JP2004069594A - 偏心量測定機及び偏心量測定方法 - Google Patents

偏心量測定機及び偏心量測定方法 Download PDF

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Eiji Yasuda
安田 英治
Masato Yasugaki
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Abstract

【課題】光学系の偏心量を測定するに際し、被測定面からの反射像が暗くなる場合であっても、高精度で偏心量を測定する装置と方法を提供する。
【解決手段】本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する光学系の被測定面268に、投影光学系262を介して光源284の像を投影し、前記被測定面268から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光源の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系264を備えたことを特徴とする。この構成によれば、被測定面の開口数がコンバージョン光学系264により投影光学系の射出用開口数に近づけられることとなって、前記被測定面に光量が多く投影され反射像が明るくなって偏心量を高精度で測定できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の偏心量測定機及び偏心量測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なレンズ系(光学系)の偏心量の測定方法としては、オートコリメーション法が知られている。この測定方法については、例えば、「レンズ光学の理論と実務」(発行所 光学工業技術協会、著者 浅野俊雄、発行 昭和59年1月31日)に記載がある。図14を用いてオートコリメーション法について説明する。図14は一般に用いられているオートコリメーション方式を用いて、被測定面(被検面)であるレンズ面の偏心量を測定する場合の光路を示す説明図である。オートコリメーション方式では、図14に示すように被測定光学素子又は被測定光学系を構成する各レンズ面S1、S2、S3、S4のうち、測定しようとする被検面、例えば面S1の見かけ上の曲率中心、即ち、被測定光学素子又は被測定光学系を構成する複数のレンズ面のうち、被検面と図示しない測定機光学系との間に存在する、被検面とは別の面を介して結像される被検面の像の位置(ここでは面S1の曲率中心位置)に、指標I1を投影し、被検面S1による等倍の反射像I2をその指標の投影位置Aと同じ位置に結像させるようにして、そのずれの有無により偏心量を測定する方法である。
【0003】
この場合、測定基準軸Bに関し、全てのレンズ面に偏心がなければ、この基準軸B上の投影位置Aに指標像I1の反射像I2が形成されるが、もし何れかのレンズ面に偏心が存在すれば、基準軸Bから該基準軸に対して垂直な方向(図14では、その方向のうち、紙面と平行な方向をX方向、紙面に垂直な方向をY方向とする)に離れた位置に指標像I1の反射像I2が形成されることになる。この反射像I2が基準軸Bから離れた位置の距離ΔX及びΔY(以下、フレ量Δと示す)は、被測定光学素子又は被測定光学系を構成する個々のレンズ面の偏心量(測定基準軸に対する傾き)εと関数(関数fとする)の関係にあり、近軸領域においては線形結合で表されるので、この関数fはフレ量Δと偏心量εとで定まっており、被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まるものである。図14のような4面からなる被測定光学系の場合、フレ量Δと関数fと偏心量εの関係は、以下の行列式(1)のように表せる。
Figure 2004069594
Δ及びεの添え字は各レンズ面を表している。また関数fで表される行列の各成分aは、周知の近軸光線追跡によって求まる被測定光学系の各被測定面固有の係数である。被測定光学系のレンズ面数がn面ある場合は、n個成分のΔに関する列ベクトル、n個成分のεに関する列ベクトル、n行×n列の行列で表せばよい。すなわち、次の行列式(2)で表せる。
Figure 2004069594
【0004】
従って、被測定光学素子又は被測定光学系を構成する各レンズ面について、見かけ上の曲率中心位置に投影した指標像I1に対する等倍反射像I2のフレ量Δを測定すれば、関数fを用いてそのフレ量Δを順次計算することによって測定基準軸に対する各レンズ面の偏心量εを求めることができるというものである。
【0005】
図15は、従来の偏心測定機における、偏心量(測定基準軸に対する傾き)εを有する被検面204により生じたフレ量Δを結像面上でフレ量Δaとして観察可能になる状態を示す説明図である。なおフレ量Δ(1次のフレ量という)とフレ量Δa(2次のフレ量という)との関係は、Δa=Δ×(投影光学系の倍率)の関係にあって投影光学系202の倍率で一義的に定まり、フレ量Δaの観察によってフレ量Δが決定されるものである。
【0006】
図15の偏心測定機では、光源(又は指標)201からの光束を投影光学系202を介して、枠体内に組み込まれた被測定光学系203の被検面204の測定基準軸B上の見かけ上の曲率中心の位置に収束(結像)させる構成となっている。前記光源201、投影光学系202、結像面205及び枠体内に組み込まれた被測定光学系203は、いずれも偏心量測定機に配置されるものである。なお、ここでは、光源201からの光を被検面204に投影する投影光学系と、被検面204から反射される反射光を結像面205に結像させる結像光学系とを一緒にして投影光学系202として表示している。また、投影光学系と結像光学系と光源(又は指標)と光検出器でなる構成を測定光学系という。
【0007】
ここで、光束の収束位置と被検面204の見かけ上の曲率中心位置とが測定基準軸B上で一致する場合には、光束は被検面204に対して垂直に入射することになる。これに対し、光束の収束位置と被検面204の曲率中心位置とが一致しないでずれている(被検面が偏心量としてεの偏心をしている)場合には、光束は被検面204に対して斜めに入射することになる。
【0008】
光束が被検面204に対し垂直に入射した場合、被検面204で反射した反射光は、入射光と同じ光路を逆行し、半透鏡(ビームスプリッタ)206を介して光源(又は指標)201と共役な位置の結像面に収束、結像する。これに対し、光束が被検面204に対し斜めに入射した場合、被検面204で反射した反射光は、入射光の光路からずれて逆行し、上述の垂直に入射した場合における収束位置から測定基準軸Bを垂直にΔaずれた位置に収束、結像する。
【0009】
従って、そのフレ量Δaを測定すれば、そのフレ量Δを計算するとともに関数fを用いることによって被検面204の偏心量εを求めることができる。また図15には示していないが、偏心量測定機は、被測定光学系の設計データ(各レンズの曲率半径、屈折率、肉厚、レンズ面間隔等)のデータ入力用及び測定機制御用及び結像面で検出されるフレ量のデータ取り込み用及び偏心量計算用のコンピュータ、フォーカス又は倍率合わせのための測定機光学系駆動機構等を備えている。
【0010】
この偏心量測定機による測定手順の概略は次のとおりである。まず、コンピュータに被測定光学系の設計データ(各レンズの曲率半径、面間隔、媒質の屈折率等)及び測定条件を入力する。コンピータは入力データに基づいて、各被検面の見かけの曲率中心位置、上記の行列式(2)に相当する関数fで表される行列係数、結像光学系の倍率等を計算する。計算した見かけの曲率中心位置、倍率に基づいて、測定機が所定のフォーカス、倍率になるように、測定機光学系の投影光学系及び結像光学系を制御する。結像面で検出されるフレ量のデータを取り込み、このフレ量のデータと、上記の行列式(2)に相当する関数fで表される行列係数、結像光学系の倍率から、被測定光学系の偏心量を計算する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、被測定面(被検面)の見かけの曲率中心位置が投影光学系202に対して、数百mm以上離れている場合には、投影光学系202から射出される光束の開口数(射出用開口数)で定まる光量に対し被測定面で反射されて投影光学系に入射する光束の開口数で定まる光量が小さくなるため、観察する反射像(結像面に結像される指標象)が暗くなりフレ量の測定が困難もしくは不可能になることがある。従って、上記の行列式(2)からも明らかなように、被測定光学系のあるレンズ面(被測定面)でフレ量の測定が不可能であった場合、そのレンズ面よりも奥にある(投影光学系202に対し更に離れた位置にある)レンズ面の偏心量は求めることができなくなる。被測定光学系のレンズ面数が多い場合には、反射像が極端に暗くなるレンズ面を含む可能性が高くなり、よって、光学系全体の偏心量を求めることができなくなることがある。
【0012】
図16及び図17を用いて、従来技術の問題点、即ち、被測定面の見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して、数百mm以上離れている場合、観察する反射像が暗くなる原因を説明する。図16及び図17において、測定機光学系220は、光源(又は指標)210、ビームスプリッター211、枠体内に組み込まれた被測定光学系213に光源210の像を投影可能で且つ被測定光学系213から反射される反射像を光検出装置215に結像可能な投影光学系212、光検出装置215で構成され、各要素は設定基準軸に相当する光軸上に配置されている。図16および図17では、光源(又は指標)210から射出した光束は、ビームスプリッター211を経て、投影光学系212によって被測定光学系213の被測定面214又は217の見かけの曲率中心位置へ入射し、被測定面214で反射した光束が、反射した光束即ち反射光に対しては結像光学系として機能する投影光学系212によって結像面として機能する光検出装置215上に結像している状態を示している。光束216、218、219は、被測定光学系213の偏心量が非常に小さい場合の光束の様子である。
【0013】
図16において、被測定面214の見かけの曲率中心位置は、被測定面214から投影光学系212と反対側へ数十mm離れた位置にある。このとき、被測定光学系213の被測定面214の入射側開口数(被測定面214の見かけの曲率中心位置へ入射する光束216の開口数)は、投影光学系212の射出用開口数(投影光学系212から射出される光束の開口数であって、測定機光学系220により定まる開口数)と略一致しているか、又は大きくなっている。よって、投影光学系212によって投影される光束のほとんどが被測定光学系213の被測定面214に入射することになり、光検出装置215上で観察する反射像は、充分明るくなる。
【0014】
一方、図17においては、被測定光学系213内部の被測定面217の見かけの曲率中心位置は、被測定面217から投影光学系212側と反対側へ千数百mm離れた位置にあり、被測定光学系213の被測定面217の入射側開口数は非常に小さくなるので、光束219程度の光束しか入射させることができない。これに対して、投影光学系212の射出用開口数は大きく、光束218程度の光束を射出している。即ち、投影系212の射出用開口数が、被測定光学系213の入射側開口数に対して大きすぎるために、光源210の射出光量の大部分は、無駄になっていることになる。このため、観察する反射像は暗くなり、しばしば観察不可能になってしまうのである。よって、上記したように、被測定光学系全体の偏心量を求めることができなくなることがある。
【0015】
また、被測定光学系における各光学素子の面間隔は、見かけの曲率中心位置、行列式(2)に相当する関数fで表される行列係数、結像光学系の倍率に大きな影響を与える量であって、この面間隔がずれて正確でないと、偏心量測定の際には投影レンズ202から射出される光束を被測定面の見かけの曲率中心位置に収束、結像させることができなくなって反射光の光量の減少により反射像が暗くなるとか、反射像のフォーカスが大きくずれてしまい、結像面で反射像をみつけることが困難もしくは不可能になる場合があり、よって被測定光学系全体の正しい偏心量を算出できなくなることがある。
【0016】
本発明は、従来技術のこのような問題を解決するためになされたものであり、光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の偏心量を測定するに際し、被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面からの反射像が暗くなるような場合であっても、高精度で偏心量を求めることができる偏心量測定機及び偏心量測定方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備えたことを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、投影光学系の射出用開口数が被測定面の開口数に近づくので、光源又は指標から射出される光量を投影光学系を介して被測定面により多く投影されるから、見かけの曲率中心位置が600mm以上離れた被測定面を有する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系であっても、この曲率中心位置が離れた被測定面からの反射像が明るくなり、偏心量が高精度に測定できるようになる。即ち、被測定面の開口数がコンバージョン光学系により投影光学系の射出用開口数に近づけられることとなって、前記被測定面に光量が多く投影され反射像が明るくなって偏心量を高精度で測定できる。
【0019】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を、前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備え、かつ、前記コンバージョン光学系は前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系と前記投影光学系との間に備えたことを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、更に、コンバージョン光学系が備えられていることが、視認ができるので、光源又は指標から射出される光量を投影光学系を介して被測定面に確実に、より多く投影させることができる。
【0021】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を、前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備え、かつ、前記コンバージョン光学系は、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系と前記投影光学系との間に設けられ、かつ、前記コンバージョン光学系を収納する枠体を、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納する枠体に装着して備えたことを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、更に、被測定面の見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して非常に遠くにある被測定面を有する被測定光学系の場合にのみコンバージョン光学系を準備、装着すればよく、それ以外の場合はその必要がないので偏心量測定機の低廉化が図れる。
