本発明の遊技機の実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施形態に係る遊技機として回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)であるパチスロ遊技機を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機は、このパチスロ遊技機に限定されるわけではない。これ以外のパチスロ遊技機だけでなく、例えば、パチンコ遊技機等、パチスロ遊技機以外の遊技機であってもかまわない。また、金属等で作られた実在するメダル等を遊技媒体として利用せずに、電子データのみを取り扱うことで遊技を行うことができる、いわゆるメダルレスのパチスロ遊技機であってもかまわない。
なお、本明細書において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10に向かって位置する遊技者から見て左側の方向を「左」方向とし、遊技者から見て右側の方向を「右」方向とする。同様に、「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の上方向や下方向を意味する。また、遊技機10の正面から遊技者に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、遊技機10における各部材の説明についても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材が遊技機10の所定位置に配置されている状態において遊技者から見た方向としている。
(遊技機10の外観構成)
本実施形態1に係る遊技機の外観構成について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。
図1に示すように、遊技機10は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、メダル払出口12から払い出されたメダルを貯留するメダル受け皿5と、外周面に図柄8が描かれていてこれら図柄8を変動表示する3つのリール14a、14b、14cと、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための上部ランプ1、上サイドランプ2a、中サイドランプ2b及び下サイドランプ2cと、音声演出を行うためのスピ−カー17と、を備えている。なお、3つのリール14a、14b、14cの外周面に形成された図柄8は、遊技機10の前扉10b(図2を参照)に形成されたリール窓10eによって遊技者から視認可能である。また、上サイドランプ2a、中サイドランプ2b、下サイドランプ2c及びスピ−カー17は、それぞれ左右に1つずつ配置されている。
また、遊技機10は、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン(前扉側機器)18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン(前扉側機器)19と、リール14a、14b、14cの回転を開始するためのスタートレバー(前扉側機器)20と、リール14a、14b、14cの回転をそれぞれ停止するための3つのストップボタン(前扉側機器)22a、22b、22cと、遊技中の所定の演出を切り替える等の遊技者が操作をするための演出用ボタン7と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン(前扉側機器)25と、メダルの貯留枚数を表示するクレジット枚数表示器(前扉側機器)26と、入賞成立時等において遊技機10から払い出されたメダルの払出枚数を表示する払出枚数表示器(前扉側機器)27と、「有利区間」及び「非有利区間」への移行を報知する区間報知ランプ(前扉側機器)37と、を備える。なお、演出用ボタン7にはランプも内蔵されており、点灯及び消灯により、遊技者に所定の報知を行うことができる。また、クレジット枚数表示器26及び払出枚数表示器27は、それぞれ7セグメントの小型のLED(発光ダイオード)により構成されており、2桁の数字を表示可能である。
ここで、「有利区間」とはストップボタン22a、22b、22cの操作態様を報知可能な遊技状態であり、「非有利区間」とはストップボタン22a、22b、22cの操作態様を報知不可能な遊技状態である。なお、ストップボタン22a、22b、22cの操作態様としては、役抽選の抽選結果(具体的には当選役)に対して予め設定されている押し順(停止操作順序)であって、例えば抽選結果に対して複数の押し順が設定されている場合に、遊技者にとって最も有利となる押し順が相当する。例えば、いわゆる「順押し」の場合は1枚のメダルが払い出され、いわゆる「逆押し」の場合は15枚のメダルが払い出される。一般的には、「非有利区間」中の遊技において、所定の移行条件が成立(例えば役抽選により特定の移行役に当選)した場合に、所定の抽選(有利区間移行抽選)に当選することで、「非有利区間」から「有利区間」へ移行可能となる。一方、「有利区間」中の遊技において、所定の終了条件が成立した場合は「有利区間」から「非有利区間」へ移行する。なお、上記所定の終了条件としては、例えば、「有利区間」中の消化ゲーム数が1500ゲームに達すること、である。
第1リールであるリール14a、第2リールであるリール14b及び第3リールであるリール14cは、それぞれ、この順で、遊技者から見て左から右へと並んで配置されており、これらリール14a、14b、14cに対応してリール14a、14b、14cの回転を停止させるためのストップボタン22a、22b、22cも、遊技者から見て左から右へとこの順で並んで配置されている。
この遊技機10は、ベットされたメダルの枚数が予め定められた規定枚数(例えば3枚)に達した状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール14a、14b、14cが一斉に回転を開始し、ストップボタン22a、22b、22cがそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン22a、22b、22cに対応する各リール14a、14b、14cの回転が停止し、すべてのリール14a、14b、14cが停止したときにリール窓10eの有効ライン上に表示される図柄8の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値(本実施形態では50枚)に達しているときに、メダルが払い出される場合は、ホッパーユニット36(図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。また、メダル払出口12から払い出されたメダルは、メダル受け皿5に貯留される。このように、クレジット枚数の上限値は決まっており、上限値を超えて遊技機10内にメダルを貯留することはできない。しかし、メダル投入口11にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合に、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は遊技機10内に貯留されて、メダルのクレジット枚数が増加する。
