JP2009258046A - 偏芯量測定方法、偏芯量測定装置、および偏芯調整装置 - Google Patents

偏芯量測定方法、偏芯量測定装置、および偏芯調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を、高精度で測定する。
【解決手段】レンズ系と光源との間にハルトマン板を配置し、光源からの光を、ハルトマン板が有する点対称に配置された複数の小穴を通してレンズ系に入射し、この組みレンズを射出した光線により得られるハルトマン像を利用するものであり、ハルトマン像の複数のスポット位置について、スポット位置の分布からコマ収差に相当する成分を算出することによって、レンズの偏芯量を求める。
【選択図】図12

Description

本発明は偏芯量測定方法、および偏芯調整装置に関し、組みレンズの組み立て工程におけるレンズの偏芯量の測定、および測定した偏芯量に基づいて行うレンズの偏芯調整に関する。
複数のレンズからなる組みレンズにおいて、レンズが光軸に垂直な方向に対してシフトあるいはティルトといった偏芯が発生する場合があり、この偏芯の除去はレンズの光学系の性能を維持する上で重要な要素である。
ハイビジョン用カメラやコンパクトカメラに代表されるように、近年のレンズ系の高性能化や高画質化には伴って、厳しい偏芯公差が求められている。また、非球面レンズの使用が一般化したことも厳しい偏芯公差が求められる要因となっている。
上記したレンズ系に厳しい偏芯公差が求められる状況から、レンズの組み立て工程で行う偏芯調整や、特定のレンズに微小な偏芯を積極的に加えることによって、他のレンズの収差を補償するコンペンセーションといった偏芯調整に対する要求が高まっている。
レンズ組み立ての際に用いるレンズ系の偏芯測定において、反射偏芯測定によって被検レンズ面の曲率中心を測定する幾何偏芯測定と、透過偏芯測定によって被検レンズ面自体の屈折率不均一性を含んだ焦点を測定する光学偏芯測定とを同時に測定することが提案されている(特許文献1参照)。
上記幾何偏芯測定に対応するものとして、レンズ等の光学素子の被検面の偏芯量を測定する偏芯量測定方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献1には、軸回転可能な基台に被検光学素子を設置し、被検光学素子の被検面に光を照射し、被検光学素子を回転させながら反射光あるいは透過光により光点の移動軌跡を観察することによって被検面の偏芯量を測定する偏芯量測定方法が示されている。
また、上記光学偏芯測定に対応するものとして、透過光を用いて光学素子における被検面の偏芯量を測定する偏芯量測定方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献2では、互いに直交する2つの回折格子の透過光を被検レンズに照射するとともに被検レンズを回転させ、被検レンズの集光スポットを撮像することによって偏芯を計測することが示されている。
特開2007−017431号公報 特開2006−3489号公報 特開平11−287615号公報 レンズ設計法(初版第6刷,1987年) 松居吉哉著 共立出版(株)81頁
光学系では、種々の原因によって光学系を通った実際の結像は理想的な結像から収差と呼ばれるずれが生じる。この光学系の結像性能を乱す収差は、色の波長の違いによって発生する色収差と、単色光において発生する単色収差に分類される。さらに、単色収差は、最も次数の低い3次収差(ザイデル収差)に限れば、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差に分類される。
この内、コマ収差は軸外物点から出た光線が像面上の一点に集まらず入射瞳に対して斜入射する光線群のうちの中心部を通る光と周辺部を通る光とが結像面上で一点に集まらないという現象である。
本出願の発明者は、複数のレンズからなる組みレンズを含むレンズ系において、レンズが光軸に垂直な方向に対してシフトすることによって偏芯した際に、この偏芯をコマ収差として取り扱えることに注目した。
このレンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を、高精度、短時間で測定することは、組みレンズの軸芯調整の精度および効率を高める上で重要な要素である。
上記特許文献2,3に示される従来の偏芯量測定では、以下のような問題点を有しているため、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を測定する際に、精度や測定時間の点、さらに偏芯量の調整効率の点で好適なものとは云えない。
例えば、上記した特許文献2に示される、幾何偏芯を測定する偏芯量測定方法は以下のような問題を含んでいる。
(a)上記偏芯量測定は、被検面の形状から偏芯量を測定する方法であるため、光学的特性を直接的に測定するものではない。
(b)上記偏芯量測定はレンズの偏芯を一面ずつ測定するため、測定および調整の効率が低いという問題がある。
(c)複数のレンズからなる組みレンズの内部に組み込まれたレンズの偏芯量測定には、光学モデルを想定して途中のレンズの影響を考慮に入れる必要があるため、光学モデルと実際の態様とのずれが測定精度に影響するという問題がある。
(d)上記偏芯量測定において透過光を用いた場合には、単体レンズから発生する球面収差によって高い測定精度が望めないという問題がある。
上記した特許文献3に示される、光学偏芯を測定する偏芯量測定によれば、反射光を利用することによる問題点の一部は解消されるものの、この偏芯量測定は、レンズ面の曲率中心とレンズの中心軸とのずれ量という、レンズの幾何学的な形状を測定するものであって、組みレンズのレンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を測定するものではなく、また、以下のような問題も含んでいる。
(e)レンズを回転させる必要があるため、回転軸を高い精度で回転させることが求められる。
(f)トータルな偏芯量を測定する構成であるため、レンズを調整するための具体的な調整量が得られず、調整に時間を要する。
したがって、従来提案される偏芯量測定では、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を高精度で測定し、さらに偏芯量を高効率で調整する上で好適であるとは云えず、偏芯量測定では測定精度の点で問題がある。また、測定した偏芯量を用いた偏芯調整では調整効率の点で問題がある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を高精度で測定することを目的とする。また、測定したコマ収差から得られる偏芯量を用いて高い調整効率を持った偏芯調整を実現することを目的とする。
本発明は、組みレンズの少なくとも一つのレンズの偏芯量を測定する偏芯量測定方法、およびレンズの偏芯を調整する偏芯調整装置にかかるものであり、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差から測定した偏芯量に基づいて組みレンズの少なくとも一つのレンズの光軸からの偏芯を調整するものである。
本発明は、ハルトマン板を通過した光線群を組みレンズに入射し、この組みレンズを射出した光線により得られる像(以下、ハルトマン像という)を利用するものであり、ハルトマン像の複数のスポット位置について、スポット位置の分布からコマ収差に相当する成分を算出することによって、レンズの偏芯量を求める。
ハルトマン像を利用することによって、従来のようにレンズの偏芯を一面ずつ測定するといった多くの工程数を要することなく、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差の偏芯量の測定を、少ない測定回数で求めることができる。さらに、この偏芯量を用いてレンズを移動させることで偏芯量調整を高い効率で行うことができる。