【0023】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を、前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備え、かつ、前記コンバージョン光学系は、前記投影光学系を構成する光学要素間に設けられたことを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、更に、コンバージョン光学系は投影光学系を構成する光学要素間に予め備えられているから、コンバージョン光学系はこの光学要素と接しない位置に配置できることとなり、被測定光学系の枠体を偏心量測定機に取り付ける場合などに発生しやすいコンバージョン光学系の損傷が回避される。
【0025】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、
前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を、前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備え、前記コンバージョン光学系は、前記投影光学系を構成する光学要素間に設けられ、かつ、角倍率が異なるコンバージョン光学系をそれぞれ収納したエリアを有する枠体から、選択した1つのエリアを前記光学要素間に挿入されることを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、更に、各種の被測定光学系において、見かけの曲率中心位置の遠い被測定面が、その位置が離れて複数あっても、その位置に対応して選択された最適なコンバージョン光学系となっているので、見かけの曲率中心位置が遠い各種の被測定面でも被測定面からの反射像が明るくなり、偏心量が高精度に測定できるようになる。また被測定光学系の各被測定面の入射側の開口数は様々な値になるので、投影光学系の射出用開口数と大きな差を生じやすいことがある。この場合にはコンバージョン光学系の角倍率を異なるものにすることにより前記射出用開口数を前記入射側開口数に近づけられるので、被測定面からの反射像が明るくなり、偏心量が高精度に測定できるようになる。
【0027】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定するための面間隔測定手段と、この面間隔測定手段から得られる測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算する第1の演算手段と、前記第1の演算手段による演算結果の関数fと、前記結像面に結像した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算する第2の演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組合せからなる光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を実際に測定した実測値を用いて各被測定面の見かけの曲率中心位置が設定されるので、この実測値に基く設定位置は設計データで計算される見かけの曲率中心位置よりも正確となる。光源又は指標の像は投影光学系からより的確な位置に投影されるので反射像のフォーカスがずれにくくなると共に、反射光の光量減少が少なくなり、光検出装置の結像面上で反射像の像位置を観察しやすくなり、高精度で偏心量が求められる。
【0029】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定するための面間隔測定手段と、この面間隔測定手段から得られる測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置(この位置は、例えば、被測定面の見かけの曲率中心位置、あるいは見かけの焦点位置、あるいは見かけの曲率中心位置から見かけの面頂位置までの間のいずれかの位置から選択される位置)を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算する第1の演算手段と、前記第1の演算手段による演算結果の関数fと、前記結像面に結像した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算する第2の演算手段とを備え、かつ、前記面間隔測定手段は、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影する位置に配置された前記偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納した枠体に対し、投影光学系の光軸と同一の光軸を有し、かつ、投影光学系とは反対側になる前記枠体の後方位置、又は投影光学系と同じ側になる投影光学系と前記枠体の間に配置されることを特徴とする。
【0030】
上記の構成によれば、前記面間隔測定手段は、投影光学系の光軸と同一の光軸を有するので、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納した枠体を、偏心量の測定位置に配置した状態で被測定面の面間隔測定を可能にする。従って、面間隔測定後に、偏心量を測定する光学系を収納した枠体を移動することなく、直ちに偏心量の測定が可能になる。
【0031】
また、本発明による偏心量測定機は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定するための面間隔測定手段と、この面間隔測定手段から得られる測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による被測定面の見かけの曲率中心位置である投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算する第1の演算手段と、前記第1の演算手段による演算結果の関数fと、前記結像面に結像した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算する第2の演算手段とを備え、かつ、前記面間隔測定手段は、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影する位置に配置された前記偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納した枠体に対し、投影光学系の光軸と同一の光軸を有し、且つ投影光学系とは反対側になる前記枠体の後方位置、又は投影光学系と同じ側になる投影光学系と前記枠体の間に配置され前記面間隔測定手段は、低コヒーレンス光源と、低コヒーレンス光源からの射出光束をアフォーカル光束にする集光レンズと、アフォーカル光束を2分割する光分割手段と、分割された1つの光束を前記被測定面に収束させて投光するとともに被測定面で反射した反射光を干渉縞観察位置に導くコリメータレンズと、分割された1つの光束を反射させて前記干渉縞観察位置に参照光を導く参照ミラーと、前記干渉縞観察位置で観察される前記反射光と参照光との干渉による干渉縞を検出する光電検出手段と、前記コリメータレンズと前記参照ミラーとをそれぞれその光軸方向に移動制御する駆動手段と、前記光電検出手段で検出された各被測定面に対応して得られる干渉縞と前記駆動手段による移動制御量とから各被測定面間隔を演算する演算手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
上記の構成によれば、前記面間隔測定手段は、低コヒーレンス光源からの射出光束により被測定面の面間隔を測定するので、被測定面との機械的な接触がなく、非破壊、非接触であり、投影光学系を介して偏心量を測定する際にも非接触であることから実測した面間隔測定値に狂いを生じさせないので、高精度な偏心量測定を行うことが可能になる。
【0033】
また、本発明による偏心量測定方法は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、前記被測定面に前記光源又は指標の像を投影する前記投影光学系の射出用開口数を前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を、前記光源又は指標と前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系における前記投影光学系側第1面との間に配置し、前記光源又は指標から射出され、前記投影光学系の射出用開口数によって決定される光量を有する像を前記コンバージョン光学系を介して前記被測定面に投影し、被測定面から反射されて得られる前記結像面上の反射像を明るくすることを特徴とする。
【0034】
上記の構成によれば、投影光学系の射出用開口数が被測定面の開口数に近づくので、光源又は指標から射出される光量を投影光学系を介して被測定面により多く投影させられ、よって、見かけの曲率中心位置が600mm以上離れた被測定面を有する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系であっても、この曲率中心位置が離れた被測定面からの反射像が明るくなり、偏心量を高精度に測定できる。
【0035】
また、本発明による偏心量測定方法は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、前記被測定面に前記光源又は指標の像を投影する前記投影光学系の射出用開口数を前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を、前記光源又は指標と前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系における前記投影光学系側第1面との間に配置し、前記光源又は指標から射出され、前記投影光学系の射出用開口数によって決定される光量を有する像を前記コンバージョン光学系を介して前記被測定面に投影し、被測定面から反射されて得られる前記結像面上の反射像を明るくすること、および前記光源又は指標と前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系における前記投影光学系側第1面との間に配置するコンバージョン光学系は、コンバージョン光学系を収納する枠体を、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納する枠体に装着した後に、コンバージョン光学系側を前記第1面に対向して備えたことを特徴とする。
【0036】
上記の構成によれば、更に、被測定面の見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して非常に遠くにある被測定面を有する被測定光学系の場合にのみコンバージョン光学系を準備、装着すればよく、それ以外の場合はその必要がないので偏心量測定機の低廉化が図れる。
【0037】
また、本発明による偏心量測定方法は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定し、前記肉厚及び空気間隔の測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算し、次いで前記演算で求めた投影位置に投影光学系を介して光源又は指標の像を投影すると共に、被測定面から反射される反射像の像位置を測定し、その後、前記演算で求めた関数fと、前記測定した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算することを特徴とする。
【0038】
上記の構成によれば、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組合せからなる光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を実際に測定した実測値を用いて各被測定面の見かけの曲率中心位置が設定されるので、この実測値に基く設定位置は設計データで計算される見かけの曲率中心位置よりも正確となる。よって、光源又は指標の像は投影光学系からより的確な位置に投影されるので反射像のフォーカスがずれにくくなるとともに、反射光の光量減少が少なくなって、光検出装置の結像面上で反射像の像位置を観察しやすくなり、偏心量を高精度で求めることができる。
【0039】
また、本発明による偏心量測定方法は、偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定し、前記肉厚及び空気間隔の測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算し、次いで前記演算で求めた投影位置に投影光学系を介して光源又は指標の像を投影すると共に、被測定面から反射される反射像の像位置を測定し、その後、前記演算で求めた関数fと、前記測定した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算すること、および前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔の測定は、前記光源又は指標の像を投影する投影光学系と対向する位置に前記被測定面を有する光学系を配置した後に行い、該被測定面を有する光学系の配置位置を維持して、前記投影光学系を介して光源又は指標の像を投影すると共に被測定面から反射される反射像の像位置を測定することを特徴とする。
【0040】
上記の構成によれば、更に、前記面間隔の測定は、前記被測定面を有する光学系を、偏心量を測定する投影光学系と対向する位置に配置した後に行い、面間隔の実測データを得た後に直ちに偏心量の測定を行えるので、両方の測定に際し被測定面を有する光学系を移動することがない。従って、被測定面を有する光学系の中に可動個所(ズーム光学系用レンズとかフォーカス用レンズ等)があっても、これらの可動部がみだりに動くおそれがないので、当初の面間隔測定時の設定状態を維持しつつ偏心量の測定を行うことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例を説明するのに先立ち、図1により、本発明の偏心量測定機で測定される被測定光学系とコンバージョン光学系の構成について説明する。被測定光学系261は、5枚からなるレンズ群であって、2枚目と3枚目の間に絞りが配置された構成の光学系である。また、コンバージョン光学系264は上記レンズ系261の前方に、即ち、光の入射側に設けられる。下記の[表1]にこの被測定光学系261のパラメーター(設計データ)を示す。また、上記コンバージョン光学系264のデータを下記の[表2]に示す。
【0042】
[表1]および[表2]において、fは被測定光学系の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、R1、R2、−−−−r1、r2、…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2、…は各レンズの肉厚又は空気間隔、n1、n2、…は各レンズの測定用光源の波長(光源波長830nm)における屈折率、ν1、ν2、…は各レンズのアッベ数である。
【0043】
Figure 2004069594
【0044】
Figure 2004069594
【0045】
