JP6830434B2 - 還元型グルタチオンの結晶 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料または中間体等として有用である還元型グルタチオンの結晶に関する。
還元型グルタチオン(γ−L−グルタミル−L−シスチニル−グリシン)は、生物に広く存在する物質であり、補酵素として作用するほか、肝臓において解毒作用を有することが知られている。よって還元型グルタチオンは医薬品、健康食品および化粧品等の製品、原料または中間体として広く用いられている。
上記した製品、原料及び中間体に用いられる還元型グルタチオンの形態は、その取り扱いの良さから粉末であることが好ましい。しかしながら、凍結乾燥やスプレードライ等の一般的な乾燥粉末の製造法で得られる還元型グルタチオンの非結晶体(アモルファス)は、吸湿性が高くまた流動性も十分ではないため加工に適していない。
還元型グルタチオンの結晶としては、そのフリー体の結晶は知られている(特許文献1)が、当該フリー体の結晶は溶解度が低いため液体製剤に不向きであり、また酸性であるため加工の際には注意が必要である。よって、保存安定性が良く加工しやすい形態の還元型グルタチオン結晶が求められていた。
還元型グルタチオンがジスルフィド結合で連結した酸化型グルタチオン(グルタチオンの二量体)のフリー体の一水和物(特許文献2)、及び六水和物(特許文献3)は知られているが、還元型グルタチオンの水和物結晶及び塩結晶は知られていなかった。
国際公開第2008/047792号 国際公開第2003/035674号 国際公開第2011/132724号
本発明の目的は、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料または中間体等として有用な還元型グルタチオンの金属塩結晶を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(22)に関する。
(1)還元型グルタチオンの金属塩の結晶。
(2)還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオンと、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属との塩の結晶である上記(1)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶。
(3)還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオンとナトリウムとの塩(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩」という)の結晶(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶」という)である上記(1)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶。
(4)還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶である、上記(3)記載の結晶。
(5)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(4)記載の結晶。
(6)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに20.16°±0.20°、24.68°±0.20°、26.30°±0.20°、27.68°±0.20°および33.20±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(5)記載の結晶。
(7)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに17.90°±0.20°、20.86°±0.20°、22.10°±0.20°および25.30°±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(6)記載の結晶。
(8)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに6.42±0.20°、18.90±0.20°および29.30±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(7)記載の結晶。
(9)単結晶X線構造解析において、−173℃で測定した場合、次の概略的単位胞パラメーター:a=27.881Å;b=10.818Å;c=4.881Å;α=90°;β=90°;γ=90°;V=1472.2Å;Z=4;を有し、かつ空間群がP2(#19);である、上記(4)〜(8)のいずれか1に記載の結晶。
(10)還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶である、上記(3)記載の結晶。
(11)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、25.92°±0.20°、20.28°±0.20°および27.28°±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(10)記載の結晶。
(12)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに20.52°±0.20°、25.02°±0.20°、21.26°±0.20°、26.66°±0.20°および28.08±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(11)記載の結晶。
(13)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに22.48°±0.20°、33.56°±0.20°、19.70°±0.20°および18.32°±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(12)記載の結晶。
(14)粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに19.26±0.20°、28.74±0.20°および29.64±0.20°にピークを有することを特徴とする上記(13)記載の結晶。
