JP5273714B2 - 金属埋設深さ測定システム及び測定方法 - Google Patents

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Description

この発明は、物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定するための、金属埋設深さ測定システム及び測定方法に関する。
従来、様々な目的で金属探知が行われている。例えば、建屋の壁面や床面を構成するコンクリートの内部に埋設された鉄筋や金属配管の探知、空港やMRI(Magnetic Resonance Imaging)室の如き特殊領域に対する金属の出入りを監視するための探知、あるいは、食品への金属の混入を監視するための探知があり、このような金属探知を行うために、様々な原理を用いた金属探知装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、主としてキャパシタンスの変化を検出することで、金属を検知する非破壊検査システムが開示されている。この装置は、第1電極体、第2電極体、及びこれらの電極体に接続された測定器を備えて構成されており、第1電極体と第2電極体を建築構造物の壁面に沿って移動させつつ、測定器にて測定された第1電極体と第2電極体の間のアドミッタンスの変化を見ることで、金属を検知することができる。
あるいは、特許文献2には、埋設された金属から反射された電磁波を、磁気センサを用いて電磁誘導によって検知することにより、埋設金属の位置を検知することができる画像表示処理システムが開示されている。
特開2007−218888号公報 特開平4−38494号公報
しかしながら、これら従来のシステムは、キャパシタンスや電磁波を直接の検出対象とし、この検出対象の検出出力の変換に基づいて金属を検知するものであり、金属検知の精度が、この検出対象の検出精度に大きく依存する。例えば、コンクリートに埋設された金属を磁気センサを用いて検出する場合、コンクリートの表面に沿って1つの磁気センサを移動させつつ、当該磁気センサからの検出出力を監視し、当該検出出力が最大となった位置を金属の直上位置と判定すると共に、この検出出力に基づいて埋設深さを算定していた。
この場合、直上位置については、各位置に磁気センサを配置した場合の検出出力を相互に比較することによる相対的な判定によって特定できるため、比較的正確に特定することができる。しかしながら、埋設深さについては、直上位置における磁気センサの検出出力に基づく絶対的な数値となるため、磁気センサによる電磁波の検出精度によって大きく左右されたり、コンクリートの内部組成が磁気センサの検出出力に与える影響を受ける等、高精度で測定を行うことが困難であった。
この発明は、このような従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、金属の埋設深さを簡易に高精度で測定することができる、金属埋設深さ測定システム及び測定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の金属埋設深さ測定システムは、物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定する金属埋設深さ測定システムであって、前記金属を検出する金属検出手段と、前記金属検出手段の検出結果に基づいて、前記金属の埋設深さを算定する算定手段と、前記算定手段にて算定された前記金属の埋設深さを出力する出力手段を備え、前記算定手段は、前記物体の表面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記物体の表面上における前記金属の真上位置である表面真上位置が特定されると共に、前記表面真上位置から任意の第1距離だけ離れた位置において前記物体の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記傾斜面上における前記金属の真上位置である傾斜面真上位置が特定された場合において、前記第1距離、前記物体の表面と前記傾斜面が交差する位置から前記傾斜面真上位置までの距離である第2距離、及び前記角度に基づいて、前記金属の埋設深さを算定することを特徴とする。
請求項2に記載の金属埋設深さ測定システムは、請求項1に記載の金属埋設深さ測定システムにおいて、前記算定手段は、前記金属の埋設深さの算定を、d=(x1/tanθ)−(x2/sinθ)(ただし、dは前記金属の埋設深さ、x1は前記第1距離、x2は前記第2距離、θは前記角度)により行うことを特徴とする。
請求項3に記載の金属埋設深さ測定システムは、請求項2に記載の金属埋設深さ測定システムにおいて、前記算定手段は、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、d=(x1−x2)/θにより行うことを特徴とする。
請求項4に記載の金属埋設深さ測定システムは、請求項2に記載の金属埋設深さ測定システムにおいて、前記算定手段は、前記θ≪1の場合であって、前記物体の表面に対して前記θだけ傾けた前記金属検出手段を当該表面上で走査させることで前記x2がゼロとなる場合に、前記金属の埋設深さの算定を、d=x1/θにより行うことを特徴とする。
請求項5に記載の金属埋設深さ測定システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の金属埋設深さ測定システムにおいて、前記金属検出手段は、前記物体の表面上に配置されるもので、検出方向が前記物体の表面に直交する方向になるように配置される第1検出ユニットと、前記第1検出ユニットに対して前記第1距離だけ離れた位置に配置されるもので、検出方向が前記傾斜面に直交する方向になるように配置される第2検出ユニットと、前記物体の表面に対する前記傾斜面の角度を変更する角度変更手段と、前記第1検出ユニット、前記第2検出ユニット、及び前記角度変更手段を一体に連携する連携手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の金属埋設深さ測定方法は、物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定する金属埋設深さ測定方法であって、前記物体の表面に沿って金属検出手段を走査することにより、前記物体の表面上における前記金属の真上位置である表面真上位置を特定する第1工程と、前記表面真上位置から任意の第1距離だけ離れた位置において前記物体の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記傾斜面上における前記金属の真上位置である傾斜面真上位置を特定する第2工程と、前記第1距離、前記物体の表面と前記傾斜面が交差する位置から前記傾斜面真上位置までの距離である第2距離、及び前記角度に基づいて、前記金属の埋設深さを算定する第3工程とを含むことを特徴とする。
