JP2006061898A - 多用途破砕処理機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質で低廉な破砕物を安定して効率よく生産でき、しかも高耐久性で経済性の高い多用途破砕処理機を提供する。
【解決手段】処理容器1内を落下する塊状の原材料を上下複数組の打撃部材5で打撃して細粒化や粒形改善を行う破砕処理装置において、大きな2枚の円盤3により回転軸周辺からの破砕物の落下防止と所定位置へ打撃部材を取り付けることを可能としたり、交換が自由にできる打撃個体をフレキシブルに連結した打撃部材5を用いて破砕処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は塊状物の細粒化及び粒形改善を行う技術分野に属するもので破砕処理機に関するものである。
建設材料において新規の製造や再利用の観点から、細粒化や粒形改善が要求される塊状物は数多くある。例えば、コンクリートやアスファルトコンクリート用の骨材製造、耐火煉瓦用の材料製造、コンクリートやアスファルトコンクリート廃棄物からの骨材再生、廃棄瓦、廃棄陶磁器及び廃棄ガラスの再生処理など、これらの材料の製造目的に応じて要求される粒径、粒形、粒度、吸水率なども多種多様であり、これらの製造や処理のために各種の破砕処理機が使用されてきている。従来、これらの破砕処理には主にクラッシュ法、加熱式モルタル分離法、擂りもみ式モルタル分離法などが採用されてきた。しかし、これらの従来の方法は、粒形、粒度、吸水率などの品質や製造費などの点で問題があり、これらを改善する方法として特許公開2004−16972が提案されている。
しかし、この方法においては、以下のような問題点がある。(1)原材料が打撃部材に当たる位置が比較的広く、このため当たる位置により破砕処理性能が異なり、破砕物の品質に差が生じやすい。(2)処理能力や破砕物の品質に大きく影響する打撃部材先端と処理容器内壁との隙間の調整が難しい。(3)破砕物の落下位置を制御する傾斜した返し羽根を打撃部材取付け位置とは別位置に取り付けることにより、処理機全体の高さが高くなり小型化が難しい。(4)処理機が高くなり打撃部材間の空間が広がると、この間の破砕物の充満率が下がり、破砕物相互の擂りもみ作用が少なくなり粒形の改善効果が低下する。(5)傾斜した返し羽根の製作・取付けは、技術的にも難しく制作費が高価となる。(6)返し羽根や打撃部材取付け部は摩耗しやすく、しかも摩耗箇所も広範囲に及ぶため、その摩耗箇所の交換には長時間を要し維持管理費も高くなる。(7)投入する原材料の処理量、材質、塊の大きさなどによっては負荷抵抗が大きく変化するため、打撃部材の回転が安定せず破砕物の品質にばらつきを生じやすい。(8)打撃部材は処理機の中でも最も摩耗しやすくその量も部位により大きく異なるため、実際の製造に当たっては破損の大きい部位から順次交換しないと、破砕物の品質も変化しやすく消耗品費も多くなり不経済となる。
本発明の請求項1に関わる破砕処理機は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項1に記載された発明は、図1及び図2に示されるように、縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周囲に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを特徴とする。
本発明の請求項2に関わる破砕処理機は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項2に記載された発明は、図1及び図2に示されるように、縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周囲に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを可能とした装置において、打撃部材の先端と円筒容器内壁との隙間を任意に調整するために、図3に示すように、この2枚の円盤に複数個の穴を配置し打撃部材の取付けを所定の位置に行うことを特徴とする。