(15)還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液に水を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含む還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(16)疎水性有機溶媒が、ヘキサン又はトルエンである上記(15)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(17)還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液にメタノール又はエタノールの水溶液を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含む還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(18)金属の水酸化物水溶液に還元型グルタチオンのフリー体を溶解させてpHを5.0〜8.0に調整し、還元型グルタチオンの金属塩の水溶液を取得した後、得られた水溶液を濃縮し、次に当該濃縮水溶液に対して0.1〜3倍量のC1〜C6のアルコールを該濃縮水溶液に少量ずつ徐々に添加し、その後還元型グルタチオンの金属塩の結晶を種晶として添加して還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含む還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(19)還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオンと、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属との塩の一水和物結晶である上記(15)、(17)又は(18)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(20)還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶である上記(15)、(17)又は(18)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(21)C1〜C6のアルコールが、メタノールまたはエタノールである上記(18)記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
(22)還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶を、80℃以上で、3時間以上乾燥させることを特徴とする、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶の製造方法。
本発明により、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料または中間体等として有用である還元型グルタチオンの金属塩の結晶が提供される。
図1は、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶の粉末X線回折のピークパターンを示す図である。グラフの縦軸は強度(単位cps)、横軸は回折角(2θ)(単位°)である。 図2は、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶の粉末X線回折のピークパターンを示す図である。グラフの縦軸は強度(単位cps)、横軸は回折角(2θ)(単位°)である。
1.本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶
本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶は、無水結晶であっても水和物結晶であってもよい。好ましくは水和物結晶をあげることができ、より好ましくは一水和物結晶をあげることができる。一水和物結晶は保存安定性に優れるためである。
また、本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶は、α晶およびβ晶などの結晶多形を含む結晶であってもよい。なかでも、α晶が好ましい。結晶としては総還元型グルタチオンの金属塩結晶に占めるα晶の比率が、95%以上が好ましく、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、よりさらに好ましくは99%以上、特に好ましくは99.5%以上、最も好ましくは99.9%以上である結晶をあげることができる。
本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶は、還元型グルタチオンといずれかの金属との塩の結晶であれば金属には制限はない。金属としてはアルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する金属が好ましく、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属がより好ましく、ナトリウムがさらに好ましい。
本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶は、グルタチオンに対して、金属イオンが等価となる分子数を含む結晶をあげることができる。より具体的には、グルタチオンイオン価数に対して、金属イオン価数が、通常は0.5〜2、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは1.0をあげることができる。
また、本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶としては、そのpHが通常は5.0〜8.0、より好ましくは5.5〜7.5、さらに好ましくは6.0〜7.0の結晶をあげることができる。
本発明の還元型グルタチオンとナトリウムとの塩(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩」という)の結晶(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶」という)が一水和物結晶である場合、より具体的には、X線源としてCuKαを用いた粉末X線回折を実施した際、その回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有する。
好ましくは2θが、さらに20.16°±0.20°、24.68°±0.20°、26.30°±0.20°、27.68°±0.20°および33.20±0.20°にピークを有する。
より好ましくは(2θ)が、さらに17.90°±0.20°、20.86°±0.20°、22.10°±0.20°および25.30°±0.20°にピークを有する。
さらに好ましくは2θが、さらに6.42±0.20°、18.90±0.20°および29.30±0.20°にピークを有する。
もっとも好ましくは表1に示す値で規定される結晶であり、かつ図1で示される回折パターンを有する結晶である。
Figure 0006830434
粉末X線回折を行う際に用いる分析装置、および測定条件としては、分析装置は株式会社リガク社製の試料水平型多目的X線回折装置UltimaIV、測定条件は、X線源に銅ターゲット封入管を用いて、単色化しないX線を試料に照射し、エネルギー分解型検出器を用いてCuKα線(波長1.541Å)由来の回折X線を検出する条件をあげることができる。
さらに具体的な本発明の還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶は、単結晶X線構造解析において、−173℃で測定した場合、次の概略的単位胞パラメーター:a=27.881Å;b=10.818Å;c=4.881Å;α=90°;β=90°;γ=90°;V=1472.2Å;Z=4;を有し、かつ空間群がP2(#19);であることが好ましい。
