JP3999987B2 - エアバッグコーティング用シリコーン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエアバッグに用いる基布のコーティング用シリコーン組成物に関し、特にナイロン66等の合成繊維織物からなるエアーバック用の基布に対して、優れた接着性を示し、かつ、引張り伸びと強さを有する硬化皮膜を形成できるために、折畳み収納性(柔軟性)、展張性、及び、展張時のシリコーンコーティング被覆強度に優れるエアバッグを提供できる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗用車の衝突安全性向上の要求から衝突時に展張して搭乗者を保護するエアバッグ装置の装着が増加している。このエアバッグ装置は衝突による強い衝撃を感知するセンサー、ガスを発生するインフレーターおよびインフレーターから発生するガスにより膨張するエアバッグより構成されている。エアバッグは、基布としてナイロンなどの合成繊維製の織布を使用するのが一般的であるが、このままではインフレーターより発生する高圧・高温ガスに対して、気密性や耐熱性、難燃性などに乏しいため、該基布にシリコーン組成物をコーティングし硬化させたものを用いるのが一般的である。
【0003】
シリコーン組成物が一般的に用いられるのは、柔軟性に富み、引裂き強さを有し、かつ、耐熱性を有するなど、非常に優れた材料であることによるが、基布との更なる接着性改善と、更なる耐熱性および難燃性の向上が重要な課題であった。例えば、接着性付与剤に関する提案として、特開平5−25435号公報でのエポキシ官能基を有するケイ素化合物の使用、特開平5−179203号公報でのイソシアナート基を有するオルガノシランの使用などがあり、溶剤を使用しない液状のシリコーン組成物での接着性の改善として特開平5−214295号公報、特開平9−87585号公報などがあげられる。又、難燃性付与剤に関する提案例としては、特開平7−90777号公報がある。
【0004】
しかしながら、エアバッグの使用対象の拡大に伴う要求性能の高度化と、これを達成するのに、安全性および環境問題に対する配慮から、有機溶剤を使用しないシリコーン組成物を用いる必要性の点で、従来の提案技術では解決できない新たな課題が浮かび上がっている。
【0005】
そのエアバッグ使用対象の拡大に伴う要求性能の高度化による新たな課題としては、例えばエアバッグが運転席又は助手席において搭乗者に対して正面より作動するものだけでなく、搭乗者の側面などより作動する、例えば、サイドカーテンエアバッグと称するエアバックなどにも拡大しているという問題がある。
【0006】
このサイドカーテンエアバッグもインフレーターから送り込まれるガスにより展張するものであるが、従来の運転席又は助手席のものが比較的単純な袋形状であるのに対し、サイドカーテンエアバッグは複雑な形状を有するものが多く、マット上に膨張してカーテンのように垂れ下がった形で展張するものが一般的である。これはサイドカーテンエアバッグが、自動車が衝突した場合の主に正面からの衝撃だけでなく、その直後に発生する可能性のある自動車の横転などの、側面などからの衝撃をも防がなくてはならないという厳しい要求性能があるためである。それゆえサイドカーテンエアバッグでは、従来の運転席又は助手席のエアバッグに比較し、バッグが膨張してから、それを保持すべき時間が長くなくてはならないという厳しい条件が要求され、そのために気密性の要求レベルも極めて高いものとなっている。
【0007】
また、このようなサイドカーテンエアバックでは収納上の制約から形状が複雑となるために縫い込み部分も多く、展張時に基布にかかる高圧ガスの圧力も不均一となり、シリコーン硬化皮膜にかかる力とそれによる変形も不均一となる。総じて、サイドカーテンエアバックは、従来の運転席又は助手席に設置されている単純な形状のエアバッグに比較して、シリコーン硬化皮膜が十分な強度と伸び特性を有し、基布との十分な接着性とあいまって気密性を有することが要求されている。
【0008】
そこで、エアバッグにコーティングされたシリコーン硬化皮膜の強度を増加させる方法として提案されている方法は、使用するシリコーン組成物中に含まれる架橋性ポリシロキサンの分子量を増加させる方法や、補強充填剤の使用量を増加させる方法が一般的であるが、これらの方法ではシリコーン硬化皮膜と基布との接着性の低下や、コーテイング時のシリコーン組成物に有機溶剤を多量に使用せざるを得ないことによる安全性および環境に対する影響の懸念という問題が発生する。接着性の低下は、特に補強充填剤の増量や難燃剤の添加により発生する問題であり、前記したような従来提案されているような接着性の改善方法では未だ十分ではない。
【0009】
