部4の抜け表面4aに当接される。止めリング23は、ボルト22の軸部28に固定される。
これにより、外止め具2は、図9に示すように、止めリング23及び軸部28(ネジ軸26)を吊り部3及び抜止め部4間(線隙間σ2)から退避する位置Q2(以下、「退避位置Q2」という)にされる。
これにより、外止め具2は、図8に示すように、ネジ軸26の軸部28を吊り部3及び抜止め部4間(線隙間σ2)にわって配置する位置Q1(以下、「閉塞位置Q1」という)にされる。
円筒金網籠Z1には、割栗石、砕石等の中詰材Sが充填される。
円筒金網籠Z1の各寸法は、円筒外直径KD及び円筒高長KLである。円筒外直径KDは、中詰材Sを充填した後の円筒金網籠Z1の外直径である。円筒高長KLは、円筒金網籠Z1の筒中心線αの方向αA(以下、「筒中心線方向αA」という)において、円筒金網枠体51の両筒端開口YA,YB間の高さ(長さ)である。
各円弧金網枠58,58は、同一形状及び同一構成(同一構造)であって、複数の横金属線59,59,…、及び複数の縦金属線60,60,…を有する。
なお、縦線間距離BT及び横線間距離ATは、異なる距離にしても良い。
各縦金属線60,60は、各円弧横金属線59,59と同一材料(同一材質)の金属線で形成される。各縦金属線60,60,…は、線径:d2であって、円弧横金属線59,59,…より大径である(d2>d1)。
なお、各円弧横金属線59,59,…の線径d1と、各縦金属線60,60,…の線径d2は、同一線径としても良い(d1=d2)。
円周方向各端58C,58Dの各縦金属線60,60,…同士は、各円弧金網枠片58,58の両枠端58A,58Bの間にわたって隣接される(突合わされる)。
各コイル金属線52,52は、各円弧金網枠片58,58の両枠端58A,58B間(円筒金網枠体51の両筒端開口YA,YB間)にわたって、円周方向各端58C,58Dで隣接する各縦金属線60,60,…に巻付けられ、各円弧金網枠片58,58同士を連結して円筒金網枠体51を構成する。
円周方向各端58C,58Dにおいて、各コイル金属線52,52は、コイルバネ力(付勢力)にて、隣接する各縦金属線60,60,…を締付ける。
各円形金網蓋53,54は、図11乃至図13に示すように、円筒金網枠体51の両筒端開口YA,YBを閉塞(閉鎖)する。各円形金網蓋53,54は、円筒金網枠体51の両端に固定される。各円形金網蓋53,54は、蓋外直径:KDである。
各円形金網蓋53,54は、円形金属線65、及び複数の蓋金属線66,66,…を有する。
各蓋金属線66,66,…は、円形金属線65の内側に配置され、溶接にて線両端側を円形金属線65に固定される。各蓋金属線66,66,…は、円形金属線65の円周方向にわたって蓋線間距離を隔てて配置され、交点で交差する。各蓋金属線66,66,…は、複数の網目DTを形成する。
各蓋金属線66,66,…は、鉄、鋼等の金属線であって、例えば、亜鉛−10%アルミニウム合金メッキ鉄線で形成される。蓋金属線66,66,…は、線径:d4である。蓋金属線66,66,…の線径d4は、例えば、円形金属線65より小径、又は同一の線径とする(d4<d3、又はd4=d3)。
各固定コイル金属線55,55は、コイルバネ力(付勢力)にて各円弧横金属線59,59及び円形金属線65を締付ける。
金網蓋54付き円筒金網枠体51は、図16に示すように、人の力(人力)によって反転され、バックホウ等の重機を使用して円筒金網枠体51の一方の筒端開口YA(上端開口)から中詰材Sが充填される。中詰材Sは、円筒金網籠Z1の設置場所にある割栗石、砕石等である。
中詰材Sを充填した円筒金網枠体51は、一方の筒端開口YA(上端開口)が金網蓋53にて閉塞され、固定コイル金属線55にて金網蓋53が円筒金網枠体51に固定される。
これにより、円筒金網籠Z1には、中詰材Sが充填される。
吊り部3は、図3、図10及び図17に示すように、円筒金網籠Z1(金網籠)の縦線間距離BTより僅かに狭い吊り幅H1を有する。吊り部3の吊り幅H1は、例えば、縦線間距離BTの10割未満であって、9割を超える幅にする(1.0×BT<H1≦0.9×BT)。吊り部3の吊り幅H1は、0.9×BTを超え、及び1.0×BT未満の範囲(1.0×BT〜0.9×BT)で任意の値に設定する。
例えば、円筒金網籠Z1の円弧横金属線(横金属線)の線径d1=6mm、縦金属線60の線直d2=6mm、及び網目CT=100mm×100mmとすると、横線間距離ATは、AT=100mm−6mm=94mm、縦線間距離BTは、BT=100mm−6mm=94mmとなる。吊り部3の吊り幅H1=90mmとし、0.957×BTmmとなる。
これにより、吊り部3は、各幅端3C,3D及び縦線間距離BTを隔てて隣り合う縦金属線60,60間に取付隙間δ4=2mm(僅かな取付隙間δ4)を隔てて、隣り合う縦金属線60,60間に配置できる。取付隙間δ4は、例えば、縦線間距離BTの3分以下にする。但し、取付隙間δ4は、0<δ4≦0.03×BTとする(以下、同様)。
抜止め部4は、図3、図8及び図16に示すように、円筒金網籠Z1(金網籠)の縦線間距離BTより僅かに狭い止め幅H2を有する。抜止め部4の止め幅H2は、例えば、吊り部3の吊り幅H1と同一幅にされ、吊り部3と同様に、縦線間距離BTの10割未満であって、9割を超える幅にする(1.0×BT<H2≦0.9×BT)。
例えば、吊り部3と同様に、縦線間距離BT=94mmとすると、抜止め部4の止め幅H2は、H2=90mmとし、0.957×BTmmとする。
これにより、抜止め部4は、縦線間距離BTを隔てて隣り合う縦金属線60,60に取付隙間δ4=2mm(僅かな取付隙間δ4)を隔てて、隣り合う縦金属線60,60間に配置できる。
