JP6836579B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板の製造方法に関する。
近年、プリント配線板の実装密度を上げて小型化するために、プリント配線板の多層化が広く行われるようになってきている。このようなプリント配線板は、携帯電子機器の多くで、軽量化や小型化を目的として利用されている。そして、このプリント配線板には、層間絶縁層の更なる厚みの低減、及び配線板としてのより一層の軽量化が要求されている。
このような要求を満足させる技術として、支持体(コア)上に絶縁層及び配線層をビルドアップ層として形成するプリント配線板の工法が提案されており、その一つとして支持体表面の金属層上に配線層を形成し、更にビルドアップ層を形成した後、支持体を分離するコアレスビルドアップ法を用いた製造方法が採用されている。表面に金属層が備わった支持体用の部材としてキャリア付銅箔を用いたコアレスビルドアップ法によるプリント配線板の製造方法の従来例が図8及び9に示される。図8及び9に示される例では、まず、キャリア112、剥離層114及び銅箔116をこの順に備えたキャリア付銅箔110を、プリプレグ等のコアレス支持体118に積層する。次いで、銅箔116にフォトレジストパターン120を形成し、パターンめっき(電気銅めっき)122の形成及びフォトレジストパターン120の剥離を経て配線パターン124を形成する。そして、パターンめっきに必要に応じて粗化処理等の積層前処理を施して第一配線層126とする。次いで、図9に示されるように、ビルドアップ層142を形成すべく絶縁層128、及び必要に応じて第二配線層138のシード層となるキャリア付銅箔130(キャリア132、剥離層134及び銅箔136を備える)を積層し、キャリア132を剥離し、かつ、レーザー等により銅箔136及びその直下の絶縁層128を穴あけ加工する。続いて、無電解銅めっき、フォトレジスト加工、電解銅めっき、フォトレジスト剥離及びフラッシュエッチング等によりパターニングを行って第二配線層138を形成し、このパターニングを必要に応じて繰り返して第n配線層140(nは2以上の整数)まで形成する。そして、コアレス支持体118をキャリア112とともに剥離してビルドアップ配線板144(コアレス配線板とも呼ばれる)とし、第一配線層126の配線パターン間に露出する銅箔116と、存在する場合にはビルドアップ層142の第n配線層140の配線パターン間に露出する銅箔136とをフラッシュエッチングにより除去して所定の配線パターンとし、プリント配線板146を得る。
ところで、このようなコアレス配線板製造工程におけるフラッシュエッチング工程では、露出している銅箔116に存在する微小なピンホールや、フラッシュエッチング液の面内液被着圧の不均一性等が影響して、第一配線層126の面内でフラッシュエッチングされる量が不均一になりがちである。この場合、図6に概念的に示されるように、除去されるべき銅箔116のみならず、残されるべき銅回路(第一配線層126)の一部までもが不均一にエッチングされてしまい、規格値を超える不均一な回路凹み126aが発生してしまう。このような不均一な回路凹み126aは、プリント配線板の実装工程や信頼性試験環境下において、接続不良や断線等の不具合につながるおそれがある。そこで、かかる配線層のエッチングを低減するための試みが提案されている。例えば、特許文献1(特開2014−63950号公報)には、ニッケルで形成されるエッチングストッパー層を設け、このエッチングストッパー層を選択エッチングにより除去することにより、銅回路の不均一な溶解を抑制し、面内で不均一に発生する回路凹みを抑制することが開示されている。
特開2014−63950号公報
しかしながら、特許文献1の手法を採用した場合、図7に概念的に示されるように、銅エッチング工程で、除去されるべき銅箔116のみならず、本来除去されないはずのエッチングストッパー層115が僅かながら溶出してしまう場合がある。また、エッチングストッパー層115を形成する時にも僅かながらピンホールが存在する場合は、銅エッチング工程において、銅回路(第一配線層126)が局所的に露出してしまうこともあり得る。こうして不均一な溶出により銅回路(第一配線層126)が局所的に露出してしまうと、銅回路を構成するCuの溶解が加速され、局所的に大きな回路凹み126aが生じてしまう。そもそも、エッチングストッパー層115を設けた場合、エッチングストッパー層115を除去するための選択エッチング工程が別途必要となるため、製造工程が多くなる。
本発明者らは、今般、エッチングストッパー層に代えて、エッチングレートがCuよりも高いエッチング犠牲層を採用することにより、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングにより面内で均一に銅層のエッチングを行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングにより面内で均一に銅層のエッチングを行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制可能な、プリント配線板の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、表面銅層及びエッチング犠牲層をこの順に備えた金属箔、又は表面銅層、エッチング犠牲層及び追加銅層をこの順に備えた金属箔を用いて支持体を得る工程と、
前記表面銅層上に、銅製の第一配線層と絶縁層とを少なくとも含むビルドアップ配線層を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る工程と、
