JP6836580B2 - プリント配線板製造用銅箔、キャリア付銅箔及び銅張積層板、並びにそれらを用いたプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板製造用銅箔、キャリア付銅箔及び銅張積層板、並びにそれらを用いたプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板製造用銅箔、キャリア付銅箔及び銅張積層板、並びにそれらを用いたプリント配線板の製造方法に関する。
回路の微細化に適したプリント配線板の製造工法として、MSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法が広く採用されている。MSAP法は、極めて微細な回路を形成するのに適した手法であり、その特徴を活かすため、キャリア付極薄銅箔を用いて行われている。例えば、図4及び5に示されるように、極薄銅箔110を、下地基材111a上にプリプレグ111bを備えた絶縁樹脂基板111(必要に応じて下層回路111cを内在しうる)にプライマー層112を用いてプレスして密着させ(工程(a))、キャリア(図示せず)を引き剥がした後、必要に応じてレーザー穿孔によりビアホール113を形成する(工程(b))。次いで、化学銅めっき114を施した(工程(c))後に、ドライフィルム115を用いた露光及び現像により所定のパターンでマスキングし(工程(d))、電気銅めっき116を施す(工程(e))。ドライフィルム115を除去して配線部分116aを形成した(工程(f))後、隣り合う配線部分116a,116a間の不要な極薄銅箔等をそれらの厚み全体にわたってエッチングにより除去して(工程(g))、所定のパターンで形成された配線117を得る。特に、近年、電子回路の小型軽量化に伴い、回路形成性により優れた(例えばライン/スペース=15μm以下/15μm以下の微細回路を形成可能な)MSAP法用銅箔が求められている。例えば、特許文献1(国際公開第2012/046804号)には、JIS−B−06012−1994で規定する表面素地山の凹凸の平均間隔Smが25μm以上のキャリア上に、剥離層、銅箔をこの順序に積層し、銅箔をキャリアから剥離してなる銅箔が開示されており、この銅箔を用いることで、ライン/スペースが15μm以下の極細幅まで配線ラインの直線性を損なわずにエッチングが可能であるとされている。
一方、軽量化や小型化に適したプリント配線板の製造工法として、支持体(コア)表面の金属層上に配線層を形成し、更にビルドアップ層を形成した後、支持体(コア)を分離するコアレスビルドアップ法を用いた製造方法が採用されている。かかる方法により製造されるプリント配線板は回路パターンが絶縁層の中に埋め込まれているタイプのものであるため、この工法はETS(Embedded Trace Substrate)工法と呼ばれている。表面に金属層が備わった支持体用の部材としてキャリア付銅箔を用いたコアレスビルドアップ法によるプリント配線板の製造方法の従来例が図11及び12に示される。図11及び12に示される例では、まず、キャリア212、剥離層214及び銅箔216をこの順に備えたキャリア付銅箔210を、プリプレグ等のコアレス支持体218に積層する。次いで、銅箔216にフォトレジストパターン220を形成し、パターンめっき(電気銅めっき)222の形成及びフォトレジストパターン220の剥離を経て配線パターン224を形成する。そして、パターンめっきに必要に応じて粗化処理等の積層前処理を施して第一配線層226とする。次いで、図12に示されるように、ビルドアップ層242を形成すべく絶縁層228、及び必要に応じて第二配線層238のシード層となるキャリア付銅箔230(キャリア232、剥離層234及び銅箔236を備える)を積層し、キャリア232を剥離し、かつ、レーザー等により銅箔236及びその直下の絶縁層228を孔開け加工する。続いて、化学銅めっき、フォトレジスト加工、電解銅めっき、フォトレジスト剥離及びフラッシュエッチング等によりパターニングを行って第二配線層238を形成し、このパターニングを必要に応じて繰り返して第n配線層240(nは2以上の整数)まで形成する。そして、コアレス支持体218をキャリア212とともに剥離してビルドアップ配線板244(コアレス配線板とも呼ばれる)とし、第一配線層226の配線パターン間に露出する銅箔216と、存在する場合にはビルドアップ層242の第n配線層240の配線パターン間に露出する銅箔236等とをフラッシュエッチングにより除去して所定の配線パターンとし、プリント配線板246を得る。
国際公開第2012/046804号 特開2014−63950号公報
ところで、MSAP法(図4及び5を参照)において、ビアホール113の形成(工程(b))後で、かつ、化学銅めっき114の形成(工程c))前に、ビアホール底面の下層回路111cのクリーニングやビアホール周囲に付着したスプラッシュの除去を目的としてマイクロエッチング(Cuエッチング)が行われる場合がある。近年、回路を微細化する観点から、従来よりも極薄銅層110の厚さを予め薄くしておき、前記マイクロエッチング後の時点でのシード層(極薄銅箔110)が0.3μm程度の厚さとなるようにすることが望まれるようになってきた。しかしながら、このように薄くされた極薄銅箔110と絶縁樹脂基板111との積層体をマイクロエッチングしようとすると、図3に概念的に示されるように、マイクロエッチング中、マイクロエッチングの面内ばらつきにより部分的に極薄銅箔110(シード層)に欠損110aが生じることがある。このため、そのような欠損の発生を抑制する手法が望まれる。
一方、ETS工法においては、コアレス配線板製造工程におけるフラッシュエッチング工程(図11及び12を参照)では、露出している銅箔216に存在する微小なピンホールや、フラッシュエッチング液の面内液被着圧の不均一性等が影響して、第一配線層226の面内でフラッシュエッチングされる量が不均一になりがちである。この場合、図9に概念的に示されるように、除去されるべき銅箔216のみならず、残されるべき銅回路(第一配線層226)の一部までもが不均一にエッチングされてしまい、規格値を超える不均一な回路凹み226aが発生してしまう。このような不均一な回路凹み226aは、プリント配線板の実装工程や信頼性試験環境下において、接続不良や断線等の不具合につながるおそれがある。そこで、かかる配線層のエッチングを低減するための試みが提案されている。例えば、特許文献2(特開2014−63950号公報)には、ニッケルで形成されるエッチングストッパー層を設け、このエッチングストッパー層を選択エッチングにより除去することにより、銅回路の不均一な溶解を抑制し、面内で不均一に発生する回路凹みを抑制することが開示されている。しかしながら、特許文献2の手法を採用した場合、図10に概念的に示されるように、銅エッチング工程で、除去されるべき銅箔216のみならず、本来除去されないはずのエッチングストッパー層215が僅かながら溶出してしまう場合がある。また、エッチングストッパー層215を形成する時にも僅かながらピンホールが存在する場合は、銅エッチング工程において、銅回路(第一配線層226)が局所的に露出してしまうこともあり得る。こうして不均一な溶出により銅回路(第一配線層226)が局所的に露出してしまうと、銅回路を構成するCuの溶解が加速され、局所的に大きな回路凹み226aが生じてしまう。そもそも、エッチングストッパー層215を設けた場合、エッチングストッパー層215を除去するための選択エッチング工程が別途必要となるため、製造工程が多くなる。
