JP2001116850A - 地中埋設管の探知方法および探知装置 - Google Patents

地中埋設管の探知方法および探知装置

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JP2001116850A
JP2001116850A JP2000099860A JP2000099860A JP2001116850A JP 2001116850 A JP2001116850 A JP 2001116850A JP 2000099860 A JP2000099860 A JP 2000099860A JP 2000099860 A JP2000099860 A JP 2000099860A JP 2001116850 A JP2001116850 A JP 2001116850A
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Kazuya Yoshino
和也 吉野
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TOYO MACHINE KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の現場において操作が簡便で汎用性の高
い1点法を採用しながらも、目的とする地中埋設管の近
くに探知操作時に副磁界発生の原因となる他の埋設管、
フェンス、ガードレール、鉄板などの近傍金属体があっ
ても、精度良く地中埋設管の位置および埋設深さを知る
ことができ、従って、1点法でありながら2点法の測定
精度を実現することのできる地中埋設管の探知方法およ
び探知装置を提供することを主たる目的とする。 【解決手段】 発信器(1) 、受信器(2) およびアース手
段(3) を備えたロケータを用いて1点法により埋設管等
(P) を探知するにあたり、検出器(21)と表示手段(22)と
を備えた受信器(2) に、さらに位相を検波する位相検波
手段(23)を設け、その位相検波手段(23)により受信情報
のうち参照信号と同相の送信信号成分に対応する受信情
報を取り込み、その受信情報に基いて埋設管等(P) の地
上対応位置P1 と埋設深さDとを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス管など金属製
の地中埋設管(あるいはロケーティングワイヤ等で導通
をとれるようにしてある地中埋設管)の地上対応位置お
よびその埋設深さを、簡便にかつ精度良く検知する方法
およびそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電磁波の全成分は、どの周波数帯
においても、 電界成分:2成分E1 、E2 磁界成分:1成分H1 の3成分(マックスウェルの電磁方程式)であるので、
地中埋設管の地上対応位置およびその埋設深さを検知す
るには、これらの電界成分または磁界成分を利用するこ
とになる。このうち、電界2成分で埋設深度を測定する
のが電磁波方式(レーダー方式)、磁界成分で測定する
のが電磁誘導方式である。
【0003】電磁波方式(レーダー方式)は、その電界
特性(放射電界)により、数100MHzから1GHz
までの高周波を用いる。周波数が高いときにはH1 は無
視できる。電界を用いるのは、レーダー同様、埋設管か
らの反射信号、放射信号のみであり、電磁誘導は問題と
ならない。
【0004】一方、磁界成分を利用する電磁誘導方式
は、大別して、間接送信方式(間接法、誘導法)と直接
送信方式(直接法)との2つがあり、どちらも静電磁界
を利用している(放射成分は周波数が低いため無視でき
る)。
【0005】このうち前者の間接送信方式(間接法、誘
導法)は、コイル等の発信器から数KHz〜数100K
Hzの周波数の電波を送信したときに埋設管に誘導電流
が流れるので、その電流から生ずる静電磁界をコイル等
の探知センサでピックアップするものである。この間接
送信方式に属すると思われるものとして、たとえば次に
述べるような出願がなされている。
【0006】特開平3−26983号公報には、送信器
から受信器に送信磁界に同期した磁界同期信号を送信す
ると共に、受信器では該磁界同期信号と検知した磁界と
から、該磁界のうち前記送信磁界に対して90°だけ位
相がずれた成分を得て、この成分によって地中埋設管の
位置を検知するようにした地中埋設管の位置検知方法お
よび装置が示されている。
【0007】また特開平4−198888号公報には、
送信器と受信器は近接させて一体に設置して送受一体型
の検知器を構成し、埋設管の検知に先立ち、測定場所に
おいて該検知器を上方に移動させて磁気センサの出力変
化を絶対値と送信磁界に対する位相とで測定することに
より、地面との距離による出力変化の位相方向を導出
し、しかる後、前記検知器を水平方向に移動させながら
磁気センサの出力を測定し、この出力から前記位相方向
と直交する位相方向の成分を抽出して、その大きさによ
り埋設管の検知を行うようにした誘導送信式埋設管検知
方法が示されている。
【0008】同様に特開平4−198889号公報に
は、送信器と受信器は一体に設置して送受一体型の検知
器を構成すると共に、該受信器は前記送信器の送信部と
近接させた第1の磁気センサと、該第1の磁気センサよ
りも前記送信部から遠ざけた第2の磁気センサを設けた
構成とし、埋設管の検知に先立ち、測定場所において検
知器を移動させて第1の磁気センサの出力変化を絶対値
と送信磁界に対する位相とで測定して、その出力変化の
位相方向を導出し、しかる後、前記検知器を水平方向に
移動させながら第2の磁気センサの出力を測定し、この
出力から前記位相方向と直交する位相方向の成分を抽出
して、その大きさにより埋設管の検知を行うようにした
誘導送信式埋設管検知方法が示されている。
【0009】磁界成分を利用する電磁誘導方式のうち、
後者の直接送信方式(直接法)に属するものとしては、
以下に述べるように、いわゆる1点法、ダブル1点法、
2点法および3点法が知られている。
【0010】1点法は、埋設管の露出部の1点と大地間
に発信機の出力を接続して、大地を帰路とした一部分布
定数回路を含む閉回路を作り、埋設管の近傍に形成され
る磁界を検出することにより埋設管を探知する方法であ
る。この方法は、埋設管の1点に接続するだけで足りる
ので検査員にとっては行いやすい方法であるが、近接し
た平行管や交差管がある場合や短い分岐管がある場合に
は適用しがたいという制約がある。この1点法について
は、本出願人らの出願にかかる特公昭61−61074
号公報の従来技術の個所に記載されている。
【0011】ダブル1点法は、目的管の露出部と大地間
に発信機の出力を接続して、大地を帰路とした一部分布
定数回路を含む閉回路を作り、埋設管の近傍に形成され
る磁界を検出することにより埋設管の探知を行う方法で
ある。この方法は、近接した平行管や交差管がある場合
や短い分岐管がある場合にも適用できるという利点があ
るが、1点法とは異なり信号線を目的管の露出部の2点
に接続しなければならないという不利がある。このダブ
ル1点法については、先に述べた本出願人らの出願にか
かる特公昭61−61074号公報に記載がある。
【0012】2点法は、目的管の露出部2点間に発信器
の出力を接続し、目的管を通して分布定数回路を全く含
まない一つの閉回路を作り、埋設管を探知する方法であ
る。この方法は、目的管の近くに他管が並行して埋設さ
れていても、ロケーティング電流は目的管の2点間にだ
け流れ、他管には流れないため、目的管のみを選択的に
検知できる上、副磁界が生じないので(つまり、近傍金
属体の影響を受けず測定系に誤差要因を生じさせないの
で)、精度よく測定できるという利点も併せ有する。た
だしこの2点法は、2点以上の接続点を必要とするた
め、先行管(盲管)は測定できないという限界はある。
この2点法については、本出願人らの出願にかかる実開
昭54−124001号公報に記載されている。
【0013】3点法は、被検知管の露出部の3点a,
b,cに接続可能な3本のリード線a’,b’,c’を
有し、その両端のリード線a’,b’を介して被検知管
の露出部2点a,bに信号電流を印加する発信器と、露
出部2点a,bから印加された信号電流によって発生す
る磁気を検出する磁気検出器とからなる装置を利用する
ものである。この方法は、目的管と金属製の他管とが平
行、交差、ループ形成などしていても、目的管のみを探
知できるという利点がある。ただしこの3点法は、先行
管(盲管)は測定できないという限界がある。この3点
