JP6831237B2 - コーティング用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、コーティング用シリコーンゴム組成物に関し、伸び特性に優れ、かつ、一定条件下での水素ガス発生量を低減することが可能なコーティング用シリコーンゴム組成物に関する。本発明は、特に、エアバッグ用に適したシリコーンゴムコーティング織物を製造するためのコーティング用シリコーンゴム組成物に関する。
織物上にシリコーンゴム組成物をコーティングして製造するシリコーンゴム被覆物は多方面に用いられているが、織物が特に伸張する用途では、破断時に高い伸びを示すシリコーンゴム組成物が用いられる。例えば、自動車用のエアバッグでは、作動時にシリコーンゴム硬化物が基布に追従して伸張するため、エアバッグはガス圧を保持しながら衝突時の衝撃を吸収する。
近年、エアバッグでは、従来の運転席や助手席において、搭乗者の正面から作動するエアバッグに加えて、搭乗者の側面などから作動する、例えば、サイドカーテンエアバッグと称するエアバッグも搭載されている。サイドカーテンエアバッグは、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時の車両横転時に搭乗者の頭部を保護し、また、搭乗者の車外への飛び出しを防ぐことを目的としており、前者の運転席や助手席に搭載されるエアバッグとは異なり、作動後に一定の膨張時間を維持することが求められ、シリコーン硬化物にも非常に高い伸びが要求される。
そこで、サイドカーテンエアバッグの膨張時間を維持する方法として、例えば、特許文献1では、シリコーン組成物に、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いる方法が開示されている。この方法では、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合した水素原子数の割合を、全水素原子数の70%以上まで高め、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長を硬化反応で増大させてエアバッグ展張後のガスリークを抑制するものである。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、動粘度が3〜30mm/gの範囲が最も好ましく、具体的な例として、アズマックス株式会社の、製品名DMS−H03(動粘度3mm/g、水素含有量0.5重量%、引火点75℃)や製品名DMS−H11(動粘度8.5mm/g、水素含有量0.2重量%、引火点110℃)などが用いられる。
ところが前述のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは低粘度のため引火点も低く、電気伝導性が低いため静電気を溜めやすく、付近に熱源や着火源がある場合は容易に引火する恐れがある。また、非特許文献1に示されるように、例えば、強酸、強塩基、アミン、触媒作用のある金属、反応性金属、酸または塩基または触媒作用のある金属が存在する一級アルコールまたは二級アルコールまたは水と接触するとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖両末端から急速に水素が遊離し、そのため急速に水素ガスを発生し、酸素濃度が4.5体積%を超えていると爆発を起こすため、火災に加えて爆発という2つの潜在的危険性を有している。特許文献2に示されるように、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのうち、特に分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水素原子数を有する構造を持つものは反応性が非常に高活性となるため、前述の火災と爆発の潜在的危険性は著しく増大する。
ところが安全上の観点から、これらの分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを低減してしまうと、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長の増大ができなくなり、所望する伸び特性が得られなくなってしまうという問題があった。
また、本用途のシリコーン組成物は、通常2液に分配された状態で保管されるが、計量および混合のしやすさから、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのみを分配することがあったが、そのような場合には、分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの濃度も分配によって高くなり、前述の火災と爆発の潜在的危険性は著しく増大するという問題があった。
このように、従来は、分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いて、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長の増大させて、所望する伸び特性を得るシリコーンゴム組成物において、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖両末端から遊離する水素ガスについて、火災と爆発の潜在的危険性を回避する方法を具体的に示したものは存在しなかった。
特表2013−531695号公報 特開2006−77262号公報
「水素が直接結合したケイ素を持つ化合物の取り扱い指針」北米シリコーン工業会及び欧州シリコーン工業会作成安全委員会作成(2016年1月)資料
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いて、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長の増大によって、所望する伸び特性を得ることができるシリコーンゴム組成物において、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖の両末端から遊離する水素ガスについて、火災と爆発の潜在的危険性を同時に回避する方法を具体的に示し、安全性を高めたシリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、コーティング用シリコーンゴム組成物において、分子鎖の両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンで分子量の異なるものを用い、引火点と水素含有量を制御することで、所望する物性を失わずに目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するアルケニル基を2個以上含有する、25℃における粘度が300〜500,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン、(B)下記(B−1)および(B−2)からなるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B−1)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を、分子鎖の両末端以外の部分に1個以上、かつ、分子鎖の両末端に0個以上含有し、25℃における粘度が1〜2,000mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B−2)分子鎖の両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有する、25℃における粘度が8〜2,000mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、下記一般式(1)および(2)で表される化合物を含み、
