JP3942580B2 - 金属検出器および金属検出方法 - Google Patents
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Description
前記の特徴を有する第一の励磁コイルと、第二の励磁コイルと、磁気センサからなる探知ヘッドで探査面を掃引し、磁気センサの信号に基づいて信号処理することにより、探知物の位置標定を精度良く行え、探知物の存在方向を確定し、その特徴ある磁界によって探知物の表面までの深さ、さらに面積あるいは径を求めることができる。
この第2の構成においては、第二の励磁コイルに第三の励磁コイルを新しく導入し、さらに第二、第三の励磁コイルの中心に磁気センサを配置したものである。第二、第三の励磁コイルを適宜切替えて指向性のある励磁磁界を発生し、前記センサを配置している方向の反射磁界を検出する。これによって探知物の存在状況を明確に把握することができる。
この第3の構成においては、第四の励磁コイル群の編成を変え、指向性のある特徴的な励磁磁界を前記励磁コイルの複数の分割方向に向けて発生できる構成とする。その反射磁界情報は、円周上に配置された磁気センサで取得される。これによって探知物の平面的な位置情報を得ることができる。
この第4の構成においては、探知物の深さ決定における測定誤差を、次に続く径測定の工程における反射磁界のオフセット誤差を算出し適用することによって補正する。
図1は、本発明の実施の形態に係る金属検出器の構成を示すブロック図である。
図1において、1は探知ヘッド、2は第一の励磁コイル、3および3’は一対の第二の励磁コイル、4は第一の励磁コイルの中心線上の磁気センサ、4−1から4−4は後に説明する第二、第三の励磁コイルに対応する磁気センサ、5は励磁電流発生器、6は測定処理部、7は信号切替器、8は信号受信器、9は信号処理器、10は励磁コイルリード線、11は磁気センサリード線である。
図2において、2,3,3’は前記各励磁コイル、4および4−1〜4−4は磁気センサである。磁気センサ4’および4−1’〜4−4’は、コイルを交流励磁する場合、励磁磁界の影響を少なくする目的で、それぞれのセンサに対応して上下位置に配置し、差動接続動作させ励磁分を相殺する。12は探知物である。
パルス励磁の場合には、上下いずれかの組のセンサのみを選ぶことも可能である。
信号処理器9は励磁コイルに規定の電流を供給して励磁するように励磁電流発生器5を制御し、磁気センサ4,4’,4−1,4−1’〜4−4,4−4’の出力を信号受信器8から受信して測定し、信号処理しながら探知工程を制御する。
このとき、信号処理器9は、遮断後の規定時間経過した磁気センサ4,4’,4−1,4−1’〜4−4,4−4’の信号振幅値を処理する。
このとき、信号処理器9は、前記センサ信号の交流振幅値および前記センサ信号と励磁電流の位相を計測し処理する。
この第一の実施の形態においては、探知ヘッド1は、図1に示した第一の励磁コイル2、第二の励磁コイル3,3’、磁気センサ4,4’とからなる構成とする。
励磁コイル2、3、3’に水平位置探知用の規定の励磁電流を設定する。
探知ヘッド1で探知面を掃引する。
探知物12が、励磁コイル2の中心に来ると磁気センサ4,4’に最大値が出力される。
この位置で探知ヘッド1を平面内で回転させる。
磁気センサ4,4’に極大値と極小値が計測される。
極大値の回転角度において棒状探知物の存在方向と第二の励磁コイル3,3’の配置方向が平行となる。このとき、予め第二の励磁コイル3,3’の配置方向をマークしておけば便利である。次いで、探知ヘッド1を前記極小値の角度に戻す。
次に探知物深さ測定の工程では、励磁電流値が逐次更新される。
磁気センサ4,4’の検出値がゼロとなった時、合成磁界がゼロとなり、電流値が探知物12の前段階表面深さを表している。
続いて工程は、棒状探知物の径測定に移る。
前記前段階電流値を中心にこれに限らないが、例えば10%増減する。
このとき、磁気センサ4,4’でオフセットを持った正および負の反射磁界変化値が測定されるが、その測定値は探知物の径に依存する。図3は、探知物の深さと反射磁界との関係を、径をパラメータとして示したグラフである。前段階深さ測定で得られた深さと、磁気センサで測定した反射磁界とを求めることにより、棒状探知物の径が得られる。これを前段階径の値とする。
前記ゼロ磁界の領域における反射磁界変化量は、電流に対し略直線的であるので、前段階表面深さ電流値に対し(4)の工程で得られたオフセット値を用いて反射磁界ゼロ電流の補正を行う。この補正された電流値が、正しい深さ対応電流である。
同じく(4)の前段階径測定での反射磁界量に対してもオフセット値を補正し、正しい変化幅量を決定する。
次に工程は、探知物の材質判定に移る。
励磁電流は、材質判定用に設定される。
この測定値を信号処理器9に記憶されている材質評価値と比較して、探知物が非鉄系金属か鉄系金属か判定する。
これは非鉄系に比べ鉄系の材質は、反射磁界いわゆる渦電流の減衰に時間を要するという特性を用いたものである。
ここで判定した材質に対応した反射磁界量を、同じく反射磁界位相量を信号処理器9に記憶されている校正表に対応させて、前工程において測定した反射磁界変化量を材質に合致した径に相当する値として確定する。
