JP5128717B1 - 築堤マット - Google Patents

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【課題】組立作業が容易で、組立時間を短縮し、作業効率を向上させることができる築マットを提供する。
【解決手段】築堤マットは、石詰め用の石を投入するための金網製カゴ1と、金網製カゴ1を収容する鋼材製枠2とからなり、築堤マットとして組み立てられた状態においては、金網製カゴ1の網目に鋼材製枠2が通っていない構造となっている。鋼材製枠2は、コ字形又はL字形に屈曲されたコ字形又はL字形屈曲鋼材4と、ロ字状に屈曲されたロ字状屈曲鋼材5とを組み合わせて箱形に形成する。コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の先端には吊り下げ用の吊下孔6を設け、吊下孔6の下方に金網製カゴ1の枠線を引っ掛ける爪突起7を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、港湾関係工事や道路河川工事において、施工個所に吊下げ移動される築マットに関する。
石を詰めるための石詰めカゴ(マット)は、築堤港湾用、すなわち漁港・工業港等の建設工事の他、臨海埋立、人工漁礁、防波堤、根固め、消波、海岸・河岸浸食防止、海底パイプライン敷設工事、山間部での法面保護等の工事、災害時の緊急復旧工事など、様々な場面で用いられる。
石詰めカゴは、菱形金網、溶接金網、亀甲金網などのカゴ(マット)に、カゴ1個に10〜100kg等の大きく重量のある石を詰めることによって形成される。
また、マットには鋼材タイプ、すなわち鋼材マットと呼ばれる製品がある。鋼材マットは金網の中に鋼材を組み込み、その後鋼材の組み込まれた金網を箱状に組み立てて形成され、使用の際は、鋼材マットの中に石を投入し、最後に上面に蓋網を被せて固定する、というものである。組立の際には、金網の中に鋼材を全て組み込み、鋼材は一本ずつボルトで締め付けられて箱状に組み立てられる。
鋼材マットについては、製造作業が能率的に行えて且つ簡単な築堤マット用の篭が知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、一対の側面枠体と、一対の妻面枠体と、前記側面枠体に配設される一対の側面網と、前記妻面枠体に配設される一対の妻面網と、底面網と、蓋網とから箱形に形成される築堤マット用の篭であって、前記側面枠体および妻面枠体は、両端にリング状部を有する上枠鋼棒と、一端にリング状部を有し他端にネジ切部を有する下枠鋼棒と、上端にネジ切部を有して上枠鋼棒のリング状部に挿通しかつ下端にリング状部を有して下枠鋼棒が挿通する一対の側枠鋼棒とから構成されるものである。
しかしながら、上記公知技術文献に開示されている技術も含め、従来の鋼材マットには次のような問題があった。すなわち、鋼材マットの組立の際、金網の中に鋼材全てを組み込む作業をしなくてはならないし、鋼材は一本ずつボルトで締め付けて箱状に組み立てなくてはならない。
これらの組立作業には相当の時間が掛かり、作業性効率が悪く、作業性が良くなかった。また、作業は屋外でなされるため、風・雨・雪といった自然条件の影響を直接受ける状況での作業とせざるを得ず、かかる状況下では、さらに組立時間の長期化、作業効率の低下を招いていた。
さらに、これらの作業には、比較的高齢の者が当たることも多い。老年者・高齢者にとっては、鋼材マットの組立作業は一層過酷なものになるといえる。これら従来の状況・問題点は、上記公知技術文献の開示技術によっても何ら着目されておらず、当然ながら解決できるものでもない。
特開2001−207426号公報 実開平03−54821号公報(図1を参照)
本発明は、組立作業が容易で、組立時間を短縮し、作業効率を向上させることができる築マットを提供することを目的とする。