ここで、リール14a、14b、14cの外周面には、例えば、「白セブン」、「赤セブン」、「バー1」、「バー2」、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」等の複数の図柄8が形成されている。これらの図柄8は、例えば、それぞれの絵柄がプリントされたテープをリール14a、14b、14cの外周面に貼付されることで形成されている。
図2に示すように、遊技機10は、遊技機筐体10dを備えている。遊技機筐体10dは、前方が開放された箱状である筺体本体10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられていて、リール14a、14b、14cの外周面に形成された図柄8を遊技者から視認可能とするリール窓10eが形成された前扉10bとを有し、これら筺体本体10a及び前扉10bが遊技機筺体10dを構成する。この遊技機筐体10dの内部には、各種の機器が収容されている。なお、機器とは、モータ等を有し電気により動作する装置だけでなく、電子素子等が搭載された基板や、単に電気接続を中継するだけの基板等も含み、電気的接続がなされているものすべてをいう。本実施形態において、遊技機筺体10dの内部には、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、ホッパーユニット(本体側機器)36、リールユニット(本体側機器)41、操作部中継基板(中継用の基板)34、外部集中端子板52及び電源中継基板(中継用の基板)44等が納められている。また、遊技機筐体10dの内部には、投入されたメダルが正規のものか否かを選別するメダルセレクタ(前扉側機器)51も設置されている。
メイン制御基板ユニット30は、基板ケース114(図4を参照)と、基板ケース114内に収納されたメイン制御基板100(図3及び図5を参照)と、設定変更基板42(図3を参照)と、を備えている。詳細は後述するが、メイン制御基板100は、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板である。また、設定変更基板42は、遊技機10においてボーナス等に当選する確率を変更するための設定キースイッチ55及び設定変更スイッチ56や、設定値を表示するための設定表示器57を有する電子基板である。
サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板であるサブ制御基板200(図3を参照)を備えている。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16及び液晶ディスプレイ16に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板である映像基板を備えている。
また、電源ユニット33は、筺体本体10a内の下部に設けられている。電源ユニット33は各部材に電力を供給するものであり、遊技機10に対して電源投入操作又は電源遮断操作を行う電源スイッチと、遊技機10における各部品に電力を供給する電子基板である電源基板と、を備えている。
ホッパーユニット36は、メダル投入口11に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板100からの信号に基づいてメダル払出口12(図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板であるホッパー制御基板を備えている。リールユニット41は、リール14a、14b、14cの回転をそれぞれ独立して制御する電子基板であるリール駆動基板等を備えている。
詳細は後述するが、操作部中継基板34、外部集中端子板52及び電源中継基板44は、特定の機器に接続されたケーブルを中継する電子基板である中継基板である。また、メダルセレクタ51は、メダル投入口11に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット36に導く。
(遊技機10の電気的な構成)
図1及び図2に加えて、図3を参照しながら、遊技機10の電気的な構成について説明する。なお、図3は、本発明の実施形態に係る遊技機における電気的接続を概略的に示すブロック図である。なお、図3では、信号の入出力について示しており、電力の供給については示していない。したがって、電源ユニット33等については図示していない。以下の説明についても、主に信号の入出力について説明する。また、以下の各部材の説明において、すでに説明した内容については省略することがある。
(設定変更基板42)
上述したように、設定変更基板(ケース内基板)42は、メイン制御基板100と同様に基板ケース114(図4を参照)内に収納されている。なお、基板ケース114は、筺体本体10a内において、筺体本体10aの背板10cに設置されている。設定変更基板42は、設定キースイッチ55と、設定変更スイッチ56と、設定表示器57と、を備えている。設定変更スイッチ56及び設定キースイッチ55を操作することにより設定変更を行うことが可能である。また、設定された設定値が、設定表示器57に表示される。
ここで、遊技機10においては、予め設定された当選確率に応じてボーナス等の役に決定されるか否かの抽選が行われるが、設定値を変更することにより、この当選確率を変更することが可能である。具体的には、遊技機10は、設定1〜設定6の6つの設定値を有しており、ボーナスを含む役に決定される抽選確率が設定値毎に異なっている。なお、設定変更スイッチ56は遊技機筐体10d内部に配置されていることから、遊技店側である管理者は設定値を変更することができるが、遊技者が設定値を変更することはできない。
設定表示器57は、例えば7セグメントの小型のLEDにより構成されており、現在の設定値を表示する。なお、設定表示器57も遊技機筐体10d内に配置されていることから、遊技者が設定値を認識することは困難である。さらに、設定値を設定した後、所定時間が経過すると、設定表示器57の表示が消えるように設定されている。これにより、設定値を変更した者以外に設定値が漏れることが防止される。
前扉10bを開けた状態で、基板ケース114の一部を開けて外部に露出させた設定変更基板42の設定キースイッチ55及び設定変更スイッチ56等を用いて所定の操作を行うことにより、設定値を変更して確定することができる。なお、設定キースイッチ55を操作するためには専用のキーが必要であることから、遊技者等が勝手に操作することはできない。また、設定表示器57には設定値が表示される。なお、基板ケース114において設定変更基板42を外部に露出することは可能であるが、不正行為を防止するために、メイン制御基板100が外部に露出されることはない。
(外部集中端子板52)
遊技機筐体10dの内部において右側には、遊技データ等の信号を遊技機10の外部に出力するための外部集中端子板52が設けられている。外部集中端子板52は、メイン制御基板100と配線されるコネクタや、外部機器と配線されるコネクタが設けられた端子板である。遊技機10は、外部集中端子板52を介して、データ表示器等の遊技島設備やホールコンピュータ等と電気的に接続されている。
