JP2010091468A - 収差測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】顕微鏡光学系全体としての光学性能の評価を簡便かつ精度良く実施できる収差測定装置を提供すること。
【解決手段】収差測定装置1は、結像レンズ143と光検出器160との間に挿脱自在に装着される点光源ユニット170を備える。この点光源ユニット170は、光源ユニット171、照射側ピンホール174、結像側ピンホール175等を含む。照射側ピンホール174は、点光源ユニット170の装着時の位置が対物レンズ141の焦点位置と共役な位置となるように、点光源ユニット170内の光源ユニット171後段の適所に設けられ、点光源を実現する。一方、結像側ピンホール175は、点光源ユニット170の装着時における位置が、結像レンズ143の後段であって、対物レンズ141の焦点位置と共役な位置となるように、点光源ユニット170内の適所に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の光学性能を評価するための収差測定装置に関する。
光学系を用いて撮像した画像を測定に用いる場合、その光学系には高度な収差補正が要求される。例えば、レーザ共焦点顕微鏡では、像面湾曲があると平坦な試料の観察像が曲面になってしまうため、深さ方向の正確な測定ができなくなる。あるいは、複数の波長のレーザで画像を撮像して比較する場合、光学系に色収差があると、像の位置が波長によって横方向(光学系の光軸に垂直な方向)と縦方向(光学系の光軸方向)にずれるため、正確な比較演算ができなくなる。
このような誤差を補正するためには、予め光学系の収差を測定しておき、測定値をもとに撮像した画像を修正する必要がある。あるいは、収差の測定値をもとに光学系のレンズ位置を修正し、収差を十分に小さくしておく必要がある。そして、これらを実施する前提として、光学系の収差を高精度に評価できる評価装置の存在が不可欠である。
例えば、特許文献1には、被検レンズである対物レンズを含む被検出ユニットを被検レンズの略瞳位置を中心に傾斜させてI−Zカーブを求め、被検レンズの光学性能を評価する評価装置が開示されている。
特開2006−118944号公報
ところで、顕微鏡を構成する光学系は対物レンズだけではなく、結像光学系等の他の光学系を含む。しかしながら、特許文献1の評価装置で評価の対象としている被検レンズは対物レンズであり、結像光学系等の他の光学系を含めた光学系全体としての光学性能を評価することはできなかった。また、専用の評価装置を必要とするため、被検レンズの評価を手軽に実施できず、コストも増大する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、顕微鏡光学系全体としての光学性能の評価を簡便かつ精度良く実施できる収差測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる収差測定装置は、対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の光学性能を評価するための収差測定装置であって、前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される点光源と、前記点光源を前記対物レンズの焦点位置に投影する投影手段と、前記対物レンズの焦点位置または該焦点位置の近傍に配置される反射部材と、前記結像光学系後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される結像側ピンホールと、前記反射部材によって反射され、前記顕微鏡光学系を介して結像されて前記結像側ピンホールを通過した観察光を検出する光検出手段と、前記対物レンズと前記反射部材との相対距離を変化させる移動手段と、前記相対距離毎に前記光検出手段によって検出された観察光の光強度をもとに、前記顕微鏡光学系の軸上色収差を測定する測定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記点光源と前記結像側ピンホールとが一体的なユニットとして構成されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記点光源は、照射側ピンホールと、該照射側ピンホールを透過照明する光源とを有し、前記照射側ピンホールが、当該点光源の装着時において前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に配置されるように設けられたことを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