JP6833104B1 - 波面計測装置及び波面計測方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、光を出射する光源が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源であれば、イメージセンサにより受光された複数の被検光におけるそれぞれの像の形状が異方的になることがある。イメージセンサにより受光された複数の被検光におけるそれぞれの像の形状が異方的である場合、光の波面が平面波であっても、複数の被検光におけるそれぞれの像の重心位置と、撮像中心位置とがずれることがあり、位置ずれの大きさは、被検光の像の形状に依存する。したがって、光の局所的な波面の傾き以外の要因で、複数の被検光におけるそれぞれの像の重心位置が、撮像中心位置からずれるため、当該波面計測装置のコンピュータが、複数の被検光におけるそれぞれの像の重心位置を算出しても、波面を算出することができないことがあるという課題があった。
図1は、実施の形態1に係る波面計測装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る波面計測装置における波面計測部8のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、光源1は、光を被検体2に向けて出射する。図1に示す波面計測装置では、光源1が波面計測装置の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、光源1が波面計測装置の内部に設けられていてもよい。
被検体2は、光源1から出射された光を透過させる物体、又は、光源1から出射された光を反射させる物体である。被検体2としては、レンズ又は鏡等が考えられる。
リレー光学系3は、被検体2を透過してきた光の瞳、又は、被検体2により反射された光の瞳を、後述する波面分割部4に転写する光学系である。
波面分割部4は、リレー光学系3を通ってきた光を空間的に複数の光に分割するものであり、レンズ4−1〜4−Nは、リレー光学系3を通ってきた光を、後述する受光部6における撮像面6aの互いに異なる位置に集光する。
複数のレンズ4−1〜4−Nは、例えば、図5に示すように、格子状に配置されている。しかし、複数のレンズ4−1〜4−Nの配置は、格子状の配置に限るものではなく、例えば、ハニカム状の配置であってもよい。
なお、レンズアレイに含まれている複数のレンズの間の領域は、リレー光学系3を通ってきた光を透過さないように、黒色に塗られている。しかし、複数のレンズの間の領域は、リレー光学系3を通ってきた光を透過させなければよく、当該光を吸収、又は、当該光を散乱させるような色が塗られていてもよいし、当該光を吸収、又は、当該光を散乱させるような加工が施されていてもよい。
制御回路5は、撮像の露光条件を示す制御信号を受光部6に出力するほか、受光部6により形成された像61を示す電気信号の読み出しを指示する制御信号を、後述する読み出し部7に出力する。
受光部6の撮像面6aは、波面分割部4と対向しており、複数のレンズ4−1〜4−Nによって、複数の光が集光される。
受光部6は、複数のレンズ4−1〜4−Nによって、撮像面6aに集光されたそれぞれの光を受光して、それぞれの光の像61を形成する。
受光部6は、形成したそれぞれの像61を示す電気信号を読み出し部7に出力する。
撮像面6aに配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)のサイズ6bは、1つのレンズ4−n(n=1,・・・,N)により光が集光される領域4a−nのサイズ4bよりも十分に小さい(図8を参照)。図8については後述する。
撮像面6aには、1つのレンズ4−n(n=1,・・・,N)に対して、例えば、(16×16)〜(100×100)の画素6a−mが、例えば、格子状に配置されている。1つのレンズ4−n(n=1,・・・,N)に対して、(16×16)〜(100×100)の画素6a−mが配置されている場合、撮像面6aに配置される画素6a−mの個数は、16×16×N〜100×100×Nである。図8では、N=16、M=256である。
撮像面6aにおける領域4a−1〜4a−Nのそれぞれに配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−nによって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
相対位置演算部9は、例えば、図2に示す相対位置演算回路21によって実現される。
相対位置演算部9は、読み出し部7から出力された電気信号を取得する。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、受光部6により形成された複数の像61の間の相関を演算することによって、複数の像61の相対位置を演算する。
相対位置演算部9は、演算した複数の像61の相対位置を波面算出部10に出力する。
波面算出部10は、相対位置演算部9により演算された相対位置から、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
波面算出部10は、算出した波面を外部に出力する。
ここで、相対位置演算回路21及び波面算出回路22のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、波面計測部8が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
波面計測部8が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、相対位置演算部9及び波面算出部10の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
レンズ等の光学部品、又は、人間の瞳等は、光が透過する。光学部品の中を光が透過、又は、人間の瞳の中を光が透過することによって、光の位相の空間分布が変化する。また、鏡等の光学部品は、光を反射させる。光学部品が光を反射させることによって、光の位相の空間分布が変化する。光は、電磁波であるため、位相の空間分布は、光の波面に相当する。
光の波面を計測する波面計測装置として、例えば、シャック・ハルトマン方式の波面センサが知られている。
図1に示す波面計測装置は、シャック・ハルトマン方式の波面センサと同様に、複数のレンズ4−1〜4−Nを含んでいるレンズアレイによって実現される波面分割部4と、受光部6とを備えている。