前記表面銅層及び前記エッチング犠牲層、又は前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び前記追加銅層をエッチング液により除去して前記第一配線層を露出させ、それにより前記ビルドアップ配線層を含むプリント配線板を得る工程と、
を含み、前記エッチング犠牲層のエッチングレートがCuよりも高いものである、プリント配線板の製造方法が提供される。
本発明の方法に用いられる金属箔を含むキャリア付金属箔の一例を示す断面模式図である。 本発明の方法に用いられる金属箔を含むキャリア付金属箔の他の一例を示す断面模式図である。 本発明の方法におけるエッチング犠牲層の機能を説明するための断面模式図である。 本発明の方法が適用されたコアレスビルドアップ法を用いたプリント配線板の製造方法の一例における、前半の工程を示す図である。 本発明の方法が適用されたコアレスビルドアップ法を用いたプリント配線板の製造方法の一例における、図4に示される工程に続く後半の工程を示す。 従来の方法における銅回路の不均一エッチングを説明するための断面模式図である。 従来の方法におけるエッチングストッパー層及び銅回路の不均一エッチングを説明するための断面模式図である。 コアレスビルドアップ法を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、前半の工程を示す図である。 コアレスビルドアップ法を用いたプリント配線板の製造方法の従来例における、図8に示される工程に続く後半の工程を示す。
プリント配線板の製造方法
本発明はプリント配線板の製造方法に関する。本発明の方法においては、まず、少なくとも表面銅層及びエッチング犠牲層を備えた金属箔を用いて支持体を得る。具体的には、この金属箔は、図1に示される金属箔10のように、表面銅層11及びエッチング犠牲層12をこの順に備えたものであってもよいし、図2及び図3(a)に示される金属箔10’のように、表面銅層11、エッチング犠牲層12及び追加銅層13をこの順に備えたものであってもよい。すなわち、追加銅層13は所望により設けられる任意の銅層である。次いで、図3に模式的に示されるように、表面銅層11上に、銅製の第一配線層26と絶縁層28とを少なくとも含むビルドアップ配線層を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る。なお、図3では説明の簡略化のため第一配線層26のみが描かれているが、後述する図5に示されるように、第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成された多層のビルドアップ配線層を採用可能であることはいうまでもない。その後、表面銅層11、エッチング犠牲層12及び追加銅層13(存在する場合)をエッチング液により除去して第一配線層26を露出させ、それによりビルドアップ配線層を含むプリント配線板を得る。そして、エッチング犠牲層12はそのエッチングレートがCuのエッチングレートよりも高いことによって特性付けられる。このように、引用文献1に記載されるようなエッチングストッパー層に代えて、エッチングレートがCuよりも高いエッチング犠牲層12を採用することにより、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングにより面内で均一に銅層のエッチングを行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。
すなわち、図3(b)及び(c)に概念的に示されるように、Cuエッチングの際にエッチング犠牲層12が不均一に溶解して且つ/又はエッチング犠牲層12に偶発的に存在しうるピンホール等に起因してCu(表面銅層11又は第一配線層26のCu)が局所的に露出したとしても、局部電池反応により下地の表面銅層11又は第一配線層26(銅層)の溶解が抑制される。その結果、面内で均一に表面銅層11がエッチングされるとともに、第一配線層26の局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。しかも、この方法によれば、エッチング犠牲層12はCuエッチングに伴い溶解除去されるので、エッチング犠牲層12を除去するための追加工程が不要になり、生産性も向上する。さらには、高エッチングレートであること自体の効果により、第一配線層26の面内において回路凹みを平均的に低減できるとの利点もある。この点、前述したように、特許文献1の手法を採用した場合、図7に概念的に示されるように、銅エッチング工程で、除去されるべき銅箔116のみならず、本来除去されないはずのエッチングストッパー層115が僅かながら溶出してしまう他、エッチングストッパー層115を形成する段階に発生するピンホール等に起因して、下層である銅回路(第一配線層126)が局所的に露出するおそれがある。こうして銅回路(第一配線層126)が局所的に露出してしまうと、銅回路を構成するCuの溶解が加速され、局所的に大きな回路凹み126aが生じてしまう。そもそも、エッチングストッパー層115を設けた場合、エッチングストッパー層115を除去するための選択エッチング工程が別途必要となるため、製造工程が多くなる。これに対し、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、これらの技術的課題を好都合に解消することができる。
以下、図1及び2に加え、図4及び5に示される工程図をも適宜参照しながら、本発明の方法の態様について説明する。なお、図4及び5に示される態様は説明の簡略化のためにコアレス支持体18の片面にキャリア付金属箔14を設けてビルドアップ配線層42を形成するように描かれているが、コアレス支持体18の両面にキャリア付金属箔14を設けて当該両面に対してビルドアップ配線層42を形成するのが望ましい。
