JP2006283292A - 擁壁構造及び擁壁構築工法 - Google Patents

擁壁構造及び擁壁構築工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の現場打ちコンクリート擁壁及び従来のブロック積み擁壁の各欠点を改善すること。
【解決手段】 土留め用擁壁において、背面側に現場打ちコンクリートによるコンクリート壁体1と、前面側に多数個のプレキャストコンクリートブロック(成型ブロック)21を左右及び上下に組付けてなるブロック積み壁体2とを前後に一体結合させた状態で構築していることにより、現場打ちコンクリート擁壁1及びブロック積み擁壁2の各欠点を補完した高強度の擁壁を提供できる。又、現場打ちコンクリート壁体1中に組鉄筋11を埋設していることにより、土圧力によってコンクリート壁体1側に受ける伸長作用に対して該組鉄筋11で補強し得るようにしている。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、道路側面や造成土地側面あるいは山肌等における土留め用の擁壁構造及び擁壁構築工法に関するものである。
この種の土留め用擁壁として、例えば、もたれ式擁壁やL型擁壁や逆T型擁壁等が一般に採用されている。又、これらの擁壁は、生コンクリートを現場打ちして構築したもの(例えば図6に示す第1従来例)や、工場生産されたプレキャストコンクリートブロックを左右及び上下に組付けて構築したもの(例えば図7、図8に示す第2従来例)等がある。尚、以下の説明では、プレキャストコンクリートブロックを単に成型ブロックということがある。
図6に示す第1従来例の擁壁は、生コンクリートを現場打ちして構築したもたれ式擁壁である。この図6のもたれ式擁壁は、擁壁構築現場において型枠を組み(型枠内には組鉄筋111が配設されている)、該型枠内に生コンクリートを充填し、該生コンクリートが固化した後に型枠を解体することで構築されている(コンクリート壁体101が擁壁となる)。尚、この種の現場打ちもたれ式擁壁としては、例えば特開平8−246478号公報(特許文献1)に示されるものがある。
図6に示すような現場打ち擁壁では、例えば1m程度の高さずつ数回に分けて構築していくが、その際、第1段高さの型枠を組立て、該型枠内に生コンクリートを充填し、該生コンクリートが固化した後に型枠を解体し、続いて同様に第2段、第3段・・最終段までコンクリート壁体を構築していく。尚、この種の現場打ち擁壁では、コンクリート壁体101が継ぎ目のない状態で連続している。
又、この種の擁壁には、その壁体の背面側に大きな土圧力が加わる。そして、図6に示すように現場打ちコンクリート壁体101からなる擁壁では、壁体の背面側に大きな土圧力Fが加わると、該コンクリート壁体101を鎖線図示(符号101′)するように前面側に撓ませるような作用が働く(尚、符号101′に示す鎖線図示状態は、説明上、誇大表示している)。このとき、コンクリート壁体101は、壁厚さ中央部から背面101a側の部分に伸長作用が働く一方、壁厚さ中央部から前面101b側の部分に圧縮作用が働く。尚、現場打ちコンクリート擁壁では、コンクリート壁体101全体が継ぎ目なしに連続しており、後述のブロック積み壁体のように各成型ブロックが位置ずれするという問題は起こらない。
ところで、この種のコンクリート壁体101では、圧縮作用(擁壁前面101b側)に対しては比較的強度が強いが、伸長作用(擁壁背面101a側)に対しては比較的強度が弱いとされている。そこで、この種の現場打ち擁壁では、コンクリート壁体101中の背面側寄りに組鉄筋111を配して、伸長作用に対する補強を行っている。