図1に示す波面計測装置は、シャック・ハルトマン方式の波面センサに含まれている従来の波面計測部と異なる波面計測部8を備えており、波面計測部8は、相対位置演算部9と、波面算出部10とを備えている。
図4は、被検体2を透過してきた光等の波面が平面波である例を示しており、図5は、被検体2を透過してきた光等が、球面波である例を示している。
図6は、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源であるときに、受光部6により形成される複数の像61と、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面とを示す説明図である。図6は、被検体2を透過してきた光等が、球面波である例を示している。
図4〜図6において、x方向は、レンズ4−n(n=1,・・・,N)における2つの並び方向及び画素6a−m(m=1,・・・,M)における2つの並び方向のうち、図中、横方向の並び方向と対応している。y方向は、レンズ4−n(n=1,・・・,N)における2つの並び方向及び画素6a−m(m=1,・・・,M)における2つの並び方向のうち、図中、縦方向の並び方向と対応している。
光源1は、光を被検体2に向けて出射する。
被検体2は、レンズ等の光学部品であれば、光源1から出射された光を透過させる。
被検体2は、鏡等の光学部品であれば、光源1から出射された光を反射させる。
リレー光学系3は、被検体2を透過してきた光の瞳、又は、被検体2により反射された光の瞳を波面分割部4に転写する。
即ち、波面分割部4のレンズ4−1〜4−Nは、図4〜図6に示すように、リレー光学系3を通ってきた光を、受光部6における撮像面6aの互いに異なる位置に集光する。
受光部6は、撮像面6aに集光されたそれぞれの光を受光して、それぞれの光の像61を形成する。
即ち、撮像面6aの領域4a−n(n=1,・・・,N)に配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−nによって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
読み出し部7は、制御回路5から、電気信号の読み出しを指示する制御信号を受けると、領域4a−n(n=1,・・・,N)に配置されている画素6a−1〜6a−Mのそれぞれから電気信号の読み出しを行う。
読み出し部7は、読み出したそれぞれの電気信号を波面計測部8の相対位置演算部9に出力する。読み出し部7により読み出されたそれぞれの電気信号が示す像61の配列は、“Hartmanngram”と呼ばれる。
相対位置演算部9は、読み出し部7から出力されたそれぞれの電気信号を取得する(図7のステップST1)。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、受光部6により形成された複数の像61の間の相関を演算することによって、複数の像61の相対位置を演算する(図7のステップST2)。
相対位置演算部9は、演算した複数の像61の相対位置を波面算出部10に出力する。
相対位置演算部9による相対位置の演算処理の詳細については、後述する。
光源1が点光源であれば、受光部6により形成される像61の形状が等方的である。被検体2を透過してきた光等の波面が平面波であれば、図4に示すように、レンズ4−n(n=1,・・・,N)によって集光される光の位置は、撮像面6a上の位置のうち、レンズ4−nの中心位置に対応する位置(以下、「撮像中心位置」と称する)と概ね一致する。撮像中心位置は、x方向の撮像中心線と、y方向の撮像中心線とが交差する位置である。図4は、x方向の撮像中心線を1本だけ表しているが、レンズ4−nがy方向に例えばK(Kは、2以上の整数)個配置されていれば、K本の撮像中心線がある。また、図4は、y方向の撮像中心線を1本だけ表しているが、レンズ4−nがx方向に例えばL(Lは、2以上の整数)個配置されていれば、L本の撮像中心線がある。なお、図4〜図6では、K=10、L=10である。
光源1が点光源であっても、被検体2を透過してきた光等の波面が、平面波以外の球面波等である場合、図5に示すように、レンズ4−nによって集光される光の位置は、撮像中心位置からずれる。
光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源である場合も、被検体2を透過してきた光等の波面が、平面波以外の球面波等であれば、図6に示すように、レンズ4−nによって集光される光の位置は、撮像中心位置からずれる。
レンズ4−nによって集光される光の位置ずれと、波面分割部4に入射される光の局所的な波面の傾きとの間に相関がある。したがって、光の位置ずれが求まれば、例えば、以下の非特許文献1に開示されている波面の算出方法を用いて、光の波面を求めることができる。レンズ4−1〜4−Nによって集光されるそれぞれの光の位置ずれは、受光部6により形成される複数の像61の相対位置から求めることができる。
[非特許文献1]
国立天文台報 vol.2 No.2 “シャック・ハルトマン鏡面測定装置のデータ処理”
図8は、N=16、M=256の例を示しており、16個のレンズ4−1〜4−16が格子状に配置されている。また、1つのレンズ4−nに対応している256個の画素6a−1〜6a−256が格子状に配置されている。
4bは、領域4a−n(n=1,・・・,16)のサイズである。図8に示すサイズ4bは、領域4a−nのx方向のサイズを示している。領域4a−nのy方向のサイズは、領域4a−nのx方向のサイズ4bと同じである。
6bは、画素6a−m(m=1,・・・,M)のサイズである。図8に示すサイズ6bは、画素6a−mのx方向のサイズを示している。画素6a−mのy方向のサイズは、画素6a−mのx方向のサイズ6bと同じである。図8では、サイズ6bは、サイズ4bの16分の1である。
図9Aにおいて、横軸は、図8に示す画素6a−1〜6a−256のx方向の並び方向に対応している。縦軸は、光の強度である。
光強度分布41は、レンズ4−7により集光された光の強度分布である。光強度分布41は、受光部6の画素6a−1〜6a−256によって、像61が形成される前の光の強度分布であるため、連続的な強度分布になっている。42は、ノイズ成分である。
図9Bは、受光部6により形成された複数の像61のうち、レンズ4−7により集光された光の像61の強度分布を示す説明図である。
図9Bにおいて、横軸は、図8に示す画素6a−1〜6a−256のx方向の並び方向に対応している。縦軸は、像61の強度である。