法については、本出願人らの出願にかかる特公昭54−
41422号公報に記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた電磁波方式
(レーダー方式)と電磁誘導方式とを比較すると、電磁
波方式は非金属管にも探知できるというメリットはある
ものの、装置のコストおよびコンパクト化の点で難があ
る。これに対し電磁誘導方式は、非金属管は探知できな
いという制約があるが、大部分の埋設管は金属製である
ので、装置のコストおよびコンパクト化が可能であり、
この電磁誘導方式の方がはるかに汎用性がある。
【0015】電磁誘導方式のうち直接送信方式(直接
法)は、1点法およびダブル1点法のグループと、2点
法および3点法のグループとに分けることができる。前
者のグループと後者のグループとは、互いに競合する関
係にはなく、埋設管の探知目的において互いに補完する
関係にある。
【0016】前者の方式のうち1点法は、適用する場が
多く、しかも埋設管の露出部の1点を接続するだけでよ
いので現場において2点の露出部を探す必要がなく、最
も実施しやすい方式であるということができる。なお、
参照信号を受信器に送信する場合に有線を利用するとき
は、発信器と受信器とをコードで結ぶ必要があるが、そ
れほどの負担にはならない。
【0017】しかしながら、この1点法においては、信
号が一部土中を経由するので、その経路は分布定数回路
をなし、この間での信号電流の帰路は無数にできる。そ
のため、他の埋設管、フェンス、ガードレール、路上に
敷いてある鉄板などの近傍金属体にも電流が流れてそれ
が磁界を作り(以下においてはこれを副磁界と呼ぶこと
にする)、この副磁界が本来拾いたい信号にノイズとし
て乗っかることが大きな誤差原因となる。すなわち、近
傍金属体は路上にあることが多いし、ノイズとして問題
になるのは探知したい埋設管より浅い場所に埋設されて
いる他管である。これは、直接送信方式(電磁誘導方
式)では比較的低い数KHz〜数100KHzの周波数
帯が信号として用いられており、この場合磁界の強さは
距離に反比例するので、埋設管より距離の近い近傍金属
体による副磁界の方が埋設管から出る磁界より地上面で
ははるかに大きくなり、また一般にアース棒よりも近傍
金属体の表面が大きいため、信号からの磁界に比べ埋設
位置近傍の地表の測定点では副磁界が極めて大きくなる
からである。
【0018】このような問題点は、上述の2点法を採用
すれば克服できるものの、2点法では目的管の露出部2
点に発信器の出力を接続しなければならないので、現場
において50メートルとか100メートルとかいうよう
な長尺のコードを2点間に接続する作業が要求され、作
業性の点で大きな負担になる。しかも2点間に接続した
くても、50メートルとか100メートルとかいうコー
ドでもまだ長さが不足する場合がある上、近傍の他の露
出部とは必ずしも配管ルートが同じではなく閉ループと
ならない場合があるので、そのような場合には2点を探
すのに時間がかかることになる。もし、目的とする埋設
管の近くに探知操作時に副磁界発生の原因となる他の埋
設管、フェンス、ガードレール、鉄板などの近傍金属体
があっても、簡便で現場において実施しやすい1点法に
より精度良く地中埋設管の位置および埋設深さを知るこ
とができれば、つまり、2点法の持つメリットを1点法
で実現することができれば、その意義は極めて大きなも
のとなる。
【0019】本発明者は、上記副磁界には、その帰路が
異なることにより送信信号と同じ周波数で位相が異なる
という特性を持っていることを見い出し、この位相の差
を利用することを考えた。
【0020】なお、先に述べた特開平3−26983号
公報、特開平4−198888号公報および特開平4−
198889号公報においても位相に着目しているが、
これらは電磁誘導方式のうち間接送信方式(間接法、誘
導法)にかかるものであるので方式が異なる上、検出磁
界から送信磁界を差し引こうとするものであって機構が
異なり、さらには目的埋設管のほかに近傍金属体がある
場合には原理的に適用できないという制約があり、本発
明とは、送信方式、探知方式、位相の利用方式、適用範
囲が、いずれも基本的に異なっている。
【0021】そのほか、上記従来の技術の項にはあげて
いないが、特開平9−15287号公報には、被識別ケ
ーブルに誘導電流を流し、この電流の作る磁界を検出す
る電磁誘導方式において、周波数2fなる正弦波を半分
の周波数fからなる正弦波信号で振幅変調を行った上記
誘導電流を被識別ケーブルに流し、上記磁界の変調波
(f) 成分と被変調波(2f)成分のみを検出コイルで検出
し、変調波を基準として被変調波の位相を検出して上記
電流の方向を調べることにより被識別ケーブルを識別す
るようにしたケーブル識別方法が示されている。
【0022】しかしながら、この公報のケーブル識別方
法は、次の点で本発明とは目的および機構が基本的に相
違している。 多条に布設された電力ケーブルや通信ケーブルの中
から1本の被識別ケーブルを判別することを目的とする
ものであり、埋設ケーブルの深さを測定するものではな
い。(本発明は、地中埋設管等(P) の地上対応位置P1
と埋設深さDとを求めることを目的としている。) 変調方式を利用した信号処理を行っている。(本発
明において用いているロックインアンプ等は混合方式で
あって、方式が相違している。本発明においては、直流
成分を利用し、ノイズが交流になる。) 振幅変調した周波数f、2fを用いている。(本発
明においては、振幅変調した周波数f、2fは送信せ
ず、信号処理、送信信号が異なる。) 逆位相分+地中によるインピーダンスの位相分につ
き考慮されていない。 (本発明においては、「レンツの法則による180°位
相の変化分+地中インピーダンスによる位相の変化分」
に着目しており、地中のインピーダンスによる位相差
と、位置および深度情報である磁界の大きさが本来知り
たいことである(フェーザ表示)。)
【0023】本発明は、このような背景下において、実
際の現場において操作が簡便で汎用性の高い1点法を採
用しながらも、目的とする地中埋設管の近くに探知操作
時に副磁界発生の原因となる他の埋設管、フェンス、ガ
ードレール、鉄板などの近傍金属体があっても、精度良
く地中埋設管の位置および埋設深さを知ることができ、
従って、1点法でありながら2点法の測定精度を実現す
ることのできる地中埋設管の探知方法および探知装置を
提供することを主たる目的とするものである。また本発
明の他の目的は、上記の1点法のみならず、ダブル1点
法、2点法および3点法にも適用でき、しかも測定値か
らの演算式が格段にシンプルとなる地中埋設管の探知方
法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の地中埋設管の探
知方法は、発信器(1) 、受信器(2) およびアース手段
(3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管ま
たはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにして
ある埋設管からなる埋設管等(P) の露出部の導通部の1
点とアース手段(3) とに発信器(1) の出力を接続して大
地を帰路とした一部分布定数回路を含む閉回路を作ると
共に、その埋設管等(P) の近傍に形成される磁界を、受
信器(2) に接続した検出器(21)を走査または操作するこ
とにより検出して埋設管等(P) を探知する1点法を実施
するにあたり、検出器(21)と表示手段(22)とを備えた受
信器(2) に、さらに位相を検波する位相検波手段(23)を
設け、その位相検波手段(23)により受信情報のうち参照
信号と同相の送信信号成分に対応する受信情報を取り込
み、その受信情報に基いて埋設管等(P) の地上対応位置
1 と埋設深さDとを知るようにしたことを特徴とする
るものである。
【0025】本発明の地中埋設管の探知方法の他の一つ
は、発信器(1) 、受信器(2) およびアース手段(3) を備
えたロケータを用い、導通性を有する埋設管またはロケ
ーティングワイヤ等で導通をとれるようにしてある埋設
管からなる埋設管等(P) を探知するにあたり、直交する
x−y座標において、測定点の座標を(x,y)、埋設
管等(P) の座標を(α,β)とするとき、地上ないし地
上より上空の任意の少なくとも2点での測定に際し、検
出器(21)の検出手段(21a) であるコイルを回転させて
(検出器(21)の少なくとも2点にそれぞれコイルを配置