より好ましくは、単結晶X線構造解析において、−173℃で測定した場合、表2に示す値で規定される結晶である。
Figure 0006830434
本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶構造を決定する方法としては、単結晶X線回折装置による構造解析(SXRD)を挙げることができる。還元型グルタチオンの金属塩の単結晶を回折計に取り付け、室温の大気中あるいは所定の温度の不活性ガス気流中で、所定の波長のX線を用いて、回折画像を測定する。回折画像から算出された面指数と回折強度の組から、直接法による構造決定と最小二乗法による構造精密化[Acta Cryst.A64,112(2008)]を行い、単結晶構造が得られる。単結晶X線回折装置としては、例えば、アジレント・テクノロジー社製の単結晶X線構造解析装置SuperNovaを使用することができる。
また、本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶が無水結晶である場合、より具体的には、X線源としてCuKαを用いた上述の粉末X線回折を実施した際、その回折角(2θ)が、25.92°±0.20°、20.28°±0.20°および27.28°±0.20°にピークを有する。
好ましくは、回折角(2θ)が、さらに20.52°±0.20°、25.02°±0.20°、21.26°±0.20°、26.66°±0.20°および28.08±0.20°にピークを有する。
より好ましくは、回折角(2θ)が、さらに22.48°±0.20°、33.56°±0.20°、19.70°±0.20°および18.32°±0.20°にピークを有する。
さらに好ましくは、回折角(2θ)が、さらに19.26±0.20°、28.74±0.20°および29.64±0.20°にピークを有する。
もっとも好ましくは表3に示す値で規定される還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶であり、かつ図2で示される回折パターンを有する結晶である。
Figure 0006830434
2.本発明の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法
[還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶の製造方法]
(1)結晶転移による製造方法
本発明の製造方法としては、還元型グルタチオンと金属との塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液に水を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を析出させる工程を含む還元型グルタチオンの該金属塩の一水和物結晶の製造方法をあげることができる。
または、還元型グルタチオンと金属との塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液にメタノール又はエタノールの水溶液を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を析出させる工程を含む還元型グルタチオンの該金属塩の一水和物結晶の製造方法をあげることができる。
還元型グルタチオンと金属との塩のアモルファスは、還元型グルタチオンのフリー体に等モルの金属の水酸化物と水とを加え中和した後、液体窒素を用いて急速凍結しつつ、乾燥させることにより取得できる。
還元型グルタチオンのフリー体は、アモルファスであっても結晶であってもよい。結晶は協和発酵バイオ株式会社から購入することもできる。アモルファスは、発酵法(国際公開第2008/126784号)又は酵素法[Appl.Microbiol.Biotechnol.,66,233(2004)、および日本国特開昭60−105499号公報など]で得られる還元型グルタチオンを公知の方法で精製した後、凍結乾燥又はスプレードライ等の方法で乾燥することで得ることができる。
金属の水酸化物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、特にナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属の水酸化物が好ましい。金属の水酸化物として最も好ましくは、水酸化ナトリウムをあげることができる。
還元型グルタチオンに金属の水酸化物と水とを加えて通常は1〜12日間、好ましくは5〜10日間、より好ましくは7日間攪拌して完全溶解させた後、液体窒素で急速に冷却し、市販の凍結乾燥機を用いて乾燥することで還元型グルタチオンと金属との塩のアモルファスを取得することができる。
還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に分散し、懸濁させ、得られた懸濁液に水を添加することで、還元型グルタチオンの金属塩をアモルファスから結晶に転移させることができる。
疎水性有機溶媒としては、例えば、ヘキサンおよびトルエン等をあげることができる。該疎水性有機溶媒1mlあたり、通常5〜100mg、好ましくは10〜80mg、より好ましくは20〜50mgの還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを分散させる。
還元型グルタチオンの金属塩溶液に添加する水の量は、多すぎるとアモルファスに水滴が供給され液状化してしまう。そのため水の添加量としては、例えば、疎水性有機溶媒1mlに対して通常1〜20μl、好ましくは2〜15μl、より好ましくは2〜12μl、特に好ましくは5〜10μlをあげることができる。
水を添加後、攪拌することにより還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を取得することができる。得られる還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶として好ましくは、還元型グルタチオンとナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属との塩の一水和物結晶であり、より好ましくは還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶である。当該結晶は、減圧乾燥等により乾燥することができる。
また、上記において水の代わりにメタノール又はエタノールの水溶液を添加することによっても、還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を取得することができる。
メタノール又はエタノールの水溶液の添加量としては、例えば、疎水性有機溶媒1mlあたり80%のメタノール又はエタノール水溶液として10〜60μlをあげることができる。また、メタノールおよびエタノールのヘキサン等の疎水性有機溶媒との親和性および上記した疎水性有機溶媒に対する水の添加量を考慮すれば、80%のメタノール又はエタノール水溶液の10〜60μlに対応する濃度のアルコール溶液とその添加量であれば、還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を取得することができる。
