JP4388341B2 - 偏心測定装置 - Google Patents
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Description
組み上がり後に光学系各面が保持された姿勢が設計値と異なる(即ち、偏心がある)と、光学性能は劣化する。特に、曲率半径の小さい面の偏心は、光学性能を大きく劣化させる。
そこで、近年、曲率半径が小さい面を含む小型光学系の組み上がり偏心測定を高精度に行うことは、大変重要となっている。
ここで、組み上がり偏心測定とは、組み上がり後に、光学系の各面がどのような姿勢で保持されているかを測定することである。また、この組み上がり偏心測定の対象になる光学系は、例えば、携帯用機器の撮影レンズ部組やデジタルカメラのレンズ部組等がある。
従来の一般的な光学系の組み上がり偏心測定装置や偏心測定方法としては、例えば、次の特許文献1の従来技術に記載されている。
ここで、オートコリメーション法による偏心測定の測定精度について、図1を用いて説明する。
図1はオートコリメーション法で被測定光学系の第i面の偏心測定を行うときの、第i面における結像関係を示す説明図である。第i面の曲率中心Ciに光源又は光源に照明された指標を投影したとき、第i面で反射し、第i面の曲率中心Ciに結像する。この関係は、次の式(1)〜式(3)で表わされる。
s'0=s0 …(2)
βr0=−(s'0/s0) …(3)
但し、s0は第i面位置を基準にした光源又は光源に照明された指標の投影位置、s'0は第i面位置を基準にした反射光束の結像位置、rは第i面の曲率半径、βr0は第i面における反射倍率(オートコリメーション法の場合は“−1”)である。
βr0=[(s'0−s0)±{(s'0−s0)2+r2}1/2]/r …(4)
式(4)をs'0及びs0について微分したものと式(4)との比を取り、式(2)に用いると、次の式(5)となる。
Δβr0/βr0=Δz/r …(5)
但し、Δzは測定装置の製作誤差、被測定光学系の製造誤差、被測定光学系で発生する収差等で決まる偏心測定値の誤差要素である。
式(5)から、第i面(被測定面)の曲率半径に反比例して反射倍率の誤差が増加するのがわかる。
即ち、従来のオートコリメーション法は、被測定面の見かけの曲率半径が小さくなるのに伴って、偏心測定精度は急激に低下するのである。
このため、近年の小型光学系では、十分な精度で偏心測定が行えない場合があり、光学系製造に支障を来たしている。
L 2 ≧(Δz 2 /α 2 )−R 2 ・・・(6)
但し、Ddiagは光検出器受光面の対角長の半分、βRは見かけの被測定面における反射倍率、δtolは被測定面の見かけの許容偏心誤差量である。
かつ
βproβim≦Ddiag/βRt0 ・・・(9)
但し、Ddiagは光検出器受光面の対角長の半分、βRは見かけの被測定面における反射倍率、δtolは被測定面の見かけの許容偏心誤差量、t0は光源の発光面の大きさ又は、光源に照明された指標の大きさである。
図2は本発明による偏心測定装置の測定法を示す説明図である。図2において、S1,S2,S3,S4は、被測定光学素子又は被測定光学系を構成する各レンズ面である。各レンズ面S1,S2,S3,S4のうち、測定しようとする被測定面、例えば第4面S4の、見かけの曲率中心とは異なる位置に、指標I1を投影する。そして、被測定面S4による反射像I2を結像させる。このとき、反射像I2は、指標I1と異なる所定の面(光軸に垂直な面)内に形成される。よって、この所定の面において、測定基準軸Bに対する反射像I2のズレを測定すれば、被測定面S4の偏心量を求めることができる。
上の所定位置に、反射像I2が形成される。一方、もし何れかのレンズ面に偏心が存
在すれば、基準軸Bから基準軸Bに対して垂直な方向の離れた位置に、反射像I2が形
成されることになる。なお、図2においては、基準軸Bに対して垂直な方向のうち、
紙面と平行な方向をY方向、紙面に垂直な方向をX方向とする。
ここで、基準軸Bから反射像I2までの距離を、△X及び△Y(以下、「フレ量△」と