第1線保持部5の第1保持幅H3は、図3、図8及び図16に示すように、例えば、吊り部3の吊り幅H1の3割分以下であって、1割5分を超える幅にする(0.30×H1≧H3>0.15×H1)。第1線保持部5の第1保持幅H3は、吊り部3の吊り幅H1の3割以下、及び1割5分を超える範囲(0.30×H1〜0.15×H1)で任意の値に設定する。第1線保持部5の第1保持幅H3は、吊り部3の吊り幅H1の半分(1/2)×H1(0.5×H1)[吊り部3の幅中心a及び一方の幅端3C間の幅(距離)]に対して、6割以下であって、3割を超える値[0.60×0.5×H1≧H3>0.30×0.5×H1]とする。
吊り部3の幅中心a及び第1位置P1間の第1間隔δ1は、吊り部3の吊り幅H1とすると、δ1=(H1/2)−H3となる。第1隙間δ1は、吊り部3の吊り幅H1の半分(1/2)×H1(0.5×H1)の6割5分以下であって、4割を超える値(0.65×0.5×H1≧δ1>0.40×0.5×H1)とする。
例えば、吊り部3の吊り幅H1=90mm、吊り部3の吊り幅H1の半分(1/2)×H1=45mmとすると、第1線保持部5の第1保持幅H3は、H3=17.5mm(0.19×H1又は0.39×0.5×H1)とし、第1間隔δ1は、δ1=27.5mm(0.611×0.5×H1)とする。
また、吊り部3の吊り幅H1=90mm、吊り部3の吊り幅H1の半分(1/2)×H1=45mmとすると、第1線保持部5の第1保持部幅H3は、H3=25.5mm(0,28×H1又は0.57×0.5×H1)とし、第1間隔δ1=19.5mm(0.433×0.5×H1)とする。
第2線保持部6の第2保持幅H2は、図3、図8及び図16に示すように、例えば、第1線保持部5の第1保持幅H3と同一幅にする。第2線保持部6の第2保持幅H4は、第1線保持部5と同様に、例えば、吊り部3の吊り幅H1の3割以下であって、1割5分を超える幅にする(0.30×H1≧H4<0.15×H1)。第2線保持部6の第2保持幅H4は、吊り部3の吊り幅H1の3割以下、及び1割5分を超える範囲(0.30×H1〜0.15×H1)で任意の値に設定する。
第2線保持部6の第2保持幅H4は、第1線保持部5と同様に、吊り部3の吊り幅H1の半分[吊り部3の幅中心a及び一方の幅端3C間の幅(距離)]に対して、6割以下であって、3割を超える値[0.60×0.5×H1≧H4>0.30×0.5×H1]とする。
吊り部3の幅中心a及び第2位置P2の第2隙間δ2は、吊り部3の吊り幅H1とすると、δ2=(H1/2)−H4となる。第2間隔δ2は、吊り部3の吊り幅H1の半分(1/2)×H1(0.5×H1)の6割5分以下であって、4割を超える値(0.65×0.5×H1≧δ2>0.40×0.5×H1)とする。
例えば、吊り部3の吊り幅H1=90mmとすると、第2線保持部6の第2保持幅H4は、H4=17.5mm(0.19×H1又は0.39×0.5×H1)とし、第2間隔δ2は、δ2=27.5mm(0.611×0.5×H1)とする。
また、吊り部3の吊り幅H1=90mmとすると、第2線保持部6の第2保持部幅H4は、H4=25.5mm(0.28×H1又は0.57×0.5×H1)とし、第2間隔δ2=19.5mm(0.433×0.5×H1)とする。
なお、第2線保持部6の第2保持幅H4は、第1線保持部5の第1保持幅H3と異なる幅であって、第1線保持部5の第1保持幅H3より広い幅(H4>H3)とし、第1線保持部5の第1保持幅H3より狭い幅(H4<H3)としても良い。
吊り部3は、図18に示すように、円筒金網籠Z1の横線間距離ATより長い吊り長さL1を有する。吊り部3の吊り長さL1は、例えば、第1線保持部5の保持厚さT、円弧横金属線59の線径d1の2倍、横線間距離AT、及び円形金属線の線径d3を加算した長さより長くする(L1>2×d1+AT+d3)。
吊り部3の吊り長さL1は、横線間距離ATの2倍を超え、2.5倍以下の長さにする(2.0×AT≦L1<2.5×AT)。
例えば、円筒金網籠Z1の横線間距離AT=94mmとすると、吊り部3の吊り長さL1=214mmとし、2.27×ATとする。
吊り用長穴7は、図18に示すように、吊り部3の一方の端3A(一方の板端)から横線間距離AT未満の範囲の任意の穴距離LHにおいて、吊り部3に形成される。
例えば、円筒金網籠Z1の横線間距離AT=94mm、吊り部3の吊り長さL1=220mmとすると、吊り用長穴7の穴距離LHは、LH=58mmとする。
吊下げ金具X1は、充填・円筒金網籠Z1を、筒中心線方向αA(上下方向)に吊下げるために用いられる。
充填・円筒金網籠Z1には、図19及び図20に示すように、複数の吊下げ金具X1,X1,…が装着され、例えば、4つの吊下げ金具X1,X1,…が装着される。
各吊下げ金具X1,X1,…は、図19及び図20に示すように、充填・円筒金網籠Z1(充填・金網籠)の円周方向αBに等間隔(角度:90度の間隔)を隔てて配置される。
各吊下げ金具X1,X1,…は、図9に示すように、外止め具2を退避位置Q2にして、充填・円筒金網籠Z1に装着される。
金具本体1は、例えば、図19、図21及び図22に示すように、隣り合う縦金属線60,60間において、円筒金網籠Z1(円筒金網枠体51)の一方の筒端開口YAに位置する1番目の円弧横金属線59A(最上の円弧横金属線、及び1番目の円弧横金属線)及び1番目の円弧横金属線59Aに横線間距離ATを隔てる2番目の円弧横金属線59B間の網目CT1(最上の網目/1番目の網目)と、2番目の円弧横金属線59B、及び2番目の円弧横金属線59Bに横線間距離ATを隔てる3番目の円弧横金属線59B間の網目CT2(2番目の網目CT2)にわたって配置される。金具本体1は、第1線保持部5、及び第2線保持部6を2番目の網目CT2(2番目の円弧横金属線59B及び3番目の円弧横金属線59C間)に配置する。