(1)金属箔を用いた支持体の用意
本発明の方法では、表面銅層11及びエッチング犠牲層12をこの順に備えた金属箔10、又は表面銅層11、エッチング犠牲層12及び追加銅層13をこの順に備えた金属箔10’を用いて支持体を得る。すなわち、追加銅層13は所望により設けられる任意の層である。金属箔10又はそれを含むキャリア付金属箔14そのものを支持体として用いてもよいし、あるいは後述するように表面銅層11又はキャリア付金属箔14をコアレス支持体18の片面又は両面に積層して得た積層体を支持体として用いてもよい。
エッチング犠牲層12は、エッチングレートがCuよりも高いものであれば特に限定されない。エッチングレートがCuより高ければCuエッチングによって同時に溶解除去することができるとともに、エッチング犠牲層12が不均一に溶解してCuが局所的に露出したとしても、局部電池反応により下地の第一配線層26(銅層)の溶解が抑制され、それにより面内で均一に表面銅層11のエッチングを行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。このエッチングレートは、エッチング犠牲層12と同じ材料で構成される箔サンプルと、参照試料としての銅箔サンプルとを、エッチング工程において同じ時間処理を行い、エッチングによる各サンプルの厚み変化を溶解時間で除することにより算出されるものである。なお、厚み変化は両サンプルの重量減少量を測定して、それぞれの金属の密度から厚さに換算することにより決定されてもよい。好ましいエッチングレートは、Cuのエッチングレートの1.2倍以上であり、より好ましくは1.25倍以上、さらに好ましくは1.3倍以上である。エッチングレートの上限は特に限定されないが、面内におけるエッチング犠牲層12の溶解速度を均一に保ち、表面銅層11との局部電池反応を面内均一に作用させるためには、5.0倍以下のエッチングレートが好ましく、より好ましくは4.5倍以下であり、さらに好ましくは4.0倍以下であり、特に好ましくは3.5倍以下であり、最も好ましくは3.0倍以下である。ここで、エッチング液としては、酸化還元反応により銅を溶解できる公知の液が採用可能である。エッチング液の例としては、塩化第二銅(CuCl)水溶液、塩化第二鉄(FeCl)水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸カリウム水溶液、硫酸/過酸化水素水等の水溶液等が挙げられる。この中でもCuのエッチングレートを精密に制御でき、エッチング犠牲層12とのエッチング時間差を確保するのに好適な点から、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸カリウム水溶液、及び硫酸/過酸化水素水が好ましく、この中でも硫酸/過酸化水素水が最も好ましい。エッチング方式としては、スプレー法、浸漬法等が採用できる。また、エッチング温度としては、25〜70℃の範囲で適宜設定されうるものである。本発明におけるエッチングレートは、上記エッチング液やエッチング方式等の組合せと、下記に示すエッチング犠牲層12の材料の選択とによって調整されるものである。
エッチング犠牲層12を構成する材料はCuよりも電気化学的に卑な金属が好ましく、そのような好ましい金属の例としては、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金、Cu−Mn合金、Cu−Al合金、Cu−Mg合金、Zn金属、Co金属、Mo金属、及びこれらの酸化物、並びにこれらの組合せが挙げられ、特に好ましくはCu−Zn合金である。エッチング犠牲層12を構成しうるCu−Zn合金は、高い犠牲効果を得る観点から、Znを40重量%以上含むのが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。また、Cu−Zn合金におけるZn含有量は、上述したエッチング犠牲層12の面内溶解速度の均一な保持、及び表面銅層11との局部電池反応の面内均一作用の観点から、好ましくは98重量%以下、より好ましくは96重量%以下であり、さらに好ましくは94重量%以下である。エッチング犠牲層12は0.1〜5μmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜4.5μm、さらに好ましくは0.2〜4μm、特に好ましくは0.2〜3.5μm、最も好ましくは0.3〜3μmである。
表面銅層11は、公知の構成であってよく特に限定されない。例えば、表面銅層11は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。表面銅層11は0.1〜2.5μmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.2〜0.8μmである。
所望により、表面銅層11には、粗化処理を施すこともできる。配線パターン形成後に外観画像検査を行う場合、表面銅層11の表面に粗化処理により形成された粗化粒子が付着されていることで配線パターン形成後の画像検査をしやすくするとともにフォトレジストパターン20との密着性を向上することができる。粗化粒子は画像解析による平均粒径Dが0.04〜0.53μmであるのが好ましく、より好ましくは0.08〜0.13μmであり、さらに好ましくは0.09〜0.12μmである。上記好適範囲内であると、粗化面に適度な粗さを持たせてフォトレジストとの優れた密着性を確保しながら、フォトレジスト現像時にフォトレジストの不要領域の開口性を良好に実現することができ、その結果、十分に開口しきれなかったフォトレジストに起因してめっきされにくくなることで生じうるパターンめっき22のライン欠損を効果的に防止することができる。したがって、上記好適範囲内であるとフォトレジスト現像性とパターンめっき性に優れるといえ、それ故、配線パターン24の微細形成に適する。なお、粗化粒子の画像解析による平均粒径Dは、走査型電子顕微鏡(SEM)の一視野に粒子が所定数(例えば1000〜3000個)入る倍率にて像を撮影し、その像に対して市販の画像解析ソフトで画像処理を行うことにより測定するのが好ましく、例えば任意に選択した200個の粒子を対象とし、それら粒子の平均直径を平均粒径Dとして採用すればよい。