(リールユニット41)
リール窓10eの後方向(奥方向)には、各リール14a、14b、14cにそれぞれ対応した3つのステッピングモータであるリール駆動モータ60a、60b、60cと、リール駆動モータ60a、60b、60cによってそれぞれ回転させられる3つのリール14a、14b、14cと、各リール14a、14b、14cの回転位置を検出するためのリール位置センサ65a、65b、65cと、これらを保持するユニットホルダ(図示せず)と、を備えるリールユニット41が配置されている。なお、リール位置センサ65a、65b、65cは、例えば光センサであって、各リール14a、14b、14cの原点位置を検出することにより、リール14a、14b、14cが一回転したことを示すリールインデックス信号を出力する。なお、リールインデックス信号に基づいて図柄8の位置を把握することも可能となる。
さらに、リールユニット41は、リール駆動モータ60a、60b、60c及びメイン制御基板100間の信号を中継し、リール位置センサ65a、65b、65c及びメイン制御基板100間の信号を中継する回胴中継基板43を備えている。具体的には、リール駆動モータ60a、60b、60cの動作を制御するためにメイン制御基板100からリール駆動モータ60a、60b、60cに信号が送信され、リール位置センサ65a、65b、65cにより検出されたリールインデックス信号がメイン制御基板100に送信されている。そして、回胴中継基板43が、これらリール駆動モータ60a、60b、60c及びリール位置センサ65a、65b、65cと、メイン制御基板100との間において、信号を中継する。
(扉開閉用スイッチ53)
筺体本体10a内の下部には、前扉10bの開閉を検知する扉開閉用スイッチ(本体側機器)53が配置されている。例えば、前扉10bが閉じられた状態で前扉10bが扉開閉用スイッチ53を押圧して扉開閉用スイッチ53がオンとなり、前扉10bが開かれた場合は扉開閉用スイッチ53と前扉10bとが離間して、扉開閉用スイッチ53の押圧が解除されて扉開閉用スイッチ53がオフとなるように扉開閉用スイッチ53が配置されている。
(ホッパーユニット36)
筺体本体10a内の下部にはメダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット36が設けられている。ホッパーユニット36は、メダルセレクタ51から送られてきた正規のメダルを貯留するメダルタンク(図示せず)と、メダルをメダル払出口12へと移動させるように駆動するホッパーモータ61と、ホッパーユニット36の出口付近に設けられてメダル払出口12から払い出されたメダル数を検出する払出センサ67と、メダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンク(図示せず)と、補助タンク内がメダルで満たされたことを検出するオーバーフローセンサ68と、を有する。
(メダルセレクタ51)
前扉10bの裏側(後側)において、メダル投入口11の近傍には、投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット36に導くメダルセレクタ51が設けられている。メダルセレクタ51は、メダル投入口11に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ66と、メダルの進路を制御するためにメダル流路を切換える流路切換ソレノイド69と、を備えている。
なお、前扉10bの裏側には図示しないメダル通路が設けられている。例えば、メダルセレクタ51によって非正規のメダルと判断されたメダルや、後述するホッパーユニット36から払い出されたメダルは、このメダル通路を通じてメダル払出口12に導かれ、メダル払出口12から遊技機筐体10dの外部に払い出される。
(電源中継基板44)
筺体本体10aには、扉開閉用スイッチ53及びメイン制御基板100間の信号を中継し、ホッパーユニット36及びメイン制御基板100間の信号を中継する電源中継基板44が配置されている。
(操作部中継基板34)
前扉10bの裏側(後側)には、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、ストップボタン22a、22b、22c、メダルセレクタ51、払戻しボタン25、クレジット枚数表示器26、払出枚数表示器27及び区間報知ランプ37のそれぞれと、メイン制御基板100との間の信号を中継する操作部中継基板34が配置されている。
(制御装置)
遊技機10は、全体の動作を制御するための制御装置を備えている、この制御装置はメイン制御基板100及びサブ制御基板200を有している。なお、メイン制御基板100への不正アクセスを防止するために、メイン制御基板100からサブ制御基板200への通信は行われるが、サブ制御基板200からメイン制御基板100への通信は行うことができないように構成されている。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板ユニット30は筺体本体10a内に配置されており、メイン制御基板100を備えている。なお、メイン制御基板100は、基板ケース114に収納されている。メイン制御基板100は、遊技機10の動作を制御し、特に遊技を進行させて遊技状態を制御する。メイン制御基板100は、メインCPU111と、メインROM112と、メインRAM113と、を有するマイクロコンピュータを主要な構成要素とする。
メインROM112には、メインCPU111により実行される制御プログラムや、内部抽選テーブル等のデータテーブルや、サブ制御基板200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。また、メインRAM113には、制御プログラムの実行により決定された当選役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。また、メインCPU111は、制御プログラムを実行し、遊技機10の動作を制御する。
メイン制御基板100には、設定変更基板42(設定キースイッチ55、設定変更スイッチ56)、リールユニット41(リール位置センサ65a、65b、65c)、扉開閉用スイッチ53、ホッパーユニット36(払出センサ67、オーバーフローセンサ68)、スタートレバー20、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、ストップボタン22a、22b、22c、メダルセレクタ51(投入センサ66)及び払戻しボタン25からの信号が入力される。また、メイン制御基板100から、設定変更基板42(設定表示器57)、外部集中端子板52、リールユニット41(リール駆動モータ60a、60b、60c)、ホッパーユニット36(ホッパーモータ61)、メダルセレクタ51(流路切換ソレノイド69)、クレジット枚数表示器26、払出枚数表示器27、区間報知ランプ37及びサブ制御基板200に信号を出力する。