各吊下げ金具X1,X1,…の第1線保持部5、及び第2線保持部6は、円筒金網籠Z1の筒中心線方向αAにおいて、2番目の円弧横金属線59Bより下方(一方)に位置して、2番目の網目CT2に配置される。
各吊下げ金具X1,X1,…の吊り部3及び抜止め部4は、1番目の網目CT1側に配置される。
これにより、吊り部3は、一方の幅端3C及び隣り合う一方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔て、他方の幅端3D及び隣り合う他方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔てて、1番目の網目CT1側の隣り合う縦金属線60,60間に配置される。
吊り部3は、図19、図21及び図22に示すように、円筒金網籠Z1の筒中心線方向αAの上方に延在して配置され、一方の端3A(一方の吊り板端)及び吊り用長穴7を円筒金網籠Z1の一方の筒端開口YA(金網蓋53)から上方に位置して配置される。
吊り部3は、1番目の網目CT1側において、円筒金網籠Z1(円筒金網枠体51)の外側に配置される。吊り部3は、円筒金網籠Z1(円筒金網枠体51)の外側において、隣り合う縦金属線60,60間の1番目の円弧横金属線59A、及び2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)に並列して配置される。各吊り部3は、吊り裏面3b(吊り板裏平面)を1番目の円弧横金属線59A及び2番目の円弧横金属線59Bに対向して並列される。
これにより、抜止め部4は、一方の幅端4C及び隣り合う一方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔て、他方の幅端4D及び隣り合う他方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔てて、1番目の網目CT1側に配置される。
抜止め部4は、2番目の円弧横金属線59Bの下方において、充填・円筒金網籠Z1の外側から2番目の網目CT2を通して、充填・円筒金網籠Z1の内側に挿入される。
各吊下げ金具X1,X1,…において、抜止め部4は、吊下げ部3に線隙間σ2を隔てて並列されて、充填・円筒金網籠Z1の内側に配置される。抜止め部4は、充填・円筒金網籠Z1(充填・金網籠)の内側において、中詰材S及び隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59(一の横金属線)の間に配置される。
これにより、各吊下げ金具X1,X1,…において、第1線保持部5は、隣り合う一方の縦金属線60に僅かな取付隙間δ4を隔てて隣接され、第1保持幅H3で2番目の円弧横金属線59Bを保持する。
第1線保持部5は、隣り合う一方の縦金属線60及び2番目の円弧横金属線59Bを溶接にて固定する交点CK(円弧横金属線59B及び縦金属線60の溶接点又固定点)に隣接して配置される。第1線保持部5は、図21及び図22に示すように、2番目の円弧横金属線59B及び隣り合う一方の縦金属線60の溶接点(交点CK)側から第1保持幅H3にて2番目の円弧横金属線59Bに線接触して、筒中心線方向αAの下方(一方)から2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)を保持する。
第1線保持部5は、第1間隔δ1の範囲において、隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)に当接することなく、2番目の円弧横金属線59Bを保持しない。
これにより、第1線保持部5は、縦線間距離BTの中心Baから隣り合う一方の縦金属線60側において、第1間隔δ1の範囲で2番目の円弧横金属線59B(一の円弧横金属線)を保持しない。隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59Bは、縦線間距離BTの中心から隣り合う一方の縦金属線60側において、第1間隔δ1の範囲で第1線保持部5に当接することなく、第1線保持部5にて保持されない。
これにより、各吊下げ金具X1,X1,…において、第2線保持部6は、隣り合う他方の縦金属線60に僅かな取付隙間δ4を隔てて隣接され、第2保持幅H4で2番目の円弧横金属線59Bを保持する。
第2線保持部6は、隣り合う他方の縦金属線60及び2番目の円弧横金属線59Bを溶接にて固定する交点CK(円弧横金属線59B及び縦金属線60の溶接点又は固定点)に隣接して配置される。第2線保持部6は、図21及び図22に示すように、2番目の円弧横金属線59B及び隣り合う他方の縦金属線60の溶接点(交点CK)側から第2保持幅H4にて2番目の円弧横金属線59Bに線接触して、筒中心線方向αAの下方(一方)から2番目の円弧横金属線59B(一の円弧横金属線)を保持する。
第2線保持部6は、第2隙間δ2の範囲において、隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59B(一の円弧横金属線)に当接することなく、2番目の円弧横金属線59Bを保持しない。
これにより、第2線保持部6は、縦線間距離BTの中心Baから隣り合う他方の縦金属線60側において、第2間隔δ2の範囲で2番目の円弧横金属線59B(一の円弧横金属線)を保持しない。隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59Bは、縦線間距離BTの中心から隣り合う他方の縦金属線60側において、第2間隔δ2の範囲で第2線保持部6に当接することなく、第2線保持部6にて保持されない。