安全性および環境問題に対する配慮は、エアバッグ用のシリコーンコーティング剤においても重要な課題であり、特に有機溶剤を使用する場合には、有機溶剤の揮発による火災の危険性、作業環境の悪化および大気汚染などのおそれがある。シリコーン硬化皮膜の強度および伸びを改善する前記の一般的な方法では、硬化前の組成物の粘度増加を伴うものであり、基布への塗布装置の適正粘度に合せるために溶剤の使用が避けられない。
【0010】
このようにエアバッグ用のシリコーンコーティング剤においては、有機溶剤を使用しない液状組成物又は水性エマルジョン組成物で、前記のような基布繊維に対して十分な接着性を有し、強度および伸び特性に優れたシリコーン組成物が求められていたのであり、しかもこのようなシリコーン組成物は、硬化皮膜表面のタック、折畳み収納性(柔軟性)、難燃性・耐熱性などのエアバッグコーティングとしての基本的な性能も犠牲としないことも必要であるとされているが、そのようなものは未だ提供されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するために為されたものであり、即ち、液状又はエマルジョン型のシリコーン組成物であって、基布に対して、優れた接着性を示し、かつ、特にサイドカーテンエアバッグに用いた場合にも、十分な強度と伸びとを有する硬化皮膜となるエアバッグコーティング用シリコーン組成物を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題について鋭意研究の結果、付加反応型シリコーン組成物において、架橋ポリマーの主鎖を構成する成分として、分子量の異なる特定の2種以上の組合せにより課題を解決できることを見出し、本発明を為すに至った。
【0013】
すなわち、本発明は下記の組成物を提供することにある。
(1) (A)下記(A1)成分と(A2)成分とからなり、(A1)成分の(A2)成分に対する重量比が1/99〜60/40である1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン:100重量部、(A1)25℃の粘度が5〜4,000mPa・sである1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン、(A2)25℃の粘度が5,000〜100,000mPa・sの範囲で、粘度の異なる2又は3種の1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン、(B)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン中の水素原子モル数に対する(A)ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基のモル数の比が1/5〜20/1である量、(C)接着性付与成分として、分子中にビニル基を有するシロキサン単位と式、SiO4/2で示されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンレジン:0.2〜5重量部、(D)触媒:本発明組成物を硬化させるに十分な量からなるエアバッグ基布コーティング用シリコーン組成物。
【0014】
(2) シリカ充填剤を0.5〜100重量部含有する(1)に記載のエアバッグ基布コーティング用シリコーン組成物。
(3) (1)または(2)のいずれかに記載の組成物を乳化して得られるエアバッグ基布コーティング用シリコーンエマルジョン組成物。
【0015】
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の組成物でコーティングされたエアバッグ基布。
(5) (4)記載のエアバッグ基布からなるエアバッグ。
【0016】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の(A)成分であるジオルガノポリシロキサンは、硬化後に優れたゴム弾性を有するシリコーンゴム組成物の主剤であって、粘度の異なる(A1)および(A2)の1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンの混合物からなる。かかるジオルガノポリシロキサンとしては、平均組成式が、式(1):RaSiO(4-a)/2(式(1)中のRは置換又は非置換の一価炭化水素基を表わし、aは1.7〜2.1の正数である)で示されるものを用いることができる。
【0017】
上記式(1)のジポリオルガノシロキサンにおいて、Rはそのうちの少なくとも2個以上はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基から選ばれ、それ以外の基は炭素数1〜18の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、