他方、図7及び図8に示す第2従来例の擁壁は、多数個の成型ブロック121,121・・を左右及び上下に組付けて構築されている(ブロック積み壁体102が擁壁となる)。この図7及び図8に示すブロック積み壁体102の各成型ブロック121としては、平面四角形で内部空所を有する箱型のものが使用されている。尚、この種のブロック積み壁体102に使用されている箱型の成型ブロック121としては、例えば特開2004−76296号公報(特許文献2)に示されるものがある。
ところで、図7及び図8に示すブロック積み壁体102からなる擁壁では、擁壁背面側に土圧力Fが加わっても前面側への撓みはほとんど起こらないが、左右・上下に隣接する各成型ブロック121,121間の結合強度を強くする(各成型ブロック同士が位置ずれしないようにする)必要がある。そのための結合手段としては、例えば次のように構成されたものがある。即ち、上下に積層される両成型ブロック121,121においては、図7に示すように成型ブロック121の上面に上向きの凸部と下面に上向きの凹部をそれぞれ設けて、下段側成型ブロック121の上面の凸部と上段側成型ブロック121の下面の凹部とを凹凸嵌合(符号122)させている。他方、左右に隣接する両成型ブロック121,121においては、図8に示すように成型ブロック121の一方の側面に縦凸条と他方の側面に縦凹溝をそれぞれ設けて、左右の両成型ブロック121,121を側面接合部において凹凸嵌合(符号123)させている。又、図7及び図8の擁壁では、上下に積層された各成型ブロック121,121・・の内部空所が上下に連続しており、その上下に連続している内部空所内に鉄筋124,124・・を配設するとともにコンクリート125を充填して補強している。
特開平8−246478号公報 特開2004−76296号公報
ところが、上記図6(第1従来例)の現場打ちコンクリート擁壁では、背面側に加わる土圧力Fによりコンクリート壁体101を前面側に撓ませる作用が働いて、壁厚中心部から背面101a側半分に伸長作用が働き(コンクリート壁体は伸長作用に弱いとされている)、該背面101a側の強度を強くするために組鉄筋111で補強したり、壁体厚さを厚くする必要があった。又、この種の現場打ちコンクリート擁壁では、コンクリート壁体101を構築するのに、専用の型枠が必要であり且つ1段高さ(例えば1m高さ程度)ずつ型枠の組立・解体作業を繰り返して所定高さまでコンクリート壁体101を構築する必要があるので、型枠の組立・解体作業が繁雑であるとともに、コンクリート壁体101の高さが高い(例えば10m超のものもある)と型枠の組立・解体作業に危険を伴う(高所作業が必要である)という問題があった。
他方、上記図7及び図8(第2従来例)のブロック積み擁壁では、多数個の成型ブロック121,121・・を左右・上下に組付けることでブロック積み壁体102からなる擁壁を構築できるので、該擁壁を比較的簡単且つ短期間で構築し得るという利点があるものの、各成型ブロック121,121・・が継ぎ目を有して結合されているので、土圧力Fに対して各成型ブロックの結合強度が比較的弱いという難点がある。又、図7及び図8に示すブロック積み擁壁では、上下・左右に隣接する両成型ブロック121,121の結合強度を増強するために、上下・左右に隣接する両成型ブロックをそれぞれ凹凸嵌合(図7の符号122、図8の符号123)により相互に連結させているが、このように成型ブロック121に凹凸嵌合部を成形するには、該成型ブロック121の形状が複雑になり(型枠形状が複雑になる)、製造コストが高くなるという問題があった。又、隣接する両成型ブロック121,121を凹凸嵌合によって結合させたものでは、ある程度の強度アップ(耐土圧力)を達成し得るものの、さらに大きな耐土圧力を要求される擁壁では、成型ブロック121を大型化したり、鉄筋124や充填コンクリート125等による補強も必要となり、強度面での信頼性を得るためにはコストアップにつながる各種の補強手段を採用する必要がある。