受光部6が光の像61を形成することで、図9Aに示す連続的な光強度分布41は、画素6a−1〜6a−256におけるそれぞれのサイズ6bに対応する離散的な点像強度分布43に変換される。43aは、点像強度分布43の分布幅であり、図9Bでは、点像強度分布43の分布幅43aが、サイズ6b×3である。44は、ノイズ成分である。
45は、光強度分布41がx方向に広がったときに、点像強度分布43の分布幅43aが、x方向に広がることが可能な範囲(以下、「広がり可能範囲」と称する)である。
一方、点像強度分布43の分布幅43aが大き過ぎて、分布幅43aがサイズ4bに近くなると、点像強度分布43に係る画素の数が多くなり、広がり可能範囲45が相対的に狭くなる。広がり可能範囲45が相対的に狭くなることによって、測定可能な波面の傾斜の幅が減少する。
したがって、点像強度分布43の分布幅43aは、サイズ6bよりも大きく、かつ、サイズ4bよりも十分に小さいことが望ましい。
ただし、図10では、図8と異なり、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射している。
図10は、図8と同様に、N=16、M=256の例を示しており、16個のレンズ4−1〜4−16が格子状に配置されている。また、1つのレンズ4−nに対応している256個の画素6a−1〜6a−256が格子状に配置されている。
像61−7’は、レンズ4−7により集光された光の像61の一部であり、像61−7’は、自動車の形状を表している。
図11Aにおいて、横軸は、図10に示す画素6a−1〜6a−256のx方向の並び方向に対応している。縦軸は、光の強度である。
光強度分布51は、レンズ4−7により集光された光の一部の強度分布である。光強度分布51は、受光部6の画素6a−1〜6a−256によって、像61−7’が形成される前の光の強度分布であるため、連続的な強度分布になっている。
図11Bは、像61−7’の強度分布を示す説明図である。
受光部6が像61−7’を形成することで、図11Aに示す連続的な光強度分布51は、画素6a−1〜6a−256におけるそれぞれのサイズ6bに対応する離散的な広がり像強度分布52に変換される。52aは、広がり像強度分布52の分布幅であり、図11Bでは、広がり像強度分布52の分布幅52aが、サイズ6b×12である。
したがって、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源である場合、光源1が点光源である場合よりも、広がり可能範囲45が相対的に狭くなることがある。広がり可能範囲45が相対的に狭くなることによって、測定可能な波面の傾斜の幅が減少する。
ここでは、説明の便宜上、図12に示すように、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源であるものとする。
図12は、受光部6により形成された16個の像61−1〜61−16の相対位置を示す説明図である。図12では、受光部6により形成された複数の像61を区別するために、像61−1〜61−16のように表記している。
図12では、像61−1〜61−16の形状が、例えば、回転対称のような対称性がない、自動車の形状である。
図12において、●は、像61−1〜61−16の相対位置を示している。
16個の像61−1〜61−16のうち、例えば、像61−1の位置が、相対位置の基準位置であるとすれば、相対位置演算部9が、像61−1と、像61−j(j=2,・・・,16)とのパターンマッチング処理を実施することによって、像61−1〜61−16の相対位置を求めることができる。
図12では、像61−7の位置が、相対位置の基準位置であるとして、像61−7に対する像61−8の相対位置を求めている。
以下、像61−7に対する像61−8の相対位置の演算処理を例示する。
像61−7は、受光部6により形成された複数の像61のうち、レンズ4−7により集光された光の像である。像61−8は、受光部6により形成された複数の像61のうち、レンズ4−8により集光された光の像である。
また、相対位置演算部9は、読み出し部7から出力された複数の電気信号のうち、領域4a−8に含まれている画素6a−m(m=1,・・・,256)から出力された電気信号Ii(x,y)を取得する。電気信号Ii(x,y)は、画素6a−mにより撮像された光の強度を示している。(x,y)は、領域4a−8内の画素6a−mの座標を示している。また、(x,y)は、図中、領域4a−8内の左上隅に存在する画素を起点としており、x=1,2,・・・,16、y=1,2,・・・,16である。
次に、相対位置演算部9は、以下の式(1)に示すように、像61−8をx方向に変位δxだけシフトし、像61−8をy方向に変位δyだけシフトしたときの残差の和ESSD(δx,δy)を算出する。
相対位置演算部9は、例えば、最尤法を用いて、残差の和ESSD(δx,δy)が最小となる変位δx及び変位δyのそれぞれを求める。
相対位置演算部9は、残差の和ESSD(δx,δy)が最小となる変位δxを、像61−7に対する像61−8のx方向の相対位置として、波面算出部10に出力する。また、相対位置演算部9は、残差の和ESSD(δx,δy)が最小となる変位δyを、像61−7に対する像61−8のy方向の相対位置として、波面算出部10に出力する。
以下、波面算出部10による波面の算出処理を具体的に説明する。
波面算出部10は、内部メモリに格納されている位置ずれと、相対位置演算部9により算出された複数の像61の相対位置とに基づいて、受光部6により形成された複数の像61におけるそれぞれの位置と、複数の像61におけるそれぞれの撮像中心位置との位置ずれを算出する。
受光部6により形成された複数の像61のうち、相対位置の基準位置に存在している像61が、例えば、像61−1であり、像61−1の位置と、像61−1の撮像中心位置との位置ずれがLg1であるとする。
このとき、像61−1と像61−nとの相対位置がδ1−nであるとすると、像61−nの位置と、像61−nの撮像中心位置との位置ずれLgnは、以下の式(2)のように表される。
Lgn=δ1−n+Lg1 (2)
波面算出部10は、複数の像61におけるそれぞれの位置ずれから、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
複数の像61におけるそれぞれの位置ずれから波面を算出する処理自体は、公知であり、例えば、非特許文献1に記載されている“シャック・ハルトマン鏡面測定装置のデータ処理”を用いれば、複数の像61におけるそれぞれの位置ずれから、波面を算出することができる。
波面算出部10は、算出した波面を外部に出力する。