本発明者らは、今般、プリント配線板の製造において、第一銅層と第二銅層の間にエッチングレートが高いエッチング犠牲層を介在させた銅箔を用いることで、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングの面内ばらつきを有意に低減させ、その結果、上述したようなシード層の欠損や回路凹みの発生を抑制できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングの面内ばらつきを有意に低減させ、その結果、シード層の欠損や回路凹みの発生を抑制可能な、プリント配線板製造用銅箔を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第一銅層、エッチング犠牲層、及び第二銅層をこの順に備え、Cuのエッチングレートに対する、前記エッチング犠牲層のエッチングレートの比rが1.0よりも高い、プリント配線板製造用銅箔が提供される。
本発明の他の一態様によれば、キャリア、剥離層、及び前記銅箔をこの順に備えた、キャリア付銅箔が提供される。
本発明の他の一態様によれば、前記銅箔を備えた、銅張積層板が提供される。
本発明の他の一態様によれば、前記銅箔又は前記キャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造することを特徴とする、プリント配線板の製造方法が提供される。
本発明の銅箔を含むキャリア付銅箔の一例を示す断面模式図である。 MSAP法におけるエッチング犠牲層の機能を説明するための断面模式図である。 従来の銅箔を用いたMSAP法におけるシード層(極薄銅箔)の不均一エッチングを説明するための断面模式図である。 MSAP法を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、前半の工程を示す図である。 MSAP法を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、図4に示される工程に続く後半の工程を示す。 コアレスビルドアップ法(ETS工法)におけるエッチング犠牲層の機能を説明するための断面模式図である。 本発明の銅箔を用いたコアレスビルドアップ法(ETS工法)によるプリント配線板の製造方法の一例における、前半の工程を示す図である。 本発明の銅箔を用いたコアレスビルドアップ法(ETS工法)によるプリント配線板の製造方法の一例における、図7に示される工程に続く後半の工程を示す。 従来の銅箔を用いたETS工法における銅回路の不均一エッチングを説明するための断面模式図である。 従来の銅箔を用いたETS工法におけるエッチングストッパー層及び銅回路の不均一エッチングを説明するための断面模式図である。 コアレスビルドアップ法(ETS工法)を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、前半の工程を示す図である。 コアレスビルドアップ法(ETS工法)を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、図11に示される工程に続く後半の工程を示す。 第二銅層に欠損が生じない場合のエッチング過程を説明する図である。 第一銅層の残存が第二銅層の欠損を引き起こす場合のエッチング過程を概念的に説明する図である。
プリント配線板製造用銅箔
本発明による銅箔は、プリント配線板の製造に用いられる銅箔である。図1に本発明の銅箔の模式断面図が示される。図1に示されるように、銅箔10は、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13をこの順に備える。エッチング犠牲層12は銅合金層ではありうるとしても、金属銅層ではないため、銅箔10はその内層として銅以外の金属又は合金を含むことになる。このため、本発明の銅箔は犠牲層含有銅箔、又は金属箔と称することもできるが、両表面が銅層で構成されるため、製品カテゴリーとしては銅箔として認識されるものである。また、「第一銅層」及び「第二銅層」なる名称は、一般的には銅箔10の絶縁樹脂との積層の際、絶縁樹脂と密着しない銅層が「第一銅層」であり、絶縁樹脂と密着する銅層が「第二銅層」である。なお、本発明の銅箔をETS工法に適用する場合は、回路パターンが形成されない側の銅層が「第一銅層」であり、回路パターンが形成される側の銅層が「第二銅層」である。これらの名称に含まれる序列は製造時における製造順序に従ったものである。例えば、銅箔10が図1に示されるようなキャリア付銅箔14の形態で供される場合、キャリア15、剥離層16、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13の順に製造されることになる。
そして、エッチング犠牲層12は、Cuのエッチングレートに対する、エッチング犠牲層12のエッチングレートの比rが1.0よりも高いことによって特徴付けられる。このように、プリント配線板の製造において、第一銅層11と第二銅層13の間にエッチングレートが高いエッチング犠牲層12を介在させた銅箔10を用いることで、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングの面内ばらつきを有意に低減させ、その結果、前述したようなシード層の欠損や回路凹みの発生を抑制することができる。すなわち、エッチングレート比rが1.0よりも高いエッチング犠牲層12が2つの銅層13,11間にサンドイッチされることで、Cuエッチング時に不均一な溶解が起こったとしても、第二銅層13ではなくエッチング犠牲層12が不均一に溶解する。したがって、Cuが局部的に露出する状況が生じてしまっても、局部電池反応によりエッチング犠牲層12が優先的に溶解することができ、その結果、下地の第二銅層13の溶解が抑制される。
例えば、MSAP法の場合、図2に概念的に示されるように、銅箔10と絶縁層28との積層体に対するマイクロエッチング中、エッチング犠牲層12が不均一に溶解して第二銅層13が局所的に露出しても、エッチング犠牲層12が優先的に溶解する。その結果、第二銅層13の厚さは概して均一に保たれることになり、欠損が発生しにくくなる。この点、前述したように、従来の極薄銅箔110を用いたMSAP法(図4及び5を参照)では、図3に概念的に示されるように、極薄銅箔110と絶縁樹脂基板111との積層体に対するマイクロエッチング中、マイクロエッチングの面内ばらつきにより部分的に極薄銅箔110(シード層)に欠損110aが生じることがある。これに対し、本発明の銅箔10を用いることで、上記技術的課題を好都合に解消することができる。