また、粗化粒子は画像解析による粒子密度ρが4〜200個/μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜170個/μm、70〜100個/μmである。表面銅層11表面の粗化粒子が緻密で密集している場合にはフォトレジストの現像残渣が発生しやすいが、上記好適範囲内であるとそのような現像残渣が発生しにくく、それ故、フォトレジストパターン20の現像性にも優れる。したがって、上記好適範囲内であると配線パターン24の微細形成に適するといえる。なお、粗化粒子の画像解析による粒子密度ρは、走査型電子顕微鏡(SEM)の一視野に粒子が所定数(例えば1000〜3000個)入る倍率にて像を撮影し、その像に対して市販の画像解析ソフトを用いて画像処理を行うことにより測定するのが好ましく、例えば粒子200個が入る視野においてそれらの粒子個数(例えば200個)を視野面積で除算した値を粒子密度ρとして採用すればよい。
表面銅層11の表面は、上述した粗化処理による粗化粒子の付着の他、ニッケル−亜鉛/クロメート処理等の防錆処理や、シランカップリング剤によるカップリング処理等を施すこともできる。これらの表面処理により金属箔表面の化学的安定性の向上や、絶縁層積層時の密着性の向上を図ることができる。
追加銅層13もまた公知の構成であってよく特に限定されない。追加銅層13を備えることでCuエッチング工程における前処理等で溶解速度の速い犠牲層12を露出させないように制御することが可能になる、また、下記剥離層との剥離性を容易なものとすることができるといった利点がある。追加銅層13は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。追加銅層13は0.1〜2.5μmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.2〜1.5μm、特に好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.3〜0.8μmである。
追加銅層13の単位面積当たりのピンホール数が2個/mm以下であるのが好ましい。追加銅層13におけるピンホール数が上記のとおり少ないと、金属箔10’の製造プロセスにおいて、追加銅層13にめっきされるエッチング犠牲層12及び表面銅層11において発生しうるピンホールもまた少なくすることができる。その結果、Cuエッチング時の薬液浸食による欠損等の不具合をより一層低減することができる。
所望により、表面銅層11とエッチング犠牲層12の間、及び/又は追加銅層13(存在する場合)とエッチング犠牲層12との間には、エッチング犠牲層12の犠牲効果を妨げないかぎり、別の層が存在していてもよい。
表面銅層11、エッチング犠牲層12、及び追加銅層13(存在する場合)は、キャリア無し銅箔の形態で提供されてもよいし、図1及び2に示されるようにキャリア付金属箔14又は14’の形態で提供されてもよいが、キャリア付金属箔14又は14’の形態で提供されるのが好ましい。この場合、キャリア付金属箔は、キャリア15、剥離層16、追加銅層13(存在する場合)、エッチング犠牲層12、及び表面銅層11を順に備えるものであってもよいし、あるいはキャリア15、追加銅層13(存在する場合)、エッチング犠牲層12、及び表面銅層11を順に備えるものであってもよい。すなわち、剥離層16を有していてもよいし、剥離層16を単独の層として有しない構成であってもよい。
キャリア15は、金属箔を支持してそのハンドリング性を向上させるための層(典型的には箔)である。キャリアの例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、樹脂フィルム、表面をメタルコーティングした樹脂フィルム、ガラス板等が挙げられ、好ましくは銅箔である。銅箔は圧延銅箔及び電解銅箔のいずれであってもよい。キャリアの厚さは典型的には250μm以下であり、好ましくは12μm〜200μmである。
剥離層16は、キャリア15の引き剥がし強度を弱くし、該強度の安定性を担保し、さらには高温でのプレス成形時にキャリアと金属箔の間で起こりうる相互拡散を抑制する機能を有する層である。剥離層は、キャリアの一方の面に形成されるのが一般的であるが、両面に形成されてもよい。剥離層は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよい。有機剥離層に用いられる有機成分の例としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、カルボン酸等が挙げられる。窒素含有有機化合物の例としては、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物等が挙げられ、中でもトリアゾール化合物は剥離性が安定し易い点で好ましい。トリアゾール化合物の例としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。