JP5628857B2 - 2次元像再構成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非破壊検査用の電磁波イメージング技術(近接場、レンズ、SAFT(Synthetic aperture focusing technique)、3Dホログラフィ)において、近傍界計測とSAFTとを組み合わせ、アンテナの近傍領域の放射特性の影響を除去することによって、従来技術における球面波を仮定した2次元像再構成技術よりも像のボケを改善する技術に関する。
通常、電磁波イメージング技術においてボケのない鮮鋭な画像を得るには、できるだけ高い波数情報が必要とされる。非特許文献1によれば、電磁波イメージング装置の分離分解能δは、式(1)に示すように、測定によって取得可能な最高波数kmaxによって制限される。
また、非特許文献2によれば、単一の送受信機を用いた電磁波イメージング装置において、対象物体とアンテナ間の撮像距離を1/10波長以下とすることによる近接場を用いて、電磁波の波長よりも小さな空間的変化を捕捉することによって波長に制限されない波数情報(kmax)を取得し、サブ波長オーダーの物体や欠陥を検出する技術が開示されている。
しかしながら、対象物体とアンテナ間に被覆物が介在するなど、対象物体に対して数波長程度までしか近接できない場合、生じる近接場光は急激に減衰して広がりをもつため、空間分解能が低下し、画像にボケが生じて視認性が劣化してしまう。
そこで、非特許文献3では、上記撮像距離を10波長以内の近傍放射領域に近づけた場合であっても、対象物体からの散乱波の強度及び位相を計測することにより、理論的に波長の1/4の分解能(kmax=2k)が得られる2次元像再構成方法を開示している。
その2次元像再構成方法での測定系を図4に示す。本方法において、単一の送受信機100の走査面AR’は、対象物体Pの物体面ARと平行であると仮定している。
Maryam Ravan、外2名、"Near-Field Microwave Holographic Imaging: Target Localization and Resolution Study"、URSI International Symposium on Electromagnetic Theory (EMTS)、2010年8月、p.396-399 Tatsuo Nozokido、外2名、"Scanning Near-Field Millimeter-Wave Microscopy Using a Metal Slit as a Scanning Probe"、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、VOL. 49、NO. 3、2001年3月、p.491-499 David M. Sheen、外2名、"Three-Dimensional Millimeter-Wave Imaging for Concealed Weapon Detection"、IEEE TRANSACTION ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、VOL. 49、NO.9、2001年9月、p.1581-1592 Mohammad Tayeb Ghasr、外9名、"Rapid Rotary Scanner and Portable Coherent Wideband Q-Band Transceiver for High-Resolution Millimeter-Wave Imaging Applications"、IEEE TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT、VOL. 60、NO. 1、2011年1月、p.186-197
しかしながら、非特許文献3の2次元像再構成方法では、送受信機100のx’−y’走査範囲や、送受信機100に内蔵されたアンテナのビーム幅(散乱波を受信できる最大角度、又は対象物体Pに向かって送信できる最大角度)によって、取得可能な最高波数kmaxは2kよりも小さくなってしまう。
すなわち、図5に示すようにxz平面で検討すると、送受信機100の走査平面上で得られるx軸方向の最高波数kmaxは、対象物体P上の点散乱体Aと送受信機100の受信アンテナ端Bとを結ぶ線分とz軸とのなす角度θ(又は、アンテナのビーム幅θ)より式(2)となり、2kよりも低下することになる。
したがって、送受信機100がx軸方向の無限遠方にある場合には、θ→π/2となりkmax→2kとなることから、最高波数kmaxを2kより低下させないためには、送受信機100の走査平面上で散乱体から十分遠方の計測データを取得する必要がある。