本発明の偏芯量測定方法では、レンズ系と光源との間にハルトマン板を配置し、光源からの光は、前記ハルトマン板が有する点対称に配置された複数の小穴を通してレンズ系に入射する。ハルトマン板に入射した光は、小穴以外の部分は遮蔽され、ハルトマン板の小穴を通過した光のみが組みレンズに入射し、組みレンズを射出した光線は、組みレンズが有するレンズの偏芯量に応じた軌跡を通る。
取得したハルトマン画像上のスポット位置は、ハルトマン板の複数の小穴を通過した複数の光線が撮像面に入射する位置に対応しており、これらの複数のスポット位置からなる各々点対称な小穴により形成された複数のスポット群間の重心のずれ量は、レンズの偏芯量に依存する。
本発明の偏芯量測定方法は、複数のスポットからなるスポット群を複数設定し、これらのスポット群間の重心のずれを求める。
ハルトマン板が有する点対称の複数の小穴は、これらの複数の小穴の重心位置がハルトマン板の中心に一致するように配置されると共に、中心に対して内側と外側に配置されて、それぞれ点対称の複数の小穴からなる内側小穴群と外側小穴群とを形成する。
本発明による偏芯量測定では、取得したハルトマン画像の信号強度から、各小穴に対応するスポットの位置を算出し、内側小穴群に対応する内側スポット群の重心位置(以下、内側重心位置という)と、外側小穴群に対応する外側スポット群の重心位置(以下、外側重心位置という)とを算出する。算出した内側重心位置と外側重心位置間のずれ量からレンズ偏芯量を求める。
複数のスポットとして最小で3点のスポットからずれを求めることができる。ハルトマン板が有する点対称の複数の小穴は、ハルトマン板の中心点と、当該中心点を点対称の中心とする2点の3点に配置される。
本発明の偏芯量測定では、点対称なハルトマン板の小穴に対応するスポットの両端の2点に対応する像位置の中点とハルトマン板の中心小穴に対応するスポット位置とのずれ量からレンズ偏芯量を求めることができる。
スポット位置の重心を用いて位置ずれを求める態様では、算出した重心の位置ずれ量とレンズ偏芯量との間には、その偏芯が小さい場合にはレンズ系に依存する所定の比例係数で定まる比例関係があるため、算出した重心の位置ずれ量に所定の比例係数を乗じることによってレンズ偏芯量を求めることができる。
本発明の偏芯量測定装置の第1の形態は、点対称に配置された複数の小穴を有したハルトマン板と、このハルトマン板に光を照射する光源手段と、ハルトマン板の小穴を通過した後、レンズ系を通過した光を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像したハルトマン画像に基づいて、ハルトマン板の複数の小穴を通過した複数の光線が形成するスポットの位置を求める画像処理手段と、算出した複数のスポット位置の分布からコマ収差に相当する成分を抽出し、抽出した成分をレンズ偏芯量に換算する演算手段とを備える。
また、本発明の偏芯量測定装置の第2の形態は、第1の形態と同様に、光源手段と撮像手段と、画像処理手段とを有すると共に、ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心に対して点対称に配置され、かつ中心に対して内側と外側に二重に配置され、それぞれ点対称の複数の小穴からなる内側小穴群と外側小穴群とを形成する。第2の形態の演算手段は、内側小穴群に対応する内側スポット群を形成する複数のスポット位置の内側重心位置と、前記外側小穴群に対応する外側スポット群を形成する複数のスポット位置の外側重心位置とを算出し、内側重心位置と外側重心位置のずれ量からレンズ系が備える少なくとも一つのレンズが光軸から偏芯することによるコマ収差を求め、求めたコマ収差から偏芯量を算出する。
また、本発明の偏芯量測定装置の第3の形態は、第1の形態と同様に、光源手段と撮像手段と、画像処理手段とを有すると共に、ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心点と、当該中心点を点対称の中心とする2点の3点に配置される。第3の形態の演算手段は、点対称の両端の小穴によって形成する2点スポット間の線分の中点とこの中心点の小穴によって得られるスポットとのずれ量からレンズ偏芯量を算出する。
この構成において、駆動手段で撮像手段を組みレンズの光軸方向に移動することによって、撮像面の位置を調整して異なる撮像面におけるハルトマン画像を取得し、異なる撮像面でのハルトマン画像を用いることで偏芯量演算に用いるデータを取得することができる。
本発明の偏芯調整装置は、点対称に配置された複数の小穴を有したハルトマン板と、このハルトマン板に光を照射する光源手段と、ハルトマン板の小穴を通過した後、レンズ系を通過した光の像を撮像する撮像手段と、レンズ系中の少なくとも一つのレンズを光軸方向と直交する方向に移動する偏芯調整用駆動手段と、撮像手段で撮像したハルトマン画像に基づいて、ハルトマン板の複数の小穴を通過した複数の光線が形成するスポット位置を求める画像処理手段と、スポット位置のずれ量から、レンズ系が備える少なくとも一つのレンズが光軸から偏芯することによって生じるコマ収差に対応するレンズ偏芯量を求める演算を行う演算手段とを備える。
この構成において、偏芯調整用駆動手段は、演算手段で求めたレンズ偏芯量だけレンズを移動してレンズ系が備えるレンズの偏芯を調整する。
本発明の偏芯量調整装置は、コマ収差を正確に算出することができるため、少ない偏芯調整回数で偏芯量を調整、もしくは系全体のコマ収差が最小になるようにコンペンセーションすることができる
さらに、本発明の偏芯量測定装置および偏芯調整装置は、レンズの偏芯量の測定あるいは偏芯を調整するために、対象とするレンズを把持する構成を備える。このレンズ把持装置は、レンズ系を収納する開口部の周囲を囲む枠部と、レンズ系が備えるレンズの外周と当接して当該レンズを把持するレンズ押さえ部とを備える。
レンズ押さえ部は、レンズと当接する複数の押さえピンと、この複数の押さえピンの少なくとも1つの押さえピンを枠部に対してスライド移動自在に支持する支持部と、支持部を枠部に対して弾性的に支持するバネ部と、バネ部の保持端を枠に保持する保持部とを備える。バネ部は、このバネ部に外部から力が印加されない状態では、バネ部の弾性によって支持部および押さえピンを所定位置に保持し、一方、バネ部に外部から力が印加された状態では、バネ部の弾性変形によって支持部および押さえピンを前記開口部の方向に移動させる。レンズの把持は、複数の押さえピンをレンズの外周と当接させることにより行うことができる。
上記各態様によれば、以下のような作用が得られる。
ハルトマン板を通過した光を撮像面で撮像して得られるスポット位置に基づいて偏芯量を算出する。偏芯量の算出に要する演算量は、ハルトマン像から得られるスポットの個数に依存するため、ハルトマン板が有する小穴の個数を減らすことによって、偏芯量の算出に要する演算量を低減し、演算時間を短縮することができる。
本発明では、偏芯量の算出は少なくとも3個のスポット位置があれば行うことができ、少ないスポット位置で済むため、スポット位置の分離が容易となると共に測定精度を高めることができる。
本発明のレンズ把持装置によれば、レンズを把持して保持する押さえピンの駆動力をバネ部材の弾性力を利用することによって、モータやエアシリンダ等の複雑で大型の駆動機構を用いることなく構成することができる。
偏芯調整装置では、レンズとレンズ枠との隙間に接着剤を供給する機構や接着剤を固化する機構をレンズに接近させて設ける必要があり、レンズを把持する機構を設けるスペースは限られている。そのため、本発明の構成のレンズ把持装置を用いることで限られたスペースであっても、レンズを把持することが可能となる。