硫黄含有有機化合物の例としては、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸、2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられる。カルボン酸の例としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸等が挙げられる。一方、無機剥離層に用いられる無機成分の例としては、Ni、Mo、Co、Cr、Fe、Ti、W、P、Zn、クロメート処理膜、炭素層等が挙げられる。なお、剥離層の形成はキャリアの少なくとも一方の表面に剥離層成分含有溶液を接触させ、剥離層成分をキャリアの表面に溶液中で吸着されること等により行えばよい。キャリアを剥離層成分含有溶液に接触させる場合、この接触は、剥離層成分含有溶液への浸漬、剥離層成分含有溶液の噴霧、剥離層成分含有溶液の流下等により行えばよい。その他、電解めっきや無電解めっき等のめっき法、蒸着やスパッタリング等による気相法で剥離層成分を被膜形成する方法も採用可能である。また、剥離層成分のキャリア表面への固定は、剥離層成分含有溶液の乾燥、剥離層成分含有溶液中の剥離層成分の電着等により行えばよい。剥離層の厚さは、典型的には1nm〜1μmであり、好ましくは5nm〜500nmである。なお、剥離層16とキャリアとの剥離強度は7gf/cm〜50gf/cmであることが好ましく、より好ましくは10gf/cm〜40gf/cm、より好ましくは15gf/cm〜30gf/cmである。
所望により、ビルドアップ配線層付積層体の形成に先立ち、金属箔10若しくは金属箔10’又はキャリア付金属箔14若しくはキャリア付金属箔14’をコアレス支持体18の片面又は両面に積層して積層体を形成してもよい。この積層は、通常のプリント配線板製造プロセスにおいて銅箔とプリプレグ等との積層に採用される公知の条件及び手法に従って行えばよい。コアレス支持体18は、典型的には樹脂、好ましくは絶縁樹脂を含んでなる。コアレス支持体18はプリプレグ及び/又は樹脂シートであるのが好ましく、より好ましくはプリプレグである。プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸又は積層させた複合材料の総称である。プリプレグに含浸される絶縁樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、樹脂シートを構成する絶縁樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(液晶ポリマー)等の絶縁樹脂が挙げられる。また、コアレス支持体18には熱膨脹係数を下げ、剛性を上げる等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等が含有されていてもよい。コアレス支持体18の厚さは特に限定されないが、3〜1000μmが好ましく、より好ましくは5〜400μmであり、さらに好ましくは10〜200μmである。
(2)ビルドアップ配線層付積層体の形成
本発明の方法においては、表面銅層11上に、銅製の第一配線層26と絶縁層28とを少なくとも含むビルドアップ配線層42を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る。絶縁層28は上述したような絶縁樹脂で構成すればよい。ビルドアップ配線層42の形成は、公知のプリント配線板の製造方法に従って行えばよく、特に限定されない。本発明の好ましい態様によれば、以下に述べるように、(i)フォトレジストパターンを形成、(ii)電気銅めっき、及び(iii)フォトレジストパターンの剥離を行って第一配線層26を形成した後、(iv)ビルドアップ配線層42が形成される。
(i)フォトレジストパターンを形成
まず、表面銅層11の表面にフォトレジストパターン20を形成する。フォトレジストパターン20の形成は、ネガレジスト及びポジレジストのいずれの方式で行ってもよく、フォトレジストはフィルムタイプ及び液状タイプのいずれであってもよい。また、現像液としては炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アミン系水溶液等の現像液であってよく、プリント配線板の製造に一般的に用いられる各種手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。
(ii)電気銅めっき
次に、フォトレジストパターン20が形成された表面銅層11に電気銅めっき22を施す。電気銅めっき22の形成は、例えば硫酸銅めっき液やピロリン酸銅めっき液等のプリント配線板の製造に一般的に用いられる各種パターンめっき手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。
(iii)フォトレジストパターンの剥離
フォトレジストパターン20を剥離して配線パターン24を形成する。フォトレジストパターン20の剥離は、水酸化ナトリウム水溶液や、アミン系溶液ないしその水溶液等が採用され、プリント配線板の製造に一般的に用いられる各種剥離手法及び条件に従い行えばよく特に限定されない。こうして、表面銅層11の表面には第一配線層26からなる配線部(ライン)が間隙部(スペース)を隔てて配列された配線パターン24が直接形成されることになる。例えば、回路の微細化のためには、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μm、10μm/10μm、5μm/5μm、2μm/2μm)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンを形成することが好ましい。
