JP2010053493A - 織物被覆用液状シリコーンゴム組成物及び被覆織物 - Google Patents

織物被覆用液状シリコーンゴム組成物及び被覆織物 Download PDF

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真一 山本
Yuichi Tsuji
裕一 辻
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Abstract

【課題】表面粘着性の少ない難燃性に優れたシリコーンゴム被覆織物を形成し得る織物被覆用液状シリコーンゴム組成物および該織物被覆用液状シリコーンゴム組成物の硬化物で被覆された被覆織物を提供する。
【解決手段】補強性シリカ微粉末を0.06〜35質量%含有し、水酸化アルミニウムを6〜30質量%含有し、溶剤およびレジン状オルガノポリシロキサンを含有せず、硬化物のJIS K6251に規定される伸びが150%以上であることを特徴とする織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は織物被覆に好適な織物被覆用液状シリコーンゴム組成物および被覆織物に関する。詳しくは、表面粘着性の少ない難燃性に優れたシリコーンゴム被覆織物を形成し得る織物被覆用液状シリコーンゴム組成物および該被覆織物に関する。
溶剤を配合しない液状シリコーンゴム組成物で被覆した織物は広く使用されている。特開平5−214295号公報には、式:(CH3)2(CHCH)SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CH3)3SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジンを含有する無溶剤付加硬化型のエアーバック用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が記載されている。しかし、該シリコーンゴムコーティング剤組成物で被覆された被覆織物は、表面粘着性が大きいという問題があった。特開平9−87585号公報には、被覆織物の表面粘着性を改善するために有機チタン化合物を配合した、式:(CH3)2(CHCH)SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CH3)3SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジンを含有する無溶剤付加硬化型のエアーバック用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が記載されている。しかし、被覆織物の表面粘着性の改善は未だ不十分であった。
特表2006−521419号公報には、モース硬度が4.5以下で平均粒径3.0μm以下の充填剤を特定量含有する編織布の被覆に好適な付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物が記載されている。また、特開平9−3778号公報には、水酸化アルミニウムを配合したシリコーンゴム組成物で被覆したエアバッグ用基布が記載されている。しかし、これらの組成物で被覆した被覆織物は、近年の難燃性に対する高い要求に応えることが難しいという問題があった。また、難燃性を向上させるために、水酸化アルミニウムの配合量を増やすと、織物へのコーティング作業性が悪化したり、被覆織物の柔軟性が失われ被覆布を折り畳むことが困難になったりするという問題があった。
特開平5−214295号公報 特開平9−87585号公報 特表2006−521419号公報 特開平9−3778号公報
また、上記の水酸化アルミニウムを配合したシリコーンゴム組成物で被覆した被覆織物は、高温物質が接触すると容易に高温物質が被覆織物を貫通してしまい、高温物質の接触に対する被覆織物の貫通抵抗性が低いという問題があることも判明した。
本発明は、上記問題点を解消するために為されたものであり、表面粘着性が少なく、難燃性に優れた被覆織物、および該被覆織物を形成するための織物被覆用液状シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明の目的は、補強性シリカ微粉末を0.06〜35質量%含有し、水酸化アルミニウムを6〜30質量%含有し、溶剤およびレジン状オルガノポリシロキサンを含有せず、硬化物のJIS K6251に規定される伸びが150%以上であることを特徴とする織物被覆用液状シリコーンゴム組成物によって達成される。
前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物の硬化物のJIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さは、30以上であることが好ましく、JIS K6251に規定される引張強さは、2.0MPa以上であることが好ましい。
前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物は、ヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物であることが好ましい。好ましいヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物としては、下記成分からなる織物被覆用液状シリコーンゴム組成物が例示される。
(A)(A−1)アルケニル基の含有量が0.5質量%未満であり分子鎖末端にのみアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、および、(A−2)アルケニル基の含有量が0.5〜10.0質量%であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン{(A−1)成分中のアルケニル基のモル数に対して(A−2)成分中のアルケニル基のモル数が、3.8倍未満となる量}からなる混合物であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン 100質量部
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン [(B)成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基とのモル比が(0.9:1.0)〜(5.0:1.0)となる量]、
