JP4455966B2 - 補強土壁構築具 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直または傾斜状の法面を形成し維持するための補強土壁構築具(補強土壁構築部材)に関するものである。なお、補強土壁は、擁壁、土留構造壁、盛土壁などと呼ぶこともできる。
従来、テールアルメ工法やジオテキスタイル工法に代表される補強土壁の構築方法が知られている。これらは、壁面を構成する壁面材と、この壁面材に連結されて盛土内に埋設される補強材とから構成される。そして、壁面材としてコンクリートパネルを用いる工法は、外観上安定感があり、都市部において多く使用されている。
ところが、コンクリートパネルを壁面材として使用する場合、壁面へ作用する力を軽減する工夫が必要となる。なぜなら、盛土の圧縮沈下により、壁面材と補強材との連結部に垂直方向および水平方向の過大な力が作用し、また壁高さに比例して水平土圧が増大するからである。そこで、従来、コンクリートパネルの背面に、合成樹脂の発泡ブロックを配置したり(特許文献1)、あるいは単粒度砕石を充填したり(特許文献2)することが提案されている。
特開昭63−44026号公報 特開2001−182065号公報
本発明が解決しようとする課題は、コンクリートパネルを用いつつ簡易な構成および施工で、強固で安定した補強土壁を構築し得る補強土壁構築具を提供することにある。特に好ましくは、壁面へ過大な力が作用するのを防止でき、地盤の圧縮沈下への追随にも対応できる補強土壁構築具を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、コンクリートパネルから構成される壁面材と、上下の壁面材同士を架け渡すように設けられる管状の縦パイプと、この縦パイプに連結され、壁面材から後方へ延出して設けられる補強材とを備え、前記壁面材は、略矩形板状の本体部の後面に、一以上の突部が設けられ、前記突部に上下方向に沿って貫通穴が形成されたコンクリートパネルとされ、前記突部の前記貫通穴の直径は、前記縦パイプが摺動可能に差し込まれるよう前記縦パイプの外径と対応して形成されており、いずれかの前記突部の前記貫通穴内で上下の前記縦パイプの両端部が突き合わされて配置されることを特徴とする補強土壁構築具である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成要件に加えて、上下に離隔して配置される前記突部間において、前記縦パイプには、前記補強材としてのチェーンの一端部が、所定時には縦パイプに対し相対的に下方への移動を許容するよう位置決めされて接続されることを特徴とする補強土壁構築具である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成要件に加えて、前記縦パイプの外周面にはめ込まれたリングに、縦パイプに通される環状部を備えた接続具の下端部が当接されて位置決めされ、この接続具に、前記補強材としてのチェーンの一端部が接続されることを特徴とする補強土壁構築具である。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記壁面材と離隔して後方に配置され、前記壁面材と略平行に配置される垂直面を有する網状部材と、この網状部材の前記垂直面に配置されるシート状部材とを更に備え、前記壁面材と前記網状部材との間に土圧低減層を設けつつ、前記網状部材よりも後方に盛土がなされることを特徴とする補強土壁構築具である。
さらに、請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成要件に加えて、前記土圧低減層に、硬質ゴム粒と土との混合物、またはスラグが使用されることを特徴とする補強土壁構築具である。
本発明の補強土壁構築具によれば、コンクリートパネルを用いつつ簡易な構成および施工で、強固で安定した補強土壁を構築することができる。
以下、本発明の補強土壁構築具とそれを用いた補強土壁の構造およびその構築について、実施例に基づき更に詳細に説明する。
図1は、本発明の補強土壁構築具の一実施例の使用状態を示す分解斜視図である。この図に示すように、本実施例の補強土壁構築具は、コンクリート製の略矩形パネルからなる壁面材1,1…と、この壁面材1を上下に連結する縦パイプ2,2…と、この縦パイプ2に一端部が接続される鎖状の補強材3,3…と、この補強材3の他端部を保持するためのアンカー4と、前記壁面材1から後方へ離隔して配置される網状部材5および吸出し防止部材6を主要部として備える。