上述したように、メイン制御基板100は、各部品との間で信号の入出力を行うが、リールユニット41(リール位置センサ65a、65b、65c、リール駆動モータ60a、60b、60c)に対しては、回胴中継基板43(リールユニット41)を介して信号の入出力を行う。また、メイン制御基板100は、扉開閉用スイッチ53及びホッパーユニット36(払出センサ67、ホッパーモータ61、オーバーフローセンサ68)に対しては、電源中継基板44を介して信号の入出力を行う。また、メイン制御基板100は、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、ストップボタン22a、22b、22c、メダルセレクタ51(投入センサ66、流路切換ソレノイド69)、払戻しボタン25、クレジット枚数表示器26、払出枚数表示器27及び区間報知ランプ37に対しては、操作部中継基板34を介して信号の入出力を行う。また、メイン制御基板100は、設定変更基板42、外部集中端子板52及びスタートレバー20に対しては、中継基板を介さずに直接信号の入出力を行う。
このように、各部品の中には、メイン制御基板100と直接接続されるわけではなく、中継基板を介して接続される部品がある。つまり、メイン制御基板100と各部品がそれぞれ一対一で接続されているわけではなく、そのため、メイン制御基板100のコネクタの数は接続されるすべての部品の数だけ必要というわけではない。したがって、それぞれ複数の部品と接続される回胴中継基板43、電源中継基板44及び操作部中継基板34を設けたことにより、メイン制御基板100が有するコネクタの数が増加することを抑制することができる。具体的には、メイン制御基板100は、設定変更基板42、外部集中端子板52、回胴中継基板43、電源中継基板44、スタートレバー20、操作部中継基板34及びサブ制御基板200のそれぞれと接続されるコネクタを有していればよく、詳細は後述するが、本実施形態においてメイン制御基板100が有するコネクタは、7つあればよい。
(サブ制御基板200)
サブ制御基板200は、メイン制御基板100と電気的に接続されており、メイン制御基板100から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。例えば、遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出等も行う。サブ制御基板200は、サブCPU201と、サブROM202と、サブRAM203と、を有するマイクロコンピュータを主要な構成要素とする。
サブCPU201は、メイン制御基板100から送信されたコマンドに応じて、サブROM202に記憶されている制御プログラムに従い、画像、音、光等の出力の制御を行う。サブRAM203には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、メイン制御基板100から送信される内部当選役等の各種データを格納する格納領域等が設けられている。また、サブROM202には、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とが設けられている。
サブ制御基板200には、演出用ボタン7及びメイン制御基板100からの信号が入力される。また、サブ制御基板200から、演出用ボタン7、上部ランプ1、上サイドランプ2a、中サイドランプ2b、下サイドランプ2c、スピーカー17及び液晶ユニット32(液晶ディスプレイ16)に信号を出力する。
(メイン制御基板ユニット30の構成)
次に、メイン制御基板ユニット30構成について図面を用いて説明する。図4は、発明の実施形態に係る遊技機の制御基板ユニットの外観の概略構成を示す斜視図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る遊技機における基板ケース内の基板の概略構成を示す図である。また、図6は、本発明の実施形態に係る遊技機のメイン制御基板におけるコネクタの配線を示すための配線図である。
図4に示すように、メイン制御基板ユニット30は、基板ケース114を備えている。基板ケース114の内部には、メイン制御基板100及び設定変更基板42が収納されている。また、基板ケース114には、内部に収納されたメイン制御基板100が有するコネクタ(第1コネクタ)CN4、コネクタ(第2コネクタ)CN6、コネクタ(第2コネクタ)CN5、コネクタ(第3コネクタ)CN7、コネクタ(第1コネクタ)CN3及びコネクタ(第3コネクタ)CN2のそれぞれに対応するコネクタ孔115a、コネクタ孔115b、コネクタ孔115c、コネクタ孔115d、コネクタ孔115e及びコネクタ孔115fが形成されている。これらコネクタ孔115a、コネクタ孔115b、コネクタ孔115c、コネクタ孔115d、コネクタ孔115e及びコネクタ孔115fから、それぞれコネクタCN4、コネクタCN6、コネクタCN5、コネクタCN7、コネクタCN3及びコネクタCN2が基板ケース114の外部に露出している。
基板ケース114内には、図5に示すメイン制御基板100及び設定変更基板42が収納されている。メイン制御基板100の下側辺には、左から右に向かって順にコネクタCN4、コネクタCN6、コネクタCN5、コネクタCN7、コネクタCN3及びコネクタCN2が配置されている。つまり、メイン制御基板100には、コネクタCN4、コネクタCN6、コネクタCN5、コネクタCN7、コネクタCN3及びコネクタCN2が直接取り付けられている。これらコネクタCN4、コネクタCN6、コネクタCN5、コネクタCN7、コネクタCN3及びコネクタCN2は、メイン制御基板100上に横一列に並んで配置されている。また、これらのコネクタから離れた位置(離間した位置)である右側辺の上方にはコネクタ(第4コネクタ)CN1が配置されている。これらコネクタCN1〜CN7にはケーブルが設けられたコネクタが接続されて、当該ケーブルの先に接続されている機器等に接続される。これにより、メイン制御基板100と、それ以外の機器等とが電気的に接続されている。なお、コネクタCN1〜CN7のさらに詳細については、後述する。また、メイン制御基板100には、メインCPU111、メインROM112、メインRAM113等の電子素子や配線等が形成されているが、図5において、それらについては図示を省略している。
また、設定変更基板42にはメイン制御基板100のコネクタCN1と電気的に接続されるコネクタCN21が配置されている。このコネクタCN1及びコネクタCN21は、いわゆる基板対基板(BtoB)用コネクタであり、ケーブル等を介さずにコネクタCN1及びコネクタCN21が直接接続され、これらが電気的に接続される。つまり、メイン制御基板100と設定変更基板42とは、コネクタCN1及びコネクタCN21により連結されることとなる。なお、ケーブルを介して、コネクタCN1及びコネクタCN21が電気的に接続されることとしてもよい。また、設定変更基板42には、設定キースイッチ55、設定表示器57及び設定変更スイッチ56が設置されている。また、設定変更基板42には、これら以外に、電子素子や配線等が形成されているが、それらについては、図5において、図示を省略している。
