JP6881166B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents
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Description
上記のように、粉砕時に架台に発生する反力は、稼働時に大きく変動し、揺動軸を支持する軸受けケースは、鋼製架台上に設置され、粉砕ローラを下方に押し付ける反力や架台に対して作用する粉砕時の上下変動の荷重を受ける。粉砕ローラを回転テーブル上に押え付ける力は油圧シリンダによって与えられる。油圧シリンダの反粉砕ローラ側は、基礎に固定され、粉砕時には油圧シリンダによって粉砕ローラの上下の変動する荷重を与える。
粉砕ローラの粉砕運転中は、負荷が常に変化し、その荷重の方向は、回転テーブルに対して上下方向(垂直方向)に作用する。原料の粉砕に伴って、粉砕力の加圧と破砕による荷重開放による振動が発生する。粉砕物が粉砕ローラによって急に割れた場合、粉砕ローラの圧縮力が急に開放されるので、主に破砕時には上下振動が発生し、粉砕物の大きさと硬さに比例して、その振動も大きくなる。従って、粉砕ローラの軸受けケースを支持している鋼製架台は大きな粉砕荷重を支持する荷重に耐える十分な強度が必要である。このように粉砕時の荷重は常に変動し、上下振動を繰り返している。そして粉砕作業時は、粉砕機全体の振動となって現れる。
従来の架台構造は、鋼構造で剛性を増して、変形を抑えて荷重変化に対応させていた。この場合、剛性を確保するために構造物の重量増や鋼構造が複雑になり、溶接や曲げ加工に要する加工コストの増加の原因となっていた。
このため、架台をコンクリート製とし、コンクリート製架台上部のみに鋼製の軸受けケースを設置する特許文献1に開示の構造がある。このコンクリート製架台は、コンクリート内部に埋設したアンカーボルトに鋼製の軸受けケースを固縛して剛性を確保している。
前記粉砕ローラは、揺動軸を支持する軸受けケースが金属製の架台上に固定されており、前記架台の内部空間に重錘体を設けたことを特徴とする竪型粉砕機を提供することにある。
第1の手段の構成により、粉砕時に生じる上下振動のうち、特に上向きの振動を打ち消して低減できる。従って粉砕ローラに起因する装置全体の振動を低減できる。
また、鋼性架台の軽量化、溶接や曲げ加工の工数を低減して架台の全体構成を簡素化できる。
第2の手段の構成により、粉砕ローラの大きさ、稼働開始後の振動の発生程度に応じた粉砕ローラによる上下変動の荷重を考慮した最適な重量の重錘体を適用することができる。
第3の手段の構成により、鋼材としてスクラップ鋼材、鋳物、コンクリートなど安価な材料を適用することにより、装置全体に要する材料コストを低減できる。
第4の手段の構成により、振動時に生じる振動音が架台内部で反響又は増幅することを打ち消して低減できる。
また、鋼製架台と基礎の固定は、上向きの力に対して変位分だけ可動となるように自由度を持たせることができ、下向きの力はそのまま伝達するように構成できる。
図1は本発明の竪型粉砕機の説明図である。図2は架台の説明図である。図1に示すように竪型粉砕機10は、ケーシング12と、回転テーブル14と、回転テーブル14の上面外周部を円周方向に等分する位置に配置した複数個の粉砕ローラ16と、回転テーブル14の外周に沿って形成した環状通路40と、ケーシング12の上部に設けた分級手段30を主な基本構成としている。
分級手段30は、回転軸30aと、回転羽根30bと、固定羽根30cを備えている。回転軸30aはケーシング12の上面から下方へ垂下し、外部の駆動モータ(不図示)により回転自在な構成である。回転軸30aの下部には、回転軸30aを軸心として環状に複数の回転羽根30bが並んで形成されている。さらに、回転羽根30bの外周には、複数の固定羽根30cが並んで形成されている。回転羽根30b及び固定羽根30cはいずれも、長手方向が回転軸30aの軸心と平行に配置されており、ケーシング12内を上昇してきた熱空気は、回転軸30a軸心と平行な羽根の隙間から供給される。このような構成の分級手段30は、回転軸30aと共に回転羽根30bが回転し、固定羽根30cと回転羽根30bを通過した微細な粉粒体(微粉)のみが上部取出口44から排出される。
