JP6833289B2 - 車両制御装置および車両制御方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係る車両制御装置の概略構成を示す図である。
この車両は動力源としてエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2、第1ギヤ列3、バリエータ20、副変速機30(以下、バリエータ20と副変速機30を合わせて、単に「無段変速機4」という。)、第2ギヤ列5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。第2ギヤ列5には駐車時に変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。
各コントローラ1a、12、100は、路面種別に適合した特性を有している。詳細は、後述する。
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機である。プーリ21、22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダ23a、23bとを備える。油圧シリンダ23a、23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト2 3と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比vRatioが無段階に変化する。
ステップS1では、路面種別判定部50は、ワイパー作動中、振動センサが雨滴を検知、あるいはインターネット経由で走行中の場所が雨の情報に基づき、路面が濡れていると判定する路面状況判定部70の判定結果データを読み込み、処理をステップ2へと移行する。
なお、ここで、路面学習データは、4種類(アスファルト路面、コンクリート路面、ブロック路面、砂利路面)の乾いた路面の学習データを有している。
一致しない場合には、路面種別に応じた制御を禁止し、ステップ9へ移行する。
あるいは、一番安全率が大きいアスファルト路面に応じた制御を行っても良い。
4種類の路面種別のいずれかと一致した場合には、処理をステップS7へ移行する。
なお、具体的な一致する判断は、路面検出データと路面学習データが80%以上の確率で類似であるとの判断で行っている。
なお、本実施例の場合、一番安全率が大きいアスファルト路面に応じた特性としている。
ステップS101では、変速機コントローラ12は、上記ステップS7において路面種別判定部50から入力した路面種別の判定結果に基づいて、前方路面が油圧を低減できる路面か否か判定する。油圧を低減することができると判定するとステップS102へ移行し、油圧を低減することができないと判定するとステップS103へ移行する。
横軸は、アクセル開度、縦軸は、無段変速機油圧、例えばライン圧を示し、無段変速機の変速比及びエンジンの入力トルクに基づき決定される。
車輪のグリップ力が一番高いアスファルト路面が一番油圧が高く、次にコンクリート路面、ブロック路面、最もグリップ力が低い砂利路面を一番油圧を低く設定してある。
車両が高μ路を走行する場合は駆動輪7から受ける大きなトルクの影響でベルト滑りの恐れがあるため、無段変速機4に高い油圧を供給する必要がある。一方、低μ路では、駆動輪7からの大きなトルク入力がないため油圧を下げることができる。このような路面種別に基づいて油圧制御を行うことで、燃費の向上を図りつつベルト滑りを防止することを目的として、変速機コントローラ12は、路面種別判定部50よりの路面種別に応じて、油圧特性を切り替えている。ここで、最も高いアスファルト路面の油圧を基本油圧とし、この基本油圧と、路面種別判定部50により判定された4種類の路面における油圧特性との差を油圧低減量として設定する。
図6は、実施例2に係る油圧変更時の油圧と車速との関係を示す模式図である。縦軸は、無段変速機油圧、例えばライン圧を示し、横軸は現在の車速を示す。ここでは、特定のアクセル開度および無段変速機の変速比における、基本油圧であるアスファルト路面とこれより低μ路である砂利路面の特性を示しており、路面種別ごとにこのようなデータを用意しておく。同一のアクセル開度および同一の無段変速機の変速比では、車速が0から第一の車速V1までは、アスファルト路面から砂利路面に移行する場合の油圧差(油圧低減量)は一定であるが、第一の車速V1から第二の車速V2までは、車速が高くなるほどこの差(油圧低減量)が小さくなるように設定されている。そして、第二の車速V2以上では、アスファルトと砂利との路面種別の違いによる油圧設定量は同一である。つまり、実施例1と同様に、車速が高いほど路面種別による油圧特性の差が小さくなるようにしている。
図7にて、実施例1および2の作動を説明する。
横軸は、時間であり、縦軸は、上から順に、前方路面種別、判定路面種別、走行路面種別、車速および無段変速機の油圧を示している。
実施例1および2の車両制御装置および車両制御方法にあっては、以下に列挙する作用効果を奏する。
(1)変速機コントローラ12は、第一路面に応じた第一油圧を設定し、これより低μ路の第二路面では前記第一油圧よりも低い第二油圧で制御し、同一アクセル開度で第一の車速V1以上かつ第二の車速V2未満で走行するとき、前記第一油圧と第二油圧との差は、車速が高くなるほど小さくなるように制御することとした
よって、低減油圧で走行中に路面判定により油圧を上げる必要がある場合でも、車速に応じた油圧低減量を設定しているため、車両が高μ路に到達する前に油圧を戻すことができ、自動変速機のベルト滑り等を確実に防止することができる。
(2)車両が第二車速以上で走行するとき、第一油圧と第二油圧との差をゼロにするようにした。よって、確実に油圧応答遅れを防止でき、適切な油圧に対し実際の油圧が低すぎることによる変速機の耐久性低下を防止できる。
(3)第一油圧及び第二油圧は、自動変速機の変速比及びエンジンの入力トルクに基づき決定される基本油圧を、前記路面種別判定部により判定された路面種別および車速に応じて補正された油圧として設定するようにした。
よって、路面種別および車速ごとに制御油圧の油圧データを持つ場合に比べ、データ容量を小さくすることができる。
また、路面種別判定部(ADAS)50では、センサ(Laser LIDAR)60で検出した反射光を用いて路面の反射率を算出しているが、センサ(Laser LIDAR)60が独自の制御部を有し路面の反射率を算出してもよい。いずれの形態も本発明の範囲に含まれる。
12 変速機コントローラ(車両制御部)
50 路面種別判定部(ADAS)
60 路面種別センサ(Laser LIDAR)
70 路面状況判定部
Claims (4)
- 光を使った路面の反射率に基づき路面種別を判定する路面種別判定部と、該路面種別判定部の判定結果に基づいて、自動変速機のエンジンのトルクを駆動輪に伝達するとともに駆動輪からのトルクが伝達される部分の油圧制御を行う変速機コントローラと、
を備えた車両制御装置において、
前記変速機コントローラは、第一路面に応じた第一油圧を設定し、これより低μ路の第二路面では前記第一油圧よりも低い第二油圧で制御し、
同一アクセル開度で第一の車速以上かつ第二の車速未満で走行するとき、前記第一油圧と第二油圧との差は、車速が高くなるほど小さくなるように制御すること、
を特徴とする車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置において、
前記車両が第二車速以上で走行するとき、前記第一油圧と第二油圧との差がゼロであること、
を特徴とする車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置において、
前記第一油圧及び第二油圧は、自動変速機の変速比及びエンジンの入力トルクに基づき決定される基本油圧を、前記路面種別判定部により判定された路面種別および車速に応じて補正された油圧として設定する、
ことを特徴とする車両制御装置。 - 光を使った路面の反射率に基づき路面種別を判定する路面種別判定部と、該路面種別判定部の判定結果に基づいて、自動変速機のエンジンのトルクを駆動輪に伝達するとともに駆動輪からのトルクが伝達される部分の油圧制御を行う変速機コントローラとを備え、
路面種別に基づいて、車両の制御を行う車両制御方法であって、
光を使った路面の反射率に基づき路面種別を判定するステップと、
路面種別に基づいて自動変速機の油圧制御を行うステップと、
車速センサから車速を取得するステップと、
を含み、
前記変速機コントローラは、路面種別に基づいて自動変速機の油圧を低減するとき、車速が高くなるほど油圧低減量を小さくすることを特徴とする車両制御方法。
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