JP4072842B2 - 地中探査レーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば地中に埋設された管などの地中埋設物を探査するためなどに実施することができる地中探査レータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中埋設物を探査するための先行技術は、地表面から土壌中に電磁波を放射する送信アンテナと、地中埋設物による反射波を受信する受信アンテナとの合計2つのアンテナを備え、送信アンテナから電磁波を放射してから受信アンテナで反射波を受信するまでの時間に対応した地中埋設物の深さを検出する。この先行技術では、地表面に臨んで送信アンテナと受信アンテナとが配置された構成とする必要があり、構成が大形化する。
【0003】
この問題を解決する他の先行技術は、図19に示される。図19(1)に示されるように、土壌1には管などの地中埋設物2が埋設されており、地表面に沿って単一のアンテナ3が移動され、この移動中に、アンテナ3にライン4からパルス状送信信号が与えられる。
【0004】
図19(2)は、アンテナ3にパルス状送信信号を与えた後におけるアンテナ3から得られる受信信号の波形を示す図である。アンテナ3にライン4からパルス状送信信号を与えることによって、先ず大きな振幅を有する波形5で示されるように、アンテナ3とパルス状送信信号を発生する回路とのインピーダンス不整合などに起因した信号の反射波6が生じる。アンテナ3から放射される電磁波は、土壌1の地表面に図19(1)の参照符7で示されるように反射し、これによって地表面の反射波8が得られる。アンテナ3からの電磁波はまた、土壌1中に進入し、地中埋設物2による参照符9で示されるように、本来の探査のための反射波10が得られる。図19(2)に示される反射波5,8は、実際には、地中埋設物2による反射波10に比べて大きい振幅を有し、リンギング波形を含み、したがってこれらの大振幅の反射波5,8によって地中埋設物2が浅い位置にある場合、反射波10が変形され、その検出が困難になる。また反射波5,8の振幅が大きいので、アンテナ3の出力を増幅する増幅回路が一時的に飽和するなどして、反射波10を正確に増幅して導出することができなくなり、その反射波10の検出が不正確になる。
【0005】
図19に示される先行技術における特にアンテナ3によるインピーダンス不整合に起因した大振幅の反射波5を除去するためのさらに他の先行技術は、図20に示される。土壌1の地表面を移動する運搬具11には、土壌1中の地中埋設物2に電磁波を放射し、その反射波10を受信するアンテナ3が備えられるとともに、アンテナ3と同一構成を有し、かつ土壌1への電磁波の放射が行われないようにして運搬具11に搭載されたダミーアンテナ12が設けられる。パルス状送信信号は、アンテナ3とダミーアンテナ12とに分岐して共通に供給され、アンテナ3,12の出力は、減算回路に導かれて減算される。したがってパルス状送信信号を発生する回路とアンテナ3,12とによるインピーダンス不整合に起因した反射波5(前述の図19(2)を参照)が除去され、減算結果には、前述の図19(2)に示されるように地表面によるアンテナ3からの電磁波の反射による反射波8と地中埋設物2の反射波10とだけが、含まれることになる。
【0006】
図20に示されるダミーアンテナ12を用いる先行技術においても、送信アンテナ3から放射された電磁波の地表面による大きい振幅を有する反射波8が原因で、地中埋設物2の探査すべき本来の反射波10を正確に検出することが困難である。またダミーアンテナ12を設ける必要があるので、全体構成の小形化が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、構成を小形化し、しかも地中埋設物などの物体による反射波を正確に検出することができるようにした地中探査レーダ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電磁波を発生する送信信号発生手段と、
土壌に向って電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
送信信号発生手段からの送信信号をアンテナに与え、アンテナからの受信信号を一対の分岐信号に分岐して導出する分岐手段PD2と、
一方の分岐信号を減衰する減衰手段AT2と、
減衰手段AT2の減衰量を、一方の分岐信号の物体による反射波p3をその物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2よりも大きく減衰するように、時間経過に伴って大きくさせる減衰量制御手段と、
分岐手段PD2からの他方の分岐信号と減衰手段AT2からの出力とを、減算する減算手段SBTと、
減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置である。
【0009】
本発明に従えば、単一のアンテナが、送受信のために用いられ、構成の小形化を図ることができる。パルス状送信信号は、分岐手段を介してアンテナに与えられ、これによってたとえば土壌に向けてアンテナから電磁波を放射する。物体による反射波は、アンテナによって受信され、分岐手段によって分岐され、一対の分岐信号となる。一方の分岐信号は、減衰手段AT2によって減衰される。
【0010】
減算手段は、他方の分岐信号と、減衰手段AT2からの物体による反射波の受信信号成分p3が大きく減衰された出力とを、減算する。したがって、アンテナにパルス状送信信号を与えた後に得られるアンテナからの出力に含まれるインピーダンス不整合に起因した大きな振幅を有する反射波p1が減算によって除去されるとともに、地表面で反射した大きな振幅を有する反射波p2もまた、減算によって除去される。こうして減算手段からは、前記他方の分岐信号に含まれている受信信号成分である物体による反射波p3だけが導出される。
第2減衰手段AT2は、時間経過に伴って減衰量が大きくなるように変化される。したがって受信信号成分である物体による反射波p3が、第2減衰手段AT2の出力には含まれなくなる。こうして減算手段の減算動作によって、受信信号成分のうち物体による反射波p3以外の不所望な大振幅反射波p1,p2が相殺されて含まれなくなり、減算手段の出力には、本来の受信信号成分である物体からの反射波p3のみが導出されることができる。こうして物体の反射波を正確に検出することができるようになる。
【0011】
演算手段は、減算手段の出力を演算し、たとえばパルス状送信信号の発生時から物体による反射波の検出時までの時間を求めることによって、地中埋設物などの物体の距離を演算して求めることができ、さらにその他の演算を行うことができる。またこのような物体による反射波p3以外の不所望な反射波p1,p2を分岐して相殺するようにしたので、減算手段に後続する増幅回路AM5が、大振幅入力によって正常な増幅動作が行われなくなってしまうという問題が生じることはなく、アンテナからの比較的小さい振幅を有する物体による反射波を、希望する増幅率で大きく増幅することが可能になる。
【0012】
また本発明は、分岐手段PD2からの前記他方の分岐信号を、前記減衰手段AT2と同一構成を有し、かつ減衰量が前記減衰手段AT2の最小値で一定となるように設定してもう1つの減衰手段AT1に与え、
このもう1つの減衰手段AT1からの出力を用いて減算手段による減算を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、もう1つの減衰手段AT1を設けて、前記他方の分岐信号を、できるだけ減衰しないようにして減衰手段AT1を通過させ、その後、減算手段による減算動作を行うことによって、前記一方の分岐信号が与えられる減衰手段AT2の特性に起因した歪みが減算結果に含まれることを防ぐことができる。2つの減衰手段AT2,AT1の特性というのは、たとえば入出力信号の周波数特性などを含む。