示す。)とする。上述のように、被測定光学素子又は被測定光学系は、個々のレンズ
面で構成されている。よって、フレ量△は、個々のレンズ面の偏心量(測定基準軸に
対する傾き)εを変数とする関数(「関数f」とする。)で表される。ここで、近軸
領域においては、フレ量△は各レンズ面の偏心量εの線形結合で表される。
即ち、フレ量△は、被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まるもので
ある。図2に示すような4面からなる被測定光学系の場合、フレ量△と偏心量εの関
係は、次の行列式(10)のように表すことができる。
・・・(10)
図3は被測定面4により生じたフレ量△を、結像面5上でフレ量△imとして観察する構成を示す説明図である。ここで、被測定面4は、偏心量(測定基準軸に対する傾き)εを有している。なお、フレ量△(1次のフレ量という)とフレ量△im(2次のフレ量という)以下の関係を有する。
△im= △ × (投影光学系の倍率)
このように、フレ量△imは、投影光学系2の倍率で一義的に定まる。よって、投影光学系2の倍率が既知であり、フレ量△imを求めることができれば、フレ量△が求まる。
光源1、投影光学系2、結像面5及び被測定光学系3は、いずれも偏心測定装置に配置されている。なお、投影光学系2は、2つの機能を有している。一つは、光源1からの光を、被測定面4に投影する機能(投影光学系としての機能)である。もう一つは、被測定面4から反射される反射光を、結像面5に結像させる機能(結像光学系としての機能)である。
なお、本発明では、投影光学系、結像光学系、光源(又は光源で照明された指標)及び光検出器で構成された光学系を測定光学系という。
これに対し、光束の収束位置と被測定面4の曲率中心位置とが一致せず、ずれている(被検面が偏心量εの偏心をしている)とする。この場合には、被測定面4で反射した反射光は、上述の結像位置(ここでは、測定基準軸B)から垂直方向に△imずれた位置に収束、結像する。
従って、そのフレ量△imを測定すれば、被測定面4により生じたフレ量△を計算により求めることができる。そして、関数fを用いることによって、被測定面4の偏心量εを求めることができる。また図3には示していないが、偏心量測定装置は、コンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば、(1)被測定光学系の設計データ(各レンズの曲率半径、屈折率、肉厚、レンズ面間隔等)のデータ入力、(2)測定装置の制御、(3)結像面で検出されるフレ量のデータ取り込み、(4)偏心量の計算等を行うようになっている。また、偏心量測定装置は、フォーカス又は倍率合わせのために、測定装置光学系全体を駆動する機構、測定装置光学系の各構成要素を駆動する機構を備えている。
まず、コンピュータに、被測定光学系の設計データ(各レンズの曲率半径、面間隔、媒質の屈折率等)及び測定条件を入力する。コンピュータは入力データに基づいて、各被検面の見かけの曲率中心位置、上記行列式(11)に相当する関数fで表される行列係数、被測定面の反射倍率、結像光学系の倍率等を計算する。続いて、コンピュータは、測定装置が所定のフォーカスおよび倍率になるように、投影光学系、結像光学系、光源、及び光検出器について各々の基準軸方向における位置を制御する。この制御は、計算した見かけの曲率中心位置、被測定面の反射倍率、結像光学系の倍率に基づいて行われる。そして、結像面で検出されるフレ量のデータを取り込み、このフレ量のデータと、上記行列式(11)に相当する関数fで表される行列係数、結像光学系の倍率から、被測定光学系の偏心量を計算する。
図4(a),(b)は本発明の偏心量測定装置を用いて被測定光学系3の被測定面4の偏心測定を行うときの、見かけの被測定面4’における結像関係を示す説明図である。
ここで、見かけの被測定面4’とは、図4(a)に示すように被測定面4の像のことである。この被測定面4の像は、測定機光学系と被測定面4の間にある被測定光学系レンズ7を介して結像される。