記点光源は、光源と、該光源からの光を導光する光ファイバとを有し、前記光ファイバの射出端が、当該点光源の装着時において前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に配置されるように設けられたことを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記点光源は、射出する光の波長を選択切り換え可能に構成されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の光学性能を評価するための収差測定装置であって、光源と、前記光源後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着されて点光源を形成する照射側ピンホールと、前記光源から射出されて前記照射側ピンホールを通過した光を前記対物レンズの焦点位置に投影する投影手段と、前記対物レンズの焦点位置または該焦点位置の近傍に配置される反射部材と、前記結像光学系後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される結像側ピンホールと、前記反射部材によって反射され、前記顕微鏡光学系を介して結像されて前記結像側ピンホールを通過した観察光を検出する光検出手段と、前記対物レンズと前記反射部材との相対距離を変化させる移動手段と、前記相対距離毎に前記光検出手段によって検出された観察光の光強度をもとに、前記顕微鏡光学系の軸上色収差を測定する測定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記光源は、射出する光の波長を選択切り換え可能に構成されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる収差測定装置は、上記の発明において、前記投影手段によって前記対物レンズの焦点位置に投影される点光源像が、前記顕微鏡光学系の分解能と同等以下の大きさであることを特徴とする。
本発明によれば、対物レンズの焦点位置と共役な位置に点光源を装着するとともに、結像光学系後段の対物レンズの焦点位置と共役な位置に結像側ピンホールを装着し、対物レンズの焦点位置に反射部材を配置することによって、対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の軸上色収差を測定できる。また、本収差測定装置は、点光源と結像側ピンホールとをともに対物レンズの焦点位置と共役な位置に配置することによって共焦点光学系を形成しており、共焦点効果によって顕微鏡光学系の軸上色収差を精度良く測定できる。したがって、対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系全体としての光学性能を簡便かつ精度良く評価することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の収差測定装置1の要部構成を説明する図である。実施の形態1の収差測定装置1は、落射照明を行う投光管を備えた顕微鏡に適用したものであり、Z軸方向(上下方向)に移動自在な移動手段としてのZ軸移動ステージ100と、このZ軸移動ステージ100を支持する顕微鏡本体110と、一端が顕微鏡本体110上部に支持された投光管120と、投光管120の背面に配置されたランプハウス130と、投光管120の他端底部に配置された対物レンズ141と、投光管120の他端上部に配置された結像光学系としての結像レンズ143と、結像レンズ143を経た観察光を検出する光検出手段としての光検出器160とを含む。
Z軸移動ステージ100には、反射部材101が載置される。反射部材101としては、平坦な鏡面を有するミラーやベアウエハ等が用いられ、鏡面を上にしてZ軸移動ステージ100上に載置される。Z軸移動ステージ100は、載置された反射部材101をZ軸方向すなわち顕微鏡の観察光軸OA1の方向に上下動させるものであり、例えば、変位量をモニタする静電容量センサを内蔵したピエゾステージで構成される。このZ軸移動ステージ100は、後述の制御部180によって駆動され、反射部材101を所定範囲内の任意のZ軸位置に移動させる。なお、顕微鏡として使用時、Z軸移動ステージ100には観察対象の標本が載置される。
対物レンズ141および結像レンズ143は、顕微鏡光学系140を構成し、それぞれ観察光軸OA1上の適所に配置される。光検出器160は、例えばフォトダイオード等で構成され、入射される光の強度(光強度)を検出して電気信号に変換し、後述の処理装置190に出力する。