本発明の築マットは、石詰め用の石を投入するための矩形体の金網製カゴと、該金網製カゴを吊下げする鋼材製枠とからなり、前記金網製カゴと鋼材製枠とを完全分離型とし、前記金網製カゴと前記鋼材製枠とを別々に組み立てて、前記鋼材製枠の中に前記金網製カゴを挿入する築マットであって、前記鋼材製枠の直立部分に設けた爪突起に前記金網製カゴの枠線を引っ掛けて保持するものである。
前記鋼材製枠は、複数のコ字形又はL字形の屈曲鋼材を組み合わせて箱状に形成する。
前記爪突起は、前記鋼材製枠の直立部分の鋼材に溶接、接着又はボルト締め等により前記鋼材とは別の部材を取り付けるか、又は前記直立部分の鋼材を逆U字状、I字状又は逆L字状等に打ち抜くことにより形成する。
本発明の築マットは、金網製カゴを鋼材製枠の中に挿入すればよいだけであるため、組立作業が極めて容易となり、組立時間を大幅に短縮することができ、そして作業効率を向上することができる。特に重労働であるところの、金網に鋼材を組み込む作業の労力が全く掛からなくなるため、作業性が高まり、作業員にとっても非常に作業しやすくなる。
本発明の築マットは、従来のように、鋼材を一本ずつボルトで締付ける作業の必要もなくなる。さらに鋼材製枠は屈曲鋼材を用いるため、鋼材製枠の少なくとも二辺を形成するための鋼材が一体であるため、鋼材製枠の組立の際の固定個所を減らすことができ、鋼材製枠自体の強度も高めることができる効果がある。
本発明の築マットは、屋外の、しかも風・雨・雪といった自然条件の影響を直接受ける状況での作業となる鋼材マットの組立作業の苦労・過酷さを、根本的に解消することができる。またこのことは、上述の通り作業効率を大いに向上させ、作業性を高めることに直接つながり、工期を短縮させることができ、その後の作業や工程を加速することができ、ひいては工事目的の構造物等における生産・製造活動の開始を、早めることができる。
また本発明による作業労力軽減効果は、係る作業に従事することの多い老年者・高齢者にとっては特に喜ばれることであり、人に優しい、人間性重視の生産活動の一つとしても、大いに意義を有するものである。
本発明の築マットを分解して示す分解斜視図である。 金網製カゴと鋼材製枠と結合部を示す拡大説明図である。 爪突起を示す拡大説明図である。
本発明の築マットの一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の分解斜視図に示すように、本発明の築マットは、石詰め用の石を投入するための金網製カゴ1と、該金網製カゴ1を収容する鋼材製枠2とからなり、築マットとして組み立てられた状態においては、前記金網製カゴ1の網目に前記鋼材製枠2が通っていない構造となっている。
なお、番号3は、前記金網製カゴ1に石詰め用の石が投入された後、前記金網製カゴ1の開口部を塞ぐ蓋網である。
前記金網製カゴ1は、菱形金網、溶接金網、亀甲金網などから矩形体に形成された篭本体である。
前記鋼材製枠2は、コ字形又はL字形に屈曲されたコ字形又はL字形屈曲鋼材4と、ロ字状に屈曲されたロ字状屈曲鋼材5とを組み合わせて箱形に形成する。すなわち、前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4を十字に重ね合わせ、前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の中間内側に前記ロ字状屈曲鋼材5を水平に固定し、全体形状を前記金網製カゴ1が収容できる箱形に形成する。
前記鋼材製枠2は、複数のコ字形又はL字形屈曲鋼材4とロ字状屈曲鋼材5が組み合わされて形成されるが、前述のように各コ字形又はL字形屈曲鋼材4とロ字状屈曲鋼材5は前記金網製カゴ1の網目を通っていない。つまり本発明の築堤マットを構成する金網製カゴ1と鋼材製枠2とは、完全に分離した状態で形成されており、使用の際にも、金網製カゴ1の網目に鋼材製枠2が通されて組み込まれる、いわば編み込まれた形態をとることはない。
図2の拡大説明図に示すように、前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の先端には吊り下げ用の吊下孔6を設け、該吊下孔6の下方に前記金網製カゴ1の枠線を引っ掛ける爪突起7を設ける。