してそれぞれのコイルを回転させる場合を含む)、磁界
の観測値ωが最大値または最小値を示すときの角度θを
測定することによりα,βを求め、埋設管等(P) の地上
対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知るよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0026】本発明の地中埋設管の探知方法のさらに他
の一つは、発信器(1) 、受信器(2)およびアース手段(3)
を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管また
はロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにしてあ
る埋設管からなる埋設管等(P) を探知するにあたり、直
交するx−y座標において、測定点の座標を(x,
y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とするとき、検
出器(21)の支持棒(21e) 方向の少なくとも2つの位置に
センサーであるコイルを設け、支持棒(21e) を回転させ
て磁界の観測値ωが最大値を示すときの角度θとそのと
きの観測値ωを測定することによりα,βを求め、埋設
管等(P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深
さDとを知るようにしたことを特徴とするものである。
【0027】本発明の地中埋設管の探知装置は、発信器
(1) 、受信器(2) およびアース手段(3) を備えたロケー
タを用い、導通性を有する埋設管またはロケーティング
ワイヤ等で導通をとれるようにしてある埋設管からなる
埋設管等(P) の露出部の導通部の1点とアース手段(3)
とに発信器(1) の出力を接続して大地を帰路とした一部
分布定数回路を含む閉回路を作ると共に、その埋設管等
(P) の近傍に形成される磁界を、受信器(2) に接続した
検出器(21)を走査または操作することにより検出して埋
設管等(P) を探知する1点法を実施するための装置であ
って、検出器(21)と表示手段(22)とを備えた受信器(2)
に、さらに位相を検波する位相検波手段(23)を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。な
お本発明においては、「大地、地中、地上、上空」など
の用語を使っているが、トンネル、窪地、建物などの内
部にいる測定者から見て、天井や壁の内部に埋め込まれ
ている埋設管等(P) を探知する場合も含まれるものとす
る(たとえば、トンネルの天井の内部に埋設管等(P) が
ある場合、天井表面が地上、天井の内部が地中や大地、
測定者のいるトンネル内の空間が上空にそれぞれ相当す
るというように)。
【0029】本発明は、先に述べた電磁誘導方式に属す
る直接送信方式(直接法)のうち、1点法を実施して地
中埋設管を探知する。すなわち、発信器(1) 、受信器
(2) およびアース手段(3) を備えたロケータを用い、導
通性を有する埋設管またはロケーティングワイヤ等で導
通をとれるようにしてある埋設管からなる埋設管等(P)
の露出部の導通部の1点とアース手段(3) とに発信器
(1) の出力を接続して大地を帰路とした一部分布定数回
路を含む閉回路を作ると共に、その埋設管等(P) の近傍
に形成される磁界を、受信器(2) に接続した検出器(21)
を走査または操作することにより検出して埋設管等(P)
を探知する。埋設管が鋳鉄管や鋼管などであるときはそ
れ自体が導通性を有するが、埋設管がポリエチレン管の
ように導通性がない場合には、その管にロケーティング
ワイヤを沿わせたり巻いたりして導通性を得る。埋設管
が鋳鉄管や鋼管などの金属製であっても継ぎ目部分に導
通性がない場合には、同様に適宜の導通手段を講じてお
く。
【0030】発信器(1) は、金属製の埋設管等(P) の露
出部に接続するための出力端子、アース手段(3) に接続
するための出力端子のほか、電源スイッチ(電源のO
N、OFF用)、選択スイッチ(1点法、ダブル1点
法、2点法、3点法の選択と、高周波または低周波出力
信号の選択)、ループスイッチ(2点法、3点法に対処
するとき)、メーター(電池の消耗状態と閉ループの確
認用)、電池テストスイッチ(電池の電圧を表示)など
を備えている。2点法や3点法に対処する必要がなく、
本発明の方法のみに適用する専用機とするときは、上述
の選択スイッチやループスイッチは省略することができ
る。
【0031】アース手段(3) としては、取手付きのアー
ス棒と、発信器(1) に接続するためのクリップやプラグ
などの付属部品とからなるものが用いられる。ただしア
ース手段(3) としては、後にも述べるように、現場の地
上にある鉄板等を利用することもできる。
【0032】受信器(2) は、従来の直接送信方式(直接
法)の場合と同様に、電源スイッチ(電源のON、OF
F用)、発信器(1) の選択スイッチに対応するスイッ
チ、感度調整ツマミ、メーター(後述の表示手段(22)の
一例)、電池テストスイッチ(電池の電圧を表示)、入
力端子(後述の検出器(21)の入力端子)、ブザーとその
音量切り替えスイッチ(信号音量の調整用)などを備え
ている。
【0033】受信器(2) は、また、その受信器(2) に接
続される検出器(21)と、後述の表示手段(22)とを備えて
いる。
【0034】検出器(21)は、典型的には、埋設管等(P)
からの磁気信号を電気信号に変換する素子(コイル)、
送信周波数のみを通過するフィルタ部および増幅部から
なる検出手段(21a) 、支持棒(21d) 、把手(21e) 、コー
ドとコンセント(受信器(2)への接続用)などの部材か
らなる。
【0035】これらのほか、検出器(21)のシャシには、
水平計(21b) 、車輪(21c) および測長器(21d) を設置し
てあることが特に好ましい。下端の検出手段(21a) のと
ころに車輪(21c) を設けることで左右のぶれが防止さ
れ、把手(21f) または支持棒(21e) の上部のところに水
平計(21b) を設けることで水平からのぶれを測定者が測
定中に補正することができる。さらに車輪(21c) のとこ
ろに測長器(21d) を設けることで、距離を積算すること
ができる。
【0036】図5は走査中に生ずる角度誤差についての
説明図である。図5(イ)に示したように、人が検出器
(21)の移動を手動で行うと、埋設管等(P) の埋設方向と
直角方向に移動させたつもりでも、ある程度手の動きが
加わって円弧を描くようにセンサ部を移動させてしま
い、H3 =cos θh ・cos2θ(上下のぶれはないものと
する)となる。ここでθh は任意の角度となり大きな誤
差要因となる(人的誤差)。しかるに、車輪(21c) で走
査した場合には、図5(ロ)に示したように、連続的に
センサを動かすことができ、H3 =cos θi ・cos2θ
(上下のぶれはないものとする)となる。ここでcos θ
i =k(kはθi により変化するが、1回の走査では走
査中一定となる)であるので、H3 =k・cos2θとな
り、感度レベルの絶対値にのみ影響し、変化率には無関
係となる。
【0037】図5(ニ)に示したように、走査を手動で
行うと、理想的な走査とは異なり、主に腕の動きが加わ
って(人間の移動は最小限になるべく腕だけで済ませて
しまおうとする)、ヘッドと水平面に角度がついてしま
う傾向がある(図のθ2 やθ 1 )。ここで理想的な走査
ではH3 =cos2θ(左右のぶれはないものとする)であ
るが(図5(ハ)参照)、このぶれのため、H3 =cos
θe ・cos θとなる。ここでcos θe は任意の角度とな
り、大きな誤差原因となる(人的誤差)。
【0038】さらに、図5(ホ)に示したように、道路
は実は平坦ではなく、水はけを良くするために傾斜して
いるため、道路面に対してセンサヘッドが垂直であって
も、水平面に対してはやはり角度をもってしまう(図の
θ2 、θ1 )。よって、H3=cos θm ・cos θとな
る。ここでcos θm は道路面の角度により任意の角度と
なる。これらcos θe やcos θm は、通常、cos θe ,
cos θm ≠cos θであり、これをcos θに維持するため
に水平計(21b) を設けることが好ましいのである。
【0039】表示手段(22)としては、先に述べたメータ
ーのほか、演算手段(24)による演算結果をグラフ、図