光源1が点光源であっても、レンズ4−nによって集光される光の位置ずれと、波面分割部4に入射される光の局所的な波面の傾きとの間に相関があるため、相対位置演算部9が、複数の点像の相対位置を演算し、波面算出部10が、複数の点像の相対位置から波面を算出するようにしてもよい。
しかし、これは一例に過ぎず、相対位置演算部9が、以下の式(3)に示すように、像61−8をx方向に変位δxだけシフトし、像61−8をy方向に変位δyだけシフトしたときの相互相関関数ECC(δx,δy)を算出する。そして、相対位置演算部9が、像61−7に対する像61−8のx方向の相対位置として、相互相関関数ECC(δx,δy)が最大となる変位δxを求め、像61−7に対する像61−8のy方向の相対位置として、相互相関関数ECC(δx,δy)が最大となる変位δyを求めるようにしてもよい。
まず、相対位置演算部9は、Ii(x,y)を以下の式(4)に示すようにフーリエ変換し、IRef(x,y)を以下の式(5)に示すようにフーリエ変換する。
式(4)及び式(5)において、F[]は、フーリエ変換を示す記号であり、u,vは、周波数領域での変数である。
次に、相対位置演算部9は、以下の式(6)に示すように、Ii(u,v)とIRef(u,v)との積で表される相互パワースペクトルP(u,v)を算出する。
相互パワースペクトルP(u,v)は、Wiener−Khinchinの定理より、以下の式(7)のように表される。
相対位置演算部9は、相互パワースペクトルP(u,v)を逆フーリエ変換することで、相互相関関数ECC(δx,δy)を算出する。
複数の像61の相対位置を演算する方法は、残差の和ESSD(δx,δy)が最小となる変位δx,δyを求める方法に限るものではない。
相対位置演算部9は、例えば、SSD(Sum of Squared Difference)法、SAD(Sum of Absolute Difference)法、相互相関法(Cross Correlation)、正規化相互相関(NCC:Normalized Cross Correlation)法、零平均正規化相互相関(ZNCC:Zero means Normalized Cross Correlation)法、又は、位相限定相関(POC:Phase−Only Correlation)法を用いて、複数の像61の相対位置を演算するようにしてもよい。
実施の形態2では、複数の波長選択部71−1〜71−N及び切替部72を備える波面計測装置について説明する。
選択部70は、複数の波長選択部71−1〜71−Nを備えている。本明細書では、波長選択部71−1〜71−Nのうち、いずれかの波長選択部を区別しない場合は、波長選択部71のように表記する。
複数の波長選択部71−1〜71−Nのうち、互いに隣り合う位置に配置される波長選択部71は、互いに異なる波長成分を選択する。また、複数の波長選択部71−1〜71−Nのうち、互いに同一の波長成分を選択する2つ以上の波長選択部71は、飛び飛びに配置されている。
波長選択部71−n(n=1,・・・,N)は、例えば、カラーフィルタによって実現される。
波長選択部71−nは、リレー光学系3を通ってきた光に含まれている複数の波長成分のうち、いずれか1つの波長成分を選択する。
波長選択部71−nは、選択した波長成分をレンズ4−nに与える。
複数の波長選択部71−1〜71−Nのうち、同じ組に属している2つ以上の波長選択部71は、互いに同一の波長成分を選択する。
複数の波長選択部71−1〜71−Nのうち、或る組に属している2つ以上の波長選択部71は、他の組に属している2つ以上の波長選択部71と異なる波長成分を選択する。
切替部72は、制御回路5から出力される制御信号に従って、複数の組の中で、属している波長選択部71による波長成分の選択が有効である組と、波長成分の選択が無効である組との切り替えを行う。
図14において、81は、リレー光学系3を通ってきた光の波長の範囲を示している。
波長の範囲81は、波長λ0〜λ5の範囲である。
波長81aは、波長の範囲81に含まれており、中心波長がλ1である。
波長81bは、波長の範囲81に含まれており、中心波長がλ2である。
波長81cは、波長の範囲81に含まれており、中心波長がλ3である。
波長81dは、波長の範囲81に含まれており、中心波長がλ4である。
λ0<λ1<λ2<λ3<λ4<λ5である。
波長選択部71−1〜71−Nのそれぞれは、リレー光学系3を通ってきた光に含まれている複数の波長成分のうち、波長81aの成分、波長81bの成分、波長81cの成分、又は、波長81dの成分を選択する。
図15では、波長選択部71−1〜71−16が、選択する波長成分によって、4つの組に分かれており、波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11は、同じ組に属している。当該組は、便宜上、組(1)であるとする。
また、波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12は、同じ組に属している。当該組は、便宜上、組(2)であるとする。
波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15は、同じ組に属している。当該組は、便宜上、組(3)であるとする。
また、波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16は、同じ組に属している。当該組は、便宜上、組(4)であるとする。
波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12は、リレー光学系3を通ってきた光に含まれている複数の波長成分のうち、互いに同一の波長成分として、波長81bの成分を選択している。
波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15は、リレー光学系3を通ってきた光に含まれている複数の波長成分のうち、互いに同一の波長成分として、波長81cの成分を選択している。
波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16は、リレー光学系3を通ってきた光に含まれている複数の波長成分のうち、互いに同一の波長成分として、波長81dの成分を選択している。
図1に示す波面計測装置は、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源であり、光の像61の形状が異方的であっても、波面を算出することができる。
