JP6840655B2 - 電磁波イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波を用いて対象物をイメージングする電磁波イメージング装置の技術に関し、特に電磁波を受信する受信部の技術に関する。
非破壊検査ツールの1つとして、電磁波を用いた電磁波イメージング装置がある。電磁波は非金属物質を透過する特徴を有することから、構造物や地中などの内部を非破壊で可視化することが可能である。それ故、コンクリート鉄筋探査や地中埋設物探査などに利用されている。
このような電磁波イメージング装置は、例えば、電磁波の送信・受信を担う送信機、受信機、もしくは送信受信一体型の送受信機、位置を取得する位置情報取得機、それらを制御する制御機、受信データを解析する信号処理機、および表示機で構成される。
電磁波イメージングの測定原理は、ある地点において、電磁波イメージング装置からパルス状の電磁波を空間に放射し、電磁波の伝搬方向に存在する物体で反射され装置に戻ってきた電磁波を受信し、受信信号の時間波形を時刻、位置情報とともに保存する。電磁波を空間に放射した時刻から受信するまでの時刻から電磁波の伝搬時間Tを算出でき、さらに電磁波の伝搬速度Cを用いて反射物体との距離R(=T×C÷2)を算出できる。電磁波イメージング装置の位置を移動させながら、各地点で送信・受信を実施し、受信データを集める。集めたデータに対して様々な信号処理、例えば合成開口処理を適用することにより、反射物体を可視化することができる。
一般に、構造物や地中の内部をイメージングする場合、電磁波イメージング装置から発出された電磁波は、構造物や地上などの物体の表面で電磁波の一部が反射し、残りの電磁波が内部へと伝搬する。内部へ伝搬する電磁波は、内部に存在する物体で一部が反射し、残りの電磁波はさらに内部へと伝搬する。これらの反射・伝搬が繰り返され、電磁波が内部へと進行していく。物体表面で反射された電磁波は第1波(表面反射波)として観測され、内部物体で反射された電磁波は第2波、第3波、…となって観測される。
非金属物体での反射の性質は、その物体が持つ誘電率などの電気的性質と形状によって決定付けられている。簡単な例として、理想的な平面波の電磁波が物体表面に垂直に入射した場合の電磁波の反射係数は、εを物体の比誘電率として(1−√ε)/(1+√ε)で表され、例えば、比誘電率が9のコンクリート表面では(1−3)/(1+3)=−2/4=−1/2となり、入射信号の半分が反射され、残りの半分の信号がコンクリート内部へ伝搬する。
特開平10−197631号公報 特開平11−64510号公報 特許第4252225号公報 特許第4609742号公報 特許第3811292号公報 特許第3860570号公報
"3.6.7 STC回路"、日本財団 図書館、[平成29年11月20日検索]、インターネット<URL : https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1998/00148/contents/063.htm>
非破壊検査のように構造物の内部構造の把握を目的とした電磁波イメージングでは、如何にして第1波(表面反射波)の影響を小さくするか、すなわち、物体表面での反射を抑え、できる限り多くの電磁波エネルギーを物体内部へ進行させ、より深部を観測することができるかが課題となる。
表面反射の影響を小さくする方法としては、電磁波イメージング装置と物体とを電磁気学的に結合させ物体表面での反射量を低減する方法と、反射信号を受信部で処理することで擬似的に受信信号における表面反射の影響を低減する方法が考えられる。
前者の方法は特殊な環境を準備する必要があるため、屋外に設置される設備に対する検査の適用は困難である。後者は、特許文献1〜4に記載されているように、第1波として観測される波の到来時刻を予め定め、その到来時刻を利用して受信回路内に配置したスイッチを制御し、アンテナから受信した信号の第1波のみを遮断するという方式を採用している。
後者の方法によれば、第1波を取り除くことは可能であるが、第1波が観測される波の到来時刻を予め知っておく必要があるという問題がある。送信機から受信機へ周り込むクロストーク信号であれば装置の配置によって到来時刻を確定することは可能であるが、対象物との距離を高精度に担保することは難しい。例えば、対象物に沿って電磁波イメージング装置を走査する場合、対象物が平坦でない場合などは対象物表面との距離が場所により異なってしまう。
このように、電磁波イメージング装置と対象物との間の距離に依存した表面反射波除去の機構では汎用性が得られず、その都度、調整が必要となる。また、表面反射を除去することは、物体の表面がどこにあるかが不明瞭になり、物体表面付近の情報が除去されることになることから、例えば、表面からの距離を厳密に計測することが不可能となる。