形、数字などにより視覚表示する手段が好適である。
【0040】そして本発明においては、上記の受信器
(2) にさらに位相を検波する位相検波手段(23)を設け、
その位相検波手段(23)により受信情報のうち参照信号と
同相の送信信号成分に対応する受信情報を取り込み、そ
の受信情報に基いて埋設管等(P) の地上対応位置P1
埋設深さDとを求める。この点が、本発明の最大のポイ
ントとなる工夫点である。
【0041】位相検波手段(23)としては、好適には、増
幅部、位相参照部を合わせ持つロックインアンプが用い
られる。ロックインアンプは、白色ノイズのうちから数
ナノV〜数10ナノVの微弱な信号を取り出すことがで
きる。また、ロックインアンプに代えて位相計を用いる
こともできる。位相計は、数マイクロV程度で位相差の
検知が可能である。この場合、増幅のために増幅部分を
追加する構成となる。
【0042】ここで、ロックインアンプにつき若干の説
明を行うことにする。ロックインアンプにあっては、信
号波と参照信号の2種類の信号を使い、これらの2つの
信号の積は、変調ではなく、混合(mix) と言う。ロック
インアンプには、PSD(Phase Sensitive Detector)回
路が使われる。
【0043】今、参照信号、入力信号をそれぞれ ν1(t) = E1sin(2πf1t+θ1) ν2(t) = E2sin(2πf2t+θ2) とし、この積を出力ν0(t)とすると、
【式2】 となる。
【0044】ロックインアンプには、上述のようにPS
D(Phase Sensitive Detector)回路が使われる。これ
は、上式においてf1 = f2 = f とすると(信号波と参照
信号の周波数を同じにすると)、第1項目は f1-f2=0
で、上の式は
【式3】 となる。右辺の第1項目は直流である。
【0045】よって、この積の後、低域フィルタを通し
て、直流分以外の交流分および出力ν0 の2項目(第2
高調波、たとえば信号の周波数が100KHz であるとす
るとその倍の200KHz )も減衰させてしまうことにな
り、f1≠ f2 であるような雑音に対してもフィルタによ
り取り除かれてしまい、原理的には非常に大きなQを持
つフィルタが構成できる。
【0046】そして、参照信号を基準として実部x、虚
部yをそれぞれ出力し、信号の大きさ
【式4】 実軸との間の位相角(偏角) θ = tan-1(y/x) で表示することにより、対象とする埋設管等(P) でない
ものからの誘導電圧の位相は、対象とする埋設管等(P)
よりレンツの法則による180°位相の変化分+地中イ
ンピーダンスによる位相の変化分だけ位相角が大きく変
化するため、そのような場所での測定を排除することに
より、対象とする埋設管等(P) の埋設位置を精密に測定
することができる。
【0047】本発明においては、先にも述べたように、
アース手段(3) としてアース棒を用いるが、現場の状況
によっては地上にある鉄板等をアース手段(3) として用
いることもできる。
【0048】すなわち、一般に地中よりアースをとる場
合、アースの表面積に比例する形で電流が流れる。従っ
て、土の中のアースの表面積が大きければ大きいほど強
い帰還電流が流れ、送信信号を強めることになる。地上
にある鉄板等をアース手段(3) として用いる場合、(i)
受信感度を一定にした場合はそれだけ測定距離を伸ばす
ことができること、(ii)測定距離を一定とした場合は受
信感度精度の向上につながること、のメリットがある。
しかるに現状においては、持ち運びの関係上、アース棒
を余りに大きくすることができず、そのためアース棒よ
り圧倒的に表面積の大きい鉄板やフェンス等の副磁界の
影響を受けざるをえなかったが、本発明においてはこの
副磁界を取り込まないため、現場で任意の大きな表面積
を持つ金属板等でもアースをとることが可能となり、上
記(i) 、(ii)の副次的なメリットが得られる。
【0049】本発明においては使用は屋外であり、主な
ノイズ源となるのは60Hzの商業周波数および送信信
号の周波数の電波となる。このような使用条件では微弱
な本来の送信信号(周波数、位相共)を検知することは
困難で、60Hzの周波数は除くことはできても、非常
に強い送信信号の洩れ信号および送信経路とは異なる経
路で生じる同周波数で位相成分が異なるものは取り除か
れずに拾ってしまう。このため発信源から受信器を引き
離す必要があり、また副磁界を拾い位相が変化したとき
は、それをデータとして取り込まないようにする。なお
実験では、同周波数で位相が異なるノイズの中から同相
成分を取り出すことはできなかった。
【0050】図4は本発明の作用を説明するための原理
図である。図4(イ)において、深さDに埋設されてい
る埋設管等(P) の地上対応位置をP1 、その地上対応位
置P 1 からL(埋設管等(P) の位置からはX)だけ離れ
た地上の任意の測定位置をP 2 とする。埋設管等(P) と
その地上対応位置P1 とを結ぶ線と、埋設管等(P) と地
上の測定位置P2 とを結ぶ線とのなす角度をθとし、埋
設管等(P) に流れる電流をIとするとき、位置P1 にお
ける磁界H1 、位置P2 における磁界H2 は、 H1 =I/2πD H2 =I/2πX であるから、 H2 =H1 ・D/X となる。ここで、D=Xcos θの関係にあるので、 H2 =H1 cos θ となる。次に、H2 の水平方向の分力H3 は H3 =H2 cos θ であるから、 H3 =H1 cos2θ となる。
【0051】なお、図4(ロ)のように、センサヘッド
は水平上を走査するので、埋設管等(P) よりθずれた位
置では水平面とθ角度がつくことになる。
【0052】今、L=D/2とすると、X2 =D2 +L
2 、D=Xcos θの関係から、 cos2θ=4/5= 0.8 となる。すなわち、 H3 = 0.8・H1 となる。このことは、最大の磁界値を示す地上の地点P
1 が埋設管等(P) の地上対応位置であり、その地点P1
で測定した磁界H1 に対し80%の磁界H3 を示す地上
の地点P2 を知れば、P1 −P2 間の距離Lの2倍が埋
設管等(P) の埋設深さDになることを意味している。
【0053】このことはまた、最大磁界H1 に対し80
%の磁界H3 を示す距離Lの2倍をもって埋設深さDを
求めることにこだわらず、最大磁界H1 を示す地点とそ
こから離れた地上の任意の距離Lにおける磁界H3 を測
定すれば、 H3 =H1 cos2θ の関係式に基き、H1 およびH3 の検出値から、簡単な
演算により埋設管等(P)の埋設深さDが求められること
を示している。さらには、たとえH1 が不明でも、2点
以上、より一般的には3点以上のH3 の検出値から(後
に詳述する)、簡単な演算により埋設管等(P) の地上対
応位置および埋設深さDが求められることを示してい
る。
【0054】従って、受信器(2) に適当な演算手段(24)
を設置すれば、埋設管等(P) の地上対応位置P1 および
埋設深さDを知ることができる。すなわち、受信器(2)
に接続した検出器(21)を道路の巾方向に走査して磁界を
測定していけば、測定磁界H 3 とのその最大磁界H1
あるいは2点以上(より一般的には3点以上)の測定磁
界H3 がわかるので、たとえば図2のようなカーブが得
られ、またその測定磁界H3 に対応するcos2θ(つまり
θ)がわかるので、そのθと距離測定値Lとに基き、D
=L/tan θの関係式から埋設深さDが求められる。こ
れらの関係を演算手段(24)により演算して、直読式に表
示手段(22)に表示するようにすればよい。
【0055】位相検波手段(23)がロックインアンプであ
っても位相計であっても、参照信号は必要であり、発信
器(1) から受信器(2) に有線または無線で送信する。ロ
ックインアンプでも位相計でもこの参照信号の位相を基
準「0」とし、そこからどれだけ位相がずれているかを
検波するため、今コイルでキャッチされている信号が発
信器(1) から埋設管等(P) に流れたものか副磁界による
ものかが位相差で判断され、どちらかわからなくなるこ
とはない。
【0056】ところで、もし測定磁界H3 中に副磁界が
混在するときは、たとえば図3のようなカーブが得られ
る。このときには、目的埋設管等(P) のほかに近傍金属
体があることがわかるので、位相検波手段(23)により受
信情報のうち参照信号と同相の送信信号成分に対応する
受信情報を取り込み、その受信情報に基いて(図3の
(イ)または(ロ)の例では左側のカーブに基いて、図
3の(ハ)の例では中央のカーブに基いて)、埋設管等