そして、収差測定装置1は、結像レンズ143と光検出器160との間に挿脱自在に装着される点光源ユニット170を備える。この点光源ユニット170は、光源ユニット171と、照射側ピンホール174と、結像側ピンホール175と、投影手段としてのハーフミラー177とを含む。
光源ユニット171は、図示しない白色光源や波長選択装置、光量調整装置等で構成される。白色光源は、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、LED等で実現される。波長選択装置は、例えば、複数の干渉フィルタを保持し、そのうちの1つを光路内に選択的に設置可能な回転ホルダを用いて構成される。光量調整機構は、例えば、透過率を0〜100%の範囲で連続に変更可能な回転型のNDフィルタを用いて構成される。波長選択装置および光量調整装置は、制御部180によって駆動され、光源ユニット171の白色光源が射出する光の中心波長と強度とを所定範囲内で任意に設定(選択切換)する。なお、波長選択装置は、上記した構成に限らず、他の分光装置等を用いて構成してもよい。あるいは、異なる波長の光を射出する複数の光源を用いて光源ユニット171を構成し、光源を切り換える構成としてもよい。
照射側ピンホール174は、点光源ユニット170の装着時の位置が対物レンズ141の焦点位置と共役な位置となるように、点光源ユニット170内の光源ユニット171後段の適所に設けられ、点光源を実現する。一方、結像側ピンホール175は、点光源ユニット170の装着時における位置が、結像レンズ143の後段であって、対物レンズ141の焦点位置と共役な位置となるように、点光源ユニット170内の適所に設けられる。このように、点光源ユニット170は、その装着時において共に対物レンズ141の焦点位置と共役な位置となるように設けられた2つのピンホール174,175を備えており、本収差測定装置1は、点光源ユニット170の装着によって共焦点光学系を形成する。ハーフミラー177は、点光源ユニット170の装着時において観察光軸OA1上に配置されるように点光源ユニット170内の適所に設けられ、照射側ピンホール174を通過した照明光を観察光軸OA1に沿って偏向させて結像レンズ143に入射させるものである。
この点光源ユニット170において、光源ユニット171から射出された光(照明光)は、照射側ピンホール174を透過照明する。照射側ピンホール174を通過した照明光は、ハーフミラー177、結像レンズ143および対物レンズ141を経由してZ軸移動ステージ100上の反射部材101に照射され、この反射部材101に点光源像として投影される。この照明光は観察光として反射され、対物レンズ141、結像レンズ143およびハーフミラー177を経由して結像側ピンホール175に入射する。そして、結像側ピンホール175を通過した光が、光検出器160に入射する。
ここで、照射側ピンホール174の径は、対物レンズ141の焦点位置における共役像がエアリーディスク径と同等以下の点光源像となるように設定されており、反射部材101には、エアリーディスク径相当の点光源像(顕微鏡光学系140の回折限界より小さく、顕微鏡光学系140の分解能と同等以下の点光源像が投影されるようになっている。これは、軸上のある一点を評価したいためであり、このためには、光学系の限界であるエアリーディスク径以下の光源が必要だからである。このようにエアリーディスク径と同等以下の点光源とすることで、収差をもたない光源が実現できる。また、エアリーディスクと同等以下の点光源とすることでI−Zカーブの検出感度が向上し、精度よく評価できるという効果もある。また、結像側ピンホール175の径は、反射部材101に投影されて対物レンズ141および結像レンズ143を介して結像される共役像と同程度の大きさが望ましい。
また、収差測定装置1は、収差測定装置1全体の動作を統括的に制御する制御部180と、この制御部180と接続される測定手段としての処理装置190とを備える。
制御部180は、図示しないインターフェースを介してZ軸移動ステージ100やランプハウス130、光検出器160、点光源ユニット170の光源ユニット171等と電気的に接続され、各部の動作を統括的に制御する。この制御部180は、収差測定装置1の動作に必要な各種プログラムやデータ等を保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成される。また、制御部180には、キーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部181や、LCDやELディスプレイ等の表示装置で構成される表示部183と接続されている。入力部181は、顕微鏡光学系140の評価に必要な情報を入力するためのものである。表示部183には、各種設定入力や各種表示出力のための画面を表示するためのものである。