しかし、光源1が、点光源から出射される光よりも広がりのある光を出射する光源である場合、光源1が点光源である場合よりも、広がり可能範囲45が相対的に狭くなることがある。広がり可能範囲45が相対的に狭くなることによって、測定可能な波面の傾斜の幅が減少する。
図13に示す波面計測装置は、図1に示す波面計測装置よりも、広がり可能範囲45を広げて、測定可能な波面の傾斜の幅を拡大している。具体的には、以下の通りである。N=16であるものとする。
また、制御回路5は、複数の組(1)〜(4)のうち、組(1)を有効な組として、組(2)〜(4)を無効な組とする旨を示す制御信号を切替部72に出力する。
切替部72は、制御回路5から、(2)〜(4)を無効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(2)に属している波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12による波長成分の選択を無効とする。
また、切替部72は、組(3)に属している波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15による波長成分の選択を無効とし、組(4)に属している波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16による波長成分の選択を無効とする。
波長成分の選択を無効とする方法としては、例えば、選択部70に設置されている波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12等を、選択部70から取り外す機械的な方法が考えられる。
しかし、これは一例に過ぎず、リレー光学系3を通ってきた光が、選択部70に設置されている波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11を透過するように、波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11を電気的に制御するようにしてもよい。
また、リレー光学系3を通ってきた光が、選択部70に設置されている波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12等を透過しないように、波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12等を電気的に制御するようにしてもよい。
撮像面6a内の領域4a−1,4a−3,4a−9,4a−11に配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−1,4−3,4−9,4−11によって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
ただし、組(1)に属している波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11のみが波長成分の選択が有効であるため、領域4a−1,4a−3,4a−9,4a−11以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出しても、当該電気信号が示す像61の強度は概ね0である。したがって、領域4a−1,4a−3,4a−9,4a−11以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出すことは、領域4a−1,4a−3,4a−9,4a−11以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出していないことに相当する。
読み出し部7は、読み出したそれぞれの電気信号を波面計測部8の相対位置演算部9に出力する。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、像61−1,61−3,61−9,61−11の間の相関を演算することによって、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置を演算する。
相対位置演算部9は、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置を波面算出部10に出力する。
波面算出部10は、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置から、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
相対位置演算部9が、像61−1,61−3,61−9,61−11の間の相関を演算する場合、受光部6により形成された像61−1〜6−16の全てを用いて、像61−1〜6−16の間の相関を演算する場合と比べて、広がり可能範囲45が概ね2倍になるため、波面の測定ダイナミックレンジが概ね2倍になる。
切替部72は、制御回路5から、組(2)を有効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(2)に属している波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12による波長成分の選択を有効とする。
切替部72は、制御回路5から、(1)(3)(4)を無効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(1)に属している波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11による波長成分の選択を無効とする。
また、切替部72は、組(3)に属している波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15による波長成分の選択を無効とし、組(4)に属している波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16による波長成分の選択を無効とする。
撮像面6a内の領域4a−2,4a−4,4a−10,4a−12に配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−2,4−4,4−10,4−12によって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
