JP6834391B2 - 粉砕ローラの軸受異常検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
竪型粉砕機1は、円筒状ケーシング2の下部において、減速機付きモータ3で駆動され回転する円盤状の回転テーブル11と、その上面外周部を円周方向へ等分する箇所に油圧シリンダ等で圧接されて従動回転する複数個の粉砕ローラ12を備えている。
この外周部には、テーブル上を粉砕ローラ12が圧接されて従動回転しているため、渦巻き線を描いた粒体は粉砕ローラ12と回転テーブル11との間へローラ軸方向とある角度を成す方向から侵入して噛みこまれて粉砕され微粉となる。
このとき粉砕ローラの粉砕面であるローラ外周面で、最も粉砕作用が行われる箇所は、過去の運転実績における摩耗の進行程度から判断すると、粉砕ローラの最大径辺り、換言するとダムリングの内周面に近い位置である。従って、粉砕ローラの粉砕頻度が最も高いのは粉砕ローラ大径部分直下の位置となる。
粉砕ローラは、ローラ軸の軸回りを自由回転する構成であり、ローラ軸端部と粉砕ローラの間に軸受が組み込まれている。
上記第1の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動などの影響を受けることがなく、粉砕ローラと軸受のみの微小異常を精度良く検出することができる。
上記第2の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動、距離減衰などの影響を受けることがなく、粉砕ローラ及び軸受の直近において粉砕ローラと軸受のみの微小異常振動を精度良く検出することができる。
上記第3の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動などの影響を受けることがなく、粉砕ローラの直近において粉砕ローラの回転速度を精度良く検出することができる。
上記第4の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動、距離減衰などの影響を受けることがなく、粉砕ローラと軸受のみの微小異常を精度良く検出することができる。
上記第5の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動などの影響を受けることがなく、粉砕ローラ及び軸受の直近において粉砕ローラと軸受のみの微小異常音又は異常振動を精度良く検出することができる。
上記第6の手段によれば、粉砕機による粉砕時の振動などの影響を受けることがなく、粉砕ローラの直近において粉砕ローラの回転速度を精度良く検出することができる。
図1は本発明の粉砕ローラの軸受異常検出装置の構成概略図である。図示のように本発明の軸受異常検出装置10は、異常検出センサー20となる振動センサーを、粉砕機の回転テーブル11上を従動回転する粉砕ローラ12の内部に取り付けている。より具体的な異常検出センサー20の取付け箇所は、粉砕ローラ12が軸受13を介して自由回転するローラ軸14の先端であって、軸受13を取り付けた箇所のローラ軸14内部の中心部分に取り付けている。ローラ軸14の中心軸に軸受13のベアリング潤滑オイル給排管15が設けられている場合には、この管内部に異常検出センサー20を取り付けることができる。また、異常検出センサー20と外部の表示部22を結ぶ出力配線24は、給排管又はローラ軸14内部に設けられたエアーブリーザー管16を通すことができる。
このような構成の異常検出センサー20は、粉砕ローラ12内であって、軸受13を取り付けたローラ軸14の中心部に取り付けているため、軸受13に最も近い箇所で微小な異常振動を精度良く検出することができる。
このような構成の速度センサー30は、センサー本体がローラ軸14先端に固定された状態であり、粉砕ローラ12と共に磁石片32がローラ軸14の軸回りを回転すると、磁石片32がセンサー本体に近接したときに粉砕ローラ12の回転速度を検出することができる。またケーシング内の気流の影響を受けることがなく、粉砕ローラの回転速度を直に検出することができる。
なお異常検出センサーは、粉砕ローラ内に複数個取り付けて、粉砕作業時の振動によるセンサー故障に対して補助、バックアップする構成とすると良い。