HR SiO−(R SiO)−SiR H (1)
HR SiO−(R SiO)−SiR H (2)
(式(1)および(2)中、RおよびRは独立に脂肪族不飽和結合を有さない互いに同一または異種の炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、m、nは前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が8〜2,000mPa・sとなる正数であり、m≠n、m≧2nとなる数)
前記一般式(2)の引火点は110℃以上で、かつ、1分子中のケイ素原子と結合する水素原子の含有量が0.2重量%以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)BET法による比表面積が50m/g以上の微粉末シリカ、(D)付加反応触媒、(E)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物、(F)1分子中に1個のシラノール基を含有するシラン又はケイ素原子2〜4個のシロキサン化合物、および(G)シリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分、を含有するシリコーンゴム組成物であって、前記ジオルガノポリシロキサン(A)100質量部に対して、前記微粉末シリカ(C)を5〜50質量部、前記有機ケイ素化合物(E)を0.1〜10質量部含有し、かつ、前記付加触媒(D)を有効量含有し、前記成分(B−2)中に含まれるケイ素原子と結合する水素原子の合計個数が、成分(B)中に含まれるケイ素原子と結合した水素原子の合計個数の20%以上であることを特徴とするコーティング用シリコーンゴム組成物であることを特徴とする。
本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物は、分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いて、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長の増大によって、所望する伸び特性を得ることができるシリコーンゴム組成物において、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖の両末端から遊離する水素ガスについて、火災と爆発の潜在的危険性を回避する方法を具体的に示し、安全性を高めたシリコーン組成物を提供することができるため、取り扱いが容易となり、硬化物の切断時の伸びが高いシリコーン組成物を用いたエアバッグなどの製品の生産性が向上する。
以下に本発明に係るコーティング用シリコーンゴム組成物の詳細を説明する。
(成分(A))
成分(A)は、1分子中にケイ素原子に結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンであり、硬化後に優れたゴム物性を有するシリコーンゴム組成物の主剤であって、成分(A)は、通常、平均組成式が下記一般式(3)で表される。
SiO(4−a)/2 (3)
(ただし、式(3)中、R は、互いに同一又は異種の炭素数1〜18の非置換の又は置換された一価炭化水素基である。a は1.7〜2.1である。)
ここで、上記Rで示される一価炭化水素基のうち、少なくとも2個以上はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基から選ばれ、それ以外の基は、炭素数1〜18の置換または非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基などのハロゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などから選ばれる。
の選択にあたって、2個以上必要なアルケニル基としてはビニル基が好ましく、その他の基としてはメチル基、フェニル基、3,3,3 − トリフルオロプロピル基が好ましい。また、全R中の70モル%以上がメチル基であることが、硬化物の物性および経済性などの点で好ましく、通常はメチル基が80モル%以上のものが用いられる。
成分(A)のジオルガノポリシロキサンは直鎖状であっても、分岐状であってもよい。分子構造としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、式:(CHViSiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン[式中のViは、ビニル基を表す]、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基で置換したオルガノポリシロキサン、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種類以上の混合物が例示されるが、分子鎖長の増長によって硬化物の切断時の伸びを高める観点から、直鎖状のジオルガノポリシロキサンで分子鎖両末端にビニル基を有するものが好ましい。
これらのジオルガノポリシロキサンは当業者に公知の方法で製造される。成分(A)のジオルガノポリシロキサンは、25℃ における粘度が100〜500,000mPa・sであり、好ましくは1,000〜500,000mPa・sであるものが使用され、特に粘度の異なる2種類以上を用いると、最終的なシリコーン組成物の粘度調整が行いやすいため好ましい。
成分(B)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、主剤である成分(A)の1分子中にケイ素原子に結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンを架橋せしめ、硬化物を与える架橋剤であり、成分(B−1)および成分(B−2)からなる。
(成分(B−1))
成分(B−1)は、シリコーン組成物の硬化物を架橋させ、かつ、基布と良好に接着することに寄与する成分であり、1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を、分子鎖の両末端以外の部分に1個以上、かつ、分子鎖の両末端に0個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、分子鎖の両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサンであればいかなるものでもよく、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ単位とSiO4/2単位からなるコポリマーが用いられる。
分子鎖の側鎖に存在するSiH基からの水素の遊離は、分子鎖の両末端に存在するSiHからの水素の遊離に比べて、同条件では遊離が起きにくい。そのため、遊離した水素への着火または爆発により危険は、成分(B)として両末端にのみSiH基が存在する場合よりも危険が小さくなる。よって、成分(B)中に成分(B−1)が存在することにより、接着性の向上かつ安全性の向上を与えることになる。