(C)ヒドロシリル化反応触媒 [本組成物を硬化させる量]
(D)補強性シリカ微粉末 0.1〜50質量部、および、
(E)水酸化アルミニウム 10〜30質量部
前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物の25℃における粘度は、1〜100Pa・sであることが好ましい。
また、本発明は、前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物の硬化物で被覆されたことを特徴とする、硬化したシリコーンゴム被覆層を備えた織物からなる被覆織物でありうる。
前記被覆織物は、エアバッグ用として好適に使用することができる。
また、本発明は、前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物を織物上に塗布し、該組成物を硬化させて織物上にシリコーンゴム被覆層を形成することを特徴とする被覆織物の製造方法でありうる。
本発明の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物は、織物上に塗布し、次いで硬化して織物上にシリコーンゴム被覆層を形成することで、圧力差のある2つの区域間の圧力差を維持できる被覆織物を形成することができる。また、本発明の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物は、レジン状オルガノポリシロキサンを含まないので、本発明の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物で織物を被覆してなる被覆織物の表面粘着性が少ないという特徴がある。また、前記被覆織物は、難燃性に優れると共に、高温物質の接触に対する貫通抵抗性に優れるので、エアバッグ等に用いられた場合は、エアバッグ展開時の局部的な高温ガスや火の粉等との接触に耐えることができる。また、前記被覆織物は、柔軟性に優れ、小さく折り畳むことができるという特徴がある。
以下に本発明の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物(以下本発明組成物)を詳細に説明する。
本発明組成物は、0.06〜35質量%、好ましくは、3〜25質量%、さらに好ましくは4〜15質量%の補強性シリカ微粉末を含有する。補強性シリカ微粉末の含有量が上記範囲下限未満であると、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の難燃性および高温物質の接触に対する被覆織物の貫通抵抗性が悪化するからである。また、補強性シリカ微粉末の含有量が上記範囲上限を超えると、本発明組成物の織物への塗工作業性が悪化したり、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の柔軟性が悪化したりする場合がある。補強性シリカ微粉末としては、シリコーンゴム組成物に配合される従来公知とされるシリカ微粉末が使用可能であり、乾式法シリカ(フュームドシリカ)、沈降法シリカ、これらの補強性シリカ微粉末表面が有機ケイ素化合物などで処理された疎水性シリカが例示される。これらの中でも比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ微粉末が好ましい。
本発明組成物は、6〜30質量%、好ましくは、8〜25質量%の水酸化アルミニウムを含有する。水酸化アルミニウムの含有量が上記範囲下限未満であると、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の難燃性が不十分となるからであり、一方、水酸化アルミニウムの含有量が上記範囲上限を超えると、本発明組成物の織物への塗工作業性が悪化したり、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の柔軟性が悪化したり、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の高温物質との接触に対する貫通抵抗性が十分でなくなるからである。
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、10.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、0.03〜1.5μmであることが特に好ましい。また、水酸化アルミニウムは、予め表面処理されていてもよく、表面処理剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又はその金属塩;ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン等のシランカップリング剤;が例示される。
本発明組成物は、硬化後のJIS K6251に規定される伸びが150%以上である必要がある。本発明組成物の硬化物の伸びが150%未満であると、織物被覆用液状シリコーンゴム組成物を被覆してなる被覆織物の、難燃性が悪化するからである。硬化後のJIS K6251に規定される伸びの上限は特に限定されないが、一般的には、他の特性との関係から最大で600%程度である。
本発明組成物の硬化物のJIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さは30以上であることが好ましい。JIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さが30未満であると、高温物質との接触に対する被覆織物の貫通抵抗性が十分でなくなる傾向があるからである。またJIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さの上限は特に限定されないが、55以上であると本発明組成物を被覆してなる被覆織物の柔軟性が悪化する傾向がある。
本発明組成物は、硬化後のJIS K6251に規定される引張強さが2.0MPa以上であることが好ましい。本発明組成物の硬化物の引張強さが2.0MPa未満であると、高温物質との接触に対する被覆織物の貫通抵抗性が十分でなくなる傾向があるからである。硬化後のJIS K6251に規定される引張強さの上限は特に限定されないが、一般的には、他の特性との関係から最大で8.0MPa程度である。