原料投入シュート34から投入した原料は、回転テーブル上面14Aを渦巻き状の軌跡を描きながら回転テーブル上面14Aの外周部に移動して、回転テーブル上面14Aと粉砕ローラ16の間に噛み込まれ粉砕される。そして、粉砕された粉粒体の一部は、回転テーブル上面14Aの外周部とケーシング12の隙間である環状通路40へと向かう。ここで、下部ケーシング12Bの回転テーブル14の下方には、所定温度に加熱された熱空気を導入するためのガス導入口42を設けている。
竪型粉砕機10内に投入した原料と、回転テーブル14と粉砕ローラ16に粉砕された粉粒体の一部は、環状通路40からの熱空気によって吹き上げられてケーシング12内を上昇し、分級手段30に到達する。
また、粉砕ローラ16に噛み込まれずそのまま環状通路40に達したような一部の極大の粒径の原料は、環状通路40より回転テーブル14の下方に落下して下部取出口46より竪型粉砕機10の外に取り出される。
架台50は、ケーシング12の外部に設けている。架台50は、粉砕ローラ16のアーム20の揺動軸21を回転自在に軸支する軸受けケース26を上面で固定している。また架台50は側面の一部に開口を有する内部空間52を設けている。内部空間52は後述する重錘体60を内部に配置可能な大きさに形成している。また架台50は材質に鋼材を用いており、内部空間52を設けて、台全体の軽量化及び、溶接や曲げ加工の工数を低減して簡素化している。
重錘体60は、架台50の内部空間52に取り付ける錘である。重錘体60の材質は、鉛、銅、鋼など比重の重い金属材、コンクリート、粘土などを用いることができ、特にスクラップ鋼材、鋳物、コンクリートなどの安価な材料を適用する場合には材料コストの低減化が図れる。
また重錘体60は、内部空間52に着脱可能とし、その重量は、粉砕ローラ16の大きさ、稼働開始後の振動の発生程度に応じた粉砕ローラ16による上下変動の荷重を考慮して設定すると良い。このため重量の異なる複数の錘体をあらかじめ用意しておくと良い。そして内部空間52を設けた架台50の側面にはカバー(蓋)56取付用のボルト穴54を設けてあり、カバー56を固定し内部空間52を塞ぐ構成を採用している。
鋼製の架台50の内部空間52に鋼製の重錘体60を設置すると、粉砕時の振動音が架台50内で反響又は増幅するおそれがある。この場合、重錘体60を設置した内部空間52の隙間にコンクリートなどの流動性材料を充填し固化、又はポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスチレンなどを原料とする発泡プラスチックなどの弾性体を充填している。このような構成により振動音を打ち消して低減できる。
上記構成による本発明の竪型粉砕機の作用について、以下説明する。
竪型粉砕機10の回転テーブル14を回転させると、油圧シリンダ24によって回転テーブル上面14Aに横圧された粉砕ローラ16も回転する。そして、原料投入口32から回転テーブル上面14Aに粉砕原料が投入されると、回転テーブル上面14Aに落下して回転テーブル上面14Aを渦巻き状の軌跡を描きながらテーブルの外周部に向かって移動して、回転テーブル上面14Aと粉砕ローラ16の間に噛み込まれ粉砕される。
また内部空間52に配置した重錘体60と、内部空間52の間に隙間が生じている場合には、流動性材料を充填し、固化させることにより、粉砕時の振動音が架台50内で反響又は増幅することを効果的に吸収して防止できる。
Claims (4)
- 回転テーブル上に粉砕原料を介して接する粉砕ローラを転動して前記粉砕原料を粉砕する竪型粉砕機において、
前記粉砕ローラは、揺動軸を支持する軸受けケースが金属製の架台上に固定されており、前記架台の内部空間に重錘体を設けたことを特徴とする竪型粉砕機。 - 前記重錘体は、重量可変とし、かつ前記内部空間に着脱可能としたことを特徴とする請求項1に記載の竪型粉砕機。
- 前記重錘体は、材質に鋼材又はコンクリートを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の竪型粉砕機。
- 前記内部空間と前記重錘体の隙間に流動性材料を充填し、固化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の竪型粉砕機。
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