【0018】
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などから選ばれる。
【0019】
Rの選択にあたって、2個以上必要なアルケニル基としてはビニル基が好ましく、その他の基としてはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。また、全R中の70モル%以上がメチル基であることが硬化物の物性および経済性等の点で好ましく、通常はメチル基が80モル%以上のものが用いられる。
【0020】
式(1)において、aは1.7〜2.1であり、このジポリオルガノシロキサンは直鎖状であっても、分岐状であってもよいが、通常は、直鎖状のジオルガノポリシロキサンが用いられる。これらのジオルガノポリシロキサンは当業者に公知の方法で製造される。
【0021】
(A)のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が(A1)については5〜4,000mPa・s、好ましくは50〜3,000mPa・s、(A2)については5,000〜100,000mPa・s、好ましくは5,000〜50,000mPa・sであるものの混合物が使用される。(A1)成分の(A2)成分に対する混合の重量比は1/99〜60/40であるものが使用され、好ましくは5/95〜50/50である。なお、(A2)成分については、さらに(A2)成分中の粘度の異なる2又は3種のものが混合される
【0022】
本発明において、上述の(A1)および(A2)成分を混合使用することによりエアバック基布に対して優れた接着性を示し、かつ、特に複雑な形状と構造を有するエアバッグに対して、十分な強度と伸びとを有する硬化皮膜を得ることが可能となるということは、本発明者によって見出されたものである。
【0023】
すなわち、近年のサイドカーテンエアバックなどでは、要求性能が高度化しているため、それに対応すべくその形状や構造も複雑となり、そのため従来に比較してより複雑な動きで展張するようになった。特に袋形状を有するものでは、袋の接合部の織目部分とそれ以外の織目部分における展張挙動の差は顕著になり、瞬時に均一に展張していない。その結果、その部分ではシリコーン硬化皮膜への衝撃が特に大きく、また不均一であることが判明した。ところが、従来用いられているシリコーン組成物中のオルガノポリシロキサンの分子量分布は均一であり、本発明の様な構成をとっていなかったため、硬化皮膜中に架橋点が均一に存在し、架橋構造は緻密で堅牢となる反面、硬化皮膜の伸び特性は均一で、前述のような複雑な動きで展張するようなエアバックに対しては、シリコーンの硬化皮膜が衝撃を完全に吸収することができずに破壊されてしまい、そのため、気密性や接着性などが大きく低下してしまうことを本発明者は見出したのである。
【0024】
そこで本発明者は研究の結果、低粘度と高粘度より構成されるシリコーン硬化皮膜を形成させると、硬化皮膜中に架橋点が偏在することとなり、架橋構造は疎と密が混在して緩やかとなり、硬化皮膜の伸び特性は不均一となり、前述のような複雑な動きで展張するようなエアバックに対しては、シリコーンの硬化皮膜が衝撃を微少なレベルで完全に吸収することが可能となり、硬化皮膜が破壊されにくくなるために気密性や接着性を十分に保持できるようになる事を見出したのである。すなわち、本発明のように、低粘度と高粘度のポリシロキサンの混合物からなるシリコーン組成物の硬化皮膜を形成させると、硬化皮膜中に架橋点が偏在することとなり、架橋構造は疎と密が混在して緩やかとなって、硬化皮膜は強度を維持しながら優れた伸び特性を発揮するため、前述のような複雑な動きで展張するエアバックに対しては、シリコーン組成物の硬化皮膜は衝撃を微少なレベルで完全に吸収することが可能となり、硬化皮膜が破壊されにくくなり気密性や接着性を十分に保持できるようになったのである。
【0025】
本発明に使用される(B)成分の、1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ単位とSiO4/2単位からなる共重合体が用いられる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、このオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中のアルケニル基のモル数の比率が1/5〜20/1となる量が好ましい。
【0026】