処理装置190には、光検出器160からの光強度の電気信号が入力されるようになっており、処理装置190は、この電気信号を処理して顕微鏡光学系140の光学性能を評価する評価処理を行う。評価処理は、点光源像の光強度をもとに顕微鏡光学系140の軸上色収差を測定し、測定値に応じて顕微鏡光学系140の光学性能を評価する処理であり、公知技術を適用して実現できる。この処理装置190は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータで実現され、例えば、ハードディスクやROM、RAM等の記憶装置の他、評価処理に必要な情報を入力する入力装置や評価結果等を表示する表示装置等を適宜備える。記憶装置には、評価処理を実現するためのプログラムやこのプログラムの実行に用いるデータ、光検出器160から入力される光強度のデータ、評価処理の処理結果(評価結果)等が記憶される。
次に、収差測定装置1の動作について説明する。操作者は先ず、入力部181を操作して評価波長を選択する。評価波長が選択されると、制御部180は、点光源像の光強度検出処理を開始し、結像側ピンホール175を通過した光の光強度を選択された評価波長毎に順次検出していく。すなわち先ず、制御部180は、Z軸移動ステージ100を駆動し、所定の検出範囲下端のZ軸位置に移動させる。
続いて、制御部180は、光源ユニット171を構成する波長選択装置の干渉フィルタを切り換えて評価波長を順次選択する。このとき、制御部180は、光源ユニット171の光量調整装置によって反射部材101に対する照明光を適切な光量に切り換える。この結果、光検出器160によって検出された光強度が処理装置190に出力される。またこのとき、制御部180は、Z軸移動ステージ100のZ軸位置および評価波長を処理装置190に出力するようになっており、検出された光強度は、点光源像の光強度として検出時のZ軸位置および評価波長とともに処理装置190に保存される。
そして、制御部180は、全ての評価波長について点光源像の光強度を検出したならば、Z軸移動ステージ100を駆動して検出範囲上方へと所定量移動させる。
そして、制御部180は、上記の処理と同様に、現在のZ軸移動ステージ100のZ軸位置において評価波長を順次選択して切り換えながら光強度を検出する処理を行う。以下、制御部180は検出範囲の上端まで処理を繰り返し、各Z軸位置における評価波長毎の点光源像の光強度を検出する。
この光強度検出処理を終えると、制御部180の制御のもと、処理装置190が評価処理を実行して顕微鏡光学系140の軸上色収差を測定し、顕微鏡光学系140の光学性能を評価する。評価結果は、表示部183あるいは処理装置190の表示部に適宜表示出力される。
図2は、縦軸を評価波長毎に検出した点光源像の光強度(I)とし、横軸を検出時のZ軸移動ステージ100のZ軸位置として光強度検出処理の結果をプロットしたI−Zカーブの一例を示す図であり、図2では、3つの評価波長A,B,CについてのI−Zカーブを示している。ここで、I−Zカーブのピーク位置PA,PB,PCがその評価波長における合焦位置であり、評価処理では、評価波長毎のピーク位置PA,PB,PCをもとに顕微鏡光学系140の軸上色収差を測定し、測定値を評価することによって顕微鏡光学系140の光学性能を評価する。
以上説明した実施の形態1の収差測定装置1によれば、結像レンズ143と光検出器160との間に挿脱自在な点光源ユニット170を装着することによって共焦点光学系を形成し、共焦点効果によって顕微鏡光学系140の軸上色収差を精度良く測定することができる。また、このようにして顕微鏡光学系140の軸上色収差を測定する際には、結像レンズ143と光検出器160との間に点光源ユニット170を装着し、Z軸移動ステージ100に反射部材101を載置すればよいため、顕微鏡光学系140の光学性能を評価するための専用の装置を必要としない。したがって、対物レンズ141および結像レンズ143を含む顕微鏡光学系140全体としての光学性能を簡便にかつ精度良く評価することができ、コストも低減できる。
なお、上記した実施の形態では、光源ユニット171を構成する光源として白色光源を用いることとしたが、これに限定されるものではない。図3は、変形例における収差測定装置1bの要部構成を説明する図である。なお、図3において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付している。