壁面材1は、略矩形板状に形成された本体部7と、この本体部7の後面に形成された複数の突部8,8…とが、一体形成されたコンクリートパネルである。本体部7は、その大きさを特に問わないが、本実施例では上下方向(壁面材の高さ)寸法が1000mmとされ、左右方向(壁面材の幅)寸法が1500mmとされる。
本実施例では、壁面材1の幅方向両端部からやや内側に入った左右位置と、幅方向中央位置とに、それぞれ突部8が設けられる。そして、前記左右位置および中央位置において、それぞれ上下方向中央部と上下両端部とに突部8が設けられる。このようにして、本実施例の壁面材1には、板状の本体部7の後面に、合計九個の突部8が設けられる。なお、各突部8は、壁面材1同士を左右に当接して並べた際に、左右方向に等間隔に配置されよう設けられている。
各突部8は、同一断面形状であり、それぞれ直方体のブロック状に、板状の本体部7から後方へ突出して設けられている。但し、本体部7との接続部は、本体部7の側へ行くに従って幅寸法を増す傾斜面8a,8aにて接続されている。また、上下方向に一列に並んだ各突部8には、上下方向に貫通穴8bが同一軸線上に形成されている。なお、各壁面材1における上下方向中央部の突部8は、上下両端部のものよりも上下方向寸法が長く(具体的には二倍の長さに)形成されている。
各突部8に形成された貫通穴8bには、縦パイプ2が上下方向に沿って差し込まれる。縦パイプ2としては、管状、特に断面円形のパイプが好適に使用される。円形パイプを使用することで、軽量で強度の確保も可能である。縦パイプ2の外径は、壁面材1の突部8の貫通穴8bの内径よりも一回り小さく形成されている。従って、縦パイプ2は、壁面材1の突部8の貫通穴8bに、ほぼ適合してはめ込まれる。
上下に積み重ねられる壁面材1,1同士は、上下方向に沿って配置される各突部8の貫通穴8bに、縦パイプ2が通されることで、位置決めされ連結される。その際、各壁面材1の上下方向中央部に配置される突部8の中央部で、上下の縦パイプ2,2が突き合わされて接続されるよう構成する。そのために、各縦パイプ2は、壁面材1の高さ寸法に対応した長さに設定される。そして、補強土壁の最下部と最上部の縦パイプ2Aだけは、壁面材1の高さ寸法の半分の長さか、或いは1.5倍の長さのものが使用される(図9参照)。
突部8の貫通穴8bは、縦パイプ2とほぼ対応した径に形成されているので、上下の縦パイプ2,2の両端部を突き合わせて差し込むだけで、縦パイプ2,2ひいては壁面材1,1の上下の連結が簡易に且つ確実で強固になされる。このように、本実施例では、縦パイプ2が、上下の壁面材1,1をつなぐ補助機能を持ち、且つ、上下の壁面材1,1同士のズレ止めの役割をする。
上下の隣接した突部8,8間(各壁面材1の下端部と上下方向中央部の各突部8,8間、あるいは上下方向中央部と上端部との各突部8,8間)に露出する縦パイプ2には、補強材接続用の接続具9が設置可能である。本実施例の接続具9は、細長い鋼板を略U字形状に屈曲形成してなり、且つその開放端部同士をやや近接させた形状である。すなわち、略半円形状の屈曲部の両端部は、傾斜部を介して互いに近接し、その先端部は互いに隙間をあけて平行に配置されている。この隙間は、後述するチェーン3のリンクの厚さより若干大きく設定されている。また、前記屈曲部の円弧は、縦パイプよりも一回り大きく形成されている。
このようにして略環状に形成された接続具9は、その屈曲部側に縦パイプ2をほぼ適合してはめ込むことができる。そして、開放両端部間には、補強材としてのチェーン3が連結可能とされている。つまり、接続具9の開放端部間の隙間に、チェーン3の一端部のリンクを配置した状態で、そのリンクの穴を通して、開放端部間にピンを架け渡すよう設けられる。
ところで、接続具9を縦パイプ2の中途部に保持するために、縦パイプ2には、前記突部8,8間の上下方向中央部よりやや下方位置に、接続具9の下端部を保持するためのゴムリング10がはめ込まれている。これにより、縦パイプ2に通される接続具9の下端部は、ゴムリング10に当接されて位置決めされる。
本実施例の補強材は、チェーン3から構成される。このチェーン3は、周知のとおり、環状のリンク同士が互いに連結されてなる。各リンクは、同一形状とされ、略半円形状の湾曲部同士が直線状部にて連設されてなる略長円形状である。そして、このチェーン3は、上述したように、一端部のリンクが接続具9に連結可能とされている。つまり、一端部のリンクは、接続具9の開放端部間に挟み込まれた状態で、開放端部同士を架け渡すよう設けられるピンが差し込まれる。