これにより、閉塞位置Q1の外止め具2において、ボルト22の軸部28(ネジ軸26)は、図20及び図21に示すように、線隙間σ2(吊り部3及び抜止め部4間)に進入されて、軸端29及び止めリング23を抜止め部4の抜け表面4aに当接する。
外止め具2において、ボルト22は、図20及び図21に示すように、円筒金網籠Z1の筒中心線方向αAにおいて、2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)の上方(円筒金網籠Z1の一方の筒端開口YA側)に配置され、第1及び第2線保持部5,6間に2番目の円弧横金属線59Bを配置する。円筒金網籠Z1において、2番目の円弧横金属線59Bは、第1及び第2線保持部5,6とボルト22の軸部28(ネジ軸26)間に配置される。
これにより、円筒金網籠Z1において、2番目の円弧横金属線59Bは、外止め具2のボルト22の軸部28に当接することで、吊り部3の一方の端3A及び抜止め部4の一方の端4Aを通して吊り部3及び抜止め部4間(線隙間σ2)から抜出ない。
吊下げ装置Y1は、図19に示すように、複数のフック35,35,…、吊下げ枠体36、複数の連結金属チェーン37,37,…、複数の吊下げ金属チェーン38,38,…、及び吊下げリング39を有する。
各フック35は、図19に示すように、各吊下げ金具X1,X1,…の吊下げ用長穴7に引掛けられる。
吊下げ枠体36(吊下げ枠)は、図19に示すように、鉄、鋼等の金属で円形リングに形成され、円筒金網籠Z1と同一直径KDである。
各連結金属チェーン37,37,…は、図19に示すように、各フック35(円筒金網籠Z1)及び吊下げ枠体36の間に配置される。各連結金属チェーン37,37,…は、吊下げ枠体36の円周方向に等間隔(角度:90度の間隔)を隔てて配置される、各連結金属チェーン37,37,…は、各フック35,35,…及び吊下げ枠体36に連結される。
各吊下げ金属チェーン38,38,…は、図19に示すように、吊下げ枠体36の円周方向に等間隔(角度:90度の間隔)を隔てて、各連結金属チェーン37と同一位置において、吊下げ枠体36に連結される。各吊下げ金属チェーン38,38,…は、図19に示すように、吊下げリング39に束ねて連結される。
吊下げリング39(吊下げ輪)は、鉄、鋼等の金属で形成される。
バックホウ等の重機にて円筒金網籠Z1を吊上げると、各吊下げ金具X1,X1,…は、吊下げ装置Y1を介在して充填・円筒金網籠Z1を筒中心線方向αAの下方(一方)から吊下げる。
各吊下げ金具X1,X1,…及び吊下げ装置Y1等で吊下げられた充填・円筒金網籠Z1は、図23に示すように、バックホウ等の重機にて設置場所SRに搬送(運搬)されて、設置場所SRに積載して据付けられる。設置場所SRにおいて、吊下げ状態で搬送(運搬)される充填・円筒金網籠Z1は、図23に示すように、複数、例えば、3段3列にて設置場所SRに積載して据付けられる。
各吊下げ金具X1,X1,…は、外止め具2を閉鎖位置Q1(図8、図20及び図21参照)から退避位置Q2(図9参照)にして、充填・円筒金網籠Z1から取外す。
金網籠ユニットは、円筒金網籠Z1(金網籠)、及び吊下げ器U1を備え、吊下げ器U1は、複数、例えば、4以上の吊下げ金具X1,X1,…を有する。吊下げ器U1は、中詰材Sが充填された円筒金網籠Z1(金網籠)を吊下げるために用いられる。吊下げ器U1において、各吊下げ金具X1,X1,…は、図1乃至図18で説明したように、金具本体1及び外止め具2を備え、金具本体1は、吊り部3、抜止め部4、第1線保持部5及び第2線保持部6を有する。
なお、図24乃至図35において、図1乃至図22と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
第2実施形態の吊下げ金具X2は、金網籠を吊下げるための金網籠用吊下げ金具である。
線保持部32は、吊り部3及び抜止め部4間に配置される。線保持部32は、吊り部3の吊り裏面3b及び抜止め部4の抜け表面4a間に配置される。
線保持部32は、上下方向UDにおいて、吊り部3の他方の端3B側(抜止め部4の他方の端4B側)に配置される。
線保持部32は、吊り部3及び抜止め部4と一体にされて、吊り部3及び抜止め部4に連結(連続)される。
線保持部32は、吊り部3の両幅端3C,3D間(抜止め部4の両幅端4C,4D間)の距離の保持幅H7を有する。
線保持部32の保持幅H7は、吊り部4の吊り幅H1及び抜止め部4の止め幅H2と同一幅である。
曲げ加工した金具本体31において、吊り部3の吊り幅H1、抜止め部4の止め幅H2、及び線保持部32の保持幅H7は、同一幅である(H1=H2=H7)。
なお、吊下げ金具X2(吊り部3及び抜止め部4)と、円筒金網籠Z1(金網籠)の関係は、図17及び図18で説明したと同様である。
吊下げ金具Z2は、充填・円筒金網籠Z1を、筒中心線方向αA(上下方向)に吊下げるために用いられる。
充填・円筒金網籠Z1には、図32及び図33に示すように、複数の吊下げ金具X2,X2,…が装着され、例えば、4つの吊下げ金具X2,X2,…が装着される。
各吊下げ金具X2,X2,…は、図32及び図33に示すように、充填・円筒金網籠Z1(充填・金網籠)の円周方向αBに等間隔(角度:90度の間隔)を隔てて配置される。
各吊下げ金具X2,X2,…は、図30(b)に示すように、外止め具2を退避位置Q2にして、充填・円筒金網籠Z1に装着される。
金具本体31は、例えば、図32乃至図34に示すように、隣り合う縦金属線60,60間において、円筒金網籠Z1の1番目の網目CT1及び2番目の網目CT2にわったって配置される。金具本体1は、線保持部32を2番目の網目CT2(2番目の円弧横金属線59B及び3番目の円弧横金属線59C間)に配置する。