(P) の地上対応位置P1 と埋設深さDとを求めるように
すればよい。さらに詳しくは、受信情報のうち位相が変
化した副磁界の成分を受信したときはそれを取り込ま
ず、受信情報のうち参照信号と同相の送信信号成分に対
応する受信情報を取り込み、そのときの2点以上で計測
したデータ(後に詳述する)に基いて、埋設管等(P) の
地上対応位置P1 と埋設深さDとを求めるのである。
【0057】この場合、得られたカーブのうちどれが本
来のカーブか副磁界のカーブかがわかりにくいことがあ
るが、本発明においては受信器(2) に位相検波手段(23)
を設けてあるので、それにより周波数と位相の差をチェ
ックし、副磁界を消去したカーブを得るか、副磁界に基
くカーブを色違いとか点線などで表示されるようにすれ
ばよい。
【0058】先に、たとえH1 が不明でも、2点以上の
3 の検出値から、簡単な演算により埋設管等(P) の地
上対応位置および埋設深さDが求められると述べたが、
このことにつきさらに説明する。
【0059】まず図6(イ)に示したように、正規化さ
れたものyの最大値=1とするとき、ラジアンθを距離
xに変換すると(深さはa)、 tan θ=x/a、つまり、θ=tan-1 (x/a) … (1) であり、 y= cos2 (tan-1 (x/a)) となる。これは頂点を計った場合である。
【0060】次に図6(ロ)に示したように、埋設管等
(P) の位置より距離bだけ離れた場合、bだけ平行移動
すると(深さはa)とすると、 y= cos2 (tan-1 (x-b/a)) = 1/[1+((x-b)/a)2] … (2) となり(aの符号は+/−をとりうる)、2点 P(x0,
y0),Q(x1, y1)が適当にわかれば、(2) 式に代入し
て、連立方程式でa,bの値を得る。よって、未知数
a,bの2数なので、適当なP,Qの測定値が入力され
れば、(2) 式を演算するだけで、a,bは簡単に求めら
れる。このケースは最大感度が判明している場合であ
る。
【0061】上述の図6(イ)、(ロ)のケースは、最
大感度を示す埋設管等(P) の地上対応位置の感度を1と
正規化した場合、逆に言うと最大感度が判明している場
合であるが、一般には感度は不明なので、 y= k cos2 (tan-1 (x-b/a)) = k/[1+((x-b)/a)2] … (3) となる。ここで、磁界の強さ(電流値換算)y=H3
距離に反比例する。aが一つ決まる場合、kも唯一つ決
まるので、kは係数となる。この場合は、3点P,Q,
Rが与えられれば(任意の3点で可、最大値は必ずしも
必要ではない)、(3) 式に代入して、k,b,aが求め
られる。本発明においては、演算手段(24)として、上記
(3) 式の演算ができるものを用いることが特に望まし
い。
【0062】理解を容易にするため、一般解を下記に示
す。なお演算に際して下付き添字によるわかりにくさを
生じないように、3点の測定値P(x1, y1), Q(x2,
y2), R(x3, y3)において、 y1 = a, y2 = b, y3 = c, x1 = α, x2 = β, x3 = γ の置換を行っている。次式中、A は深さ、B は位置であ
る。 A2= -(a2b2α4 -2a2bcα4+a2c2α4 -4a2b2α3 β+4a2bc
α3 β+6a2b2α2 β2-2a2bcα2 β2 -2ab22 β2 -2a
bc2α2 β2 -4a2b2αβ3 +4ab2cαβ3+a2b2β 4 -2ab2c
β4+b2c2β4 +4a2bcα3 γ-4a2c2α3 γ-8a2bcα2 βγ
+4ab22 βγ+4abc2α2 βγ+4a2bcαβ2 γ-8ab2
β2 γ+4abc2αβ2 γ+4ab23 γ-4b2c2β3 γ-2a2bc
α2 γ2 -2ab22 γ2 +6a2c2α2 γ2 -2abc2α2 γ2
+4a2bcαβγ2 +4ab2cαβγ2 -8abc2αβγ2 -2a2bcβ
2 γ2 -2ab22 γ2 -2abc2β2γ2 +6b2c2β2 γ2 +4a
2c2αγ3 +4abc2αγ3 +4abc2βγ3 -4b2c2βγ3+a2c2
γ 4 -2abc2γ4+b2c2γ4)/(4(abα -acα -abβ +bcβ +
acγ -bcγ)2) B= -(-abα2+acα2+abβ2-bcβ2-acγ2+bcγ2)/ 2(abα
-acα -abβ +bcβ +acγ -bcγ)
【0063】上記においては、本発明の探知装置を用い
て地上を水平方向に走査した場合につき説明を行ってい
るが、本発明によれば、鉛直方向で測定を行っても、あ
るいは後述のように検出器(21)のセンサーであるコイル
を旋回させることによっても、埋設管等(P) の地上対応
位置P1 および埋設深さDを求めることもできる。
【0064】以下、本発明において、埋設管等(P) の地
上対応位置P1 と埋設管等(P) の埋設深さDとが、地上
ないし地上より上空の任意の少なくとも3点(特殊な場
合は少なくとも2点)での磁界の観測値から求められる
ことの一般解について説明する。
【0065】図7のように、直交するx−y座標におい
て、測定点の座標を(x,y)、埋設管等(P) の座標を
(α,β)とするとき、測定点(x,y)での磁界の観
測値ωは、式
【式5】 (ただし、Kは定数)で与えられる。この式を用いれ
ば、地上ないし地上より上空の任意の少なくとも3点で
の磁界の観測値からα,βを求めることができるので、
埋設管等(P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋
設深さDとを知ることができる。
【0066】すなわち、理論上3点P、Q、Rでの磁界
の観測値がわかれば、上式のα、βおよびKが決定され
る。しかしながら、α、βをP、Q、Rの座標と観測値
の簡単な式で表わすことは困難であるし、また実際の現
場における探知方法として実際的であるとも言えない。
より簡単化を図るには、以下のように測定点を選ぶこと
が好ましい。
【0067】その一つは、測定を、y座標が同じでx座
標が異なる少なくとも3点(P(a,y0),Q(b,
y0),R(c,y0))で行い、それらの点における磁界
の観測値ωからα,βを求め、埋設管等(P) の地上対応
位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知る方法で
ある。
【0068】今、3点P、Q、Rのy座標が同じである
場合、つまり水平方向の3点で測定する場合、P(a,
y0)での観測値をS、Q(b,y0)での観測値をT、R
(c,y0)での観測値をUとする。
【0069】このとき、
【式6】 と変形して、
【式7】 から、α,βを求めることができる。
【0070】(1)×T= (2)×Sと、 (1)×T= (2)×
Sとより、
【式8】
【0071】この2式より、
【式9】 となる。
【0072】他の一つは、測定を、x座標が同じでy座
標が異なる少なくとも3点(P(x0,a),Q(x0
b),R(x0,c))で行い、それらの点における磁界
の観測値ωからα,βを求め、埋設管等(P) の地上対応
位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知る方法で
ある。
【0073】今、3点P、Q、Rのx座標が同じである
場合、つまり鉛直方向の3点で測定する場合、P(x0
a)での観測値をS、Q(x0,b)での観測値をT、R
(x0,c)での観測値をUとする。
【0074】このとき、
【式10】 から、α,βを求めることができる。
【0075】上記3式よりK、Xを消去すると、
【式11】 となる。この2次方程式の解で条件(β<0)に適する
のは、
【式12】 である。一方Xは
【式13】 と表わせるから、
【式14】 より、αを求めることができる。
【0076】なお測定に際しては、センサーであるコイ
ルの向きを横(磁界の鎖交面が地平面に対して垂直)に
して磁界の強さを検知する方法と、コイルの向きを縦
(磁界の鎖交面が地平面に対して水平)にして磁界の強
さを検知する方法との2つの方法があり、それらのどち
らも採用可能である。この場合、(イ)y座標が3点同
一のケースにおいては、コイルの向きは磁界の鎖交面が
地平面に対して垂直、(ロ)x座標が3点同一のケース
においては、コイルの向きは磁界の鎖交面が地平面に対
して水平となるようにする方が、演算が容易であり(従
って簡単な演算装置を用いることができ)、さらには測
定誤差の及ぼす演算誤差への影響が小さくなるので、有
利である。