本発明に使用される(C)成分である分子中にビニル基を有するオルガノポリシロキサンレジンは、本発明の組成物に接着性を付与することを目的として用いられる成分であるが、硬化皮膜の強度の向上にも寄与するもので、本発明の目的を達成するのに欠かせない成分である。(C)成分は、SiO4/2単位(Q単位)を含み、更に、R3SiO1/2単位(M単位)、R2SiO2/2単位(D単位)、RSiO3/2単位(T単位)から選ばれる1種以上とからなるオルガノポリシロキサンレジンである。ここで、Rは式(1)におけるRと同様なものであり、各々同一又は異なる1価の炭化水素基であるが、オルガノポリシロキサンレジンの1分子中に少なくとも1個のビニル基を含むように選択される。
【0027】
(C)成分のオルガノポリシロキサンの具体的な例として、(CH33SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるレジン、(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるレジン、(CH33SiO1/2単位と(CH2=CH)2(CH3)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるレジン、(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位と(CH2=CH)SiO3/2単位とSiO4/2単位からなるレジンなどが挙げられる。
【0028】
(C)成分のレジンの添加量は、(A)成分100重量部に対して、0.2〜5重量部の範囲であり、0.2重量部以下ではその添加効果が十分ではなく、5重量部以上では硬化皮膜表面にタック性が表われてくるために好ましくない。
【0029】
本発明の(C)成分には、従来、シリコーン硬化皮膜と基布との接着性を向上させる効果を有するものとして、一般に知られているシランカップリング剤、アルキルアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類などのシラン化合物、金属錯体および/又は金属水酸化物の微粒子などを併用することも効果的である。
【0030】
併用されるシランカップリング剤は、アルコキシ基のような加水分解可能な基および炭化水素基を介してケイ素原子に結合したビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、エポキシ基もしくは酸無水物基などの官能基を有するシラン化合物であり、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどがあげられ、これらの混合物であってもよい。
【0031】
アルキルアルコキシシラン類、又は、テトラアルコキシシラン類は、一般式(2):R1 nSi(OR24-n(式中、nは、0〜3の整数)で表されるようなものであり、式(2)中のR1、R2は置換又は非置換の炭素数1〜18の炭化水素基である。アルコキシシラン類の具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシランなどをあげることができ、これらの混合物であってもよい。好ましくはテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランである。
【0032】
これらのシラン化合物は、(A)成分100重量%に対して0.1〜20重量部の範囲で、特に好ましくは0.5〜10重量部の範囲で用いられる。0.1重量部以下では接着性の向上効果が十分ではなく、20重量部以上では硬化塗膜の硬度が大きくなるので好ましくない。また、これらのシラン化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
【0033】
本発明の(C)成分と併用することのできる金属錯体および/又は金属水酸化物の微粒子としては、例えば、Al、Ba、Be、Ca、Cd、Co、Fe、Mg、Mn、Pb、Pt、Ni、Si、Ti、V、Zn、Zrなどを中心金属とするアセチルアセトナト錯体、ビピペリジン錯体、ビピラジン錯体、テトラアザシクロテトラデカン錯体、テトラエチレングリコール錯体、サリチルアルデヒド錯体、ポルフィリン錯体、チオ尿酸錯体などの金属錯体をあげることができ、また、金属水酸化物としては、例えば、Al(OH)3、Ba(OH)2、Be(OH)2、Ca(OH)2、Cd(OH)2、Co(OH)2、Fe(OH)2、Mg(OH)2、Mn(OH)2、Pb(OH)2、Pt(OH)2、Pt(OH)4・2H2O、Ni(OH)2、Si(OH)4、Ti(OH)4、V(OH)25、Zn(OH)2、Zr(OH)4、などであり、これらの前駆体でも良い。
【0034】
これらの金属錯体および/又は金属水酸化物の微粒子は、(A)成分100重量%当たり0.1〜15重量部の範囲で添加され、接着性付与効果を増強させることができる。また、これらの成分は、コーティングされる基材の種類、その表面性状などに応じて適宜添加するのが良い。