本発明の偏芯量測定方法によれば、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差とその原因となるレンズ偏芯量を、高精度で測定することができる。
また、本発明の偏芯調整装置によれば、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差とその原因となるレンズ偏芯量を高精度で測定することで、偏芯調整において高い調整効率を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
はじめに、本発明のハルトマン画像を用いて、レンズが光軸から偏芯することに伴って生じるコマ収差を測定する概略について図1〜図11を用いて説明し、ハルトマンパターンを撮像したハルトマン画像からレンズの偏芯量を求めるアルゴリズムについて図12〜図17を用いて説明し、本発明の偏芯量測定装置および偏芯調整装置の構成例について図18〜図23を用いて説明し、本発明の実施例について図24〜図26を用いて説明する。
コマ収差の偏芯量測定の概略について図1〜図11を用いて説明する。組レンズを含むレンズ系20が備えるレンズに偏芯が生じると、そのレンズ系を通る光線に収差が生じる。本発明は、特に偏芯に敏感なコマ収差に着目し、このコマ収差を、小穴の個数が少ないハルトマン板を用いることで測定を極力簡便化させ、測定精度の向上、偏芯の測定効率および調整効率の向上を図る。
[偏芯とコマ収差]
偏芯とコマ収差との関係について説明する。複数のレンズによって構成された組レンズは、カメラやプロジェクタなどの撮像もしくは投影用途では、なるべく像がにじまないように、収差が充分に小さくなるように設計されている。
収差が小さい領域では一般に、その大きさは3次収差の展開式として次の式で表される。
なお、上記式(1)、(2)の詳細は非特許文献1に記載されている。ここでは、光軸の方向をz、光軸方向zと直交する方向をx,yで表している。
図1は3次収差展開式のパラメータを示す図であり、レンズ系20の入射側の面を入射瞳面31とし、射出側の面を射出瞳面32としている。上記式(1)、(2)において、式(1)中のIj〜Vjは組レンズのレンズ系20を構成する各レンズのうち、j番目のレンズによるザイデルの収差係数を表し、Σはその各レンズで生じる収差を全レンズについて和をとることを表している。
ここで、組レンズを含むレンズ系20に光軸と平行な平行光線が入射する場合には、ω=0であるため(Ntanω)=0となる。したがって、式(1)、(2)のΔx、Δyは、第1項目以外は“0”となる。
以下、y方向の収差について示す。図2はy方向収差を説明するための図である。図2に示すように、y方向の収差Δyのみに着目し、入射光線をz−y平面内のみと仮定し、−R≦H≦Rとなる光軸高Hを導入すると、収差は式(1)の第1項目においてΦ=0とすることで表される。
ここで、簡易化するために、j=1,2として、図3に示すような2枚の薄肉レンズ21,22から構成される光学系に基づいて説明する。
1番目のレンズ21および2番目のレンズ22の光線の光軸からの距離を光軸高Hおよび光軸高Hとし、2枚のレンズ間隔をd、1番目のレンズ21の焦点距離をfとすると、収差Δyは以下の式(3)で表される。
なお、図3において、H,H,Hは光軸の上側であるときは正の値となり、光軸の下側であるときは負の値となる。式(3)で示す収差Δyは偏芯の無い光学系について示している。
次に、偏芯が生じた場合について示す。図4は2枚の薄膜レンズ(レンズ21,22)で構成される光学系の偏芯状態を示す図である。
上記した光学系の2番目のレンズ22にy方向に沿ったΔHの偏芯が生じた場合の収差Δy′は、式(3)のHを(H―ΔH)で置き換えることにより定数κを使って次式(4)で表される。
上記式(4)で示す収差Δy′は、第1項目の収差Δyに、レンズ22にΔHの偏芯が生じることによってHに比例した第2項目の収差が付加されることを示している。
式(4)は光線がy平面内で入射する場合に、レンズのy方向の偏芯によりコマ収差と同様の収差が発生することを示している。
この式(4)を用いて、例えばy方向の収差Δy(H)=0の光学系において、入射光の光軸高がそれぞれ−H,0,+Hの3本の光線の収差Δy′を計算すると、
となる。
上記3個の収差Δy′の内で、入射光線の光軸高が−Hの入射光線の収差Δy′と入射光線の光軸高が+Hの入射光線の収差Δy′は共に同じ値となり、同じ位置に結像する。
このことは、レンズ開口の両端と中心を通る光線を追跡し、結像位置におけるずれ量を評価することによって、偏芯量ΔHを換算で求めることができることを意味している。
図4はこの状況を模式的に表し、図5は横収差曲線を表している。図5の横収差曲線において、横軸は光軸からの距離Hを示し、縦軸は収差Δy′を示している。両端の収差Δy′はHに比例するため、距離Hの正負で同符号の量となる。
また、式(4)において、収差Δy(H)≠0の場合を考えると、第1項目の収差Δy(H)はHに比例するため、−H,0,+Hの3本の光線の収差Δy′は次の通りとなり、横収差曲線は図6のようになる。
このときの両端の収差の平均は、
となる。
この平均収差は、収差Δy(H)=0場合の収差と同量である。すなわち、光学系が偏芯していない状態で収差Δy(H)が残留していても、両端の光線の収差について平均をとることで、収差Δy(H)の影響は解消できるので、その平均値から偏芯の量を導出することができる。
この偏芯量は、図6では、横収差曲線の両端を結ぶ直線と中心との間の収差の差分に相当しており、中心と両端などの光軸に点対称な最低限3本の光線によって偏芯量を推定できることを示している。
次に、光線がy平面にない一般の場合について、レンズ偏芯に伴って発生する収差について示す。
図7は、光線がレンズ偏芯に伴って発生する収差を説明するための図である。なお、図7は2枚構成レンズについて示している。
式(1),(2)は、入射光線が光軸に対して平行でない場合(ω≠0)を含む一般式を示している。
入射光線が光軸に対して平行な場合(ω=0)について、光線がy方向に対してφの角度で入射したとき、偏芯が無い場合の収差Δy、Δxは次の(5)、(6)で表される。
2枚目のレンズ22にy方向への偏芯ΔHが生じると、光線がレンズ22に当たる位置は2枚目のレンズの中心を基準にすると−ΔHだけずれる。ここで、ΔHはy方向に限っているが、ここで考えている軸対称系のレンズ構成を前提にする限りにおいては一般性を有し、y方向に限らず適用することができる。
偏芯がある場合の収差Δy′、Δx′は、式(3)の場合と同様に偏芯ΔHが微小な場合について整理すると以下の式(7)、(8)で表され、偏芯ΔHと入射のzy平面からの角度φに依存したコマ収差の項が加算された形になる。
式(7),(8)で示される収差Δy′、Δx′の各々の第2項は、偏芯ΔHに比例し、
を係数とするコマ収差と同様の収差が発生することを示しており、これは式(4)で表される光線がy平面内で入射する場合の収差Δy′と同様である。
上記したように、φ=0の場合に限らずφ≠0でもコマ収差が生じることから、φ=0の光線によってy平面に入射する場合に限らず、任意の(R,φ)の光線を用いることによって、偏芯の状況を調べることができる。
例えば、φ=±90°などの対称位置の光線を使えば、前記したように、両端と中央の3本の光線を用いることで、元々の球面収差Δyの影響を受けることなく、偏芯のみを算出することができる。
なお、式(3)以降では簡単のために2枚構成のレンズについて示したが、収差Δyを以下の式(9)で表すことで3枚以上の任意のレンズ枚数の光学系に適用可能である。