本発明の請求項3に関わる破砕処理機は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項3に記載された発明は、図1及び図2に示されるように、縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃体の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周辺に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを可能とした装置において、打撃部材を構成する打撃個体の形状として、図4及び図5に示されるように、一般の船舶係留用などのチエーン形のほか、球形、円柱形、六角柱形、四角柱形などの打撃個体を鎖状にフレキシブルに連結し、必要に応じて打撃個体を交換できるようにしたことを特徴とする。
本発明による破砕処理機は、縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周囲に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを可能とした装置において、打撃部材の先端と円筒容器の内壁との隙間を任意に調整できるように、この2枚の円盤に多数の穴を配置し打撃部材の取付けを所定の位置に行ったり、打撃部材を構成する打撃個体の形状として一般の船舶係留用などのチエーン形のほか、球形、円柱形、六角柱形、四角柱形などの打撃個体を鎖状にフレキシブルに連結し、必要に応じて打撃個体を交換したりすることにより、破砕処理機の小型化や処理量の多少に関わらず高品質で安全でかつ安定して破砕物の製造ができるとともに、製作や摩耗部材の交換が容易になり処理機の製造費や維持費が減少するため、目的とする破砕物を経済的に製造することが可能となる。
以下に、まず本発明の処理機による破砕処理方法の概要について説明する。本処理機においては、投入口より投入された原材料は第一段目の打撃部材によりまず粗粒に砕かれ、それ以後下方の各段の打撃部材により順次細粒化と粒形の改善が行われる。この場合、打撃部材は原材料の特性に応じ500〜1500rpm程度の高速度で回転しているため、破砕物は打撃部材間の隙間から落下することはほとんどなく、大部分は打撃部材の先端と処理容器内壁との隙間を通過し下方へと移動する。また、回転軸周り返し羽根と容器周り返し羽根の大きさを調節し、両者間に適正な空間を保持することにより、打撃部材に確実かつほぼ均等な打撃エネルギーが与えられ安定した品質の破砕物を製造することができる。また、このような対処により摩耗の最も激しい打撃部材を必要最小限の長さにすることで、維持管理費を減少させ製造費を安くすることができる。
一般に、原材料の破砕及び粒形改善は、打撃部材のほか、処理容器の内壁や他の部材への衝突、並びに破砕物相互の衝突と擂りもみ作用によって行われる。したがって、打撃部材間に滞留する破砕物の充満率が破砕処理結果に大きく影響することになる。この充満率は、打撃部材の先端と処理容器内壁との隙間及び打撃部材間の距離を変化させることにより調節することができる。本処理機では、これらの各位置が決定されると処理量を調節して充満率を適切に設定すれば、モータに過負荷のない状態で高品質の破砕物を連続的に安定して製造することができる。
一般に、実験結果から打撃部材の段数は3段あればほぼ満足できる破砕物を製造することができるが、通常は少し余裕を見て4段とすることを基本としている。さらに、一段ずつ経過するごとに着実に細粒化され粒形も丸みを帯びたものに改善されるため、製造物によっては更に多段とする場合もある。しかし、一般的に余り細粒化され過ぎては原材料の歩留りも悪く、材料費や製造費も高くなり不経済となることから、通常は目的とする製造物の粒形や粒度を考え適切な段数を決定する。また、打撃部材が摩耗して、その先端と処理容器内壁との距離が短くなると破砕物の品質が変化するため、適時打撃部材や打撃個体を交換する必要がある。
排出口から取り出された破砕物は、製造物の目的に応じてふるいにより所定の粒度にふるい分けられ、規定寸法以上の粒径のものは投入口に戻され再度破砕処理される。製造物によっては一度で破砕処理するのではなく、一回あたりは幾分小さい打撃エネルギーで処理し、同様な工程を幾度か繰り返すことにより、粒度と粒形の改善を図ることができる。