請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法は、請求項6に記載の金属埋設深さ測定方法において、前記第3工程において、前記金属の埋設深さの算定を、d=(x1/tanθ)−(x2/sinθ)(ただし、dは前記金属の埋設深さ、x1は前記第1距離、x2は前記第2距離、θは前記角度)により行うことを特徴とする。
請求項8に記載の金属埋設深さ測定方法は、請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法において、前記第3工程において、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、d=(x1−x2)/θにより行うことを特徴とする。
請求項9に記載の金属埋設深さ測定方法は、請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法において、前記第2工程において、前記物体の表面に対して前記θだけ傾けた前記金属検出手段を当該表面上で走査させることで前記x2をゼロとし、前記第3工程において、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、d=x1/θにより行うことを特徴とする。
請求項1に係る金属埋設深さ測定システム又は請求項6に記載の金属埋設深さ測定方法によれば、表面真上位置及び傾斜面真上位置については金属検出手段の検出精度に大きく依存することなく正確に特定でき、さらにこれら表面真上位置及び傾斜面真上位置に基づく幾何学的な関係によって金属の埋設深さを算定できるので、金属の埋設深さを高精度で容易に測定できる。また、表面真上位置と埋設深さが特定できることから、金属の位置が特定できる。
また、請求項1に係る金属埋設深さ測定システム又は請求項6に記載の金属埋設深さ測定方法によれば、従来は測定が困難であった同一位置で深さが異なるダブル配筋や近接した配筋についても、表面真上位置及び傾斜面真上位置に基づく幾何学的な関係によって算定できる。
また、請求項2に係る金属埋設深さ測定システム又は請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法によれば、この算定式を用いることで、幾何学的な関係によって金属の埋設深さを高精度で容易に測定できる。
また、請求項3に係る金属埋設深さ測定システム又は請求項8に記載の金属埋設深さ測定方法によれば、によれば、θ≪1の場合に、一層簡易な算定式を用いて、金属の埋設深さを高精度で容易に測定できる。
また、請求項4に係る金属埋設深さ測定システム又は請求項9に記載の金属埋設深さ測定方法によれば、θ≪1の場合であってx2がゼロの場合に、一層簡易な算定式を用いて、金属の埋設深さを高精度で容易に測定できる。
また、請求項5に係る金属埋設深さ測定システムによれば、連携手段を介して第1検出ユニット、第2検出ユニット、及び角度変更手段を一体に保持したまま移動させ、角度変更手段を介して傾斜面の角度を変更させることで、金属の埋設深さを測定できるので、1台の検出ユニットを複数位置に移動させて測定を行う場合に比べて、一層容易に測定を行うことができる。
以下に添付図面を参照して、各発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の各々の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る金属埋設深さ測定システム及び測定方法は、物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定するためのものである。
各実施の形態に共通の特徴の一つは、金属を検出する金属検出手段と、この金属検出手段の検出結果に基づいて、金属の埋設深さを算定する算定手段と、この算定手段にて算定された金属の埋設深さを出力する出力手段を備え、算定手段は、物体の表面に沿って金属検出手段を走査することにより、表面真上位置が特定されると共に、表面真上位置から任意の距離だけ離れた位置において物体の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って金属検出手段を走査することにより、傾斜面真上位置が特定された場合において、距離、物体の表面と傾斜面が交差する位置から傾斜面真上位置までの距離、及び角度に基づいて、金属の埋設深さを算定することにある。すなわち、従来と同様に金属検出手段による金属検出を行うが、この検出結果に基づいて直接的に埋設深さを算定するのではなく、表面真上位置や傾斜面真上位置が特定された際の各部の距離や角度に基づいて幾何学的に埋設深さを算定するため、金属検出手段の検出精度への依存度を低減でき、金属の埋設深さを簡易に高精度で測定することができる。
ここで、金属が埋設される物体(以下、必要に応じて「埋設体」と称する)の種類は特記する事項を除いて任意であり、例えば、土、木材、あるいはコンクリートを挙げることができる。測定対象となる金属の種類は特記する事項を除いて任意であり、例えば、金属配管、鉄筋、その他の任意の金属含有物体を含む。以下では、コンクリートの内部に埋設された鉄筋を測定する場合について説明する。
「埋設深さ」とは、埋設体の表面から金属に至る直線であって、埋設体の表面に対して直交する垂線上における、埋設体の表面と金属との距離(すなわち埋設体の表面から金属に至る最短距離)である。「表面真上位置」とは、金属の真上位置(埋設体の表面に対して直交する垂線上の位置であって、金属を通過する垂線が埋設体の表面と交差する位置)である。「傾斜面真上位置」とは、表面真上位置から任意の距離(ゼロを含む)だけ離れた位置において埋設体の表面に任意の角度で交差する傾斜面を想定した場合に、この傾斜面上における金属の真上位置(傾斜面の表面に対して直交する垂線上の位置であって、金属を通過する垂線が傾斜面の表面と交差する位置)である。