1/s’=(−1/s)+(2/R) …(12)
s’=s+L (L≠0) …(13)
βR=−(s’/s) …(14)
ただし、sは見かけの被測定面4’位置を基準にした光源又は光源に照明された指標の投影位置(見かけの被測定面4’位置を基準にした光源又は指標の投影光学系による共役位置)、s’は見かけの被測定面4’位置を基準にした反射光束の結像位置(見かけの被測定面4’位置を基準にした光検出器の受光面の結像光学系による共役位置)、Rは被測定面4の見かけの曲率半径(見かけの被測定面4’の曲率半径)、βRは見かけの被測定面4’における反射倍率、Lは光源又は光源に照明された指標の投影位置Oに対する見かけの被測定面4’で反射した光束の結像位置Iの相対的な位置(見かけの被測定面4’を基準にした光源又は指標の投影光学系による共役位置と見かけの被測定面4’を基準にした光検出器の受光面の結像光学系による共役位置の光軸上における間隔)である。
βR=[(s’−s)±{(s’−s)2+R2}1/2]/R
={−L±(L2+R2)1/2}/R …(15)
式(15)のLに関する導関数を求めると、次の式(16)になる。
dβR/dL=±(1/R){−L±(L2+R2)1/2}
/(L2+R2)1/2 …(16)
式(15)及び式(16)から、見かけの被測定面4’の反射倍率の誤差を求めると、次の式(17)になる。
ΔβR/βR=±ΔZ/(L2+R2)1/2 …(17)
但し、Δzは測定装置の製作誤差、披測定光学系の製造誤差、被測定光学系で発生する収差等で決まる偏心測定値の誤差要素である。
しかるに、本発明の偏心量測定装置は、被測定面とするレンズ面に応じて、所定の間隔Lが0mm<L<50mmの範囲で可変となるように構成するのが好ましい。この所定の間隔Lは、第1の共役位置と第2の共役位置の、光軸上における間隔(即ち、上記Lに相当する間隔)である。ここで、第1の共役位置は、光源又は光源で照明された指標が投影光学系によって投影された位置で、光源又は光源で照明された指標と共役な位置のことである。また、第2の共役位置は、光検出器の受光面が結像光学系によって投影された位置で、光検出器の受光面と共役な位置のことである。
測定装置及び被測定光学系の諸条件で決まる誤差要素がΔz≒0.5である場合、L=50mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行えば、
|ΔβR/βR|≦0.01 ・・・(18)
となる。
従って、本発明によれば、上記誤差要素がΔz≒0.5である場合、被測定面とするレンズ面に応じて、0mm<L<50mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行うことで、測定誤差1%以下の高精度な偏心測定が可能になる。
測定装置及び被測定光学系の諸条件で決まる誤差要素が比較的小さいとき、即ち、Δz≒0.3である場合は、L=30mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行えば、
|ΔβR/βR|≦0.01 ・・・(19)
となる。
従って、本発明によれば、上記誤差要素がΔz≒0.3である場合、被測定面とするレンズ面に応じて、0mm<L≦30mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行うことで、測定誤差1%以下の高精度な偏心測定が可能になる。
被測定系が|R|≒0.5(mm)程度の極小曲率半径である面を含んでおり、測定装置及び被測定光学系の諸条件で決まる誤差要素がΔz≒0.5である場合でも、|R|≒0.5(mm)となる面を被測定面としたときに、L=20mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行えば、
|ΔβR/βR|≦0.03 ・・・(20)
となる。
従って、本発明によれば、上記誤差要素がΔz≒0.5である場合でも、|R|≒0.5(mm)となる面を被測定面としたときに、L=20mmになるよう測定装置を設定して偏心測定を行うことで、測定誤差3%以下の高精度な偏心測定が可能になる。