そこで、本願発明は、上記した各従来例の擁壁(現場打ちコンクリート壁体及びブロック積み壁体)における各種問題点に鑑み、高強度で且つ比較的低コストで構築できる擁壁構造及び擁壁構築工法を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、例えば道路側面や造成土地側面あるいは山肌等における土留め用の擁壁構造を対象にしている。
そして、この請求項1の擁壁構造は、背面側に現場打ちコンクリートによるコンクリート壁体と、前面側に多数個のプレキャストコンクリートブロック(以下、これを単に成型ブロックという)を左右及び上下に組付けてなるブロック積み壁体とを前後に一体結合させた状態で構築しているとともに、現場打ちのコンクリート壁体中に組鉄筋を埋設している。
背面側のコンクリート壁体は、壁体中に組鉄筋を埋設した鉄筋コンクリート壁体であり、土圧力に対する支持強度を増強している。
前面側のブロック積み壁体を構築する成型ブロックとしては、比較的簡単な構造(シンプルな形状)のものを採用できる。例えば、成型ブロックとして、前壁の後面側に単に控壁を設けただけのもの、単なる四角形箱状のもの、中身の詰まったブロック状のもの、等のシンプルなものでよい。
ところで、現場打ちコンクリート壁体は、土圧力による撓みが起こり得る性質を有しているが継ぎ目がないので部分的に前後に位置ずれすることはない。他方、ブロック積み壁体は、多数個の成型ブロックを左右・上下に接合させたものであるから前後に位置ずれし易い性質を有しているが土圧力による撓みが起こりにくい性状となっている。
そして、この請求項1の擁壁構造では、背面側の現場打ちコンクリート壁体と前面側のブロック積み壁体とを前後に一体結合させているので、擁壁背面側の土圧力を現場打ちコンクリート壁体で受け止める一方、該コンクリート壁体をブロック積み壁体でバックアップしている。
又、この請求項1の擁壁構造でも、土圧力により擁壁に対して撓ませるような作用が働き、擁壁背面側(現場打ちコンクリート壁体部分)に伸長作用を受けるが、擁壁背面側となる現場打ちコンクリート壁体中には組鉄筋を埋設しているので、土圧力によるコンクリート壁体に対する伸長作用を該組鉄筋で負担させることができる。
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁の構築工法を対象にしている。
そして、この請求項2の擁壁構築工法は、擁壁構築場所において、切土部の所定位置に成型ブロック(プレキャストコンクリートブロック)を設置し、該成型ブロックの背面側に所定間隔をもってコンクリート型枠の片面となる背面側枠板を設置し、成型ブロックと背面側枠板との間の空所に組鉄筋を設置した後、前記空所に生コンクリートを充填し、該生コンクリートが固化した後、背面側枠板を取外し、順次同様に所定高さまで擁壁を構築するものである。
この請求項2の擁壁構築工法では、背面側の現場打ちコンクリート壁体と前面側のブロック積み壁体とが一体結合され、且つコンクリート壁体中に組鉄筋が埋設された状態で構築される。又、前面側のブロック積み壁体を構成する各成型ブロックは、生コンクリート充填用の型枠の一部として利用されている。
ところで、背面側枠板は、切土部の切土面に近い位置に組立てられるので、擁壁上端寄り位置であっても背面側枠板の組立てが高所作業にならない。他方、現場打ちコンクリート壁体の型枠構築時に、成型ブロックが型枠の前面側枠板として利用されるが、この成型ブロックは、クレーンで吊下げて所定位置に設置されるので、前面側枠板組立て用の足場工事が不要となる。
本願請求項1の発明の効果
この請求項1の擁壁構造では、背面側の現場打ちコンクリート壁体と前面側のブロック積み壁体とを前後に一体結合させている。従って、現場打ちコンクリート壁体の性質の欠点(土圧力で撓み易い)をブロック積み壁体の利点(反り返りにくい)で補完できる一方、ブロック積み壁体の欠点(継ぎ目があるので位置ずれし易い)を現場打ちコンクリート壁体の利点(継ぎ目がないので位置ずれしない)で補完できるので、高強度の擁壁となるという効果がある。