次に、本発明に関わる破砕処理機の実施形態について、添付の図面を参照して詳しく説明する。図1〜図3に示される本発明に関わる破砕処理機の一実施形態において、1は原材料を破砕処理するための処理容器、2は打撃部材に回転する動力を伝達する回転軸、3は回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止と打撃部材を取付け保護するための回転軸周り返し羽根、4は遠心力により容器周辺に飛散した破砕物を容器内側に戻すための容器周り返し羽根、5は原材料を細粒に破砕し粒形を改善するための打撃部材、6は打撃部材を回転軸周り返し羽根に取り付ける取付けボルト、7及び8は回転軸を保持するための上部及び下部軸受部、9は動力源としてのモータ、10及び11は動力を回転軸に伝達するためのプーリとベルト、12は原材料の投入口、13は破砕物の排出口、14は処理容器内壁と打撃部材先端との隙間、15は打撃部材を所定位置に取り付けるための取付け穴である。
処理容器1は、その内部で原材料を破砕処理するもので摩耗が激しいため、通常は容器の内壁に耐摩耗性鋼板を添付し、必要に応じて交換を行う。特に、打撃部材近傍の内壁は摩耗が激しいため、これを考慮して耐摩耗性鋼板は何枚かに分割して適時に交換するのがよい。また、打撃部材の打撃エネルギーが容器の直径の三乗に比例するため、この容器の大きさは破砕能力の点から非常に重要であり、モータの容量を余り大きくしないためにも約100cm前後と大きめにするのがよい。
回転軸2は、動力源の伝達と大きな衝撃を受ける打撃部材を取り付けるために、強固で大きな剛性を有することが必要である。これは比較的摩耗は少ないが、必要に応じて回転軸周りに耐摩耗性のカバーを取り付けて対処する。
回転軸周り返し羽根3は、本処理機の中では重要な部分であり、大きな2枚の円盤を一組として、この2枚の円盤の中に打撃部材の一端を挟み込み保護する。一方、円盤に多数の打撃部材取付け用穴を配置して、本処理機で破砕物を製造する場合に品質管理上最も重要な処理容器内壁と打撃部材先端との隙間を所定の寸法に設定する。また、大きな円盤は弾み車としての作用も果たし、打撃部材に大きな負荷変動があった場合でも、安定した回転が得られ、破砕物の品質を安定して確保するために極めて有効である。この2枚の円盤においても摩耗しやすく、中でも円盤周辺部が激しいため、この部分を分割して耐摩耗性鋼板を添付する構造とすることが得策である。2枚の円盤の内、上板の方が摩耗が激しいため、上板に幾本かの円環状の突起を付け、破砕物が幾らか上面に止まるようにすると摩耗対策として効果的である。さらに、上下方向の打撃部材間の距離は、破砕物の充満率に大きく影響を及ぼし原材料の細粒化や粒形改善などに大きく関係するため、慎重に決定する必要がある。処理量が余り多くなければ、一般に打撃部材間の距離は比較的狭い方が、負荷は増大するものの破砕物の充満率が上がり高品質なものとなる。
容器周り返し羽根4は、打撃部材の打撃エネルギーにより容器周辺部に破砕され飛散した破砕物を再び容器の内側に戻す作用をなし、基本的には打撃部材一段ごとに取り付けることを原則とする。しかし、破砕をあまり行わないで粒形の改善を重要視する場合は、2〜3段ごとに返し羽根を取り付けると効果的である。また、この返し羽根は傾斜させて取り付ければ破砕物がこれに止まることなく落下して清掃には好都合であるが、製作時や摩耗による交換時に加工が難しく費用も高くなる。 これに対し、これを水平の穴あき円盤として取り付けた場合は、上部に破砕物が残り清掃時に手間がかかるものの、この板の上部に載った破砕物で摩耗を減らすことができ、しかも製作時や交換時において加工が容易となり費用も安くなる。このため、本発明ではこの容器周り返し羽根は水平に取り付けることを基本とする。なお、この羽根も摩耗が激しい箇所であるため、上下に耐摩耗性鋼板を添付するほか、上面の容器内側に突起を設けると、破砕物がより多く滞留し摩耗の減少に効果がある。
打撃部材5は、本処理機において破砕と処理を行う最も重要な部分であり、図2に示されるように、回転軸周り返し羽根の所定位置にかんぬき式にボルトを差し込み取り付ける。しかし、ボルトの長さが短く抜け出す心配がある場合には、一端にねじを切りナットにより固定する場合もある。なお、原材料の処理量、材質、塊の大きさなどによる打撃部材への大きな負荷変動に対処するため、この打撃部材は図2に示されるようにフレキシブルに取り付けることを原則とする。また、打撃部材は回転軸周り返し羽根ごとに、その所定位置に4〜6個程度取り付けられるが、通常は4個取り付けるのを基本とする。