本発明組成物は、レジン状オルガノポリシロキサンを含有しないので、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の表面粘着性が少ない。レジン状オルガノポリシロキサンとは、分子構造中に網目状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、式::(CH3)3SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン;式:(CH3)2(CHCH)SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン;式:(CH3)2(CHCH)SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CH3)3SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン;式:(CH3)2(CHCH)SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CH3)3SiO1/2で示されるシロキサン単位、式:(CH3)2SiO2/2で示されるシロキサン単位、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン;が例示される。
本発明組成物は液状であり、粘度は25℃において1〜100Pa・sの範囲内であることが好ましく、5〜100Pa・sの範囲内であることがより好ましく、10〜50Pa・sの範囲内であることが特に好ましい。また、本発明組成物は粘度調整のためのトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等の溶剤を含まない。本発明組成物を織物に塗布する際の取扱い作業性に優れ、生産性が良好であり、被覆層に欠陥が生じにくいという傾向があるからである。
本発明組成物は、ヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物であることが好ましい。好ましい、ヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物としては、下記の(A)〜(E)成分からなる組成物が例示される。
(A)(A−1)アルケニル基の含有量が0.5質量%未満であり分子鎖末端にのみアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、および、(A−2)アルケニル基の含有量が0.5〜10.0質量%であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン{(A−1)成分中のアルケニル基のモル数に対して(A−2)成分中のアルケニル基のモル数が、3.8倍未満となる量}からなる混合物であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン 100質量部
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン [(B)成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基とのモル比が(0.9:1.0)〜(2.5:1.0)となる量]、
(C)ヒドロシリル化反応触媒 [本組成物を硬化させる量]
(D)補強性シリカ微粉末 0.1〜50質量部、および、
(E)水酸化アルミニウム 10〜30質量部
以下に上記各成分を詳細に説明する。
(A)アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、本発明組成物の主剤である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基が例示され、好ましくは、ビニル基である。また、(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。(A)成分は、(A−1)アルケニル基の含有量が0.5質量%未満である分子鎖末端にのみアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、および、(A−2)アルケニル基の含有量が0.5〜10.0質量%であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンからなる混合物であることを特徴とする。
(A−1)成分は、(A)成分の主成分であり、分子鎖末端にのみアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンであり、分子鎖両末端がアルケニルジオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。アルケニル基及びアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、上記の基が例示される。(A−1)成分中のアルケニル基は、0.5質量%未満であり、好ましくは0.08質量%以上0.5質量%未満の範囲であり、特に好ましくは0.09質量%以上0.3質量%以下の範囲である。(A−1)成分が、複数のアルケニル基含有量が0.5質量%未満のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンの混合物である場合、(A−1)成分中のアルケニル基は、混合物としての平均で0.08質量%以上0.5質量%未満の範囲であることが好ましく、0.09質量%以上0.3質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
(A−1)成分の25℃における粘度は限定されないが、好ましくは、100〜1,000,000mPa・sの範囲内であり、さらに好ましくは、300〜100,000mPa・sの範囲内であり、特に好ましくは、1,000〜50,000mPa・sの範囲内である。
(A−1)成分としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換したジオルガノポリシロキサン、これらのジオルガノポリシロキサンのビニル基の一部または全部をアリル基、プロペニル基等のアルケニル基で置換したオルガノポリシロキサン、およびこれらのジオルガノポリシロキサンの二種以上の混合物が例示される。中でも、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンであることが好ましい。本発明組成物の低粘度化と、本発明組成物の硬化後の物理特性の維持とを両立させることが容易だからである。