又、背面側の現場打ちコンクリート壁体で土圧力を支持しているので、前面側のブロック積み壁体に使用される成型ブロック同士は、さほど強固に連結させなくても位置ずれすることがなく、従って該成型ブロックとして比較的単純形状のもの(製造コストが安価である)を使用することができるという効果がある。
さらに、本願の擁壁構造でも、土圧力によって擁壁を撓ませるような作用(擁壁背面側を伸長させる作用)を受けるが、擁壁背面側となる現場打ちコンクリート壁体中に組鉄筋を埋設しているので、擁壁背面側に受ける伸長作用に対して該組鉄筋で補強できるという効果もある。
本願請求項2の発明の効果
この請求項2の擁壁構築工法では、背面側に現場打ちコンクリート壁体と前面側にブロック積み壁体とが一体結合され、且つ現場打ちコンクリート壁体中に組鉄筋を埋設した状態の擁壁、即ち上記請求項1の擁壁を構築することができる。
又、前面側のブロック積み壁体を構成する各成型ブロックを、生コンクリート充填用の型枠の前面側枠板として利用できるので、型枠の前面側枠板が不要になる(型枠コストが安価になる)とともに、該前面側枠板の組立・分解作業も不要になる(工期を短縮できる)という効果がある。
さらに、背面側枠板は、切土部の切土面に近い位置に組立てられるので、擁壁上端寄り位置であっても背面側枠板の組立てが高所作業にならず、他方前面側枠板として利用される各成型ブロックは、クレーンで吊下げて所定位置に設置するので、型枠組立時に作業員による高所作業が不要となり、高所からの転落等の危険な作業がなくなるという効果がある。
図1〜図5を参照して本願実施例の擁壁構造及び擁壁構築工法を説明すると、図1及び図2には第1実施例の擁壁構造を示しており、図3には第1実施例の擁壁構造の構築方法を示しており、図4及び図5にはそれぞれ第2実施例及び第3実施例の擁壁構造を示している。又、これらの実施例では、擁壁としてもたれ式擁壁を採用している。
図1及び図2に示す第1実施例の擁壁構造は、基礎コンクリート6上に、背面側に現場打ちコンクリートによるコンクリート壁体1と、前面側に多数個の成型ブロック(プレキャストコンクリートブロック)21,21・・を左右及び上下に組付けてなるブロック積み壁体2とを前後に一体結合させた状態で構築している。
背面側のコンクリート壁体1は、鉄筋コンクリート製で、コンクリート12中に組鉄筋11を埋設して構築されている。
前面側のブロック積み壁体2を構築している成型ブロック21は、この第1実施例では、図2に示すように前壁22の後面に間隔をもって2つの控壁23,23を一体成形したものが使用されている。従って、この成型ブロック21は、比較的シンプルな形状となっており、製造時の型枠もシンプルなもの(安価な型枠)を使用できる。尚、成型ブロック21の形状・大きさきは、擁壁の用途、設置場所、必要強度等によって適宜のものを採用できるが、図1及び図2の成型ブロック21では、前壁22の大きさが高さ50〜100cm×左右幅100〜200cm、控壁23の突出長さが50〜100cm程度のものが使用されている。
そして、各成型ブロック21,21・・は、図2に示すように順次左右に接合させるとともに、図1に示すように上下に所定個数を積み重ねてブロック積み壁体2を構成している。
コンクリート壁体1の組鉄筋11は、この第1実施例では、縦横の格子状部11aと左右に所定間隔をもって前方に突き出した前方突き出し部11bとを有している。格子状部11aは、成型ブロック21の控壁23の先端面と土壌面10との間のコンクリート12中に埋設されており、各前方突き出し部11b,11b・・は、成型ブロック21,21・・の各控壁23,23間に進入した状態でコンクリート12中に埋設されている。