(iv)ビルドアップ配線層の形成
表面銅層11上にビルドアップ配線層42を形成してビルドアップ配線層付積層体を作製する。例えば、表面銅層11上に既に形成されている第一配線層26に加え、絶縁層28及び第二配線層38が順に形成されてビルドアップ配線層42とされうる。例えば、図5に示されるように、ビルドアップ配線層42を形成すべく絶縁層28及びキャリア付銅箔30(キャリア32、剥離層34及び銅箔36を備える)を積層し、キャリア32を剥離し、かつ、炭酸ガスレーザー等により銅箔36及びその直下の絶縁層28をレーザー加工してもよい。続いて、無電解銅めっき、フォトレジスト加工、電解銅めっき、フォトレジスト剥離及びフラッシュエッチング等によりパターニングを行って第二配線層38を形成し、このパターニングを必要に応じて繰り返して第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成してもよい。
第二配線層38以降のビルドアップ層の形成方法についての工法は上記手法に限定されず、サブトラクティブ法、MSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法、SAP(セミアディティブ)法、フルアディティブ法等が使用可能である。例えば、樹脂層及び銅箔に代表される金属箔を同時にプレス加工で張り合わせる場合は、ビアホール形成及びパネルめっき等の層間導通手段の形成と組み合わせて、当該パネルめっき層及び金属箔をエッチング加工して、配線パターンを形成することができる。また、表面銅層11の表面に樹脂層のみをプレス又はラミネート加工により張り合わせる場合は、その表面にセミアディティブ法で配線パターンを形成することもできる。
上記工程を必要に応じて繰り返して、ビルドアップ配線層付積層体を得る。この工程では樹脂層と配線パターンを含む配線層とを交互に積層配置したビルドアップ配線層を形成して、第n配線層40(nは2以上の整数)まで形成されたビルドアップ配線層付積層体を得るのが好ましい。この工程の繰り返しは所望の層数のビルドアップ配線層が形成されるまで行えばよい。この段階で、必要に応じて、外層面にソルダーレジストや、ピラー等の実装用のバンプ等を形成してもよい。また、ビルドアップ配線層の最外層面は後の外層加工工程で外層配線パターンを形成してもよい。
(3)ビルドアップ配線層を含むプリント配線板の形成
(i)ビルドアップ配線層付積層体の分離
ビルドアップ配線層付積層体を形成した後は、ビルドアップ配線層付積層体を剥離層16等で分離することができる。キャリア付金属箔が、キャリア15、剥離層16、追加銅層13(存在する場合)、エッチング犠牲層12、及び表面銅層11を順に備える場合、本発明の方法は、後述のエッチング液による除去に先立ち、剥離層16でビルドアップ配線層付積層体を分離してエッチング犠牲層12又は追加銅層13を露出させるのが好ましい。分離の方法は、物理的な引き剥がしが好ましく、この引き剥がし方法については、機械若しくは冶具、手作業又はこれらの組合せによる方法が採用され得る。
一方、キャリア付金属箔が、キャリア15、追加銅層13(存在する場合)、エッチング犠牲層12、及び表面銅層11を順に備えてなる場合(すなわち剥離層16を単独の層として有しない場合)、本発明の方法は、後述のエッチング液による除去に先立ち、キャリア15とエッチング犠牲層12の間又は追加銅層13とエッチング犠牲層12の間又はエッチング犠牲層12内部でビルドアップ配線層付積層体を分離して、エッチング犠牲層12を露出させるのが好ましい。
(ii)エッチング犠牲層及び銅層のエッチング
本発明の方法においては、表面銅層11、エッチング犠牲層12及び追加銅層13(存在する場合)をエッチング液により除去して第一配線層26を露出させ、それによりビルドアップ配線層42を含むプリント配線板46を得る。プリント配線板46は好ましくは多層プリント配線板である。いずれにしても、エッチング犠牲層12の存在により、追加のエッチング工程を別途要することなく、Cuエッチングにより面内で均一に各層のエッチングによる除去を効率的に行えるとともに、局所的な回路凹みの発生を抑制することができる。したがって、本発明の方法によれば、表面銅層11及びエッチング犠牲層12のエッチング液による除去、又は表面銅層11、エッチング犠牲層12及び追加銅層13のエッチング液による除去を1工程で行うことができる。この際に用いるエッチング液及びエッチング工法は、上述したとおりである。
(iii)外層加工
図5に示されるようなプリント配線板46は様々な工法により外層を加工することが可能である。例えば、プリント配線板46の第一配線層26にさらにビルドアップ配線層としての絶縁層と配線層を任意の層数として積層してもよく、或いは第一配線層26の表面にソルダ―レジスト層を形成し、Ni−Auめっき、Ni−Pd−Auめっき、水溶性プレフラックス処理等の外層パッドとしての表面処理を施してもよい。さらには外層パッドに柱状のピラー等を設けてもよい。この際、本発明におけるエッチング犠牲層を用いて作成された第一配線層26は、面内で回路厚さの均一性を保持できるとともに、第一配線層26の表面は、局所的な回路凹みの発生が少ないものとなる。このため、回路厚さの極端に薄い部位や回路凹み等に起因する表面処理工程における局所的な処理不良やソルダ―レジスト残渣不良、更には実装パッドの凹凸による実装不良等の不具合発生率の少ない、実装信頼性に優れたプリント配線板を得ることができる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜11
本発明の金属箔の作製及び各種評価を以下のようにして行った。
(1)キャリアの準備