なお、図4において詳細は図示されていないが、基板ケース114において設定変更基板42を覆っている箇所は開放させることができる構造であり、遊技店側である管理者は遊技機10の前扉10bを開いて、さらに基板ケース114の一部を開放して設定変更基板42の一部を外部に露出させ、設定キースイッチ55及び設定変更スイッチ56を操作することにより設定値を変更し、さらにスタートレバー20を操作することで設定値を確定する。なお、基板ケース114においてメイン制御基板100を覆っている箇所は開放することがない。例えば、基板ケース114はケース部及びカバー部を有し、メイン制御基板100の両主面側からこれらがメイン制御基板100を挟むようにして組み合わされることにより、メイン制御基板100を収納する基板ケース114が構成されることとすればよい。また、基板ケース114のケース部及びカバー部にカシメ等を設けて、痕跡を残すことなくケース部及びカバー部を分離することが困難な構造とすればよい。また、ケース部及びカバー部の境界に封印シールを貼り付ける等してもよい。これにより、基板ケース114の一部を破損させる等、痕跡が残る方法でしか、メイン制御基板100を外部に露出させることはできないことから、基板ケース114のメイン制御基板100に偽造ROMを搭載させる等の不正行為が行われたことを容易に発見でき、不正行為が行われることを抑制することができる。
次に、コネクタCN1〜CN7について説明する。図6に示すように、メイン制御基板100における各コネクタCN1〜CN7は、設定変更基板42、外部集中端子板52、リールユニット41、電源中継基板44、スタートレバー20、操作部中継基板34及びサブ制御基板200と電気的に接続されている。また、設定変更基板42はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタCN21を備え、外部集中端子板52はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ52aを備え、リールユニット41(回胴中継基板43)はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ41aを備え、電源中継基板44はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ44aを備え、スタートレバー20はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ20aを備え、操作部中継基板34はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ34aを備え、サブ制御基板200はメイン制御基板100と接続されるためのコネクタ200aを備えている。
具体的には、コネクタCN4は外観が白色で、20個の端子(ピン)を有し、電源中継基板44と電気的に接続される。また、コネクタCN6は外観が白色で、36個の端子(ピン)を有し、操作部中継基板34と電気的に接続される。また、コネクタCN5は外観が青色で、3個の端子(ピン)を有し、スタートレバー20と電気的に接続される。また、コネクタCN7は外観が橙色で、3個の端子(ピン)を有し、サブ制御基板200と電気的に接続される。また、コネクタCN3は外観が青色で、24個の端子(ピン)を有し、リールユニット41と電気的に接続される。また、コネクタCN2は外観が黒色で、8個の端子(ピン)を有し、外部集中端子板52と電気的に接続される。また、コネクタCN1は外観が黄色で、3個の端子(ピン)を有し、設定変更基板42(コネクタCN21)と電気的に接続される。図示はしていないが、両端にコネクタを有するケーブルにより、各コネクタCN1〜CN7は、設定変更基板42のコネクタCN21、外部集中端子板52のコネクタ52a、リールユニット41のコネクタ41a、電源中継基板44のコネクタ44a、スタートレバー20のコネクタ20a、操作部中継基板34のコネクタ34a及びサブ制御基板200のコネクタ200aと電気的に接続されている。
なお、配線の誤りを防止するために、コネクタ同士を接続する場合は、同じ色のコネクタと接続される。つまり、コネクタCN4と電源中継基板44とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN4と同様に白色であり、コネクタ44aも白色である。また、コネクタCN6と操作部中継基板34とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN6と同様に白色であり、コネクタ34aも白色である。また、コネクタCN5とスタートレバー20とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN5と同様に青色であり、コネクタ20aも青色である。また、コネクタCN7とサブ制御基板200とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN7と同様に橙色であり、コネクタ200aも橙色である。また、コネクタCN3とリールユニット41とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN3と同様に青色であり、コネクタ41aも青色である。また、コネクタCN2と外部集中端子板52とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN2と同様に黒色であり、コネクタ52aも黒色である。また、設定変更基板42のコネクタCN21はコネクタCN1と同様に黄色であり、コネクタCN1と設定変更基板42とを電気的に接続するケーブルの両端のコネクタもコネクタCN1と同様に黄色である。これにより、配線作業者は同じ色のコネクタ同士を接続すればよいことから、配線の誤りを抑制することができる。
ここで、コネクタCN4及びコネクタCN6は共に白色であり、コネクタCN3及びコネクタCN5は共に青色である。このように、互いに同じ色であるコネクタの組合せ(コネクタCN4、コネクタCN6)及び(コネクタCN3、コネクタCN5)が存在している。つまり、メイン制御基板100が有する複数のコネクタには、互いに同じ色の2つのコネクタの組合せが複数含まれている。これらのうち、一方のコネクタは筺体本体10a側に配置された機器(本体側機器)等に接続され、他方のコネクタは前扉10b側に配置された機器(前扉側機器)等に接続される。つまり、いずれも白色であるコネクタCN4及びコネクタCN6の組合せにおいて、一方のコネクタCN4は筺体本体10aに配置された電源中継基板44(コネクタ44a)と接続され、他方のコネクタCN6は前扉10bに配置された操作部中継基板34(コネクタ34a)と接続される。また、いずれも青色であるコネクタCN3及びコネクタCN5の組合せにおいて、一方のコネクタCN3は筺体本体10aに配置されたリールユニット41(コネクタ41a)と接続され、他方のコネクタCN5は前扉10bに配置されたスタートレバー20(コネクタ20a)と接続される。なお、コネクタCN4及びコネクタCN6は白色であり、コネクタCN5及びコネクタCN3は青色としたが、コネクタCN4及びコネクタCN6が互いに同じ色であり、コネクタCN5及びコネクタCN3が互いに同じ色であり、かつ、コネクタCN4及びコネクタCN6とコネクタCN5及びコネクタCN3とが互いに異なる色であればよく、コネクタの色は白色及び青色以外の色であってもよい。また、コネクタCN4及びコネクタCN6はいずれも白色としたが、例えば純白と乳白色としてもよく、同じ色とみなされる色とすればよい。また、同様に、コネクタCN5及びコネクタCN3についても、例えば青色と紺色としてもよく、同じ色とみなされる色とすればよい。