図1及び図2に示す擁壁は、図3に示すようにして構築される。尚、擁壁構築場所には、図3に示すように、擁壁構築用の切土部3が形成されており、この切土部3の底部に予め基礎コンクリート6が打設されている。
そして、図3に示す実施例の擁壁構築工法では、切土部3(基礎コンクリート6上)の所定位置に第1段目の成型ブロック21を設置し、該成型ブロック21の背面側に所定間隔をもって背面側枠板4を設置し、成型ブロック21と背面側枠板4との間の空所5に1単位高さの組鉄筋11A(格子状部11Aaと前方突き出し部11Abとを有している)を設置する。
第1段目の成型ブロック21は、1回当たりの所定個数を左右に連続して設置するが、図2に示すように各控壁23,23・・間には左右にかなりの幅の空所を有している。そして、成型ブロック21と背面側枠板4間の空所5に1単位高さ(例えば高さ100〜200cm)の組鉄筋11Aを設置するが、該組鉄筋11Aの格子状部11Aaを控壁23の先端と背面側枠板4間に設置する一方、該組鉄筋11Aの各前方突き出し部11Abを図2に示すように2つの控壁23,23間の空所に進入する状態で設置する。尚、この実施例では、1回当たりの擁壁構築高さは、成型ブロック21の1個分の高さである。
次に、成型ブロック21(前壁22)と背面側枠板4間の空所5内に高さH1まで生コンクリート12aを充填する。そして、その充填した生コンクリート12aが固化した後、背面側枠板4を取外せば、第1段目の擁壁が完成する。
続いて同様に、第2段目の各成型ブロック21′を既設側の成型ブロック21上に載せ、第2段目の背面側枠板4′を設置し、空所5′内に次の1単位高さの組鉄筋11A′を設置する。尚、新設側の組鉄筋11A′は、その下部側を既設側組鉄筋11の上部に所定高さ範囲だけオーバーラップさせた状態で設置する。そして、該空所5′内に生コンクリートを高さH2まで充填し、該生コンクリートが固化した後、第2段目の背面側枠板4′を取外せば、第2段目の擁壁が完成する。以下、順次同様に所定高さまで擁壁を構築することにより、図1に示すコンクリート壁体1とブロック積み壁体2からなる擁壁を構築できる。
この擁壁は、ブロック積み壁体2の各成型ブロック21,21・・の各控壁23,23・・がコンクリート12中に埋設されていて、ブロック積み壁体2とコンクリート壁体1とが強固に一体化されている。又、この擁壁では、コンクリート壁体1中に組鉄筋11が埋設されているので、コンクリート壁体1部分が補強されている。
ところで、この擁壁におけるコンクリート壁体1部分は、土圧力F(図1)による撓みが起こり得る性質を有しているが継ぎ目がないので部分的に前後に位置ずれすることはない。他方、ブロック積み壁体2は、多数個の成型ブロック21,21・・を左右・上下に接合させたものであるから前後に位置ずれし易い性質を有しているが土圧力Fによる撓みが起こりにくい性状となっている。
そして、この第1実施例の擁壁構造では、背面側の現場打ちコンクリート壁体1と前面側のブロック積み壁体2とを前後に一体結合させているので、擁壁背面側の土圧力Fを現場打ちコンクリート壁体1で受け止める一方、該コンクリート壁体1をブロック積み壁体2でバックアップしている。従って、現場打ちコンクリート壁体1の性質の欠点(土圧力Fで撓み易い)をブロック積み壁体2の利点(撓みにくい)で補完できる一方、ブロック積み壁体2の欠点(継ぎ目があるので位置ずれし易い)を現場打ちコンクリート壁体1の利点(継ぎ目がないので位置ずれしない)で補完できるので、高強度の擁壁となる。さらに、現場打ちコンクリート壁体1(土圧力により伸長作用を受ける)中には組鉄筋11が埋設されているので、土圧力Fによる擁壁背面側の伸長作用に対して該組鉄筋11が補強機能を発揮する。