この打撃部材は、本処理機の中で最も摩耗しやすい部材であり、維持管理費を考え耐摩耗性鋼を使用するほか、摩耗箇所の交換が細かく自由にできるように、打撃個体をフレキシブルに連結した打撃部材とした方が得策である。通常は3〜4個の打撃個体をフレキシブルに連結した打撃部材とし、摩耗状況を見て打撃部材の両端を入れ替えて取り付けたり、摩耗箇所の打撃個体を交換して破砕物の品質の安定を図る。この打撃個体22の形状としては、図2、図4及び図5に示されるように、通常の船舶係留用チエーン形のほか、球形、円形、六角柱形、四角柱形などのものがフレキシブルに連結されて使用される。また、その材質としては最も激しい摩耗を受けることから、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデンなどを多く含んだ耐摩耗性鋼を加工したり、鋳型成形したものが使用される。この場合、図4に示されるように、打撃個体として一体物を使用することも可能であるが、打撃部材の部位により摩耗量が大きく異なるので、適時その摩耗した打撃個体を交換した方が得策である。すなわち、図5に示されるように、打撃個体の中央部を中空にしボルト21やワイヤ等でこれらの打撃個体をフレキシブルに連結し、端部をナット23や楔などで固定した打撃部材を用いると、破砕物の品質と経済性を確保する上で有利である。なお、図5におけるスペーサ24は挿入しなくてもよいが、挿入した方が打撃個体がより自由に回転可能となり、個体の摩耗が全面にわたり均等になるので、破砕能力の維持と交換時期の延長に対して効果的である。
ところで、この打撃部材の先端と処理容器の内壁との隙間14は、原材料の処理量と破砕物の粒径、粒形、粒度、吸水率などの品質とその安定化のために極めて重要な意味を持つ。すなわち、打撃部材の回転速度が通常は500〜1500rpmと非常に速いため、破砕物の落下は主として上記の隙間から行われる。このため、処理量が少量であれば隙間が大きいと破砕物は即時に落下するため適当に狭い方がよく、逆に処理量が多い場合は隙間が狭いと破砕物は打撃部材間に滞留してモータに大きな負荷を与え、限度を越えると異常停止となるため、隙間は適当に大きくした方がよい。
砕石からの骨材製造や粒形改善、コンクリート廃材の骨材再生、廃棄瓦や廃棄陶磁器の再生処理などの実験において、原材料の処理量、打撃部材の回転数、打撃部材の先端と処理容器の内壁との隙間などの製造条件を種々変化させて検討した結果、この隙間と製造する破砕物の最大粒径との比(g/d)とその最大粒径(d)との関係は、図6に示されるような関係の場合が破砕処理が適切に行われることが分かった。すなわち、上記の種々の製造要因を適切に設定しなければ望ましい品質の破砕物は得られないばかりか、最悪の場合はモータに過負荷を与え異常停止となる。図6から分かるように、隙間と最大粒径との比は特に望ましい範囲として、最大粒径2.5mmを製造する場合2〜8、5mmを製造する場合2〜6、20mmを製造する場合1.5〜3、40mmを製造する場合1〜1.5程度となった。
また、同実験から得られた原材料の処理量の変化に伴う破砕処理に必要な打撃部材の打撃エネルギーを示すと、砕石からの砕砂製造の場合は図7、コンクリート廃材からの骨材再生の場合は図8のようである。ここで打撃エネルギーとは、打撃部材の運動エネルギーから誘導されるもので、単位長さ当たりの打撃部材の質量、打撃部材の回転数の二乗及び打撃部材の長さの三乗に比例するものである。このように実際に製造する場合は、製造量すなわち処理量に応じて適切な隙間と必要な打撃エネルギーを設定することが重要であり、これが不適切であれば望ましい破砕物は製造されないことになる。
以上の結果から、打撃部材の先端と処理容器の内壁との隙間は極めて重要な要素となり、処理機においてこの距離を適切に設定できることが、目標とする破砕物の品質を確保し、安定的にかつ安全に製造するための不可欠な条件となる。このような事実から、本発明においては打撃部材を任意位置に取り付けるために、図3に示されるように所定位置に幾つかの取付け穴を配置した回転軸周り返し羽根を使用することを一つの特徴とする。実際上は、取付け穴の位置は無数に考えられるが、図3の例1ではその穴の位置を回転軸方向に順次近づけて配置する場合を、例2は中心を通る軸線上に2個ずつ配置した場合の例を示す。なお、この隙間を任意に設定する方法としては、このほかにも、打撃個体の長さを変えて調整する方法、打撃部材をボルトのねじにより調整する方法なども考えられる。