この場合には、式(7)に示す収差Δy′は次式(10)で表すことができ、レンズ偏芯に伴う収差Δy′はやはりHに比例する。
なお、ここでζjは入射光軸高Hとその光線のj番目のレンズでの光軸高Hjの比(H/Hj)である。なお、上記式(9)、(10)はy方向について示しているが、x方向についても同様である。
上記式(10)の収差Δy′において、第2項目のレンズ偏芯に伴う収差分はHに比例する。この収差分はコマ収差と同様の傾向を示す。以下ではこの収差分をレンズ偏芯に伴うコマ収差(或いは単にコマ収差)と呼ぶ。
なお、以上の説明では、組みレンズの一箇所に偏芯が生じた場合に、それを調整することを目的としていた。しかしコマ収差の発生箇所が二箇所以上ある場合に、そのうちの一箇所に積極的に偏芯を与えることで、組みレンズ全体としてコマ収差が最小となるように調整することは可能である。即ち組みレンズの一箇所をコンペンセータとして、像が良好となるように調整する目的にも本件の手法はそのまま適用可能である。
[ハルトマン検査によるコマ収差の検出]
次に、前記した偏芯とコマ収差との関係に基づいて、ハルトマン検査を用いたコマ収差の検出について説明する。ハルトマン検査は、レンズの開口部あるいは光軸上のレンズと像面との途中に、小穴が空いたハルトマン板と呼ばれるマスクを置いて光線を遮蔽し、その小穴を通り抜けた光を“光線”として扱い、光学系中の光線の経路を求めることで光学系の性能を評価する検査方法である。
このハルトマン検査によれば、“光線”の経路を求めることによって、結像面上でのスポットダイアグラムや、当該収差を基にして最小錯乱円直径などの光学系の性能の指標となる情報を引き出すことができる。
このハルトマン検査は“光線”の経路を求めることができるため、小穴の位置を適切に設定することによってザイデル収差の状況を調べることができる。例えば、図8に示すように、y方向に小穴31aが並んでいる遮蔽版31Aをレンズ系20の入射瞳面31の位置に配置し、小穴31aを通過した後、レンズ系20の射出瞳面32から射出すると、各光線40は撮像面33において収差Δyが現れる。この各光線40の収差Δyを結ぶことによって収差曲線を描くことができる。
図9は収差Δyを結んで得られる収差曲線を示す図である。コマ収差は前記したようにHに比例するため、図9(b)に示すように、横軸に入射光線の光軸高Hを採り、縦軸に収差Δyを採ると、その収差曲線(図9(b)中の破線で示す)は上もしくは下に凸の放物線を描く。
したがって、収差Δyを結んで得られる収差曲線の両端と中央の3点を抽出し、この3点の一直線上からのずれを求めることよって、コマ収差の成分を評価することができる。
そこで、本発明は、ハルトマン板に中心点と点対称の2点の合計3点の小穴を設け、この小穴を通過した光によって得られる撮像面上の3点のスポット位置を求め、この3点のスポット位置を収差曲線を定める両端と中央の3点に対応させることによって、コマ収差を求める。
図9(a)はハルトマン板の一例を示し、このハルトマン板は、中心点とy方向に点対称に配列した2点の合計3点の小穴を備えている。
図9(b)は、この3点の小穴を有したハルトマン板によって、得られるスポット位置を光軸高さHに対してプロットしたものである。
この図9(b)の3点のスポット位置は図5に示す収差曲線上の点であるので、3点のスポット位置からコマ収差を求めることができる。
一般的なハルトマン検査では、収差の状況を詳しく調べるために多数の穴が形成された遮蔽板を使用する。これに対して、本発明のハルトマン板を用いたコマ収差の測定では、収差曲線の両端と中央の最小限3点の収差を抽出することで行うことができる。
上記したように、本発明のハルトマン検査を用いたコマ収差の検出では、ハルトマン板の小穴の数を最小限の3点に低減させることができるため、撮像面で撮影された画像からハルトマンスポットを抜き出す画像解析や、またそれに基づいた収差量の導出を迅速に行うことができる。また、画像に写ったハルトマンスポットの分離が容易であるため、スポットを誤認するなどの不安定要因が減り、引いては信頼度高い検出が可能となる。
なお、本発明の実施形態による測定では、ハルトマン板の小穴が少ないことに起因する統計的なエラーを回避して測定精度を向上させるため、3個以上の小穴を使用することが好ましい。
この条件を満たすために、例えば、図10のハルトマン板の小穴の配置例に示すように、縦横に小穴を並べて9個、あるいはさらに斜め方向に4個の小穴を配置して計13個の小穴を設ける構成が好適である。
図10に示す配置例では、ハルトマン板が備える計13個の小穴のうち、中心に一個の小穴を配置すると共に、内側にx,y方向に点対称に4個の小穴を配置し、外側にx,y方向および45°の方向に点対称に8個の小穴を配置している。内側に配置した4個の小穴、および外側に配置した8個の小穴は、それぞれ同心円上に等角度配置されることになる。
図11は、レンズ系20の入射瞳面31の位置に配置する遮蔽板31Aとしてハルトマン板を配置した例を示している。ハルトマン板の小穴31aを通過した光は、レンズ系20を通過した後、射出瞳面32から射出される。撮像面33上には、13個の小穴に対応する13本の光線の軌跡点がスポット状に形成される。撮像面33上に形成される13個のスポット33aは、撮像面33上においてレンズ系の偏芯に応じた収差を有して二次元に分布する。
なおハルトマン板は必ずしも入射瞳に一致させて設置する必要はなく、設置位置に応じたコマ収差量とレンズ偏芯量の換算係数を用いてレンズ偏芯量を算出できる。
次に、ハルトマンパターンを撮像したハルトマン画像からレンズの偏芯量を求めるアルゴリズムについて図12〜図17を用いて説明する。
はじめに、本発明の偏芯量測定において、ハルトマンパターンを撮影した画像からレンズの偏芯量を求める際の光学系での各画像について図12を用いて説明する。
本発明の偏芯量測定では、前側ハルトマン画像,後側ハルトマン画像の2種の画像を用いる。
図12は、本発明の偏芯量測定における光学像系の概要を説明するための図である。図12に示す光学系では、測定対象であるレンズを含む組レンズを有するレンズ系20に対して光源(図示していない)側にハルトマンパターンのマスクを有したハルトマン板6を配置する。このハルトマン板6には、ハルトマンパターンを形成する複数の小穴6aが設けられる。ハルトマン板6の小穴6aを通過した光は、レンズ系20を通過した後方位置においてスポット像を形成する。レンズ系20の射出光は、最良像面35の位置において最小錯乱円を形成する。
光路上において、この最良像面35の前方で形成される像は、最良像面35で形成される錯乱円の径よりも広がったピンボケした像となる。ここでは、この位置で撮像されるハルトマンパターンの画像を前側ハルトマン画像34という。一方、光路上において、最良像面35の後方で形成される像は、最良像面35で形成される錯乱円の径よりも広がったピンボケした像となる。ここでは、この位置で撮像したハルトマンパターンの画像を後側ハルトマン画像36という。
図13のフローチャートは、本発明のハルトマンパターンを撮像したハルトマン画像からレンズの偏芯量を求め、偏芯調整を行う概略アルゴリズムを示している。
はじめに、ハルトマンパターンを撮像して得られたハルトマン画像について、映っているパターンの光量が、以後に行う画像処理に好適な状態にあるか否かを前画像処理によって確認した後(S1)、このハルトマン画像からハルトマンパターンに対応する各スポット位置を求め(S2)、求めたスポット位置に基づいてレンズの偏芯量を導出する(S3)。
導出したレンズの偏芯量が予め定めておいた目標値よりも大きい場合(S4)には、求めたレンズ偏芯量を用いてレンズの偏芯調整を行う(S5)。導出したレンズの偏芯量が目標値よりも小さくなるまで、S3〜S5の工程を繰り返す。