各吊下げ金具X2,X2,…の線保持部32は、円筒金網籠Z1の筒中心線方向αAにおいて、2番目の円弧横金属線59Bより下方(一方)に位置して、2番目の網目CT2に配置される。
各吊下げ金具X2,X2,…の吊り部3及び抜止め部4は、1番目の網目CT1側に配置される。
これにより、吊り部3は、一方の幅端3C及び隣り合う一方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔て、他方の幅端3C及び隣り合う他方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔てて、1番目のCT1側の隣り合う縦金属線60,60間に配置される。
吊り部3は、図32、図34及び図35に示すように、円筒金網籠Z1の筒中心線方向αAの上方に延在して配置され、一方の端3A(一方の吊り板端)及び吊り用長穴7を円筒金網籠Z1の一方の筒端開口YA(金網蓋53)より上方に位置して配置される。
吊り部3は、1番目の網目CT1側において、円筒金網籠Z1(円筒金網枠体51)の外側に配置される。吊り部3は、円筒金網籠Z1(円筒金網枠体51)の外側において、隣り合う縦金属線60,60間の1番目の円弧横金属線59A、及び2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)に並列して配置される。吊り部3は、吊り裏面3b(吊り板裏平面)を1番目の円弧横金属線59A及び2番目の円弧横金属線59Bに対向して並列される。
これにより、抜止め部4は、一方の幅端4C及び隣り合う一方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔て、他方の幅端4D及び隣り合う他方の縦金属線60間に取付隙間δ4(僅かな隙間)を隔てて、1番目の網目CT1側に配置される。
抜止め部4は、2番目の円弧横金属線59Bの下方において、充填・円筒金網籠Z1の外側から2番目の網目CT2を通して、充填・円筒金網籠Z1の内側に挿入される。
各吊下げ金具X2,X2,…において、抜止め部4は、吊下げ部3に線隙間σ2を隔てて並列されて、充填・円筒金網籠Z1の内側に配置される。抜止め部4は、充填・円筒金網籠Z1(充填・金網籠)の内側において、中詰材S及び隣り合う縦金属線60,60間の2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)の間に配置される。
各吊下げ金具X2,X2,…において、吊り部3及び抜止め部4は、図33乃至図35に示すように、線隙間σ2(吊り部3の吊り裏面3b及び抜止め部4の抜け表面4a間)に、一方の端3A,4Aから隣り合う縦金属線60,50間の2番目の円弧横金属線59B(一の円弧横金属線)を挿入して、充填・円筒金網籠Z1の外側及び内側に配置される。
これにより、各吊下げ金具X2,X2,…において、線保持部32は、隣り合う縦金属線60,60に僅かな取付隙間δ4を隔てて隣接され、保持幅H7で2番目の円弧横金属線59Bを保持する。
線保持部32は、円弧横金属線59B及び隣り合う縦金属線60,60の溶接点CK(交点)に隣接して配置される。線保持部32は、図34及び図35に示すように、2番目の円弧横金属線59B及び隣り合う縦金属線60,60の溶接点CK(交点)に隣接して、保持幅H7にて2番目の円弧横金属線59Bに線接触して、筒中心線方向αAの下方(一方)から2番目の円弧横金属線59B(一の横金属線)を保持する。
各吊下げ金具X2,X2,…において、線保持部32は、隣り合う縦金属線60.60に隣接する側の間おいて、一の円弧横金属線59Bに線接触して保持する。
バックホウ等の重機で円筒金網籠Z1を吊上げると、各吊下げ金具X2,X2,…は、吊上げ装置Y1を介在して充填・円筒金網籠Z1を筒中心線方向αAの下方(一方)から吊下げる。
各吊下げ金具X2,X2,…及び吊上げ装置Y1等で吊下げられた充填・円筒金網籠Z1は、図23に示すように、バックホウ等の重機にて設置場所SRに搬送(運搬)されて、設置場所SRに積載して据付けられる。設置場所SRにおいて、吊下げ状態で搬送(運搬)される充填・円筒金網籠Z1は、図23に示すように、複数、例えば、3段3列にて設置場所SRに積載して据付けられる。
各吊下げ金具X2,X2,…は、外止め具2を閉鎖位置Q1[図30(a)、図34及び図35参照]から退避位置Q2[図30(b)参照]にして、充填・円筒金網籠Z1から取外す。
金網籠ユニットは、円筒金網籠Z1(金網籠)、及び吊下げ器U2を備え、吊下げ器U2は、複数、例えば、4以上の吊下げ金具X2,X2,…を有する。吊下げ器U2は、円筒金網籠Z1を吊下げるために用いられる。吊下げ器U2において、各吊下げ金具X2,X2,…は、図24乃至図31で説明したように、金具本体31及び外止め具2を備え、金具本体31は、吊り部3、抜止め部4及び線保持部32を有する。
なお、図36において、図1乃至図35と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
金網枠体81は、複数の横金属線59,59,…、及び複数の縦金属線60,60,…を有する。
各横金属線59,59,…は、図36に示すように、布団籠Z2の筒中心線方向βAに横線間距離AT(横開き目)を隔てて並列される。各横金属線59,59,…は、長方形状に配置される。
各縦金属線60,60,…は、図36に示すように、金網枠体81の周りに縦線間距離BT(縦開き目)を隔てて並列される。各縦金属線60,60,…は、各横金属線59,59,…と直交して交差される。
充填・布団籠Z2には、図36に示すように、複数の吊下げ金具X1(又はX2)が装着され、例えば、8つの吊下げ金具X1(又はX2)が装着される。