なお、各実施の形態において使用される金属検出手段の検出原理や具体的構造は任意であり、表面真上位置及び傾斜面真上位置を特定できる限りにおいて、任意の手段を用いることができる。以下では、コイルを用いて磁場を発生させ、この磁場における磁束が金属によって受ける変化をピックアップコイルで検出することで、金属を検出するセンサを用いた例を説明する。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態に係る金属埋設深さ測定システム及び測定方法の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、物体の表面から離れた位置に傾斜面を形成して測定を行う形態である。
(金属埋設深さ測定システムの構成)
図1は実施の形態1に係る金属埋設深さ測定システムを埋設体と共に示す模式図、図2は図1の測定ユニットの平面図である。実施の形態1における埋設体1は、鉄筋1aが埋設されたコンクリート1bである。金属埋設深さ測定システム2は、測定ユニット10、発振器20、アンプ30、ロックインアンプ40、及び測定結果出力装置50を備えて構成されている(図1においては、埋設体1及び測定ユニット10を縦断面図として示し、それ以外の構成要素を斜視図として示す。なお、縦断面とはコイルの中心軸方向に沿った切断面による断面を意味する。また、各図に示す各コイルの縦断面では、各コイルを構成する銅線を簡略化して示す)。
測定ユニット10は、埋設体1に近接配置されるもので、特許請求の範囲における金属検出手段に対応する。この測定ユニット10は、測定子11、内側コイル12、及び外側コイル13を備えて構成されている。
測定子11は、測定点Pの磁場を測定するもので、円筒状の測定子本体11aの先端近傍位置にピックアップコイル11bを巻き付けて構成されており、このピックアップコイル11bを通過する磁束の変化によって当該ピックアップコイル11bに起電力が発生し、当該磁束の変化に応じた電流が当該ピックアップコイル11bから出力される。このピックアップコイル11bの中心軸上の中央位置が測定点Pとなる。
内側コイル12は、測定点Pに第1の磁場を発生させるもので、銅線を円筒状に巻き付けることで形成されており、この内側コイル12にアンプ30から出力された電流を流すことで、内側コイル12の軸方向に沿った第1の磁場が形成される。
外側コイル13は、測定点Pに対して第2の磁場を発生させるもので、銅線を円筒状に巻き付けることで形成されており、この外側コイル13にアンプ30から出力された電流を流すことで、外側コイル13の軸方向に沿った第2の磁場が形成される。
これら測定子11、内側コイル12、及び外側コイル13の相互関係について説明する。測定子11のピックアップコイル11bは、内側コイル12の内部であって、内側コイル12と同心状となる位置に配置されている。また、外側コイル13は、内側コイル12と同心状となる位置であって、当該内側コイル12を外側から囲繞する位置に配置されている。ここで、内側コイル12と外側コイル13とは相互に差動接続されているため、内側コイル12の端部と外側コイル13の端部とにアンプ30から出力された電流を流すことで、内側コイル12による第1の磁場と外側コイル13による第2の磁場とは相互に逆方向となる。また、内側コイル12の直径及び銅線の巻数と外側コイル13の直径及び銅線の巻数とは、第1の磁場の強さと第2の磁場の強さとがピックアップコイル11bの測定点Pの位置で相互に同一になるように決定されている。具体的には、内側コイル12の直径と外側コイル13の直径との比が、内側コイル12の銅線の巻数と外側コイル13の銅線の巻数との比に等しくなるように、これら内側コイル12及び外側コイル13が形成されている。このように、第1の磁場と第2の磁場とを相互に逆方向としたこと、及び、第1の磁場の強さと第2の磁場の強さとを相互に同一としたことから、これら第1の磁場と第2の磁場との測定点Pにおける合成磁場は略ゼロになる。
図1において、発振器20は、所定周波数(例えば1KHzから数MHz)の電流を出力する基準電流源である。
アンプ30は、発振器20から出力された電流を増幅して、内側コイル12の端部と外側コイル13の端部とに出力する。
ロックインアンプ40には、測定子11のピックアップコイル11bから出力される電流が測定信号として入力されると共に、発振器20から出力された電流が参照信号として入力される。このロックインアンプ40では、測定子11のピックアップコイル11bから出力される電流のうち、発振器20から出力された電流と等しい周波数成分の電圧値を検出することにより、雑音中の微少信号を検出する。この電圧値は、ロックインアンプ40の表示部に例えば電圧出力、位相差、あるいはグラフ形式で表示される。なお、ロックインアンプ40と、測定子11や発振器20との間に、ロックインアンプ40の上限周波数を拡張するための周波数変換器(ロックインアンプ周波数エクステンダ)を配置してもよい。
測定結果出力装置50は、金属検出手段の検出結果に基づいて、鉄筋1aの埋設深さを算定すると共に、当該算定された鉄筋1aの埋設深さを出力するコンピュータである。図3は測定結果出力装置50の構成を機能概念的に示すブロック図である。この測定結果出力装置50は、各種の情報を入力するための入力部51と、各種の情報を出力するための出力部52と、各種の情報を記憶するための記憶部53と、これら各部を制御する制御部54を備えて構成されている。入力部51は、例えばキーボードの如き入力手段にて構成され、出力部52は、例えばモニタやプリンタの如き出力手段にて構成され、記憶部53は、HD(Hard Disk)やフラッシュメモリの如き記憶媒体にて構成される。
制御部54は、CPU(Central Processing Unit)と、このCPU上で解釈実行されるプログラムにて構成される。この制御部54は、機能概念的に、埋設深さ算定部54aを備える。埋設深さ算定部54aは、ロックインアンプ40からの出力、あるいは入力部51からの入力情報に基づいて、後述する各種の算定式に応じた埋設深さの算定を行う算定手段である。この埋設深さ算定部54aは、例えば、本実施の形態に係る金属探知方法をコンピュータとしての測定結果出力装置50に実行させるための金属探知プログラムを、任意のネットワークや記憶媒体を介して測定結果出力装置50にインストールすることにより構成される。