一方、チェーン3の他端部は、アンカー4にて保持可能である。本実施例のアンカー4は、チェーン3の他端部を係合するアンカー材11と、このアンカー材11を土に固定するためのアンカーピン12とから構成される。本実施例のアンカー材11は、水平片13と垂直片14とからなるL字形状材から構成される。水平片13には、チェーン3の他端部を挿通可能な挿通穴13aが形成されている。そして、この挿通穴13aと連続して垂直片14の中途まで延びて、延出溝14aが形成されている。この延出溝14aは、前記挿通穴13aを通されたチェーン3の他端部を、脱落不能に垂直片14へ移動可能とされている。
また、アンカー材11の水平片13には、前記挿通穴13aを挟んだ二箇所に、小穴13b,13bが形成されている。この小穴13bには、アンカーピン12が差し込み可能とされる。本実施例のアンカーピン12は、下向きコ字形状に屈曲された線材から構成される。従って、このアンカーピン12の両端部を前記小穴13b,13bに通して、地面に打ち込むことで、アンカー材11ひいてはチェーン3他端部を固定することができる。
前記壁面材1の後方には、略L字形状断面の網状部材5が設置される。この網状部材5は、樹脂から構成してもよいが、本実施例では金網から構成される。その際、棒状鋼材を格子状に溶接した溶接金網でもよいが、本実施例ではエキスパンドメタルから構成されている。網状部材5は、壁面材1と平行に配置される垂直片5aと、この垂直片5aの下端部から後方へ延出する水平片5bとからなる。なお、本実施例では、網状部材5の高さ(垂直片5aの上下方向寸法)は、壁面材1の本体部7の高さの半分に設定されている。
そして、網状部材5には、少なくとも垂直片5aに沿って、吸出し防止部材6が設けられる。吸出し防止部材6は、シート(マット)状部材であり、具体的には不織布を使用することができる。本実施例では、この不織布6を網状部材の垂直片5aの後面に沿って配置して使用する。
ところで、網状部材5の垂直片5aより後方領域には、盛土15がなされるが、その垂直片5aと壁面材1との間には、盛土15よりも軽量材料が充填されて、透水層を兼ねた土圧低減層(土圧吸収層)16とされる(図9参照)。土圧低減層16には、たとえば、土工用水砕スラグなどの各種スラグを用いることができる。具体的には、鉄鋼製造工程において発生する副産物の鉄鋼スラグや、都市ごみプラントなどから排出される溶融スラグを使用することができる。
スラグは、砂質土に比べて軽量(2/3程度)であるため、壁面に作用する水平土圧を小さくできる。また、スラグの粒度分布は砂と類似しているため、後方の盛土の変形を吸収し、水平土圧を小さくできる。しかも、スラグは、時間と共に固結し強度が向上する性質(潜在水硬性)を有するので、壁面に作用する水平土圧を低減できる。
また、スラグは、上述したように、軽量で、変形吸収性や潜在水硬性を有するだけでなく、さらに強度が砂よりも高く、透水性が砂と同等で、1mまでの仕上がり厚さを一層まき出しで施工でき、凍上現象が起こらず、鋼材への腐食の影響が一般土壌と変わらず、環境負荷の小さなリサイクル資材でもある。
なお、土圧低減層16には、スラグに代えて、硬質ゴム粒と土との混合物を用いてもよい。土に混合する硬質ゴムは、廃棄物のタイヤをリサイクルしたゴムシュレッズ(破砕片)や、ゴム工場で発生する廃棄物を利用することができる。土圧低減層に硬質ゴム粒を使用することで、軽量な土層となり、土圧低減を図ることができる。
次に、上記構成の補強土壁構築具を用いて、補強土壁を構築する施工方法について説明する。図2から図9は、補強土壁の施工状態を時系列に示す図である。まず、図2は、基礎工の施工状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)はその平面図である。
この図2に示すように、まず補強土壁を構築しようとする箇所において、根入れ部分を掘削し、基礎工を施工する。つまり、掘削箇所に砕石基礎17を築き、その上部にコンクリートを打設して基礎を固める。このようにして設けられたコンクリート基礎18上には、壁面前面の配置位置を示すための墨だし19が行われる。なお、コンクリート基礎18には、その上に設置される壁面材1の四隅に対応して、鉄筋20,20…が上方へ突出して設けられている。