回転陰極として表面を#2000のバフで研磨したチタン製の回転電極を用意した。また、陽極にはDSA(寸法安定性陽極)を用意した。回転陰極及び陽極を、銅濃度80g/L、硫酸濃度260g/L、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド濃度30mg/L、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体濃度50mg/L、塩素濃度40mg/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度45℃、電流密度55A/dmで電解し、厚さ18μmの電解銅箔をキャリアとして得た。
(2)剥離層の形成
酸洗処理されたキャリアの電極面側を、CBTA(カルボキシベンゾトリアゾール)濃度1g/L、硫酸濃度150g/L及び銅濃度10g/LのCBTA水溶液に、液温30℃で30秒間浸漬し、CBTA成分をキャリアの電極面に吸着させた。こうして、キャリア用銅箔の電極面の表面にCBTA層を有機剥離層として形成した。
(3)補助金属層の形成
有機剥離層が形成されたキャリアを、硫酸ニッケルを用いて作製されたニッケル濃度20g/Lの溶液に浸漬して、液温45℃、pH3、電流密度5A/dm2の条件で、厚さ0.001μm相当の付着量のニッケルを有機剥離層上に付着させた。こうして有機剥離層上にニッケル層を補助金属層として形成した。
(4)追加銅層(極薄銅箔)の形成
例1〜8及び11については、補助金属層が形成されたキャリアを、銅濃度60g/L、硫酸濃度200g/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度50℃、電流密度5〜30A/dmで電解し、厚さ0.3μmの追加銅層(極薄銅箔)を補助金属層上に形成した。一方、例9及び10については、追加銅層の形成を行わなかった。
(5)エッチング犠牲層の形成
追加銅層(極薄銅箔)が形成されたキャリア(例1〜8及び11)又は補助金属層が形成されたキャリア(例10)を、表1に示されるめっき浴に浸漬して、表1に示されるめっき条件で電解し、表2に示される組成及び厚さのエッチング犠牲層を追加銅層上又は補助金属層上に形成した。一方、例9については、エッチング犠牲層の形成を行わなかった。
(6)表面銅層の形成
エッチング犠牲層が形成されたキャリア(例1〜8、10及び11)又は補助金属層が形成されたキャリア(例9)を、銅濃度60g/L、硫酸濃度145g/Lの硫酸銅溶液に浸漬して、溶液温度45℃、電流密度30A/dmで電解し、表2に示される厚さの表面銅層をエッチング犠牲層上又は補助金属層上に形成した。
(7)防錆処理
こうして形成されたキャリア付金属箔の表面に、亜鉛−ニッケル合金めっき処理及びクロメート処理からなる防錆処理を行った。まず、亜鉛濃度0.2g/L、ニッケル濃度2g/L及びピロリン酸カリウム濃度300g/Lの電解液を用い、液温40℃、電流密度0.5A/dmの条件で、金属箔及びキャリアの表面に亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った。次いで、クロム酸3g/L水溶液を用い、pH10、電流密度5A/dmの条件で、亜鉛−ニッケル合金めっき処理を行った表面にクロメート処理を行った。
(8)シランカップリング剤処理
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2g/L含む水溶液をキャリア付金属箔のキャリア側の表面に吸着させ、電熱器により水分を蒸発させることにより、シランカップリング剤処理を行った。このとき、シランカップリング剤処理は金属箔側には行わなかった。
(9)評価
こうして得られたキャリア付金属箔及びその構成層について、各種評価を以下のとおり行った。
評価1:エッチングレート比r
Cuのエッチングレートに対する、エッチング犠牲層12のエッチングレートの比r(以下、エッチングレート比rという)を測定するために、例1〜8、10及び11については、上記(5)で得られた最表面がエッチング犠牲層であるキャリア(すなわちエッチング犠牲層までが形成され、表面銅層の形成及びその後の処理が行われていない中間製品)を用意した。また、例9については、上記(6)で得られた最表面が表面銅層であるキャリア付金属箔(すなわち表面銅層までが形成され、その後の処理が行われていない中間製品)を用意した。一方、水に市販の95wt%濃硫酸と30wt%過酸化水素水を溶解させて、硫酸濃度5.9wt%、過酸化水素濃度2.1wt%のエッチング液を作製した。各キャリア付金属箔サンプルをエッチング液に25℃で一定時間浸漬して溶解させ、溶解前後のめっき皮膜の厚み変化を蛍光X線膜厚計(フィッシャー・インストルメンツ社製、Fischerscope X−Ray XDAL−FD)で測定した。得られた厚み変化を溶解時間で除することにより、対象となる各めっき皮膜のエッチングレートを求めた。こうして求めた例9のエッチングレートがCuのエッチングレートであり、例1〜8、10及び11のエッチングレートが各エッチング犠牲層のエッチングレートである。そして、エッチング犠牲層のエッチングレートをCuのエッチングレートで除することにより、エッチングレート比rを算出した。結果は、表2に示されるとおりであった。
評価2:単位面積当たりのピンホール数