しかし、数波長程度の撮像距離で撮影する場合には、通常、送受信機100の走査範囲はアンテナのビーム幅よりも大きくなるため、前述の如く、最高波数kmaxはアンテナのビーム幅θで制限されることになる。
しかしながら、このような制限が生じるのは、上記2次元像再構成方法において、送受信波が球面波であると仮定し、計測データの信号処理時に位相しか考慮していないためである。
例えば、ホーンアンテナのように指向性の高いアンテナを用いた場合には、走査面上における散乱体遠方では、球面波と仮定して送受信を行った場合に比べて受信する散乱振幅が弱くなる。このため、球面波と仮定した場合と比較して高波数情報が低くなるため、再構成後の像にボケが生じてしまう。
一方、アンテナの開口サイズは小さいほどビーム幅が広くなるので、できるだけ高い波数情報(kmax)を得るには、微小開口サイズのアンテナ(例えば、開口サイズの小さいホーンアンテナやオープンエンド型導波管アンテナ)を使用すればよい(非特許文献4参照)。
しかし、開口サイズを小さくするほど反射特性が劣化して利得が低下するため、電磁波イメージング装置全体のSN比が低下し、微弱な散乱信号強度の変化を捉えられなくなり、空間分解能が低下してしまう。
また、信号処理アルゴリズムに振幅補正項を導入し、波数上の振幅を信号処理時に補正する方法も検討されている。非特許文献1では、単一の受信機で透過散乱波を捉え、散乱波に距離減衰項を導入している。
しかしながら、送受信時のアンテナの開口サイズについて考慮していないため、結局はアンテナのビーム幅によって空間分解能が制限されてしまい、非特許文献3のように送信と受信で同一開口サイズのアンテナを使用した場合には、前述の如く2ksinθまでの最高波数しか得ることができない。
以上より、従来技術によれば、無指向性アンテナと仮定して像の再構成を行っていたため、アンテナのビーム幅に規定される波数帯域の情報しか再構成できなかった。すなわち、受信アンテナの指向性により対象物体からの散乱波の高波数成分を検出できないため、撮像の高解像化が困難であるという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、撮像の高解像化を実現することにある。
請求項1記載の2次元像再構成方法は、対象物体と送受信アンテナ間の距離が近傍界領域において、前記送受信アンテナを前記対象物体の物体平面と平行に2次元走査して取得した電磁波の強度位相分布データを用いて画像表示する電磁波イメージング装置で行う2次元像再構成方法であって、前記電磁波イメージング装置は、前記電磁波イメージング装置で計測された電磁波の強度及び位相の2次元分布データを2次元フーリエ変換処理して計測行列とするステップと、前記送受信アンテナの近傍界領域の強度位相分布データが2乗演算され、2次元フーリエ変換処理された補正行列を記憶手段から読み出すステップと、前記計測行列を前記補正行列で除算するステップと、前記除算された計測行列を2次元逆フーリエ変換処理するステップと、を有し、前記2乗演算される強度位相分布データは、強度と位相で表されるベクトルであることを特徴とする。
本発明によれば、電磁波イメージング装置で計測された電磁波の強度及び位相の2次元分布データを2次元フーリエ変換処理して計測行列とし、送受信アンテナの近傍界領域の強度位相分布データが2乗演算され2次元フーリエ変換処理された補正行列を記憶手段から読み出して、上記計測行列を当該補正行列で除算して2次元逆フーリエ変換処理するため、送受信アンテナの指向性による影響を取り除くことができ、撮像の高解像化が可能になる。
本発明によれば、撮像の高解像化を実現できる。
電磁波イメージング装置の全体構成を示す図である。 単一送受信機で受信される波数スペクトルのシミュレーション結果を示す図である。 撮像結果を示す図である。 2次元像再構成方法の測定系を示す図である。 取得可能な最大波数の説明図である。
本発明は、単一の送受信機で構成される電磁波イメージング装置を用いて受信した強度位相信号を処理することにより、従来よりもボケを改善した像を取得可能な電磁波イメージング装置(2次元像再構成装置)及びその方法を提供する。
具体的には、単一の送受信アンテナから数波長程度の近傍界に設置された物体面上を2次元走査することによって対象物体で反射した電磁波の強度及び位相の2次元分布データを取得し、送受信アンテナの近傍放射界の2乗と物体関数とのコンボリューション形になることを利用する。
これにより、送受信アンテナの持つ指向性の影響を取り除くことが可能となり、アンテナのビーム幅で制限される空間分解能の低下を最小化でき、撮像の高解像化を実現できる。