接着性を付与し、かつ、効果的に伸びを向上させる効果を同一分子内に合わせ持つという観点から、成分(B−1)には分子鎖の両末端にケイ素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、かつ、分子鎖内にケイ素原子と結合する水素原子を分子中に少なくとも1個以上有するものを含有してもよい。具体的には、以下の一般式(4)で示されるような直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有してもよい。
HR SiO-(HRSiO)-(R SiO)-SiR H (4)
式(4)中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を有さない互いに同一または異種の炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、mは1〜50の正数、nは0または1〜150の正数であり、式:t=m/(m+n)で示されるtは、0.01≦t≦1.0を満たすものが用いられる。式(4)中のmは、より好ましくは1〜20であり、nは、より好ましくは10〜100であり、tは0.02≦t≦1.0、さらに好ましくは、tは0.02≦t≦0.2である。mが50以上となると破断時の伸びが上がらず、nが150以上となると硬化物の硬さが下がるため好ましくない。また、tは0.01以下では添加効果がなく、0.1以上では破断時の伸びが上がらなくなるため好ましくない。
また、成分(B−1)は、接着性および耐熱性向上の観点から、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基を有するもので、分子中に芳香族の基を分子中に少なくとも1個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることが好ましく、経済的な理由により芳香族の基としてはフェニル基であることがより好ましい。
成分(B−1)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は1〜2,000mPa・sであり、好ましくは、2〜1,000mPa・sである。また、成分(B−1)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(成分(B−2))
成分(B−2)は、シリコーン組成物の硬化物を架橋させ、かつ、破断時の伸びを高めることに寄与する成分であり、分子鎖の両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンで、かつ、直鎖状であればいかなるものでもよく、これによって主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長を硬化反応により比較的容易に増長し、硬化物に高い伸びを与えることができる。
成分(B−2)は、耐熱性向上の観点から、分子中に芳香族の基を分子中に少なくとも1個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましく、経済的な理由により芳香族の基はフェニル基であることがより好ましい。
成分(B−2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は8〜2,000mPa・sであり、好ましくは、10〜1,000mPa・sである。成分(B−2)で低粘度のものは引火点が低く、付近の熱源や着火源が存在すると容易に引火するため、引火点は110℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。また、水素発生量を低減するため、1分子中の水素含有量は0.2重量%以下、好ましくは0.18重量%以下、さらに好ましくは0.15重量%以下である。
安全性を上げるためには、前記した成分(B)中のSiH基の含有量が少ないこと、SiH基から水素の遊離する反応性が遅いこと、分子量が大きいことにより引火点が低いこと、という互いに独立の3種類の方法がある。安全性を上げる一方、両末端にSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンによる硬化物の高い伸びを確保することが同時に求められる。
水素の遊離を遅くするためには、前記した成分(B−1)を用いることのほか、成分(B−2)として分子量の異なるものを使用することも効果がある。そして、分子量の異なるものの使用は、SiH基の濃度の低減および引火点を上げることにも効果がある。
すなわち本発明では、前記(B−2)成分は下記一般式(1)および(2)で表される化合物を含み、
HR SiO-(R SiO)m-SiR H (1)
HR SiO-(R SiO)n-SiR H (2)
(式(1)および(2)中、RおよびRは独立に脂肪族不飽和結合を有さない互いに同一または異種の炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、m、nは前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が8〜2,000mPa・sとなる正数であり、m≠n、m≧2nとなる数)
前記一般式(2)の引火点は110℃以上で、かつ、1分子中の水素含有量が0.2重量%以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることにより、安全性を高めることができる。
さらに、分子量の異なるものを用いることによって、硬化物中の架橋点が偏在しやすくなるので、硬化物の伸びが、分子量の単一のものを用いるよりも、高めることができるようになる。
安全性を向上させ、かつ所望の伸びを得るには、前記成分(B−1)および前記成分(B−2)中、すなわち前記成分(B)中、の成分(B−2)の含有率に下限値を設けることが好ましい。
前記成分(B−2)中に含まれるケイ素原子と結合した水素原子の合計個数は、成分(B)中に含まれるケイ素原子と結合した水素原子の合計個数の20〜100%であり、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは60〜90%である。20%未満の場合は、所望する破断伸びを得ることが困難となり、一方、90%以上を超えると硬化物の硬さが下がり、エアバッグ用基布の接着試験時の揉み衝撃で硬化被膜が荷重に耐えられずに剥離するため好ましくない。
また、前記成分(B−1)および前記成分(B−2)中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数は、前記成分(A)中のアルケニル基1個あたり1/5〜7/1であることが好ましい。1/5より少なくなると硬さが著しく低下し、7/1より大きくなると硬くなりすぎるため、接着試験時の揉み衝撃で硬化被膜に割れが生じやすくなるため好ましくない。