【0035】
本発明に使用される(D)成分の触媒は、アルケニル基とケイ素原子に結合する水素原子との付加反応を促進する触媒であって、当業者には公知の触媒である。具体例として、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの白金族金属、又はこれらを微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化ケイ素)に固定したもの、更に白金化合物としては、白金ハロゲン化物、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオクタジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白金ジクロライドなどをあげることができる。(D)成分の配合量は、本発明の組成物を硬化するのに十分な量であり、通常、(A)(B)両成分の100万重量部に対して、1〜2000重量部使用される。
【0036】
本発明のコーティング組成物においては必要により、さらに従来から一般にシリコーンゴムの添加剤として知られている各種添加剤を添加することができる。これらの添加物には、充填剤、顔料、硬化抑制剤、耐熱付与剤、難燃剤、防腐剤、安定剤などがある。
【0037】
充填剤としては、従来からシリコーンゴムの補強用充填剤として使用されている公知のものが使用でき、その種類は特に限定されないが、シリカ充填剤が好ましい。このようなシリカ充填剤の例としては、親水性又は疎水性を有する、ヒュームドシリカ、シリカフューム、沈殿シリカ、焼成シリカ、コロイダルシリカ、粉砕石英、ケイ藻土などがあり、特にそれらの微粉末のものが好ましく、粒子径が100μm以下、比表面積が50m2/g以上の超微粉末のものがより好ましい。また、オルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノシクロポリシロキサンなどで予め表面処理されたシリカも好適に用いることが出来る。これらのシリカ充填剤の添加量は、通常、(A)成分100重量部に対して、0.5〜100重量部の範囲であり、好ましくは1〜50重量部の範囲で使用される。
【0038】
顔料としては、酸化チタン、アルミナケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、希土類酸化物、セリウムシラノレート、アルミニウムオキシド、アルミニウムヒドロキシド、チタンイエロー、カーボンブラックなど、およびこれらの混合物が例示される。
【0039】
硬化抑制剤としては、アセチレン系化合物、ヒドラジン類、トリアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類が例示される。さらに、耐熱付与剤としては、水酸化セリウム、酸化セリウム、酸化鉄、ヒューム二酸化チタンなど、およびこれらの混合物が例示される。
【0040】
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、カーボンブラック、ハロゲン化合物、リン化合物など、およびこれらの混合物が例示される。
【0041】
本発明で用いるシリコーン組成物は、本発明の各成分および適宜加えられる添加成分を混合して、そのまま用いるいわゆる無溶剤型組成物、あるいは、各成分を乳化剤の存在下で水とともに乳化して用いるエマルジョン型組成物のいずれによっても用いることができる。無溶剤型組成物を製造するには、例えば、予め(A)成分と(B)成分あるいは(A)成分、(B)成分および(C)成分をプロペラミキサーなどの攪拌機で混合したり、或いは2本ロール、ニーダーミキサー、加圧ニーダーミキサー、ロスミキサーなどの混合機で均一に混練してシリコーンゴムベースを調製した後、これに(C)成分および(D)成分を添加配合して製造するという公知の方法が用いられる。エマルジョン型組成物を製造する場合には、ホモミキサー、コロイドミルなどの乳化機を用いて、乳化剤の存在下に常温で本発明の組成物を高速攪拌して製造するという公知の方法が用いられる。
【0042】
本発明のシリコーン組成物は、無溶剤型およびエマルジョン型のいずれの場合も、使用前に硬化反応が進行しないように、少なくとも2つの異なる成分の形で保存することが好ましい。成分の1つには不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン(A)が含有され、他方の成分にはSi結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が含有されており、相応する助剤や添加剤などは、成分の1つ又は両方に含有されていることが好ましい。
【0043】