上記光学系の偏心量をオートコリメーション方式で測定するときの見かけ上の曲率中心位置は、被測定光学系261の第1面を原点とし、被測定光学系から射出する光線の進む方向を正とする。被測定光学系261を組み込んだ枠体(レンズ枠、鏡枠を含むが、実施例では枠体の外枠形状のみを図示する)を偏心量測定機にセッティングするときは、被測定光学系261の第1面を測定機光学系側に向けるものとする。また、被測定光学系261の各レンズ面のうち、見かけの曲率中心位置が第1面に対して非常に離れる第9面に着目し、該第9面での反射像が暗くなりフレ量の測定が困難もしくは不可能な状態のものとして扱う。以下に被測定光学系261の各レンズ面を被測定面として測定する際の、測定機制御用としてコンピュータで計算される各レンズ面の見かけの曲率中心位置と被測定光学系261の各レンズ面の入射側開口数を下記の[表3]に示す。
【0046】
Figure 2004069594
【0047】
上記の計算結果から明らかなように、レンズ面第9面は、見かけの曲率中心位置が被測定光学系261の第1面に対して、非常に離れた位置(600mm以上)にあり、被測定光学系261の第9面の入射側開口数は非常に小さい(0.002以下)。このようなレンズ面第9面を従来の偏心量測定機で測定すると、被測定光学系261の第9面には、図17に示したように、光束219程度の細い光束(開口数0.00111)しか入射させることができないため、第9面での反射像は、非常に暗くなり、観察が不可能な状態となる。また、第9面の観察が不可能になると、第10面の測定も不可能になる。
【0048】
これに対し図1に示す構成の内、被測定光学系261のレンズ面第9面よりも前側のレンズ面第1面〜第8面を測定する際の、各レンズ面の入射側開口数は、投影光学系の射出用開口数(当該測定機の投影光学系の開口数:略0.125)とほぼ同等かそれ以上の大きさであるため、反射像は、十分明るく観察できる。従って、以下の各実施例の各々によって、前記第9面での反射像を明るくして当該面の観察を可能にすることで反射像の像位置を測定可能にし、第10面の測定も可能にする。なお第9面での反射像の観察が不可能な状態は、反射像の明るさを少なくとも10倍、好ましくは25倍、より好ましくは50倍明るくすることで解消でき、このため該第9面へ投影光学系から射出光束が入射する際の第9面の開口数を少なくとも3.2倍、好ましくは5倍、より好ましくは7.1倍にする機能を有するコンバージョン光学系を用いて、投影光学系の射出用開口数を被測定面の開口数に近づける。
【0049】
以下の各実施例の説明に用いる図においては、偏心量測定機は光学系を抜粋して示している。また各実施例においては、データ入力及び測定機制御及びデータ取り込み及び偏心量計算用コンピュータ、フォーカス又は倍率合わせのための測定機光学系駆動機構は、全ての実施例の偏心量測定機に備えられている。また、結像光学系には、図示していない適当な拡大リレー光学系を具備しており、最適な倍率で反射像が観察できるように構成されているとともに、反射像が観察される際の倍率はコンピュータによって管理されているものとする。なお、以下の実施例1〜4では、光源の像を被測定光学系の各被測定面に投影する投影光学系は、各被測定面から反射される反射像を観察可能に結像する結像光学系と兼用した状態で図示しており、また、実施例5および6では特に拡大リレー光学系を付加して図示している。さらに、実施例1〜4では、被測定光学系の各被測定面に投影する投影光学系の射出用開口数は、レンズ面第9面を除いて被測定光学系の各レンズ面(被測定面)の開口数に対して、同等かそれ以上に大きくなっている。
【0050】
[第1実施例]
図2および3を用いて、本発明の第1実施例を説明する。本実施例の偏心量測定機336は、測定機光学系262、コンピューター330、基準軸設定用光学系331、光軸を2方向に分岐させるビームスプリッター336a、被測定光学系取付台261c等で構成される。そして、偏心量測定機336のビームスプリッター336aで分岐された一方の光軸の先方に配置される被測定光学系取付台261c上に、内部にコンバージョン光学系264を装着した枠体263の一端側を、内部に被測定光学系261を装着した枠体261aの一端側に取り付け、一体状態にして載置して固定することにより、被測定光学系261の各被測定面の偏心量を測定するようになっている。図3は、上記コンバージョン光学系264を装着した枠体263の一端側と、内部に被測定光学系261を装着した枠体261aの一端側とを取り付けた構成例を示している。
【0051】
測定機光学系262は、その光軸上で光源(例えば、半導体レーザー)284、ビームスプリッター265、被測定光学系261に光源284の像を投影可能で且つ被測定光学系261から反射される反射像を光検出装置267に結像可能な投影光学系266、光検出装置(例えば、CCDカメラ)267で構成され、これらの各光学要素は測定機光学系取付台262a上に載置されている。
【0052】
基準軸設定用光学系331は、その光軸上で回転自在なイメージローテータプリズム333、その光軸上で光軸方向に移動自在な結像レンズ334、結像された像を反射するミラー335で構成され基準軸設定用光学台331a上に載置される。そして前記投影光学系266の光軸上に配置したビームスプリッタ336aによって光源284からの光束を分割した後にミラー335で反射して得られる反射像を利用して、被測定面から反射して得られる反射像を測定する際の測定用基準軸を光検出装置267上の結像面に設定するようになっている。
【0053】
コンピュータ330は、被測定面の見かけの曲率中心位置に光源284の像を投影するよう投影光学系266を光軸方向に移動させる駆動機構332、被測定面からの反射像の測定用基準軸を光検出装置267上に設定するよう基準軸設定用光学系331のイメージローテータープリズム333および結像レンズ334を作動させる駆動機構331b、被測定面からの反射像を結像面上で検出してフレ量Δ(即ちΔX、ΔY)をデータとして格納する光検出装置267に、夫々接続されている。そしてコンピータ330は、被測定光学系261のr,d,n等の設計データや、被測定光学系261を装着した枠体261aが被測定光学系取付台261c上に載置され固定された際の該被測定光学系261に係るチェック項目、例えば、枠体261aの載置位置や傾きの有無、光学系261の向き等測定に際して被測定光学系261を所定姿勢にするのに必要な項目等の測定条件の入力が行われた際に、これらの入力データに基いて被測定光学系261の各被測定面の見かけの曲率中心位置の計算や周知の近軸光線追跡によりフレ量Δと偏心量εとの関係を示す行列式(2)の行列成分の計算をして各被測定面の関数fを求めることを行うと共に、これらの計算に基いて、投影光学系266の駆動機構332や基準軸設定用光学系331の駆動機構331aの制御を行うように設定され、さらにまた光検出装置267の結像面上で検出されたフレ量Δを出力信号データとして取り込み、該取り込みデータと投影光学系266の倍率から関数fを用いて被測定光学系261の偏心量εの算出を行うよう設定されている。
【0054】
コンバージョン光学系264は、被測定光学系261を内蔵した枠体261aに枠体263を介して一体的に装着されており、具体的には図3に例示するように、枠体261aの一端側側面261bに対して枠体263の一端側側面263bを当接させるとともに内側突出部263aを嵌合させ且つ側面261b、263bの間に介在させた粘着手段(着脱自在な接着力の弱い接着剤、両面テープ等)263cにより固定することにより一体的に取り付けられており、投影光学系266の射出用開口数を被測定光学系261における被測定面(第9面)268の入射側開口数へ近づける変換を行っている。
【0055】
上記コンバージョン光学系264は、焦点距離:−50mmの凹レンズであって被測定光学系261の第1面側の曲率半径r2は+85.3479mm、投影光学系266側の面(r1)の曲率半径r1は(−85.3479mm)、光軸上での面間隔d1は3mm、屈折率n1は1.84666であり、被測定光学系261第1面から測定機光学系262側へ10mm(d2)離れた位置に固定配置してある。このデータは前記[表2]2−1に示されている。
【0056】
上記の場合、コンバージョン光学系264によって投影光学系266の射出用開口数は被測定面(第9面)268の入射側開口数(0.0011)に実質的に近づけられて0.0277に変換されたことに相当することとなり、コンバージョン光学系が無い場合に比べて約600倍ほど明るい反射像が観察できるようになる。
【0057】
前述のように、コンバージョン光学系264は、枠体263内に組み立て調整されて収納されており、この枠体263は、被測定光学系261の枠体に装着して被測定光学系261の各被測定面の全部を測定できるようになっている。この被測定面の全部を測定するに際し、コンバージョン光学系を被測定面側に取り付けた状態で行うと、既に製作されている偏心量測定機に改良を加えることなく、そのままの状態で使用できることになり効果が大きい。即ち、被測定面268以外の各被測定面の測定がしにくいという不便性や各被測定面の測定精度の低下等のおそれよりも、既製の偏心量測定機で被測定面の全部を測定できる効果は大きい。
【0058】
本実施例の偏心量測定機による被測定光学系の被測定面の測定に際しては、光源284から射出した光束は、ビームスプリッター265で光路が変換され、投影光学系266、コンバージョン光学系264を経て、被測定光学系261の各被測定面の見かけの曲率中心位置へ入射し、各被測定面で反射した反射光の光束が、投影光学系266によって光検出装置267の結像面上に結像する。このとき、投影光学系266の位置は、入射光束が、各被測定面(被測定面268を含む)の見かけの曲率中心位置へ入射するような位置になっており、この投影光学系266の移動は、コンピュータ330からの制御信号に基づいて、駆動機構332によって行われるものである。
【0059】
つぎに、本実施例の偏心量測定機による被測定面の測定方法について述べる。コンピュータ330に被測定光学系261の設計データ即ちパラメータを入力するときに、コンバージョン光学系264を被測定光学系261の一部として入力して、被測定光学系及びコンバージョン光学系の見かけの曲率中心位置及び行列式(2)の行列係数(各被測定面に係る関数f)を計算し、コンバージョン光学系264を含めて偏心量測定を行う。具体的には以下の測定手順で測定を行う。
【0060】
測定手順
イ 被測定光学系261のr,d,n等のデータ(表1)、コンバージョン光学系264のR、d、nのデータ(表2)等をコンピュータ330に入力する。
ロ コンピュータ330で、イの入力データに基づいて、コンバージョン光学系264及び被測定光学系261の各被測定面の見かけの曲率中心位置を計算し、各被測定面の見かけの曲率中心位置を求める。コンバージョン光学系264の測定機光学系262側第1面及び第2面の曲率中心位置と、被測定光学系261の測定機光学系262側第1面以降の見かけの曲率中心位置は、以下のようになる。なおコンバージョン光学系264の第1面及び第2面の入射側開口数は、投影光学系の射出用開口数よりも大きく設定されている。
Figure 2004069594
ハ 上記ロの計算結果に基づいて、コンピュータ330は、コンバージョン光学系264の第1面を測定するように駆動機構332及び駆動機構331bに制御信号を送る。駆動機構332は、制御信号に従って、コンバージョン光学系264の第1面の見かけの曲率中心位置(+85.34790mm)へ光束が入射するように、投影光学系266をその光軸方向で移動させるとともに、駆動機構331bは、コンバージョン光学系264の第1面に対応した測定用基準軸が設定できるように、結像レンズ334をその光軸方向で移動しイメージローテータプリズム333をその光軸回りでの回転を行わせる。
ニ コンバージョン光学系264の第1面からの反射像の像位置を光検出装置267の結像面上で検出するとともに、基準軸設定用光学系331からの反射像の像位置を光検出装置267の結像面上で検出する。そして光検出装置267による第1面からの反射像の像位置に係る出力信号、及び光検出器267による第1面に対応した測定用基準軸に係る出力信号をコンピュータ330で取り込む。
ホ コンピュータ330で、第1面からの反射像の像位置に係る出力信号により得られた取り込みデータと、第1面に対応して得られた基準軸設定用光学系331からの測定用基準軸に係る出力信号の取り込みデータ(前記ニの取り込みデータ)から、光検出装置267上での第1面におけるフレ量Δ1を計算する。
ヘ コンピュータ330で、イの入力データに基いて行列式(2)の行列成分(n=1として)の関数fの計算、投影光学系266の倍率を計算する。
ト 上記ホとヘの計算結果のフレ量Δ1と関数f(n=1として)と倍率とから、コンピータ330により第1面の偏心量ε1を計算する。
チ 次に、前記ロの計算結果に基づいて、コンピュータ330は、コンバージョン光学系264の第2面を測定するように駆動機構332及び駆動機構331bに制御信号を送る。
駆動機構332は、制御信号に従って、コンバージョン光学系264の第2面の見かけの曲率中心位置へ光束が入射するように、投影光学系266をその光軸方向で移動させるとともに、駆動機構331bは、コンバージョン光学系264の第2面に対応した測定用基準軸が設定できるように、結像レンズ334をその光軸方向で移動しイメージローテータプリズム333をその光軸回りでの回転を行わせる。
リ コンバージョン光学系264の第2面からの反射像の像位置を光検出装置267の結像面上で検出するとともに、基準軸設定用光学系331からの反射像の像位置を光検出装置267の結像面上で検出する。そして光検出装置267による第2面からの反射像の像位置に係る出力信号、及び光検出器267による第2面に対応した測定用基準軸に係る出力信号をコンピュータ330で取り込む。
ヌ コンピュータ330で、第2面からの反射像の像位置に係る出力信号により得られた取り込みデータと、第2面に対応して得られた基準軸設定用光学系331からの測定用基準軸に係る出力信号の取り込みデータ(前記リの取り込みデータ)から、光検出装置267上での第2面におけるフレ量Δ2を計算する。
ル コンピュータ330で、イの入力データに基いて行列式(2)の行列成分(n=2として)の関数fの計算、投影光学系266の倍率を計算する。
ヲ 上記ヌとルの計算結果のフレ量Δ2と関数f(n=2として)と倍率とから、コンピータ330により第2面の偏心量ε2を計算する。
ワ 次に、前記ロの計算結果に基づいて、コンピュータ330は、被測定光学系261の第1面を測定するように駆動機構332及び駆動機構331bに制御信号を送る。駆動機構332は、制御信号に従って、被測定光学系261の第1面の見かけの曲率中心位置(−17.54843mm)へ光束が入射するように、投影光学系266をその光軸方向で移動させるとともに、駆動機構331bは、被測定光学系261の第1面に対応した測定用基準軸が設定できるように、結像レンズ334をその光軸方向で移動しイメージローテータプリズム333をその光軸回りでの回転を行わせる。
【0061】
以下の被測定光学系261の第1面に対する測定手順は、前記ニ〜ヲの測定手順で、コンバージョン光学系を被測定光学系と読み替えるとともに該第1面はn=3、次測定の第2面はn=4として各面での行列成分を計算し関数fを更新して求めることを繰り返し、被測定光学系261の第2面〜第9面に対しても行い、被測定光学系の第9面までの全ての面に行う。即ち、コンバージョン光学系264及び被測定光学系261の各被測定面における夫々の反射像の光検出装置267上でのフレ量Δを順次に求めるとともに、コンバージョン光学系264及び被測定光学系261の各R、r、d、nの設計データから得られる該各被測定面に係る関数f(測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数、即ち、光検出装置267上で夫々検出される反射像の像位置の測定結果であるフレ量Δと、各被測定面の測定基準軸に対する偏心量εとの関係が行列成分で表される関数)と、投影光学系266の倍率により、コンバージョン光学系264と被測定光学系261の各被測定面の偏心量εを計算する。その後、得られた偏心量εからコンバージョン光学系264の偏心量分を差し引いて、被測定光学系261のみの偏心量εを得ることができる。