追加銅層の単位面積当たりのピンホール数を測定するために、上記(4)で得られた最表面が追加銅層(極薄銅箔)であるキャリア付極薄銅箔(すなわち厚み0.3μmの追加銅層までが形成され、エッチング犠牲層の形成及びその後の処理が行われていない中間製品)を用意した。このキャリア付極薄銅箔を絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)に追加銅層(極薄銅箔)側が接するように積層し、圧力4.0MPa、温度190℃で90分間熱圧着した。その後、キャリアを剥離して積層板を得た。この積層板を、暗室中でバックライトを当てながら、光学顕微鏡で観察して、ピンホールの数を数えた。こうして1mmあたりのピンホール数を測定したところ、例1〜8及び11のいずれにおいても、追加銅層の単位面積当たりのピンホール数は2個/mm以下であった。
評価3:回路凹み
上記(8)で得られたキャリア付金属箔を、第一の絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)に対してキャリア側が接するように積層し、圧力4.0MPa,温度190℃で90分間熱圧着した。こうして得られた積層板に対し、金属箔側に厚さ19μmのドライフィルムをラミネートし、ライン/スペース(L/S)=10/10μmのマスクを用いて露光し、現像を行った。現像後の積層板に対しめっき高さが17μmとなるようにパターンめっきを行った後、ドライフィルムを剥離し、L/S=10/10の5本の直線回路を形成した。次に、積層板の5本の直線回路が形成された表面に第二の絶縁樹脂基材(パナソニック株式会社製プリプレグ、R−1661、厚さ0.1mm)を積層し、圧力4.0MPa,温度190℃で90分間熱圧着した。その後、剥離層を境として、キャリア及びそれが接着された第一の絶縁樹脂基材を剥離した。残った第二の絶縁樹脂基材のうち金属箔が露出している側に対し、評価1で作製したのと同じエッチング液を用い、金属箔が消失するまでエッチングを行った。この状態で断面を光学顕微鏡を用いて2,000倍で観察し、5本の回路について第二の絶縁樹脂基材の上端から回路の上端までの距離を回路凹みとして測定し、以下の基準に従い格付け評価した。
・評価A:5本の中での最大値が2.0μm未満のもの
・評価B:5本の中での最大値が2.0μm以上2.5μm未満のもの
・評価C:5本の中での最大値が2.5μm以上(実際には3.0μm以上)のもの

Figure 0006836579
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Claims (8)

  1. 表面銅層及びエッチング犠牲層をこの順に備えた金属箔、又は表面銅層、エッチング犠牲層及び追加銅層をこの順に備えた金属箔を用いて支持体を得る工程と、
    前記表面銅層上に、銅製の第一配線層と絶縁層とを少なくとも含むビルドアップ配線層を形成してビルドアップ配線層付積層体を得る工程と、
    前記表面銅層及び前記エッチング犠牲層、又は前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び前記追加銅層をエッチング液により除去して前記第一配線層を露出させ、それにより前記ビルドアップ配線層を含むプリント配線板を得る工程と、
    を含み、前記エッチング犠牲層のエッチングレートがCuよりも高いものである、プリント配線板の製造方法。
  2. 前記エッチング犠牲層が、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金、Cu−Mn合金、Cu−Al合金、Cu−Mg合金、Zn金属、Co金属、Mo金属及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種で構成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エッチング犠牲層が、Znを40重量%以上含むCu−Zn合金で構成される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記エッチング犠牲層が0.1〜5μmの厚さを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び存在する場合には前記追加銅層が、金属箔又はキャリア付金属箔の形態で提供される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び存在する場合には前記追加銅層が、キャリア付金属箔の形態で提供され、該キャリア付金属箔が、キャリア、剥離層、存在する場合には前記追加銅層、前記エッチング犠牲層、及び前記表面銅層を順に備えてなり、
    前記方法が、前記エッチング液による除去に先立ち、前記剥離層で前記ビルドアップ配線層付積層体を分離して前記エッチング犠牲層又は前記追加銅層を露出させる工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び存在する場合には前記追加銅層が、キャリア付金属箔の形態で提供され、該キャリア付金属箔が、キャリア、存在する場合には前記追加銅層、前記エッチング犠牲層、及び前記表面銅層を順に備えてなり、
    前記方法が、前記エッチング液による除去に先立ち、前記キャリアと前記エッチング犠牲層の間又は前記追加銅層とエッチング犠牲層の間又はエッチング犠牲層内部で前記ビルドアップ配線層付積層体を分離して、前記エッチング犠牲層を露出させる工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記表面銅層及び前記エッチング犠牲層のエッチング液による除去、又は前記表面銅層、前記エッチング犠牲層、及び前記追加銅層のエッチング液による除去が1工程で行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。



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