以下、本実施の形態について説明する前に、従来技術の課題について再度説明しておく。ここで、ひび割れに相当するスリット形状の物体関数fを1次元と仮定し、以下のように定義する。
周波数76.5GHzの電磁波を用いて、無指向性アンテナ又は指向性アンテナからなる単一の送受信機で受信した場合の波数スペクトルのシミュレーション結果を図2に示す。最下列のグラフに示すように、スリットの物体関数fの波数スペクトラムは、波数k=0の成分以外は波数軸に対して平坦である。また、無指向性アンテナの場合には、同図の中列・上から2段目のグラフに示すように、近傍放射界が等方的であるため、スリットからの散乱波の受信波数スペクトラムも波数軸に対して平坦となる。
一方、指向性アンテナの場合には、同図の最右列・上から2段目のグラフに示すように、その波数スペクトラムが高波数ほど低下する特性を持つ。このため、指向性アンテナを用いてスリットを撮像した場合の波数スペクトラムは、波数特性の影響を受け、高い波数ほど振幅が低下することになる。
また、ビーム幅θを経験的に約10dBビーム幅とすると、前述の式(1)及び式(2)より、10dBビーム幅θに相当する波数がkmaxになる。これは、図2のグラフ中のk=0に対して10dB低い部分の波数を指す。無指向性アンテナの場合は、ビーム幅が十分に広い(θ=π/2)のでkmax=2kとなるが、指向性を持つアンテナの場合は、kmax=2ksinθとなる。
従来技術では、無指向性アンテナと仮定して像の再構成を行っていたため、以上説明したように、送受信アンテナのビーム幅に規定される波数帯域の情報しか再構成できなかった。
そこで、本発明では、前述したように送受信アンテナの近傍放射界の2乗と物体関数とのコンボリューション形になることを利用し、送受信アンテナの近傍放射界で計測データを補正することにより、指向性アンテナであっても、無指向性アンテナを用いた場合と同じ波数スペクトラムを取得して、その場合と同じ空間分解能で像の再構成を実現するようにする。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
図1は、本実施の形態に係る電磁波イメージング装置の全体構成を示す図である。本電磁波イメージング装置1は、対象物体に電磁波を送信して反射した電磁波の強度及び位相を計測する送受信部100と、計測された計測データ(電磁波の強度及び位相の2次元分布データ)をアナログ値からデジタル値に変換するA/D変換部200と、デジタル値に変換後の計測データを送受信アンテナの近傍放射界で補正する演算処理部300と、補正後の計測データを画面に表示する表示部400とで主に構成される。
最初に、送受信部100について説明する。送受信部100は、対象物体にRF信号を送信する送信回路と、その対象物体で反射した電磁波を受信する受信回路とを一体化した1つ以上(複数も可)の送受信モジュールにより構成される。
上記送信回路は、RF信号を発生させるRF信号発生器11と、変調信号を発生させる変調信号発生器12と、RF信号を変調信号で強度変調する変調器13と、分配器14を介して強度変調後のRF信号を外部出力して対象物体に照射する送受信アンテナ15とで主に構成される。変調器13には、変調信号が入力されない場合、RF信号発生器11と分配器14との間の電気信号路をオープンにしてRF信号を送受信アンテナ15に出力しないスイッチ機能が具備されている。
上記受信回路は、上記RF信号発生器11と、対象物体で反射した反射信号を受信する上記送受信アンテナ15と、分配器14を介して伝達された反射信号を増幅する増幅器16と、増幅後の反射信号を2分配して一方の位相を0°移相すると共に他方の位相を90°移相する90°ハイブリッド回路17と、RF信号発生器11で発生したRF信号と0°移相後の反射信号とを乗算する第1ミキサ18と、そのRF信号と90°移相後の反射信号とを乗算する第2ミキサ19とで主に構成される。
続いて、送受信部100及びA/D変換部200の動作について説明する。送受信アンテナ15は、対象物体間の距離が例えば10波長以内の近傍界領域になるまで近接された状態で利用される。
まず、RF信号発生器11で発生したRF信号は、変調器13と第1ミキサ18と第2ミキサ19とにそれぞれ分配出力され、変調器13によって変調信号発生器12からの変調信号で強度変調された後に、分配器14を経由して送受信アンテナ15から対象物体に照射される(ステップS101)。
そして、その対象物体で反射した反射信号は、同送受信アンテナ15で受信され、増幅器16によって増幅されて、90°ハイブリッド回路17によって2分配されて他方の位相のみが90°移相された後に、第1ミキサ18と第2ミキサ19とにそれぞれ入力される(ステップS102)。