【0062】
前記の構成では、コンバージョン光学系264は、必ずしも単レンズである必要はなく、負のパワーを持ったレンズ群であっても同様の機能と効果を奏するので使用できる。なお、コンバージョン光学系264は、被測定光学系において、被測定面の見かけの曲率中心位置が非常に大きい場合(600mm以上、特に1000mm以上)の被測定面268を測定するときのみ被測定光学系261の枠体261aに取り付けて測定を行い、他の面の測定を行うときは、容易に着脱自在になるように構成した枠体263ごと被測定光学系261の枠体261aから取り外してコンバージョン光学系264がない状態にて測定してもよい。また、コンバージョン光学系264の偏心量が既知である場合には、コンバージョン光学系264の偏心量測定を省略することも可能である。なお、上記測定においては、n面からなる被測定光学系の場合におけるフレ量と関数、偏心量の関係を表す前記の行列式(2)を用いればよい。但し、Δはフレ量、aの行列成分は関数f、εは偏心量であり、Δ、a、εの添え字は被測定面(各レンズ面)の投影光学系側からの面を表し、被測定面が第9面あるときはn=9となる。
【0063】
上記の構成にともなう効果を次に示す。
・被測定光学系において、見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して非常に遠く離れた被測定面(1000mm以上)を有していても、該面を観察する反射像を明るくすることができ、よって該面及び全体の被測定光学系の偏心量を容易かつ高精度に測定することができる。
・被測定面の見かけの曲率中心位置が、非常に遠くにある面(例えば600mm以上)を有する被測定光学系に対してのみ、該被測定光学系を収納した枠体にコンバージョン光学系を装着すればよいので、既存の測定機に対してもただちに容易に適用できる。
・見かけの曲率中心位置が非常に遠くにある面(例えば600mm以上)が被測定面であっても、コンバージョン光学系を被測定光学系の収納枠体の前側に配置するのみで該面の測定できるので、測定機光学系と被測定光学系との間隔を長くする必要がなく、測定機全体を小型化できる。
・コンバージョン光学系を被測定光学系の収納枠体の前側から着脱自在にして取り外せる構成にすることにより、見かけの曲率中心位置が離れていない被測定面を測定する際に生じることがある測定上の不便さや測定精度の低下の危惧を解消することができる。
・コンバージョン光学系を被測定光学系の一部としてコンピータにデータ入力してから被測定光学系の各被測定面の見かけ曲率中心位置を計算し、また関数fを計算し、その後に各被測定面の測定をすることにより、コンバージョン光学系の製造誤差及び枠体への組立て調整誤差に起因する被測定光学系への測定精度の低下を容易にキャンセルすることが可能となるので、コンバージョン光学系の製造誤差及び組立て調整誤差を厳しく抑えなくても測定を高精度で行うことができる。
【0064】
[第2実施例]
本発明の第2実施例を図4により説明する。なお、以下の各実施例においては、上記第1実施例で用いた符号を用いているが、前記図2に示したコンピュータ330、基準軸設定用光学系331及びその各光学要素、ビームスプリッタ336a、駆動機構332等については、ここでは図示を省略している。これらは、いずれも同様なものが配設、使用されるものである。本実施例は、第1実施例とは、コンバージョン光学系264のレンズが異なるものであり、このレンズは焦点距離:50mmの凸レンズになっている。このコンバージョン光学系264のデータは前記の[表2]の2−2に示されている。
【0065】
上記の場合、コンバージョン光学系264によって投影光学系266の射出用開口数は被測定面268の入射側開口数(0.00111)に実質的に近づけられて0.030に変換されたことに相当することとなり、コンバージョン光学系が無い場合に比べて約700倍ほど明るい反射像が観察できるようになる。
【0066】
本実施例による偏心量の測定方法は、前記実施例1と同様、コンバージョン光学系264の設計データと被測定光学系261の設計データ(前記[表1])とをコンピュータ330に入力し、その後測定を行ってコンバージョン光学系264の凸レンズの第1面のフレ量と関数f(n=1として)と倍率、第2面のフレ量と関数f(n=2として)と倍率、次いで被測定光学系の第1面のフレ量と該面の関数f(n=3として)と倍率、被測定光学系の第2面のフレ量と該面の関数f(n=4として)と倍率、その後被測定光学系の第3面以降の各面についても、順次にフレ量と関数fと倍率を求め、得られた各被測定面の偏心量からコンバージョン光学系264の偏心量分を差し引いて、被測定光学系261のみの偏心量εを得ることができる。なおコンバージョン光学系は、単レンズに限らず、正のパワーを有するレンズ群であっても同様の機能と効果を有するので、用いることができる。
【0067】
・本実施例においても、前記第1実施例に記載したと同様の効果を得ることができる。
・さらに、コンバージョン光学系が凸レンズを用いることにより、第1実施例のように凹レンズを使用した例よりも投影光学系212の射出側光学面とコンバージョン光学系231の入射側光学面との間隔が一層離れた状態になるので、投影光学系212とコンバージョン光学系231との間に、被測定面の偏心量測定の際に有用な基準軸設定用光学系331に対し、光路を分割するための光学素子(ビームスプリッタ)336aを配置しやすくなり、よって基準軸設定用光学系331を用いる偏心量測定機によって各種の被測定光学系の測定が可能になる。
・またコンバージョン光学系が凸レンズであると、第1実施例の凹レンズと同じパワーかつ同じ配置位置の場合には、凹レンズよりも、投影光学系の射出用開口数と被測定光学系の入射側開口数をより近づけ易いので、凸レンズの設計データが決めやすく明るい反射像が得やすい。
【0068】
[第3実施例]
図5(a)を用いて、本発明の第3実施例を説明する。この実施例においても、上記第1実施例で用いた前記図2における符号を用いているが、コンピュータ330、基準軸設定用光学系331及びその各光学要素、ビームスプリッタ336a、駆動機構332等については、図5(a)では省略している。図5(a)において、測定機光学系269は、その光軸上で光源(又は指標)284、ビームスプリッター265、投影光学系(反射する光束を結像する結像光学系としても機能する)266、光検出装置267を備えており、測定機光学系取付台269a上に配置されている。そして、投影光学系266の射出側第1面の先方に設けられたコンバージョン光学系取付台271a上に、コンバージョン光学系271がターレット状枠体270を介して支持されている。図5(b)にこのターレット状枠体の部分断面図を示す。
【0069】
図5(a)においては、光源(又は指標)284から射出した光束は、ビームスプリッター265、投影光学系266、コンバージョン光学系271を経て、コンピュータ(図2参照)による制御により被測定光学系261の被測定面268(前記表1のレンズ面第9面)の見かけの曲率中心位置へ入射し、被測定面268で反射した光束が、結像光学系266によって光検出装置267上に結像する。
【0070】
上記コンバージョン光学系271は、前述のように、測定機光学系取付台269a上に支持され且つ光軸と平行に配置された回転軸272を中心に回転されるターレット状枠体270に収納され、ターレット状枠体270の回転により所望のコンバージョン光学系271が光軸上に配置されるようになっている。即ち、図5(b)に例示するようにターレット状枠体270には等配した4箇所の光束通過用エリアa,b,cおよびdが形成され、その1つのエリアaには被測定光学系261第1面から100mm離れた位置となる焦点距離:−50mmの凹レンズが単体で収納され、エリアbには前記と焦点距離が異なる2枚の凹レンズが収納され、エリアcには前記単体又は組合せのレンズとは焦点距離が異なり全体として負のパワーを有する凹レンズと凸レンズとの組合せからなる光学系が収納され、エリアdには何も入っていない状態(以下無配置エリアという)になっている。従ってコンピータ330で制御されてターレット状枠体270が回転すると、被測定光学系に応じて、光軸上でコンバージョン光学系271の焦点距離を変更したり、コンバージョン光学系を取り除いたりすることができるようになっている。また、ターレット状枠体270は、被測定光学系に応じて、コンピュータ330に制御され投影光学系266の光軸に沿って移動可能となっている。
【0071】
上記の構成において、例えば前記焦点距離:−50mmの凹レンズがコンバージョン光学系271として選択されて被測定光学系261の前方に配置される場合の、この凹レンズの設計データを前記の[表2]の2−3に示す。
【0072】
上記の場合、コンバージョン光学系271の焦点距離:−50mmの凹レンズによって、投影光学系266の射出用開口数は、被測定面268の入射側開口数(0.00111)に実質的に近づけられて0.0251に変換されたことに相当することなり、コンバージョン光学系が無い場合に比べて約500倍ほど明るい反射像が観察できるようになる。
【0073】
この第3実施例による偏心量の測定方法を以下に示す。コンバージョン光学系271として焦点距離:−50mmの凹レンズが選択された場合には、前記実施例1の場合と同様に、コンバージョン光学系271の当該凹レンズの設計データと被測定光学系261の設計データ(表1)とをコンピュータ330に入力し、その後測定を行ってコンバージョン光学系271の凹レンズの第1面のフレ量と関数f(n=1として)と倍率、第2面のフレ量と関数f(n=2として)と倍率、次いで被測定光学系の第1面のフレ量と該面の関数f(n=3として)と倍率、被測定光学系の第2面のフレ量と該面の関数f(n=4として)と倍率、その後被測定光学系の第3面以降の各面についても、順次にフレ量と関数fと倍率を求め、得られた各被測定面の偏心量からコンバージョン光学系271の偏心量分を差し引いて、被測定光学系261のみの偏心量εを得ることができる。
【0074】
上記コンバージョン光学系271は、必ずしも凹の単レンズである必要はなく、負のパワーを持ったレンズ群でもよい。またコンバージョン光学系271は、ターレット状枠体270内で移動されるレンズを有する焦点距離可変な光学系にしてもよい。また、焦点距離が異なる複数のコンバージョン光学系271を収納する枠体は、被測定光学系又は被測定面に対応して異なる焦点距離のコンバージョン光学系に変えることができるという機能を有するものであれば、必ずしもターレット状枠体270でなくても良く、コンバージョン光学系271の光軸と直交する方向(例えば、図5(a)の紙面上で上下方向)に移動自在で内部には前記光軸に平行配置した複数の焦点距離が異なる光学系を有する矩形形状の枠体でもよい。
【0075】
第3実施例の構成による効果を次に示す。
・実施例1の場合と同様に、コンバージョン光学系によって観察する反射像を明るくすることができ、偏心量を容易かつ高精度に測定することができる。
・焦点距離が異なる複数のコンバージョン光学系を選択可能に測定光学系側に配備しているので、さまざまな被測定光学系に対して最適なコンバージョン光学系を選択でき、被測定光学系ごとにコンバージョン光学系を用意しなくてもよい。また、コンバージョン光学系を用いる必要がない場合には、コンバージョン光学系の収納されていない光束通過用のエリア(無配置エリア)を選択すればよいので、対応の選択肢が大きい。
・焦点距離が異なる複数のコンバージョン光学系を光軸と直交する方向に移動自在にして所望のコンバージョン光学系を選択可能にしているので、測定機光学系と被測定光学系との間隔を長くする必要がなくなり、測定機全体を小型化できる。
・コンバージョン光学系を被測定光学系の一部としてコンピータにデータ入力してから被測定光学系の各被測定面の見かけ曲率中心位置を計算し、また関数fを計算し、その後に各被測定面の測定をすると、実施例1と同様、コンバージョン光学系の製造誤差及び枠体への組立て調整誤差を容易にキャンセルすることが可能となるので、製造誤差及び組立て調整誤差を厳しく抑えなくても高精度に測定が行える。
【0076】
[第4実施例]
図6(a)を用いて、本発明の第4実施例を説明する。本実施例は、上記第3実施例の変形例であり、主たる相異点はコンバージョン光学系の構成及びターレット状枠体が異なっていることである。測定機光学系274の光軸と平行に配置されて、測定機光学系取付台274a上に支持された回転軸278を中心に回転するターレット状枠体275には、図6(b)に示すように等配した4箇所の光束通過用エリアa,b,cおよびdが形成されている。その1つのエリアaには被測定光学系261第1面から250mm離れた位置となる焦点距離:+50mmの凸レンズが単体で収納され、エリアbには前記と焦点距離が異なる2枚の凸レンズが収納され、エリアcには前記単体又は組合せのレンズと焦点距離が異なり全体として正のパワーを有する凹レンズと凸レンズとの組合せからなる光学系が収納され、エリアdには何も入っていない状態(無配置エリア)になっている。従ってターレット状枠体275が回転すると、被測定光学系に応じて、光軸上でコンバージョン光学系276の焦点距離を変更したり、コンバージョン光学系を取り除いたりすることができるようになっている。また、ターレット状枠体275は、被測定光学系に応じて、コンピュータ330に制御され投影光学系266の光軸に沿って移動可能となっている。
【0077】
上記の場合において、例えば前記焦点距離:+50mmの凸レンズがコンバージョン光学系276として選択されて被測定光学系261の前方に位置する場合の、この凸レンズの設計データは前記[表2]の2−4に示されている。
【0078】
上記の場合において、コンバージョン光学系276の焦点距離:+50mmの凸レンズによって、投影光学系266の射出側開口数は、被測定面268の入射側開口数(0.00111)に実質的に近づけられて0.0278に変換されたことに相当することなり、コンバージョン光学系が無い場合に比べて約600倍ほど明るい反射像が観察できるようになる。
【0079】
本実施例による偏心量の測定方法は、コンバージョン光学系276として焦点距離:+50mmの凸レンズが選択された場合には、前記実施例1と同様、コンバージョン光学系276の当該凸レンズの設計データと被測定光学系261の設計データ(表1)とをコンピュータ330に入力し、コンバージョン光学系276の凸レンズの第1面のフレ量と関数f(n=1として)と倍率、第2面のフレ量と関数f(n=2として)と倍率、次いで被測定光学系の第1面のフレ量と該面の関数f(n=3として)と倍率、被測定光学系の第2面のフレ量と該面の関数f(n=4として)と倍率、その後被測定光学系の第3面以降の各面についても、順次にフレ量と関数fと倍率を求め、得られた各被測定面の偏心量からコンバージョン光学系276の偏心量分を差し引いて、被測定光学系261のみの偏心量εを得ることができる。
【0080】
本実施例の構成による効果を次に示す。
・本実施例においても、前記第3実施例に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