本発明のシリコーン組成物を保管する場合、前記の各成分は分配して保管するが、前記成分(B)を単独で分配保管したり、あるいは前記成分(B)を、前記成分(B)以外の他の前記成分で少量希釈して保管した場合に、例えば、錆つきや汚染物の作用によって前記成分(B)から特に成分(B−2)は容易に水素を遊離し、また、発生した水素ガスによって保管した成分が容器から飛び出したり、容器が破裂する危険性もあった。そこで、前記成分(B)は単独の状態では分配保管はせず、前記成分(A)、前記成分(C)、前記成分(E)、前記成分(F)、前記成分(G)からなる群より選ばれる1種以上の前記成分で希釈した状態で保管すると、保管容器中の成分(B−2)の割合が下がり、前述の危険性を低減することができる。具体的には、本発明のシリコーンゴム組成物を2液で分配して保管する場合に、前記成分(B)は2液に分配された分配液のいずれか一方にのみ配合し、前記成分(B)を含む分配液と、もう一方の成分(B)を含まない分配液との比は、40/60〜90/10、好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは60/40〜80/20とする。
(成分(C))
成分(C)のシリカは、親水性または疎水性を有する、ヒュームドシリカ、シリカフューム、沈殿シリカ、焼成シリカ、コロイダルシリカ、ケイ藻土などが例示され、特にそれらは微粉末のものが好ましく、粒子径が100μm以下、かつ、比表面積が50m/g以上がより好ましい。また、オルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノシクロポリシロキサンなどで、予め表面処理されたシリカも好適に用いることができる。成分(C)の添加量は、通常、成分(A)100質量部に対して、5〜50質量部の範囲であり、好ましくは10〜30質量部の範囲で使用される。これらは単独または複数種類を組み合わせて用いることができる。
親水性の微粉末シリカを用いる場合には、必要に応じて、その表面を疎水化処理剤で疎水化処理してから用いることが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザンなどのオルガノシラザン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどのハロゲン化シランや、これらのハロゲン原子がメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基で置換されたオルガノアルコキシシランなど、あるいはジメチルシリコーンオイルが挙げられるが、好ましくはヘキサメチルジシラザンである。
(成分(D))
成分(D)の付加反応触媒は、アルケニル基とケイ素原子に結合する水素原子との付加硬化反応を促進する触媒であって、当業者には公知の触媒である。成分(D)としては、白金、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウムなどの白金族金属、またはこれらを微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化ケイ素)に固定したもの、さらに、白金化合物としては、白金ハロゲン化物、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオクタジエン− 白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白金ジクロライドなどが例示される。
また、経済的理由により貴金属以外の金属化合物触媒を用いてもよく、例えば、ヒドロシリル化鉄触媒としては、鉄―カルボニル錯体触媒、シクロペンタジエニル基を配位子として有する鉄触媒、ターピリジン系配位子や、ターピリジン系配位子とビストリメチルシリルメチル基を有する鉄触媒、ビスイミノピリジン配位子を有する鉄触媒、ビスイミノキノリンを配位子を有する鉄触媒、アリール基を配位子として有する鉄触媒、不飽和基を有する環状または非環状のオレフィン基を有する鉄触媒、不飽和基を有する環状または非環状のオレフィニル基を有する鉄触媒である。その他、ヒドロシリル化のコバルト触媒、バナジウム触媒、ルテニウム触媒、イリジウム触媒、サマリウム触媒、ニッケル触媒、マンガン触媒などが例示される。
成分(D)の配合量は本用途で所望される硬化温度や硬化時間に応じた有効量が用いられるが、通常、シリコーンゴム組成物の合計質量に対して、触媒金属元素の濃度として0.5〜1,000ppmの割合であればよく、1〜500ppmの割合であることが好ましく、より好ましくは1〜100ppmの範囲である。配合量が0.5ppm未満の場合は、付加反応が著しく遅くなり、一方、配合量が1,000ppmを超えるとコストが上昇するため経済的に好ましくない。
成分(E)の有機ケイ素化合物は、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物であればいかなる有機ケイ素化合物でも使用できるが、少なくとも1個のエポキシ基と、少なくともケイ素原子結合のアルコキシ基を2個以上有する有機ケイ素化合物がより好ましい。かかるエポキシ基としては、グリシドキシプロピル基などのグリシドキシアルキル基、2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などのエポキシ含有シクロヘキシルアルキル基などの形でケイ素原子に結合していることが好ましく、1分子中のエポキシ基は2〜3個含むものを用いてもよい。また、ケイ素原子結合アルコキシ基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基などのトリアルキルシリル基、アルキルジアルコキシシリル基などが好ましい。また、前述以外の官能基としては、例えば、ビニル基などのアルケニル基、(メタ)アクリロキシ基、ヒドロシリル基(SiH基)、イソシアネート基、から選択される官能基を用いてもよい。
(成分(F))
成分(F)は経時でシリコーン組成物の粘度変化を制御する働きを付与する成分であって、1分子中に少なくとも1個のシラノール基(即ち、ケイ素原子に結合した水酸基)を含有するシランまたはシロキサン化合物であり、これらは単独または複数で使用される。シロキサン化合物としては、分子中のケイ素原子数が、通常2〜4個のオリゴマーである。
かかる成分(F)としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリイソプロピルシラノール、トリフェニルシラノール、ジメチルフェニルシラノール、ビニルフェニルメチルシラノール、ジメチルビニルシラノールなどのシラン、および、これらのオリゴマー、あるいは、シラノール末端ポリジメチルシロキサン、シラノール末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端ポリジフェニルシロキサン、シラノール末端ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサン、1−ヒドロキシヘプタメチルシクロテトラシロキサン、および、これらのオリゴマーなどが例示されるが、入手が容易で、工業用の取り扱いが容易であることから、好ましくは、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリイソプロピルシラノール、トリフェニルシラノールである。
成分(F)の添加量は、通常、成分(A)100質量部に対して0.02〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。0.1部未満ではシリコーン組成物の増粘を経時で制御する効果が低く、20質量部を超えると硬化速度が遅くなってくるために好ましくない。
(成分(G))