【0014】
また本発明は、(a)パルス状送信信号を発生する送信信号発生手段と、
(b)土壌に向かって電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
(c)送信信号発生手段からの送信信号を2つに分岐する第1分岐手段PD1と、
d)2つの入力端を有し、一方の入力端と他方の入力端とからの信号を減算して出力端に導出する減算手段SBTと、
(e)第1方向性結合器DC1であって、
第1分岐手段PD1からの一方の送信信号が与えられる第1接続端と、
第1接続端からの信号を出力する第2接続端と、
第2接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記一方の入力端に与える第3接続端とを有する第1の方向性結合器DC1と、
(f)第2方向性結合器DC2であって、
第1分岐手段PD1からの他方の送信信号が与えられる第4接続端と、
第4接続端からの信号を出力する第5接続端と、
第5接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記他方の入力端に与える第6接続端とを有する第2方向性結合器DC2と、
(g)第2分岐手段PD2であって、
第7〜第9接続端を有し、
第7および第8接続端に与えられる信号を合成して第9接続端からアンテナに与え、
第9接続端に与えられる信号を第7および第8接続端に分岐して出力する第2分岐手段PD2と、
(h)第2分岐手段PD2の第7接続端からの信号が与えられ、減衰出力が第1方向性結合器DC1の第2接続端に与えられる第1減衰手段AT1と、
(i)第1減衰手段AT1と同一構成を有し、第2分岐手段PD2の第8接続端からの信号が与えられて減衰し、減衰出力が第2方向性結合器DC2の第5接続端に与えられる第2減衰手段AT2と、
(j)第1減衰手段AT1を、その減衰量が第2減衰手段AT2の最小値で一定となるように設定し、第2減衰手段AT2の減衰量を、第8接続端からの物体による反射波p3をその物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2よりも大きく減衰するように、時間経過に伴って大きくさせる減衰量制御手段と、
(k)減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置である。
【0015】
本発明に従えば、図1に関連して後述されるように、送信信号発生手段からのパルス状送信信号は、第1分岐手段PD1によって分岐され、第1および第2方向性結合器DC1,DC2、第1および第2減衰手段AT1,AT2、および第2分岐手段PD2を経て単一のアンテナに与えられ、これによってたとえば土壌などの隠蔽場所に電磁波が放射される。この隠蔽場所に設けられた地中埋設物などの物体からの反射波p3は、前記アンテナによって受信される。このアンテナからの受信信号は、受信信号成分である物体による反射波p3だけでなく、第2分岐手段PD2とアンテナとのインピーダンス不整合による大振幅反射波p1および地表面などによる大振幅反射波p2などが含まれる。アンテナからの出力は、第2分岐手段PD2で分岐され、第1および第2減衰手段AT1,AT2から第1および第2方向性結合器DC1,DC2を経て、減算手段の2つの入力端にそれぞれ与えられ、減算される。
【0016】
第1および第2減衰手段AT1,AT2は、同一構成を有し、すなわちその特性が同一であり、第2減衰手段AT2のほかに、減衰量を最小値で一定となるようにした第1減衰手段AT1が、追加的に用いられることによって、第2減衰手段AT2の特性に起因した歪みが減算結果に含まれることを防ぎ、受信信号成分である物体の反射波p3のみを正確に検出することを可能にする。
【0017】
本発明は、電磁波を発生する送信信号発生手段と、
土壌に向って電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
送信信号発生手段からの送信信号をアンテナに与え、アンテナからの受信信号を一対の分岐信号に分岐して導出する分岐手段PD2と、
一方の分岐信号が与えられ、物体による反射波p3を遮断し、その物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2を通過するゲートと、
分岐手段PD2からの他方の分岐信号とゲートからの出力とを、減算する減算手段SBTと、
減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置である。
本発明は、(a)パルス状送信信号を発生する送信信号発生手段と、
(b)土壌に向かって電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
(c)送信信号発生手段からの送信信号を2つに分岐する第1分岐手段PD1と、
d)2つの入力端を有し、一方の入力端と他方の入力端とからの信号を減算して出力端に導出する減算手段SBTと、
(e)第1方向性結合器DC1であって、
第1分岐手段PD1からの一方の送信信号が与えられる第1接続端と、
第1接続端からの信号を出力する第2接続端と、
第2接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記一方の入力端に与える第3接続端とを有する第1方向性結合器DC1と、
(f)第2方向性結合器DC2であって、
第1分岐手段PD1からの他方の送信信号が与えられる第4接続端と、
第4接続端からの信号を出力する第5接続端と、
第5接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記他方の入力端に与える第6接続端とを有する第2方向性結合器DC2と、
(g)第2分岐手段PD2であって、
第7〜第9接続端を有し、
第7および第8接続端に与えられる信号を合成して第9接続端からアンテナに与え、
第9接続端に与えられる信号を第7および第8接続端に分岐して出力し、第7接続端からの信号が第1方向性結合器DC1の第2接続端に与えられる第2分岐手段PD2と、
(h)第2分岐手段PD2の第8接続端からの信号が与えられ、出力が第2方向性結合器DC2の第5接続端に与えられ、第8接続端からの物体による反射波p3を遮断し、その物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2を通過するゲートと、
(i)減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置である。
本発明に従えば、減衰手段AT2には具体的には、ゲートが用いられてもよい。このゲートは、分岐手段PD2によって分岐された一方の分岐信号の受信信号成分である物体による反射波p3だけを遮断する。したがって減算手段では、アンテナからの出力に含まれるインピーダンス不整合に起因した大きな振幅を有する反射波p1と、地表面で反射した大きな振幅を有する反射波p2とが前記一方の分岐信号と前記他方の分岐信号との減算によって相殺される。したがって減算手段からは、物体による反射波p3だけが得られる。こうして物体の反射波p3を正確に検出することができるようになる。減衰手段AT2が用いられずに、ゲートが用いられる構成では、その減衰手段AT2の特性に起因した歪みを減算手段で相殺するための前述のもう1つの減衰手段AT1は、設けられない。
【0018】
また本発明は、送信信号発生手段は、送信信号を予め定める周期W1で発生し、
演算手段は、減算手段SBTの出力をサンプリングするサンプリング手段72を含み、
減算手段SBTとサンプリング手段72との間に介在され、減算手段SBTの出力増幅器120によって増幅しつつ、入力される減算手段SBTの出力減衰器124によってレベルを揃えて、前記周期W1の整数倍で遅延して増幅器120に与えて帰還する帰還回路をさらに含み、