この結果、被測定面4の見かけの曲率半径Rに対して、Lの値が大き過ぎると、測定精度は向上する一方で、光検出器の受光面5における像の大きさ又は振れ量が非常に大きくなり過ぎる。そのため、光検出器の受光面5で像を受光しきれず、測定が行なえなくなる。特に、被測定光学系3が見かけの曲率半径の絶対値|R|<2の面を含むと、この間題が生じやすくなる。
|βR|=10 …(21)
となり、ほとんどの場合において十分実用的な反射倍率となる。このときでも倍率誤差は十分小さく、測定装置及び被測定光学系の諸条件で決まる誤差要素をΔz≒0.5としたとき、
|ΔβR/βR|=0.05 …(22)
となる。
従って、本発明によれば、測定誤差5%以下の高精度な偏心測定が可能になる。
|ΔβR/βR|≦α
∴ L2≧ΔZ2/α2−R2 …(23)
即ち、被測定面4の見かけの曲率半径Rに応じてLを最適に選べば、各面の倍率誤差を十分小さくすることができる。従って、第1の共役位置と第2の共役位置の光軸上における間隔Lが式(23)を満たすように装置を構成すれば、高精度な偏心測定が可能になる。
見かけの被測定面4’からの反射光束の結像位置s’における像の振れ量△は、見かけの被測定面4’の反射倍率、見かけの被測定面4’の偏心量δtolから、次の式(24)のように表すことができる。
△=(1−βR)δtol …(24)
式(24)から、|βR|が同じであれば、βR<0となる実像解の方が△は大きい値をとり、βR<0となる実像解の方が、被測定面4の偏心に対する感度が高いことがわかる。即ち、高精度な偏心測定を行うためには、できるだけβR<0となる条件にすることが好ましい。
△im=βim(1−βR)δtol<Ddiag
∴ βim≦Ddiag/(1−βR)δtol …(25)
Δimが光検出器受光面5の受光範囲に入らない場合は、測定を行うことができない。従って、被測定面の反射倍率を考慮して、式(25)を満たすように結像光学系の結像倍率を設定できることが好ましい。
Dim=βproβim(1−βR)t0<2Ddiag
∴ βproβim≦Ddiag/(1−βR)t0 …(26)
反射像の大きさの半分程度が、光検出器受光面5の受光範囲に入らないと十分な精度で測定することができない。よって、光源の発光面の大きさ又は、光源に照明された指標の大きさが無視できない大きさの場合(概ね0.01mm以上)、式(25)に加えて、式(26)を満たすことが好ましい。.
図7は本発明の実施例1にかかる偏心測定装置28の概略構成図、図8は実施例1の偏心測定装置28で測定した被測定光学系8の光学構成を示す光軸に沿う断面図である。
実施例1の偏心測定装置28は、測定光学系9と、コンピュータ21と、被測定光学系取り付け台29を有する。そして、被測定光学系8を被測定光学系取り付け台29に取り付けて、被測定光学系8の各被測定面の偏心量を測定することができるように構成されている。
投影光学系11は、レンズ14とレンズ15で構成されている。レンズ14は、所定の投影位置に設定するために、例えばモータ等の駆動機構22によって、光軸方向に移動可能となっている。
結像光学系12は、レンズ15及びレンズ群17で構成されている。レンズ15には、投影光学系と共通のレンズが用いられている。レンズ群17は、所定の結像位置及び結像倍率に設定するために、例えばモータ等の駆動機構24によって、光軸方向へ移動可能となっている。レンズ群17は、レンズ18〜20で構成されている。そして、例えばモータ等の駆動機構25〜27によって、レンズ間隔を変化させるようになっている。すなわち、レンズ群17は変倍可能なズーム光学系となっており、所定の結像倍率に設定することができるようになっている。レンズ群17のズーム比は、20倍以上あることが好ましい。
また、測定光学系9は、例えばモータ等の駆動機構23によって、被測定光学系8との間隔(作動距離)を調整することができるようになっている。