ただし、組(2)に属している波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12のみが波長成分の選択が有効であるため、領域4a−2,4a−4,4a−10,4a−12以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出しても、当該電気信号が示す像61の強度は概ね0である。したがって、領域4a−2,4a−4,4a−10,4a−12以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出すことは、領域4a−2,4a−4,4a−10,4a−12以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出していないことに相当する。
読み出し部7は、読み出したそれぞれの電気信号を波面計測部8の相対位置演算部9に出力する。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、像61−2,61−4,61−10,61−12の間の相関を演算することによって、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置を演算する。
相対位置演算部9は、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置を波面算出部10に出力する。
波面算出部10は、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置から、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
相対位置演算部9が、像61−2,61−4,61−10,61−12の間の相関を演算する場合、受光部6により形成された像61−1〜6−16の全てを用いて、像61−1〜6−16の間の相関を演算する場合と比べて、広がり可能範囲45が概ね2倍になるため、波面の測定ダイナミックレンジが概ね2倍になる。
切替部72は、制御回路5から、組(3)を有効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(3)に属している波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15による波長成分の選択を有効とする。
切替部72は、制御回路5から、(1)(2)(4)を無効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(1)に属している波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11による波長成分の選択を無効とする。
また、切替部72は、組(2)に属している波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12による波長成分の選択を無効とし、組(4)に属している波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16による波長成分の選択を無効とする。
撮像面6a内の領域4a−5,4a−7,4a−13,4a−15に配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−5,4−7,4−13,4−15によって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
ただし、組(3)に属している波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15のみが波長成分の選択が有効であるため、領域4a−5,4a−7,4a−13,4a−15以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出しても、当該電気信号が示す像61の強度は概ね0である。したがって、領域4a−5,4a−7,4a−13,4a−15以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出すことは、領域4a−5,4a−7,4a−13,4a−15以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出していないことに相当する。
読み出し部7は、読み出したそれぞれの電気信号を波面計測部8の相対位置演算部9に出力する。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、像61−5,61−7,61−13,61−15の間の相関を演算することによって、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置を演算する。
相対位置演算部9は、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置を波面算出部10に出力する。
波面算出部10は、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置から、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
相対位置演算部9が、像61−5,61−7,61−13,61−15の間の相関を演算する場合、受光部6により形成された像61−1〜6−16の全てを用いて、像61−1〜6−16の間の相関を演算する場合と比べて、広がり可能範囲45が概ね2倍になるため、波面の測定ダイナミックレンジが概ね2倍になる。
切替部72は、制御回路5から、組(4)を有効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(4)に属している波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16による波長成分の選択を有効とする。
切替部72は、制御回路5から、(1)〜(3)を無効な組とする旨を示す制御信号を受けると、組(1)に属している波長選択部71−1,71−3,71−9,71−11による波長成分の選択を無効とする。
また、切替部72は、組(2)に属している波長選択部71−2,71−4,71−10,71−12による波長成分の選択を無効とし、組(3)に属している波長選択部71−5,71−7,71−13,71−15による波長成分の選択を無効とする。
撮像面6a内の領域4a−6,4a−8,4a−14,4a−16に配置されている画素6a−m(m=1,・・・,M)は、制御回路5から出力された制御信号が示す露光条件に従って、レンズ4−6,4−8,4−14,4−16によって集光された光を撮像し、撮像した光を電気信号に変換する。