また、コネクタCN7は橙色であり、コネクタCN2は黒色であり、コネクタCN1は黄色であり、これらコネクタCN7、CN2、CN1はそれぞれ同じ色のコネクタが存在しない。このように同じ色のコネクタが他にはない、単独の色であるコネクタの一つであるコネクタCN2は、メイン制御基板100からの信号を遊技機10の外部に出力するための外部集中端子板52(コネクタ52a)と接続される。なお、メイン制御基板100から外部集中端子板52に信号が送信されるが、外部集中端子板52からメイン制御基板100に信号が送信されることはない(図2を参照)。
また、同じ色のコネクタが他にはない単独の色であるコネクタの一つであるコネクタCN7は、メイン制御基板100から送信されるコマンド(信号)に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行うサブ制御基板200(コネクタ200a)と接続される。なお、メイン制御基板100からサブ制御基板200に信号が送信されるが、サブ制御基板200からメイン制御基板100に信号が送信されることはない(図2を参照)。
また、同じ色のコネクタが他にはない単独の色であるコネクタの一つであるコネクタCN1は、メイン制御基板100と同様に基板ケース114内に収納された設定変更基板42(コネクタCN21)と接続される。なお、コネクタCN1は、メイン制御基板100上の他のコネクタCN2〜CN7とは異なり、基板ケース114の外部には露出していない(図4を参照)。
ここで、遊技機10において、スタートレバー20、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、ストップボタン22a、22b、22c及び払戻しボタン25等の操作手段は、頻繁に外力を受けるため故障しやすく、交換等の修理を行う可能性が高いといえる。これら操作手段は、すべて前扉10bに設置されており、操作手段のうちスタートレバー20は、メイン制御基板100と直接接続されるが、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、ストップボタン22a、22b、22c及び払戻しボタン25は操作部中継基板34を介してメイン制御基板100と接続されている。なお、操作部中継基板34は前扉10bに配置されている。メイン制御基板100においてスタートレバー20には青色のコネクタCN5が接続され、操作部中継基板34には白色のコネクタCN6が接続されている。つまり、コネクタCN5とコネクタCN6とは互いに異なる色である。このような構成であることから、配線作業を含む修理作業が行われやすい操作手段(スタートレバー20)及び操作手段に接続される基板(操作部中継基板34)については、すべて前扉10b側に配置されている。このように、配線作業が発生しやすい機器のコネクタが前扉10b側に集約されており、かつ、スタートレバー20と操作部中継基板34とでメイン制御基板100と接続されるコネクタの色が異なっていることから、各コネクタの識別性が高く、作業者による配線の誤りが生じにくい。
また、メイン制御基板100(メイン制御基板ユニット30)において、基板ケース114の外部の機器等と接続されるコネクタのうち、筺体本体10a側に配置されている機器と接続されるのはコネクタ白色のCN4、青色のコネクタCN3及び黒色のコネクタCN2の3つであり、一方、前扉10b側に配置されている機器と接続されているのは白色のコネクタCN6、青色のコネクタCN5及び橙色のコネクタCN7の3つである。このため、作業者は、筺体本体10a側の機器及び前扉10b側の機器のいずれかに偏ることなく、バランスよく配線作業を行うことができる。また、筺体本体10a側の機器に接続されるコネクタ及び前扉10b側の機器に接続されるコネクタのいずれにおいても、2つのコネクタは単独の色ではなく、同じ色(白色、青色)のコネクタが存在する。このため、作業者は、筺体本体10a側の機器及び前扉10b側の機器のいずれかに偏ることなく、バランスよく配線作業を行うことができる。
(メイン制御基板100の配線作業)
メイン制御基板100には、上述したように、コネクタCN1〜CN7の7つのコネクタが設置されているが、これらのコネクタCN1〜CN7の配線作業の一例について説明する。まず、コネクタCN1は基板ケース114内における配線なので、メイン制御基板100が基板ケース114内に収納された際には、コネクタCN1及びコネクタCN21間の配線を完了しておく。そして、基板ケース114から露出しているネクタCN2〜CN7について、まず筺体本体10a側に配置されている機器への配線の接続を行ってから、前扉10b側に配置されている機器への配線の接続を行うことが好ましい。筺体本体10a側への配線として、具体的には、コネクタCN4、コネクタCN3及びコネクタCN2について、電源中継基板44(コネクタ44a)、リールユニット41(コネクタ41a)及び外部集中端子板52(コネクタ52a)にケーブルを介して接続する。
ここで、外部集中端子板52は、メイン制御基板100からの信号を受信するが、メイン制御基板100へは信号を送信しないものであり、仮に配線を誤ると、不正行為が行われる等の不具合が生じやすいといえる。つまり、外部集中端子板52の配線は重要な配線であり、誤って配線を行うと問題が大きいといえる。ここで、コネクタCN2は黒色であり、メイン制御基板100において、他に黒色のコネクタは存在しない単独の色である。コネクタCN2が単独の色であることから、白色及び青色のコネクタと異なって、目立つこととなり、作業者は注意することとなる。したがって、作業者はコネクタCN2の配線を行う際は特に誤らないように注意することとなる。そこで、メイン制御基板100からの信号を受信するが、メイン制御基板100へは信号を送信しないコネクタについては単独の色とすることが好ましい。
筺体本体10a側に接続されるコネクタCN4(白色)、コネクタCN3(青色)及びコネクタCN2(黒色)の配線作業が完了した後には、配線がなされていないコネクタとして、互いに異なる色であるコネクタCN6(白色)、コネクタCN5(青色)及びコネクタCN7(橙色)が残っていることとなる。これにより、作業者は、筺体本体10a側への配線が正しくなされているか否かを確認することができる。つまり、筺体本体10a側の配線を完了した際に、同じ色(白色又は青色)のコネクタが2つ残っていた場合や、白色のコネクタ及び青色のコネクタがいずれも2つ残っていた場合は筺体本体10a側への配線が誤っており、作業者は、配線が誤っていることを視覚により容易に気づくことができる。したがって、このような場合は、作業者は筺体本体10a側への配線を確認することで、誤った配線箇所を見つけて、正しく配線を接続し直すこととなる。これにより、誤った配線がなされることを抑制することができる。