(金属埋設深さ測定方法及び金属埋設深さ測定プログラム)
次に、このように構成された金属埋設深さ測定システム2を用いて行われる金属埋設深さ測定方法と、測定結果出力装置50によって実行される金属埋設深さ測定プログラムについて説明する。
最初に、測定ユニット10の測定子11の位置調整(出力のゼロ点調整)を行う。具体的には、金属埋設深さ測定システム2の周囲に金属がない状態で、発振器20を起動して電流を流し、ロックインアンプ40の出力(電圧値)がゼロになるように、内側コイル12及び外側コイル13に対する測定子11の位置を調整する。
次に、埋設体1の表面に沿って測定ユニット10を走査することにより、埋設体1の表面上における鉄筋1aの真上位置である表面真上位置を特定する(第1工程)。図4は第1工程における検出状態を概念的に示す図である。具体的には、埋設体1の表面上に走査線(鉄筋1aに直交する直線であって、鉄筋1aの真上位置を通過すると想定される直線)を仮想的に設定し、この走査線の任意の初期位置に測定ユニット10を配置し、この測定ユニット10を1度だけ走査線に沿って連続的に移動させつつ、ロックインアンプ40の出力を見ることで、この出力が最大となる位置を見つける。あるいは、測定ユニット10の連続的な移動が困難である場合には、走査線上における離散的な複数位置(例えば最低3位置、好ましくは10位置以上)に測定ユニット10を順次移動させ、各位置においてロックインアンプ40の出力を見ることで、この出力が最大となる位置を見つける。この場合、ロックインアンプ40のオフセット調整により、電圧出力をゼロにすればさらに精度を向上させることができる。例えば、図4に示すように、埋設体1の表面上の位置P1〜P3で測定を行うことで、ロックインアンプ40の出力に基づいて図示のような出力波形が得られた場合において、この出力波形において出力値が最大となる位置が位置P2であった場合には、当該位置P2が表面真上位置である。
そして、測定を終えた走査線に対して平行な他の走査線を設定し、上記と同様の手順を繰り返し、当該他の走査線の各位置の中で、ロックインアンプ40の出力が最大となる位置を見つける。このように、埋設体1の表面の全域に順次走査線を設定し、各走査線上においてロックインアンプ40の出力が最大となる位置を見つけ、さらに、各走査線上における出力最大位置の相互間で、ロックインアンプ40の出力が最大を見つける。この位置が、埋設体1の表面上において鉄筋1aに最も近い位置であり、表面真上位置であることが判る。ただし、鉄筋1aのように、埋設深さがほぼ一定である金属を探知する場合には、1本の走査線のみを走査すればよい。
なお、鉄筋1aの位置がある程度事前に判っている場合には、この位置の周辺のみに限定して上記測定を行ってもよく、また、走査線の設定間隔や各走査線上における測定ユニット10の移動間隔は任意であり、測定ユニット10による金属検出時の分解能、鉄筋1aの線径、所望の精度、及び作業量を考慮して決定することができる(後述する第2工程においても同じ)。ただし、1本の走査線上における出力の最大値を正確に特定するためには、最大値近傍では移動間隔を狭めることが好ましい。なお、金属検出手段の構成や検出原理によっては、鉄筋1aに最も近い位置での出力が最小又はゼロになるため、上記説明における「出力が最大となる位置」を「出力が最小又はゼロとなる位置」に読み替えた方法となる(後述する第2工程においても同じ)。
次に、表面真上位置から任意の距離だけ離れた位置において埋設体1の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って測定ユニット10を走査することにより、傾斜面上における鉄筋1aの真上位置である傾斜面真上位置を特定する(第2工程)。図5は第2工程における測定作業を説明するための説明図、図6は第2工程における検出状態を概念的に示す図である。具体的には、埋設体1の表面上に傾斜面を形成するための平板を配置し、この平板の表面(傾斜面)を、第1工程における埋設体1の表面と見立てて第1工程と同様の手順を行うことで、傾斜面真上位置を特定する。例えば、図6に示すように、傾斜面上の位置P4〜P6で測定を行い、ロックインアンプ40の出力が最大となる位置P5が、傾斜面真上位置である。なお、傾斜面の具体的な形成方法は任意であり、例えば、平板に代えて、埋設体1の表面上に載置される底面と、この底面に上記任意の角度で交差する傾斜面とを有する、角錐形状の測定台を用いてもよい。これら平板や測定台は、測定ユニット10による鉄筋1aの検出に悪影響を与えないよう、非磁性材料(例えばアクリル)にて形成することが好ましい。また、角度の異なる複数の測定台を用意しておき、必要に応じてこれらを相互に入れ替えることで、角度を変えるようにしてもよい。
その後、1)表面真上位置から埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置までの距離(第1距離)、2)埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置から傾斜面真上位置までの距離(第2距離)、及び3)埋設体1の表面に対する傾斜面の角度を、任意の方法で測定し、当該測定した距離及び角度を、測定結果出力装置50に入力部51を介して入力する。そして、入力部51を介した所定方法で鉄筋1aの埋設深さ(以下「埋設深さd」)の算定を指示すると、金属埋設深さ測定プログラムが起動され、当該埋設深さの算定が埋設深さ算定部54aにより行われ、当該算定された埋設深さが出力部52を介して表示出力や印刷出力される(第3工程)。