なお、S1の前画像処理の工程では、例えば、撮像装置の検出器について、バイアス較正や感度ムラ較正を行う。
次に、レンズ偏芯量の導出について図14〜図17を用いて説明する。以下、図14のレンズ偏芯量の導出を説明するフローチャートに従って説明する。
図15は、最良像面の算出を説明するための図である。図15において、前側ハルトマン画像34のスポット位置と後側ハルトマン画像36のスポット位置において、それぞれ同じハルトマン板の小穴に対応するスポット位置間を線分で結ぶ。ここでは、13個のスポット位置により、13本の線分が形成される例を示している。ただし、図15では、13本の光線の内の5本のみを示している。
前側ハルトマン画像34と後側ハルトマン画像36の互いに対応するスポットを結ぶと、結像面近傍において小径の最小錯乱円を含む面を算出でき、この面が最良像面35となる(S31)。
図16はレンズ偏芯とスポット位置の位置ずれとの関係を示している。図16(a)はレンズ偏芯が無い場合のスポット位置を示し、図16(b)はレンズ偏芯が存在する場合のスポット位置を示している。
図16(b)に示すように、レンズ偏芯によって最良像面においてのスポット位置に位置ずれが生じる。レンズの偏芯量は、単にスポット位置の位置ずれ量から求めるよりも、内側スポット群の重心位置と外側スポット群の重心位置のずれ量から求める方が、その相対位置を最良像面上で計測するだけで済むために精度を向上しやすい。
図17のハルトマン画像のスポット像は、図11に示したハルトマン板による取得画像例であり、ハルトマン画像37上には合計13点のスポットが分布している。13点のスポットの内、中心のスポットを除く残りの12点のスポットは、中心に対してほぼ点対称に分布し、内側の4点および中央を合わせた計5点から成る内側スポット群38と、外側の8点から成る外側スポット群39とを形成している。
これら内側スポット群38および外側スポット群39とは、それぞれ点対称に配置されたハルトマン板の小穴に対応している。光学系に偏芯がある場合には、各スポット群間の重心位置にずれが生じる。
本発明は、内側スポット群から得られる重心と、外側スポット群から得られる重心を求める(S32)。
S32で算出した内側のスポット群の重心位置と外側のスポット群の重心位置の位置ずれを算出する(S33)。
内側のスポット群の重心位置と外側のスポット群の重心位置との重心ずれ量はコマ収差の量、すなわち調整対象のレンズの偏芯残留量を表している。S33で算出した内側のスポット位置の重心位置と外側のスポット位置の重心位置の位置ずれからレンズ偏芯量を算出する。
ずれ量が小さい場合には、前記式(7)、(8)からずれ量と偏芯量との間には比例関係がなりたつため、ずれ量に所定の比例係数を乗ずることによって、重心から求めたずれ量をレンズ偏芯量に換算することができる(S34)。
次に、本発明の偏芯量測定装置および偏芯調整装置の構成例について図18〜図23を用いて説明する。
図18は本発明の偏芯量測定装置および偏芯調整装置の概略構成図である。偏芯測定装置1は、ワーク2の組みレンズを保持するワーク保持具5、ハルトマン板6、レンズの偏芯量を調整する調整手段7、ワーク2に組み込まれたレンズを把持するレンズ把持手段8、ワーク2に光を照射する光源手段9と、ワーク2を通過した光線を撮像する撮像手段3、制御手段、画像処理手段、および演算手段を含むPC11等の構成を備え、撮像手段3が撮像する撮像画像に基づいてレンズの偏芯量を測定する。
ワーク2は、複数のレンズを組み合わせてなる組みレンズであり、レンズ枠2c内に組み込まれる。ここでは、レンズ枠2c内に固定されたレンズ2aと、偏芯調整を行うレンズ2bとを備える構成を示している。
光源手段9は、ワーク2のレンズに対して光を照射する手段である。平行光を照射する場合には、光源手段9は、例えば点光源9aとコリメータ9bとから構成することができる。
なお、光源手段9は、平行光を照射する光源に限らず、対象とするレンズ系に応じて、発散光を照射する光源や集光を照射する光源を用いることができる。
また、光源手段9は、光源と補正レンズとの組み合わせによって構成することができ、補正レンズを組み合わせることによって、焦点位置の調整や、収差補正を行ってアプラナートとすることができる。
以上の説明では、組レンズの一部に偏芯が生じることによりコマ収差が発生することを前提としていた。一方で、組レンズの一部に偏芯が生じる場合に、コマ収差ではなく非点収差や像面湾曲の変化などの他の収差を有意に引き起こす場合がある。これらの場合であっても、非特許文献1に記されている「瞳の収差」のように、適切な補正レンズを組み合わせることで、補正レンズも含めた全体の光学系としてコマ収差が有意な光学系にすることが可能である。このような補正レンズを使用することで、非点収差や像面湾曲を調整したい光学系に適用することも可能である。
ワーク保持具5は、ワーク2を保持する部材であり、組みレンズ2a、2bを組み込んだレンズ枠2cを保持するワーク保持部5aと、このワーク保持部5aを支持するベース部5bとを備える。また、保持部5a内には、ハルトマン板6が設けられる。
また、レンズ把持手段8は、中央の開口部分を周囲で囲み、この開口部にワーク保持具5に保持させたワーク2を配置させる枠部8aと、この枠部8a内に配置したワーク2が備える偏芯調整対象のレンズ2bの外周の側部を複数箇所で押すことによって把持して保持する複数のレンズ押さえ部8bとを備える。
複数のレンズ押さえ部8bの内の少なくも一つは、後述する駆動手段8cによって移動自在としている。複数のレンズ押さえ部8bは、押さえ部の一部を駆動手段8cによって移動自在とし他の押さえ部を保持状態とする構成の他、全ての押さえ部分を移動自在とする構成としてもよい。
駆動手段8cは、レンズ押さえ部8bをワーク2の方向に押し、レンズ押さえ部8bの先端部分をレンズ2bの外周側部に当接させる。これによって、複数のレンズ押さえ部8bは、レンズ2bの外周をレンズ枠2c内で把持する。駆動手段8cは、把持ドライバ17bによって駆動制御される。
ベース部5b上には、レンズの偏芯量を調整する調整手段7が設けられる。調整手段7は、X軸駆動手段7aおよびY軸駆動手段7bを有し、枠部8aをベース部5bに対してXY方向の位置を調整自在としている。枠部8aは複数のレンズ押さえ部8bによって偏芯調整対象のレンズ2bを把持して保持しているため、調整手段7によって枠部8aのXY方向の位置を調整すると、レンズ2bのXY方向の位置が調整される。一方、ワーク2のレンズ枠2cはワーク保持部5aを介してベース部5bに固定されているため、レンズ2bのXY方向の位置調整によって、レンズ枠2cに対する偏芯調整対象のレンズ2bの位置調整が行われることになる。
調整手段7が備えるX軸駆動手段7aおよびY軸駆動手段7bは、XY軸駆動ドライバ17cによって駆動制御される。
撮像手段3は、ワーク2のレンズを射出した光線が作る像を撮像し、撮像画像はPC11に送られ偏芯測定および偏芯調整に用いられる。撮像手段3は、例えばCCDカメラ等を用いることができ、Z軸駆動手段4が取り付けられている。Z軸駆動手段4はZ軸駆動ドライバ17aによって駆動制御される。撮像手段3が撮像した画像は、画像処理手段13によって画像処理される。
光源手段9とワーク保持具5と調整手段7と撮像手段3は1つの光軸に合わせて配置される。光源手段9から射出した光はワーク保持具5に保持されたハルトマン板6を通過した後、ワーク2のレンズに入射する。撮像手段3は、レンズを通過した通過光のハルトマンパターンを撮像して撮像画像の画像信号を出力する。撮像手段3は、Z軸駆動手段4によって光軸方向に移動自在であり、撮像手段3が撮像する位置を光軸方向で移動自在としている。