本発明において、エアーバックあるいはシートベルト用基布としては、合成繊維織物、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド繊維織物、アラミド繊維織物、ポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維織物、ポリエーテルイミド繊維織物、サルフォン系繊維織物、炭素繊維織物などがあげられる。これらの中ではナイロン系の繊維織物が好適に用いられる。
【0044】
本発明のエアーバックあるいはシートベルト用の合成繊維織物からなる基布は、420デニール以下の糸を使用する平織りあるいは袋形状であることが好ましく、加工性の容易さと軽量化の観点より、さらに好ましくは350デニール以下の糸を使用した基布であり、これらの基布は精練してあっても未精練であっても良い。本発明のシリコーン組成物からなる硬化皮膜を形成させた基布は、運転者および同乗者の安全を確保するために、その乗物の内外に設置される全てのエアーバック、エアーバックサイドカーテンおよびシートベルト類に使用されるものである。
【0045】
本発明のコーティング組成物は、特にエアバッグ用基布に適用してその効果を発揮できるが、紙、布、などの各種繊維物質からなる繊維基材のコーテイング剤としても有用である。繊維基材としてはすべての種類の織物、編物、不織布、あるいはフィルム、紙等が用いられ、それらの被覆もしくは仕上げに使用することができる。繊維の材質としては例えば、麻、木綿、ガラス、羊毛、絹、天然繊維および人工繊維(例えば、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、アラミド、炭素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、絹、ビスコース、セルロースなど)が例示され、これらの繊維を使用した全ての織物、フリース、編物,堆積物、メリヤス、フィルムなどが用いられる。
【0046】
本発明のコーティング組成物をコーティングするには、一般的に用いられている方法によって実施することができ、例えば、浸漬およびパジング、刷毛塗り、流し塗り、吹付け、ローラー塗工、捺染、ナイフ塗工、マイヤーバー、エアーブラシ、スロップパジング、ロール塗工などが用いられる。
【0047】
コーティング実施後の基材の乾燥および硬化は、通常、熱空気、赤外線、ガスバーナー、熱交換器もしくは他のエネルギー源によって加熱することができる加熱装置中で行われる。なお、この乾燥および硬化には、常用される加熱装置の他に、目的とする乾燥および硬化を達成することが可能な乾燥能力を有する装置であればいずれも用いることができ、例えば、加熱ロールカレンダー、加熱可能な張合わせプレス、加熱可能な段プレス又は高温接触ロール、熱風乾燥機、マイクロ波乾燥機なども用いることができる。
【0048】
硬化時には、硬化皮膜への気泡形成を回避するために、加熱装置に温度の異なる複数の温度帯域を設けることが好ましく、例えば、第1の温度帯域中で60〜150℃、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃の温度で予備乾燥を行ない、続く第2の温度帯域中では300℃までの温度で硬化を実施できる。しかし、ほとんどの繊維は加工上の耐熱制限があるため、120〜190℃の温度範囲にすることが好ましい。
【0049】
なお、工程上複数の温度帯域を設けることが困難な場合でも、硬化させようとする基材が少なくとも170℃以上の温度に一度でも到達するようにすることが好ましい。また、硬化に必要とする滞留時間はコーティング重量、織物の熱伝導性およびコーティングされた織物への熱伝達に依存し変化するが、0.5分間〜30分間程度が好ましい。なお、上述の乾燥および硬化については室温で10分〜数十時間放置することによって行なっても良い。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例と比較例を示して説明するが、本発明はそれらの実施例に制限されるものではない。また、実施例中の部は重量部を示し、%は重量%を示す。
【0051】
(基布)
350デニールの糸で構成されている、平織あるいは袋形状を有するナイロン基布を使用した。
(コーティング方法)
ナイフコーターを使用し、コーティング後の基布乾燥、および硬化を温度帯域1(温度120度℃、硬化時間1分)、温度帯域2(温度150度℃、硬化時間1分)そして温度帯域3(170℃、硬化時間1分)の硬化条件下にて行った。
【0052】
(試験方法)