一方、コアレスビルドアップ法(ETS工法)の場合、図6(b)及び(c)に概念的に示されるように、Cuエッチングの際にエッチング犠牲層12が不均一に溶解して且つ/又はエッチング犠牲層12に偶発的に存在しうるピンホール等に起因してCu(第二銅層13又は第一配線層26のCu)が局所的に露出したとしても、局部電池反応により下地の第二銅層13又は第一配線層26(銅層)の溶解が抑制される。その結果、面内で均一に第二銅層13がエッチングされるとともに、第一配線層26の局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。しかも、この方法によれば、エッチング犠牲層12はCuエッチングに伴い溶解除去されるので、エッチング犠牲層12を除去するための追加工程が不要になり、生産性も向上する。さらには、高エッチングレートであること自体の効果により、第一配線層26の面内において回路凹みを平均的に低減できるとの利点もある。この点、前述したように、特許文献2の手法を採用した場合、図10に概念的に示されるように、銅エッチング工程で、除去されるべき銅箔216のみならず、本来除去されないはずのエッチングストッパー層215が僅かながら溶出してしまう他、エッチングストッパー層215を形成する段階に発生するピンホール等に起因して、下層である銅回路(第一配線層226)が局所的に露出するおそれがある。こうして銅回路(第一配線層226)が局所的に露出してしまうと、銅回路を構成するCuの溶解が加速され、局所的に大きな回路凹み226aが生じてしまう。そもそも、エッチングストッパー層215を設けた場合、エッチングストッパー層215を除去するための選択エッチング工程が別途必要となるため、製造工程が多くなる。これに対し、本発明の銅箔10を用いることで、これらの技術的課題を好都合に解消することができる。
第一銅層11は公知の銅箔構成であってよく特に限定されない。第一銅層11を備えることでCuエッチング工程における前処理等で溶解速度の速いエッチング犠牲層12を露出させないように制御することが可能になる、また、下記剥離層との剥離性を容易なものとすることができるといった利点がある。第一銅層11は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。第一銅層11は0.1〜2.5μmの厚さdを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.2〜1.5μm、特に好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.3〜0.8μmである。このような範囲内の厚さdであるとCuエッチングの前工程(例えばデスミア等の薬液工程)においてエッチング犠牲層12をより効果的に保護できるとともに、後述するd/d≧r及び/又はd+d+d<3.0μmの条件を満たしやすくなり、その結果、Cuエッチング時の欠損等の不具合をより効果的に防止することができる。
ところで、第一銅層11はCuエッチングの前工程(例えばデスミア等の薬液工程)で薬液による溶解からエッチング犠牲層12を保護することができる一方で、過剰に厚い場合はエッチング後の第二銅層13に欠損が生じることがある。かかる欠損を効果的に防止する観点から、第一銅層11の厚さをdとし、エッチング犠牲層12の厚さをdとした場合、d/d≧rを満たすのが好ましい。このことは図13及び14に概念的に示される銅箔10,10’と絶縁層28との積層体を参照しながら以下のように説明される。まず、図14(a)に示されるように第一銅層11’が過剰に厚い場合には、第一銅層11’が不均一に溶解してエッチング犠牲層12が露出し(図14(b))、露出したエッチング犠牲層12が直ちに(残った第一銅層11’よりも優先的に)溶解して第二銅層13が露出しうる(図14(c))。その結果、残存した第一銅層11’の溶解と並行して、露出した第二銅層13の溶解が進行してしまい(図14(d))、第二銅層13に欠損13aが発生しうる(図14(e)参照)。これに対して、図13(a)に示されるように第一銅層11が適度に薄い場合には、第一銅層11が薄いが故に溶解時のばらつきが少なく(図13(b))、エッチング犠牲層12が溶解して第二銅層13が露出する前に第一銅層11が溶け切ることになる(図13(c))。その結果、エッチング犠牲層12と第二銅層13が同時にエッチング液に接触することにより、エッチング犠牲層12による犠牲効果が発現し(図13(d))、第二銅層13には欠損が生じないこととなる(図13(e))。してみると、第一銅層11が溶け切る時間が、エッチング犠牲層12が溶け切る時間よりも短いことが欠損防止の観点から望ましいといえる。したがって、第一銅層11のエッチングレートをvとし、エッチング犠牲層のエッチングレートをvとした場合、以下の関係:
/v≧d/v⇔ d/d≧v/v⇔ d/d≧r
が満たすのが望ましいといえる。すなわち、第一銅層11のエッチングレートvはCuに対するエッチングレートに他ならないことから、前述したエッチングレート比rを用いると、v/v=rである。よって、上記のとおりd/d≧rを満たすのが好ましいといえる。
第一銅層11の単位面積当たりのピンホール数が2個/mm以下であるのが好ましい。第一銅層11におけるピンホール数が上記のとおり少ないと、銅箔10の製造プロセスにおいて、第一銅層11にめっきされるエッチング犠牲層12及び第二銅層13において発生しうるピンホールもまた少なくすることができる。その結果、Cuエッチング時の薬液浸食による欠損等の不具合をより一層低減することができる。
エッチング犠牲層12は、エッチングレートがCuよりも高いものであれば特に限定されない。換言すれば、Cuのエッチングレートに対する、エッチング犠牲層12のエッチングレートの比r(以下、エッチングレート比rという)が1.0よりも高い。エッチングレートがCuより高ければ(エッチングレート比rが1.0より高ければ)Cuエッチングによって同時に溶解除去することができるとともに、エッチング犠牲層12が不均一に溶解してCuが局所的に露出したとしても、局部電池反応により下地の銅層の溶解が抑制され、それにより面内で均一に銅層のエッチングを行えるとともに、シード層の欠損や局所的な回路凹みや欠損の発生を抑制することができる。このエッチングレートは、エッチング犠牲層12と同じ材料で構成される箔サンプルと、参照試料としての銅箔サンプルとを、エッチング工程において同じ時間処理を行い、エッチングによる各サンプルの厚み変化を溶解時間で除することにより算出されるものである。なお、厚み変化は両サンプルの重量減少量を測定して、それぞれの金属の密度から厚さに換算することにより決定されてもよい。好ましいエッチングレート比rは、高い犠牲効果を得る観点から、1.2以上であり、より好ましくは1.25以上、さらに好ましくは1.3以上である。エッチングレート比rの上限は特に限定されないが、面内におけるエッチング犠牲層12の溶解速度を均一に保ち、第二銅層13との局部電池反応を面内均一に作用させるためには、エッチングレート比rは5.0以下が好ましく、より好ましくは4.5以下であり、さらに好ましくは4.0以下であり、特に好ましくは3.5以下であり、最も好ましくは3.0以下である。ここで、エッチング液としては、酸化還元反応により銅を溶解できる公知の液が採用可能である。エッチング液の例としては、塩化第二銅(CuCl)水溶液、塩化第二鉄(FeCl)水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸カリウム水溶液、硫酸/過酸化水素水等の水溶液等が挙げられる。この中でもCuのエッチングレートを精密に制御でき、エッチング犠牲層12とのエッチング時間差を確保するのに好適な点から、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸カリウム水溶液、及び硫酸/過酸化水素水が好ましく、この中でも硫酸/過酸化水素水が最も好ましい。エッチング方式としては、スプレー法、浸漬法等が採用できる。また、エッチング温度としては、25〜70℃の範囲で適宜設定されうるものである。本発明におけるエッチングレートは、上記エッチング液やエッチング方式等の組合せと、下記に示すエッチング犠牲層12の材料の選択とによって調整されるものである。