ただし、組(4)に属している波長選択部71−6,71−8,71−14,71−16のみが波長成分の選択が有効であるため、領域4a−6,4a−8,4a−14,4a−16以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出しても、当該電気信号が示す像61の強度は概ね0である。したがって、領域4a−6,4a−8,4a−14,4a−16以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出すことは、領域4a−6,4a−8,4a−14,4a−16以外の領域に配置されている画素6a−mから電気信号を読み出していないことに相当する。
読み出し部7は、読み出したそれぞれの電気信号を波面計測部8の相対位置演算部9に出力する。
相対位置演算部9は、取得した電気信号に基づいて、像61−6,61−8,61−14,61−16の間の相関を演算することによって、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置を演算する。
相対位置演算部9は、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置を波面算出部10に出力する。
波面算出部10は、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置から、被検体2を透過してきた光、又は、被検体2により反射された光の波面を算出する。
相対位置演算部9が、像61−6,61−8,61−14,61−16の間の相関を演算する場合、受光部6により形成された像61−1〜6−16の全てを用いて、像61−1〜6−16の間の相関を演算する場合と比べて、広がり可能範囲45が概ね2倍になるため、波面の測定ダイナミックレンジが概ね2倍になる。
しかし、これは一例に過ぎず、相対位置演算部9が、例えば、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置のみを演算するようにしてもよいし、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置のみを演算するようにしてもよい。また、相対位置演算部9が、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置のみを演算するようにしてもよいし、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置のみを演算するようにしてもよい。
実施の形態2の波面計測装置では、波面分割部4のレンズ4−1〜4−Nと、波長選択部71−1〜71−Nとが別々に設置されている。
しかし、これは一例に過ぎず、例えば、図16に示すように、レンズ4−1〜4−Nのそれぞれが、複数の波長選択部71−1〜71−Nのうち、いずれか1つの波長選択部71を備えている波面計測装置であってもよい。
図16は、波長選択部71−n(n=1,・・・,N)を含んでいるレンズ4−nの配置と、波長選択部71−1〜71−Nにより選択される波長成分とを示す説明図である。図16では、N=16である。
レンズ4−nが波長選択部71−nを含んでいる波面計測装置でも、図13に示す波面計測装置と同様に動作する。
レンズ4−nが波長選択部71−nを含んでいる波面計測装置では、図13に示す波面計測装置よりも構成の簡略化を図ることができる。
実施の形態4では、相対位置演算部9が、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置と、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置と、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置と、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置とから、受光部6により形成された像61−1〜6−16の相対位置を演算する波面計測装置について説明する。
図18は、実施の形態4に係る波面計測装置における波面計測部8のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図17及び図18において、図1、図2及び図13と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
相対位置演算部11は、例えば、図18に示す相対位置演算回路23によって実現される。
相対位置演算部11は、受光部6により形成された複数の像61のうち、それぞれの組に属する2つ以上の波長選択部71によって選択された波長成分の像61の間の相関を演算することによって、2つ以上の像61の相対位置を演算する。
相対位置演算部11は、演算した全ての2つ以上の像61の相対位置から、受光部6により形成された全ての像61の相対位置を演算する。
相対位置演算部11は、演算した全ての像61の相対位置を波面算出部10に出力する。
ここで、相対位置演算回路23及び波面算出回路22のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
波面計測部8が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、相対位置演算部11及び波面算出部10の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが、図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
相対位置演算部11は、図13に示す相対位置演算部9と同様に、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置と、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置と、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置と、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置とを順番に演算する。
相対位置演算部11は、図19に示すように、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置と、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置と、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置と、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置とを足し合わせる。