図7は埋設深さの算定原理を示す図である。この図7において、位置Oは第1工程で特定した表面真上位置、位置O’は第2工程で特定した傾斜面真上位置を示す。また、この図7では、位置Oを原点とし、埋設体1の表面に沿った方向をX軸、X軸に直交する方向をZ軸とした平面と、位置O’を原点とし、傾斜面に沿った方向をX’軸、X’軸に直交する方向をZ’軸とした平面を示す。この図7における幾何学的関係から明らかなように、以下の式(1)が成り立ち、この式(1)から式(2)が導かれる。なお、以下の各式においては、鉄筋1aの埋設深さを「d」、表面真上位置から、埋設体1と傾斜面が交差する位置までの距離を「x1」、埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置から、傾斜面真上位置までの距離を「x2」、埋設体1の表面に対する傾斜面の角度を「θ」とそれぞれ略記する。
x1=x2・cosθ+d・tanθ+x2・sinθ・tanθ ・・・式(1)
d=(x1/tanθ)−(x2/sinθ) ・・・式(2)
なお、θ(ラジアン)が1より十分に小さい時(θ≪1)の場合には(sinθ≒tanθ≒θと近似できる場合であり、例えば、sinθとtanθを1%以下の誤差で近似できるθ<0.3の場合。以下同じ)、上記式(2)は以下の式(3)となる。この条件は、埋設深さが比較的深い場合に適用できる。例えば、埋設深さ算定部54aは、入力されたθを記憶部53に予め設定された閾値と比較することによりθ≪1であるか否かを判定し、θ≪1である場合には、式(2)に代えて式(3)を用いて算定を行う。
d=(x1−x2)/θ ・・・式(3)
本方法では、このように表面真上位置と埋設深さが特定できることから、鉄筋1aの3次元上の位置も正確に特定できる。さらに、測定対象である金属が、埋設体1の表面方向に沿って複数存在する場合や、異形状(縦長、横長、方形状等)の場合でも、その位置を特定することができる。このためには、例えば、第1工程では、埋設体1の表面を複数回走査し、ロックインアンプ40の出力に基づいて、2次元平面での位置及び形状の推定を行う。次に、第2工程では、傾斜面上を走査し、金属が存在する埋設深さ(この場合には連続する複数位置の各々の深さ)を特定する。これら第1工程や第2工程における走査では、金属が大きい場合、ロックインアンプ40の出力は1つのピークでなく、広がりをもったピーク(台形のような形)になる。そして、第1工程での推定した位置及び形状と、第2工程で特定した埋設深さから、金属の3次元上の位置及び形状を特定できる。
なお、埋設体1の表面上に障害物等があり、表面真上位置における測定ができない場合には、埋設体1の表面上における表面真上位置からずれた位置に図7の位置O’をもう1か所設定することで、公知の幾何学的関係により、埋設深さを算定することができる。
(金属埋設深さ測定方法−複数金属の埋設時)
これまでの説明では、埋設体1に鉄筋1aが1本のみ埋設されている場合について説明したが、埋設体1の表面に対して直交する垂線上に沿って複数本の鉄筋1a、1aが埋設されている場合であっても、各鉄筋1a、1aの埋設深さを測定できる。図8は複数の鉄筋1a、1aの埋設深さの算定原理を示す図である。
第1工程では、鉄筋1aが1本のみの埋設されている場合と同様に、ロックインアンプ40の出力が最大となる位置は、これら鉄筋1a、1aに共通の垂線上の位置であるため、第1工程と同様の手順により特定することができる。
第2工程では、傾斜面の表面に対して直交する垂線が鉄筋1a、1aと交わる2つの位置において、ロックインアンプ40の出力が最大となるため、これら2つの位置を傾斜面真上位置として特定する。なお実際には、各位置におけるロックインアンプ40の出力は、各位置における鉄筋1aの検出出力と鉄筋1aの検出出力との合成出力となり、位置における合成出力と位置における合成出力とは相互に異なり得るため、ロックインアンプ40の出力が最大なる位置は厳密には一か所のみであるが、他の位置における出力との比較から、これら各位置をピークの検出位置として容易に特定することが可能である。
そして、第3工程では、1)表面真上位置から埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置までの距離、2)埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置から2つの傾斜面真上位置までの各々距離、及び3)埋設体1の表面に対する傾斜面の角度を、任意の方法で測定し、当該測定した距離及び角度を、測定結果出力装置50に入力部51を介して入力することで、埋設深さの算定が制御部54により行われる。
図8において、位置Oは表面真上位置、位置O’は鉄筋1aに対する傾斜面真上位置、位置O”は鉄筋1aに対する傾斜面真上位置を示す。鉄筋1aの埋設深さを「d1」、鉄筋1aの埋設深さを「d2」、埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置を基準として、傾斜面真上位置までの距離を「x21」、傾斜面真上位置までの距離を「x22」と略記すると、上記式(2)から、以下の式(4)、(5)が導かれる。
d1=(x1/tanθ)−(x21/sinθ) ・・・式(4)
d2=(x1/tanθ)−(x22/sinθ) ・・・式(5)
なお、θ(ラジアン)が1より十分に小さい時(θ≪1)の場合、上記式(4)は以下の式(6)となり、上記式(5)は以下の式(7)となる。この条件は、埋設深さが比較的深い場合に適用できる。
d1=(x1−x21)/θ ・・・式(6)
d2=(x1−x22)/θ ・・・式(7)
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、鉄筋1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。すなわち、第1工程における表面真上位置特定や、第2工程における傾斜面真上位置の特定は、ロックインアンプ40の出力を相互に比較することによる相対的な判定によって行うことができるため、出力のピークが特定できる程度のS/N比があればよく、測定磁界の強度情報は不要であるため、ロックインアンプ40の検出精度に大きく左右されることなく、比較的正確に特定することができる。また、第3工程における埋設深さの算定は、幾何学的関係に基づく所定の算定式(2)によって行うことができるので、ロックインアンプ40の検出精度に無関係に、容易かつ正確に行うことが可能となる。また、表面真上位置と埋設深さが特定できることから、鉄筋1aの3次元上の位置も正確に特定できる。