成分(G)のシリコーンゴム組成物の接着性を向上させる働きを有する成分は特定の化合物に限定されず、本発明の目的を妨げないものであればいかなるものでもよく、例えば、シランカップリング剤と称するものを用いることができる。有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基から選択されるいずれかひとつ、あるいは複数を含むものが好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランや3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリロキシシランや、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、ジヒドロ-3-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-2,5−フランジオンなどのフランジオンなどが挙げられる。有機官能基はアルキレン基などの他の基を介してケイ素原子に結合していてもよく、これらは成分(E)と併用するとその効果が助長されるため好ましい。このような有機ケイ素化合物以外にも、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物および有機アルミニウム化合物などの有機金属化合物を用いることができ、これらは接着促進のための縮合助触媒的に作用するものであればいかなるものでもよく、前述のシランカップリング剤との併用がさらに有効である。例えば、メタクリロキシ基含有のオルガノアルコキシシランとチタンキレート化合物および/またはジルコニウムキレート化合物、あるいはジヒドロ-3-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-2,5−フランジオンとチタンキレート化合物および/またはジルコニウムキレート化合物、メタクリロキシ基含有のオルガノアルコキシシランとジヒドロ-3-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-2,5−フランジオンとチタンキレート化合物および/またはジルコニウムキレート化合物の組合わせが特に好ましい。
かかる有機金属化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどの有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、テトラアセチルアセテートチタンなどの有機チタンキレート化合物などのチタン系縮合助触媒;ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレートなどの有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどの有機ジルコニウムキレート;ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド、ジルコニウムアセチルアセトネート(2−エチルヘキサノエート)オキサイドなどのオキソジルコニウム化合物などのジルコニウム系縮合助触媒;アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)などのアルミニウムアルコレート;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミニウムキレート化合物;ヒドロキシアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)などのアルミニウムアシロキシ化合物などのアルミニウム系縮合触媒が例示される。
また、前述の有機金属化合物以外に、例えば、分子中にイソシアネート基を含有する有機化合物を用いてもよい。かかる有機化合物としては、一分子中に少なくとも1個以上のイソシアネート基を含有するものであれば、特に制限はなく、いかなるものでも構わない。分子中にイソシアネート基を含有する有機化合物としては、ベンジルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルーヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス(3−プロポキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが例示され、これらの誘導体や前駆体も含み、これらは単独または複数で使用してもよく、前述の前述のシランカップリング剤との併用が好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、上記成分(A)〜(G)以外の任意成分として、シリコーンゴムへの添加物として従来公知のものはすべて使用することができる。このような添加物としては、補強充填材、非補強充填材、接着付与剤、顔料、染料、硬化抑制剤、耐熱付与剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、気密性向上剤、放射線遮蔽剤、電磁波遮蔽剤、防腐剤、安定剤、有機溶剤、可塑剤、防かび剤、あるいは、1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子またはアルケニル基を含有し、他の官能性基を含有しないオルガノポリシロキサンや、ケイ素原子結合水素原子およびアルケニル基を含有しない無官能性のオルガノポリシロキサンが例示され、これらは単独または複数で配合してもよい。
顔料としては、酸化チタン、アルミナケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、希土類酸化物、酸化クロム、コバルト顔料、群青、セリウムシラノレート、アルミニウムオキシド、アルミニウムヒドロキシド、チタンイエロー、カーボンブラック、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウムなど、および、これらの混合物が例示される。
硬化抑制剤としては、付加反応の硬化速度を調整する能力を有するものであり、アセチレン系化合物、ヒドラジン類、トリアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類が例示され、硬化抑制効果を持つ化合物として当前記技術分野で従来公知の硬化抑制剤はすべて使用することができる。かかる化合物としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物、トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物、硫黄含有化合物、アセチレン系化合物、アルケニル基を2個以上含有する化合物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体などが例示される。また、アミノ基を有する、シランおよびシリコーン化合物を使用してもよい。
具体的には、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、および3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インのような各種の「エン−イン」システム;3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、および2−フェニル−3−ブチン−2−オールのようなアセチレン性アルコール;周知のジアルキル、ジアルケニル、およびジアルコキシアルキルフマラートおよびマレアートのようなマレアートおよびフマラート;およびシクロビニルシロキサンを含有するものが例示される。