このように構成された偏心測定装置では、光源10は、投影光学系11を介して、被測定光学系8の被測定面に対する所定の位置Oに投影される。被測定光学系8の被測定面で反射した光束は、位置Iに結像する。位置Iの中間像は、結像光学系12を介して、光検出器13の受光面上に所定の倍率で結像する。投影光学系11と結像光学系12の光路は、ビームスプリッタ16によって結合される。
像の2次のフレ量△imを検出する光検出器13に接続されている。そして、コンピ
ュータ21は次のような機能を持っている。
(A)被測定光学系8の各レンズ面の曲率半径r、各レンズ面間の間隔d、各レンズ
の屈折率n等の設計データ、被測定光学系8の取り付け位置や取り付け向き、必要測
定精度等の測定条件を入力する。
(B)これら入力データに基づいて、見かけの曲率半径RやLの値や結像倍率等の計
算を行うと共に、各光学系を所定位置に設定するために駆動機構22〜27へ制御信
号を出力する。
(C)光検出器で検出する2次のフレ量△imをデジタル信号として取り込む。
(D)式(11)で表される各被測定面の関数fを計算すると共に、2次のフレ量
△im及び関数f及び結像光学系12の結像倍率から、被測定光学系8の各レンズ面
の偏心量εを算出する。
(E)測定結果を表示する。
(表1)
f = 5.55 FNO= 2.88 2ω=64.4度 δtol=0.05(各レンズ面共通)
第1面 r1= 13.9598 d1= 2.4200 n1=1.82174
第2面 r2= 56.3701 d2= 0.2700
第3面 r3= 7.6185 d3= 0.8700 n3=1.48181
第4面 r4= 2.4917 d4= 3.3154
第5面 r5=∞(絞り) d5= 1.0735
第6面 r6= ‐8.2879 d6= 0.8000 n6=1.82174
第7面 r7= 10.5000 d7= 3.7900 n7=1.71867
第8面 r8= ‐5.2842 d8= 0.1500
第9面 r9= 9.8776 d9= 3.3700 n9=1.55644
第10面 r10= ‐13.3796
まず、被測定光学系8を被測定光学系取り付け台29に取り付ける。
次に、コンピュータ21に、表1に示した被測定光学系8の各レンズ面の曲率半径r,各レンズ面間の間隔d,各レンズの屈折率n等のデータ、被測定光学系8の取り付け位置や取り付け向き、必要測定精度(ここでは5%とする)等の測定条件を入力する。
コンピュータ21は、表1の入力データをもとに、見かけの曲率半径R、見かけの曲率中心位置Cを計算する。この結果を次の表2に示す。なお、R及びCの添え字は、レンズ面番号を表している。
(表2)
レンズ面 見かけの曲率半径 見かけの曲率中心位置
第1面 R1= 13.9598 C1= 13.9598
第2面 R2= ‐37.3125 C2= ‐35.8714
第3面 R3= 14.86583 C3= 16.62896
第4面 R4= 2.92959 C4= 5.45295
第6面 R6= ‐12.1477 C6= ‐5.00041
第7面 R7= 2.21009 C7= 9.68651
第8面 R8= ‐1.86055 C8= 6.77166
第9面 R9= 4.91365 C9= 13.60473
第10面 R10= ‐2.71452 C10= 7.0008
(表3)
Δz=0.3,α=0.05,δtol=0.05,Ddiag=3
レンズ面 I‐O距離 反射倍率 結像倍率
第1面 L1= 0 βR1=- 1 βim1=30
第2面 L2= 0 βR2=- 1 βim2=30
第3面 L3= 0 βR3=- 1 βim3=30
第4面 L4= 5.23617 βR4=‐3.84 βim4=12.40847
第6面 L6= 0 βR6=‐1 βim6=30
第7面 L7= 5.57813 βR7=‐5.24 βim7= 9.62
第8面 L8= ‐5.70424 βR8=‐6.29 βim8= 8.23
第9面 L9= 3.44326 βR9=‐1.92 βim9=20.53
第10面 L10=‐5.35083 βR10=‐4.18 βim10=11.58