エッチング犠牲層12を構成する材料はCuよりも電気化学的に卑な金属が好ましく、そのような好ましい金属の例としては、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金、Cu−Mn合金、Cu−Al合金、Cu−Mg合金、Fe金属、Zn金属、Co金属、Mo金属及びこれらの酸化物、並びにこれらの組合せが挙げられ、特に好ましくはCu−Zn合金である。エッチング犠牲層12を構成しうるCu−Zn合金は、高い犠牲効果を得る観点から、Znを40重量%以上含むのが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。また、Cu−Zn合金におけるZn含有量は、上述したエッチング犠牲層12の面内溶解速度の均一な保持、及び第二銅層13との局部電池反応の面内均一作用の観点から、好ましくは98重量%以下、より好ましくは96重量%以下であり、さらに好ましくは94%重量%以下である。エッチング犠牲層12は0.1〜5μmの厚さdを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜4.5μm、さらに好ましくは0.2〜4μm、特に好ましくは0.2〜3.5μm、最も好ましくは0.3〜3μmである。
第二銅層13は、公知の構成であってよく特に限定されない。例えば、第二銅層13は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。第二銅層13は0.1〜2.5μmの厚さdを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.2〜0.8μmである。このような範囲内の厚さdであると、回路形成に好都合な十分な薄さでありながらも、Cuエッチング時の欠損等の不具合をより効果的に防止することができる。
第二銅層13の表面には、粗化処理がされていることが好ましい。このように第二銅層の表面に粗化処理により形成された粗化粒子が付着されていることで、銅張積層板やプリント配線板製造時における絶縁樹脂層との密着性を向上することができる。また、ETS工法において、配線パターン形成後の画像検査をしやすくするとともにフォトレジストパターン20との密着性を向上することができる。粗化粒子は画像解析による平均粒径Dが0.04〜0.53μmであるのが好ましく、より好ましくは0.08〜0.13μmであり、さらに好ましくは0.09〜0.12μmである。上記好適範囲内であると、ETS工法において、粗化面に適度な粗さを持たせてフォトレジストとの優れた密着性を確保しながら、フォトレジスト現像時にフォトレジストの不要領域の開口性を良好に実現することができ、その結果、十分に開口しきれなかったフォトレジストに起因してめっきされにくくなることで生じうるパターンめっき22のライン欠損を効果的に防止することができる。したがって、上記好適範囲内であるとフォトレジスト現像性とパターンめっき性に優れるといえ、それ故、配線パターン24の微細形成に適する。なお、粗化粒子の画像解析による平均粒径Dは、走査型電子顕微鏡(SEM)の一視野に粒子が所定数(例えば1000〜3000個)入る倍率にて像を撮影し、その像に対して市販の画像解析ソフトで画像処理を行うことにより測定するのが好ましく、例えば任意に選択した200個の粒子を対象とし、それら粒子の平均直径を平均粒径Dとして採用すればよい。
また、粗化粒子は画像解析による粒子密度ρが4〜200個/μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜170個/μm、70〜100個/μmである。また、銅箔表面の粗化粒子が緻密で密集している場合には、ETS工法において、フォトレジストの現像残渣が発生しやすいが、上記好適範囲内であるとそのような現像残渣が発生しにくく、それ故、フォトレジストパターン20の現像性にも優れる。したがって、上記好適範囲内であると配線パターン24の微細形成に適するといえる。なお、粗化粒子の画像解析による粒子密度ρは、走査型電子顕微鏡(SEM)の一視野に粒子が所定数(例えば1000〜3000個)入る倍率にて像を撮影し、その像に対して市販の画像解析ソフトを用いて画像処理を行うことにより測定するのが好ましく、例えば粒子200個が入る視野においてそれらの粒子個数(例えば200個)を視野面積で除算した値を粒子密度ρとして採用すればよい。
第二銅層13の表面は、上述した粗化処理による粗化粒子の付着の他、ニッケル−亜鉛/クロメート処理等の防錆処理や、シランカップリング剤によるカップリング処理等を施すことも好ましい。これらの表面処理により銅箔表面の化学的安定性の向上や、絶縁層積層時の密着性の向上を図ることができる。
第一銅層11の厚さd、エッチング犠牲層12の厚さd及び第二銅層13の厚さdの合計厚さd+d+dは3.0μm未満であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜2.8μm、さらに好ましくは0.6〜2.8μm、特に好ましくは0.9〜2.6μmである。このような範囲内の合計厚さは銅箔10の厚さが十分に薄いことを意味し、銅箔10のダイレクトレーザー孔開け性が向上する。
特に、銅箔10は、第一銅層11、エッチング犠牲層12及び第二銅層13からなる3層構成を有することで、エッチング犠牲層と銅層の2層構成のものに対して、MSAP法の様々な段階で利点をもたらす。すなわち、エッチング犠牲層及び銅層からなる2層構成を考えた場合、エッチング犠牲層が何ら保護されないため、マイクロエッチング前のデスミア等の薬液工程でエッチング犠牲層が溶解して消失してしまう懸念がある。そこで、薬液工程での溶解分を考慮してエッチング犠牲層を厚くすると、今度はその厚さに起因してダイレクトレーザー加工が困難となる。これに対し、本発明の銅箔10の3層構成を採用することで、レーザー加工性を損なうことなく、マイクロエッチング工程までエッチング犠牲層12を維持することができ、その結果、欠損を生じさせずにマイクロエッチングを行うことができる。すなわち、銅箔10の合計厚さを薄くする(好ましくはd+d+d<3.0μm)ことで問題無くレーザー加工を行うことができる。そして、レーザー加工後のデスミア工程においては、最表面の第一銅層11でエッチング犠牲層12が保護される結果、エッチング犠牲層12が残ることになる。そして、マイクロエッチングにおいては残存するエッチング犠牲層12による犠牲効果により、欠損を生じさせることなくマイクロエッチングを行うことができる。
所望により、第一銅層11とエッチング犠牲層12の間、及び/又は第二銅層13とエッチング犠牲層12との間には、エッチング犠牲層12の犠牲効果を妨げないかぎり、別の層が存在していてもよい。
キャリア付銅箔
銅箔10(すなわち第二銅層13、エッチング犠牲層12及び第一銅層11の積層体)は、キャリア無し銅箔の形態で提供されてもよいし、図1に示されるようにキャリア付銅箔14の形態で提供されてもよいが、キャリア付銅箔14の形態で提供されるのが好ましい。この場合、キャリア付銅箔14は、キャリア15、剥離層16、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13を順に備えるものであってもよいし、あるいはキャリア15、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13を順に備えるものであってもよい。すなわち、剥離層16を有していてもよいし、剥離層16を単独の層として有しない構成であってもよい。好ましいキャリア付銅箔は、キャリア15、剥離層16、及び銅箔10をこの順に備えたものである。