本変形例では、光源ユニット171bを構成する光源として、所望の波長を適宜選択可能なレーザ光源を用いる。そして、このレーザ光源とこのレーザ光源からの光を導光する光ファイバ172bとによって、光ファイバ172bのコア径と同等の大きさの点光源を実現する。ここで、光ファイバ172bは、対物レンズ141の焦点位置でエアリーディスク径相当の点光源像となるようなコア径を持つ。すなわち、本変形例では、点光源ユニット170bにおいて、実施の形態1で説明した照射側ピンホール174が不要であり、この照射側ピンホール174の配置位置である光源ユニット171b後段の対物レンズ141の焦点位置と共役な位置に、光ファイバ172bの射出端173bが配置される。
光源ユニット171bから射出されて光ファイバ172bによって導光された照明光は、ハーフミラー177、結像レンズ143および対物レンズ141を経由して反射部材101に照射され、この反射部材101に点光源像として投影される。そして、この照明光は観察光として反射され、対物レンズ141、結像レンズ143およびハーフミラー177を経由して結像側ピンホール175に入射する。そして、結像側ピンホール175を通過した光が、光検出器160に入射する。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2の収差測定装置2の要部構成を説明する図である。実施の形態2の収差測定装置2は、実施の形態1と同様に落射照明を行う投光管を備えた顕微鏡に適用したものである。すなわち、この収差測定装置2は、Z軸方向(上下方向)に移動自在なZ軸移動ステージ200と、このZ軸移動ステージ200を支持する顕微鏡本体210と、一端が顕微鏡本体210上部に支持された投光管220と、投光管220の背面側から照明光を射出する光源ユニット230と、投光管220の他端底部に配置された対物レンズ241と、投光管220の他端上部に配置された結像レンズ243と、結像レンズ243を経た観察光を検出する光検出器245とを含む。
Z軸移動ステージ200は、実施の形態1と同様に構成され、ミラーやベアウエハ等の反射部材201が載置される。また、光検出器245は、実施の形態1と同様に例えばフォトダイオード等で構成され、入射される光の強度(光強度)を検出して電気信号に変換・出力する。
投光管220は、Z軸移動ステージ200上の反射部材201を落射照明する照明光学系を内部に備えている。すなわち、投光管220の内部には、コレクタレンズ221や開口絞り222、照明レンズ224、光源ユニット230から射出される照明光を観察光軸OA23に沿って偏向させて対物レンズ241に入射させるハーフミラー225等が、照明光軸OA21に沿って適所に配置されている。
実施の形態2では、この投光管220内において、照射側ピンホールユニット250が挿脱自在に装着されている。照射側ピンホールユニット250は、照射側ピンホール251を備える。ここで、照射側ピンホール251は、顕微鏡として用いるときの視野絞りの位置に配置される。視野絞りは、対物レンズ241の焦点位置と共役な位置に配置されるものである。すなわち、照射側ピンホール251は、投光管220から視野絞りを取り外し、この視野絞りに換えて照射側ピンホールユニット250を装着したときに視野絞りの位置に配置されるように、照射側ピンホールユニット250内の適所に設けられている。
光源ユニット230は、実施の形態1の光源ユニット171と同様に構成されるものであり、実施の形態2では、この光源ユニット230が、実施の形態1で説明した光源ユニット171とランプハウス130とを兼ねている。あるいは、光源としてレーザ光源を用いることとしてもよい。また、対物レンズ241および結像レンズ243は、顕微鏡光学系240を構成し、それぞれ観察光軸OA23上の適所に配置される。
そして、収差測定装置2は、結像レンズ243と光検出器245との間に挿脱自在に装着される結像側ピンホールユニット260を備えている。この結像側ピンホールユニット260は、結像側ピンホール261を備える。ここで、結像側ピンホール261は、結像レンズ243と光検出器245との間に結像側ピンホールユニット260を装着したときに対物レンズ241の焦点位置と共役な位置となるように、結像側ピンホールユニット260内の適所に設けられている。
この収差測定装置2において、光源ユニット230から射出された照明光は、光ファイバ231によって導光されて投光管220の背面側から射出される。このようにして射出され、投光管220内の照射側ピンホール251を通過した照明光は反射部材201に照射され、この反射部材201に点光源像として投影される。そして、この照明光は観察光として反射され、対物レンズ241、ハーフミラー225および結像レンズ243を経由して結像側ピンホール261に入射する。そして、結像側ピンホール261を通過した光が、光検出器245に入射する。