また、実施の形態1によれば、式(2)のような算定式を用いることで、幾何学的な関係によって鉄筋1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。特に、θ≪1の場合には、式(3)のような一層簡易な算定式を用いて、鉄筋1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。
また、実施の形態1によれば、従来は測定が困難であった同一位置で深さが異なるダブル配筋や近接した配筋についても、式(4)及び式(5)のような算定式を用いることで、幾何学的な関係によって鉄筋1a、1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。特に、θ≪1の場合には、式(6)及び式(7)のような一層簡易な算定式を用いて、鉄筋1a、1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、物体の表面上で傾斜面を形成して測定を行う形態である。ただし、実施の形態1と略同様の構成要素及び処理については、必要に応じて実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付して、その説明を省略する。
(金属埋設深さ測定システムの構成)
本実施の形態2に係る金属埋設深さ測定システム2は、実施の形態1と同様に構成できるため、その説明を省略する。ただし、測定結果出力装置50の埋設深さ算定部54aによる金属埋設深さの算定方法は、実施の形態1と異なる。この算定方法については後述する。
(金属埋設深さ測定方法)
この実施の形態2に係る金属埋設深さ測定システム2を用いて行われる金属埋設深さ測定方法について説明する。
測定ユニット10の測定子11の位置調整を行った後、実施の形態1と同様に第1工程を行う。次いで、第2工程を行う。図9は第2工程における測定作業を説明するための説明図である。この第2工程では、表面真上位置から任意の距離だけ離れた位置において、埋設体1の表面上に測定ユニット10を接触又は近接させたまま、この測定ユニット10の測定軸を埋設体1の表面に対して非直交する方向に傾ける。すなわち、測定ユニット10の測定軸に直交する面を埋設体1の表面に対して傾斜させることで傾斜面を形成し、この状態において、測定ユニット10を1度だけ走査線に沿って連続的に移動させつつ、ロックインアンプ40の出力を見ることで、この出力が最大となる位置を見つける。あるいは、測定ユニット10の連続的な移動が困難である場合には、走査線上における離散的な複数位置に測定ユニット10を順次移動させ、各位置においてロックインアンプ40の出力を見ることで、この出力が最大となる位置を見つける。なお、傾斜面の具体的な形成方法は任意であり、例えば、埋設体1の表面上に載置される底面と、この底面に上記任意の角度で交差する傾斜面とを有する、角錐形状の小型の測定台を用いてもよい。
その後、第3工程では、実施の形態1と同様に各数値を測定し、当該測定した距離及び角度を、測定結果出力装置50に入力すると、埋設深さ算定部54aによる鉄筋1aの埋設深さの算定が行われる。ここで、測定ユニット10を傾けることで形成した傾斜面と埋設体1の表面の相互の角度が、実施の形態1における角度θとなる。また、埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置から傾斜面真上位置までの距離は、本実施の形態2ではゼロになるため、この点においては、実施の形態1の各算定の特殊な場合として考えることができる(実施の形態1の傾斜面を測定ユニット10の下面に設定したものと考えることができる)。
図10は埋設深さの算定原理を示す図である。この図10における幾何学的関係から明らかなように、上記式(2)におけるx2=0となるため、以下の式(8)が成り立つことが判る。
d=(x1/tanθ) ・・・式(8)
なお、θ(ラジアン)が1より十分に小さい時(θ≪1)の場合には、上記式(8)は以下の式(9)となる。この条件は、測定ユニット10の大きさに比べて、埋設深さが比較的深い(大きい)場合に適用できる。
d=x1/θ ・・・式(9)
(金属埋設深さ測定方法−複数金属の埋設時)
また、埋設体1の表面に対して直交する垂線上に並んで複数の鉄筋1a、1aが埋設されている場合には、ロックインアンプ40の出力が最大なる位置は、鉄筋1aに対してはx1=x21の位置となり、鉄筋1aに対してはx1=x22の位置となるため、これらを上記式(4)(5)に代入することにより、以下の式(10)、(11)が導かれる。
d1=(x21/tanθ) ・・・式(10)
d2=(x22/tanθ) ・・・式(11)
なお、θ(ラジアン)が1より十分に小さい時(θ≪1)の場合には、上記式(10)は以下の式(12)となり、上記式(11)は以下の式(13)となる。この条件は、埋設深さが比較的深い場合に適用できる。
d1=x21/θ ・・・式(12)
d2=x22/θ ・・・式(13)
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1の基本的効果に加えて、測定ユニット10を埋設体1の表面から大きく離すことなく測定を行うことができ、測定ユニット10と埋設体1の間に介在するスペースの悪影響を低減できると共に、測定ユニット10による磁場を埋設体1に近距離から印加できるので、比較的低出力の測定ユニット10を用いて高精度な測定を行うことが可能となる。
また、実施の形態2によれば、式(8)のような算定式を用いることで、幾何学的な関係によって鉄筋1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。特に、θ≪1の場合には、式(9)のような一層簡易な算定式を用いて、鉄筋1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。
また、実施の形態2によれば、従来は測定が困難であった同一位置で深さが異なるダブル配筋や近接した配筋についても、式(10)及び式(11)のような算定式を用いることで、幾何学的な関係によって鉄筋1a、1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。特に、θ≪1の場合には、式(12)及び式(13)のような一層簡易な算定式を用いて、鉄筋1a、1aの埋設深さを高精度で容易に測定できる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、物体の表面上で傾斜面の角度を変えながら測定を行う形態である。ただし、実施の形態2と略同様の構成要素及び処理については、必要に応じて実施の形態2で用いたのと同一の符号又は名称を付して、その説明を省略する。