耐熱付与剤としては、水酸化セリウム、酸化セリウム、酸化鉄、ヒューム二酸化チタンなど、および、これらの混合物が例示される。
気密性向上剤としては、硬化物の通気性を低下させる効果を有するものであればいかなるものでもよく、有機物、無機物を問わず、具体的にはウレタン、ポリビニルアルコール、ポリイソブチレン、イソブチレンーイソプレン共重合体や、板状形状を有するタルク、マイカ、ガラスフレーク、ベーマイト、各種金属箔や金属酸化物の紛体、および、これらの混合物が例示される。
本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物を製造するには、当業者に公知な方法を用いることができ、その方法は限定されない。例えば、予め成分(A)、(B)および(C)を、あるいは、成分(A)、(C)および(D)を攪拌機で混合したり、あるいは2本ロール、ニーダーミキサー、加圧ニーダーミキサーや、ロスミキサーなどの高せん断型の混合機や押出し機、連続式の押出し機などで均一に混練してシリコーンゴムベースを調製した後、これに成分(E)、(F)または(G)などを添加配合して製造するという公知の方法が用いられる。また、例えば、予め成分(A)および(B)、あるいは、成分(A)および(D)を、乳化剤を用いて乳化機で製造するという公知の方法を用いてもよい。
また、本発明のシリコーンゴム組成物は事前に硬化が進行しないように、少なくとも2つの異なる成分の形で保存することが好ましい。例えば、成分の1つには不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)が含有され、他方の成分には(B)のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが含有され、相応する助剤や添加剤などは、成分の1つまたは両方に含有されていることが好ましい。さらに本発明の組成物を、少なくとも2つ以上の異なる成分の形で保存するためには、これらの異なる成分を、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、あるいはホワイトスピリット、あるいはこれらの混合物などの有機溶剤中に保存したり、あるいはこれらの異なる成分を、乳化剤を用いて乳化して水系エマルジョン状態として保存してもよい。特に、有機溶剤の揮発による火災の危険性、作業環境の悪化および大気汚染などの問題を防ぐために、特に無溶剤系や、乳化剤を用いて乳化したエマルジョンであることが好ましい。
本発明は、自動車などのエアバッグに用いる基布のコーティング用ゴムシリコーン組成物に関するものである。エアバッグとは、エアバッグ基布を袋状に縫合したものであり、主に自動車用に装備され、事故が起きた際に袋が膨張し運転者および搭乗者の安全を確保するものである。エアバッグ基布は通常、ポリアミドやポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維を織り込んだものである。
本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物はエアバッグ用の合成繊維織物にコーティングされ、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド繊維織物、アラミド繊維織物、ポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維織物、ポリエーテルイミド繊維織物、サルフォン系繊維織物、炭素繊維織物、あるいはこれらの混合物が用いられ、エアバッグの種類によって、10〜5000デシテックスの太さの糸を使用する平織り織物や袋状織物やホース状織物にコーティングされるが、加工性や経済性の観点から50〜1000デシテックスの糸を使用する織物であることが好ましい。
本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物を基布の精練後にコーティングする場合は、基布の精練処理後に乾燥を行い、その後に本発明のコーティング組成物をコーティングしてもよいし、あるいは、精練処理後の乾燥を行う前に本発明のコーティング組成物をコーティングし、その後に精練液の乾燥とコーティング組成物の硬化を同時に行うように乾燥を行ってもよい。また、基布の精練処理を完全に行わない場合には、本発明のコーティング組成物を基布に直接コーティングしてもよい。
本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物をコーティングするには、一般的に用いられている方法によって実施することができ、例えば、浸漬およびパジング、刷毛塗り、流し塗り、吹付け、ローラー塗工、グラビア塗工、コンマコーター、捺染、ナイフ塗工、マイヤーバー、エアブラシ、スロップパジング、ロール塗工などが用いられ、状況に応じてこれら単独あるいは組合わせてコーティングが実施される。また、コーティングを同じ方法で実施する場合でも、コーティングは必ずしも一度で実施されなくともよく、目的とするコーティング状態が得られるまで複数のコーティングを実施してもよい。従って、コーティング後の硬化膜も必ずしも一層でなくてもよく、複数の硬化膜から構成されていてもよい。さらにコーティング後の硬化膜の表面には、例えば、防汚や、帯電防止や、すべり性の付与やブロッキング防止のためのような成分を追加で配合や加工したり、あるいは、そのような機能を有する硬化層をさらに形成してもよい。
コーティング実施後の乾燥および硬化は、通常、熱空気、赤外線、ガスバーナー、熱交換器もしくは他のエネルギー源によって加熱することができる加熱装置中で行われる。なお、この乾燥および硬化には、常用される加熱装置の他に、目的とする乾燥および硬化を達成することが可能な乾燥能力を有する装置であればいかなるものも用いることができ、例えば、加熱ロールカレンダー、加熱可能なはり合わせプレス、加熱可能な段プレスまたは高温接触ロール、熱風乾燥機、マイクロ波乾燥機などが例示される。
硬化時には、硬化被膜への気泡形成を回避するために、加熱装置に温度の異なる複数の温度帯域を設けることが好ましく、例えば、第1の温度帯域中で60〜150℃、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃の温度で予備乾燥を行い、続く第2の温度帯域中では300℃までの温度で硬化を実施することができるが、ほとんどの繊維は加工上の耐熱制限があるため、120〜250℃の温度範囲で実施することが好ましい。
なお、工程上複数の温度帯域を設けることが困難な場合でも、硬化させようとする基材が少なくとも170℃以上の温度に一度でも到達するように予備乾燥することが好ましい。また、硬化に必要とする滞留時間はコーティング重量、織物の熱伝導性およびコーティングされた織物への熱伝導に依存して変化するが、0.5〜30分間程度であることが好ましい。また、上述の乾燥および硬化については室温であれば、10分〜数時間放置することによって行なってもよい。
以下、実施例および比較例を示して本発明のコーティング用シリコーンゴム組成物を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、各例における部は、いずれも質量部を示す。
<コーティング用シリコーンゴム組成物の作製方法>
コーティング用シリコーンゴム組成物は2液に分配した状態として、分配割合が50/50のものと80/20の2種類についてA材とB材とを作成し、各分配状態におけるB材中の成分(B−2)の水素含有量を求めた。続いて、A材とB材を混合し、470デシテックスの糸で構成される平織物のポリアミド基布で精練したものにコーティングを行った。本実施例および比較例における各成分の内容概要および添加部数を表1および表2に示した。