帰還回路とサンプリング手段とは協働して、受信信号の少なくとも時間が経過した受信信号成分を、複数(N1またはN2)の回数で、帰還を繰返してサンプリングすることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、たとえば、図14〜図17のように減衰手段の出力を所定回数帰還した後にサンプリングする場合、信号の全体が帰還増幅され、この信号全体のノイズ成分が抑制される。また、図18のように前記出力を帰還増幅しながらサンプリングする場合、1計測サイクル中の時間経過に伴い帰還増幅される回数が多くなり、これにより前記出力の時間が経過するほどノイズ成分が抑制される。物体がアンテナから離れた位置に存在していると、アンテナから送信された電磁波がそのアンテナに受信されるまでの時間が長くなるとともに、前記出力のレベルが小さくなり、物体の位置を高精度に検出することが困難となるが、本発明によって、帰還増幅しながらサンプリングすると、アンテナから離れた位置にある物体から反射された電磁波の前記他方の分岐信号ほど、そのノイズ成分が抑制され、特にこのような物体の位置を比較的簡単に高精度に検出することができる。
【0020】
帰還回路は、たとえば、前記周期W1を超える予め定める計測サイクルW2中に、第1の複数N1回、受信信号の帰還を繰返し、
サンプリング手段は、計測サイクルW2を超える基準計測期間W3中に、所定サイクルで帰還が繰返された受信信号を、第2の複数N2回、サンプリングすることを特徴とする。
【0021】
図14〜図17に関連して後述されるように、帰還回路は、たとえば、周期W1で得られる前記他方の分岐信号を、第1複数N1回、繰返し、これによってランダムノイズなどのノイズ成分を抑制することができる。こうしてノイズ成分が抑制された前記他方の分岐信号は、所定サイクル毎に、サンプリングされる。たとえば、このサンプリングのタイミングは、時間ΔT(たとえば0.117ns)ずつずれている。第2の複数N2回、サンプリング動作が行われる。こうして前記周期W1にわたる反射波の前記他方の分岐信号のサンプリングが行われる。これによってSN比が向上された反射波を得ることができる。
【0022】
また本発明は、分岐手段は、パワーデバイダであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロック図である。土壌17中に埋設された地中埋設管などの物体18は、その土壌17の地表面19に沿って移動される単一のアンテナ21による電磁波の送信および受信によって検出することができる。地中探査レーダ装置22は、アンテナ21を含み、このアンテナ21から電磁波を放射するために、送信信号発生手段23からライン24に、たとえばパルス状送信信号25(次に述べる図2参照)が発生され、第1の分岐手段PD1の入力端26に与えられる。
【0026】
図2は、第1の分岐手段PD1の動作を説明するためのブロック図である。入力端26からのパルス状送信信号25は、2つの出力端27,28から、分岐してその分岐された送信信号29,30が導出される。第1の分岐手段PD1の出力端27からの送信信号29は、第1の方向性結合器DC1の第1接続端31に与えられる。
【0027】
図3は、第1方向性結合器DC1を示すブロック図である。第1接続端に入力される分岐された送信信号29は、矢符32で示されるように、第2接続端33に送信信号34として出力される。この第1方向性結合器DC1は、第2接続端33に与えられる信号を、第3接続端35に、矢符36で示されるように導出し、その信号37を、減算手段SBTの一方の入力端38に与える。
【0028】
第2方向性結合器DC2は、第1方向性結合器DC1と同一の構成を有し、第1分岐手段PD1の出力端28からの他方の送信信号が与えられる第4接続端39と、その第4接続端39からの信号を矢符40のように導いて出力する第5接続端41と、この第5接続端41に与えられる信号を矢符42のように導いて出力する第6接続端43とを有する。第6接続端43からの信号は、減算手段SBTの他方の入力端44に与えられる。
【0029】
第1方向性結合器DC1の第2接続端33からの送信信号34は、増幅回路AM1を介して第1減衰手段AT1の接続端47に与えられてもよい。
【0030】
図4は、第1減衰手段AT1を示すブロック図である。減衰手段AT1は、もう1つの接続端48を有し、制御端49に与えられる減衰量制御信号に応答し、接続端47から接続端48に、または接続端48から接続端47に伝搬する信号を減衰して導出する。
【0031】
図5は、第1減衰手段AT1の動作を説明するための図である。図5の横軸は時間を示し、図5の縦軸は第1減衰手段AT1の接続端47から接続端48に伝搬する信号の減衰量αを示す。第1減衰手段AT1の減衰量αは、できるだけ僅かとなるように、制御端49には減衰量制御信号が与えられている。
【0032】
第2方向性結合器DC2の第5接続端41からの信号は、前述の増幅回路AM1と同一構成を有する増幅回路AM2を経て、第2減衰手段AT2の接続端51に与えられる。
【0033】
図6は、第2減衰手段AT2を示すブロック図である。第2減衰手段AT2は、前述の第1減衰手段AT1と同一構成を有し、接続端51から与えられた信号は、接続端52に導出し、また接続端52に与えられた信号を接続端51に導出し、その信号の伝搬時の減衰量は、制御端53に与えられる減衰量制御信号によって定められる。
【0034】
図7は、第2減衰手段AT2の接続端52から接続端51に伝搬する信号の減衰量の時間経過を示すグラフである。アンテナ21による受信信号の分岐された信号が接続端52に入力されるとき、制御端53に与えられる減衰量制御信号に応答し、物体18による反射波の受信信号成分が減衰されるように、時間経過に伴って大きく変化する減衰量が設定される。
【0035】
マイクロコンピュータなどによって実現される制御手段54は、発振器102からの発信信号q1を送信信号発生手段23に与えて出力端24からパルス状送信信号25を発生させるとともに、第1および第2減衰手段AT1,AT2の各制御端49,53に減衰量制御信号をそれぞれ与え、第1および第2減衰手段AT1,AT2の減衰量αを、前述のように制御する。
【0036】
第1および第2減衰手段AT1,AT2の接続端48,52からの各信号は、増幅回路AM3,AM4からライン56,57を経て、第2分岐手段PD2の第7接続端58および第8接続端59に与えられる。この第2分岐手段PD2は、第7および第8接続端58,59にそれぞれ与えられる送信信号を矢符60,61で示されるように伝播して合成し、第9接続端62からライン63を経てアンテナ21に与える。こうしてアンテナ21には、第2分岐手段PD2の第9接続端62からの送信信号が与えられてアンテナ21が駆動され、土壌17に向けて電磁波が放射される。
【0037】
図8は、第2分岐手段PD2を示すブロック図である。ライン56,57からの分岐された送信信号64,65は、矢符60,61のように伝搬されて合成され、その合成された送信信号66は、上述のようにライン63を経てアンテナ21に与えられる。
【0038】
アンテナ21から導出される受信信号は、ライン63から第2分岐手段PD2の第9接続端62に与えられ、矢符68,69で示されるように第7および第8接続端58,59に分岐される。第2分岐手段PD2の第7および第8接続端58,59に導出される各分岐信号は、ライン56,57を経て増幅回路AM3,AM4によってそれぞれ増幅され、第1および第2減衰手段AT1,AT2の接続端48,52にそれぞれ与えられる。
【0039】
第2減衰手段AT2の減衰量αは、制御端53に与えられる減衰量制御信号に応答し、接続端52に与えられる分岐信号を、図7に示されるように時間経過に伴って減衰量が大きくなるように変化され、接続端51に導出される。第1減衰手段AT1の接続端48に与えられる分岐信号は、ほとんど減衰されることなく、接続端47に導出される。
【0040】