・さらに、コンバージョン光学系が凸レンズ又は正のパワーを有するときは、第3実施例の凹レンズのときよりもコンバージョン光学系276の射出側光学面と被測定光学系261の第1面との間隔が離れた状態になるので、コンバージョン光学系276と被測定光学系261との間に、被測定面の偏心量測定の際に有用な基準軸設定用光学系331に対し光路を分割するための光学素子(ビームスプリッタ)336aを配置しやすくなり、よって基準軸設定用光学系331を用いる偏心量測定機によって各種の被測定光学系の測定が可能になる。
・またコンバージョン光学系が凸レンズ又は正のパワーを有するものであると、第3実施例のコンバージョン光学系と同じパワーの場合には、第3実施例のものよりも、投影光学系の射出用開口数と被測定光学系の入射側開口数をより近づけ易いので、凸レンズ又は正のパワーを有する光学系の設計データが決めやすく明るい反射像が得やすい。
【0081】
[第5実施例]
図7(a)を用いて、本発明の第5実施例を説明する。測定機光学系281は、その光軸上で光源又は指標284、投影光学系282、結像光学系283、光検出装置295等を備え、測定機光学系取付台281a上に配置されている。また、投影光学系282は、集光レンズ群285、ビームスプリッター291、第1凸レンズ群292、第2凸レンズ群293の各光学要素を備えている。結像光学系283は、ビームスプリッター291、第1凸レンズ群292、第2凸レンズ群293(以上は、投影光学系282と共用)、第3凸レンズ群294の各光学要素を備えている。
【0082】
測定機光学系281は、被測定光学系261の被測定面の見かけの曲率中心位置が投影光学系に対し離れていない(該被測定面で得られる反射像が検出できる)場合には、各被測定面に応じ、図示されていないコンピュータで制御されて測定機光学系取付台281aを介して測定機光学系281全体が移動するか、又は、第1凸レンズ群292と第2凸レンズ群293の群間隔を変えてフォーカスを行い、各被測定面の見かけの曲率中心位置に光源284の像を投影するように構成されている。前記被測定光学系261の被測定面の見かけの曲率中心位置が投影光学系に対し非常に離れていてその反射像が検出できない場合には、前記投影光学系282の集光レンズ群285とビームスプリッター291との各光学要素の間に介挿されるコンバージョン光学系286を用い、投影光学系282を介して当該被測定面(第9面)の見かけの曲率中心位置に光源284の像を投影してその反射像を明るくして検出できるように構成されている。
【0083】
上記コンバージョン光学系286は図7(a)および図7(b)に示すように、被測定光学系又は被測定面の測定の際に、集光レンズ群285とビームスプリッター291との間に選択的に介挿されるよう、光軸と平行に配置された回転軸290を中心に回転するターレット状枠体289に収納されている。このコンバージョン光学系の偏心量は既知である。ターレット状枠体289は、少なくとも2ヶ所以上(実施例5では4ヶ所)の光束通過用のエリアa,b,cおよびdが設けられており、1つのエリアaには、凸レンズ287と凹レンズ288からなるアフォーカル光学系が収納され、他の2つのエリアbとdには角倍率が異なるアフォーカル光学系(図示せず)が収納され、1つのエリアcには何も入っていない状態(無配置エリア)になっている。従って、コンピュータの制御によるターレット状枠体289の回転によりコンバージョン光学系286の光束通過用のエリアが切り換えられるので、被測定光学系又は所望の被測定面に応じて、コンバージョン光学系を用いない場合と、所定の角倍率を有するアフォーカル光学系に変えて用いることができるようになっている。
【0084】
前記コンバージョン光学系286は、光源284からの射出光束が集光レンズ群285によってアフォーカル光束になった位置(アフォーカル位置)に配置され、前記投影光学系282の射出用開口数を被測定光学系261の所望の被測定面の入射開口数に近い値に変換する機能を有することになる。
【0085】
前記コンバージョン光学系286として前記凸レンズ287と凹レンズ288からなるアフォーカル光学系を用いた場合、このコンバージョン光学系286の凸レンズ287は、焦点距離:150mm、凹レンズ288は、焦点距離:−30mmである。この凹レンズ288及び凸レンズ287の設計データは前記[表2]の2−5に示されている。
【0086】
上記の構成のコンバージョン光学系286によって、集光レンズ群285から射出するアフォーカル光束径を5分の1に縮小する。この結果、投影光学系282の入射用(光源側)開口数は、コンバージョン光学系286がないときに比べて5倍大きくなり、約25倍ほど明るい反射像が観察できるようになる。このことは、投影光学系281の射出用開口数をコンバージョン光学系286によって、5分の1の開口数にしたことに等しい。
【0087】
本実施例5による偏心量の測定方法を以下に示す。
イ まず、被測定光学系261の設計データ(表1)をコンピュータに入力して、各被測定面の見かけの曲率中心位置と各面の入射側開口数を演算する。演算結果に基いて見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して非常に離れており、該面(表1の被測定光学系の第9面)での反射像が暗くなって測定が困難な状態にあると、予めコンピュータに入力された閾値データとの対比で判断された場合、該面の測定の順番になったときに、コンピュタ330の制御信号によりターレット状枠体289が回転制御され、集光レンズ群285から射出される光束を被測定光学系の前記面(第9面)の入射開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を所定のコンバージョン光学系286(本実施例5では前記凹レンズ288及び凸レンズ287からなるアフォーカル光学系)として選択し、投影光学系282の集光レンズ群285とビームスプリッター291との間に介挿するようにコンピュータ330に記憶される。
ロ 次に、被測定光学系の第9面を除く他の被測定面からの反射像を得るため、コンピュタ330の制御信号によりターレット状枠体289を回転制御し、光軸上にターレット状枠体289の無配置エリアを位置させる。
ハ そして、コンピュータ330により、光源284の像を集光レンズ群285、ターレット状枠体289の無配置エリア、ビームスプリッタ291、凸レンズ群292、第2凸レンズ群293を介して被測定光学系261の第1面の見かけの曲率中心位置に投影するように投影光学系282を制御し、該第1面からの反射像を結像光学系283を介して光検出装置295の結像面上で像位置(フレ量Δ1)として検出し、該第1面のフレ量Δ1と第1面で定まる関数f(n=1として)と結像光学系283の倍率とで該第1面の偏心量ε1を求める。
ニ 次にコンピュータ330により被測定光学系261の第2面に対しても同様に投影光学系282の制御と結像面上での反射像の像位置(フレ量Δ2)を検出し、該第2面のフレ量Δ2と該第2面で定まる関数f(n=2として)と結像光学系283の倍率とで第2面の偏心量ε2を求める。このようにして、第8面までの各面のフレ量Δ1〜8と関数f(n=1〜8)と結像光学系283の倍率から各面の偏心量ε1〜8を求める。
ホ 第9面の測定になったとき、コンピュータ330によりターレット状枠体289が回転制御されて前記記憶された所定のコンバージョン光学系286が介挿される。このコンバージョン光学系286が介挿された状態で第9面の測定で得られるフレ量Δ9と関数f(n=9として)と結像光学系283の倍率とから偏心量ε9を求める。
ヘ 次いで、第10面の測定のときに、コンピュータ330によりターレット状枠体289を回転制御して光軸上からコンバージョン光学系286を移動し、無配置エリアを位置させて前記第1面と同様に、コンピュータ330により制御して第10面のフレ量Δ10と該第10面で定まる関数f(n=10として)と結像光学系283の倍率とから第10面の偏心量ε10を求める。
ト このようにして被測定光学系261の各被測定面について偏心量を求めた後、この偏心量からコンバージョン光学系286の既知の偏心量を差し引いて各被測定面を求める。
【0088】
なお、コンバージョン光学系286のターレット状枠体289は、コンバージョン光学系を用いる場合と用いない場合とに変えることができるという機能を有していれば、必ずしも光軸と平行な回転軸を中心に回転する枠体でなくてもよい。例えば、図7(c)に示すように、アフォーカル光学系を構成する凸レンズ287と凹レンズ288を収納した円筒状枠体296において、前記凸レンズ287と凹レンズ288の間にアフォーカル光学系の光軸に対し垂直な軸方向の光束通過用穴298を穿設し、前記光軸及び垂直な軸方向とに直交する回転軸297を中心に円筒状枠296を回転できるように構成すれば、上記円筒状枠体296を90度回転することにより円筒状枠体の光束通過用穴298は、図7(d)に示すように光源284の光軸に位置するようになり、角倍率0.25倍と1倍を切り替えるようにすることができる。
【0089】
また、コンバージョン光学系286は、アフォーカルズーム光学系としてもよい。この場合は、ターレット状枠体289や円筒状枠体296のように、各枠体を回転操作するための回転機構は必要なくなり、レンズのズーム作動により角倍率を変えることができる。
【0090】
上記実施例5の構成による効果を次に示す。
・被測定光学系において、見かけの曲率中心位置が投影光学系に対して非常に遠く離れた被測定面(例えば600mm以上)を有していても、選択されたコンバージョン光学系によって該面を観察する反射像を明るくすることができ、よって該面及び全体の被測定光学系の偏心量を容易かつ高精度に測定することができる。
・コンバージョン光学系を必要としないときは、コンバージョン光学系の無配置エリアを用いて光束を通過させ得、コンバージョン光学系を必要とするときは被測定光学系に応じた角倍率のコンバージョン光学系を選択できるので、実施例1のように被測定光学系ごとにコンバージョン光学系を用意しなくてもよい。
・コンバージョン光学系を集光レンズ群とビームスプリッタとの間に配置すると、被測定光学系とコンバージョン光学系との干渉や、フォーカス合わせのために第1凸レンズ群と第2凸レンズ群とが移動した際のコンバージョン光学系の干渉などを避けることができ、コンバージョン光学系に係る故障がなくなって測定機設計が容易になる。
・コンバージョン光学系がアフォーカル光学系で、集光レンズ群によってアフォーカル光束になった位置に配置されるので、投影光学系に対する位置調整誤差を厳しく抑える必要がなくなり、測定機製作が容易になる。
【0091】
[第6実施例]
図8を用いて、本発明の第6実施例を説明する。第6実施例では、被測定光学系における各光学素子の面間隔を、設計データではなく、偏心量測定機の測定機光学系取付台上に載置された収納枠体に組み込まれている被測定光学系の各光学素子の面間隔を実際に測定し、この実測の面間隔データD(D1,D2,‥‥)と、設計データの各光学素子面(各レンズ面)の曲率半径r(r1,r2,‥‥)及び各光学素子(各レンズ)の光源波長(830nm)における屈折率n(n1,n2,‥‥)とに基いて、被測定光学系の偏心量測定を行うものである。
【0092】
従って、設計データの面間隔等に基いて求めた見かけの曲率中心位置よりも、実測の面間隔データ等に基いて求めた見かけの曲率中心位置が被測定光学系の各被測定面に対してより正確になる。この正確になった見かけの曲率中心位置に投影光学系を介して光源の像を結像するように投影すると、被測定面からの反射光は、従来の設計データの面間隔等に基いて求めた見かけの曲率中心位置を有する被測定面からの反射光よりも、集光度合いが高くなって光検出装置の結像面上に結像する反射像が明るくなり、結像面で反射像を見つけることが可能になる。従来、反射像のフォーカスが大きくずれるとか暗くなること等により結像面上で反射像を見つけることが困難または不可能になり、そのために被測定光学系全体の偏心量が算出できなかったが、上記の実施例の構成によれば、確実に高精度に被測定光学系全体の偏心量を求めることができる。
【0093】
図8は、図7(a)からコンバージョン光学系286を除去した測定機光学系を用い、被測定光学系261の各被測定面の面間隔を測定する面間隔測定手段310を、被測定光学系261の後方位置(被測定光学系261に対して、投影光学系282の反対側の位置)に配置した偏心量測定機を示している。即ち、図8で示す偏心量測定機では、測定機光学系281は、その光軸上で光源又は指標284、投影光学系282、結像光学系283、光検出装置295を有し、測定機光学系取付台281a上に配置されている。
【0094】
投影光学系282は、集光レンズ群285、ビームスプリッター291、第1凸レンズ群292、第2凸レンズ群293の各光学要素で構成されている。結像光学系283は、ビームスプリッター291、第1凸レンズ群292、第2凸レンズ群293(以上の光学要素は、投影光学系282と共用される)、第3凸レンズ群294の各光学要素で構成されている。
【0095】
測定機光学系281は、面間隔測定手段で実測された測定機光学系取付台216c上に枠体216aを介して取り付け固定された被測定光学系261の各被測定面の面間隔データD(D1,D2,‥‥)に基き、各被測定面に応じてコンピータ330で制御されて測定機光学系281全体が移動するか、又は、第1凸レンズ群292と第2凸レンズ群293の群間隔を駆動手段292aと駆動手段293aとで変えてフォーカスを行い、実測された各被測定面の見かけの曲率中心位置に光源284の像を投影するように構成されている。
【0096】
前記被測定光学系261の後方位置に配置される面間隔測定手段310は、面間隔測定台310a上に、測定機光学系281の光軸と同一の光軸を有するように、低コヒーレンス光源311、集光レンズ312、光束を2分割する光束分割手段としてのビームスプリッター313、コリメータレンズ314、干渉縞を観察し検出する光電検出手段としてのCCDカメラ315、参照ミラー316を配設して構成され、コリメータレンズ314と参照ミラー316とはそれぞれ光軸方向に移動調整できるようになった低コヒーレンス干渉計である。コリメータレンズ314と参照ミラー316のそれぞれの光軸方向への移動調整は、コリメータレンズ314を介して得られる被測定面からの反射光と参照ミラー316を介し反射して得られる参照光との干渉で発生する干渉縞がCCDカメラ315で観察できるように、コリメータレンズ314を取り付けたコリメータ用駆動手段314aと参照ミラーを取り付けた参照ミラー用駆動手段316aとを偏心量測定機のコンピータ330で制御して行う。前記駆動手段314a、316aとしては、ステッピングモータがある。
【0097】
上記の面間隔測定手段310において、低コヒーレンス光源311からの射出光束は、集光レンズ312を経てアフォーカル光束となり、ビームスプリッター313で測定光路317と参照光路318に分割される。測定光路317へ分割された光束は、コリメーターレンズ314によって収束されて被測定光学系261の被測定面(レンズ面)へ投光される。被測定光学系261の被測定面(レンズ面)からの反射光は、コリメーターレンズ314を経てアフォーカル光束となってビームスプリッター313に達する。一方、参照光路318に分割された光束は、参照ミラー316で反射されて参照光となりビームスプリッタ313に達する。そしてビームスプリッタ313で、被測定面(レンズ面)からの反射光と参照ミラーからの参照光とが干渉し、この干渉縞がCCDカメラ315で観察される。