なお、実施の形態1と同様に、照射側ピンホール251の径は、対物レンズ241の焦点位置における共役像がエアリーディスク径と同等以下の点光源像となるように設定されている。また、結像側ピンホール261の径は、反射部材201に投影されて対物レンズ241および結像レンズ243を介して結像された共役像と同程度の大きさが望ましい。
また、収差測定装置2は、実施の形態1と同様に、収差測定装置2全体の動作を統括的に制御する制御部280を備え、入力部281や表示部283と接続されている。この制御部280は、実施の形態1と同様にして、点光源像の光強度検出処理を行う。そして、収差測定装置2は、この制御部280と接続された処理装置290を備え、評価処理を行う。すなわち、処理装置290は、結像側ピンホール261を通過して光検出器245によって検出された光の光強度をもとに顕微鏡光学系240の軸上色収差を測定し、測定値を評価することによって顕微鏡光学系240の光学性能を評価する。
以上説明した実施の形態2の収差測定装置2によれば、投光管220内の視野絞りを照射側ピンホールユニット250と交換して装着するとともに、結像レンズ243と光検出器245との間に結像側ピンホールユニット260を装着することによって共焦点光学系を形成し、共焦点効果によって顕微鏡光学系240の軸上色収差を精度良く測定することができる。また、このようにして顕微鏡光学系240の軸上色収差を測定する際には、投光管220内の視野絞りを照射側ピンホールユニット250と交換するとともに結像レンズ243と光検出器245との間に結像側ピンホールユニット260を装着し、Z軸移動ステージ200上に反射部材201を載置すればよいため、顕微鏡光学系240の光学性能を評価するための専用の装置を必要としない。また、実施の形態1のように、点光源を実現するための専用の光源ユニットを用意する必要がない。したがって、対物レンズ241および結像レンズ243を含む顕微鏡光学系240全体としての光学性能を簡便にかつ精度良く評価することができ、コストも低減できる。
なお、顕微鏡として使用時に投光管220内に配置される視野絞りを最小に絞込むことで、この視野絞りを照射側ピンホールとして用いるようにしてもよい。この場合には、照射側ピンホールが必要なく、視野絞りと照射側ピンホールユニットとの交換作業が不要となる。
また、照射側ピンホール251の位置に、光ファイバの射出端を配置するようにしてもよい。図5は、変形例における収差測定装置2cの要部構成を説明する図である。なお、図5において、実施の形態2と同様の構成については同一の符号を付している。
本変形例では、投光管220cは、内部の照明光軸OA21上の適所に照明レンズ224およびハーフミラー225を配置して構成される。そして、本変形例は、光源ユニット230cと、この光源ユニット230cからの光を導光する光ファイバ231cとによって点光源を実現するものであり、顕微鏡として使用時に視野絞りが配置される投光管220c内の対物レンズ241の焦点位置と共役となる位置に、光ファイバ231cの射出端233cが配置される。光ファイバ231cは、実施の形態1の変形例で説明した光ファイバ231cと同様に、対物レンズ241の焦点位置でエアリーディスク径相当の点光源像となるようなコア径を持つ。
光源ユニット230から射出されて光ファイバ231cによって導光された照明光は、照明レンズ224、ハーフミラー225、結像レンズ243および対物レンズ241を経由して反射部材201に照射され、この反射部材201に点光源像として投影される。そして、この照明光は観察光として反射され、対物レンズ241、結像レンズ243およびハーフミラー225を経由して結像側ピンホール261に入射する。そして、結像側ピンホール261を通過した光が、光検出器245に入射する。この収差測定装置2cは、顕微鏡として使用時に投光管220c内に配置される視野絞りを取り外すことで構成できる。
実施の形態1の収差測定装置の要部構成を説明する図である。 光強度検出処理の結果をプロットしたI−Zカーブの一例を示す図である。 実施の形態1の変形例における収差測定装置の要部構成を説明する図である。 実施の形態2の収差測定装置の要部構成を説明する図である。 実施の形態2の変形例における収差測定装置の要部構成を説明する図である。
符号の説明
1,1b,2,2c 収差測定装置
100,200 Z軸移動ステージ
101,201 反射部材
110,210 顕微鏡本体
120 投光管
130 ランプハウス
140,240 顕微鏡光学系
141,241 対物レンズ
143,243 結像レンズ
160,245 光検出器
170,170b 点光源ユニット