<コーティング方法>
ナイフコーターを用いて基布にコーティング用シリコーン組成物をコーティングし、乾燥炉で温度180℃、硬化時間60秒で硬化した。
<コーティング用シリコーンゴム組成物の物性測定方法>
コーティング用シリコーンゴム組成物を温度170℃、硬化時間5分でプレス硬化して厚さ2mmの硬化シートを作成した。これをJIS K 6249に準拠して硬さ(タイプAデュロメータ)と破断伸びを測定した。
<コーティング試料の接着試験方法>
硬化被膜の接着状態は揉み試験で確認した。コーティング布を縦10cm×横5cmに切断した試料を作製し、硬化膜形成面上に10Nの荷重をかけた状態で揉み試験を行った。測定にはスクラブテスタINC−1507−A(株式会社 井元製作所製)を使用し、試験方法はISO 5981に準拠して行い、表面状態を目視で観察し、表面にピンホールや剥離がないかを確認した。
<比較例1>
2液に分配した状態として、分配割合が50/50のものを作成した。成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン35.3部に、粘度約450,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン1.0部と、成分(C)としてBET法で測定した比表面積300m/gであるヒュームドシリカ7.6部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(D)として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金含有量として1%を含有するジメチルポリシロキサン溶液0.26部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15質量部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、チタンエチルアセトアセテート0.5部、BET法で測定した比表面積が9m/gで、かつ、レーザー回折法で測定したD50の平均粒子径が5μmであるタルク粉末5.2部を加えたものを調製し、これを比較例1のA材とした。
成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン35.3部に、粘度約450,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン5.0部と、成分(C)としてBET法で測定した比表面積300m/gであるヒュームドシリカ7.6部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(B−1)として、25℃における粘度が30mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量1.6%)0.08部、および25℃における粘度が35mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.8%)0.17部と、成分(B−2)として、25℃における粘度が3mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.5重量%、引火点75℃)0.9部、成分(E)の添加剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25部と、エチニルシクロヘキサノール0.08部を加え、攪拌混合機でよく混合し、比較例1のB材とした。
前述の比較例1のA材とB材を等量配合してポリアミド基布上にコーティングを行った。比較例1のB材50部に対して、25℃における粘度が3mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.5重量%、引火点75℃)を0.9部含有するため、比較例1のB材中の成分(B−2)の水素量は9.0重量%であった。コーティング布は室温で24時間放置した後、接着状態を揉み試験で確認した。その結果、800回でもピンホールや剥離は無く、良好な接着性を示した。また、硬化シートの硬さは18、破断時の伸びは980%であった。試験結果は表3に示した。
<比較例2>
前述の比較例1と同じ組成で分配割合が80/20のものを作成した。成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン58.6部に、成分(C)としてBET法で測定した比表面積300m/gであるヒュームドシリカ15.2部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(D)として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金含有量として1%を含有するジメチルポリシロキサン溶液0.26部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、チタンエチルアセトアセテート0.5部、BET法で測定した比表面積が9m/gで、かつ、レーザー回折法で測定したD50の平均粒子径が5μmであるタルク粉末5.2部を加えたものを調製し、これを比較例2のA材とした。
成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン11.9部に、粘度約450,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン6.0部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(B−1)として、25℃における粘度が30mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量1.6%)0.08部、および25℃における粘度が35mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.8%)0.17部と、成分(B−2)として、25℃における動粘度が3mm/sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(アズマックス株式会社、製品名DMS−H03、水素含有量0.5重量%、引火点75℃)0.9部、成分(E)の添加剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25部と、エチニルシクロヘキサノール0.08部を加え、攪拌混合機でよく混合し、比較例2のB材とした。
比較例2ではB材20部に対して、25℃における粘度が3mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.5重量%、引火点75℃)を0.9部含有するため、比較例1のB材中の成分(B−2)の水素量は22.5重量%と大幅に増加した。
<実施例1>