(A−2)成分は、アルケニル基の含有量が0.5〜10.0質量%の範囲であるジオルガノポリシロキサンである。好ましいジルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端がアルケニルジオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン;分子鎖両末端がアルケニルジオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノシロキサン・アルケニルオルガノシロキサン共重合体;分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノシロキサン・アルケニルオルガノシロキサン共重合体;環状ジオルガノシロキサン・アルケニルオルガノシロキサン共重合体;分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたアルケニルオルガノポリシロキサン;であることが好ましい。アルケニル基及びアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、上記の基が例示される。(A−2)成分中のアルケニル基は、0.5〜10.0質量%であり、好ましくは0.7〜8.0質量%の範囲である。
(A−2)成分の分子構造は直鎖状であり、一部分岐を含んでいても良い。またそれらの2種以上の混合物であってもよい。(A−2)成分の25℃における粘度は限定されないが、好ましくは0.1〜50Pa・sの範囲内である。(A−2)成分の粘度が上記範囲内であると、本発明組成物の塗布性・作業性が向上するからである。
このような(A−2)成分としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、これらのジオルガノポリシロキサンのメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換したジオルガノポリシロキサン、これらのジオルガノポリシロキサンのビニル基の一部または全部をアリル基、プロペニル基等のアルケニル基で置換したオルガノポリシロキサン、およびこれらのオルガノポリシロキサンの二種以上の混合物が例示される。中でも、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体であることが好ましい。
(A−2)成分の配合量は、(A−1)成分中のアルケニル基のモル数に対して(A−2)成分中のアルケニル基のモル数は、3.8倍未満となる量であり、1.5〜3.5倍であることが好ましい。(A−1)成分中のアルケニル基のモル数に対して(A−2)成分中のアルケニル基のモル数が3.8倍以上であると、本発明組成物の硬化後のJIS K6251に規定する伸びが悪化する傾向があり、本発明組成物を被覆してなる被覆織物の難燃性が悪化する傾向があるからである。
(B)成分は、後記する(C)ヒドロシリル反応触媒の存在下、(A)成分と反応、架橋する本発明組成物の硬化剤である。(B)成分中のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基である。(B)成分の配合量は、このオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中のアルケニル基のモル数の比率が(0.9:1.0)〜(5.0:1.0)となる量であり、該モル比は(1.0:1.0)〜(4.5:1.0)が好ましい。(B)成分の配合量が上記範囲の下限未満であると、本発明組成物が十分に硬化しなかったり織物に被覆する際十分に接着しなかったりする場合があるからである。一方、(B)成分の配合量が上記範囲の上限を超えると本発明組成物の伸びなどの硬化後の物理特性が悪化したりする場合があるからである。
(B)成分の分子構造は特に限定されないが、例えば、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。(B)成分の25℃における粘度は限定されないが、1〜1,000,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、1〜500mPa・sの範囲内であることがより好ましい。(B)成分としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルフェニルシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換したオルガノポリシロキサン、およびこれらのオルガノポリシロキサンの二種以上の混合物が例示される。
(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進する触媒である。(C)成分としては、ヒドロシリル化反応促進作用と入手が比較的容易である点から、白金化合物が好ましい。該白金化合物としては、白金微粉末;塩化白金酸や塩化白金酸のアルコール溶液;塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体;白金のジケトン錯体;シリカ、アルミナ、カーボン等に担持された金属白金;白金化合物を含有する熱可塑性樹脂粉末が例示される。白金化合物以外の白金族金属系触媒としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びパラジウム系化合物、例えば、RhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4が例示される。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
(C)成分の配合量は、通常、(A)成分100万質量部に対して白金族金属として0.1〜500質量部、好ましくは1〜50質量部の範囲内である。これは上記範囲の下限未満では反応が充分に進行せず、上記範囲の上限を超えると不経済であるためである。
(D)補強性シリカ微粉末は、本発明組成物の硬化物の機械的強度を向上させることで、下記の(E)成分と共同して本発明組成物を被覆してなる被覆織物の高温物質との接触に対する被覆織物の貫通抵抗性を向上させるための成分である。(D)成分としては乾式法シリカ(フュームドシリカ)、沈降法シリカ、これらの補強性シリカ微粉末表面が有機ケイ素化合物などで処理された疎水性シリカが例示される。これらの中でも比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ微粉末が好ましい。補強性シリカ微粉末の配合量は(A)成分100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、5〜20質量部の範囲内がより好ましい。