第1および第2減衰手段AT1,AT2の接続端47,51からの分岐信号は、増幅回路AM1,AM2によってそれぞれ増幅され、第1および第2方向性結合器DC1,DC2の第2および第5接続端13,41からライン36,42に示されるように伝搬され、第3および第6接続端35,43を経て、減算手段SBTの各入力端38,44にそれぞれ与えられる。
【0041】
減算手段SBTは、入力端38に与えられる分岐信号から、入力端44に与えられる分岐信号を減算し、その減算結果を表す信号をライン71を経てサンプリング回路72に与えられてサンプリング動作が行われ、マイクロコンピュータなどを含む処理回路73によって演算処理が行われ、その演算結果が、たとえば物体18とアンテナ21との間の地中埋設距離などが、表示手段74によって表示される。表示手段74は、たとえば液晶または陰極線管などによって目視表示される構成を有してもよく、または音声合成回路によって音響出力する構成などを有してもよい。ライン71上に増幅回路AM5を挿入してもよく、また前記増幅回路AM5は帰還回路を有した増幅回路でもよい。
【0042】
図9は、図1〜図8に示される本発明の実施の一形態の地中探査レーダ装置の全体の動作を説明するための波形図である。制御手段54は、送信信号発生手段23によって出力端24から図9(1)に示されるパルス状送信信号25を、予め定める一定の周期W1で発生する。このパルス状送信信号は、第1分岐手段PD1によって分岐され、第1および第2方向性結合器DC1,DC2、増幅回路AM1,AM2、第1および第2減衰手段AT1,AT2、増幅回路AM3,AM4および第2分岐手段PD2に与えられて合成され、アンテナ21に与えられる。こうしてアンテナ21から土壌17に向けて電磁波が放射される。
【0043】
図9(2)は、アンテナ21からライン63に導出される受信信号の波形を示す図である。受信信号は、ライン63からアンテナ21に時刻t1でパルス状送信信号を与えたときにインピーダンス不整合に起因して得られる大振幅の反射波p1と、アンテナ21から土壌17の地表面17に放射された電磁波が反射して得られる反射波p2と、アンテナ21からの電磁波が土壌17中に侵入し、物体18によって反射してアンテナ21によって受信される物体18の反射波p3とをこの順序で含む。現実的には、反射波p1と反射波p2は飽和していることが多く、また、非常に近接して表示される。送信信号25の周期W1は、アンテナ21に送信信号25が与えられた時点から物体18の反射波p3が得られるまでの時間よりも充分長い時間に定められる。
【0044】
第1減衰手段AT1の減衰量αは、図9(3)に示されるようにその制御端49に制御手段54から与えられる減衰量制御信号によって、減衰量αが最小値で一定となるように設定される。これに対して減衰手段AT2の減衰量αは、図10(4)に示されるように周期W1の中で各時間W10,W11でゲートのOFF,ON操作を繰り返すように設定される。他の実施の形態では、第2減衰手段AT2の減衰量αは、図9(5)に示されるように時間経過に伴って変化される。第2減衰手段AT2の減衰量αは、制御端53に制御手段54から与えられる減衰量制御信号に応答し、時刻t1〜t2の時間W10では、第1減衰手段AT1の減衰量αと同様に最小値で一定となるように制御される。
【0045】
この時間W10は、反射波p1,p2がパルス状送信信号25が発生される時刻t1以降に得られる期間以上に定められるとともに、この時間W10は、物体18の反射波p3が得られる時間よりも短く定められる。第2減衰手段AT2は、時刻t2〜t3の時間W11において、制御手段54から制御端53に与えられる減衰量制御信号に応答し、減衰量αが時間経過に伴って大きく変化するように設定される。この時間W11は、物体18の反射波p3が得られる時刻を含む。時間W11の終了時刻t3以降は、減衰量αは最小値で一定となるように設定される。このような動作が、時間W1毎に繰返される。
【0046】
図10は、図1に示される地中探査レーダ装置22のアンテナ21から電磁波を放射するための動作を説明するための波形図である。送信信号発生手段23は出力端24から図10(1)のパルス状送信信号25を前述の図10(1)に関連して述べたように、発生する。第1分岐手段PD1の2つの各出力端27,28からは、図10(2)に示される分岐された送信信号が導出される。本来は、出力端24から出力端27あるいは28まではケーブルなどで接続され、その分の時間遅れが生じるが、ここでは充分小さいとみなして省略して表現している。以下、図10(3)〜図10(6)も同様である。第1および第2方向性結合器DC1,DC2の第2および第5接続端33,41からは、図10(3)に示される送信信号が導出される。これによって増幅回路AM3,AM4からライン56,57を経て第2分岐手段PD2の第7および第8接続端58,59には、図10(4)に示される送信信号がそれぞれ与えられる。こうして第2分岐手段PD2の第9接続端62からアンテナ21には、ライン63を介して図10(5)に示される送信信号が与えられる。図10(5)に示される送信信号がアンテナ21に与えられることによって、そのアンテナ21からは、図10(6)に示される各反射波p1,p2,p3が、前述の図9(2)に関連して述べたとおりに、導出される。
【0047】
図11は、図1に示される地中探査レーダ装置22のアンテナ21からの受信信号の処理動作を説明するための波形図である。図11(1)は送信信号発生手段23から発生されるパルス状送信信号25を示し、アンテナ21からの受信信号が第2分岐手段PD2の第7および第8接続端58,59からライン56,57にそれぞれ導出される分岐信号の波形を示し、これらの分岐信号は、前述の図9(2)および図10(6)に示される反射波p1,p2,p3の各受信信号成分を含み、同一の参照符で示す。
【0048】
第1減衰手段AT1の接続端47から導出される信号は、この第1減衰手段AT1の減衰量がごく僅か、または零であるので、図11(3)に示されるように、反射波の各成分p11,p21,p31を含む。これらの反射波成分p11,p21,p31は、反射波p1,p2,p3にそれぞれ対応する。第1減衰手段AT1の減衰量αは、図11(4)に示されるように、最小値で一定とされる。
【0049】
これに対して第2減衰手段AT2の接続端51からは、図11(5)に示される反射波の成分p12,p22,p32を含む信号が導出される。第2減衰手段AT2に代えて、本発明の他の実施の形態では、図9(4)に関連して前述したように、ゲートが用いられ、各時間W10,W11においてゲートがOFF,ON操作を繰り返すように設定される。したがって地中埋設物のみによる反射波の成分p32だけが、図11(7)に示されるようにゲートから導出され、ライン51から増幅回路AM2に与えられる。地中埋設物による反射波p32以外の成分p12,p22は、時間W10だけOFFするゲートによって遮断される。
【0050】
前述のように第2減衰手段AT2を用いる実施の形態では、第2減衰手段AT2の減衰量αは、図11(8)に示されるように、また前述の図9(5)に関連して前述したように、反射波の成分p12,p22が得られる時間W10では減衰量αは僅かであり、物体18による反射波p3が得られる時間W11では、時間経過に伴ってその減衰量αが大きくなるように変化される。したがって反射波p3の第2減衰手段AT2の接続端51から導出される成分p32の振幅は、ごく僅かであり、または零である。
【0051】
減算手段SBTは、図11(3)に示される信号の増幅回路AM1および第1方向性結合器DC1を介して入力端38に与えられる信号から、図11(5)に示される信号が増幅回路AM2から第2方向性結合器DC2を経て入力端44に与えられる信号を、同一時刻で減算する。したがって反射波p1に対応する反射波成分p1,p12は除去され、また反射波p2に対応する反射波成分p21,p22は除去される。物体18からの反射波p3に対応する成分p31は、もう1つの対応する成分p32の振幅がごく僅かであり、または零であるので、残存する。こうして減算手段SBTからライン71には、図11(9)に示されるように、物体18の反射波p3に対応する信号p4が正確に得られる。