次に、図2(b)および図3に示すように、前記墨だしされた線を利用して、一段目の壁面材1を、コンクリート基礎18上に左右に並べて設置する。その際、壁面材1の前倒れを防ぐために、パイプサポート21にて壁面材1の前面が支持される。また、前記鉄筋20と壁面材1との間には、スペーサ22が楔状に詰められて、壁面材1は確実に位置決めされる。
次に、図4に示すように、エキスパンドメタルなどからなる断面略L字形状の網状部材5を設置する。つまり、網状部材5の水平片5bを地面に置き、これによりその垂直片5aは上方へ延出して配置される。この網状部材5の垂直片5aと壁面材1との離隔距離は、たとえば50cmに設定される。そして、その網状部材5の垂直片5aの後面に沿って、吸出し防止部材6が設置される。さらに、壁面材1の突部8には、縦パイプ2(2A)が挿入される。図示例では、最下部の縦パイプ2Aは、壁面材1の半分の高さのものを使用しているが、1.5倍の長さのものを使用してもよいことは、前述したとおりである。縦パイプ2の設置時には、リング10を介して接続具9が保持される。
次に、図5に示すように、網状部材5の垂直片5aよりも後方領域に盛土15(15A)する。盛土15Aは、網状部材5の高さまで一気に行うのではなく、ここでは網状部材5の半分(壁面材1の四分の一)の高さずつ順次に行われる。例えば、盛土材を30cmの高さまで巻きだし、それを層厚25cmに締め固める。その後、壁面材1と盛土層15Aとの間を、スラグ16(16A)で埋める。スラグ16Aは、盛土層15Aと同じ高さまで投入される。
そして、そのようにして水平にされたスラグ16Aおよび盛土15Aの上に、チェーン3を敷設する。つまり、接続具9にチェーン3の一端部を接続すると共に、そのチェーン3の他端部をアンカー材11の垂直片14に係合し、そのアンカー材11の水平片13をアンカーピン12にて、締め固めた盛土15Aに固定する。このようにして、盛土された地面に、チェーン3が十分に伸長した状態で固定される。なお、必要に応じて、網状部材5の垂直片5aおよびそこに重ね合わされる吸出し防止部材6には、チェーン3が通される位置に対応して、現場で穴が開けられる。また、チェーン3と網状部材5とは、適宜クリップ(不図示)で留められ、盛土15による網状部材5の前倒れが防止される。
次に、図6に示すように、一段目の網状部材5の上端部まで、二層目の盛土15(15B)がなされる。そして、図7に示すように、締め固められた二層目の盛土15Bの上部に、二段目の網状部材5および吸出し防止部材6が設置される。そして、その二段目の網状部材5の半分の高さまで、三層目の盛土15(15C)が施工される。
次に、図8に示すように、三層目の盛土15Cがなされた高さまで、壁面材1と網状部材5との空間に、スラグ16(16B)が投入される。なお、このスラグ投入前には、一段面の壁面材1には、その上部と上下方向中央部との突部間にも縦パイプ2が挿入され、その縦パイプ2にはリング10を介して接続具9が保持される。そして、スラグ投入後には、まず、二段目の壁面材1を予め設置しておくのが好ましい。これにより、チェーン3やアンカー4を設置する作業者の安全確保が図られる。
壁面材1,1同士の上下の連結は、下段の壁面材1の上面に、ゴムプレート(不図示)を敷き、上段の壁面材1を載置すればよい。その際、下段の壁面材1から上方へ延出する縦パイプ2は、上段の壁面材1における下端部と上下方向中央部の各突部8へ挿入される。そして、その突部8,8間には、チェーン接続用の接続具9がリング10で保持されて設けられる。
その後、図8に示すように、二段目のチェーン3が敷設される。以後、同様に、網状部材5上端部までの盛土15、さらに上段の網状部材5設置、その網状部材5の半分までの盛土15、その高さまでのスラグ16の投入、チェーン3の敷設、縦パイプ2の挿入、上段の壁面材1の設置、が順次に繰り返し行われる。このようにして、必要な高さまで、盛土15やスラグ16を投入しつつ、壁面材1や網状部材5を上下に積み重ねていくことで、図9に示すような補強土壁が完成する。なお、図9では、補強土壁の最上部に、笠コンクリート23が設けられ、その高さまで盛土15がなされている。また、パイプサポート21は除去され、基礎部は地中へ埋設される(符号24)。
このようにして構築された補強土壁は、強固で安定したものとなる。特に、土圧低減層16により、壁面への土圧の低減を図ることができる。この際、盛土層15と土圧低減層16という変形特性の異なる二層構造を有することになるが、チェーン3のようなフレキシブル構造の補強材を使うことで、そのような二層構造にも対応することができる。