(E)水酸化アルミニウムは、本発明組成物に難燃性を付与するための必須の成分であり、上記の通りである。(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して10〜30質量部であることが好ましい。
また、本発明組成物の貯蔵安定性を向上させたり、取扱作業性を向上させたりするために、1−エチニルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3,5−ジメチル−1−オクチン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアセチレン系化合物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等の粘度10mPa・s以下の環状アルキルアルケニルポリシロキサン(アルケニル基含有量20質量%以上);ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類、ヒドラジン類等の硬化抑制剤を含有することが好ましい。これらの硬化抑制剤の含有量は限定されないが、(A)成分100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲内であることが好ましい。
さらに本発明組成物と織物との接着性を向上させるために、接着付与剤としてメチルトリメトキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、アクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシランなどのアルコキシシラン類;エポキシ基含有オルガノポリシロキサン;分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体;グリシドキシプロピルトリメトキシシランと分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の反応混合物;などを配合してもよい。
また、前記接着付与剤に加えて、接着促進剤として、有機チタン酸エステル類などの有機チタン化合物;チタンキレート化合物、アルミキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物などの金属キレート化合物を配合してもよい。中でも、金属キレート化合物と上記のオルガノアルコキシラン類等の接着付与剤を併用することが、接着性の向上の点から好ましい。接着促進剤および接着付与剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
さらには、シリコーンゴム組成物の添加剤として従来公知とされる各種添加剤、例えば、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の増量充填剤;酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄等の耐熱剤;ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料;を配合することは、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
本発明組成物を調製する方法は限定されず、(A)成分〜(E)成分、および必要に応じてその他任意の成分を混合することにより調製することができるが、予め(A)成分の一部と(D)成分を加熱混合して調製したマスターバッチに、残余の(A)成分と(B)成分、(C)成分、(E)成分を配合することが好ましい。なお、その他任意の成分を配合する必要がある場合、マスターバッチを調製する際に配合してもよく、また、これが加熱混合により変質する場合には、残余の(A)成分と(B)成分、(C)成分、(E)成分を配合する際に配合することが好ましい。また、このマスターバッチを調製する際、前記のシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物を添加して、(D)成分の表面をin-situ処理してもよい。本発明組成物を調製する際、2本ロール、ニーダーミキサー、ロスミキサー等の周知の混練装置を用いることができる。
また、本発明組成物は、前記(A)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、および(E)成分を含み、前記(B)成分を含まない組成物(I)と、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(D)成分、および(E)成分を含み、前記(C)成分を含まない組成物(II)とからなる2液型の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物であることが、貯蔵安定性の点から好ましい。
本発明被覆織物は、織物が前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物で被覆されてなる。織物としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド繊維織物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維織物;ポリアクリロニトリル繊維織物、アラミド繊維織物、ポリエーテルイミド繊維織物、ポリサルフォン系繊維織物、炭素繊維織物、レーヨン繊維織物、ポリエチレン繊維織物あるいはこれらの繊維からなる不織物が例示される。中でも、経済性や強度の面から、ポリアミド繊維織物またはポリエステル繊維織物が好ましい。織物組織は特に限定されず、生産性や厚みの点から平織物であることが一般的であるが、織物構造の中央部に袋状の空間を有する袋織織物も好適に使用することができる。
織物上に前記織物被覆用液状シリコーンゴム組成物を塗布する方法としては、スプレー、グラビアコーティング、バーコーティング、ナイフコーティング、パッティング、スクリーン印刷、ディッピングなどの公知の方法が挙げられる。本発明組成物の塗布量は、25〜150g/mであることが一般的であるが、25〜40g/mの塗布量でも十分な難燃性、滑脱抵抗、機密性を付与することができる。織物上に塗布された本発明組成物被覆層の硬化は150〜200℃で、1〜2分間加熱硬化することが一般的である。