各吊下げ金具X1(又はX2)は、図36に示すように、充填・布団籠Z2(金網枠体81)の周りに間隔を隔てて配置される。
各吊下げ金具X1(又はX2)は、充填・布団籠Z2(金網枠体81)の一方の筒端開口YCから2番目の横金属線59B(一の横金属線)を第1保持部の第1保持幅及び第2線保持部の第2保持幅(又は線保持部の保持幅)で保持する。
吊下げ装置Y1は、吊下げリング39にてバックホウ等の重機(図示しない)に連結される。
充填・布団籠Z2は、バックホウ等の重機によって、吊下げ装置Y1及び各吊下げ金具X1(又はX2)を介在して吊上げられ、設置場所(図示しない)に搬送(運搬)されて、設置場所に積載して据付けられる。
各吊下げ金具X1(又はX2)は、吊下げ装置Y1を介在して充填・布団籠Z2を筒中心線方向Baの下方(一方)から吊下げる。
以下、引張試験について、図3、図7、図8、図29、図31及び図37乃至図45等を参照して説明する。
なお、図37乃至図44において、図1乃至図35と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
引張試験は、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例1について実施した。
実施例1は、本発明の第1実施形態の吊下げ金具X1である。
実施例1において、金具本体1は、日本工業規格(JIS G 3194)の「SS400−平鋼(鋼板)」から形成した。平鋼は、板幅H1=90mm、板厚さT=6mmを使用した。金具本体1は、平鋼をJ字状に曲げ加工して、吊り部3及び抜止め部4を形成し、曲げ部分16に空隙穴15を加工して、第1線保持部5及び第2線保持部6を形成した。
実施例1において、吊り部3は、吊り幅H1=90mm、吊り厚さT=6mm、及び吊り長さL1=214mmとした(図3、図7及び図8参照)。
実施例1において、抜止め部4は、止め幅H2=90mm、止め厚さT=6mm、及び止め長さL2=44mmとした。吊り部3及び抜止め部4間の線隙間σ2=14mmとした(図3及び図7参照)。
実施例1において、吊り用長穴7は、吊り部3の幅中心aにおいて、吊り部3の一方の端3Aから穴距離HL=58mmに形成した。吊り用長穴7は、穴距離LHから吊り部3の一方の端3Aに穴長さBL=40mm、及び穴幅BH=30mmとして、吊り部3に形成した(図18参照)。
実施例1において、外止め穴8は、吊り部3の幅中心aにおいて、吊り部3の他方の端3Bからの穴間隔σ1=29mmに形成した。外止め穴8は、穴直径D1=18mmとして、吊り部3に形成した[図8(a)参照]。
実施例1において、第1線保持部5の保持厚さT=6mm、及び第2線保持部6の保持厚さT=6mmとした。
実施例1において、第1保持部5の第1保持幅H3、及び第2線保持幅6の第2保持幅H4は、同一幅(H3=H4=17.5mm)となるように空隙穴15を加工し、加工後の第1保持幅H3=17.4mm、第2保持幅H4=17.2mmとなった(図10参照)。第1保持幅H3=17.4mm、及び第2保持幅H4=17.2mmの相異は加工誤差である。
なお、実施例1において、第1穴位置幅G3=10mm、及び第2穴位置幅G4=10mmとした。
実施例1において、外止め具2のナット21は、日本工業規格「JIS B 1180」の「M16、1種」の六角ナット(鋼ナット)を使用し、外止め穴8と同心に配置して、抜止め部4の抜け裏面4bに溶接にて固定した(図8参照)。
実施例1において、外止め具2のボルト22は、日本工業規格「JIS B 1180」の「M16」の六角ボルト(鋼ボルト)を使用した。ボルト22のネジ軸26の全長:35mm、軸部28の軸長:22mm、軸直径:12mmとした。
実施例2は、本発明の第1実施形態の吊下げ金具X1である。
実施例2は、金具本体1の第1線保持部5の第1保持幅H1及び第2線保持部6の第2保持幅H2を除いて、実施例1と同じである。
実施例2において、第1線保持部5の保持厚さT=6mm、及び第2線保持部6の保持厚さT=6mmとした。
実施例2において、第1線保持部5の第1保持幅H3、及び第2線保持部6の第2保持幅H4は、同一幅(H3=H4=25.5mm)となるように空隙穴15を加工し、加工後の第1保持幅H3=24、9mm、第2保持幅H4=25.6mmとなった(図10参照)。第1保持幅H3=24.9mm、及び第2保持幅H4=25.6mmの相異は加工誤差である。
なお、実施例2において、第1穴位置幅G3=20mm、及び第2穴位置幅G4=20mmとした。
実施例3は、本発明の第2実施形態の吊下げ金具X2である。
実施例3は、金具本体31の線保持部32を除いて、実施例1と同じである。
実施例3において、線保持部32の保持厚さT=6mmとした。
実施例3において、線保持部32の保持幅H7は、吊り幅H1および止め幅H2と同一幅であって、H7=90mmとした(図31参照)。
比較例1は、マーテック株式会社の「EKNスリングフック(型式:EKN06−10)」を使用した(以下、「スリングフック」という)。
引張試験は、油圧式万能試験機[株式会社東京衡機試験機(旧JTトーシ株式会社) 型式:YU200SII,定格:2000kN)を用いて実施した。
油圧式万能試験機は、図37に示すように、上側固定体101(固定板)、及び下側可動体102等を備え、下側可動体102を油圧によって、上下方向UDに移動(変位)する。
A)引張試験は、実施例1〜実施例3の吊下げ具X1,X2及び比較例1のスリングフック95と、金網体ZY(平金網)を用いて実施した。
金網体ZYは、図37乃至図44に示すように、5本の横金属線59、及び4本の縦金属線60で構成し、各横金属線59及び各縦金属線60は、亜鉛−10%アルミニウム合金メッキ鉄線(鋼線)を使用した。各横金属線59の線径d1=6mm、各縦金属線60の線径d2=6mmの金属線を使用した。