得られたコーティング布の硬化被膜の接着状態をスクラッチ試験および揉み試験で確認した。スクラッチ試験では硬化表面を爪で往復20回程度引っ掻き、硬化被膜の剥がれ状況を肉眼で観察した。揉み試験では、特に折畳み時の収納性(柔軟性)および展張時の接着性を確認するため、各実施例のコーティング布を縦10cm×横5cmに切断した試料を2枚作製し、これらの試料の硬化皮膜形成面を互いに貼り合せたものをSNE JPS社製の揉み試験機にて一定速度で一定方向に往復1000回揉んだ後に表面状況を肉眼で観察した。
【0053】
また、基布との密着性については貼合せ試験により確認した。貼合せ試験では、10cm×横2cmに切断した基布を2枚用意し、この2枚の基布を、本実施例の各処方で約300μmの厚さで塗工することで互いに貼合わせ、これを170℃×1分間で硬化させた。そして、シリコーン硬化皮膜で張合わされた試料を約6cm/分で引裂く場合の剥離力を測定した。
【0054】
コーティング布の難燃性特性については米国連邦自動車安全基準:FMVSSNo.302に基づいて測定した。さらに、高温度時における折畳み収納性(柔軟性)および展張性そして接着性を確認するためにインフレーション試験を行なった。コーティング布から作製したエアーバック中に温度160〜180℃の熱風を圧力6〜8kg/m2の条件下に吹込んで瞬間的に膨らませ、展張性、硬化皮膜の剥がれの有無、および気密性を肉眼で観察した。
【0055】
【実施例】
実施例1
(A1)成分である粘度約1,500mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン30部と、(A2)成分である粘度約8,000mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン30部と、同じく(A2)成分である粘度約25,000mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン40部と、粘度約1,0000mPa・sを有するシラノール基を含有するジメチルポリシロキサン0.5部と、(B)成分である粘度約40mPa・sを有するメチルハイドロジェンポリシロキサン4.5部と、充填剤として比表面積200m /gのヒュームドシリカ11部と、(C)成分である粘度約1,500mPa・sを有するビニル基含有のレジン((CH=CH)(CHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなるレジン)4.5部と、(D)成分として白金1重量%を含有する白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.8部と、エチニルシクロヘキサノール0.2部とを攪拌混合機で混合し、さらに顔料1部と、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン2部を添加したものを調製した。
【0056】
上記の調製品で比較例1と同様の方法でコーティング布を作製し、試験を実施した。スクラッチ試験往復20回程度引っ掻いても硬化被膜の剥がれは見られなかった。また、得られたコーティング布は柔軟であり、揉み試験を実施した結果、往復1000回揉み実施後硬化皮膜にピンホール及び剥がれが見られず、往復900回の揉み実施後に硬化皮膜にピンホールおよび剥がれが見られた。貼合わせ試験は剥離力31N/cmであり、難燃性試験も合格であり、インフレーション試験でも硬化被膜の剥離確認されなかった。以上の結果を表1に示す。
【0057】
比較例1
(A1)成分である粘度約1,500mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン40部と、(A2)成分である粘度約25,000mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン60部と、粘度約1,000mPa・sを有するシラノール基を含有するジメチルポリシロキサン0.5部と、(B)成分である粘度約40mPa・sを有するメチルハイドロジェンポリシロキサン4.5部と、(C)成分である粘度約1,500mPa・sを有するビニル基含有のレジン((CH=CH)(CHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなるレジン)4.5部と、充填剤として比表面積200m /gのヒュームドシリカ11部と、(D)成分である白金1重量%を含有する白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.8部と、エチニルシクロヘキサノール0.2部とを攪拌混合機で混合し、さらに顔料1部と、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン2部を添加したものを調製した。
【0058】