【0052】
第2減衰手段AT2の時間経過に伴う減衰動作が開始される時刻t2が、反射波p2よりも送信信号の発生時刻t1寄りであるとき、その反射波p2の成分p22が減衰され、したがって減算手段SBTからライン71には、図11(9)のパルスp5が含まれるけれども、このような反射波p2の成分p5の振幅は比較的小さく、したがって物体18に対応する反射波p3の成分p4の検出に悪影響を及ぼすことはない。
【0053】
サンプリング回路72は、図11(9)に示される信号をサンプリングし、このアンテナ21がたとえば運搬具によって物体18の上方で地表面19に沿って図1の左方から右方に移動するとき、反射波p3の成分p4によって物体18を検出する。表示手段74によって、土壌17の断面を表示することができる。
【0054】
減衰手段AT2と同一構成を有する減衰手段AT1が設けられることによって、減算手段SBTの2つの入力端38,44には、各減衰手段AT1,AT2の特性によってたとえば歪むなどして変形した信号が与えられるけれども、これらの個別の減衰手段AT1,AT2の特性に依存した減算手段SBTのライン71に導出される信号には含まれなくなるという利点がある。これによって物体18による反射波p3を、減算手段SBTから正確に得ることができるようになる。
【0055】
図12(1)は、図19に関連して前述した先行技術によって得られると考えられる土壌17の探査画像である。画面77において、像78は、図19(2)の反射波5に対応し、像79は、図19(2)の反射像8に対応する。物体18の像は参照符80で示される。先行技術では、前述のように像78,79の反射波5,8の振幅が大きいので、物体18の像80が不明瞭になると考えられる。
【0056】
図12(2)は、図1〜図11に関連して述べた本発明の実施の一形態において得られると考えられる土壌の探査画像を示す表示手段74の画面81を示す図である。本発明によれば、反射波p1に対応する像は画面81には表れない。像82は、反射波p2に対応する図11(9)の成分p5に対応し、この像82は、ごく僅かであり、物体18の像83に悪影響を及ぼすものではない。物体18の像83は、先行技術に比べてきわめて明瞭であり、これによって物体18の埋設深さを正確に検出することが可能になると考えられる。
【0057】
図13は、本発明の実施の他の形態の全体の構成を示すブロック図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態では、減算手段SBTの出力はライン71から帰還回路85に与えられ、この帰還回路85の出力が、サンプリング回路72に与えられる。帰還回路85は、減算手段SBTの出力を図14に関連して後述するように帰還演算し、これによってアンテナ21による受信信号の特に反射波p3に対応する成分p4のSN比を向上する働きをする。この帰還回路85の動作に対応してサンプリング回路72がサンプリング動作をするために、図15に示されるように、サンプリングパルス発生130を含むサンプリングパルス生成手段116が備えられる。サンプリングパルス生成手段116には、制御手段54からライン87に導出されるパルス状送信信号25の起動のためと同様に、発振器102からの発信信号q1が与えられる。図13のそのほかの構成は、前述の実施の形態と同様である。
【0058】
図14は、図13に示される帰還回路85の具体的な構成を示すブロック図である。帰還回路85は、増幅器120、遅延手段122および可変減衰器124を含んで構成されている。増幅器120には減算手段SBTからライン71を介する出力信号が、ライン71およびダイオード89を介して与えられ、その信号を増幅する。この増幅された信号はサンプリング回路72にライン171を介して送給されるとともに、その信号はまた、遅延手段122および減衰器124を通して加算器165から再び増幅器120に送給される。増幅器120は、遅延手段122および減衰器124を介してフィードバックされた信号とライン71を介するアンテナ21に関連して減算手段SBTからの信号とを加算して増幅する。遅延手段122は、同軸ケーブルまたは光ファイバを用いてもよいが、構成を小形化するためには、表面弾性波(Surface Acoustic Wave、略称SAW)デバイスを用いることが望ましい。アンテナ21の送信駆動のための信号は、ダイオード91を介して導かれる。
【0059】
遅延手段122は、減衰器124を介してフィードバックされる信号を所定時間遅延する。たとえばW1の周期で遅延してもよく、前記W1の整数倍で遅延してもよい。また、減衰器124は、このフィードバックされる信号を減衰する。減衰器124としては、コントローラ164から与えられるコントロール信号の電圧に対応した減衰量を達成する電子アッテネータを用いることが望ましい。コントローラ164には、帰還回路85の加算器165に与えられるライン176の信号が入力される。
【0060】
アンテナ21からの受信信号のうち、分岐信号に含まれる信号成分a(後述の図17(a)を参照)を、パイロット信号として用いる。この実施の形態では帰還回路85におけるコントローラ164は、アンテナ21からの受信信号に含まれる前述の成分aのレベルに対応した電圧を有するコントロール信号を発生して、減衰器124に与える。コントローラ164は、ライン176に含まれるパイロット信号aのレベルを検出し、遅延手段122の後に分岐された信号Pcontrolのレベルと比較し、別に分岐された信号Pattのレベルに対してパイロット信号aのレベルに調整する電圧を有するコントロール信号を、減衰器124に与える。この帰還回路85およびそれに関連する構成については、後にさらに詳述する。
【0061】
発振器102からの発信信号q1は、サンプリングパルス生成手段116に送給される。図15のサンプリングパルス生成手段116は、移相手段126、パルス化回路128およびサンプリングパルス発生器130から構成されている。移相手段126は移相回路電圧制御回路132および電圧可変移相回路134から構成され、発振器102からの発信信号q1は、電圧可変移相回路134に送給される。移相回路電圧制御回路132は、電圧可変移相回路134に供給される電圧を制御する。また、電圧可変移相回路134は、移相回路電圧制御回路132からの制御電圧に基づいて上記発信信号q1の位相を可変とする。すなわち、電圧可変移相回路134は、移相回路電圧制御回路132からの制御電圧が、たとえば大きくなるに従って上記発信信号q1の位相遅れを大きくし(換言すると、遅延時間を長く)、移相回路電圧制御回路132からの制御電圧が、たとえば小さくなるに従って上記発信信号の位相遅れを小さくする(換言すると、遅延時間を短くする)。このような電圧可変移相回路134として、たとえば30〜200pF程度の電圧制御形可変容量素子(たとえば商品名バリキャップ)を5個程度組込んだ回路を用いることができ、このような回路において電圧を、たとえば0〜5V変化させることによって、上記発信信号q1の位相を、たとえば0〜60×10-9秒(0〜60ns)遅らせることができる。
【0062】
この移相手段126は、上述したとおりにして移相信号q2(図16参照)を生成する。この相信号q2は、上記発信信号q1から所定時間T位相が遅れた信号となり、電圧可変相回路134に供給される制御電圧を変化させることによって、発信信号q1との位相遅れ時間が制御される。
【0063】