2液で分配割合が50/50のものを作成した。成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン32.5部に、粘度約450,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン5.4部と、成分(C)としてBET法で測定した比表面積300m/gであるヒュームドシリカ6.8部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(D)として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金含有量として1%を含有するジメチルポリシロキサン溶液0.23部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、チタンエチルアセトアセテート0.5部、BET法で測定した比表面積が9m/gで、かつ、レーザー回折法で測定したD50の平均粒子径が5μmであるタルク粉末4.6部を加えたものを調製し、これを実施例1のA材とした。
成分(A)として市販の粘度約20,000mPa・sを有する両末端ビニル基含有のジメチルポリシロキサン29.8部に、成分(C)としてBET法で測定した比表面積300m/gであるヒュームドシリカ6.8部を加えて攪拌混合機でよく混合した。さらに、成分(B−1)として、25℃における粘度が30mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量1.6%)0.08部、および25℃における粘度が35mPa・sである両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.8%)0.15部と、成分(B−2)として、25℃における粘度が50mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.05%、引火点280℃)6.2部と、25℃における粘度が1000mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.01%、引火点280℃以上)6.2部を加え、成分(E)の添加剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、成分(F)として、トリメチルシラノール0.15部、成分(G)のシリコーン組成物の接着性を向上させる働きを有する成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25部と、エチニルシクロヘキサノール0.08部を加え、攪拌混合機でよく混合し、実施例1のB材とした。
前述の実施例1のA材とB材を等量配合してポリアミド基布上にコーティングを行った。比較例1のB材50部に対して、25℃における粘度が50mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.05%、引火点280℃)6.2部と、25℃における粘度が1000mPa・sである両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のメチルハイドロジェンポリシロキサン(水素含有量0.01%、引火点340℃)6.2部を含有するため、実施例1のB材中の成分(B−2)の水素量は0.7重量%であった。コーティング布は室温で24時間放置した後、接着状態を揉み試験で確認した。その結果、800回でもピンホールや剥離は無く、良好な接着性を示した。また、硬化シートの硬さは23、破断時の伸びは850%であった。
Figure 0006831237
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本発明は、分子鎖両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いて、主剤となるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子鎖長の増大によって、所望する伸び特性を得ることができるコーティング用シリコーンゴム組成物において、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子鎖の両末端から遊離する水素ガスについて、火災と爆発の潜在的危険性を同時に回避する方法を具体的に示し、安全性を高めたシリコーンゴム組成物を提供することで、安全にエアバッグ基布などの各種繊維基布の製造に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. (A)1分子中にケイ素原子に結合するアルケニル基を2個以上含有する、25℃における粘度が300〜500,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン、
    (B)下記(B−1)および(B−2)からなるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B−1)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を、分子鎖の両末端以外の部分に1個以上、かつ、分子鎖の両末端に0個以上含有し、25℃における粘度が1〜2,000mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (B−2)分子鎖の両末端にのみケイ素原子と結合する水素原子を含有する、25℃における粘度が8〜2,000mPa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、下記一般式(1)および(2)で表される化合物を含み、
    HR SiO−(R SiO)−SiR H (1)
    HR SiO−(R SiO)−SiR H (2)
    (式(1)および(2)中、RおよびRは独立に脂肪族不飽和結合を有さない互いに同一または異種の炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、m、nは前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が8〜2,000mPa・sとなる正数であり、m≠n、m≧2nとなる数)
    前記一般式(2)の引火点は110℃以上で、かつ、1分子中のケイ素原子と結合する水素原子の含有量が0.2重量%以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)BET法による比表面積が50m/g以上の微粉末シリカ、
    (D)付加反応触媒、
    (E)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物、
    (F)1分子中に1個のシラノール基を含有するシラン又はケイ素原子2〜4個のシロキサン化合物、および
    (G)シリコーンゴム組成物の接着性を向上させる働きを有する成分、
    を含有するシリコーンゴム組成物であって、
    前記ジオルガノポリシロキサン(A)100質量部に対して、前記微粉末シリカ(C)を5〜50質量部、前記有機ケイ素化合物(E)を0.1〜10質量部含有し、かつ、前記付加触媒(D)を有効量含有し、前記成分(B−2)中に含まれるケイ素原子と結合した水素原子の合計個数が、成分(B)中に含まれるケイ素原子と結合する水素原子の合計個数の20%以上であることを特徴とするコーティング用シリコーンゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるエアバッグ基布。
  3. 請求項記載のエアバッグ基布からなるエアバッグ。
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