金網体ZYにおいて、各横金属線59は、図37乃至図44に示すように、上下方向UDにおいて、横線間距離AT=94mm(横開き目)を隔てて並列した。各縦金属線60は、図37及び図44に示すように、左右方向LRにおいて、縦線間距離BT=94mm(縦開き目)を隔てて並列し、各横金属線59と直交して配置した。各横金属線59及び各縦金属線60の網目CTは、(横線間距離AT+横金属線の線径d1)×(縦線間距離BT+縦金属線の線径d2)=100mm×100mmとなる。
金網体ZYにおいて、各横金属線59及び各縦金属線60の交点CKにて、各横金属線59及び各縦金属線60同士を溶接で固定した。
各横金属線59及び各縦金属線60の溶接点(交点CK)の強度及び安全率は、日本工業規格「JIS G 3551」の「溶接金網及び鉄筋格子 11.2d」に準拠した。
金網体ZY(平金網)は、図37乃至図44に示すように、上下方向UDにおいて、各縦金属線60の一方の線端60a側(上方線端側)を油圧式万能試験機の上側固定体101(固定板)にてクランプ(把持/固定)して、油圧式万能試験機に装着(セット)した。
実施例1において、吊下げ金具X1は、図37に示すように、左右方向LRの2左から2番目の縦金属線60B及び3番目の縦金属線60C間(隣り合う縦金属線60B,60C間)に金具本体1を配置した。
実施例1において、吊下げ金具X1は、図37及び図38に示すように、上下方向UDにおいて、各縦金属線60の他方の線端60bから2番目の横金属線59B(一の横金属線)を吊り部3及び抜止め部4間(線隙間)に挿入して、金網体ZYに装着した。第1線保持部5及び第2線保持6は、上下方向UDの上方から2番目の横金属線59Bに線接触させた。第1線保持部5は、隣り合う一方の縦金属線60Bに取付隙間δ4=2mmを隔てて隣接し、第1保持幅H3=17.4mmで横金属線59B(一の横金属線)に線接触した。第2線保持部6は、隣り合う他方の縦金属線60Cに取付隙間δ4=2mmを隔てて隣接して、第2保持幅H4=17.2mmで横金属線59Bに線接触した。吊下げ金具X1は、図38に示すように、外止め具2を閉塞位置Q1にした。
実施例1において、吊下げ金具X1は、吊り部3の吊り用長穴7取付けたフック91、及び連結軸92等を介在して、油圧式万能試験機の下側可動体102に固定した。
実施例2において、吊下げ金具X1は、図39及び図40に示すように、2番目の横金属線59B(一の横金属線)を吊り部3及び抜止め部4間(線隙間)に挿入して、金網体ZYに装着した。第1線保持部5及び第2線保持部6は、上下方向UDの上方から2番目の横金属線59Bに線接触させた。第1線保持部5は、隣り合う一方の縦金属線60Bに取付隙間δ4=2mmを隔てて隣接して、第1保持幅H3=24.9mmで横金属線59B(一の横金属線)に線接触した。第2線保持部6は、隣り合う他方の縦金属線60Cに取付隙間δ4=2mmを隔てて隣接して、第2保持幅H4=25.6mmで横金属線59B(一の横金属線)に線接触した。吊下げ金具X1は、図40に示すように、外止め具2を閉塞位置Q1にした。
実施例2において、吊下げ具X1は、吊り部3の吊り用長穴7に取付けたフック91、及び連結軸92等を介在して、油圧式万能試験機の下側可動体102に固定した。
実施例3において、吊下げ金具X2は、図41及び図42に示すように、2番目の横金属線59B(一の横金属線)を吊り部3及び抜止め部4間(線隙間)に挿入して、金網体ZYに装着した。線保持部32は、上下方向UDの上方から2番目の横金属線59Bに線接触させた。線保持部32は、隣り合う縦金属線60B,60Cに取付隙間δ4=2mmを隔てて隣接して、保持幅H7=90mmで横金属線59B(一の横金属線)に線接触した。吊下げ金具X2は、図42に示すように、外止め具2を閉塞位置Q1にした。
実施例3において、吊下げ金具X2は、吊り部3の吊り用長穴7に取付けたフック91、及び連結軸92等を介在して、油圧式万能試験機の下側可動体102に固定した。
比較例1において、スリングフック95は、隣り合う縦金属線60B,60C間の縦線間隙間BTの中心Baにおいて、2番目の横金属線59Bに引っ掛けた。スリングフック95は、左右方向LRにおいて、2番目の横金属線の中心にて点接触させた。
比較例1において、スリングフック95は、連結軸92等を介在して、油圧式万能試験機の下側可動体102に固定した。
A)引張試験の終了後において、実施例1の吊下げ金具X1、実施例2の吊下げ金具X1、実施例2の吊下げ金具X2及び比較例1のスリングフック95には、破損等は認められなかった。
図45の「グラフ」は、縦軸(Y軸)に荷重(kN)、及び横軸(X軸)に変位(mm)を示す。図45の「グラフ」の荷重(kN)は、図37乃至図44に示すように、金網体ZYの2番目横金属線59B(一の横金属線)に対して、せん断方向に作用するせん断荷重Wτ(kN)である。図45の変位(mm)は、油圧式万能試験機の下側可動体の移動量(変位量)であって、図37及び図44に示すように、金網枠YZの2番目の横金属線(一の金属線)のせん断方向のせん断変位δτ(mm)である。
最大せん断荷重Wτの差は、実施例1、実施例2及び実施例3の吊下げ金具X1,X2では、2番目の横金属線59Bに線接触して、横金属線59Bの一点に荷重(集中荷重)を作用しないのに対し、比較例1のスリングフック95では、2番目の横金属線に点接触して、横金属線59Bの一点に集中荷重が作用したことに起因する。
せん断変位δτの差は、実施例1、実施例2及び実施例3の吊下げ金具X1,X2では、2番目の横金属線59Bに線接触して、横金属線59Bの一点に荷重(集中荷重)を作用しないのに対し、比較例1のスリングフック95では、2番目の横金属線に点接触して、横線金属線59Bの一点に集中荷重が作用したことに起因する。