(2)種晶を用いた結晶の製造方法
上記(1)で取得される還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を種晶として用いることにより、工業的な規模でも還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を製造できる。
金属の水酸化物水溶液に、還元型グルタチオンのフリー体を溶解させてpHを5.0〜8.0に調整して還元型グルタチオンの金属塩水溶液を取得した後、当該水溶液を例えばフィルター等でろ過してから濃縮する。
濃縮水溶液を一旦冷却してから、C1〜C6のアルコールを徐々に添加して攪拌後、還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を種晶として添加する。
析出した結晶を熟成させた後、再び冷却してから還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を分離する。分離した結晶を乾燥することで還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を取得することができる。
得られる還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶として好ましくは、還元型グルタチオンとナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属との塩の一水和物結晶であり、より好ましくは還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶である。
金属の水酸化物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、特にナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれる金属の水酸化物が好ましい。金属の水酸化物として最も好ましくは、水酸化ナトリウムをあげることができる。
金属の水酸化物水溶液に、還元型グルタチオンのフリー体を溶解させて通常はpHを5.0〜8.0、好ましくは5.5〜7.5、より好ましくは6.0〜7.0に調整し、還元型グルタチオンの金属塩の水溶液を取得する。還元型グルタチオンの金属塩の水溶液は、通常400〜900g/L、好ましくは500〜850g/L、より好ましくは600〜800g/Lになるまで減圧濃縮する。
濃縮水溶液は、通常10〜30℃、好ましくは15〜28℃、より好ましくは20〜25℃に冷却してからC1〜C6のアルコール、好ましくは濃縮水溶液の0.1〜3倍量、好ましくは0.5〜2倍量、より好ましくは当該濃縮水溶液とほぼ等量のメタノールまたはエタノールを、少量ずつ徐々に添加する。メタノールまたはエタノールを添加する速度は、例えば当該濃縮水溶液が100mlである場合、1.0〜2.0ml/minをあげることができる。
種晶として添加する還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶の量は、濃縮水溶液に含まれる還元型グルタチオンの量(フリー体換算)に対し、例えば、0.1〜5%、好ましくは0.2〜3%、より好ましくは0.3〜2%をあげることができる。
種晶を添加後、室温〜80℃の間の任意の温度におくことにより、析出してくる結晶を熟成させることができる。加温は例えば20℃/時間の割合で行うことが好ましい。
熟成時間は任意でよく、好ましくは30分間〜20時間、より好ましくは1時間〜15時間をあげることができる。
加温熟成した場合は、冷却した後、当該冷却温度で結晶を熟成させることが好ましい。冷却は、例えば5℃/時間の割合で行うことができ、熟成温度としては15℃〜室温、より好ましくは20〜25℃をあげることができる。
熟成時間は任意でよく、好ましくは30分間〜5時間、より好ましくは1時間〜3時間をあげることができる。
熟成後、結晶をろ過または遠心分離することで結晶分離し、その後結晶を乾燥、例えば減圧乾燥することにより還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を取得することができる。
[還元型グルタチオンの金属塩の無水結晶の製造方法]
上記で取得された還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶について、従来公知の任意の方法、例えば、減圧乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、通風乾燥等により乾燥させることで白色の還元型グルタチオンの金属塩の無水結晶が得られる。好ましくは、還元型グルタチオンの金属塩の一水和物結晶を80℃以上で、3時間以上乾燥させる方法を挙げることができる。具体的には、例えば還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶を105℃下で20時間通風乾燥することにより、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶が得られる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
結晶転移による還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造1
(1)還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスの製造
還元型グルタチオンのフリー体の結晶(協和発酵バイオ株式会社製)0.5gに、超純水50mLおよび2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液813μLを加え、還元型グルタチオンを完全に溶解させた。液体窒素中に溶解液が入った容器を入れ、該溶液を急速凍結した後、凍結乾燥機中で3日以上減圧乾燥させることで、還元型グルタチオン・ナトリウム塩のアモルファスを取得した。
(2)還元型グルタチオンの金属塩結晶への転移
上記(1)で取得した還元型グルタチオン・ナトリウム塩のアモルファス50mgをヘキサン1.0mLに分散させた後、水を5μL添加し7日間攪拌した。析出した結晶をヌッチェろ過で分離し、その後減圧乾燥することで還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶を取得した。
[実施例2]
結晶転移による還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造2
実施例1(1)と同じ方法で取得した還元型グルタチオンのナトリウム塩のアモルファス250mgをヘキサン5mLに分散させた後、80%エタノール水溶液55μLを添加し7日間攪拌した。析出した結晶をヌッチェろ過で分離し、その後減圧乾燥することで還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶を取得した。
(試験例1)
粉末X線回折分析
実施例1および2で取得された還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶を、粉末X線回折分析に供した。