図4は、本発明の第二の実施の形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
本実施の形態においては、第二の励磁コイル対3,3’と直交する位置に、第三の励磁コイル対13,13’を設けたものである。
第一の形態との違いを特記する。
今探知物12が金属棒とする。探知ヘッド1が励磁コイル対3,3’あるいは励磁コイル13、13'のセンサ配置方向と直交する方向にある金属棒に接近すると、円周上の磁気センサ4−1〜4−4の、金属棒に近い磁気センサの出力値がまず負値となる。
この負値を示すセンサ対方向に探知ヘッド1を移動させる。
金属棒が探知ヘッド1の中心に近づくにつれ、ヘッド中心のセンサの値が増し、中心に位置すると第一の実施の形態で例示したように最大値を示す。
このとき、直交する磁気センサ対の出力の絶対値が低い磁気センサ対の配置方向が金属棒の存在方向である。
これによって金属棒の平面位置と存在方向の決定がより正確に行える。
第二の形態を拡張し、探知物存在方向決定時の探知ヘッドの角度変更をさらに少なくすることを目的としたものである。
さらにセンサを円周上に複数配置するので探知物の平面位置決定を容易で正確に行える。
複数の第四の励磁コイルa〜pを円周上に配置し各励磁コイルの接続を切り替えて、第一および第二の実施形態における第二の励磁コイル対3,3’によるものと同様の磁界を発生するように編成する。
あるいは、励磁コイル群の編成を変え分割角度ごとに励磁コイル対が順次移動するようにし、例えば励磁コイルc〜hのグループと励磁コイルk〜pまでのグループのように構成する。
また励磁コイルc〜fのグループと励磁コイルk〜nまでのグループとしても良い。
この実施形態に対応する磁気センサの構成は、図2のコイル巻回軸中心の磁気センサ4,4’と、磁気センサ4−1,4−1’,4−2,4−2’のように、第四の励磁コイル群のそれぞれの励磁コイルの位置に対応して設置し同心円状に配置した磁気センサとからなっている。
各磁気センサは、編成励磁コイル対により合成励磁されその結果の探知物よりの反射磁界を検出する。
2 第一の励磁コイル
3,3’ 第二の励磁コイル
4,4’,4−1’〜4−4’ 磁気センサ
5 励磁電流発生器
6 測定処理部
7 信号切替器
8 信号受信器
9 信号処理器
10 励磁コイルリード線
11 磁気センサリード線
12 探知物
13,13' 第三の励磁コイル
14 第四の励磁コイル
Claims (4)
- ループ状の第一の励磁コイル、この第一の励磁コイルの外側に、曲率中心が前記第一の励磁コイルの中心線上に位置するように点対称に配置された、円弧状に湾曲した一対の第二の励磁コイル、および、前記第一の励磁コイルの中心線上に配置された少なくとも1つの磁気センサを有する探知ヘッドと、
前記第一の励磁コイルと前記第二の励磁コイルに逆極性の電流を流す励磁電流発生手段と、
前記磁気センサにより検知された信号に基づいて金属の位置を検出する信号処理手段と
からなる金属検出器。 - ループ状の第一の励磁コイル、この第一の励磁コイルの外側に、曲率中心が前記第一の励磁コイルの中心線上に位置するように点対称に配置された、円弧状に湾曲した一対の第二の励磁コイル、前記第二の励磁コイルに対して直交する状態に配置された一対の第三の励磁コイル、前記第一の励磁コイルの中心線上に配置された少なくとも一つの磁気センサ、および、前記第二並びに第三の励磁コイル対の中心線上に配置された複数の磁気センサを有する探知ヘッドと、
前記第一の励磁コイルと前記第二および第三の励磁コイルに逆極性の電流を流す励磁電流発生手段と、
前記磁気センサにより検知された信号に基づいて金属の位置を検出する信号処理手段と
からなる金属検出器。 - ループ状の第一の励磁コイル、この第一の励磁コイルの外側に、それぞれの中心線が前記第一の励磁コイルと同心となる円周上に位置するように配置された、複数の第四の励磁コイル、前記第一の励磁コイルの中心線上の異なる位置に配置された少なくとも一つの磁気センサ、および、前記第四の複数の励磁コイルの各々の中心線上の異なる位置に配置された複数の磁気センサを有する探知ヘッドと、
前記第一の励磁コイルと前記第四の励磁コイルに逆極性の電流を流す励磁電流発生手段と、
前記磁気センサにより検知された信号に基づいて金属の位置を検出する信号処理手段と
からなる金属検出器。 - 請求項1から3のいずれかの項に記載の金属検出器を用いた金属検出方法であって、
前記第一の励磁コイルと第二ないし第四の励磁コイルに互いに逆極性の励磁電流を流してそれぞれの励磁コイルにより磁界を発生させる工程と、
前記磁界中に存在する金属である探知物による反射磁界を前記第一の励磁コイルの中心軸上に配置した磁気センサで検出する工程と、
前記探知ヘッドを回転ないし移動させたときの前記磁気センサの出力信号の変化に基づいて、あらかじめ規定された演算式ないし参照テーブルから、前記探知物の深さおよび面積あるいは径を求める際に、前記励磁電流を増減可変して前記探知物からの反射磁界量の変化に基づいて、面積あるいはその径を求める工程と、
前記反射磁界量の変化におけるオフセット量から、前記探知物の深さ決定時の誤差を補正することを特徴とする金属検出方法。
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