最大せん断荷重Wτの差は、2番目の横金属線59Bに線接触する幅(第1及び第2保持幅、保持幅)に起因する。
実施例1及び実施例2の吊下げ金具X1において、図37及び図39に示すように、第1線保持部5の第1保持幅H3、及び第2線保持部6の第2保持幅H2を狭くして、隣り合う縦金属線60B.60Cに隣接して線接触し、及び2番目の横金属線59Bの中心側で横金属線59Bに接触しない幅とすることで、2番目の横金属線59Bの最大せん断荷重Wτ(kN)を大きくできる。
また、実施例1及び実施例2の吊下げ金具X1において、第1及び第2保持幅H3、H4を、25.6(mm)〜17.4(mm)の範囲で徐々に狭くすることで、2番目の最大せん断荷重Wτは、18.1(kN)〜20.3(kN)の範囲で徐々に大きな値になる。
引張試験の結果から、2番目の横金属線59Bの中心側(縦線間距離BTの中心Ba側)で横金属線59Bに接触(保持)することなく、隣り合う縦金属線60B.60Bに隣接する側で横金属線59Bに線接触することで、横金属線59Bの変形や破断を効果的に抑制できることが認められる。即ち、隣り合う縦金属線60B.60Cの交点で溶接されて強度が補強された側で横金属線に線接触(保持)することで、横金属線の変形や破断を効果的に抑制できることになる。
これにより、本発明に係る吊下げ金具X1,X2にて、中詰材が充填された金網籠Z1,Z2の隣り合う縦金属線間の一の横金属線を保持(線接触)して、金網籠Z1,Z2を吊下げても、金網籠Z1,Z2の重量による一の横金属線の変形や破損等を抑えることができる。
1 金具本体
2 外止め具(外止め体)
3 吊り部(吊り金属平板)
3C 一方の幅端(吊り部)
3D 他方の幅端(吊り部)
a 幅中心
4 抜止め部(抜止め金属平板)
4C 一方の幅端(抜止め部)
4D 他方の幅端(抜止め部)
5 第1線保持部(第1保持金属平板)
6 第2線保持部(第2保持金属平板)
δ1 第1間隔(第1距離)
P1 第1位置
δ2 第2間隔(第2距離)
P2 第2位置
σ2 線間隔
Z1 金網籠
α 筒中心線
αA 筒中心線方向
S 中詰材
59 横金属線(円弧横金属線)
60 縦金属線
Claims (2)
- 筒形状に形成され、
筒中心線方向に横線間距離を隔てて並列される複数の横金属線、及び縦線間距離を隔てて並列され、前記各横金属線と直交する複数の縦金属線を有し、
前記各金属線の交点にて前記各横金属線及び前記各縦金属線同士を固定し、及び中詰材が充填された金網籠において、
前記金網籠を筒中心線方向に吊下げるための吊下げ金具であって、
隣り合う縦金属線間に配置され、前記隣り合う縦金属線間の一の横金属線を筒中心線方向の一方から保持する金具本体を備え、
前記金具本体は、
前記隣り合う縦金属線間に、前記縦線間距離より僅かに狭い吊り幅を有して配置され、
前記金網籠の外側において、前記一の横金属線に並列して配置される吊り部と、
前記隣り合う縦金属線間に、前記縦線間距離より僅かに狭い止め幅を有して配置され、前記吊り部に線隙間を隔てて並列され、及び前記金網籠の内側において、前記中詰材及び前記一の横金属線間に配置される抜止め部と、
前記吊り部及び前記抜止め部間において、前記吊り部の一方の幅端側に配置され、前記吊り部及び前記抜止め部と一体にされ、及び筒中心線方向の一方から前記一の横金属線を保持する第1線保持部と、
前記吊り部及び前記抜止め部間において、前記吊り部の他方の幅端側に配置され、前記吊り部及び前記抜止め部と一体にされ、及び筒中心線方向の一方から前記一の横金属線を保持する第2線保持部と、を有し、
前記吊り部及び前記抜止め部は、
前記線隙間に前記一の横金属線を挿入して、前記金網籠の外側及び内側に配置され、
前記第1線保持部は、
前記吊り部の幅中心から一方の幅端側に第1間隔を隔てる第1位置、及び一方の幅端間の距離の第1保持幅を有し、
前記一の横金属線を前記第1保持幅で保持し、
前記第2線保持部は、
前記吊り部の幅中心から他方の幅端側に第2間隔を隔てる第2位置、及び他方の幅端間の距離の第2保持幅を有し、
前記一の横金属線を前記第2保持幅で保持する
ことを特徴とする吊り金具。 - 筒形状に形成され、
筒中心線方向に横線間距離を隔てて並列される複数の横金属線、及び縦線間距離を隔てて並列され、前記各横金属線と直交する複数の縦金属線を有し、
前記各金属線の交点にて前記各横金属線及び前記各縦金属線同士を固定し、及び中詰材が充填された金網籠において、
前記金網籠を筒中心線方向に吊下げるための吊下げ金具であって、
隣り合う縦金属線間に配置され、前記隣り合う縦金属線間の一の横金属線を筒中心線方向の一方から保持する金具本体を備え、
前記金具本体は、
前記隣り合う縦金属線間に、前記縦線間距離より僅かに狭い吊り幅を有して配置され、前記金網籠の外側において、前記一の横金属線に並列して配置される吊り部と、
前記隣り合う縦金属線間に、前記縦線間距離より僅かに狭い止め幅を有して配置され、前記吊り部に線隙間を隔てて並列され、及び前記金網籠の内側において、前記中詰材及び前記一の横金属線の間に配置される抜止め部と、
前記吊り部及び前記抜止め部の間に配置され、前記吊り部及び前記抜止め部と一体にされ、及び筒中心線方向の一方から前記一の横金属線を保持する線保持部と、
を有し、
前記吊り部及び前記抜止め部は、
前記線隙間に前記一の横金属線を挿入して、前記金網籠の外側及び内側に配置され、
前記線保持部は、
前記吊り部の両幅端間の距離の保持幅を有し、
前記一の横金属線を前記保持幅で保持する
ことを特徴とする吊下げ金具。
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