分析条件および実施例1で取得した結晶の測定結果は以下のとおりである。
分析装置:リガク電機社製 試料水平型多目的X線回折装置UltimaIV
測定条件:X線源はCuKα、測定波長1.541Å、モノクロメーターを使用した単色化は未実施のKα線を使用
Figure 0006830434
また、粉末X線回折分析のチャート図を、図1に示した。
実施例2で取得した結晶も上記と同様の方法で分析し、図1のチャート図と実施例2で取得した結晶のチャート図とを比較したところ、両者はよく一致した。よって、実施例2で取得された結晶は、実施例1で取得された結晶と同一の結晶形であることが確認された。
(試験例2)
水分含量の測定
実施例1で取得された結晶を以下の条件の熱分析に供した。
測定装置:エスエスアイナノテクノロジーズ社(現:日立ハイテクノロジーズ社)製熱分析装置TG/DTA 6200型
測定条件:50℃から170℃まで速度2℃/hで昇温した時の重量変化量から水分含量を算出
昇温開始から分解(170℃付近)までに約5%の重量減少が確認された。還元型グルタチオン・ナトリウム塩の理論水分値から、実施例1で取得された結晶は一水和物結晶であると考えられた。
(試験例3)
吸湿性試験
実施例1(1)で取得した還元型グルタチオン・ナトリウム塩のアモルファスと、実施例1で最終的に取得した還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶の吸湿性を、以下の条件下で比較した。
保管条件:40℃、相対湿度75%(飽和食塩水で調整)
測定条件:サンプル約0.3gを精密天秤によって評量後、プラスチック容器に充填し、上記条件にて保管後、再度サンプルを評量して重量変化率を算出した
結果は以下のとおりであった。なお、試験開始時のそれぞれの重量を100%として各経過時間のサンプルの重量を測定した。表5中、−は測定しなかったことを示す。
Figure 0006830434
アモルファスと比較して、結晶は吸湿しにくく保存安定性に優れていることが確認された。
[実施例3]
還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶の製造
フリー体のグルタチオン結晶(KOJIN.Co.Ltdより購入)310gを水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調整し、1000mLとした。得られた水溶液のうち250mLを次の工程に供した。
当該250mLの水溶液を濃縮して100mLとした濃縮液を25℃に維持しつつ、100%−メタノールを110mLを1時間かけて滴下した後、実施例1で得られた結晶を種結晶として0.75g添加し、結晶を起晶させた。結晶スラリーを70℃で1時間、25℃で12時間熟成させた後に当該結晶を濾取し、25℃で通風乾燥させることにより、35.7gの還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶を得た。
(試験例4)
粉末X線回折分析
実施例3で取得された還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶を、粉末X線回折分析に供した。
分析条件および実施例3で取得した結晶の測定結果は以下のとおりである。
分析装置:リガク電機社製 試料水平型多目的X線回折装置UltimaIV
測定条件:X線源はCuKα、測定波長1.541Å、モノクロメーターを使用した単色化は未実施のKα線を使用
図1のチャート図と実施例1で取得した結晶のチャート図とを比較したところ、両者はよく一致した。よって、実施例1で取得された結晶は、実施例1で取得された結晶と同一の結晶形であることが確認された。
(試験例5)
単結晶X線構造解析
結晶の構造を決定するために、実施例3で取得された還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶に対し、測定装置(アジレント・テクノロジー社製単結晶X線構造解析装置SuperNova)を用いて単結晶X線回折(SXRD)を実施した。まず、還元型グルタチオンの金属塩の単結晶を回折計に取り付け、室温の大気中あるいは所定の温度の不活性ガス気流中で、所定の波長のX線を用いて、回折画像を測定した。次に、回折画像から算出された面指数と回折強度の組から、直接法による構造決定と最小二乗法による構造精密化[Acta Cryst.A64,112(2008)]を行い、単結晶構造を得た。その結果を表6にまとめる。
上記測定の結果、当該結晶が確かに還元型グルタチオン・ナトリウム塩の結晶であり、単位格子内に水分子を有する一水和物であることが確認された。また、フラック パラメーター(Flack parameter)[Acta Cryst.A39,876.(1983)]は−0.12(11)とほぼ0となることから、解析結果の絶対構造に矛盾がないことを確認した。
Figure 0006830434
[実施例4]
還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶の製造
実施例3で取得された還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶5.0gを105℃下で20時間通風乾燥することにより、4.6gの白色結晶が得られた。
(試験例6)
水分含量の測定
実施例4で取得された結晶を以下の条件で測定した。
測定装置:平沼産業社製自動水分測定装置AQV―2200
当該結晶に含まれる水分量をカールフィッシャー法により測定した結果、1.3重量%であり、理論水分量との比較から、当該還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶は、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶であることがわかった。
(試験例7)
粉末X線回折分析
実施例4で取得された還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶を、上述の試験例4と同様の手順で粉末X線回折分析に供した。その結果を表7に示す。また、粉末X線回折分析のチャート図を、図2に示した。
Figure 0006830434
表7に示す通り、実施例4で取得された結晶の粉末X線回折結果は、実施例1で得られた還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶と比較して、回折角が僅かに異なっていた。本結果は、乾燥の過程で還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶から、分子の位置や配座に大きな変化を伴うことなく水分子が脱離し、結晶格子の僅かな収縮を伴って各回折ピークの強度が変化したことによると考えられた。同様の変化は参考文献(Cryst.Growth Des.Vol.16,p1543,2016)中にも確認することができる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお本出願は、2015年3月31日付で出願された日本特許出願(特願2015−074084)に基づいており、その全体が引用により援用される。