このようにして、作業者が筺体本体10a側における配線が正しくなされていることを確認した後は、作業者は前扉10b側の配線として、コネクタCN6、コネクタCN5及びコネクタCN7について、操作部中継基板34(コネクタ34a)、スタートレバー20(コネクタ20a)及びサブ制御基板200(コネクタ200a)にケーブルを介して接続する。なお、コネクタCN7は単独の色である橙色である。このコネクタCN7は、メイン制御基板100からの信号を受信するが、メイン制御基板100へは信号を送信しないサブ制御基板200(コネクタ200a)に接続される。つまり、コネクタCN7の配線を誤ると大きな問題となる可能性がある。上述したように、コネクタCN7は単独の色であることから、目立つこととなる。そのため、作業者は、特に注意してコネクタCN7の配線を行うこととなる。
また、本実施形態において、メイン制御基板100に設けられたコネクタは、例えば、雄型コネクタとし、筺体本体10a及び前扉10bに設置された機器に設けられたコネクタは、例えば雄型コネクタとし、これらのコネクタを接続するためのケーブルは両端に雌型コネクタを有することとし、ケーブルを介して雄型コネクタ同士を接続することとすればよい。また、筺体本体10a及び前扉10bに設置された機器の中には、例えば機器に内蔵される基板からケーブルが伸びている等、当該機器から直接ケーブルが伸びている機器が存在してもよい。このような機器については、メイン制御基板100と機器とを接続するためのケーブルは不要であり、機器から伸びているケーブルの端部に設けられたコネクタを、メイン制御基板100に設けられたコネクタに接続することとすればよい。
以上、本実施形態に係る遊技機10について説明した。遊技機10によれば、特に、メイン制御基板100におけるコネクタCN1〜CN7が、上述の構成であることから、コネクタの接続を誤りにくく、配線作業の負担を軽減できるとの効果を奏する。また、メイン制御基板100に設置するコネクタに用いる色を少なくできるにもかかわらず、配線作業が容易であるとの効果を奏する。また、このようにコネクタに用いる色を減少させることができるため、製造コストを抑制することができる。また、配線作業が容易であることから、製造効率を高くできる。また、誤った配線を行う可能性も低くなることから、不良品を減らすことができる。
また、遊技機10において、メイン制御基板100におけるすべてのコネクタの色を互いに異なるものとするのではなく、同じ色となる2つのコネクタの組合せ(コネクタCN4及びコネクタCN6の組合せ、コネクタCN3及びコネクタCN5の組合せ)を有し、これらの一方が筺体本体10a側に配置されている機器と接続され、他方が前扉10b側に配置されている機器と接続されることから、コネクタの色を増やさずに、作業者が配線先を誤りにくい構成となっている。
また、メイン制御基板100から他の機器に信号を送信するのみであり、他の機器からの信号を受信しないコネクタ(コネクタCN2、コネクタCN7)は、他に同じ色がなく単独の色であることから、作業者は単独の色であるコネクタについて特に注意して配線を行うこととなり、重大な配線間違いが生じることを抑制することができる。
また、コネクタCN2〜CN7は、メイン制御基板100上に横一列に並んで配置されていることから、コネクタを容易に認識できるため、配線作業において作業者の負担を軽減できる。また、配線が終了した後における、正しい配線がなされているかの確認作業においても、容易に確認することができる。また、コネクタに接続される配線も絡まりにくいとの効果も奏する。なお、上述したように、それぞれ複数の部品と接続される回胴中継基板43、電源中継基板44及び操作部中継基板34を有することから、メイン制御基板100のコネクタの数を減少させることができるが、これにより、メイン制御基板100のコネクタの数を、メイン制御基板100上に横一列に配置できる数に抑えることができる。なお、コネクタCN2〜CN7は、メイン制御基板100上に横一列に並んで配置されていることとしたが、所定の方向に沿って並んで配置されていればよい。つまり、メイン制御基板100上において、縦方向や斜め方向に一列に並んで配置されていればよい。
また、コネクタCN2〜CN7とは異なり基板ケース114の外部の機器とは接続されないコネクタCN1については、コネクタCN2〜CN7とは並んで配置されず、これらのコネクタCN2〜CN7とは離間した位置に配置されている。そのため、作業者は、コネクタCN1は、基板ケース114の外部の機器とは接続されないコネクタであることを容易に認識することができる。
また、前扉10bに設置された操作部中継基板34に接続されるコネクタCN6と、前扉10bに設置されたスタートレバー20に接続されるコネクタCN5と、前扉10bに設置されたサブ制御基板200に接続されるコネクタCN7と、が連続して並んで配置されている。つまり、これらコネクタCN6、コネクタCN5及びコネクタCN7は、メイン制御基板100においてまとまって配置され、これらの間に筺体本体10aに設置された機器と接続されるコネクタCN4、コネクタCN3及びコネクタCN2のいずれのコネクタが挟まれることがない。これにより、前扉10bに設置された機器に接続されるケーブルをまとめることが可能となるため、遊技機筐体10d内部の状態を確認することが容易である。そのため、例えば、遊技機筐体10d内に、不正機器が配置されたり、不正行為による痕跡が生じたりした場合に、これらを発見することが容易である。
(他の実施形態1)
上記実施形態では、設定変更基板42がメイン制御基板100と同様に基板ケース114内に収納されていることとしたが、設定変更基板42が基板ケース114に収納されておらず、例えば、筺体本体10aの背板10c等に設置されている構成であってもよい。具体的には、設定変更基板42は専用のケースに収納されており、当該専用ケースが背板10cに設置される。
図7は、本発明の他の実施形態1に係る遊技機のメイン制御基板におけるコネクタの配線を示すための配線図である。この場合は、図7に示すように、設定変更基板42のコネクタCN21と接続されるコネクタCN1は、コネクタCN2〜CN7と同様にメイン制御基板100の下側辺において他のコネクタCN2〜CN7と同様に横一列に並んで配置されることが好ましい。また、コネクタCN1も、他のコネクタCN2〜CN7と同様に、基板ケース114に設けられたコネクタ孔から外部に露出する構成とすればよい。なお、上述したように、他の実施形態1に係る遊技機において、設定変更基板42は筺体本体10aの背板10cに設置されることから、筺体本体10aに設置された機器に接続されるコネクタは、コネクタCN4、コネクタCN1、コネクタCN3及びコネクタCN2である。ここで、これらコネクタCN4、コネクタCN1、コネクタCN3及びコネクタCN2は、それぞれ、白色、黄色、青色及び黒色であり、互いに異なる色である。
(他の実施形態2)