本発明被覆織物は1層の本発明組成物からなる被覆層を有するが、必要に応じて任意の追加的被覆層を設けてもよい。このような追加的な被覆層は、被覆織物の表面の磨耗性を向上したり、被覆織物の強度を向上したりすることを目的とすることが一般的であり、プラスチックフィルム、織物、不織物、他の弾性被覆剤からなる被覆層が例示される。
以下に本発明を実施例にて説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、実施例中、粘度は25℃における値であり、Meはメチル基を示し、Viはビニル基を示す。
[シリコーンゴムの物理的特性の測定方法]
表1及び表2に記載された組成を有する液状シリコーンゴム組成物を20MPaの圧力下150℃で5分間プレス加硫して厚さ2mmの硬化ゴム片を得た。このシリコーンゴムの硬さをJIS K 6253に規定のタイプAデュロメータにより測定した。また、伸びと引張強さをJIS K 6251に規定の方法により測定した。
[被覆織物の製造]
420dtex/144フィラメント糸を使用した経糸密度46本/インチ、緯糸密度46本/インチのナイロン66織物に表1及び表2に記載された組成を有する液状シリコーンゴム組成物を被覆重量が30〜40g/mとなるように塗布し、180℃の加熱炉中で2分間保持して液状シリコーンゴム組成物を硬化させ、被覆織物を製造した。
[難燃性の測定方法]
上記方法で製造した被覆織物の難燃性をFMVSS302に規定の方法により評価した。FMVSS302による炎の伝播速度は、50mm/min以下であることが好ましい。近年難燃性への要求は高くなっており、エアバッグ等に用いられる場合は、炎の伝播速度が上記範囲内であることを要望されることが多くなっている。
[貫通抵抗性試験方法]
450℃に加熱した直径10mmの炭素鋼製の金属棒を荷重0.05Nで、上記方法で製造した被覆織物に押し当て、金属棒が被覆織物を貫通するまでの時間を測定した。貫通に要する時間は、2秒以上であることが好ましい。貫通に要した時間が上記範囲内であると、エアバッグ等に用いられた場合、エアバッグ作動時の局部的な高温ガスとの接触や火の粉などの高温物質との接触にも被覆織物が耐えることができるので、比較的長時間機密性を保つことができ、エアバッグ等の信頼性を向上することができる。貫通に要した時間が2秒以上の場合を合格として○、2秒未満の場合を不合格として×と評価した。
[柔軟性試験方法]
ASTM D 4032「Standard Test Method for Stiffness of Fabric by Circular Bend Procedure」に規定された方法により上記方法で製造した被覆織物の押し込み作業に要する荷重を測定して、被覆織物の柔軟性を評価した。押し込み荷重は、10N以下であることが好ましく、押し込み荷重が上記範囲内であると、被覆織物を小さく折り畳むことができる。押し込み荷重が10N以下を合格として○、10Nを越える場合を不合格として×と評価した。
[表面粘着性の評価方法]
上記方法で製造した被覆織物の被覆面を触指して、表面粘着性の有無を評価した。
調製例1
粘度40,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン 100質量部、BET比表面積225m/gのフュームドシリカ 40質量部、ヘキサメチルジシラザン 7質量部、水 2質量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量約11質量%) 0.2質量部をロスミキサーに投入し、室温で均一になるまで混合した後、減圧下200℃で2時間加熱処理して流動性のあるシリカマスターバッチを調製した。
[実施例1〜7]
表1に示した配合量で各成分を均一に混合して液状シリコーンゴム組成物を調製した。各液状シリコーンゴム組成物の物理的特性、各液状シリコーンゴム組成物で被覆した被覆織物の難燃性を上記方法で測定し、貫通抵抗性試験および柔軟性試験の評価結果、および、表面粘着性の有無と共に表1に示した。
[比較例1〜6]
表2に示した配合量で各成分を均一に混合して液状シリコーンゴム組成物を調製した。各液状シリコーンゴム組成物の物理的特性、各液状シリコーンゴム組成物で被覆した被覆織物の難燃性を上記方法で測定し、貫通抵抗性試験および柔軟性試験の評価結果、および、表面粘着性の有無と共に表2に示した。
表1および表2中の各成分は以下の通りである。なお、表1および表2中の(A−2Vi基モル数)/(A−1Vi基モル数)は、各シリコーンゴム組成物に配合された(A−2)成分中のビニル基モル数を(A−1)成分中のビニル基モル数で割った商である。なお、各シリコーンゴム組成物中の(A−1)成分のビニル基には、上記調製例1で調製したシリカマスターバッチ中の(A−1)成分のビニル基も含む。
シリカマスターバッチ
調製例1で調製したシリカマスターバッチ。シリカマスターバッチ 100質量部あたり、下記a−1 71質量部、下記AD−1 0.1質量部、(D)成分:フュームドシリカ 29質量部が含まれる。
A−1成分
a−1:粘度40,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。ビニル基含有量約0.09質量%
a−2:粘度10,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。ビニル基含有量約0.23質量%

A−2成分
a−3:粘度350mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体。ビニル基含有量約1.17質量%
a−4:粘度15,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン。ビニル基含有量約7.8質量%
a−5:粘度40,000mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体。ビニル基含有量約0.5質量%
a−6:粘度370mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。ビニル基含有量約0.5質量%

B成分
b−1:動粘度5.5mm/sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体。ケイ素原子結合水素原子含有量約0.73質量%