キャリア15は、銅箔を支持してそのハンドリング性を向上させるための層(典型的には箔)である。キャリアの例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、樹脂フィルム、表面をメタルコーティングした樹脂フィルム、ガラス板等が挙げられ、好ましくは銅箔である。銅箔は圧延銅箔及び電解銅箔のいずれであってもよい。キャリアの厚さは典型的には250μm以下であり、好ましくは12μm〜200μmである。
剥離層16は、キャリア15の引き剥がし強度を弱くし、該強度の安定性を担保し、さらには高温でのプレス成形時にキャリアと銅箔の間で起こりうる相互拡散を抑制する機能を有する層である。剥離層は、キャリアの一方の面に形成されるのが一般的であるが、両面に形成されてもよい。剥離層は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよい。有機剥離層に用いられる有機成分の例としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、カルボン酸等が挙げられる。窒素含有有機化合物の例としては、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物等が挙げられ、中でもトリアゾール化合物は剥離性が安定し易い点で好ましい。トリアゾール化合物の例としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。硫黄含有有機化合物の例としては、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸、2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられる。カルボン酸の例としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸等が挙げられる。一方、無機剥離層に用いられる無機成分の例としては、Ni、Mo、Co、Cr、Fe、Ti、W、P、Zn、クロメート処理膜、炭素層等が挙げられる。なお、剥離層の形成はキャリアの少なくとも一方の表面に剥離層成分含有溶液を接触させ、剥離層成分をキャリアの表面に溶液中で吸着されること等により行えばよい。キャリアを剥離層成分含有溶液に接触させる場合、この接触は、剥離層成分含有溶液への浸漬、剥離層成分含有溶液の噴霧、剥離層成分含有溶液の流下等により行えばよい。その他、電解めっきや無電解めっき等のめっき法、蒸着やスパッタリング等による気相法で剥離層成分を被膜形成する方法も採用可能である。また、剥離層成分のキャリア表面への固定は、剥離層成分含有溶液の乾燥、剥離層成分含有溶液中の剥離層成分の電着等により行えばよい。剥離層の厚さは、典型的には1nm〜1μmであり、好ましくは5nm〜500nmである。なお、剥離層16とキャリアとの剥離強度は5gf/cm〜50gf/cmであることが好ましく、より好ましくは5gf/cm〜40gf/cm、さらに好ましくは6gf/cm〜30gf/cmである。
銅張積層板
本発明の銅箔はプリント配線板用銅張積層板の作製に用いられるのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上述した銅箔を備えた銅張積層板が提供される。銅張積層板は銅箔をキャリア付銅箔の形態で備えていてもよい。また、銅箔は樹脂層の片面に設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。樹脂層は、典型的には樹脂、好ましくは絶縁樹脂を含んでなる。樹脂層はプリプレグ及び/又は樹脂シートであるのが好ましく、より好ましくはプリプレグである。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸又は積層させた複合材料の総称である。プリプレグに含浸される絶縁樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、樹脂シートを構成する絶縁樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(液晶ポリマー)等の絶縁樹脂が挙げられる。また、樹脂層には熱膨脹係数を下げ、剛性を上げる等の観点から等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等が含有されていてもよい。樹脂層の厚さは特に限定されないが、3〜1000μmが好ましく、より好ましくは5〜400μmであり、さらに好ましくは10〜200μmである。樹脂層は複数の層で構成されていてよい。プリプレグ及び/又は樹脂シート等の樹脂層は予め銅箔表面に塗布されるプライマー樹脂層を介してキャリア付銅箔に設けられていてもよい。
プリント配線板の製造方法
上述したような本発明の銅箔又はキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を好ましく製造することができる。プリント配線板の製造方法の好ましい例として、MSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法及びコアレスビルドアップ法(ETS工法)が挙げられるが、これらの工法に限らず、本発明の銅箔又はキャリア付銅箔は、エッチング犠牲層12の犠牲効果による何らかの利点を期待できる様々な工法に採用可能である。
一例として、本発明の銅箔を採用したコアレスビルドアップ法(ETS工法)によるプリント配線板の製造方法を以下に説明する。この方法においては、まず、少なくとも第二銅層13、エッチング犠牲層12及び第一銅層11を備えた銅箔10を用いて支持体を得る。次いで、図6に模式的に示されるように、第二銅層13上に、銅製の第一配線層26と絶縁層28とを少なくとも含むビルドアップ配線層を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る。なお、図6では説明の簡略化のため第一配線層26のみが描かれているが、後述する図8に示されるように、第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成された多層のビルドアップ配線層を採用可能であることはいうまでもない。その後、第一銅層11、エッチング犠牲層12及び第二銅層13をエッチング液により除去して第一配線層26を露出させ、それによりビルドアップ配線層を含むプリント配線板を得る。
以下、図1に加え、図7及び8に示される工程図をも適宜参照しながら製造方法を説明する。なお、図7及び8に示される態様は説明の簡略化のためにコアレス支持体18の片面にキャリア付銅箔14を設けてビルドアップ配線層42を形成するように描かれているが、コアレス支持体18の両面にキャリア付銅箔14を設けて当該両面に対してビルドアップ配線層42を形成するのが望ましい。
(1)銅箔を用いた支持体の用意