本発明により、例えば健康食品、医薬品、化粧品等の製品、原料または中間体等として有用である還元型グルタチオンの結晶が提供される。

Claims (15)

  1. 還元型グルタチオンの金属塩の結晶であって、
    前記還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオンとナトリウムとの塩(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩」という)の結晶(以下、「還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶」という)であり、
    前記還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶であり、
    粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有することを特徴とする
    還元型グルタチオンの金属塩の結晶。
  2. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに20.16°±0.20°、24.68°±0.20°、26.30°±0.20°、27.68°±0.20°および33.20±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  3. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに17.90°±0.20°、20.86°±0.20°、22.10°±0.20°および25.30°±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  4. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに6.42±0.20°、18.90±0.20°および29.30±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  5. 単結晶X線構造解析において、−173℃で測定した場合、次の概略的単位胞パラメーター:a=27.881Å;b=10.818Å;c=4.881Å;α=90°;β=90°;γ=90°;V=1472.2Å;Z=4;を有し、かつ空間群がP2(#19);である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶。
  6. 還元型グルタチオンの金属塩の結晶であって、
    前記還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶であり、
    前記還元型グルタチオン・ナトリウム塩結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶であり、
    粉末X線回折において、回折角(2θ)が、25.92°±0.20°、20.28°±0.20°および27.28°±0.20°にピークを有することを特徴とする

    還元型グルタチオンの金属塩の結晶
  7. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに20.52°±0.20°、25.02°±0.20°、21.26°±0.20°、26.66°±0.20°および28.08±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  8. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに22.48°±0.20°、33.56°±0.20°、19.70°±0.20°および18.32°±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  9. 粉末X線回折において、回折角(2θ)が、さらに19.26±0.20°、28.74±0.20°および29.64±0.20°にピークを有することを特徴とする請求項記載の結晶。
  10. 還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液に水を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含み、
    前記還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶であり、
    粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有することを特徴とする
    還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
  11. 疎水性有機溶媒が、ヘキサン又はトルエンである請求項10記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
  12. 還元型グルタチオンの金属塩のアモルファスを疎水性有機溶媒に懸濁した後、得られた懸濁液にメタノール又はエタノールの水溶液を添加することにより還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含み、
    前記還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶であり、
    粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有することを特徴とする
    還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
  13. 金属の水酸化物水溶液に還元型グルタチオンのフリー体を溶解させてpHを5.0〜8.0に調整し、還元型グルタチオンの金属塩の水溶液を取得した後、得られた水溶液を濃縮し、次に当該濃縮水溶液に対して0.1〜3倍量のC1〜C6のアルコールを該濃縮水溶液に少量ずつ徐々に添加し、その後還元型グルタチオンの金属塩の結晶を種晶として添加して還元型グルタチオンの金属塩の結晶を析出させる工程を含み、
    前記種晶である還元型グルタチオンの金属塩の結晶が、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶であり、
    粉末X線回折において、回折角(2θ)が、19.90°±0.20°、25.58°±0.20°および26.88°±0.20°にピークを有することを特徴とする
    還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
  14. C1〜C6のアルコールが、メタノールまたはエタノールである請求項13記載の還元型グルタチオンの金属塩の結晶の製造方法。
  15. 還元型グルタチオン・ナトリウム塩の一水和物結晶を、80℃以上で、3時間以上乾燥させることを特徴とする、還元型グルタチオン・ナトリウム塩の無水結晶の製造方法。
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