【0098】
この干渉計による干渉縞は、被測定光学系261の各レンズ面からの反射光と参照ミラー316からの参照光との光路長が一致するときのみ干渉縞が観察できるものであるから、図8で示す被測定光学系261の第1面(投影光学系282側の第1面:前記表1における第1面)に対し、コンピータ330により駆動手段314aを介し移動制御するコリメータレンズ314から測定光を投光するとともに該第1面からの反射光を得る一方、この反射光の光路長と反射ミラーからの参照光の光路長とが一致するようにコンピータ330により駆動手段316aを介して参照ミラー316を図中矢印の方向に掃引しながら移動制御する。
【0099】
そして、CCDカメラ315で第1面についての干渉縞の観察ができ、検出ができる参照ミラー316位置を、コンピュタ330で移動制御した駆動手段316aの制御量から測定する。この測定を第2面、第3面と順次に繰り返し行って第9面までの各レンズ面に対応した参照ミラー316の位置を駆動手段316aの制御量から測定する。従ってコンピータ330では、各レンズ面に対応して移動制御した駆動手段316aの制御量から、枠体261aに収納された被測定光学系261の各レンズの肉厚又は空気間隔である面間隔の実測値データD(D1,D2,‥‥)が得られる。上記説明では、駆動手段316aの制御量から面間隔の実測データ値を測定したが、参照ミラー330の移動量から面間隔の実測データ値を測定しても同等の結果を得ることができる。
【0100】
上記の場合、CCDカメラ315による干渉縞の検出は、干渉縞が観察される際に干渉縞のコントラストのピークが現れる位置で行った。低コヒーレンス光源としては、スーパールミネセントダイオード(SLD)を用いた。この低コヒーレンス光源としては、短パルスレーザ、ハロゲンランプ、LEDなどコヒーレンス長が半値全幅0.1μm〜200μmまたは波長の半値全幅1nm〜500nmの光源を用いることができる。干渉縞検出手段としては、波形モニター、オシロスコープを用いることができ、干渉縞のコントラストのピークが現れる位置に替えて、干渉信号の強度のピークが現れる位置を求めて行うことができる。この場合、被測定光学系261の被測定面(レンズ面)からの反射光は、測定光路317へ分割された光束を前記被測定面にコリメーターレンズ314により収束し投光する際に、該被測定面の曲率中心に向かって光が入射するようにして得たが、これに限らず、被測定面の面頂に向かって入射するようにし該被測定面の面頂から得てもよい。
【0101】
このようにして得られた実測値データDを用いて行う本実施例の偏心量の測定方法は、以下のようになる。
イ この面間隔測定値Dと、表1の設計データのr、n等を入力データとしてコンピュータ330に入力し、コンピュータ330により被測定光学系261の各被測定面の見かけの曲率中心位置の計算をする。また、式(2)で表される各被測定面の行列成分(関数f)の計算、結像光学系の倍率の計算等をする。
ロ その後、計算で得られた各被測定面の見かけの曲率中心位置に対し、コンピータ330により投影光学系282を移動制御して被測定面第1面側から順次に光源284の像を投影し、反射して得られる反射像の光検出装置上で検出される各像位置から計算される各フレ量Δと各被測定面の関数fと結像光学系283の倍率に基いてそれぞれの被測定面の偏心量εの測定を行う。この測定方法の手順は、実施例1の場合と同じである。
【0102】
上記のように面間隔を測定する面間隔測定手段310を設けることにより、被測定光学系の被測定面の面間隔は、非破壊、非接触で高精度に測定でき、設計データの面間隔に基いた見かけの曲率中心位置よりも、実測値に基いたより確実な見かけの曲率中心位置に光源の像を結像するように投影できるので、被測定面からの反射像のフォーカスがずれることがなく、光検出装置の結像面上に結像する反射像の集光度合いが高くなって明るくなり、面間隔を測定しなかった場合に比べ12倍明るくなって結像面で反射像を容易に見つけることが可能になり、高精度な偏心量測定を行うことができる。
【0103】
また、面間隔を測定する面間隔測定手段310を測定機光学系281の光軸と同一にして偏心量測定機に備えることによって、面間隔測定手段と偏心量測定機との間で、被測定光学系を収納した枠体261aの付け替えを行わずにすむため、面間隔測定手段で面間隔を実測した状態で直ちに偏心量測定が実施可能になる。従って、被測定光学系がズーム光学系であってその倍率又はフォーカスが異なるいくつかの状態で偏心量測定を行う場合に、面間隔測定手段を備えた面間隔測定機と偏心量測定機との間で、ズーム光学系を収納した枠体の付け替え作業を行っている間にレンズ群間隔が変わって測定しにくい等の危惧を解消することができる。
【0104】
また、面間隔測定手段310を被測定光学系の後方に配置することによって、測定機光学系281と干渉することがなくなるため、偏心量測定機設計が容易になる。
【0105】
さらに、被測定光学系261の面間隔に加えて、投影光学系282の凸レンズ群293と被測定光学系261の間隔及び投影光学系282の凸レンズ群292と凸レンズ群293の間隔も高精度に測定することができ、より高精度に偏心量測定を行うことができる。
【0106】
なお、この実施例6の変形例として、図9に示すように面間隔測定手段は、被測定光学系261と投影光学系282との間の光軸上に傾斜して配置されるビームスプリッタ319を介して、分岐された光軸上に面間隔測定手段320として配置にしてもよい。この変形例における面間隔測定手段320は、図8の310と同じ構成である。
【0107】
なお、ビームスプリッター319は、投影光学系282の光軸に垂直な方向に挿脱可能にし、面間隔測定手段による被測定面の面間隔測定終了後に脱する構成にすると、被測定面による反射光の光量損失が少ないのでよい。また、測定機光学系281の光軸上に傾斜して配置されたビームスプリッター319に替えて、面間隔測定手段320と測定機光学系281との結合は、光ファイバーなどで行ってもよい。例えば、光ファイバーを略直角に屈曲させて、光ファイバの開口中心の一端側は投影光学系282の光軸上に位置させて被測定面側に対向させ、他端側は面間隔測定手段320の光軸(コリメータレンズの光軸)上に位置させてコリメータレンズ314に対向させ、そして面間隔測定終了後に一端側を投影光学系282の光軸上から退避する構成としてもよい。
【0108】
上記変形例のように面間隔測定手段320を被測定光学系261と投影光学系282との間に配置にする構成では、偏心量測定機の全長を長くせずに済むため、コンパクトな偏心量測定機を実現できる。なお、本第6実施例による面間隔測定手段を用いて偏心量測定を行う際に、第1〜5実施例において実施したコンバージョン光学系を組み合わせて使用すれば、被測定面から得られる結像面上の反射像がより明るくなって検出されることとなり、より高精度な偏心量測定が可能となる。
【0109】
上記第1〜5実施例において用いたコンバージョン光学系は、被測定光学系の各レンズ面の内、見かけの曲率中心位置が第1面に対し非常に離れるレンズ面を被測定面として有しているためフレ量測定ができなくなる場合に、このレンズ面の開口数に投影光学系の射出用開口数を近づける、換言すると、このレンズ面の開口数を投影光学系の開口数に近づけるために備えるものである。被測定光学系全てのレンズ面のフレ量測定ができる場合はコンバージョン光学系を用いずに無配置エリアにおいて通常のフレ量測定による偏心量測定を行なう。
【0110】
以上説明したように、本発明の偏心量測定機および偏心量測定方法は、特許請求の範囲に記載された特徴の他に、次の(1)から(39)に示すような特徴を備えている。
【0111】
(1)少なくとも、1面以上の光学面で構成される被測定光学素子又は光学系と、光源又は指標と、光源又は指標の像を被測定光学素子又は光学系に投影する投影光学系と、被測定光学素子又は光学系より射出される光源又は指標の像を結像させる結像光学系と、結像光学系により結像された光源又は指標の像を検出する光検出装置とから構成され、被測定光学素子又は光学系に、光源又は指標の像を投影し、被測定光学素子又は光学系から射出される光源又は指標の像の位置を測定し、像の位置の測定結果から被測定光学素子又は光学系の任意の面の偏心量を算出する光学素子又は光学系の偏心量測定機において、光源又は指標の像を被測定光学素子又は光学系に投影する投影光学系の射出側最大開口数を、前記被測定光学素子又は光学系の入射側開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備えていることを特徴とする偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0112】
上記(1)の構成によれば、光源又は指標の像を被測定光学素子又は光学系に投影する投影光学系の射出側最大開口数を、前記被測定光学素子又は光学系の入射側開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備えることによって、光源から射出される光量をより多く被測定光学素子又は光学系に入射させることができる。従って、観察する反射像を明るくすることができ、偏心量を容易かつ高精度に測定することができる。
【0113】
(2)コンバージョン光学系を、被測定光学素子又は光学系と投影光学系の間に備えたことを特徴とする上記(1)の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0114】
上記(2)の構成について図10〜図12を用いて説明を行う。図10〜12において、測定機光学系220、光源(又は指標)210、ビームスプリッター211、投影レンズかつ結像レンズ212、光検出装置215は共通であり、それぞれの機能は、図16及び図17における説明の通りである。また、被測定光学系221、被測定面222、被測定面222の見かけの曲率中心位置223も図10〜12において共通である。図10において、被測定面222の見かけの曲率中心位置223は、被測定面222から数百mm以上離れているとする。このとき、被測定光学系221の入射側開口数は小さいため、被測定光学系221には光束224程度しか入射させることができない。上記(2)の構成においては、図11に示すように、図10の測定機光学系220、被測定光学系221に加えて、被測定光学系221と投影光学系212の間にコンバージョン光学系225を配置する。このようにすることで、測定機光学系220の射出側開口数によって決まる光束228は、コンバージョン光学系225によって、被測定光学系221の入射側開口数によって決まる光束227に変換される。この結果、光源210から射出される光量は無駄無く被測定光学系221に入射させることができ、観察する反射像を明るくすることができる。また、偏心量測定機は、測定機光学系220、被測定光学系221の距離(即ち、作動距離)を十分とるのが一般的であり、コンバージョン光学系225を被測定光学系221と投影光学系212の間に配置する構成により、測定機のレイアウト設計及び製作が容易になる。さらに、既存の測定機に対しても容易に適用できる。
【0115】
(3)コンバージョン光学系を、被測定光学素子又は光学系に装着して測定することを特徴とする上記(1)および(2)何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0116】
上記(3)の構成においては、図11又は12に示すようなコンバージョン光学系225又は231は被測定光学系221に装着して測定できるようにすることにより、被測定面の見かけの曲率中心位置が、非常に遠くにある面をもつ被測定光学系に対してのみコンバージョン光学系を用意すればよいという効果がある。また、測定機光学系自体は、従来と同様の構成のままでもよいため、既存の測定機に対しても直ちに適用できる。
【0117】
(4)コンバージョン光学系を、被測定光学素子又は光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0118】
上記(4)の構成においては、図11又は12において、コンバージョン光学系225又は231は、被測定光学系221の一部だと見なして測定する。即ち、測定機制制御及び偏心量計算用コンピュータに被測定光学系221のR、D、Nデータを入力するときに、コンバージョン光学系225又は231のR、D、Nも被測定光学系221の一部として入力して各面の見かけの球心位置を計算する。これは、図11では、被測定面222の見かけの球心位置223は226の位置へシフトさせたことに相当する。また、図12では、232の位置へシフトさせたことに相当する。さらに、行列式(2)に相当する行列係数もコンバージョン光学系225又は231は被測定光学系221の一部であるとして計算する。そして、コンバージョン光学系225又は231ごと偏心量測定を行うのである。このようにすれば、測定機の制御は、コンバージョン光学系225又は231の有無に関わらず、同じ制御方式で行うことができ、制御プログラムが簡潔にできる。さらに、コンバージョン光学系225又は231の偏心量も同時に測るため、コンバージョン光学系225又は231の製造誤差及び組立て調整誤差を容易にキャンセルすることが可能となり、よって、製造誤差及び組立て調整誤差を厳しく抑えなくても高精度に測定が行える。
【0119】
(5)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0120】
上記(5)の構成においては、図11に示すように、コンバージョン光学系225は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群である。このようにすれば、被測定面222の見かけの球心位置223がシフトした226は、コンバージョン光学系225よりも被測定光学系221側に位置することになる。よって、測定機光学系220と被測定光学系221との間隔をあまり長くする必要がなくなり、測定機全体を小型化できる。
【0121】
(6)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0122】
上記(6)の構成は、上記(1)〜(4)の場合と同様の作用効果を有する。さらに、コンバージョン光学系に、凸レンズ又は正パワーをもつレンズを用いているため、凹レンズの場合よりも、投影光学系の射出用開口数と被測定系の入射側開口数をより一層、近づけ易いので、凸レンズの設計データが決めやすく明るい反射像が得やすくなる。
【0123】
(7)コンバージョン光学系を、投影光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0124】
上記(7)の構成においては、図11又は12に示すように、コンバージョン光学系225又は231は、測定機光学系220の一部だと見なして測定する。即ち、被測定面222の見かけの球心位置223に光束を入射させるが、投影光学系かつ結像光学系212の投影倍率かつ結像倍率が低倍化したものとして、偏心量測定を行う。このようにすることで、コンバージョン光学系225又は231の偏心量を被測定光学系221と一緒に測定する必要がなくなり、測定面数を減らすことができ、よって測定時間を短縮できる。
【0125】
(8)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(3)及び(7)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(5)の場合と同様である。
【0126】