相対位置の基準位置が、撮像中心位置がずれている場合、相対位置演算部11は、演算した複数の相対位置を補正し、補正後の複数の相対位置の足し合わせを行うようにする。
複数の相対位置の補正方法は、公知の技術であるため、詳細な説明を省略するが、例えば、相対位置演算部11は、像61−1,61−3,61−9,61−11の相対位置と、像61−1,61−3,61−9,61−11におけるそれぞれの撮像中心位置との位置ずれを求める。
また、相対位置演算部11は、像61−2,61−4,61−10,61−12の相対位置と、像61−2,61−4,61−10,61−12におけるそれぞれの撮像中心位置との位置ずれを求める。
相対位置演算部11は、像61−5,61−7,61−13,61−15の相対位置と、像61−5,61−7,61−13,61−15におけるそれぞれの撮像中心位置との位置ずれを求める。
また、相対位置演算部11は、像61−6,61−8,61−14,61−16の相対位置と、像61−6,61−8,61−14,61−16におけるそれぞれの撮像中心位置との位置ずれを求める。
相対位置演算部11は、像61−1〜61−16におけるそれぞれの位置ずれを、補正後の相対位置として、足し合わせる。
相対位置演算部11が相対位置を足し合わせることにより、像61−1〜61−16の相対位置が得られるため、図19に示す波面計測装置は、図1に示す波面計測装置と同様の波面空間分解能が得られる。
Claims (6)
- 被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光が、複数のレンズのそれぞれによって集光されたのち、受光部によって、前記複数のレンズにより集光されたそれぞれの光の像が形成されると、
前記受光部により形成された複数の像の間の相関を演算することによって、前記複数の像の相対位置を演算する相対位置演算部と、
前記相対位置演算部により演算された相対位置から、前記被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光の波面を算出する波面算出部とを備え、
さらに、前記被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光に含まれている複数の波長成分のうち、それぞれがいずれか1つの波長成分を選択し、それぞれが選択した波長成分を、前記複数のレンズのうちの隣り合うレンズで異なるように、それぞれがいずれか1つのレンズに与える複数の波長選択部と、
前記複数の波長選択部は、複数の組に分けられており、
前記複数の組の中で順番に、属している波長選択部による波長成分の選択が有効である組にするよう、波長成分の選択が有効である組と、波長成分の選択が無効である組とを切り替える切替部とを備え、
前記相対位置演算部は、前記受光部により形成された複数の像のうち、波長成分の選択が有効である組に属している2つ以上の波長選択部により選択された波長成分の像の間の相関を演算することによって、2つ以上の像の相対位置を演算するものであって、前記切替部により波長成分の選択が有効である組が切り替えられる毎に、2つ以上の像の相対位置を演算し、演算した全ての2つ以上の像の相対位置から、前記受光部により形成された全ての像の相対位置を演算することを特徴とする波面計測装置。 - 前記被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光を集光する複数のレンズと、
前記複数のレンズにより集光されたそれぞれの光を受光して、それぞれの光の像を形成する受光部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の波面計測装置。 - 前記複数のレンズのそれぞれは、前記複数の波長選択部のうちのいずれか1つの波長選択部を備えていることを特徴とする請求項1記載の波面計測装置。
- 前記複数の波長選択部のうち、互いに隣り合う位置に配置される波長選択部は、互いに異なる波長成分を選択し、
前記複数の波長選択部のうち、互いに同一の波長成分を選択する2つ以上の波長選択部は、飛び飛びに配置されていることを特徴とする請求項1記載の波面計測装置。 - 前記複数の波長選択部のうち、同じ組に属している2つ以上の波長選択部は、互いに同一の波長成分を選択し、
前記複数の波長選択部のうち、或る組に属している2つ以上の波長選択部は、他の組に属している2つ以上の波長選択部と異なる波長成分を選択することを特徴とする請求項1記載の波面計測装置。 - 被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光が、複数のレンズのそれぞれによって集光されたのち、受光部によって、前記複数のレンズにより集光されたそれぞれの光の像が形成されると、
相対位置演算部が、前記受光部により形成された複数の像の間の相関を演算することによって、前記複数の像の相対位置を演算し、
波面算出部が、前記相対位置演算部により演算された相対位置から、前記被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光の波面を算出し、
複数の波長選択部が、前記被検体を透過してきた光、又は、前記被検体により反射された光に含まれている複数の波長成分のうち、それぞれがいずれか1つの波長成分を選択し、それぞれが選択した波長成分を、前記複数のレンズのうちの隣り合うレンズで異なるように、それぞれがいずれか1つのレンズに与え、
前記複数の波長選択部が、複数の組に分けられており、切替部が、前記複数の組の中で順番に、属している波長選択部による波長成分の選択が有効である組にするよう、波長成分の選択が有効である組と、波長成分の選択が無効である組とを切り替え、
前記相対位置演算部が、前記受光部により形成された複数の像のうち、波長成分の選択が有効である組に属している2つ以上の波長選択部により選択された波長成分の像の間の相関を演算することによって、2つ以上の像の相対位置を演算するものであり、かつ、前記切替部により波長成分の選択が有効である組が切り替えられる毎に、2つ以上の像の相対位置を演算し、演算した全ての2つ以上の像の相対位置から、前記受光部により形成された全ての像の相対位置を演算することを特徴とすることを特徴とする波面計測方法。
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