上記構成による本発明の粉砕ローラの軸受異常検出装置を用いた軸受異常検出方法について、以下説明する。
稼働中の粉砕機の粉砕機の粉砕ローラ12は、減速機付きモータによって回転する回転テーブル11上で粉砕物を介して従動回転している。粉砕ローラ12は油圧シリンダによってテーブル面に押し付けられており、粉砕物の供給量によって回転テーブル11との距離が上下方向に変化する。油圧シリンダによって粉砕ローラ12を上方へ移動させる(持ち上げる)と、回転中の回転テーブル11から切り離されて回転力が伝わらず、数回転した後に停止する。一例として、実機の竪型粉砕機で回転中の粉砕ローラを持ち上げた場合、減速して停止するまでに1〜3回転する。本発明の軸受異常検出方法では、この減速回転から停止するまでの間の軸受の異常振動を振動センサーを用いて検出している。前述のように稼働中の破砕音、破砕振動、破砕物の衝突音、減速機付きモータの回転音などの外部影響を受けることなく、軸受の初期損傷による微小な異常振動を、軸受13に最も近い箇所で検出することができる。また検出精度を上げるために、粉砕ローラの減速回転から停止までを複数回繰り返し行ってもよい。
なお、粉砕ローラの持ち上げ寸法は、回転テーブルからの回転力が伝わらなくなる最短寸法で良い。持ち上げ角度が大きくなると軸受に作用する粉砕ローラの自重がラジアル荷重からスラスト荷重に移行して荷重の方向が異なり好ましくないからである。
また稼働中、粉砕物の供給量を停止したときに粉砕ローラと回転テーブルとの回転力が伝わらない竪型粉砕機の場合には、粉砕ローラを持ち上げなくても粉砕ローラが停止するため、粉砕作業中の影響を受けない状態で軸受の異常を検出できる。
このような異常検出センサーとなる振動センサーと速度センサーを組み合わせて粉砕ローラの振動と回転速度を検出することにより高精度の異常検出を行うことができる。
図3は減速回転する粉砕ローラの回転・振動と時間の関係を示すグラフである。図中の一点破線は、稼働初期の運転時から減速時を経て停止するまでの粉砕ローラの回転・振動の大きさを示している。経年劣化などに起因して軸受の不具合が生じると、運転時には粉砕ローラの回転・振動の変動が大きく、減速時には僅かな振動が生じている。本発明の粉砕ローラの軸受異常検出方法によれば、粉砕時の振動の影響を受けることなく、減速時の僅かな振動を効果的に検出することができる。
Claims (6)
- 粉砕機の回転テーブル上を従動回転する粉砕ローラを前記回転テーブルから切り離して、減速回転する前記粉砕ローラの軸受の異常を検出可能な異常検出センサーを前記粉砕ローラ内に備えたことを特徴とする粉砕ローラの軸受異常検出装置。
- 前記異常検出センサーは、前記粉砕ローラが軸受を介して自由回転するローラ軸の内部であって前記軸受の直近に取り付け、前記軸受の異常振動を検出可能な振動センサーを含むことを特徴とする請求項1に記載の粉砕ローラの軸受異常検出装置。
- 前記異常検出センサーは、前記粉砕ローラと、前記粉砕ローラが自由回転するローラ軸との間に取り付け、前記ローラ軸の軸回りを回転する前記粉砕ローラの回転速度を検出可能な速度センサーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉砕ローラの軸受異常検出装置。
- 粉砕機の回転テーブル上を従動回転する粉砕ローラを前記回転テーブルから切り離して、減速回転する前記粉砕ローラの軸受の異常を前記粉砕ローラ内に備えた異常検出センサーで検出することを特徴とする粉砕ローラの軸受異常検出方法。
- 前記軸受の異常は、異常振動を含み、前記異常検出センサーは、振動センサーを含むことを特徴とする請求項4に記載の粉砕ローラの軸受異常検出方法。
- 前記軸受の異常は、前記粉砕ローラの回転速度を含み、前記異常検出センサーは、前記粉砕ローラと、前記粉砕ローラが自由回転するローラ軸との間に取り付け、前記ローラ軸の軸回りを回転する前記粉砕ローラの回転速度を検出可能な速度センサーを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の粉砕ローラの軸受異常検出方法。
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