銅箔10又はそれを含むキャリア付銅箔14を支持体として用意する。所望により、ビルドアップ配線層付積層体の形成に先立ち、銅箔10(第一銅層11側)又はキャリア付銅箔14(キャリア15側)をコアレス支持体18の片面又は両面に積層して積層体を形成してもよい。すなわち、この段階で、上述した銅張積層板を形成してもよい。この積層は、通常のプリント配線板製造プロセスにおいて銅箔とプリプレグ等との積層に採用される公知の条件及び手法に従って行えばよい。コアレス支持体18は、典型的には樹脂、好ましくは絶縁樹脂を含んでなる。コアレス支持体18はプリプレグ及び/又は樹脂シートであるのが好ましく、より好ましくはプリプレグである。すなわち、コアレス支持体18は上述した銅張積層板における樹脂層に相当するものであり、それ故、銅張積層板ないし樹脂層に関して上述した好ましい態様はそのままコアレス支持体18に当てはまる。
(2)ビルドアップ配線層付積層体の形成
第二銅層13上に、銅製の第一配線層26と絶縁層28とを少なくとも含むビルドアップ配線層42を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る。絶縁層28は上述したような絶縁樹脂で構成すればよい。ビルドアップ配線層42の形成は、公知のプリント配線板の製造方法に従って行えばよく、特に限定されない。本発明の好ましい態様によれば、以下に述べるように、(i)フォトレジストパターンを形成、(ii)電気銅めっき、及び(iii)フォトレジストパターンの剥離を行って第一配線層26を形成した後、(iv)ビルドアップ配線層42が形成される。
(i)フォトレジストパターンを形成
まず、第二銅層13の表面にフォトレジストパターン20を形成する。フォトレジストパターン20の形成は、ネガレジスト及びポジレジストのいずれの方式で行ってもよく、フォトレジストはフィルムタイプ及び液状タイプのいずれであってもよい。また、現像液としては炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アミン系水溶液等の現像液であってよく、プリント配線板の製造に一般的に用いられる各種手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。
(ii)電気銅めっき
次に、フォトレジストパターン20が形成された第二銅層13に電気銅めっき22を施す。電気銅めっき22の形成は、例えば硫酸銅めっき液やピロリン酸銅めっき液等のプリント配線板の製造に一般的に用いられる各種パターンめっき手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。
(iii)フォトレジストパターンの剥離
フォトレジストパターン20を剥離して配線パターン24を形成する。フォトレジストパターン20の剥離は、水酸化ナトリウム水溶液や、アミン系溶液ないしその水溶液等が採用され、プリント配線板の製造に一般的に用いられる各種剥離手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。こうして、第二銅層13の表面には第一配線層26からなる配線部(ライン)が間隙部(スペース)を隔てて配列された配線パターン24が直接形成されることになる。例えば、回路の微細化のためには、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μm、10μm/10μm、5μm/5μm、2μm/2μm)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンを形成することが好ましい。
(iv)ビルドアップ配線層の形成
第二銅層13上にビルドアップ配線層42を形成してビルドアップ配線層付積層体を作製する。例えば、第二銅層13上に既に形成されている第一配線層26に加え、絶縁層28及び第二配線層38が順に形成されてビルドアップ配線層42とされうる。例えば、図8に示されるように、ビルドアップ配線層42を形成すべく絶縁層28及びキャリア付銅箔30(キャリア32、剥離層34及び銅箔36を備える)を積層し、キャリア32を剥離し、かつ、炭酸ガスレーザー等により銅箔36及びその直下の絶縁層28をレーザー加工してもよい。続いて、化学銅めっき、フォトレジスト加工、電解銅めっき、フォトレジスト剥離及びフラッシュエッチング等によりパターニングを行って第二配線層38を形成し、このパターニングを必要に応じて繰り返して第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成してもよい。
第二配線層38以降のビルドアップ層の形成方法についての工法は上記手法に限定されず、サブトラクティブ法、MSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法、SAP(セミアディティブ)法、フルアディティブ法等が使用可能である。例えば、樹脂層及び銅箔に代表される金属箔を同時にプレス加工で張り合わせる場合は、ビアホール形成及びパネルめっき等の層間導通手段の形成と組み合わせて、当該パネルめっき層及び金属箔をエッチング加工して、配線パターンを形成することができる。また、第二銅層13の表面に樹脂層のみをプレス又はラミネート加工により張り合わせる場合は、その表面にセミアディティブ法で配線パターンを形成することもできる。
上記工程を必要に応じて繰り返して、ビルドアップ配線層付積層体を得る。この工程では樹脂層と配線パターンを含む配線層とを交互に積層配置したビルドアップ配線層を形成して、第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成されたビルドアップ配線層付積層体を得るのが好ましい。この工程の繰り返しは所望の層数のビルドアップ配線層が形成されるまで行えばよい。この段階で、必要に応じて、外層面にソルダーレジストや、ピラー等の実装用のバンプ等を形成してもよい。また、ビルドアップ配線層の最外層面は後の外層加工工程で外層配線パターンを形成してもよい。
(3)ビルドアップ配線層を含むプリント配線板の形成
(i)ビルドアップ配線層付積層体の分離
ビルドアップ配線層付積層体を形成した後は、ビルドアップ配線層付積層体を剥離層16等で分離することができる。キャリア付銅箔が、キャリア15、剥離層16、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13を順に備える場合、本発明の方法は、後述のエッチング液による除去に先立ち、剥離層16でビルドアップ配線層付積層体を分離して第一銅層11を露出させるのが好ましい。分離の方法は、物理的な引き剥がしが好ましく、この引き剥がし方法については、機械若しくは冶具、手作業又はこれらの組合せによる方法が採用され得る。
一方、キャリア付銅箔が、キャリア15、第一銅層11、エッチング犠牲層12、及び第二銅層13を順に備えてなる場合(すなわち剥離層16を単独の層として有しない場合)、本発明の方法は、後述のエッチング液による除去に先立ち、キャリア15と第一銅層11との間又は第一銅層11内部でビルドアップ配線層付積層体を分離して、第一銅層11を露出させるのが好ましい。
(ii)エッチング犠牲層及び銅層のエッチング