171,171b 光源ユニット
172 光ファイバ
172b 光ファイバ
173b 射出端
174 照射側ピンホール
175 結像側ピンホール
177 ハーフミラー
180,280 制御部
181,281 入力部
183,283 表示部
190,290 処理装置
220,220c 投光管
221 コレクタレンズ
222 開口絞り
224 照明レンズ
225 ハーフミラー
230 光源ユニット
231,231c 光ファイバ
233c 射出端
250 ピンホールユニット
251 照射側ピンホール
260 ピンホールユニット
261 結像側ピンホール

Claims (8)

  1. 対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の光学性能を評価するための収差測定装置であって、
    前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される点光源と、
    前記点光源を前記対物レンズの焦点位置に投影する投影手段と、
    前記対物レンズの焦点位置または該焦点位置の近傍に配置される反射部材と、
    前記結像光学系後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される結像側ピンホールと、
    前記反射部材によって反射され、前記顕微鏡光学系を介して結像されて前記結像側ピンホールを通過した観察光を検出する光検出手段と、
    前記対物レンズと前記反射部材との相対距離を変化させる移動手段と、
    前記相対距離毎に前記光検出手段によって検出された観察光の光強度をもとに、前記顕微鏡光学系の軸上色収差を測定する測定手段と、
    を備えることを特徴とする収差測定装置。
  2. 前記点光源と前記結像側ピンホールとが一体的なユニットとして構成されたことを特徴とする請求項1に記載の収差測定装置。
  3. 前記点光源は、照射側ピンホールと、該照射側ピンホールを透過照明する光源とを有し、前記照射側ピンホールが、当該点光源の装着時において前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に配置されるように設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の収差測定装置。
  4. 前記点光源は、光源と、該光源からの光を導光する光ファイバとを有し、前記光ファイバの射出端が、当該点光源の装着時において前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に配置されるように設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の収差測定装置。
  5. 前記点光源は、射出する光の波長を選択切り換え可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の収差測定装置。
  6. 対物レンズおよび結像光学系を含む顕微鏡光学系の光学性能を評価するための収差測定装置であって、
    光源と、
    前記光源後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着されて点光源を形成する照射側ピンホールと、
    前記光源から射出されて前記照射側ピンホールを通過した光を前記対物レンズの焦点位置に投影する投影手段と、
    前記対物レンズの焦点位置または該焦点位置の近傍に配置される反射部材と、
    前記結像光学系後段の前記対物レンズの焦点位置と共役な位置に着脱自在に装着される結像側ピンホールと、
    前記反射部材によって反射され、前記顕微鏡光学系を介して結像されて前記結像側ピンホールを通過した観察光を検出する光検出手段と、
    前記対物レンズと前記反射部材との相対距離を変化させる移動手段と、
    前記相対距離毎に前記光検出手段によって検出された観察光の光強度をもとに、前記顕微鏡光学系の軸上色収差を測定する測定手段と、
    を備えることを特徴とする収差測定装置。
  7. 前記光源は、射出する光の波長を選択切り換え可能に構成されたことを特徴とする請求項6に記載の収差測定装置。
  8. 前記投影手段によって前記対物レンズの焦点位置に投影される点光源像が、前記顕微鏡光学系の分解能と同等以下の大きさであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の収差測定装置。
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