【0077】なお、この鉛直方向で測定を行う方法にお
いて、先に述べた地上を水平方向に走査する方法による
測定も可能となるようにして、現場の状況に応じていず
れかの方法を選択するようにすることもできる。たとえ
ば、鉛直方向での測定でかつコイルの向きを縦方向とす
る場合、最下位のコイルを首振り可能にして、現場の道
路が平らであるときは水平方向に走査する方法を採用
し、道路に溝や段差があるときには鉛直方向の測定に切
り替えるが如くである。
【0078】さらにまた、上記において、測定点の座標
(x,y)の1つが埋設管等(P) の地上対応位置P1
ある場合は、地上ないし地上より上空の少なくとも2点
での磁界の観測値からα,βを求めることができる。
【0079】上述のように、測定を、y座標が同じでx
座標が異なる少なくとも3点(P(a,y0),Q(b,
y0),R(c,y0))で行うか、x座標が同じでy座標
が異なる少なくとも3点(P(x0,a),Q(x0
b),R(x0,c))で行うと、演算式が簡単になり、
誤差も小さくなるが、次のように構造上の工夫を加える
と、演算式がさらに簡単になる。
【0080】すなわち、発信器(1) 、受信器(2) および
アース手段(3) を備えたロケータを用い、導通性を有す
る埋設管またはロケーティングワイヤ等で導通をとれる
ようにしてある埋設管からなる埋設管等(P) を探知する
にあたり、直交するx−y座標において、測定点の座標
を(x,y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とする
とき、地上ないし地上より上空の任意の少なくとも2点
での測定に際し、検出器(21)の検出手段(21a) であるコ
イルを回転させて(検出器(21)の少なくとも2点にそれ
ぞれコイルを配置してそれぞれのコイルを回転させる場
合を含む)、磁界の観測値ωが最大値または最小値を示
すときの角度θを測定することによりα,βを求め、埋
設管等(P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設
深さDとを知るようにするのである。
【0081】図8のように、最大観測値をとる角度をθ
とすると、x軸となす角はπ−θとなる。2点P(a,
A)での最大観測値角をθ、Q(b,β)での最大観測
値角をτとすると、Pと(α,β)およびQと(α,
β)を通る直線は、それぞれ
【式15】 と表わされる。これらの直線が点(α,β)を通ること
により、
【式16】 となる。ここで式よりα,βを求めると、
【式17】 となる。
【0082】なお、P(a,A)、Q(b,B)で、
(α,β)がPQ直線内にある場合、図9のように、位
置深度点(α,β)からy軸に平行でx軸に垂直なPQ
直線上の点R(α,C)を決定すると、PQの連立方程
式から C=(α−a)(A−B)/(a−b)+A となるので、Cの位置が求まる。そこでこの点Rより鉛
直方向直下の埋設管等(P) の地上対応位置P1 をレーダ
ポインタし、塗料を吐出してP1 地点をマーキングする
ことができる。(もしP,Qが共にy軸に平行な位置に
あるときは、Rを求めるまでもなく、P,Qの直下が地
上対応位置P1 となるので、そこにマーキングを行えば
よい。)
【0083】特に、a=b、B=A+L(P,Qがy軸
に平行)のときは、
【式18】 となる。
【0084】また、a=b+L、B=A(P,Qがx軸
に平行)のときは、
【式19】 となる。
【0085】なお、P(a,A)、Q(b,B)で、
(α,β)がPQ直線内にあり、かつP,Qがx軸に平
行な場合には、図10のように、位置深度点(α,β)
からy軸に平行でx軸に垂直なPQ直線上の点Rの座標
は(α,A)となるので、この点Rより鉛直方向直下の
埋設管等(P) の地上対応位置P1 をレーダポインタし、
塗料を吐出してP1 地点をマーキングすることができ
る。
【0086】同様に、最小観測値の角θおよびτが求ま
ったときは、
【式20】 で与えられる。
【0087】この方法は、1点法に適用できるが、1点
法に限らず、ダブル1点法、2点法、3点法にも適用で
きる。また、位相検波手段(23)を設けない場合にも適用
できる。
【0088】発信器(1) 、受信器(2) およびアース手段
(3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管ま
たはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにして
ある埋設管からなる埋設管等(P) を探知するにあたり、
直交するx−y座標において、測定点の座標を(x,
y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とするとき、検
出器(21)の支持棒(21e) 方向の少なくとも2つの位置に
センサーであるコイルを設け、支持棒(21e) を回転させ
て磁界の観測値ωが最大値を示すときの角度θとそのと
きの観測値ωを測定することによりα,βを求め、埋設
管等(P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深
さDとを知るようにすることもできる。なお、支持棒(2
1e) を回転させるときには、縦姿勢から始動して振り子
のように角度をとる場合と、横姿勢から始動して振り子
のように角度をとる場合とがある。
【0089】今、回転可能な支持棒(21e) の回転中心と
なる部位Pと回転時の遊端側になる部位Qにそれぞれコ
イルがあるとし、かつ、回転中心となる点Pの座標を
(a,A)、P,Qの距離をL’、Pと(α,β)との
間の距離をL、Pでの磁界の最大観測値をS、Qでの磁
界の最大観測値をTとする。
【0090】そして、たとえば、図11に示したケース
を考える。図11には、PおよびQの設けてあるコイル
の向き(鎖交面)も付記してある。まずPを中心にQを
振り子のように回転させ、P、Qでの磁界が最大観測値
S、T(T>Sとなる)を示す角度θを求める。このと
きに、P→Qの延長方向に埋設管等(P) があることが直
ちにわかる。最大観測値S、Tは S=K/L T=K/(L−L’) となるので(Kは定数)、この2式よりKを消去する
と、 L=L’T/(T−S) となり、LはL’,S,Tを使って表わされる。従っ
て、図12からも容易に導けるように、 α=a−L・sin θ β=A−L・cos θ となり、極めて簡単な演算で、埋設管等(P) の座標
(α,β)、つまり埋設管等(P) の地上対応位置P1
埋設管等(P) の埋設深さDがわかる。
【0091】図11においては、Pを中心にQが図中の
左側の位置に振られたときに最大観測値S、Tが得られ
る場合を示したが、Qが図中の右側の位置に振られたと
きに最大観測値S、Tが得られる場合、その他の場合
も、上記に準ずればよい。QがPの真下にあるときに最
大観測値S、Tが得られるときは、θ=0である。
【0092】なお、測定者がトンネル、窪地、建物など
の内部におり、天井または壁の内部に埋め込まれている
埋設管等(P) を検知したいときは、図11を天地逆転さ
せたり、90°回転させて考えればよい。斜めの壁の場
合も同様である。
【0093】そのほか、支持棒(21e) を回転させるとき
に、図12のように、縦姿勢から始動して下位にあるP
を中心に上位にあるQを回転させたり、横姿勢から始動
してPを中心に遊端側のQをサイドブレーキのように上
方に回転させたりすることもできる。ただし、これらの
場合には、P、Qでの磁界が最大観測値S、T(T<S
となる)を示す角度θを求めるときに、Pの方で最大観
測値Sを示す角度θを求めるようにする(その角度θの
ときの姿勢におけるQの観測値がQの最大観測値Tとな
る)。
【0094】以上述べた方法も、1点法に適用できる
が、1点法に限らず、ダブル1点法、2点法、3点法に
も適用できる。また、位相検波手段(23)を設けない場合
にも適用できる。
【0095】またこの方法は、一地点で測定できるの
で、地上を走査するときのような移動誤差を生ずること
がないこと、地表の凹凸や湾曲の影響を受けないこと、
演算式が極めて簡単になること、測定時間が短くなるこ
と、最大観測値をとる角度θが目視できるので、どの方
向に埋設管等(P) があるかを直接的に把握することでき
ることなどの利点がある。
【0096】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。
【0097】実施例1 図1は本発明の地中埋設管の探知方法を実施するときに
用いる探知装置の一例を示した説明図である。