(9)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(3)及び(7)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0127】
上記(9)の構成においては、図12に示すように、コンバージョン光学系231は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群である。このようにすれば、被測定面222の見かけの球心位置223がシフトした232は、コンバージョン光学系225よりも測定機光学系220側に位置することになる。この結果、測定機光学系220と被測定光学系221との間隔を一定以上に保つことができる。従って、測定機光学系220と被測定光学系221の間に、参照光学系へ光路分割するための光学素子を配置するような偏心量測定機であっても、コンバージョン光学系225と参照光学系へ光路分割するための光学素子とが干渉する可能性がなくなり、あらゆる被測定光学系に対応できる。また同じパワーかつ同じ配置位置であれば、凹レンズよりも、投影光学系212の射出側開口数と被測定光学系221の入射側開口数をより近づけ易くなる。
【0128】
(10)コンバージョン光学系を、投影光学系の射出側(被測定光学素子又は光学系の側)に備えたことを特徴とする上記(1)〜(2)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0129】
上記(10)の構成においては、図11又は12に示すように、コンバージョン光学系225又は231は、測定機光学系220の一部として、投影光学系212の射出側(被測定光学系221側)に備える。また、測定機光学系220の一部として備えることで、被測定光学系ごとにコンバージョン光学系を用意しなくてもよい。
【0130】
(11)コンバージョン光学系は、投影光学系の光路に挿脱可能であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0131】
上記(11)の構成において、図11又は12に示すように、コンバージョン光学系225又は231は、測定投影光学系212の光路に挿脱可能とする。コンバージョン光学系225は、被測定面222の見かけの球心位置223が被測定光学系に対して非常に遠い場合に必要となるものであり、それ以外の場合には測定し易さや測定精度に悪影響を与えることがある。よって、必要に応じて投影光学系212の光路に挿脱可能にしておくことで、コンバージョン光学系225の利点を最大限に発揮させ、不利な点を最小限に抑制することができる。
【0132】
(12)コンバージョン光学系を、被測定光学素子又は光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(4)の場合と同様である。
【0133】
(13)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(12)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(5)の場合と同様である。
【0134】
(14)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(12)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(9)の場合と同様である。
【0135】
(15)コンバージョン光学系は、焦点距離可変光学系であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(12)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0136】
上記(15)の構成において、図11及び12に示すようにコンバージョン光学系225又は231は、焦点距離可変光学系である。被測定光学系221の入射側開口数は、さまざまな値をとりうるから、測定機光学系220の射出側開口数と被測定光学系221の入射側開口数の不一致度もさまざまであり、コンバージョン光学系225又は231が単焦点距離光学系であった場合、被測定光学系に対して必ずしも最適であるとは限らない。コンバージョン光学系が焦点距離可変光学系であれば、さまざまな被測定光学系に対して最適なコンバージョン光学系にできる。
【0137】
(16)コンバージョン光学系を、投影光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(7)の場合と同様である。
【0138】
(17)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(16)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(5)の場合と同様である。
【0139】
(18)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(16)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(9)の場合と同様である。
【0140】
(19)コンバージョン光学系は、焦点距離可変光学系であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(16)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(15)の場合と同様である。
【0141】
(20)コンバージョン光学系は、投影光学系の光軸方向に移動可能であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0142】
上記(20)の構成においては、図11及び12におけるコンバージョン光学系225又は231は、投影光学系212の光軸方向に沿って移動可能にする。被測定光学系221の入射側開口数は、さまざまな値をとりうる。よって、測定機光学系220の射出側開口数と被測定光学系221の入射側開口数の不一致度もさまざまであり、コンバージョン光学系225又は231の位置が固定である場合、被測定光学系に対して必ずしも最適であるとは限らない。コンバージョン光学系225又は231を投影光学系212に近づければ、測定機光学系220の射出側開口数はあまり小さな値に変換されない。逆にコンバージョン光学系225又は231を被測定光学系に近づければ、測定機光学系220の射出側開口数は、より小さな値に変換される。コンバージョン光学系225又は231は、投影光学系212の光軸方向に沿って移動可能にすることにより、さまざまな被測定光学系に対して最適なコンバージョン光学系にできる。
【0143】
(21)コンバージョン光学系を、被測定光学素子又は光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
上記構成による作用効果は上記(4)の場合と同様である。
【0144】
(22)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)〜(21)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(5)の場合と同様である。
【0145】
(23)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)〜(21)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(9)の場合と同様である。
【0146】
(24)コンバージョン光学系は、焦点距離可変光学系であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)〜(21)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(15)の場合と同様である。
【0147】
(25)コンバージョン光学系を、投影光学系の一部と見なして測定機制御及び測定を行うことを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(7)の場合と同様である。
【0148】
(26)コンバージョン光学系は、凹レンズ又は負パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)及び(25)何れかに記載のの偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(5)の場合と同様である。
【0149】
(27)コンバージョン光学系は、凸レンズ又は正パワーをもつレンズ群であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)及び(25)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記構成による作用効果は上記(9)の場合と同様である。
【0150】
(28)コンバージョン光学系は、焦点距離可変光学系であることを特徴とする上記(1)〜(2)及び(10)〜(11)及び(20)及び(25)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。上記の構成による作用効果は上記(15)の場合と同様である。
【0151】
(29)コンバージョン光学系を、投影光学系の内部に備えたことを特徴とする上記1の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0152】
上記の構成においては、コンバージョン光学系は、測定機光学系の投影光学系の内部に備える。このようにすれば、被測定光学系とコンバージョン光学系の干渉や、フォーカス合わせのための測定機光学系移動した際の測定機光学系とコンバージョン光学系の干渉などを避けることができるため、測定機設計が容易になる。
【0153】
(30)投影光学系は、光学系内部にアフォーカル光束となる部分を有しており、コンバージョン光学系は、アフォーカル光学系であり、投影系内部のアフォーカル光束部分に配置することを特徴とする上記(1)及び(29)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0154】
上記(30)の構成においては、図13(a)に示すように、測定機光学系240は、光源又は指標241、投影光学系242、結像光学系243、光検出装置244で構成される。投影光学系242は、集光レンズ群245、コンバージョン光学系246、ビームスプリッター249、凸レンズ群250、凸レンズ群251で構成される。結像光学系243は、ビームスプリッター249、凸レンズ群250、凸レンズ群251(以上は、投影光学系242と共用)、凸レンズ群252で構成される。測定機光学系240は、被測定面の見かけの曲率中心位置に応じて、測定機光学系240全体が移動するか、又は、凸レンズ群250と凸レンズ群251の群間隔を変えてフォーカスを行うようになっている。コンバージョン光学系246はアフォーカル光学系となっており、光源241からの射出光束が集光レンズ群245によってアフォーカル光束になった部分に配置されている。被測定面254の見かけの曲率中心位置255は、被測定面254から数百mm以上離れているとする。まず、コンバージョン光学系246が無い場合を考える。被測定光学系253の入射側開口数は小さいため、被測定光学系253には光束257程度しか入射させることができない。一方、光源241から投影光学系242を介して射出される光束は、光束256程度ある。コンバージョン光学系246がない場合、光源241から射出される光束256の大部分は無駄になり、被測定面254からの反射像は、暗くなってしまう。光束258は、コンバージョン光学系246がある場合の光束の状態を示している。光束258は、コンバージョン光学系246によって、コンバージョン光学系246射出後は、光束257とほぼ同じ光束となる。従って、光源241から射出される光量の大部分を被測定光学系253に入射させることができ、被測定面254からの反射像を明るくすることができる。このように、コンバージョン光学系をアフォーカル光学系とすることで、コンバージョン光学系246の投影光学系242に対する位置調整誤差を厳しく抑える必要がなくなり、測定機製作が容易になる。
【0155】
(31)コンバージョン光学系は、正パワーを持つレンズ群、負パワーを持つレンズ群で構成され、光源側から正パワーを持つレンズ群、負パワーを持つレンズ群の順に配置することを特徴とする上記(1)及び(29)〜(30)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0156】
上記(31)の構成においては、図13(a)に示すようにコンバージョン光学系246は、光源241側から正パワーを持つレンズ群247、負パワーを持つレンズ群248で構成する。このようにすれば、アフォーカル光学系246の全長を短くできるため、投影光学系242ひいては、測定機光学系240をコンパクトにできる。
【0157】
(32)コンバージョン光学系の角倍率を変更できることを特徴とする上記(1)及び(29)〜(31)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0158】
上記(32)の構成においては、図13(a)のコンバージョン光学系246の角倍率は変更できるようにする。被測定光学系253の入射側開口数は、さまざまな値をとりうるから測定機光学系240の射出側開口数と被測定光学系253の入射側開口数の不一致度もさまざまであり、コンバージョン光学系246の角倍率が固定であった場合、被測定光学系に対して必ずしも最適であるとは限らない。よって、コンバージョン光学系246は、角倍率が変更できれば、多様な被測定光学系に対して最適なコンバージョン光学系にできる。
【0159】
(33)コンバージョン光学系は、アフォーカルズーム光学系であることを特徴とする上記(1)及び(29)〜(30)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0160】
上記(33)の構成においては、図13(a)において、コンバージョン光学系246は、アフォーカルズーム光学系である。このようにすれば、角倍率を連続的に変えることが可能となるため、さまざまな被測定光学系に対して最適なコンバージョン光学系にでき、また、他の方法で角倍率を変えるよりも、コンパクトにできる。
【0161】
(34)少なくとも、1面以上の光学面で構成される被測定光学素子又は光学系と、光源又は指標と、光源又は指標の像を被測定光学素子又は光学系に投影する投影光学系と、被測定光学素子又は光学系より射出される光源又は指標の像を結像させる結像光学系と、結像光学系により結像された光源又は指標の像を検出する光検出装置とから構成され、被測定光学素子又は光学系に、光源又は指標の像を投影し、被測定光学素子又は光学系から射出される光源又は指標の像の位置を測定し、像の位置の測定結果から被測定光学素子又は光学系の任意の面の偏心量を算出する光学素子又は光学系の偏心量測定機において、光源又は指標の像の投影光学系による投影位置と、被測定光学素子又は光学系から射出される光源又は指標の像の位置と、被測定光学素子又は光学系の偏心量との関係を表す関数とを求めるために、被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)の測定値を用いることを特徴とする偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0162】