移相手段126からの移相信号q2はパルス化回路128に送給され、このパルス化回路128によって、移相信号がパルス化される。パルス化された移相信号は、その後、サンプリングパルス発生器130に送給され、サンプリングパルス発生器130は、この移相信号q2のパルス化回路128を介する信号に基づいてサンプリングパルス信号q3(図16参照)を生成する。この実施形態では、図16に示すとおり、移相手段126からの移相信号q2の出力が所定値V2になるサンプリングパルス信号q3を生成する。すなわち、サンプリングパルス発生器130は、移相信号q2の立上りのゼロ点から所定値V2になるとサンプリングパルス信号q3を生成し、このサンプリングパルス信号q3をサンプリング回路72に送給する。サンプリングパルス発生器130にて生成されるサンプリングパルス信号q3は非常に短く設定される。
【0064】
サンプリングパルス発生器130からのサンプリングパルス信号q3のうち1計測サイクルの最後のものが、サンプリング回路72のゲート信号として機能し、サンプリング回路72は、サンプリングパルス発生器130から1計測サイクルの最後のサンプリングパルス信号q3が送給されると、アンテナ21によって受信され、減算手段SBTから帰還回路85によって帰還増幅された受信信号を取入れる。
【0065】
この実施の一形態では、次のとおりにして、帰還回路85による帰還増幅およびサンプリング回路72によるサンプリングが行われる。主として図14〜図17を参照して、発振器102によって生成される発信信号q1の周波数は、たとえば20MHzに設定され、その周期W1は50nsである。このような場合、たとえば312.5μsに設定される1計測サイクルW2の間、移相手段126は発信信号q1から所定時間T位相が遅れた移相信号を生成し、このような移相信号q2に基づいてサンプリングパルス発生器130はN1=6250個のサンプリングパルス信号q3を生成する。W2=W1・N1である。
【0066】
サンプリングパルス発生器130が6249個のサンプリングパルス信号を生成する間(=W2−W1)は、図14および図17(a)から理解されるように、帰還回路85は順次受信信号q5を帰還増幅する。第6250個目のサンプリングパルス信号が生成されると、図16および図17(b)に示すように、サンプリング回路72はこのサンプリングパルス信号に基づいて、帰還増幅された第6250番目の受信信号をサンプリング測定し、測定されたサンプリング信号q6(図16参照)がサンプリング回路72から下流側に送給される。図17(a)の各信号は、帰還回路85の出力信号を示す。信号成分aは、インピーダンス不整合に起因してアンテナ21からライン63に反射される反射波p1であり、前述のようにパイロット信号として用いられる。成分bは、アンテナ21からの電磁波が地表面19で反射して得られた受信信号p2であり、成分cは、物体18から反射してアンテナ21に受信された反射波の受信信号p3である。
【0067】
受信信号q5の帰還増幅は、次のとおりに行われる。遅延手段122は、増幅器120から遅延手段122および減衰器124を介してフィードバックされる信号、すなわち帰還増幅された第k番目の信号Skと、アンテナ21からの次の受信信号、すなわち第(k+1)番目の受信信号とが重なるように、フィードバックされる信号を所定時間W1の整数倍、たとえばこの実施の形態ではW1だけ遅延させる。また、減衰器124は、遅延回路122を通してフィードバックされる信号、すなわち帰還増幅された第k番目の信号Skのパイロット信号aに対応する振幅の大きさと、アンテナ21からの次の受信信号、すなわち第(k+1)番目の受信信号に、付加されるパイロット信号aの大きさとが同じ大きさとなるように、フィードバックされる信号を減衰する。
【0068】
このとき、前述のパイロット信号aが利用され、フィードバック信号のパイロット信号aの波高値である大きさa2と、受信信号に加算されるパイロット信号aの波高値である大きさa1とが同じ(a1=a2)になるように、コントローラ164は、ライン176の受信信号に含まれるパイロット信号aの波高値と、減衰器124から加算器165に与えられるパイロット信号成分の波高値a2とが等しくなるようにするための減衰器124の減衰量を表す電圧を有するコントロール信号を導出して減衰器124に与える。これによって減衰器124は、フィードバックされる信号全体を可変比率で減衰する。このようにして受信信号q5を順次多数回N1、帰還増幅することによって、受信信号全体に含まれるノイズ成分を抑制することができ、これによって地中埋設物体18の位置を高精度で検出することができる。帰還増幅での遅延量は、W1の2以上の整数倍でもよい。
【0069】
期間W2にわたる第1番目(n=1)の計測サイクルにおけるサンプリングが終了すると、第2番目(n=2)の測定サイクルにおけるサンプリングが遂行される。第2番目の測定サイクルにおいては、移相回路電圧制御手段132は電圧可変移相回路134に供給される電圧を、たとえば幾分大きくし、これによって移相手段126からの移相信号q2は、発信信号q1から時間(=T+ΔT)位相が遅れたものとなる。第1番目の計測サイクルに続く次のW2=312.5μsの計測サイクルの間、移相手段126は、発信信号q1から時間(=T+ΔT)位相が遅れた移相信号q2を生成し、サンプリングパルス発生器130は、このような移相信号q2に基づいて、第1番目の計測サイクルと同様に、N1=6250個のサンプリングパルス信号q3を生成する。順次送らせる時間ΔTは、たとえば0.117nsに設定される。
【0070】
第2番目の計測サイクルにおいては、第1番目の計測サイクルと同様に、サンプリングパルス発生器130がN1−1=6249個のサンプリングパルス信号を生成する間W2は、帰還回路85は順次受信信号q5を帰還増幅する。第N1(=6250)個目のサンプリングパルス信号が生成されると、サンプリング回路72はこのサンプリングパルス信号に基づいて、帰還増幅された第6250番目の受信信号をサンプリング測定し、測定されたサンプリング信号q6(図17(c)参照)がサンプリング回路72から下流側に送給される。
【0071】
この実施の一形態では、図16に示すように、基準計測期間W3が、たとえばW3=80msに設定されており、したがって第1番目の計測サイクルの開始から80msに達するまで、この実施の一形態では、たとえばN2=第256番目の計測サイクルが遂行されるまで遂行され、その間、移相手段126は各計測サイクル毎に発信信号q1から順次ΔTずつ遅れた移相信号q2を生成し、この移相信号q2に関連して生成されるサンプリングパルス信号q3のうち各計測サイクルW2の最後のサンプリングパルス信号に基づいて、帰還増幅された受信信号のサンプリングが遂行される。基準計測期間W3および計測サイクルの期間W2は、発信信号q1の周波数等に応じて適宜設定することができる。W3=W2・N2である。
【0072】
地中探査レーダ装置は、さらに、サンプリング回路72によってサンプリングされた信号q3を演算処理する信号処理手段73と、信号処理手段73とによって処理された地中埋設物の位置を表示するための表示手段44を含んでいる。信号処理手段73はメモリ142を有し、サンプリング回路72からのサンプリング信号q6は一旦、メモリ142に保存され、信号処理手段138は、基準計測期間W3内にサンプリングされたサンプリング信号、この実施形態ではN2=256個のサンプリング信号を所要のとおりに演算処理して探知信号q7(図16および図17(d)を参照)を生成する。このようにして生成された探知信号q7は表示手段74に送給され、探知信号q7に含まれた地中埋設物18の埋設位置の情報が表示手段74に表示される。こうして計測者は、表示手段74に表示された位置情報を見ることによって、地中埋設物の埋設位置を容易に知ることができる。
【0073】