次に、コンピュータ21は、光検出器で検出した第1面の2次のフレ量△imをデジタル信号として取り込む。さらに、式(11)で表される第1面の関数fを計算すると共に、2次のフレ量Δim及び関数f及び結像光学系12の結像倍率から、第1面の偏心量εを算出する。
そして、コンピュータ21は、表3の結果にしたがう偏心量ε算出までのこれらの処理を第2〜第10面まで繰り返し、被測定光学系8の各レンズ面の偏心を測定する。
なお、さらに高い測定精度が必要な場合、例えば、測定誤差1%以下にする場合は、表3に示した設定値の代わりに、次の表4に示すような設定値となるようにして測定を行えば良い。
また、レンズ枚数、必要測定精度=α、許容偏心誤差δtolが異なる被測定光学系を測定する場合も、本実施例と同様な手順で測定を行えば、高精度な偏心測定が行える。
(表4)
Δz=0.3,α=0.01,δtol=0.05,Ddiag=3
レンズ面 I−O距離 反射倍率 結像倍率
第1面 L1= 26.5542 βR1=‐4.05 βim1=11.89
第2面 L2= 0 βR2=‐1 βim2=30
第3面 L3= 26.0578 βR3=‐3.78 βim3=12.58
第4面 L4= 29.8566 βR4=‐20.43 βim4= 2.80
第6面 L6=‐27.43054 βR6=‐4.73 βim6=10.4
第7面 L7= 29.9185 βR7=‐27.11 βim7= 2.13
第8面 L8=‐29.94225 βR8=‐32.22 βim8= 1.81
第9面 L9= 29.5949 βR9=‐12.13 βim9= 4.57
第10面 L10=‐29.87694 βR10=‐22.06 βim10= 2.60
図9(a)は実施例2の偏心測定装置30の概略構成図、(b)は偏心測定装置30の光源部に設けられた指標34のパターンを示す説明図である。
実施例2の偏心測定装置30の測定光学系31は、実施例1の測定光学系9と基本構成は同じであるが、光源部35が異なっている。そして、これに伴って、結像光学系12の結像倍率の設定も異なったものになっている。
実施例2の偏心測定装置30の基本的な作用効果は、実施例1の偏心測定装置28と同じである。以下、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
投影光字系11の投影倍率βproは、被測定光学系8を測定する場合においては、0.2倍に設定されているものとする。このとき、結像光学系12の結像倍率βimは、式(25)と式(26)を満たすように設定する。この結果を次の表5に示す。
(表5)
Δz=0.3,α=0.05,δtol=0.05,Ddiag=3,t0=1,βpro=0.2
レンズ面 I‐O距離 反射倍率 結像倍率
第1面 L1= 0 βR1= ‐1 βim1=15
第2面 L2= 0 βR2= ‐1 βim2=15
第3面 L3= 0 βR3= ‐1 βim3=15
第4面 L4= 5.23617 βR4= ‐3.84 βim4= 3.91
第6面 L6= 0 βR6= ‐1 βim6=15
第7面 L7= 5.57813 βR7= ‐5.24 βim7= 2.86
第8面 L8=‐5.70424 βR8= ‐6.29 βim8= 2.38
第9面 L9= 3.44326 βR9= ‐1.92 βim9= 7.81
第10面 L10=‐5.35083 βR10= ‐4.18 βim10= 3.59
2,11 投影光学系
3 被測定光学系
4 被測定面
4’ 見かけの被測定面
5 結像面(光検出器の受光面)
6 半透鏡
7 被測定光学系レンズ
8 被測定光学系
9,31 測定光学系
12 結像光学系
13 光検出器
14,15,18,19,20 レンズ
16 ビームスプリッタ
17 レンズ群
22,23,24,25,26,27 駆動機構
21 コンピュータ
28,30 偏心測定装置
29 被測定光学系取り付け台
33 集光レンズ
34 指標
35 光源部
C 曲率中心