b−2:動粘度12mm/sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体。ケイ素原子結合水素原子含有量約 0.83質量%
C成分
白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液。白金金属含有量約4000ppm。
E成分
e−1:平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH42M、昭和電工株式会社より購入)。
e−2:平均粒子径1.0μmのビニル基含有シランカップリング剤表面処理水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH42STV、昭和電工株式会社より購入)。
炭酸カルシウム
平均粒子径0.07μm、BET比表面積22g/mの炭酸カルシウム。ステアリン酸表面処理品。
接着付与剤
AD−1:粘度20mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体。ビニル基含有量約11質量%
AD−2:メチルトリメトキシシラン
AD−3:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
AD−4:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の反応混合物
接着促進剤
AD−5:テトライソプロポキシキシチタネート
硬化遅延剤
Inh−1:粘度3.5mPa・sの環状メチルビニルポリシロキサン。ビニル基含有量約30.7質量%
Inh−2:1−エチニルシクロヘキサノール
[表1]
Figure 2010053493
[表2]
Figure 2010053493
本発明の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物は、加圧された布構造材が比較的長い期間一定の流体圧力を維持することが望ましい用途、例えばドライバー用、パッセンジャー用、サイドカーテン用などの車両用エアバッグ、航空機用緊急脱出シートや膨張性のイカダなどの用途に用いられる被覆織物に好適に用いることができる。本発明の被覆織物は、ドライバー用、パッセンジャー用、サイドカーテン用などの車両用エアバッグ、航空機用緊急脱出シートや膨張性のイカダなどに好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 補強性シリカ微粉末を0.06〜35質量%含有し、水酸化アルミニウムを6〜30質量%含有し、溶剤およびレジン状オルガノポリシロキサンを含有せず、硬化物のJIS K6251に規定される伸びが150%以上であることを特徴とする織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  2. 硬化物のJIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さが30以上であることを特徴とする請求項1記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  3. 硬化物のJIS K6251に規定される引張強さが2.0MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  4. 25℃における粘度が1〜100Pa・sであり、ヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  5. 溶剤およびレジン状オルガノポリシロキサンを含有せず、硬化物のJIS K6251に規定される伸びが150%以上であり、下記成分からなることを特徴とする織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
    (A)(A−1)アルケニル基の含有量が0.5質量%未満であり分子鎖末端にのみアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、および、(A−2)アルケニル基の含有量が0.5〜10.0質量%であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン{(A−1)成分中のアルケニル基のモル数に対して(A−2)成分中のアルケニル基のモル数が、3.8倍未満となる量}からなる混合物であるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン 100質量部
    (B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン [(B)成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基とのモル比が(0.9:1.0)〜(5.0:1.0)となる量]、
    (C)ヒドロシリル化反応触媒 [本組成物を硬化させる量]
    (D)補強性シリカ微粉末 0.1〜50質量部、および、
    (E)水酸化アルミニウム 10〜30質量部
  6. 硬化物のJIS K6253に規定されるタイプAデュロメータによる硬さが30以上であることを特徴とする請求項5記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  7. 硬化物のJIS K6251に規定される引張強さが2.0MPa以上であることを特徴とする請求項5記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  8. 25℃における粘度が1〜100Pa・sであることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物の硬化物で被覆されたことを特徴とする、硬化したシリコーンゴム被覆層を備えた織物からなる被覆織物。
  10. エアバッグ用であることを特徴とする請求項9記載の被覆織物。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の織物被覆用液状シリコーンゴム組成物を織物上に塗布し、該組成物を硬化させて織物上にシリコーンゴム被覆層を形成することを特徴とする被覆織物の製造方法。
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