アンテナ21の受信信号q5の帰還増幅および帰還増幅された信号のサンプリングは、図18に示すとおりに行うこともできる。地中探査レーダ装置の構成は、図14および図15に示す構成と実質上同一でよい。図18を参照して、この様式では、期間W1毎の各受信信号に、帰還増幅およびサンプリングが行われる。図18(a)に示すように、基準計測期間W2(この様式では、1計測サイクルW2と基準計測期間W3とは一致する)における第1番目の受信信号は、帰還回路85にて増幅され、この増幅された信号は、サンプリング回路72によりサンプリングされ、サンプリングされたサンプリング信号が信号処理手段73のメモリ142に蓄えられる。増幅された受信信号はまた、フィードバックされて次の(第2番目)の受信信号に加算されて増幅され、この増幅された受信信号は、図18(b)に示すように、サンプリング回路72によりサンプリングされ、サンプリング信号がメモリ142に蓄えられる。
【0074】
この様式においては、移相手段126は発信信号q1から順次ΔTずつ遅れた移相信号q2を生成し、この移相信号q2に関連して生成されるサンプリングパルス信号q3毎にサンプリング回路72によるサンプリングが、たとえばN2=256回遂行される。これらのサンプリング信号はメモリ42に蓄えられ、信号処理手段138はメモリ42に蓄えられたサンプリング信号を所要のとおりに演算処理して図18(d)に示す探査信号を生成し、この探査信号の内容が表示手段74に表示される。帰還回路85による帰還増幅は、上述したと同様に行われる。
【0075】
このような様式を用いても、アンテナ21の受信信号を帰還増幅しているので、そのノイズ成分を少なくして地中埋設物の位置を高精度に検出することができる。特に、1計測サイクルW2の時間経過に伴って、帰還増幅される回数が多くなり、それゆえに受信信号の信号成分p3が増幅され、そのノイズ成分が抑制される。受信信号における計測定サイクルの時間経過に伴って、信号成分は、アンテナ21から送信された後、アンテナ21に受信されるまでに時間を要する信号成分、換言するとアンテナ21から離れた位置にある地中埋設物体18からの反射波成分であり、このような反射波成分は距離が離れるに従って小さくなるが、小さい反射成分ほど大きく増幅されるようになる。したがってこのような地中埋設物の位置の測定精度を高めることができる。上述の帰還回路85の前後には、高周波増幅器が挿入されても良い。
【0076】
上述の図示の実施形態では、移相回路電圧制御回路132および電圧可変移相回路134から構成される移相手段126を用いてサンプリングパルス信号を生成しているが、この様式に限定されず、実施の他の形態では、サンプリングパルス信号を生成するその他の様式、たとえば電圧制御発振回路(VCO)を含む可変周期発振器を用いてサンプリングパルス信号を生成する様式等にも用いることができる。
【0077】
また、たとえば、図示の実施形態では、物体としての地中埋設物体の位置を検出するものに適用して説明したが、これに限定されず、建造物等の静止物体や自動車等の移動物体の位置を検出する物体検出装置として広く適用することができる。
【0078】
本発明の実施の他の形態では、コントローラ164を省略し、減衰器124は、予め定める一定の減衰量で遅延手段122からの信号を、パイロット信号aの波高値a1と減衰器124から加算器165に与えられるパイロット信号成分の波高値a2とが一致するように、予め定める一定の減衰量で、減衰動作を行うように構成されてもよい。
【0079】
【発明の効果】
請求項1,3の本発明によれば、単一のアンテナを用いることによって、構成の小形化を図ることができるとともに、アンテナからの出力に含まれるインピーダンス不整合に起因した大きな振幅を有する反射波と、地表面で反射した大きな振幅を有する反射波が、減算手段の出力には含まれてはおらず、減算手段からの物体による反射波を正確に検出することができるようになる。こうして減算手段に後続する増幅回路が、大振幅入力によって正常な増幅動作が行われなくなってしまうという問題が生じることはなく、アンテナからの比較的小さい振幅を有する物体による反射波を、希望する大きな増幅率で増幅して得ることができるようになる。またアンテナは単一個であるので、構成の小形化を図ることができる。
【0080】
請求項2の本発明によれば、一方の分岐信号の受信信号成分である物体による反射波を減衰するための減衰手段AT2のほかに、もう1つの減衰手段AT1を設け、このもう1つの減衰手段AT1の減衰量を最小値で一定に保ち、こうして2つの減衰手段AT2,AT1の周波数特性などの特性に起因した減算結果の歪みが生じることを防ぐことができる。したがって物体による反射波を、正確に検出することができるようになる。
【0081】
請求項4,5の本発明によれば、第1および第2分岐手段PD1,PD2ならびに第1および第2方向性結合器DC1,DC2が用いられ、さらに第1および第2減衰手段AT1,AT2またはゲートが用いられることによって、単一のアンテナを用いて構成の小形化を図り、しかも物体の反射波を正確に検出することができるようになる。
【0082】
本発明では、前述の方向性結合手段からの前記他方の分岐信号を減衰する減衰手段の代りに、ゲートが用いられてもよく、前述と同様にして物体の反射波だけを正確に検出することができるようになる。
【0083】
請求項の本発明によれば、帰還回路によって減算手段SBTの出力が帰還増幅され、そのノイズ成分が抑制され、ノイズ成分の少ない信号が得られ、物体の位置を高精度で検出することができる。特に、減算手段SBTの出力を順次帰還増幅するので、1計測サイクルの少なくとも時間が経過した信号成分程、SN比が良好になり、そのノイズ抑制効果が大きくなる。
【0084】
請求項の本発明によれば、地中埋設物体の信号のSN比を向上し、しかも本発明の実現が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】第1分岐手段PD1の動作を説明するためのブロック図である。
【図3】第1方向性結合器DC1を示すブロック図である。
【図4】第1減衰手段AT1を示すブロック図である。
【図5】第1減衰手段AT1の動作を説明するための図である。
【図6】第2減衰手段AT2を示すブロック図である。
【図7】第2減衰手段AT2の接続端52から接続端51に伝搬する信号の減衰量の時間経過を示すグラフである。
【図8】第2分岐手段PD2を示すブロック図である。
【図9】図1〜図8に示される本発明の実施の一形態の地中探査レーダ装置の全体の動作を説明するための波形図である。
【図10】図1に示される地中探査レーダ装置22のアンテナ21から電磁波を放射するための動作を説明するための波形図である。
【図11】図1に示される地中探査レーダ装置22のアンテナ21からの受信信号の処理動作を説明するための波形図である。
【図12】本件発明者の実験結果を示す図である。
【図13】本発明の実施の他の形態の全体の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示される帰還回路85の具体的な構成を示すブロック図である。
【図15】 サンプリングパルス生成手段116の電気的構成を示すブロック図である。
【図16】図1の物体検出装置において生成される各種信号を示すタイムチャートである。
【図17】図17(a)〜図17(d)は、それぞれ、図1の物体検出装置のサンプリング手段によるサンプリング様式を説明するための図である。
【図18】図18(a)〜図18(d)は、それぞれ、サンプリング手段によるサンプリング様式の他の例を説明するための図である。
【図19】本発明の先行技術を示す図である。
【図20】図19に示される先行技術における特にアンテナ3によるインピーダンス不整合に起因した大振幅の反射波5を除去するためのさらに他の先行技術を示す図である。
【符号の説明】
17 土壌
18 物体
21 アンテナ
22 地中探査レーダ装置
23 送信信号発生手段
26 入力端
27,28 出力端
31 第1接続端
33 第2接続端
35 第3接続端
39 第4接続端
41 第5接続端
43 第6接続端
54 制御手段
58 第7接続端
59 第8接続端
62 第9接続端
72 サンプリング回路
73 信号処理回路
74 表示手段
85 帰還回路