(金属埋設深さ測定システムの構成)
図11は実施の形態3に係る金属埋設深さ測定システム2を埋設体1と共に示す模式図である。この金属埋設深さ測定システム2は、一対の測定ユニット10A、10B、発振器20、アンプ30、ロックインアンプ40、及び測定結果出力装置50を備えて構成されている。ただし、図11では、発振器20、アンプ30、ロックインアンプ40、及び測定結果出力装置50と、これらに接続される配線を省略して示す。
一対の測定ユニット10A、10Bは、それぞれ実施の形態1の測定ユニット10と同様に構成されるものであり、一方の測定ユニット10Aは、埋設体1の表面に対して測定軸が直交するように配置されるものであって、特許請求の範囲における第1検出ユニットに対応する、他方の測定ユニット10Bは、埋設体1の表面に対して測定軸が傾斜するように配置されるものであって、特許請求の範囲における第2検出ユニットに対応する。
測定ユニット10Bには、埋設体1の表面に対する傾斜面の角度を変更するための角度変更部60が設けられている。この角度変更部60は、特許請求の範囲における角度変更手段に対応するものであって、測定ユニット10Bを、その測定軸に直交する軸であって、埋設体1の表面上における走査方向(ここでは図10の左右方向)に直交する軸を中心に回転させるもので、例えば、測定子11の端部(埋設体1の表面に接触又は近接される側と反対側の端部)に固定された回転軸と、この回転軸を回転させるために当該回転軸の一端部に設けられたハンドルと、この回転軸の回転角度を任意の位置で固定するために当該回転軸の側面に押圧接触されるストッパを備える(これら各部の図示は省略する)。
一対の測定ユニット10A、10Bは、角度変更部60と共に、少なくともその一部が共通の連携ステー70によって固定されている。この連携ステー70は、特許請求の範囲における連携手段に対応するものであり、これら一対の測定ユニット10A、10B及び角度変更部60を一体にユニット化し、一括して持ち運ぶことを可能とすることで、測定作業の容易化を図るものである。特に、一対の測定ユニット10A、10Bは、相互に一定の距離を隔てて連携ステー70に固定されており、この距離を維持しつつ、一対の測定ユニット10A、10Bを同時に移動させることができる。
なお、発振器20、アンプ30、及びロックインアンプ40は、測定ユニット10A、10Bの各々の出力を見るためにそれぞれ2組設けてもよい。あるいは、公知の切り替え手段を用いて、測定ユニット10A、10Bの任意の一方をアンプ30やロックインアンプ40に選択的に接続するようにしてもよい。測定結果出力装置50は、実施の形態1と同様に構成できるが、埋設深さ算定部54aによる金属埋設深さの算定方法は、実施の形態1と異なる。この算定方法については後述する。
(金属埋設深さ測定方法)
この実施の形態3に係る金属埋設深さ測定システム2を用いて行われる金属埋設深さ測定方法について説明する。
測定ユニット10A、10Bの測定子11の位置調整をそれぞれ行った後、実施の形態1と同様に第1工程を行う。この第1工程では、埋設体1の表面に沿って測定ユニット10Aを走査することにより、埋設体1の表面上における鉄筋1aの真上位置である表面真上位置を特定する。次いで、第2工程を行うが、この際には、埋設体1の表面上に測定ユニット10Bを接触又は近接させたまま、角度変更部60を操作して、この測定ユニット10Bの測定軸を埋設体1の表面に対して非直交する方向に傾ける。すなわち、測定ユニット10Bの測定軸に直交する面を埋設体1の表面に対して傾斜させることで傾斜面を形成し、この状態において、ロックインアンプ40の出力を見る。そして、さらに角度変更部60を操作して測定ユニット10Bを同一位置において回転させ、ロックインアンプ40の出力を見る。以降、同様の手順を繰り返し、測定ユニット10Bを同一位置に配置したまま、ロックインアンプ40の出力が最大となる測定ユニット10Bの角度を見つける。
その後、第3工程では、実施の形態1と同様に各数値を測定し、当該測定した距離及び角度を、測定結果出力装置50に入力すると、埋設深さ算定部54aによる鉄筋1aの埋設深さの算定が行われる。ここで、ロックインアンプ40の出力が最大となった時の測定ユニット10Bの角度(測定ユニット10Bを傾けることで形成した傾斜面と埋設体1の表面の相互の角度)が、実施の形態1における角度θとなる。また、表面真上位置から埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置までの距離は、連携ステー70によって固定された測定ユニット10A、10Bの相互間隔となる。さらに、埋設体1の表面と傾斜面が交差する位置から傾斜面真上位置までの距離は、本実施の形態3では、実施の形態2と同様にゼロになる。これらの点においては、実施の形態1の各算定の特殊な場合として考えることができる。
図10と同様の幾何学的関係から明らかなように、上記式(2)におけるx2=0となるため、実施の形態2と同様の算定式により、埋設深さを算定することができる。
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果に加えて、測定ユニット10A、10Bの相互間隔を固定することで、埋設深さの算定に必要な距離の測定や入力を省略でき、測定を一層簡易で間違いなく行うことが可能となる。さらに、測定ユニット10Bを同一位置において回転させることで第2工程の作業を行うことができるので、直線上で走査させる場合に比べて、測定を一層簡易に行うことが可能となる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(測定結果出力装置について)
各実施の形態では、測定結果出力装置50を、発振器20、アンプ30、あるいはロックインアンプ40から独立した装置として示したが、これらの全部又は一部の機能を統合して一つの装置に持たせることも可能である。