上記(34)の構成においては、被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)の測定値を用いて見かけの球心位置、行列式(2)に相当する行列係数、結像光学系の倍率等を計算して上で偏心量測定を行う。これによりズーム光学系や、製造誤差を含む光学系においても、高精度に偏心量を求めることができる。
【0163】
(35)被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)を測定する手段を備えていることを特徴する上記(34)の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0164】
上記(35)の構成においては、被測定光学素子又は光学系の面間隔を測定する手段を偏心量測定機に備えている。このようにすれば、面間隔測定機と偏心量測定機との間で、被測定光学系の付け替えを行わずにすみ、付け替えの度に取り付けアライメントをする手間が省ける。また、ズーム光学系の倍率又はフォーカスが異なるいくつかの状態で偏心量測定を行う場合に、面間隔測定機と偏心量測定機との間で、付け替えを行っている間にレンズ群間隔が変わってしまうのを防ぐことができる。
【0165】
(36)被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)の測定を低コヒーレンス干渉計で行うことを特徴とする上記(34)〜(35)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0166】
上記(36)の構成においては、偏心量測定を高精度に行うためには、被測定光学系の面間隔は、1/100mm程度の精度で知る必要がある。低コヒーレンス干渉計を用いて被測定光学系の面間隔を測定すれば、非破壊、非接触で、必要精度を達成することができる。
【0167】
(37)被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)を測定する手段が、被測定光学素子又は光学系に対して、投影光学系と反対側に配置されていることを特徴とする上記(34)〜(35)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0168】
上記(37)の構成の概略は、図13(b)に示される。これには、図13(a)の偏心量測定機からコンバージョン光学系246を除去し、被測定光学系253の面間隔を測定する手段300又は302を備えた偏心量測定機が示されている。被測定光学系253の面間隔を測定する手段300は、被測定光学系253に対して、投影光学系242と反対側に配置されている。このようにすれば、測定機光学系240と干渉することがなくなるため、測定機設計が容易になる。また、被測定光学系253の面間隔に加えて、投影光学系242の凸レンズ群251と被測定光学系253の間隔及び投影光学系242の凸レンズ群251と凸レンズ群243の間隔も高精度に測定することができ、より高精度に偏心量測定を行うことができる。
【0169】
(38)被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)を測定する手段が、被測定光学素子又は光学系と投影光学系の間に配置されていることを特徴とする上記(34)〜(35)何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0170】
上記(38)の構成においては、図9に示すように、被測定光学系261の面間隔を測定する手段320は、ビームスプリッタ319を介して、投影光学系283と被測定光学系261の間に配置されている。また、図13(b)では、被測定光学系253の面間隔を測定する手段手段302は、ビームスプリッタ301を介して、投影光学系243と被測定光学系253の間に配置されている。このような配置にすれば、測定機の全長をあまり長くせずに済むため、コンパクトな測定機を実現できる。
【0171】
(39)被測定光学素子又は光学系の面間隔(レンズ肉厚、空気間隔)を測定する手段は、低コヒーレンス光源を使用する低コヒーレンス干渉計であることを特徴とする上記(37)〜(38)の何れかに記載の偏心量測定機又は偏心量測定方法。
【0172】
上記(39)の構成においては、さらに偏心量測定を高精度に行うためには、被測定光学系の面間隔は、1/100mm程度の精度で知る必要がある。低コヒーレンス干渉計を用いて被測定光学系の面間隔を測定すれば、非破壊、非接触で、必要精度を達成することができる。
【0173】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、見かけの曲率中心位置が測定機光学系に対して数百mm以上離れている被測定面(レンズ面)を含む光学素子の単体または組み合わせからなる光学系においても、簡便、安定的、かつ、低コストで高精度に光学素子または光学系の偏心量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で用いる例示のコンバージョンレンズと被測定光学系の概略図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る光学系装置のブロック概略図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る光学系装置の図2の部分Wの断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る光学系装置の一部の概略図である。
【図5】(a)は本発明の第3実施例に係る光学系装置の一部の概略図、(b)は   ターレット枠体の略図である
【図6】(a)は本発明の第4実施例に係る光学系装置の一部の概略図、(b)は 光学系切り替え用ターレット枠体の略図である
【図7】(a)は本発明の第5実施例に係る光学系装置の一部の概略図、(b)は光学系切り替え用ターレット枠体の略図、(c)および(d)は光路切り替え枠体の概略図である。
【図8】本発明の第6実施例に係る光学系装置のブロック概略図である。
【図9】本発明の第6実施例の変形例に係る光学系装置のブロック概略図である。
【図10】本発明の実施例の変形例に関し従来の技術の説明のための略図である。
【図11】本発明の実施例の変形例に関しコンバージョン光学系についての略図である。
【図12】本発明の実施例の変形例に関しコンバージョン光学系についての略図である。
【図13】(a)は本発明の実施例の他の変形例に関し光学系についての略図、(b)は前記(a)からコンバージョン光学系を除去するとともに面間隔を測定する手段を設けた光学系の概略図である。
【図14】本発明および従来例に係る原理を説明するための略図である。
【図15】本発明の従来例を説明するための光学系の概略図である。
【図16】本発明の従来例を説明するための光学系の他の概略図である。
【図17】本発明の従来例を説明するための光学系のさらなる他の概略図である。
【符号の説明】
指標             I1
被検面            S1、204
測定基準軸          B
投影位置           A
反射像            I2
光源(又は指標)       201、241,281、284
投影光学系          202、212、266、282
被測定光学系         203、213、261,262
測定機光学系         220、281
ビームスプリッター      211、265,291,313、336a
光検出装置          167、215、244、267、295
被測定面           214、217、254
コンピュータ         330
偏心量測定機         336
基準軸設定用光学系      331
コンバージョン光学系     246,264、271
枠体             263、261a
基準軸設定用光学系      331
イメージローテータプリズム  233
結像レンズ          334
ミラー(反射鏡)       335
駆動機構           332、331a、331b
イメージローテータプリズム  333
ターレット状枠体       270、275
回転軸            272、278
集光レンズ群         285
面間隔測定手段        310、320
低コヒーレンス光源      311、
集光レンズ          312
コリメータレンズ       314
参照ミラー          316

Claims (12)

  1. 偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、
    前記光源又は指標の像を前記被測定面に投影する前記投影光学系の射出用開口数を、前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を備えたことを特徴とする偏心量測定機。
  2. 前記コンバージョン光学系を、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系と前記投影光学系との間に備えたことを特徴とする請求項1記載の偏心量測定機。
  3. 前記コンバージョン光学系は、コンバージョン光学系を収納する枠体を、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納する枠体に装着して備えたことを特徴とする請求項2記載の偏心量測定機。
  4. 前記コンバージョン光学系は、前記投影光学系を構成する光学要素間に備えたことを特徴とする請求項1記載の偏心量測定機。
  5. 前記コンバージョン光学系は、角倍率が異なるコンバージョン光学系をそれぞれ収納したエリアを有する枠体から、選択した1つのエリアを前記光学要素間に挿入することにより備えたことを特徴とする請求項4記載の偏心量測定機。
  6. 偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を、結像光学系を介して光検出装置の結像面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定機において、
    前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定するための面間隔測定手段と、
    この面間隔測定手段から得られる測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段による演算結果の関数fと、前記結像面に結像した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算する第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする偏心量測定機。
  7. 前記面間隔測定手段は、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影する位置に配置された前記偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納した枠体に対し、投影光学系の光軸と同一の光軸を有し、且つ投影光学系とは反対側になる前記枠体の後方位置、又は投影光学系と同じ側になる投影光学系と前記枠体の間に配置されることを特徴とする請求項6記載の偏心量測定機。
  8. 前記面間隔測定手段は、低コヒーレンス光源と、低コヒーレンス光源からの射出光束をアフォーカル光束にする集光レンズと、アフォーカル光束を2分割する光分割手段と、分割された1つの光束を前記被測定面に収束させて投光するとともに被測定面で反射した反射光を干渉縞観察位置に導くコリメータレンズと、分割された1つの光束を反射させて前記干渉縞観察位置に参照光を導く参照ミラーと、前記干渉縞観察位置で観察される前記反射光と参照光との干渉による干渉縞を検出する光電検出手段と、前記コリメータレンズと前記参照ミラーとをそれぞれその光軸方向に移動制御する駆動手段と、前記光電検出手段で検出された各被測定面に対応して得られる干渉縞と前記駆動手段による移動制御量とから各被測定面間隔を演算する演算手段を備えることを特徴とする請求項7記載の偏心量測定機。
  9. 偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共にこの反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、
    前記被測定面に前記光源又は指標の像を投影する前記投影光学系の射出用開口数を前記被測定面の開口数に近い値に変換するコンバージョン光学系を、前記光源又は指標と前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系における前記投影光学系側第1面との間に配置し、
    前記光源又は指標から射出され、前記投影光学系の射出用開口数によって決定される光量を有する像を前記コンバージョン光学系を介して前記被測定面に投影し、
    被測定面から反射されて得られる前記結像面上の反射像を明るくすることを特徴とする偏心量測定方法。
  10. 前記光源又は指標と前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系における前記投影光学系側第1面との間に配置するコンバージョン光学系は、コンバージョン光学系を収納する枠体を、前記被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系を収納する枠体に装着した後に、コンバージョン光学系側を前記第1面に対向して備えたことを特徴とする請求項9記載の偏心量測定方法。
  11. 偏心量を測定する被測定光学素子の単体又は組み合わせからなる光学系の被測定面に、投影光学系を介して光源又は指標の像を投影し、前記被測定面から反射される前記光源又は指標の反射像を結像光学系を介して光検出装置の結象面に結像させると共に、この反射像の像位置を測定し、反射像の像位置の測定結果から前記被測定面の偏心量を算出する偏心量測定方法において、
    前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔を測定し、
    前記肉厚及び空気間隔の測定値を用いて、前記光源又は指標の像の前記投影光学系による投影位置を演算すると共に、前記被測定面の測定第1面側から近軸光線追跡で順次に定まる関数fを演算し、
    次いで前記演算で求めた投影位置に投影光学系を介して光源又は指標の像を投影すると共に、被測定面から反射される反射像の像位置を測定し、
    その後、前記演算で求めた関数fと、前記測定した反射像の像位置の測定結果と、前記結像光学系の倍率から、前記被測定面の偏心量を演算することを特徴とする偏心量測定方法。
  12. 前記光学系の被測定面間で形成される光学素子の肉厚及び空気間隔の測定は、前記光源又は指標の像を投影する投影光学系と対向する位置に前記被測定面を有する光学系を配置した後に行い、該被測定面を有する光学系の配置位置を維持して、前記投影光学系を介して光源又は指標の像を投影すると共に被測定面から反射される反射像の像位置を測定することを特徴とする請求項11記載の偏心量測定方法。
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