Z軸駆動ドライバ17a、レンズ把持ドライバ17b、およびXY軸駆動ドライバ17cは、PC11が備える制御手段12によって制御される。また、PC11は、撮像手段3で撮像した撮像画像の画像信号を画像処理手段13で信号処理して、偏芯量を算出する演算手段14を備える。
偏芯調整装置10は、上記した偏芯測定装置1の構成と共に、算出した偏芯量に基づいてワーク2のレンズの位置を移動して偏芯を調整する機構、および偏芯調整したレンズをレンズ枠に固定するための機構を備える。
レンズ位置を調整する機構は、X軸駆動手段7aおよびY軸駆動手段7bを含む調整手段7、および、この調整手段7を駆動制御するXY軸駆動ドライバ17cを備える。前記したように、レンズ把持手段8は、レンズ2bをレンズ枠2c内において、レンズ枠2cに対してxy方向に移動自在に保持する機構として、レンズ2bの外周側部と当接して押さえるレンズ押さえ部8b、およびこのレンズ押さえ部8bの先端をレンズ2bの外周側部に当接させて把持する駆動手段8c、駆動手段8cを駆動制御するレンズ把持ドライバ17bを備えている。また、調整手段7は、枠部8aをXY方向に移動させることによって、レンズ押さえ部8bが把持しているレンズ2bをレンズ枠2cに対してXY方向に微動させ、これによって偏芯調整を行う。
PC11の制御手段12は、演算手段14で算出した偏芯量に基づいて、XY軸駆動ドライバ17cを介して調整手段7のXY軸駆動手段7a,7bに調整量を指示し、枠8aをXY方向に移動して位置調整を行う。この位置調整によって偏芯調整を行う。
なお、この位置調整に先だって、レンズ把持ドライバ17bを介して駆動手段8cに駆動を指示して、レンズ押さえ部8bをレンズ2bの方向に押し、その先端をレンズ2bの外周の側部に当接させて把持しておく。これによって、レンズ2bはレンズ枠2cに対して自由な状態で保持され、枠8aに保持したレンズ2bの位置をレンズ枠2cに対して調整することによって、レンズ2bのレンズ枠2cに対する位置を調整することができる。
位置調整して偏芯調整したレンズ2bをレンズ枠2cに固定するための機構は、接着剤をレンズ2bおよびレンズ枠2cの内側縁部との接触部分に供給する接着剤ディスペンサシリンジ15、接着剤ディスペンサシリンジ15を移動するディスペンサシリンジ移動手段19、接着剤ディスペンサシリンジ15によって付着された接着剤を固化させる接着剤固化手段16を備える。接着剤ディスペンサシリンジ15から紫外線によって硬化する接着剤を供給する場合には、この接着剤固化手段16として紫外線照射装置を用いることができる。
接着剤ディスペンサシリンジ15は、シリンジ駆動部17eによって接着剤を射出する。シリンジ駆動部17eは主に電磁弁等により構成されており、電磁弁の開閉制御によって供給する圧力を制御し、接着剤ディスペンサシリンジ15からの接着剤の射出を制御する。
また、ディスペンサシリンジ移動手段19はエアシリンダ等で構成され、接着剤ディスペンサシリンジ15を射出位置と待機位置との間で移動する。
PC11の制御手段12は、ディスペンサシリンジ移動ドライバ17dを介してディスペンサシリンジ移動手段19を制御し、接着剤ディスペンサシリンジ15を射出位置と待機位置との間で移動させる。また、PC11の制御手段12は、シリンジ駆動部17eを制御して接着剤ディスペンサシリンジ15からの接着剤の射出を制御する。
レンズの光軸調整を行っている間は、ディスペンサシリンジ移動手段19は接着剤ディスペンサシリンジ15を斜め上方位置の待機位置に移動させて待機させておく。光軸調整が終了した後には、ディスペンサシリンジ移動手段19は接着剤ディスペンサシリンジ15を斜め下方に移動させて、接着剤ディスペンサシリンジ15のニードルを接着部に移動させる。その後、接着剤ディスペンサシリンジ15はシリンジ駆動部17dからの駆動により接着剤を射出する。
また、接着剤固化手段16は、PC11の制御手段12からの制御信号を受けた固化ドライバ17fによって駆動される。
なお、レンズ2bをレンズ枠2cに固定するための機構は、上記した紫外線を利用する構成に限らず、他の構成を適用してもよい。また、図18において、光源手段9は偏芯測定装置1に対して下方位置に配置する構成を示しているが、光源手段9を偏芯測定装置1に対して上方位置に配置する構成としてもよい。
図19、図20はワーク2を取り付けたワーク保持具5のワーク保持部5aの設置状態を説明するための図である。組みレンズの偏芯測定、および測定した偏芯量に基づくレンズの偏芯調整は、組みレンズのワーク2をワーク保持具5のワーク保持部5aに取り付けることによって行う。
偏芯測定および偏芯調整を行う組みレンズの焦点距離等の光学特性によっては、撮像手段3の撮像面に結像させることが難しくなるため、内部に焦点距離を調節する補正レンズ5cを組み込んだワーク保持具5を用いる。図20は、補正レンズ5cを組み込んだワーク保持具5を用いた例を示している。
また、光源手段9には、フィルタ等の測定波長を選択できる測定波長可変部18を設けてもよく、これによって、例えば色収差の影響を除去して単色におけるコマ収差を測定し、これに基づいた偏芯調整を行うことができる。
また、ワーク2はワーク保持具5のワーク保持部5aに対して着脱自在とすることで、複数のワーク2の偏芯測定および偏芯調整を連続的に行うことができる。図21は、ワーク2をワーク保持部5aに対して着脱する状態を説明するための図である。
図21において、図示していないワーク交換機構によって、ワーク2のレンズ枠2cをワーク保持部5aに対して入れ替えることによって交換する。偏芯調整が完了したワーク2をワーク保持部5aから取り出し、次に、偏芯未調整のワーク2をワーク保持部5aに取り付ける。
このワーク交換機構を偏芯調整装置に併設させることで、レンズ調整をライン工程中に組み込むことが容易となる。
次に、レンズ把持手段8の一構成例および動作例について図22〜図25を用いて説明する。
図22(a)において、レンズ把持手段8は、中央の開口部を囲む枠部8aと、この枠部8aに設けられた複数のレンズ押さえ部8bとを備える。図22,23では、枠部8aの4つの各辺にレンズ押さえ部8bA〜8bDを設けた構成例を示している。
枠部8aの中央の開口部内にはレンズ枠2cが配置され、調整対象であるレンズ2bの外周側部が、レンズ押さえ部8bA〜8bDと同じ高さレベルとなるように配置される。
レンズ押さえ部8bA〜8bDは、枠部8aに対して中央の開口部の方向に移動自在とする機構とすることができる。図22,23では、レンズ押さえ部8bA〜8bDの内で、レンズ押さえ部8bA、8bBは枠部8aに対して移動自在であり、レンズ押さえ部8bC、8bDは枠部8aに対して固定した構成を示している。
レンズ押さえ部8bA〜8bDは、枠部8aの開口部に配置されたレンズ枠2c内のレンズ2bの外周側部を把持することによって、レンズ2bを保持する。
図22,23では、移動自在のレンズ押さえ部8bAと固定されたレンズ押さえ部8bCとを同一直線上で対向して配置し、移動自在のレンズ押さえ部8bBと固定されたレンズ押さえ部8bDとを、前記直線と直交する直線上で対向して配置する構成を示している。
レンズ押さえ部8bAとレンズ押さえ部8bBとを移動自在とすることによって、レンズ枠2cを枠部8a内に配置する際に、レンズ押さえ部8の押さえピン8b1の先端とレンズ2bとの間に隙間を設け、配置動作を容易とすることができる。
レンズ2bの上端がレンズ枠2cの端部よりも下側に配置されている場合には、図22(b)に示すように、レンズ枠2cの一部に溝2dを形成し、この溝2dの隙間を通して押さえピン8b1の先端をレンズ2bの外周側部に当接させる。
また、レンズ2bの上端がレンズ枠2cの端部よりも上側に配置され、レンズ2bの一部がレンズ枠2cから露出している場合には、図22(c)に示すように、レンズ枠2cに溝2dを形成する必要はなく、レンズ枠2cに上端で露出するレンズ2bの外周側部にレンズ押さえ部8bの先端を当接させる。