本発明の実施の形態1に係る金属埋設深さ測定システムを埋設体と共に示す模式図である。 図1の測定ユニットの平面図である。 測定結果出力装置の構成を機能概念的に示すブロック図である。 第1工程における検出状態を概念的に示す図である。 第2工程における測定作業を説明するための説明図である。 第2工程における検出状態を概念的に示す図である。 埋設深さの算定原理を示す図である。 複数の金属の埋設深さの算定原理を示す図である。 実施の形態2に係る第2工程における測定作業を説明するための説明図である。 埋設深さの算定原理を示す図である。 実施の形態3に係る金属埋設深さ測定システムを埋設体と共に示す模式図である。
符号の説明
1 埋設体
1a、1a、1a 鉄筋
1b コンクリート
1c CD管
2 金属埋設深さ測定システム
10、10A、10B 測定ユニット
11 測定子
11a 測定子本体
11b ピックアップコイル
12 内側コイル
13 外側コイル
20 発振器
30 アンプ
40 ロックインアンプ
50 測定結果出力装置
51 入力部
52 出力部
53 記憶部
54 制御部
54a 埋設深さ算定部
60 角度変更部
70 連携ステー

Claims (9)

  1. 物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定する金属埋設深さ測定システムであって、
    前記金属を検出する金属検出手段と、
    前記金属検出手段の検出結果に基づいて、前記金属の埋設深さを算定する算定手段と、
    前記算定手段にて算定された前記金属の埋設深さを出力する出力手段を備え、
    前記算定手段は、
    前記物体の表面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記物体の表面上における前記金属の真上位置である表面真上位置が特定されると共に、
    前記表面真上位置から任意の第1距離だけ離れた位置において前記物体の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記傾斜面上における前記金属の真上位置である傾斜面真上位置が特定された場合において、
    前記第1距離、前記物体の表面と前記傾斜面が交差する位置から前記傾斜面真上位置までの距離である第2距離、及び前記角度に基づいて、前記金属の埋設深さを算定すること、
    を特徴とする金属埋設深さ測定システム。
  2. 前記算定手段は、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=(x1/tanθ)−(x2/sinθ)
    (ただし、dは前記金属の埋設深さ、x1は前記第1距離、x2は前記第2距離、θは前記角度)により行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載の金属埋設深さ測定システム。
  3. 前記算定手段は、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=(x1−x2)/θ
    により行うこと、
    を特徴とする請求項2に記載の金属埋設深さ測定システム。
  4. 前記算定手段は、前記θ≪1の場合であって、前記物体の表面に対して前記θだけ傾けた前記金属検出手段を当該表面上で走査させることで前記x2がゼロとなる場合に、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=x1/θ
    により行うこと、
    を特徴とする請求項2に記載の金属埋設深さ測定システム。
  5. 前記金属検出手段は、
    前記物体の表面上に配置されるもので、検出方向が前記物体の表面に直交する方向になるように配置される第1検出ユニットと、
    前記第1検出ユニットに対して前記第1距離だけ離れた位置に配置されるもので、検出方向が前記傾斜面に直交する方向になるように配置される第2検出ユニットと、
    前記物体の表面に対する前記傾斜面の角度を変更する角度変更手段と、
    前記第1検出ユニット、前記第2検出ユニット、及び前記角度変更手段を一体に連携する連携手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の金属埋設深さ測定システム。
  6. 物体の内部に埋設されている金属の埋設深さを測定する金属埋設深さ測定方法であって、
    前記物体の表面に沿って金属検出手段を走査することにより、前記物体の表面上における前記金属の真上位置である表面真上位置を特定する第1工程と、
    前記表面真上位置から任意の第1距離だけ離れた位置において前記物体の表面に任意の角度で交差する傾斜面に沿って前記金属検出手段を走査することにより、前記傾斜面上における前記金属の真上位置である傾斜面真上位置を特定する第2工程と、
    前記第1距離、前記物体の表面と前記傾斜面が交差する位置から前記傾斜面真上位置までの距離である第2距離、及び前記角度に基づいて、前記金属の埋設深さを算定する第3工程と、
    を含むことを特徴とする金属埋設深さ測定方法。
  7. 前記第3工程において、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=(x1/tanθ)−(x2/sinθ)
    (ただし、dは前記金属の埋設深さ、x1は前記第1距離、x2は前記第2距離、θは前記角度)により行うこと、
    を特徴とする請求項6に記載の金属埋設深さ測定方法。
  8. 前記第3工程において、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=(x1−x2)/θ
    により行うこと、
    を特徴とする請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法。
  9. 前記第2工程において、前記物体の表面に対して前記θだけ傾けた前記金属検出手段を当該表面上で走査させることで前記x2をゼロとし、
    前記第3工程において、前記θ≪1の場合に、前記金属の埋設深さの算定を、
    d=x1/θ
    により行うこと、
    を特徴とする請求項7に記載の金属埋設深さ測定方法。
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