その後、第1ミキサ18によって、RF信号発生器11からのRF信号と一方の反射信号(0°移相後の反射信号)とがミキシングされ、そのミキシングによる同相信号(I)がA/D変換部200に出力される(ステップS103)。
また、その出力と同時に、第2ミキサ19によって、同RF信号と他方の反射信号(90°移相後の反射信号)とがミキシングされ、そのミキシングによる直交信号(Q)が同A/D変換部200に出力される(ステップS104)。
最後に、A/D変換部200によって、送受信部100から出力されたアナログ値としての同相信号及び直交信号がデジタル値に変換され、変換後の各信号から取得された反射信号の強度及び位相の各データは後段の機能部で利用される(ステップS105)。
なお、実際には、送受信部100とA/D変換部200との間に同相信号と直交信号をそれぞれ抽出する各位相検波器が接続され、各位相検波器及びA/D変換部200により1つのベースバンド回路が形成される。
従来では、以上の各ステップを、送受信アンテナ15を対象物体の物体平面と平行に2次元走査する毎に実行し、電磁波イメージング装置1に具備される距離センサ(図1において不図示)から送信された移動距離データに合わせて、その走査によって取得した電磁波の強度及び位相からなる計測データを表示部400に次々と描画していた。
しかし、前述したように、送受信アンテナ15の指向性により対象物体からの散乱波の高波数成分の受信強度が低いため、撮像の高解像化が困難である。そこで、本実施の形態では、A/D変換された電磁波の強度及び位相の2次元分布データを送受信アンテナ15の近傍放射界で補正する処理を演算処理部300で実行する。
本演算処理部300は、アンテナ近傍放射界2乗演算部31と、アンテナ放射界FFT処理部32と、第1メモリ33と、第2メモリ34と、FFT処理部35と、除算部36と、IFFT処理部37とで主に構成される。
以下、本演算処理部300の動作を説明しながらそれら各機能部の機能について説明する。なお、本演算処理部300は、メモリ等の記憶手段やCPU等の計算手段を具備するコンピュータにより実現可能である。また、本演算処理部300の動作は、プログラムによって実行される。
最初に、アンテナ近傍放射界2乗演算部31が、送受信アンテナ15の近傍界領域の強度位相分布データを取得して2乗演算し、アンテナ放射界FFT処理部32が、その2乗演算後の強度位相分布データを2次元フーリエ変換処理して、その変換後の行列を補正行列として第1メモリ33に記憶させる(ステップS201)。以下、詳述する。
図4に示したように、送受信部100内の送受信アンテナ15がx’,y’位置で受信する受信電界uは、x,y位置に存在する点波源が作る散乱電界の重ね合わせより、式(5)で表される。
但し、uは入射電界、fは物体関数、Apはアンテナ開口電界分布、gはグリーン関数、a,bは開口アンテナのx軸方向,y軸方向の大きさ、である。
また、入射電界uは、送受信アンテナ15の2次元開口端がz位置に作る放射パターンに等しいことから、式(6)で表される。
また、3次元空間において、グリーン関数gは式(7)のように表される。
ここで、式(5)に式(7)を代入すると式(8)となる。
また、式(8)の積分順序を変更すると式(9)となる。
ここで、xap,yapに対する積分は式(6)に等しいので、式(9)は式(10)となる。
従って、受信電界uは最終的に式(11)で表現できる。
式(11)によれば、取得した送受信アンテナ15の近傍界領域の強度位相分布データは、送受信アンテナ15の放射電界分布(強度位相分布)の2乗と物体関数とのコンボリューション形になっていることから、両辺をフーリエ変換することによって、式(12)で表現される。但し、FT2Dは、フーリエ変換を示す。
そして、式(12)を変形すると式(13)となる。
本実施の形態では、式(13)に示す右辺のFT2D[[u(x,y)]]の補正行列データを予め演算して第1メモリ33に格納しておく。この補正行列による除算処理が、無指向性アンテナへの補正処理に相当する。
ここで、FT2D −1が逆フーリエ変換を示すとすると、スリット形状の物体関数fは式(14)で表現される。
すなわち、式(14)の右辺より、計測された受信電界に対して2次元フーリエ変換し、第1メモリ33に記憶された補正行列で除算した後に、2次元逆フーリエ変換することにより、送受信アンテナ15の指向性による影響を排除した波数スペクトラムを取得することができる。
よって、ステップS201の後、演算処理部300は、電磁波イメージング装置1に具備される距離センサから送信された移動距離データに合わせて(対応付けて)、送受信部100で計測された電磁波の強度及び位相の各データを第2メモリ34に順次記憶し、FFT処理部35が、第2メモリ34からその2次元分布データを読み出して2次元フーリエ変換処理して計測行列とする(ステップS202)。