本発明の方法においては、第一銅層11、エッチング犠牲層12及び第二銅層13をエッチング液により除去して第一配線層26を露出させ、それによりビルドアップ配線層42を含むプリント配線板46を得る。プリント配線板46は好ましくは多層プリント配線板である。いずれにしても、エッチング犠牲層12の存在により、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングにより面内で均一に各層のエッチングによる除去を効率的に行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。したがって、本発明の方法によれば、第二銅層13、エッチング犠牲層12及び第一銅層11のエッチング液による除去を1工程で行うことができる。この際に用いるエッチング液及びエッチング工法は、上述したとおりである。
(iii)外層加工
図8に示されるようなプリント配線板46は様々な工法により外層を加工することが可能である。例えば、プリント配線板46の第一配線層26にさらにビルドアップ配線層としての絶縁層と配線層を任意の層数として積層してもよく、或いは第一配線層26の表面にソルダ―レジスト層を形成し、Ni−Auめっき、Ni−Pd−Auめっき、水溶性プレフラックス処理等の外層パッドとしての表面処理を施してもよい。さらには外層パッドに柱状のピラー等を設けてもよい。この際、本発明におけるエッチング犠牲層を用いて作成された第一配線層26は、面内で回路厚さの均一性を保持できるとともに、第一配線層26の表面は、局所的な回路凹みの発生が少ないものとなる。このため、回路厚さの極端に薄い部位や回路凹み等に起因する表面処理工程における局所的な処理不良やソルダ―レジスト残渣不良、更には実装パッドの凹凸による実装不良等の不具合発生率の少ない、実装信頼性に優れたプリント配線板を得ることができる。
上述したプリント配線板の製造方法は、コアレスビルドアップ法(ETS工法)によるものであるが、MSAP法によるプリント配線板の製造方法については、図4及び5に基づいて説明した従来のMSAP工法において、極薄銅箔110の代わりに本発明の銅箔10を用いることにより、プリント配線板を好ましく製造することができる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜12
本発明のプリント配線板製造用銅箔の作製及び各種評価を以下のようにして行った。
(1)キャリアの準備
回転陰極として表面を#2000のバフで研磨したチタン製の回転電極を用意した。また、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用意した。回転陰極及び陽極を、銅濃度80g/L、硫酸濃度260g/L、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度30mg/L、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体濃度50mg/L、塩素濃度40mg/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度45℃、電流密度55A/dmで電解し、厚さ18μmの電解銅箔をキャリアとして得た。
(2)剥離層の形成
酸洗処理されたキャリアの電極面側を、CBTA(カルボキシベンゾトリアゾール)濃度1g/L、硫酸濃度150g/L及び銅濃度10g/LのCBTA水溶液に、液温30℃で30秒間浸漬し、CBTA成分をキャリアの電極面に吸着させた。こうして、キャリア用銅箔の電極面の表面にCBTA層を有機剥離層として形成した。
(3)補助金属層の形成
有機剥離層が形成されたキャリアを、硫酸ニッケルを用いて作製されたニッケル濃度20g/Lの溶液に浸漬して、液温45℃、pH3、電流密度5A/dm2の条件で、厚さ0.001μm相当の付着量のニッケルを有機剥離層上に付着させた。こうして有機剥離層上にニッケル層を補助金属層として形成した。
(4)第一銅層(極薄銅箔)の形成
例1〜9及び12については、補助金属層が形成されたキャリアを、銅濃度60g/L、硫酸濃度200g/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度50℃、電流密度5〜30A/dmで電解し、厚さ0.3μmの第一銅層(極薄銅箔)を補助金属層上に形成した。一方、例10及び11については、第一銅層の形成を行わなかった。
(5)エッチング犠牲層の形成
第一銅層(極薄銅箔)が形成されたキャリア(例1〜9及び12)又は補助金属層が形成されたキャリア(例11)を、表1に示されるめっき浴に浸漬して、表1に示されるめっき条件で電解し、表2に示される組成及び厚さのエッチング犠牲層を第一銅層上又は補助金属層上に形成した。一方、例10については、エッチング犠牲層の形成を行わなかった。
(6)第二銅層の形成
エッチング犠牲層が形成されたキャリア(例1〜9、11及び12)又は補助金属層が形成されたキャリア(例10)を、銅濃度60g/L、硫酸濃度145g/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度45℃、電流密度30A/dmで電解し、表2に示される厚さの第二銅層をエッチング犠牲層上又は補助金属層上に形成した。
(7)粗化処理
こうして形成されたキャリア付銅箔の表面に粗化処理を行った。この粗化処理は、銅箔の上に微細銅粒を析出付着させる焼けめっき工程と、この微細銅粒の脱落を防止するための被せめっき工程とから構成される。焼けめっき工程では、銅濃度10g/L及び硫酸濃度120g/Lを含む酸性硫酸銅溶液を用いて、液温25℃、電流密度15A/dmで粗化処理を行った。その後の被せめっき工程では、銅濃度70g/L及び硫酸濃度120g/Lを含む酸性硫酸銅溶液を用いて、液温40℃及び電流密度15A/dmの平滑めっき条件で電着を行った。
(8)防錆処理
得られたキャリア付銅箔の表面に、亜鉛−ニッケル合金めっき処理及びクロメート処理からなる防錆処理を行った。まず、亜鉛濃度0.2g/L、ニッケル濃度2g/L及びピロリン酸カリウム濃度300g/Lの電解液を用い、液温40℃、電流密度0.5A/dmの条件で、粗化処理層及びキャリアの表面に亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った。次いで、クロム酸3g/L水溶液を用い、pH10、電流密度5A/dmの条件で、亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った表面にクロメート処理を行った。
(9)シランカップリング剤処理
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2g/L含む水溶液をキャリア付銅箔の銅箔側の表面に吸着させ、電熱器により水分を蒸発させることにより、シランカップリング剤処理を行った。このとき、シランカップリング剤処理はキャリア側には行わなかった。
(10)評価
こうして得られたキャリア付銅箔及びその構成層について、各種評価を以下のとおり行った。
評価1:エッチングレート比r