また、ワーク保持具5のワーク保持部5aの筒体内に、ハルトマン板6が取り付けられ、必要に応じて補正レンズ5cが設けられている。
次に、レンズ押さえ部8bの一構成例について、図24,図25を用いて説明する。図24,25は、枠部8aに対して移動自在とする機構を備えるレンズ押さえ部8の構成例を示している。
この構成例は、バネ材の弾性力を利用する構成であり、バネ材に外力を印加し変形させることで押さえピン8b1の先端をレンズの外周側部に当接させ、バネ材に加える外力の印加を解除することによるバネ材の復元によってレンズ押さえ部8の先端をレンズの外周側部から離す機構であり、モータやエアシリンダ等のアクチュエータ機構やコイルスプリング等、戻すためだけの要素を不要とすることができる。
図24の斜視図はレンズ押さえ部8の一部を示している。また、図24(a)は各部を取り付けた状態を示し、図24(b)は各部を分離した状態を示している。
レンズ押さえ部8は、レンズ外周側部と当接する押さえピン8b1と、この押さえピン8b1を支持する支持部8b2と、支持部8b2を弾性的に支持するバネ部8b3と、バネ部8b3の保持端の弾性変形による移動を阻害しないようにしながら枠部8aに保持するための保持部8b4とを備える。
バネ部8b3は弾性材からなる片部材で形成することができ、片部材が弾性で変形する。支持部8b2に押さえピン8b1の一端を取り付けることによって、押さえピン8b1を移動自在としている。支持部8b2とバネ部8b3とは一体で構成することができる。図24および図25では、支持部8b2とバネ部8b3とを一体で構成した例を示している。
枠部8aは、支持部8b2の入る溝8a2を備え、この溝8a2内に支持部8b2が入ることで、支持部8b2が横方向にずれることなくスライド自在することができる。
バネ部8b3は保持部8b4と枠部8aに隙間を開けて保持されているだけであるため、支持部8b2が枠部8aに対して横方向に動くことを抑制する機能は有していない。枠部8aに形成した溝8a2内に支持部8b2を嵌め込むことによって、支持部8b2がレンズ方向に対して前後にスライドすることを許容すると共に、支持部8b2が横方向に移動してずれることを抑制することができる。
また、支持部8b2は、枠部8aに取り付けられる左右2個ずつのワッシャとネジによって前後方向のスライドを許容しながら上下方向で保持し、支持部8b2が溝8a2から外れないようにしている。
図24に示す例では、支持部8b2とバネ部8b3とを金属材等の弾性材で一体に構成し、支持部8b2に対してバネ部8b3を90度折り曲げている。また、バネ部8b3を構成する片材の両端は枠部8aに保持するための保持端とし、保持端に挟まれる中間部分はたわみによって変位するようになっている。バネ部8b3に外力を印加してバネ部をたわませることによって、支持部8b2を移動させ、支持部8b2に取り付けた押さえピン8b1を移動させる。
バネ部8b3に印加する外力が解除された場合には、バネ部8b3はバネ部材の弾性による復元力によって元の位置に戻され、レンズ押さえ部8の先端はレンズの外周側部から離れる。
なお、枠部8aにおいて、バネ部8b3に外力が印加された際にバネ部8b3の変位に支障がないように、バネ部8b3が変形する部分に凹部8a1が形成されている。
バネ部8b3は、たわみを容易とするために、保持端に挟まれる中間部分の内で、支持部8b2との連結部分を除く部分の厚さを薄くしている。これによって、バネ部8b3の変形において、より小さな力で変形させることができる。
保持部8b4は、一部を枠部8aにネジ等で固定すると共に、この固定によってバネ部8b3の保持端を枠部8aとの間で隙間を設けて挟んでバネ部8b3の弾性変形による保持端の移動を阻害しないようにしながら保持している。
図25は、レンズ押さえ部の断面を示し、図25(a)は外力を印加していない状態を示し、図25(b)は外力を印加した状態を示している。
図25(a)において、バネ部8b3はバネ部材の弾性力によって、支持部8b2および押さえピン8b1は、レンズ(図示していない)から離れた位置に保持される。図25(b)において、バネ部8b3に外力が印加されるとバネ部8b3は変形し、支持部8b2および押さえピン8b1を、レンズ(図示していない)方向に移動する。
図25(b)に示す状態から外力の印加を解除すると、バネ部8b3はバネ部材が復元することによって、支持部8b2および押さえピン8b1は、レンズ(図示していない)から離れる方向に移動して図25(a)の状態に戻る。
次に、本発明の実施例について図26〜図28を用いて説明する。
図26は、本発明の偏芯調整の実施例に用いた組みレンズの構成例であり、図27はこの構成例における横収差の例を示している。組みレンズの基礎光学データを以下の表1に示す。
この構成において、光学系の視野中心について、図27(a)は偏芯が無い場合の横収差曲線を示し、図27(b)は10μmの偏芯がある場合の横収差曲線を示し、図27(c)は偏芯が有る場合と無い場合の横収差の差分曲線を示している。
図27(a)に示す偏芯が無い状態では、高次の球面収差が残留しているが、Hに比例する成分は見られない。しかし、後群に10μmの偏芯を与えると、図27(b)に示すようにHに比例する収差が加わる。図27(c)の差分は、Hに比例する収差を表している。
このレンズに図11に示したハルトマン板のハルトマンマスクを、レンズ系の入射瞳の位置に配置して、ハルトマン画像を撮像する。このハルトマンマスクを通過する光線の内、内側5点の各小穴と外側8点の小穴を通過した光線が、最良像面の照射する位置の重心を求める。
図28は、偏芯による重心位置の変位の例を示している。図28(a)において、レンズに偏芯が無い場合には、内側5点による重心と外側8点による重心とも零の位置となって中央となる。一方、後群に10μmの偏芯が加わると、図28(b)に示すように、コマ収差の影響を受けて重心位置が変位する。内側5点による重心は−12.4μmの位置に照射され、外側8点による重心は−14.3μmの位置に照射される。その差は1.8μmとなる。
ここで、偏芯量と内側重心位置と外側重心位置の差分との比率は10μm/1.8μm=5.6であり、この比率を比例係数として、内側重心位置と外側重心位置の差分に乗ずることによって偏芯量を算出することができる。
なお、より詳細には、外側の小穴を入射瞳の端部に設けた場合には、外側の小穴は入射瞳の端部で光線がかげる。この光線かげりによる影響を避けるための構成として、外側の小穴の重心位置は演算で求めた位置よりもやや内側として求める他、外側の小穴を入射瞳の端ではなく、例えば、80〜90%程度内側の位置とする構成とすることができる。
尚、本発明の偏芯量測定方法、および偏芯調整装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の偏芯量測定、および偏芯調整は、組みレンズを用いた光学装置の製造において、製造ライン内において組みレンズが備えるレンズの偏芯量測定や偏芯調整に適用することができる。