【0098】発信器(1) は、図示は省略してあるが、埋
設管等(P) の導通部の露出部に接続するための出力端
子、アース手段(3) に接続するための出力端子、電源ス
イッチ、選択スイッチ、ループスイッチ、メーター、電
池テストスイッチを備えている。
【0099】アース手段(3) は、取手付きのアース棒
と、発信器(1) に接続するための接続部品とからなる。
【0100】受信器(2) は、検出器(21)と表示手段(2
2)、さらには位相を検波する位相検波手段(23)の一例と
してのロックインアンプおよび演算手段(24)を備えてい
る。また図示は省略してあるが、電源スイッチ、発信器
(1) の選択スイッチに対応するスイッチ、感度調整ツマ
ミ、電池テストスイッチ、入力端子、ブザーとその音量
切り替えスイッチを備えている。
【0101】検出器(21)は、埋設管等(P) からの磁気信
号を電気信号に変換する素子(コイル)、送信周波数の
みを通過するフィルタ部および増幅部からなる検出手段
(21a) 、支持棒(21e) 、把手(21f) 、コードとコンセン
ト(受信器(2) への接続用)からなるが、そのほかに検
出器(21)のシャシには、車輪(21c) 、水平計(21b) およ
び測長器(21d) を設けてある。
【0102】表示手段(22)としては、図1に付記のよう
に、測定磁界H3 と距離測定値Lとがカーブで表示で
き、かつθと距離測定値Lに基き埋設深さDが表示でき
るものを用いている。演算手段(24)としては、先の一般
解を演算できるものを用いている。位相検波手段(23)と
しては、ロックインアンプを用いている。
【0103】導電率が一定の均一地層の平坦なフィール
ド実験場に予め120cmの深さに埋設してある金属配管
(鋳鉄管または鋼管)を利用して実験を行った。なお、
この金属配管と、引き込み管から地上に露出するメータ
までとの間は、ポリエチレン管としてある。そしてその
ポリエチレン管にはロケーティングワイヤ(銅線または
鋼線をPVCまたは導電性ゴムで被覆したもの)を沿わ
せるか巻き付けてあって、金属配管との間で導通がとれ
るようにしてある。上記実験場において、近傍金属体が
存在する状況を作るために、脚部が導通状態にあるフェ
ンスを埋設管等(P) の地上対応位置P1 から30cm離れ
た個所(片側または両側)に設置し、あるいは巾30cm
の鉄板を埋設管等(P) の地上対応位置P1 から30cm離
れた個所(片側または両側)の路上に設置した。このよ
うな種々の場を作ってから、上記の装置を用いて測定を
行い、埋設管等(P) の地上対応位置P1 からの誤差と埋
設深さDとを求めた。
【0104】条件および結果を表1に示す。本発明方法
のうち「/」の左側は車輪(21c) 、水平計(21b) および
測長器(21d) を設けていない場合の測定値であり、人的
な測定誤差を含んでいる。本発明方法のうち「/」の右
側はこれらを設けてある場合の測定値である。「従来1
点法」とあるのは、従来の1点法により求めた値であ
る。なお、一般に土中の導電率が高いほど副磁界も強く
なると考えられるが、上記の実験場においては、導電率
が一定の理想状態の均一地層(副磁界の全体的な強さは
近傍金属体の表面に比例する項のみとなり、偏りをなく
す方向に働いている)としてあり、データはこのような
特定の条件で得たものである。
【0105】
【表1】 近傍金属体の 1 からの誤差(cm) 埋設深さD(cm) ケース 存在状況 本発明方法 従来1点法 本発明方法 従来1点法 1 近傍金属体なし 6 / 3 8 122/120 118 2 片側にフェンス 6 / 3 8 122/120 154 3 両側にフェンス 7 / 4 測定不能 124/122 測定不能 4 片側に路上鉄板 5 / 2 8 121/119 162 5 両側に路上鉄板 7 / 4 測定不能 125/123 測定不能
【0106】表1から、近傍金属体が存在しない場合
は、従来の1点法でも本発明の方法と概ね同様の測定精
度が得られるが、本発明の方法によれば、近傍金属体が
存在しない場合はもとより、近傍金属体がある場合で
も、非常に良い精度で埋設管等(P) の地上対応位置P1
および埋設深さDを探知することができることがわか
る。
【0107】実施例2〜4 図7において、3点P、Q、Rのx座標が同じである場
合、つまり鉛直方向の3点にコイルを配して測定した場
合も、上記の表1とほぼ同様の結果が得られた。また、
図8〜10のようにコイルを回転させる方法を採用した
場合も、上記の表1とほぼ同様の結果が得られた。さら
に、図11、図12のように支持棒(21e) の上下の2点
に2つのコイルを設けて連動して回転させる方法を採用
した場合は、地上を走査するときのような移動誤差を生
ずることがなく、地表の凹凸や湾曲の影響を受けず、演
算式が極めて簡単であるので演算誤差も小さくなるた
め、上記の表1の結果を上回る精度が得られた。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、実際の現場において操
作が簡便で汎用性の高い1点法を採用しながらも、位相
検波手段(23)を設けているので、目的とする埋設管の近
くに探知操作時に副磁界発生の原因となる他の埋設管、
フェンス、ガードレール、鉄板などの近傍金属体があっ
ても、精度良く地中埋設管の位置および埋設深さを知る
ことができる。つまり、1点法でありながら2点法の測
定精度を実現することができる。
【0109】また、位相検波手段(23)により副磁界をと
りこまないので、現場の地上にある金属板やフェンス等
をアース手段(3) として用いることもでき、このときに
は、受信感度の向上または測定距離の延長の点で有利と
なる。
【0110】加えて、本発明によれば2点以上(より一
般的には3点以上)のデータを測定することにより、埋
設深さDが測定可能となり、またその2点以上(より一
般的には3点以上)のデータから測定端よりどの程度の
距離に地上対応位置P1 があるかもわかるので、従来の
1点法のようにまず地上対応位置P1 を探知してそこか
らの電流変化率で測定する手順は必ずしも必要ではなく
なる。そのため、従来の1点法よりも測定に要する時間
を短縮することができる。
【0111】そして、検出器(21)に、検出手段(21a) の
ほかに、水平計(21b) 、車輪(21c)および測長器(21d)
を設置するようにすれば、手動に頼る方法に比し測定誤
差が著減するので、再現性の点で従来においては何度が
計り直す必要がある場合もあったが、本発明においては
1回ないし少数回の走査で相応の再現性を確保すること
が可能となる。
【0112】またコイルを回転させる方法を採用すれ
ば、上記の1点法のみならず、ダブル1点法、2点法、
3点法にも適用でき、しかも測定値からの演算式が格段
にシンプルとなる。なおこのコイル回転法は、位相検波
手段(23)を設けない場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地中埋設管の探知方法を実施するとき
に用いる探知装置の一例を示した説明図である。
【図2】測定磁界H3 と距離測定値Lとの関係を表示し
た説明図である。
【図3】測定磁界H3 と距離測定値Lとの関係を表示し
た説明図である。
【図4】本発明の作用を説明するための原理図である。
【図5】走査中に生ずる角度誤差についての説明図であ
る。
【図6】本発明の作用をより具体的に説明するための説
明図である。
【図7】一般解の求め方を示すための説明図である。
【図8】コイルを回転させて最大観測値の角度を求める
ときの説明図である。
【図9】地上埋設管等(P) の地上対応位置P1 をマーキ
ングするときの一例を示した説明図である。
【図10】地上埋設管等(P) の地上対応位置P1 をマー
キングするときの他の一例を示した説明図である。
【図11】2つのコイルを用いてα,βを求めるときの
説明図である。
【図12】2つのコイルを用いてα,βを求めるときの
説明図である。
【符号の説明】
(1) …発信器、 (2) …受信器、 (21)…検出器、 (21a) …検出手段、(21b) …水平計、(21c) …車輪、(2
1d) …測長器、 (21e) …支持棒、(21f) …把手、 (22)…表示手段、 (23)…位相検波手段、 (24)…演算手段、 (3) …アース手段、 (P) …埋設管等

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発信器(1) 、受信器(2) およびアース手段