又、背面側の現場打ちコンクリート壁体1で土圧力Fを支持しているので、前面側のブロック積み壁体1に使用される成型ブロック21,21同士は、さほど強固に連結させる必要がなく、従って該成型ブロック21として比較的単純形状のもの(製造コストが安価となる)を使用することができる。
又、図3に示す擁壁構築工法によれば、前面側のブロック積み壁体2を構成する各成型ブロック21を、生コンクリート充填用型枠の前面側枠板として利用できるので、型枠の前面側枠板が不要になるとともに、該前面側枠板の組立・分解作業も不要になる。
さらに、背面側枠板4は、切土部3の切土面3aに近い位置に組立てられるので、擁壁上端寄り位置であっても背面側枠板4の組立てが高所作業にならず、他方前面側枠板として利用される各成型ブロック21は、クレーンで吊下げて所定位置に設置するので、型枠組立時における作業員による高所作業が不要となる(高所からの転落等の危険な作業がなくなる)。
図4に示す第2実施例の擁壁構造は、図2の変形例を示している。この図4の擁壁構造では、各成型ブロック21・・として、前壁25と後壁26と左右の各側壁27,27とで四角形の箱型に成形したものを使用している。この図4で使用されている成型ブロック21には、各壁で囲われた内部空所28が形成されているが、この内部空所28内には、必要に応じて土壌や砕石を充填することができ、さらに高強度を必要とする場合には該内部空所28内を鉄筋コンクリート詰めにすることもできる。又、この図4の第2実施例では、成型ブロック21の後壁26の左右幅を前壁25の左右幅より若干短くして、両成型ブロック21,21の側壁27,27間に組鉄筋11の前方突き出し部11bを挿入するスペースを確保している。
図5に示す第3実施例の擁壁構造も、図2の変形例を示している。この図5の擁壁構造では、各成型ブロック21として、前壁の後面側にかなり大きな中実の突出部29を一体形成している。この場合、成型ブロック21の形状は単純であるが、大重量となって擁壁全体の強度が大きくなる。尚、図4の第3実施例でも、両成型ブロック21,21の各突出部29,29間に組鉄筋11の前方突き出し部11bを挿入するスペースを確保している。
本願第1実施例の擁壁構造の縦断面図である。 図2のII−II断面図である。 図1の擁壁の構築工法の説明図である。 本願第2実施例の擁壁構造の図2相当図である。 本願第3実施例の擁壁構造の図2相当図である。 第1従来例の擁壁構造(現場打ちコンクリート擁壁)の縦断面図である。 第2従来例の擁壁構造(ブロック積み擁壁)の縦断面図である。 図7のVIII−VIII断面図である。
符号の説明
1はコンクリート壁体、2はブロック積み壁体、3は切土部、3aは切土面、4は背面側枠板、5は空所、11は組鉄筋、12はコンクリート、21はプレキャストコンクリートブロック(成型ブロック)である。

Claims (2)

  1. 土留め用擁壁において、背面側に現場打ちコンクリートによるコンクリート壁体(1)と、前面側に多数個のプレキャストコンクリートブロック(21)を左右及び上下に組付けてなるブロック積み壁体(2)とを前後に一体結合させた状態で構築しているとともに、前記コンクリート壁体(1)中に組鉄筋(11)を埋設していることを特徴とする擁壁構造。
  2. 擁壁構築場所において、切土部(3)の所定位置にプレキャストコンクリートブロック(21)を設置し、該プレキャストコンクリートブロック(21)の背面側に所定間隔をもってコンクリート型枠の片面となる背面側枠板(4)を設置し、前記プレキャストコンクリートブロック(21)と前記背面側枠板(4)との間の空所(5)に組鉄筋(11A)を設置した後、前記空所(5)に生コンクリート(12a)を充填し、該生コンクリート(12a)が固化した後、前記背面側枠板(4)を取外し、順次同様に所定高さまで擁壁を構築することを特徴とする擁壁構築工法。
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