前記爪突起7は、前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の鋼材に溶接、接着又はボルト締め等により前記鋼材とは別の部材を取り付けるか、又は前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の鋼材を逆U字状、I字状又は逆L字状等に打ち抜くことにより形成する。なお、本実施例では、鋼材を逆U字状に打ち抜いて形成した爪突起7を示す。
次に、本発明の築マットの組立方法を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1に示すように、コ字形又はL字形屈曲鋼材4を十字に重ね合わせ、前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の中間内側に前記ロ字状屈曲鋼材5を水平に固定し、全体形状を前記金網製カゴ1が収容できる箱形に形成する。
そして、菱形金網、溶接金網、亀甲金網などから矩形体に形成された金網製カゴ1を箱形に形成された鋼材製枠2へ収容する。その際、図3に示すように前記金網製カゴ1の枠線を前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の爪突起7に係合させる。
その状態で、石詰め用の石を前記金網製カゴ1に投入し、詰込みが完了したら、最後に蓋網3による被覆・固定がされて詰込作業が完了する。
その後、前記鋼材製枠2の吊下孔6に図示しない吊フックを引っ掛けて、築堤マットを施工個所へ移動させる。
本発明の築堤マットでは、予め形成された状態の鋼材製枠2の内部に、別途形成された金網製カゴ1が挿入され、その状態で、石詰め用の石が投入され、最後に蓋網3による被覆・固定がなされて、作業が完了するため、前記金網製カゴ1と前記鋼材製枠2はいずれも、その材料である金網や鋼材を用いて、現場にて容易に組み立てることができる。
つまり、前記金網製カゴ1と前記鋼材製枠2とが完全分離型で準備され、使用時には前者を後者に挿入する作業のみである。したがって、従来のように金網と鋼材を用いてこれらを一体に組み込んで形成する手間が全く不要となるため、作業は極めて容易なものとなり、作業時間を大幅に短縮することができる。
また、前記鋼材製枠2のコ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分には、爪突起7が設けられているため、石詰め作業時や吊下げ時に、前記金網製カゴ1の枠線を前記コ字形又はL字形屈曲鋼材4の直立部分の爪突起7に係合させ、前記金網製カゴ1の垂れ下がり等の変形を防止することができる。
1 金網製カゴ
2 鋼材製枠
3 蓋網
4 コ字形又はL字形屈曲鋼材
5 ロ字状屈曲鋼材
6 吊下孔
7 爪突起

Claims (2)

  1. 石詰め用の石を投入するための矩形体の金網製カゴと、該金網製カゴを吊下げする鋼材製枠とからなり、前記金網製カゴと鋼材製枠とを完全分離型とし、前記金網製カゴと前記鋼材製枠とを別々に組み立てて、前記鋼材製枠の中に前記金網製カゴを挿入する築堤マットであって、前記鋼材製枠の直立部分の鋼材を逆U字状、I字状又は逆L字状等に打ち抜くことにより形成した爪突起に前記金網製カゴの枠線を引っ掛けて保持することを特徴とする築堤マット。
  2. 石詰め用の石を投入するための矩形体の金網製カゴと、該金網製カゴを吊下げする鋼材製枠とからなり、前記金網製カゴと鋼材製枠とを完全分離型とし、前記金網製カゴと前記鋼材製枠とを別々に組み立てて、前記鋼材製枠の中に前記金網製カゴを挿入する築堤マットであって、前記鋼材製枠の直立部分の鋼材に溶接、接着又はボルト締め等により前記鋼材とは別の部材を取り付けた爪突起に前記金網製カゴの枠線を引っ掛けて保持することを特徴とする築堤マット。
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