    (3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管ま
    たはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにして
    ある埋設管からなる埋設管等(P) の露出部の導通部の1
    点とアース手段(3) とに発信器(1) の出力を接続して大
    地を帰路とした一部分布定数回路を含む閉回路を作ると
    共に、その埋設管等(P) の近傍に形成される磁界を、受
    信器(2) に接続した検出器(21)を走査または操作するこ
    とにより検出して埋設管等(P) を探知する1点法を実施
    するにあたり、 検出器(21)と表示手段(22)とを備えた受信器(2) に、さ
    らに位相を検波する位相検波手段(23)を設け、その位相
    検波手段(23)により受信情報のうち参照信号と同相の送
    信信号成分に対応する受信情報を取り込み、その受信情
    報に基いて埋設管等(P) の地上対応位置P1 と埋設深さ
    Dとを知るようにしたことを特徴とする地中埋設管の探
    知方法。
  2. 【請求項2】受信情報のうち位相が変化した副磁界の成
    分を受信したときはそれを取り込まず、受信情報のうち
    参照信号と同相の送信信号成分に対応する受信情報を取
    り込み、そのときの2点以上で計測したデータに基い
    て、埋設管等(P) の地上対応位置P1 と埋設深さDとを
    知るようにしたことを特徴とする請求項1記載の探知方
    法。
  3. 【請求項3】位相検波手段(23)が、ロックインアンプま
    たは位相計である請求項1記載の探知方法。
  4. 【請求項4】受信器(2) に設置の表示手段(22)に、演算
    手段(24)による演算結果を表示できるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の探知方法。
  5. 【請求項5】検出器(21)に、検出手段(21a) のほかに、
    水平計(21b) 、車輪(21c) および測長器(21d) を設置し
    たことを特徴とする請求項1記載の探知方法。
  6. 【請求項6】アース手段(3) として、現場の地上にある
    金属体を用いてもよい請求項1記載の探知方法。
  7. 【請求項7】直交するx−y座標において、測定点の座
    標を(x,y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とす
    るとき、測定点(x,y)での磁界の観測値ωが式 【式1】 (ただし、Kは定数)で与えられることを利用して、地
    上ないし地上より上空の任意の少なくとも3点での磁界
    の観測値からα,βを求め、埋設管等(P) の地上対応位
    置P1 と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知るようにし
    たことを特徴とする請求項1記載の探知方法。
  8. 【請求項8】測定を、y座標が同じでx座標が異なる少
    なくとも3点で行い、それらの点における磁界の観測値
    ωからα,βを求め、埋設管等(P) の地上対応位置P1
    と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知るようにしたこと
    を特徴とする請求項7記載の探知方法。
  9. 【請求項9】測定を、x座標が同じでy座標が異なる少
    なくとも3点で行い、それらの点における磁界の観測値
    ωからα,βを求め、埋設管等(P) の地上対応位置P1
    と、埋設管等(P) の埋設深さDとを知るようにしたこと
    を特徴とする請求項7記載の探知方法。
  10. 【請求項10】測定点の座標(x,y)の1つが埋設管
    等(P) の地上対応位置P1 にある場合、地上ないし地上
    より上空の少なくとも2点での磁界の観測値からα,β
    を求めることを特徴とする請求項7、8または9記載の
    探知方法。
  11. 【請求項11】発信器(1) 、受信器(2) およびアース手
    段(3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管
    またはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにし
    てある埋設管からなる埋設管等(P) を探知するにあた
    り、 直交するx−y座標において、測定点の座標を(x,
    y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とするとき、地
    上ないし地上より上空の任意の少なくとも2点での測定
    に際し、検出器(21)の検出手段(21a) であるコイルを回
    転させて(検出器(21)の少なくとも2点にそれぞれコイ
    ルを配置してそれぞれのコイルを回転させる場合を含
    む)、磁界の観測値ωが最大値または最小値を示すとき
    の角度θを測定することによりα,βを求め、埋設管等
    (P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深さD
    とを知るようにしたことを特徴とする地中埋設管の探知
    方法。
  12. 【請求項12】埋設管等(P) の露出部の導通部の1点と
    アース手段(3) とに発信器(1) の出力を接続して大地を
    帰路とした一部分布定数回路を含む閉回路を作ると共
    に、その埋設管等(P) の近傍に形成される磁界を、受信
    器(2) に接続した検出器(21)を走査または操作すること
    により検出して埋設管等(P) を探知する1点法を実施す
    ることを特徴とする請求項11記載の探知方法。
  13. 【請求項13】発信器(1) 、受信器(2) およびアース手
    段(3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管
    またはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにし
    てある埋設管からなる埋設管等(P) を探知するにあた
    り、 直交するx−y座標において、測定点の座標を(x,
    y)、埋設管等(P) の座標を(α,β)とするとき、検
    出器(21)の支持棒(21e) 方向の少なくとも2つの位置に
    センサーであるコイルを設け、支持棒(21e) を回転させ
    て磁界の観測値ωが最大値を示すときの角度θとそのと
    きの観測値ωを測定することによりα,βを求め、埋設
    管等(P) の地上対応位置P1 と、埋設管等(P) の埋設深
    さDとを知るようにしたことを特徴とする地中埋設管の
    探知方法。
  14. 【請求項14】埋設管等(P) の露出部の導通部の1点と
    アース手段(3) とに発信器(1) の出力を接続して大地を
    帰路とした一部分布定数回路を含む閉回路を作ると共
    に、その埋設管等(P) の近傍に形成される磁界を、受信
    器(2) に接続した検出器(21)を走査または操作すること
    により検出して埋設管等(P) を探知する1点法を実施す
    ることを特徴とする請求項13記載の探知方法。
  15. 【請求項15】発信器(1) 、受信器(2) およびアース手
    段(3) を備えたロケータを用い、導通性を有する埋設管
    またはロケーティングワイヤ等で導通をとれるようにし
    てある埋設管からなる埋設管等(P) の露出部の導通部の
    1点とアース手段(3) とに発信器(1) の出力を接続して
    大地を帰路とした一部分布定数回路を含む閉回路を作る
    と共に、その埋設管等(P) の近傍に形成される磁界を、
    受信器(2) に接続した検出器(21)を走査または操作する
    ことにより検出して埋設管等(P) を探知する1点法を実
    施するための装置であって、 検出器(21)と表示手段(22)とを備えた受信器(2) に、さ
    らに位相を検波する位相検波手段(23)を設けたことを特
    徴とする地中埋設管の探知装置。
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