その後、除算部36が、第1メモリ33から読み出した補正行列を用いて上記計測行列を波数空間上で除算し、IFFT処理部37が、その除算後の計測行列を2次元逆フーリエ変換処理する(ステップS203)。
最後に、表示部400が、ステップS202〜S203によって補正処理された2次元分布データに基づく画像全体を画面に描画する(ステップS204)。
なお、ステップS201の前に、送受信アンテナ15の近傍放射界の強度位相分布データを生成する処理を追加してもよい。送受信アンテナ15の開口面電界分布及び開口サイズに基づいて強度位相分布を算出してもよく、別の系を用いて、対象物体と送受信アンテナ間に一致する距離における送受信アンテナの近傍放射界の強度位相分布の測定値を用いてもよい。
以上より、A/D変換後の2次元分布データを送受信アンテナ15の近傍放射界で補正するので、図2の最右列・上から3段目のグラフに示すように、指向性アンテナの場合であっても、その指向性による影響を取り除き、スリットからの散乱波の受信波数スペクトラムを波数軸に対して平坦化することができる。
以下、周波数76.5GHz(波長λ=3.9mm)の電磁波を発生して強度及び位相を検波可能な単一の送受信機と、開口サイズが1.27mm×2.54mmのWR−10導波管アンテナを用いて実施した実験結果について説明する。
なお、計測する対象物体は、0.08−0.20mm幅(≦λ/20)のひび割れが存在するコンクリートである。また、アンテナ開口端と対象物体間の距離zは5mmであり、x−y走査範囲は160mm×120mmである。近傍放射界は、開口面分布を仮定してWR−10導波管の開口サイズを用いて、以下の式(15)から演算した。
図3に、測定した対象物体の可視画像と周波数76.5GHzの電磁波を用いた撮像結果を示す。像再構成処理前後の像を比較すると、処理後の像はボケが改善され非常に鮮鋭な像が得られていることがわかる。また、可視画像と比較しても同じひび割れの像が得られている。この結果は、本実施の形態で説明した2次元像再構成方法が像のピンボケを改善する手法として正確に動作していることを示している。
以上より、本実施の形態によれば、FFT処理部35が、送受信部100で計測された電磁波の強度及び位相の2次元分布データを2次元フーリエ変換処理して計測行列とし、除算部36が、送受信アンテナ15の近傍界領域の強度位相分布データが2乗演算され2次元フーリエ変換処理された補正行列を第1メモリ33から読み出して、上記計測行列を当該補正行列で除算し、IFFT処理部37が、その除算後の計測行列を2次元逆フーリエ変換処理するので、送受信アンテナの指向性による影響を取り除くことができ、無指向性アンテナを用いた場合と同じ分解能を得ることができることから、対象物体の2次元像のボケを従来よりも低減し、撮像の高解像化を実現することができる。
1…電磁波イメージング装置
100…送受信部(送受信機)
11…RF信号発生器
12…変調信号発生器
13…変調器
14…分配器
15…送受信アンテナ
16…増幅器
17…90°ハイブリッド回路
18…第1ミキサ
19…第2ミキサ
200…A/D変換部(A/D変換器)
300…演算処理部
31…アンテナ近傍放射界2乗演算部
32…アンテナ放射界FFT処理部
33…第1メモリ
34…第2メモリ
35…FFT処理部
36…除算部
37…IFFT処理部
40…表示部(表示器)
S101〜S105、S201〜S204…処理ステップ

Claims (1)

  1. 対象物体と送受信アンテナ間の距離が近傍界領域において、前記送受信アンテナを前記対象物体の物体平面と平行に2次元走査して取得した電磁波の強度位相分布データを用いて画像表示する電磁波イメージング装置で行う2次元像再構成方法であって、
    前記電磁波イメージング装置は、
    前記電磁波イメージング装置で計測された電磁波の強度及び位相の2次元分布データを2次元フーリエ変換処理して計測行列とするステップと、
    前記送受信アンテナの近傍界領域の強度位相分布データが2乗演算され、2次元フーリエ変換処理された補正行列を記憶手段から読み出すステップと、
    前記計測行列を前記補正行列で除算するステップと、
    前記除算された計測行列を2次元逆フーリエ変換処理するステップと、を有し、
    前記2乗演算される強度位相分布データは、強度と位相で表されるベクトルであることを特徴とする2次元像再構成方法。
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