3次収差展開式のパラメータを示す図である。 y方向のずれを説明するための図である。 2枚の薄肉レンズから構成される光学系を説明するための図である。 2枚の薄膜レンズで構成される光学系の偏芯状態を示す図である。 横収差曲線を説明するための図である。 横収差曲線を説明するための図である。 光線がレンズ偏芯に伴って発生する収差を説明するための図である。 本発明のハルトマン検査の光線の経路を説明するための図である。 収差を説明するための図である。 ハルトマン板の小穴の配置例を説明するための図である。 レンズ系の入射瞳面の位置にハルトマン板を配置した例を説明するための図である。 本発明の偏芯量測定における光学像系の概要を説明するための図である。 本発明のハルトマンパターンを撮像したハルトマン画像からレンズの偏芯量を求める概略アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。 本発明のレンズ偏芯量の導出を説明するためのフローチャートである。 最良像面の算出を説明するための図である。 レンズ偏芯とスポット位置の位置ずれとの関係を示す図である。 ハルトマン画像のスポット像を示す図である。 本発明の偏芯量測定装置および偏芯調整装置の概略構成図である。 本発明のワークを取り付けた補正レンズの設置状態を説明するための図である。 本発明のワークを取り付けた補正レンズの設置状態を説明するための図である。 本発明のワークの補正レンズに対する着脱状態を説明するための図である。 本発明の補正レンズの一構成例を説明するための図である。 本発明の補正レンズの動作例を説明するための図である。 本発明のレンズ押さえ部の斜視図である。 本発明のレンズ押さえ部の断面図である。 本発明の偏芯調整の実施例に用いた組みレンズの構成例を示す図である。 本発明の構成例における横収差の例を示す図である。 本発明の偏芯による重心位置の変位の例を示す図である。
符号の説明
1 偏芯測定装置
2 ワーク
2a レンズ
2b レンズ
2c レンズ枠
2d 溝
3 撮像手段
4 軸駆動手段
5 ワーク保持具
5a ワーク保持部
5b ベース部
5c 補正レンズ
5d 筒体
6 ハルトマン板
6a 小穴
7 調整手段
7a X軸駆動手段
7b Y軸駆動手段
8 レンズ把持手段
8a 枠部
8a1 凹部
8a2 溝
8b、8bA〜8bD レンズ押さえ部
8b1 押さえピン
8b2 支持部
8b3 バネ部
8b4 保持部
8c 駆動手段
9 光源手段
9a 点光源
9b コリメータ
10 偏芯調整装置
11 PC
12 制御手段
13 画像処理手段
14 演算手段
15 接着剤ディスペンサシリンジ
16 接着剤固化手段
17a 駆動ドライバ
17b レンズ把持ドライバ
17c 軸駆動ドライバ
17d ディスペンサ移動ドライバ
17e シリンジ駆動部
17f 固化ドライバ
18 測定波長可変部
19 ディスペンサ移動手段
20 レンズ系
21,22 レンズ
31 入射瞳面
31A 遮蔽板
31a 小穴
32 射出瞳面
33 像面
33a スポット位置
34 前側ハルトマン画像
35 最良像面
36 後側ハルトマン画像
37 ハルトマン画像
38 内側スポット群
39 外側スポット群
40 光線
ΔH 偏芯量
Δy 収差
κ 定数
σ 分散

Claims (8)

  1. レンズ系と光源との間にハルトマン板を配置し、
    前記ハルトマン板が有する複数の小穴はハルトマン板の中心に対して点対称に配置され、
    前記光源からの光を、前記ハルトマン板が有する複数の小穴を通してレンズ系に入射し、
    前記レンズ系の射出光画像を取得し、
    前記取得した射出光画像の信号強度から各小穴に対応するスポットの位置をそれぞれ算出し、
    前記算出した複数のスポット位置の分布からコマ収差に相当する成分を抽出し、当該成分をレンズ偏芯量として求めることを特徴とする、偏芯量測定方法。
  2. 前記ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心に対して点対称に配置され、かつ中心に対して内側と外側に二重に配置され、それぞれ点対称の複数の小穴からなる内側小穴群と外側小穴群とを形成し、
    前記取得したハルトマン画像の信号強度から、各小穴に対応するスポットの位置を算出し、
    前記内側小穴群に対応する内側スポット群を形成する複数のスポット位置の内側重心位置と、前記外側小穴群に対応する外側スポット群を形成する複数のスポット位置の外側重心位置とを算出し、
    前記内側重心位置と外側重心位置のずれ量から前記レンズ偏芯量を求めることを特徴とする、請求項1に記載の偏芯量測定方法。
  3. 前記ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心点と、当該中心点を点対称の中心とする2点の3点に配置され、
    前記取得したハルトマン画像において
    前記点対称の両端の2点が形成する直線の中点と前記中心点とのずれ量から前記レンズ偏芯量を求めることを特徴とする、請求項1に記載の偏芯量測定方法。
  4. 点対称に配置された複数の小穴を有したハルトマン板と、
    前記ハルトマン板に光を照射する光源手段と、
    前記ハルトマン板の小穴を通過した後、レンズ系を通過した光を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像したハルトマン画像に基づいて、前記ハルトマン板の複数の小穴を通過した複数の光線が形成するスポットの位置を求める画像処理手段と、
    前記算出した複数のスポット位置の分布からコマ収差に相当する成分を抽出し、当該成分をレンズ偏芯量として算出する演算手段とを備えることを特徴とする、偏芯量測定装置。
  5. 前記ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心に対して点対称に配置され、かつ中心に対して内側と外側に二重に配置され、それぞれ点対称の複数の小穴からなる内側小穴群と外側小穴群とを形成し、
    前記内側小穴群に対応する内側スポット群を形成する複数のスポット位置の内側重心位置と、前記外側小穴群に対応する外側スポット群を形成する複数のスポット位置の外側重心位置とを算出し、
    前記内側重心位置と外側重心位置のずれ量から前記レンズ系が備える少なくとも一つのレンズが光軸から偏芯することによるコマ収差を求め、
    当該コマ収差から偏芯量を算出する演算手段とを備えることを特徴とする、請求項4に記載の偏芯量測定装置。
  6. 前記ハルトマン板が有する複数の小穴は、ハルトマン板の中心点と、当該中心点を点対称の中心とする2点の3点に配置され、
    前記取得したハルトマン画像において
    前記点対称の両端の2点が形成する直線の中点と前記中心点とのずれ量から前記レンズ偏芯量を算出する演算手段とを備えることを特徴とする、請求項4に記載の偏芯量測定装置。
  7. 前記請求項4から6の何れか一つに記載の偏芯量測定装置と、
    前記レンズ系中の少なくとも一つのレンズを光軸方向と直交する方向に移動する偏芯調整用駆動手段とを備え、
    前記偏芯調整用駆動手段は、偏芯量測定装置が備える演算手段で求めたレンズの偏芯量だけ当該レンズを移動してレンズ系が備える偏芯を調整することを特徴とする、偏芯調整装置。
  8. レンズ系を収納する開口部の周囲を囲む枠部と、
    前記レンズ系が備えるレンズの外周と当接して当該レンズを把持するレンズ押さえ部とを備え、
    前記レンズ押さえ部は、
    レンズと当接する複数の押さえピンと、
    当該複数の押さえピンの少なくとも1つの押さえピンを前記枠部に対してスライド移動自在に支持する支持部と、
    当該支持部を前記枠部に対して弾性的に支持するバネ部と、
    前記バネ部の保持端を前記枠に保持する保持部とを備え、
    前記バネ部は、
    当該バネ部に外部から力が印加されない状態では、バネ部の弾性によって支持部および押さえピンを所定位置に保持し、
    当該バネ部に外部から力が印加された状態では、バネ部の弾性変形によって支持部および押さえピンを前記開口部の方向に移動させ、
    複数の押さえピンをレンズの外周と当接させることによりレンズを把持することを特徴とする、レンズ把持装置。
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