上記実施形態において遊技機10は、前扉10bが分離しない構造としたが、例えば、前扉10bが、互いに独立して筺体本体10aに対して開閉可能である上部前扉及び下部前扉を有する遊技機としてもよい。このような他の実施形態2に係る遊技機において、筺体本体には本体側機器が設置され、上部前扉には上部前扉側機器が設置され、下部前扉には下部前扉側機器が設置されている。ここで、メイン制御基板において、同じ白色のコネクタが3つあり、同じ青色のコネクタが3つあり、同じ黄色のコネクタが3つある。また、メイン制御基板において、本体側機器に接続されるコネクタはすべて異なる色(白色、青色、黄色、黒色)であり、上部前扉側機器に接続されるコネクタもすべて異なる色(白色、青色、黄色、橙色)であり、下部前扉側機器に接続されるコネクタもすべて異なる色(白色、青色、黄色)である。このように、他の実施形態2に係る遊技機において、メイン制御基板に設置されたコネクタは、互いに同じ色の3つのコネクタの組合せを3組有している。具体的には、白色のコネクタが3つであり、青色のコネクタガ3つであり、黄色のコネクタが3つである。
以上、本実施形態及び他の実施形態1、2に係る遊技機について説明したが、この遊技機10は、上記形態に限定されるわけではなく、上記以外の構成であってもよい。例えば、メイン制御基板100におけるコネクタを色分けして区別することとしたが、コネクタを着色するのではなく、コネクタに「白」、「青」、「橙」、「黒」、「黄」等の文字を印刷することでこれらの区別を行ってもよい。なお、コネクタに、「白」、「青」、「橙」、「黒」、「黄」等の文字が印刷されたシールを貼り付けることにより、区別することとしてもよい。また、コネクタを着色して、さらに上記文字を付加することとしてもよい。また、色に対応する所定の記号等をコネクタに印刷やシール等により付すことにしてもよい。例えば、「白」を「WHT」との記号で表し、「青」を「BLU」との記号で表しし、「橙」を「ORG」との記号で表し、「黒」を「BLK」との記号で表し、「黄」を「YLW」との記号で表して、これらの記号をコネクタに印刷したり、これらの記号が印刷されたシールをコネクタに貼り付けたり、してもよい。これにより、色が判別しにくい場合であっても、容易に配線作業を行うことができる。
また、配線作業は、筺体本体10a側から行わず、前扉10b側から行うこととしてもよい。また、遊技機筐体10d内における機器等の配置は上記以外であってもかまわない。例えば、メイン制御基板100が、筺体本体10aに設けられるのではなく、前扉10bに設けられることとしてもよい。また、サブ制御基板200を筺体本体10a側に配置してもよい。また、メイン制御基板ユニット30のメイン制御基板100のコネクタの配置及び色分け等について説明したが、他の制御基板等のコネクタについても同様の配置及び色分け等としてもよい。例えば、サブ制御基板ユニット31を筺体本体10a側に配置し、サブ制御基板200におけるコネクタの配置及び色分け等を、上記構成と同様の配置及び構成としてもよい。
以上説明した本実施形態に係る遊技機10は、筺体本体10a及び筺体本体10aの前側に配置された前扉10bを有する遊技機筐体10dと、遊技機筐体10d内に配置されたメイン制御基板100と、メイン制御基板100に設置された複数のコネクタCN1〜CN7と、を備え、図6に示すようにコネクタCN1〜CN7は、互いに同じ色の2つのコネクタの組合せである白色の組合せ(コネクタCN4及びコネクタCN6)と、青色の組合せ(コネクタCN3及びコネクタCN5)との複数(2つ)の組合せを有し、これら組合せごとにコネクタの色が異なっており(白色及び青色)、組合せのそれぞれにおける一方のコネクタである第1コネクタ(コネクタCN4、コネクタCN3)は筺体本体10a側に設置された本体側機器(電源中継基板44、リールユニット41)と配線を介して接続されていて、他方のコネクタである第2コネクタ(コネクタCN6、コネクタCN5)は前扉10b側に配置された前扉側機器(操作部中継基板34、スタートレバー20)と配線を介して接続されている。
また、図6に示すように、遊技機10は、複数の組合せにおける第1コネクタであるコネクタCN4は、扉開閉用スイッチ53、ホッパーユニット36及び電源ユニット33等の筺体本体10aに設けられた複数の接続先を有する電源中継基板44に搭載される1つのコネクタ44aと接続されている。また、複数の組合せにおける第2コネクタであるコネクタCN6は、ストップボタン22a、22b、22c、メダルセレクタ51、マックスベットボタン18及びシングルベットボタン19等の前扉10bに設けられる複数の接続先を有する操作部中継基板34に搭載される1つのコネクタ34aと接続されている。なお、図6に示すように、上記第1コネクタ(コネクタCN4)と上記第2コネクタ(コネクタCN6)との両方のコネクタを中継用の基板を介して接続することが好ましいが、上記第1コネクタ及び上記第2コネクタのいずれかが中継用の基板を介して接続することとしてもよい。また、第1コネクタに相当するコネクタCN4及びコネクタCN3のすべてのコネクタが中継用の基板を介して接続する必要はなく、少なくとも1つのコネクタが中継用の基板を介して接続すればよい。また、第2コネクタに相当するコネクタCN6及びコネクタCN5についても同様である。
また、図6に示すように、遊技機10は、メイン制御基板100が有する複数のコネクタCN1〜CN7は、他のコネクタとは色が異なり単独の色(黒色、橙色)である第3コネクタ(コネクタCN2、コネクタCN7)を備え、これらコネクタCN2及びコネクタCN7は、本体側機器及び前扉側機器の少なくともいずれかである外部集中端子板52及びサブ制御基板200に配線を介して接続され、これらコネクタCN2及びコネクタCN7は、メイン制御基板100から信号を外部に出力し、外部からメイン制御基板100に信号を入力することはない。なお、上記「外部」とは、制御基板に対しての外部であればよい。したがって、「第3コネクタ」は、遊技機に設けられる機器(本体側機器や前扉側機器)に対して信号を出力し、当該機器からの信号を入力することがないコネクタとすればよい。また、上記「外部」とは、遊技機に対しての外部も含むことから、「第3コネクタ」としては、例えば遊技機10の周囲に設けられる遊技島設備へ信号を出力し、遊技島設備から信号を入力することのないコネクタであってもよい。
また、図4、5に示すように、遊技機10は、メイン制御基板100を収納する基板ケース114と、メイン制御基板100以外に、基板ケース114内に収納された設定変更基板42と、を備え、メイン制御基板100が有する複数のコネクタCN1〜CN7は、基板ケース114内において設定変更基板42に設けられたコネクタCN21と、直接接続される第4コネクタであるコネクタCN1を有し、第1コネクタであるコネクタCN4及びコネクタCN3と第2コネクタであるコネクタCN6及びコネクタCN5は、コネクタ孔115a、115e、115b、115cにより、基板ケース114の外部に露出されている。
また、遊技機10は、遊技者が操作する操作手段であるマックスベットボタン18、シングルベットボタン19、スタートレバー20及びストップボタン22a、22b、22cを備え、これら操作手段は、操作部中継基板34を介して第2コネクタであるコネクタCN6に接続されている。なお、操作手段は、マックスベットボタン18、シングルベットボタン19、スタートレバー20及びストップボタン22a、22b、22cに限定されるわけではない。操作手段は、比較的強い力で操作されるものであればよく、例えば、演出に関わる指示を与えるために遊技者が操作する演出用ボタン7であってもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。