B 測定基準軸
I 像点
I1 指標
I2 反射像
O 物点
R 面頂から曲率中心までの距離
s 物点から面頂までの距離
s’ 面頂から像点までの距離
S1,S2,S3,S4 レンズ面
S 見かけの被測定面4’を基準にした光源又は光源に照明された指標の投影位置
S’ 見かけの被測定面4’を基準にした反射光束の結像位置
Claims (5)
- 4面以上の光学面で構成される被測定光学系の偏心量を測定する装置であって、
光源又は光源で照明される指標と、
被測定面に前記光源又は前記光源で照明された指標の像を投影する投影光学系と、
前記被測定面から反射される前記光源又は前記光源で照明された指標の反射像の位置を検出する光検出器と、
前記被測定面から反射される前記光源又は前記光源で照明された指標の反射像を光検出器の受光面に結像させる結像光学系と、
前記反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量算出手段と、
前記投影光学系の位置及び前記結像光学系の位置を所定の光軸方向に移動させて、前記光源又は前記光源で照明された指標と前記投影光学系の光軸と前記結像光学系の光軸とがほぼ同軸となる状態で前記被測定面と前記投影光学系との間隔及び前記被測定面と前記結像光学系との間隔を変化させる駆動手段と、
前記被測定光学系の設計データと、前記被測定光学系の取り付け向きとに基づいて、被測定面とするレンズ面の見かけの曲率半径R(mm)を算出し、前記光源又は前記光源で照明された指標の前記投影光学系による共役位置と前記光検出器の受光面の前記結像光学系による共役位置との前記光軸上における間隔Lについて、前記算出した被測定面とするレンズ面の見かけの曲率半径R(mm)と、前記被測定光学系の取り付け位置及び取り付け向きと、必要測定精度α(0≦α<1の値)と、前記光源の発光特性、前記投影光学系の収差及び製作誤差、前記結像光学系の収差及び製作誤差等によって発生する前記間隔Lの誤差(誤差要素)Δzとに基づいて、次の条件式を満足する前記間隔Lを算出し、算出した間隔Lに基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする偏心測定装置。
L 2 ≧(Δz 2 /α 2 )−R 2 - 前記被測定光学系が、見かけの曲率半径の絶対値|R|(mm)が|R|≦2(mm)となる面を1面以上含む4面以上の光学面で構成され、
前記間隔Lが、被測定面とするレンズ面に応じて、0mm<L<50mmの範囲で可変であることを特徴とする請求項1に記載の偏心測定装置。 - 前記光源又は前記光源で照明された指標の前記投影光学系による共役位置が、前記光検出器の受光面の前記結像光学系による共役位置よりも、前記被測定面側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏心測定装置。
- 前記制御手段は、前記結像光学系の結像倍率β im が、次の条件式を満足するように、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏心測定装置。
βim≦Ddiag/(1−βR)δtol
但し、Ddiagは光検出器受光面の対角長の半分、βRは見かけの被測定面における反射倍率、δtolは被測定面の見かけの許容偏心誤差量である。 - 前記制御手段は、前記投影光学系の結像倍率β pro 及び前記結像光学系の結像倍率β im が、次の条件式を満足するように、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏心測定装置。
βim≦Ddiag/(1−βR)δtol
かつ
βproβim≦Ddiag/βRt0
但し、Ddiagは光検出器受光面の対角長の半分、βRは見かけの被測定面における反射倍率、δtolは被測定面の見かけの許容偏心誤差量、t0は光源の発光面の大きさ又は、光源に照明された指標の大きさである。
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