しかも、地盤の圧縮沈下により、壁面材1に対しチェーン3が下方へ相対的に移動しようとする場合には、所定以上の荷重がゴムリング10にかかると、ゴムリング10が下方へ移動または破壊することで、地盤の圧縮沈下に追随することができる。
本発明の補強土壁構築具は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、壁面材1の大きさや、突部8の形成箇所や大きさおよび形状は、適宜に変更される。また、施工方法も適宜に変更可能である。
また、前記実施例では、縦パイプ2の中途部にはめ込んだゴムリング10にて接続具9を保持する例について説明したが、チェーン3の一端部を仮保持できる構成であれば、ゴムリング10に限らない。例えば、一部が切り欠かれた略円環状の帯状材からなるプラスチックや金属製のリングを、縦パイプ2の外周部から無理ばめしてもよい。さらに、紐を用いたり、溶接で突起を設けたりしてもよい。
本発明の補強土壁構築具の一実施例による補強土壁の概略構成を示す分解斜視図である。 図1の補強土壁構築具による補強土壁の施工状態を示す図であり、基礎工の施工状態を示し、(a)は断面図、(b)はその平面図である。 図2の状態からさらに、コンクリート基礎上に一段目の壁面材を設置した状態を示す断面図である。 図3の状態からさらに、一段目の網状部材を設置した状態を示す断面図である。 図4の状態からさらに、一層目の盛土とスラグ投入とを行い、チェーンを敷設した状態を示す断面図である。 図5の状態からさらに、二層目の盛土を施した状態を示す断面図である。 図6の状態からさらに、二段目の網状部材を設置し、三層目の盛土を施した状態を示す断面図である。 図7の状態からさらに、スラグ投入しチェーンを敷設した状態を示す断面図である。 図8の状態からさらに進み、補強土壁が完成した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 壁面材(コンクリートパネル)
2 縦パイプ
3 補強材(チェーン)
4 アンカー
5 網状部材(金網など)
5a 垂直面(垂直片)
6 吸出し防止部材(シート状部材、不織布)
7 本体部
8 突部
8b 貫通穴
9 接続具
10 リング(ゴムリング)
11 アンカー材
12 アンカーピン
15 盛土
16 土圧低減層(スラグ)
17 砕石基礎
18 コンクリート基礎

Claims (5)

  1. コンクリートパネルから構成される壁面材と、
    上下に積み重ねられた前記壁面材同士を架け渡すように設けられる直線状の管状の縦パイプと、
    前記縦パイプに連結され、前記壁面材から後方へ延出して設けられる補強材とを備え、
    前記壁面材は、略矩形板状の本体部の後面に、一以上の突部が設けられ、前記突部に上下方向に沿って貫通穴が形成されたコンクリートパネルとされ、
    前記突部の前記貫通穴の直径は、前記縦パイプが摺動可能に差し込まれるよう前記縦パイプの外径と対応して形成されており、
    いずれかの前記突部の前記貫通穴内で上下の前記縦パイプの両端部が突き合わされて配置される
    ことを特徴とする補強土壁構築具。
  2. 上下に離隔して配置される前記突部間において、前記縦パイプには、前記補強材としてのチェーンの一端部が、所定時には縦パイプに対し相対的に下方への移動を許容するよう位置決めされて接続される
    ことを特徴とする請求項に記載の補強土壁構築具。
  3. 前記縦パイプの外周面にはめ込まれたリングに、縦パイプに通される環状部を備えた接続具の下端部が当接されて位置決めされ、
    この接続具に、前記補強材としてのチェーンの一端部が接続される
    ことを特徴とする請求項に記載の補強土壁構築具。
  4. 前記壁面材と離隔して後方に配置され、前記壁面材と略平行に配置される垂直面を有する網状部材と、
    この網状部材の前記垂直面に配置されるシート状部材とを更に備え、
    前記壁面材と前記網状部材との間に土圧低減層を設けつつ、前記網状部材よりも後方に盛土がなされる
    ことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の補強土壁構築具。
  5. 前記土圧低減層に、硬質ゴム粒と土との混合物、またはスラグが使用される
    ことを特徴とする請求項に記載の補強土壁構築具。
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