116 サンプリングパルス生成手段
AT1 第1減衰手段
AT2 第2減衰手段
AM1〜AM4 増幅回路
PD1 第1分岐手段
PD2 第2分岐手段
DC1 第1方向性結合器
DC2 第2方向性結合器

Claims (7)

  1. 電磁波を発生する送信信号発生手段と、
    土壌に向って電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
    送信信号発生手段からの送信信号をアンテナに与え、アンテナからの受信信号を一対の分岐信号に分岐して導出する分岐手段PD2と、
    一方の分岐信号を減衰する減衰手段AT2と、
    減衰手段AT2の減衰量を、一方の分岐信号の物体による反射波p3をその物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2よりも大きく減衰するように、時間経過に伴って大きくさせる減衰量制御手段と、
    分岐手段PD2からの他方の分岐信号と減衰手段AT2からの出力とを、減算する減算手段SBTと、
    減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置。
  2. 分岐手段PD2からの前記他方の分岐信号を、前記減衰手段AT2と同一構成を有し、かつ減衰量が前記減衰手段AT2の最小値で一定となるように設定してもう1つの減衰手段AT1に与え、
    このもう1つの減衰手段AT1からの出力を用いて減算手段による減算を行うことを特徴とする請求項1記載の地中探査レーダ装置。
  3. 電磁波を発生する送信信号発生手段と、
    土壌に向って電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
    送信信号発生手段からの送信信号をアンテナに与え、アンテナからの受信信号を一対の分岐信号に分岐して導出する分岐手段PD2と、
    一方の分岐信号が与えられ、物体による反射波p3を遮断し、その物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2を通過するゲートと、
    分岐手段PD2からの他方の分岐信号とゲートからの出力とを、減算する減算手段SBTと、
    減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置。
  4. (a)パルス状送信信号を発生する送信信号発生手段と、
    (b)土壌に向かって電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
    (c)送信信号発生手段からの送信信号を2つに分岐する第1分岐手段PD1と、
    d)2つの入力端を有し、一方の入力端と他方の入力端とからの信号を減算して出力端に導出する減算手段SBTと、
    (e)第1方向性結合器DC1であって、
    第1分岐手段PD1からの一方の送信信号が与えられる第1接続端と、
    第1接続端からの信号を出力する第2接続端と、
    第2接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記一方の入力端に与える第3接続端とを有する第1の方向性結合器DC1と、
    (f)第2方向性結合器DC2であって、
    第1分岐手段PD1からの他方の送信信号が与えられる第4接続端と、
    第4接続端からの信号を出力する第5接続端と、
    第5接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記他方の入力端に与える第6接続端とを有する第2方向性結合器DC2と、
    (g)第2分岐手段PD2であって、
    第7〜第9接続端を有し、
    第7および第8接続端に与えられる信号を合成して第9接続端からアンテナに与え、
    第9接続端に与えられる信号を第7および第8接続端に分岐して出力する第2分岐手段PD2と、
    (h)第2分岐手段PD2の第7接続端からの信号が与えられ、減衰出力が第1方向性結合器DC1の第2接続端に与えられる第1減衰手段AT1と、
    (i)第1減衰手段AT1と同一構成を有し、第2分岐手段PD2の第8接続端からの信号が与えられて減衰し、減衰出力が第2方向性結合器DC2の第5接続端に与えられる第2減衰手段AT2と、
    (j)第1減衰手段AT1を、その減衰量が第2減衰手段AT2の最小値で一定となるように設定し、第2減衰手段AT2の減衰量を、第8接続端からの物体による反射波p3をその物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2よりも大きく減衰するように、時間経過に伴って大きくさせる減衰量制御手段と、
    (k)減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置。
  5. (a)パルス状送信信号を発生する送信信号発生手段と、
    (b)土壌に向かって電磁波を発生し、物体による反射波を受信する単一のアンテナと、
    (c)送信信号発生手段からの送信信号を2つに分岐する第1分岐手段PD1と、
    d)2つの入力端を有し、一方の入力端と他方の入力端とからの信号を減算して出力端に導出する減算手段SBTと、
    (e)第1方向性結合器DC1であって、
    第1分岐手段PD1からの一方の送信信号が与えられる第1接続端と、
    第1接続端からの信号を出力する第2接続端と、
    第2接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記一方の入力端に与える第3接続端とを有する第1方向性結合器DC1と、
    (f)第2方向性結合器DC2であって、
    第1分岐手段PD1からの他方の送信信号が与えられる第4接続端と、
    第4接続端からの信号を出力する第5接続端と、
    第5接続端に与えられる信号を、出力して減算手段SBTの前記他方の入力端に与える第6接続端とを有する第2方向性結合器DC2と、
    (g)第2分岐手段PD2であって、
    第7〜第9接続端を有し、
    第7および第8接続端に与えられる信号を合成して第9接続端からアンテナに与え、
    第9接続端に与えられる信号を第7および第8接続端に分岐して出力し、第7接続端からの信号が第1方向性結合器DC1の第2接続端に与えられる第2分岐手段PD2と、
    (h)第2分岐手段PD2の第8接続端からの信号が与えられ、出力が第2方向性結合器DC2の第5接続端に与えられ、第8接続端からの物体による反射波p3を遮断し、その物体による反射波p3よりも前に得られる不所望な反射波p1,p2を通過するゲートと、
    (i)減算手段の出力を演算する演算手段とを含むことを特徴とする地中探査レーダ装置。
  6. 送信信号発生手段は、送信信号を予め定める周期W1で発生し、
    演算手段は、減算手段SBTの出力をサンプリングするサンプリング手段72を含み、
    減算手段SBTとサンプリング手段72との間に介在され、減算手段SBTの出力を増幅器120によって増幅しつつ、入力される減算手段SBTの出力と減衰器124によってレベルを揃えて、前記周期W1の整数倍で遅延して増幅器120に与えて帰還する帰還回路をさらに含み、
    帰還回路とサンプリング手段とは協働して、受信信号の少なくとも時間が経過した受信信号成分を、複数(N1またはN2)の回数で、帰還を繰返してサンプリングすることを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の地中探査レーダ装置。
  7. 分岐手段は、パワーデバイダであることを特徴とする請求項1〜6うちの1つに記載の地中探査レーダ装置。
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