一方、より深部を観測するための方法としては、特許文献5に記載のような背景雑音の除去方法などがある。この方法は、大きい信号と小さい信号とが混在するデータを同時に描画した場合に小さい信号が埋もれてしまい、うまく描画されない問題を解決する。しかし、第1波が大きい場合、電磁波イメージング装置のダイナミックレンジによって一意に決定されてしまう最小検出信号レベルよりも小さい受信信号は、システムノイズに埋もれてしまう。電磁波は伝搬距離の2乗に比例して減衰する特徴を有するため、探査深度が深いほど反射信号は小さくなる特徴がある。それゆえ、この特徴を踏まえると、第1波が大きいほど探査深度が浅くなるという問題が残る。
探査深度を伸ばすための手段として、受信機へのSTC(Sensitivity Time Control;感度時間制御)機能の追加が考えられる。この機能は、伝搬距離に相当する時間に対して感度を調節するという機能であり、受信信号は受信時刻とともにそのレベルが小さくなる特徴から、時間とともにレベルを大きく増幅させるような調整を実施する。これは、データ取得後の信号処理で実現する方法と、回路的に実現する方法とが考えられる。
前者の方法では背景雑音の除去と同様に最小検出レベルは変化しないため、描画時の見た目を変更するにすぎない。後者の方法の場合、深部の受信信号を増幅できるため、探査深度の向上が見込めるものの、第1波の信号が大きく、第2波以降が非常に小さい場合では、第1波の増幅の飽和による増幅度の限界という問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、対象物との距離に依存することなく対象物の表面反射である第1波(表面反射波)の信号を小さくすることを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に係る電磁波イメージング装置は、電磁波を放射する送信部と、対象物から反射した電磁波を受信する受信部と、を備えた電磁波イメージング装置において、前記受信部は、入力信号の強度が低いときに増幅度が大きくなり、入力信号の強度が高いときに増幅度が小さくなる増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第1の増幅回路と、入力信号の強度に対して線形な増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第2の増幅回路と、前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で増幅された電磁波の信号との絶対的な大きさの差分を算出する合成回路と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る電磁波イメージング装置は、電磁波を放射する送信部と、対象物から反射した電磁波を受信する受信部と、を備えた電磁波イメージング装置において、前記受信部は、時間に応じて増幅度が大きくなる増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第1の増幅回路と、入力信号の強度に対して線形な増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第2の増幅回路と、前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で増幅された電磁波の信号との絶対的な大きさの差分を算出する合成回路と、を備えることを特徴とする。
請求項3に係る電磁波イメージング装置は、請求項1又は2に記載の電磁波イメージング装置において、前記第1の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第1の可変減衰回路と、前記第2の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第2の可変減衰回路と、を更に備えることを特徴とする。
請求項4に係る電磁波イメージング装置は、請求項3に記載の電磁波イメージング装置において、前記第1の可変減衰回路又は前記第2の可変減衰回路は、受信する複数の電磁波のうち最大強度の電磁波について、前記合成回路に入力される一方の電磁波の信号の強度と他方の電磁波の信号の強度とに強度差を与えることを特徴とする。
請求項5に係る電磁波イメージング装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁波イメージング装置において、前記合成回路に入力される2つの電磁波の信号の位相を一致させる位相調整回路を更に備えることを特徴とする。
請求項6に係る電磁波イメージング装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁波イメージング装置において、前記第2の増幅回路は、受信した電磁波の信号の正負を反転する正負反転型増幅回路であり、前記合成回路は、前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で正負反転された電磁波の信号とを加算する加算合成回路であることを特徴とする。