軸受部7及び8は、高速回転する回転軸を保持するもので、既製品のピロやスラストベアリングなどからなる。通常この部分には給油装置を取り付けるとともに、下部軸受部は大きな荷重がかかるために強固で耐久性の高い構造とする必要がある。
モータ9は本処理機の動力源であり、通常はインバータにより回転速度が制御される。また、モータの容量は原材料の処理量、塊の大きさ、材質など負荷変動に対処し良質の破砕物を確保するために、通常は原材料の処理量、破砕物の粒径、隙間などの製造条件から必要と考えられる打撃エネルギーの1.5〜2倍の容量のものとする。
図9は、本発明の破砕処理機を用いて岩石塊から骨材を製造する場合やコンクリート廃材から骨材再生を行う場合の骨材製造システムの一例である。図に示すように、大きな岩塊や廃材はまずクラッシャー32で小割りした後、振動ふるい34にかけて100〜30mm程度の粒径の塊状物にした後、ベルトコンベアなどにより本処理機33の投入口から投入し破砕処理する。破砕処理後は下部からベルトコンベアなどにより破砕物を取り出し、製造目的に応じた各種のふるい34を使用して各種の粒径の破砕物に区分し製造する。本処理機では、通常の骨材の製造と同様に湿式と乾式の製造方法が採用できるほか、乾式の製造の場合も粉塵防止のため散水装置や浸水装置を組み込んだり、集塵機を設置すると環境改善に効果がある。
本発明に関わる破砕処理機の一実施形態を略図した縦断正面図 本発明に関わる破砕処理機の一実施形態を略図した要部縦断正面図 本発明に関わる破砕処理機の一実施形態を略図した回転軸周り返し羽根における打撃部材取付け穴の配置図 本発明に関わる破砕処理機の一実施形態を略図した打撃部材の打撃個体の例 本発明に関わる破砕処理機の一実施形態を略図した打撃部材の打撃個体の他の例 本発明に関わる破砕処理機による破砕物の最大粒径とそれに対する打撃部材先端と処理容器内壁の隙間の比との関係グラフ 本発明に関わる破砕処理機により砕石から砕砂製造をする場合の処理量と必要打撃エネルギーとの関係グラフ 本発明に関わる破砕処理機によりコンクリート廃材から骨材再生をする場合の処理量と必要打撃エネルギーとの関係グラフ 本発明に関わる破砕処理機を用いた骨材製造システムの例
符号の説明
1 処理容器
2 回転軸
3 回転軸周り返し羽根
4 容器周り返し羽根
5 打撃部材
6 打撃部材取付けボルト
7 上部軸受部
8 下部軸受部
9 モータ
10 プーリ
11 ベルト
12 原材料投入口
13 破砕物排出口
14 打撃部材先端と処理容器内壁との隙間
15 打撃部材取付け穴
21 ボルト
22 打撃個体
23 ナット
24 スペーサ
31 原材料ビン
32 クラッシャー
33 本破砕処理機
34 振動ふるい
35 骨材ビン

Claims (3)

  1. 縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周囲に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを特徴とする破砕処理機。
  2. 縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周囲に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを可能とした装置において、打撃部材の先端と円筒容器内壁との隙間を任意に調整できるように、この2枚の円盤に複数個の穴を配置し打撃部材の取付けを所定の位置に行うことを特徴とする破砕処理機。
  3. 縦型の円筒容器の中心部に設けられた回転軸に複数本の連鎖状の打撃部材を取り付けこれを一組とした場合に、上下方向にこのような打撃手段を複数組配置し、この一組の打撃部材ごとに回転軸周りに配置した大きな2枚の円盤により、回転速度の遅い回転軸周辺からの破砕物の落下防止とこの2枚の円盤で打撃部材を挟み込みこれに打撃部材の取付けを行うとともに、各打撃部材の少し上部の円筒容器内壁の周辺に穴あき円盤を配置し径方向に広がる破砕物を内部に戻すことを可能とした装置において、打撃部材を構成する打撃個体の形状として一般の船舶係留用などのチエーン形のほか、球形、円柱形、六角柱形、四角柱形などの打撃個体を鎖状にフレキシブルに連結し、必要に応じて打撃個体を交換できるようにしたことを特徴とする破砕処理機。
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