エッチング犠牲層のエッチングレート比rを測定するために、例1〜9、11及び12については、上記(5)で得られた最表面がエッチング犠牲層であるキャリア(すなわちエッチング犠牲層までが形成され、第二銅層の形成及びその後の処理が行われていない中間製品)を用意した。また、例10については、上記(6)で得られた最表面が第二銅層であるキャリア付銅箔(すなわち第二銅層までが形成され、その後の処理が行われていない中間製品)を用意した。一方、水に市販の95wt%濃硫酸と30wt%過酸化水素水を溶解させて、硫酸濃度5.9wt%、過酸化水素濃度2.1wt%のエッチング液を作製した。各キャリア付銅箔サンプルをキャリア側がエッチングされないようにマスキングし、エッチング液に25℃で一定時間浸漬して溶解させ、溶解前後のめっき皮膜の厚み変化を蛍光X線膜厚計(フィッシャー・インストルメンツ社製、Fischerscope X−Ray XDAL−FD)で測定した。得られた厚み変化を溶解時間で除することにより、対象となる各めっき皮膜のエッチングレートを求めた。こうして求めた例10のエッチングレートがCuのエッチングレートであり、例1〜9、11及び12のエッチングレートが各エッチング犠牲層のエッチングレートである。そして、エッチング犠牲層のエッチングレートをCuのエッチングレートで除することにより、エッチングレート比rを算出した。結果は、表2に示されるとおりであった。
評価2:単位面積当たりのピンホール数
第一銅層の単位面積当たりのピンホール数を測定するために、上記(4)で得られた最表面が第一銅層(極薄銅箔)であるキャリア付極薄銅箔(すなわち厚み0.3μmの第一銅層までが形成され、エッチング犠牲層の形成及びその後の処理が行われていない中間製品)を用意した。このキャリア付極薄銅箔を絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)に第一銅層(極薄銅箔)側が接するように積層し、圧力4.0MPa、温度190℃で90分間熱圧着した。その後、キャリアを剥離して積層板を得た。この積層板を、暗室中でバックライトを当てながら、光学顕微鏡で観察して、ピンホールの数を数えた。こうして1mmあたりのピンホール数を測定したところ、例1〜9、11及び12のいずれにおいても、第一銅層の単位面積当たりのピンホール数は2個/mm以下であった。
評価3:欠損
上記(9)で得られたキャリア付銅箔を、絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)に対して第二銅層側が接するように積層し、圧力4.0MPa、温度190℃で90分間熱圧着した。こうして得られた銅張積層板のキャリアを剥離し、10cm×10cmの大きさに切断し、評価1で作製したエッチング液にエッチング犠牲層が完全に消失するまで浸漬させた後、目視で欠損の有無を確認し、以下の基準に従い格付け評価した。なお、ここでいう欠損とは下地の基材が目視できる状態を指す。結果は、表2に示されるとおりであった。
・評価A:第二銅層に欠損が無いもの
・評価B:第二銅層に1箇所以上3箇所以下の欠損が生じているもの
・評価C:第二銅層に4箇所以上の欠損が生じているもの
評価4:レーザー加工性
評価3で作製した銅張積層板に対し、キャリアを剥離した後、レーザー加工機(三菱電機製、ML605GTWIII−H)により、エネルギー密度6.5MW/cm、レーザー光径75.6μmの条件で20箇所レーザー加工を行った。こうして形成した開口部を光学顕微鏡で観察し、以下の基準に従い格付け評価した。なお、開口径は上端において測定した。結果は、表2に示されるとおりであった。
・評価A:未開口のものがなく、かつ、20箇所の開口径の最小値が40μm以上であるもの
・評価B:未開口のものはないが、20箇所の開口径の最小値が40μm未満のもの
・評価C:1つでも未開口のものがあるもの
評価5:回路凹み
上記(9)で得られたキャリア付銅箔を、第一の絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)に対してキャリア側が接するように積層し、圧力4.0MPa,温度190℃で90分間熱圧着した。こうして得られた銅張積層板に対し、銅箔表面を評価1で用意したエッチング液で洗浄した後、銅箔側に厚さ19μmのドライフィルムをラミネートし、ライン/スペース(L/S)=10/10μmのマスクを用いて露光し、現像を行った。現像後の銅張積層板に対しめっき高さが17μmとなるようにパターンめっきを行った後、ドライフィルムを剥離し、L/S=10/10の5本の直線回路を形成した。次に、積層板の5本の直線回路が形成された表面に第二の絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)を積層し、圧力4.0MPa,温度190℃で90分間熱圧着した。その後、剥離層を境として、キャリア及びそれが接着された第一の絶縁樹脂基材を剥離した。残った第二の絶縁樹脂基材のうち銅箔が露出している側に対し、評価1で作製したのと同じエッチング液を用い、銅箔が消失するまでエッチングを行った。この状態で断面を光学顕微鏡を用いて2,000倍で観察し、5本の回路について第二の絶縁樹脂基材の上端から回路の上端までの距離を回路凹みとして測定し、以下の基準に従い格付け評価した。結果は、表2に示されるとおりであった。
・評価A:5本の中での最大値が2.0μm未満のもの
・評価B:5本の中での最大値が2.0μm以上2.5μm未満のもの
・評価C:5本の中での最大値が2.5μm以上(実際には3.0μm以上)のもの


Figure 0006836580


Figure 0006836580

Claims (10)

  1. 第一銅層、エッチング犠牲層、及び第二銅層をこの順に備え、Cuのエッチングレートに対する、前記エッチング犠牲層のエッチングレートの比rが1.0よりも高い、プリント配線板製造用銅箔。
  2. 前記比rが1.2以上である、請求項1に記載の銅箔。
  3. 第一銅層の厚さをdとし、エッチング犠牲層の厚さをdとした場合、d/d≧rを満たす、請求項1又は2に記載の銅箔。
  4. 前記エッチング犠牲層が、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金、Cu−Mn合金、Cu−Al合金、Cu−Mg合金、Fe金属、Zn金属、Co金属、Mo金属及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種で構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅箔。
  5. 前記エッチング犠牲層が、Znを40重量%以上含むCu−Zn合金で構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の銅箔。
  6. 前記第一銅層の単位面積当たりのピンホール数が2個/mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の銅箔。
  7. 前記第一銅層の厚さd、前記エッチング犠牲層の厚さd及び前記第二銅層の厚さdの合計厚さd+d+dが3.0μm未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の銅箔。
  8. キャリア、剥離層、及び請求項1〜7のいずれか一項に記載の銅箔をこの順に備えた、キャリア付銅箔。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の銅箔を備えた、銅張積層板。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の銅箔又は請求項8に記載のキャリア付銅箔を用いてプリント配線板を製造することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。


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