本発明によれば、対象物との距離に依存することなく対象物の表面反射である第1波(表面反射波)の信号を小さくすることができる。
受信回路の構成を示す図である。 放射電磁波の波形を示す図である。 図1の5つの位置で計測される信号の波形を示す図である。 非線形増幅器の増幅特性を示す図である。 線形増幅器の増幅特性を示す図である。 STC機能付き増幅器による受信信号波形の補正を示す図である。 STC機能付き増幅器(第1例)の増幅特性を示す図である。 STC機能付き増幅器(第2例)の増幅特性を示す図である。 地中探査の例を示す図である。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
<概要>
電磁波イメージング装置内の受信回路のダイナミックレンジを決めるデバイスは、アナログ信号をデジタル信号へ変換するAD変換器である。そこで、本発明では、AD変換器に出力するアナログ信号の第1波(表面反射波)を小さくする方法を提案する。具体的には、受信した電磁波の信号の強度が表面反射波(第1波)と物体内部からの反射波(第2波以降)とで大きく違うという特徴を利用する。
<電磁波イメージング装置の受信回路の構成>
図1は、本実施形態に係る電磁波イメージング装置の受信回路1の代表的構成を示す図である。この受信回路1は、電磁波イメージング装置の受信部内に構成され、図1に示すように、受信アンテナ11と、分岐回路12と、第1の可変減衰器13と、第2の可変減衰器14と、非線形増幅器15と、線形増幅器16と、減算合成器17と、位相器18と、増幅器19と、出力端子20と、を備えて構成される。
受信アンテナ11は、電磁波イメージング装置の送信部から放射されたパルス状の電磁波であって、電磁波の伝搬方向に存在する対象物で反射され戻ってきた電磁波を受信する受信アンテナである。
分岐回路12は、入力端子が受信アンテナ11に接続され、受信アンテナ11で受信した電磁波の信号を2つに分配して、2つの出力端子からそれぞれ出力する分岐回路である。
第1の可変減衰器13は、入力端子が分岐回路12の一方の出力端子に接続され、減衰量を可変できる可変減衰器(第1の可変減衰回路)である。この第1の可変減衰器13は、非線形増幅器15に入力される信号の強度を調整する機能と、減算合成器17に入力される信号の強度を調整する機能とを備え、非線形増幅器15に入力され減算合成器17に入力される電磁波の信号の強度を調整するために用いられる。
第2の可変減衰器14は、入力端子が分岐回路12の他方の出力端子に接続され、減衰量を可変できる可変減衰器(第2の可変減衰回路)である。この第2の可変減衰器14は、線形増幅器16に入力される信号の強度を調整する機能と、減算合成器17に入力される信号の強度を調整する機能とを備え、線形増幅器16に入力され減算合成器17に入力される電磁波の信号の強度を調整するために用いられる。
非線形増幅器15は、入力端子が第1の可変減衰器13の出力端子に接続され、入力信号の強度が低いときに増幅度が大きくなり、入力信号の強度が高いときに増幅度が小さくなる増幅度で、入力された電磁波の信号を増幅する非線形増幅器(第1の増幅回路)である。
線形増幅器16は、入力端子が第2の可変減衰器14の出力端子に接続され、入力信号の強度に対して線形な増幅度で、入力された電磁波の信号を増幅する線形増幅器(第2の増幅回路)である。
減算合成器17は、2つの入力端子が非線形増幅器15の出力端子と線形増幅器16の出力端子とにそれぞれ接続され、非線形増幅器15で増幅された電磁波の信号から線形増幅器16で増幅された電磁波の信号を減算する減算合成器(減算合成回路)である。
位相器18は、減算合成器17内で減算合成処理部17’と非線形増幅器15との間に配置され、減算合成処理部17’に入力される電磁波の信号の位相を調整する位相器(位相調整回路)である。この位相器18は、非線形増幅器15から減算合成処理部17’へ入力される電磁波の信号の位相を、線形増幅器16から減算合成処理部17’へ入力される電磁波の信号の位相に一致させるために用いられる。
増幅器19は、入力端子が減算合成器17の出力端子に接続され、減算合成器17で減算合成された電磁波の信号の強度を所定倍に増幅する増幅器(増幅回路)である。
出力端子20は、増幅器19の出力端子に接続され、増幅器19で増幅された電磁波の信号を受信部内のAD変換器へ出力するための出力端子である。
<電磁波イメージング装置の受信回路の動作>