上記の調製品を未精練のナイロン基布に対して約40g/m で塗工し、乾燥、硬化してコーティング布を作製した。スクラッチ試験を実施した結果、硬化表面を爪で往復20回程度引っ掻いても硬化被膜の剥がれは見られなかった。また、得られたコーティング布は柔軟であり、揉み試験を実施した結果、往復1000回以上の揉み実施後でも硬化皮膜にピンホール及び剥がれが見られなかった。貼合わせ試験の剥離力28N/cmであった。難燃性試験では、着火時の火炎は小さく煙の発生も少量であった。燃焼時の基布の溶融滴下も見られず合格であった。インフレーション試験を実施した結果、硬化被膜の剥離確認されなかった。以上の結果を表1に示す。
【0059】
比較例
比較例1に対し(A1)及び(A2)成分に代えて粘度約20,000mPa・sを有するビニル基含有のジメチルポリシロキサン100部を処方し、(C)成分であるビニル基含有のレジンを処方しない以外は、実施例1と同様にして組成物を調製、試験を行った。スクラッチ試験は往復20回程度引っ掻いても硬化被膜の剥がれは見られなかった。また、得られたコーティング布は柔軟であり、揉み試験を実施した結果、往復700回の揉み実施後には微少なピンホールが見られ、往復750回の揉み実施後に硬化皮膜に複数のピンホールおよび剥がれが見られた。貼合わせ試験は剥離力19N/cmであった。難燃性試験は合格であり、インフレーション試験で硬化被膜の剥離は確認されなかった。以上の結果を表1に示す。
【0060】
比較例
比較例1に対し(C)成分であるビニル基含有のレジンを処方しない以外は、実施例1と同様にして組成物を調製、試験を行った。スクラッチ試験は往復20回程度引っ掻いても硬化被膜の剥がれは見られなかった。また、得られたコーティング布は柔軟であり、揉み試験を実施した結果、往復900回の揉み実施後には微少なピンホールが発生し、往復950回の揉み実施後に硬化皮膜に複数のピンホールおよび剥がれが見られた。貼合わせ試験は剥離力25N/cmであった。難燃性試験は合格であり、インフレーション試験で硬化被膜の剥離は確認されなかった。以上の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
本発明の組成物は、自動車のエアバッグに用いる基布、特にナイロン66等の合成繊維織物からなるエアーバック用の基布に対して、優れた接着性を示し、かつ、引張り伸びと強さを有する硬化皮膜を形成できるために、折畳み収納性(柔軟性)、展張性、更に、展張時のシリコーンコーティング被覆強度に優れるエアバッグおよびシートベルトを提供することができたという効果を有する。

Claims (5)

  1. (A)下記(A1)成分と(A2)成分とからなり、(A1)成分の(A2)成分に対する重量比が1/99〜60/40である1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン:100重量部、
    (A1)25℃の粘度が5〜4,000mPa・sである1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン、
    (A2)25℃の粘度が5,000〜100,000mPa・sの範囲で、粘度の異なる2又は3種の1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン
    (B)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン中の水素原子モル数に対する(A)ジオルガノポリシロキサン中のアルケニル基のモル数の比が1/5〜20/1である量、
    (C)接着性付与成分として、分子中にビニル基を有するシロキサン単位と式、SiO4/2で示されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンレジン:0.2〜5重量部、
    (D)触媒:本発明組成物を硬化させるに十分な量
    からなるエアバッグ基布コーティング用シリコーン組成物。
  2. (A)1分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン100重量部に対し、シリカ充填剤を0.5〜100重量部含有する請求項1に記載のエアバッグ基布コーティング用シリコーン組成物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の組成物を乳化して得られるエアバッグ基布コーティング用シリコーンエマルジョン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物でコーティングされたエアバッグ基布。
  5. 請求項4記載のエアバッグ基布からなるエアバッグ。
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