次に、受信回路1の動作について説明する。図2は、対象物に放射した電磁波の波形である。本動作ではパルス波とする。図3は、その対象物で反射され受信した電磁波の波形である。本動作では、第1波〜第3波とする。図3の(1)〜(5)は、図1の(1)〜(5)の各位置で計測される波形に対応する。なお、縦軸は電磁波の信号の強度であり、横軸は時間軸である。
まず、受信回路1は、電磁波イメージング装置の送信部から放射され、対象物で反射され戻ってきたパルス状の電磁波(図2)を受信アンテナ11で受信する。例えば、物体表面で反射した第1波と、内部物体で反射した第2波、第3波を受信する。深度が深いほど反射信号強度は小さくなるので、第1波、第2波、第3波の各信号の強度は、指数関数的に減衰する(図3(1))。
次に、受信回路1は、受信アンテナ11で受信した電磁波の信号を分岐回路12で2つに分配し、分配した2つの信号を第1の可変減衰器13と第2の可変減衰器14とをそれぞれ介して非線形増幅器15と線形増幅器16にそれぞれ入力する。このとき、第1の可変減衰器13及び第2の可変減衰器14は、それぞれ、非線形増幅器15と線形増幅器16からそれぞれ減算合成器17に入力される2つの第1波の信号の強度が互いに同一となるように、分配した2つの信号の強度を調整する。
次に、受信回路1は、減算合成器17に入力される一方の信号に対しては非線形増幅器15で増幅し、もう一方の信号に対しては線形増幅器16で増幅する。非線形増幅器15は、入力信号の強度が低いときに増幅度を大きくし、入力信号の強度が高いときに増幅度を小さくする増幅特性(図4)を備えるので、受信時に指数関数的に減衰していた第1波、第2波、第3波の各信号の強度は一定になる(図3(2))。また、線形増幅器16は、入力信号の強度に対して線形な増幅度で増幅する増幅特性(図5)を備えるので、受信時に指数関数的に減衰していた第1波、第2波、第3波の各信号の強度は単純に定数倍される(図3(3))。
次に、受信回路1は、非線形増幅器15と線形増幅器16からそれぞれ出力された2つの信号の位相を位相器18で一致させ、減算合成器17で減算合成する(図3(4))。この減算処理により、分波された第1波、第2波、第3波の全ての信号が相殺される。
最後に、受信回路1は、減算合成器17から出力された信号を増幅器19でダイナミックレンジに適した強度に増幅し(図3(5))、出力端子20からAD変換器へ出力する。各波に対する増幅器19の増幅度が同じであれば分波された波は完全に相殺され、第1波の信号はゼロとなる。
以上より、本構成では、指数関数的に減衰する第1波、第2波、第3波に対して、それぞれの電磁波を2つの信号に分配し、一方の信号を、入力信号に対して増幅度が異なる(小さい信号ほど増幅度が大きい)非線形増幅器15で増幅し、もう一方の信号を、入力信号に対して一定の増幅度を有する線形増幅器16で増幅して、増幅後の2つの信号の差分を減算合成器17で求めて取り出し、かつ、減算合成器17に入力される2つの第1波の信号の強度が互いに同一となるように調整するので、第1波の信号の強度を劇的に低減し、第2波以降の信号を残すことができる。
すなわち、第1波の信号の強度が大幅に低減し、第2波以降の信号が大きく増幅するので、観測しやすくすることができる。これにより、第1波の強度が引き上げていたダイナミックレンジの限界により決定される最小検出レベルも劇的に下がり、より小さな信号も検出可能となる。すなわち、より探査深度の深い信号を拾うことが可能となる。
(変形例1)
本実施の形態では、非線形増幅器15を用いて説明した。
一方、第1の可変減衰器13から減算合成器17に入力される電磁波の信号は、図3(2)の波形と同様な図6(c)に示す波形であればよい。また、受信した各電磁波の信号が時間に伴い次第に小さくなる減衰特徴(図6(a))があることを考慮すると、時間に伴い信号の増幅度を上げる回路(図6(b))を用いればよい。
そこで、非線形増幅器15の代わりに、STC(Sensitivity Time Control)機能を備えるSTC機能付き増幅器を用いても同じ効果を得ることができる。STC機能付き増幅器は、時間に応じて増幅度が大きくなる増幅度で、入力された電磁波の信号を増幅する増幅器(第1の増幅回路)である。
例えば、図7に示すように、増幅器の増幅度を時間的にコントロールする時間的な可変増幅器を用いることができる。この可変増幅器の増幅度の傾きを受信信号の時間に対する強度の変化(減衰曲線)にあわせて設定すれば、受信信号の強度を補正すること、つまり、第1波も第2波も第3波も同じ強度に補正することができる。
その他、図8に示すように、一定の増幅度をもつ増幅器(図8(a))と、時間的に減衰量をコントロールできる可変減衰器(図8(b))とを組み合わせても、STC機能付き増幅器を実現することができる。一定の増幅度に対して、時間とともに減衰量が小さくなる波形を加算すると、時間とともに増幅する特性(図8(c))を得ることができる。
(変形例2)
本実施の形態では、減算合成器17の減算合成処理部17’に入力される第1波に係る2つの信号の強度を互いに一致させる方法について説明した。しかし、第1波の信号の強度を完全に同一レベルに調整すると、表面反射の位置特定が難しくなる。
そこで、その2つの信号の強度に多少の強度差を設ける方が望ましい。具体的には、例えば第1の可変減衰器13と第2の可変減衰器14において、受信した電磁波のうち最大強度の第1波について、減算合成器17に入力される一方の電磁波の信号の強度と他方の電磁波の信号の強度とに強度差(わずかに異なる多少の強度差)を与えるように、それら2つの信号の強度を調整する。
(変形例3)
本実施の形態では、減算合成器17を用いて説明した。
一方、減算合成器17は、非線形増幅器15で増幅された電磁波の信号と、線形増幅器16で増幅された電磁波の信号との絶対的な大きさの差分を算出する合成回路であればよい。
そこで、減算合成器17の代わりに加算合成器(加算合成回路)を用い、かつ、正負反転型の線形増幅器(正負反転型増幅回路)16を用いても同様の効果を得ることができる。この場合、正負反転型の線形増幅器16は、入力された電磁波の信号を増幅するとともに、その信号の正負を反転する。また、加算合成器は、非線形増幅器15で増幅された電磁波の信号と正負反転型の線形増幅器16で増幅かつ正負反転された電磁波の信号とを加算する。
(変形例4)
本実施の形態では、位相器18が、非線形増幅器15の後段、かつ、減算合成器17内にある場合について説明した。一方、減算合成器17の減算合成処理部17’に入力される2つの電磁波の信号の位相を一致させることができればよいので、例えば、線形増幅器16の後段に配置してもよいし、減算合成器17の外部に配置してもよい。
(具体例)
図9を用いて地中探査の例を説明する。電磁波イメージング装置500は、電磁波を送信アンテナから空間に放射する送信部200と、対象物から反射した電磁波を受信アンテナ(図1の受信アンテナ11)で受信する受信部100と、受信部100から出力されるデータを保存・加工・表示する出力部300と、を備える。
送信部200からパルス波の電磁波(図2)を送信する。送信されたパルス波の一部は、地表面で反射し、装置方向に反射波sとして戻り、受信信号の第1波として観測される。地表面で反射されなかったパルス波の一部は地中内を伝搬し、埋設物Aでそのパルス波の一部が反射し、装置方向に反射波aとして戻り、受信信号の第2波として観測される。埋設物Aで反射されなかったパルス波の一部はさらに地中内を伝搬し、埋設物Bに到達する。埋設物Bでそのパルス波の一部が反射し、装置方向に反射波bとして戻り、受信信号の第3波として観測される。埋設物Bで反射されずに残ったパルス波はさらに地中深く伝搬していく。ここでは、埋設物Bよりも深くには反射物がないものとする。
最終的に電磁波イメージング装置500が受信する受信波は、第1波、第2波、第3波となる(図3(1))。受信信号は2つに分岐され、一方の信号は非線形増幅器15により図3(2)に示すように増幅され、もう一方は線形増幅器16により図3(3)に示すように増幅される。図3(2)と図3(3)の2つの波形を減算合成器17で減算合成すると第1波は打ち消しあい大幅に信号強度が小さくなる。第2波、第3波も打ち消しあうが図3(2)と図3(3)の信号強度が大きく異なるため、第1波に比べて第2波、第3波は大きい信号強度となる(図3(4))。その後、増幅器19を通して図3(5)の出力を得る。
<効果>
本実施の形態によれば、非線形増幅器15が、入力信号の強度が低いときに増幅度が大きくなり、入力信号の強度が高いときに増幅度が小さくなる増幅度で、受信した一方の電磁波の信号を増幅し、線形増幅器16が、入力信号の強度に対して線形な増幅度で、受信したもう一方の電磁波の信号を増幅し、減算合成器17が、それら2つの電磁波の信号の絶対的な大きさの差分を算出するので、対象物の距離に依存せずに対象物の表面反射である第1波の信号を小さくすることができる。また、第1波の信号が小さくなることで、電磁波イメージング装置が取得できる最小検出信号レベルも格段に小さくすることができる。つまり、より深部からの小さい反射信号を捉えることが可能となる。すなわち、地中探査深度を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、一方の第1波の信号の強度ともう一方の第1波の信号の強度とに強度差を与えるので、表面反射信号が完全に取り除かれるわけではないことから、表面の形状を正確にトレースでき、表面付近の情報を落とすことがなく表面からの正確な距離が計測することが可能となる。また、第1波とその次に来る第2波との時間差が小さい場合でも第2波に影響を与えることなく観測することができる。
また、本実施の形態によれば、受信した電磁波の信号を受信回路1の内部で分岐して用いるので、つまり、合成対象である2つの信号が共に受信により得た信号であるため、外部環境状況に左右されずに処理することができ、安定した効果を得ることができる。一般的なシステムでは、代表的な固定的な信号Aを予め準備しておき、受信信号Bから固定信号Aを引き算するという演算処理を行う。外部環境が変化した場合、受信信号Bは変動するが固定信号Aは固定であり変動成分が含まれていないため、外部環境の変化に応じた差分が重畳されてしまう。例えば、外部環境としては電磁波イメージング装置と対象物との間の距離が考えられるが、基本的には距離を一定にして計測するものの、受信する時間的タイミングは常には一致しないことから、電磁波イメージング装置と対象物との間の距離が変動すると固定信号Aでは適切に処理することができない。一方、本実施の形態では、距離が変動し電磁波を受信する時間的なタイミングが変化したとしても、受信回路1の内部処理で対処するため、演算処理を適切に実施することができる。例えば、電磁波イメージングと対象物との間の距離が変わっても測定結果に影響はない。対象物との距離に依存しないことから、電磁波イメージング装置の利用形態の制約を大きく緩和する効果も得ることができる。
1…受信回路
11…受信アンテナ
12…分岐回路
13…第1の可変減衰器
14…第2の可変減衰器
15…非線形増幅器
16…線形増幅器
17…減算合成器
17’…減算合成処理部
18…位相器
19…増幅器
20…出力端子
100…受信部
200…送信部
300…出力部
500…電磁波イメージング装置

Claims (4)

  1. 電磁波を放射する送信部と、対象物から反射した電磁波を受信する受信部と、を備えた電磁波イメージング装置において、
    前記受信部は、
    入力信号の強度が低いときに増幅度が大きくなり、入力信号の強度が高いときに増幅度が小さくなる増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第1の増幅回路と、
    入力信号の強度に対して線形な増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で増幅された電磁波の信号との絶対的な大きさの差分を算出する合成回路と、
    前記第1の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第1の可変減衰回路と、
    前記第2の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第2の可変減衰回路と、を備え、
    前記第1の可変減衰回路又は前記第2の可変減衰回路は、
    受信する複数の電磁波のうち最大強度の電磁波について、前記合成回路に入力される一方の電磁波の信号の強度と他方の電磁波の信号の強度とに表面反射の位置特定を可能とする所定の小さい強度差を与えることを特徴とする電磁波イメージング装置。
  2. 電磁波を放射する送信部と、対象物から反射した電磁波を受信する受信部と、を備えた電磁波イメージング装置において、
    前記受信部は、
    時間に応じて増幅度が大きくなる増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第1の増幅回路と、
    入力信号の強度に対して線形な増幅度で、受信した電磁波の信号を増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で増幅された電磁波の信号との絶対的な大きさの差分を算出する合成回路と、
    前記第1の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第1の可変減衰回路と、
    前記第2の増幅回路に入力され前記合成回路に入力される電磁波の信号の強度を調整する第2の可変減衰回路と、を備え、
    前記第1の可変減衰回路又は前記第2の可変減衰回路は、
    受信する複数の電磁波のうち最大強度の電磁波について、前記合成回路に入力される一方の電磁波の信号の強度と他方の電磁波の信号の強度とに表面反射の位置特定を可能とする所定の小さい強度差を与えることを特徴とする電磁波イメージング装置。
  3. 前記合成回路に入力される2つの電磁波の信号の位相を一致させる位相調整回路を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波イメージング装置。
  4. 前記第2の増幅回路は、受信した電磁波の信号の正負を反転する正負反転型増幅回路であり、
    前記合成回路は、
    前記第1の増幅回路で増幅された電磁波の信号と前記第2の増幅回路で正負反転された電磁波の信号とを加算する加算合成回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波イメージング装置。
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