JP6827844B2 - エレベーター乗場扉の開錠システム - Google Patents

エレベーター乗場扉の開錠システム Download PDF

Info

Publication number
JP6827844B2
JP6827844B2 JP2017032181A JP2017032181A JP6827844B2 JP 6827844 B2 JP6827844 B2 JP 6827844B2 JP 2017032181 A JP2017032181 A JP 2017032181A JP 2017032181 A JP2017032181 A JP 2017032181A JP 6827844 B2 JP6827844 B2 JP 6827844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
landing
signal
landing door
elevator
unlocking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017032181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018135198A (ja
Inventor
秀一 福島
秀一 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd filed Critical Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Priority to JP2017032181A priority Critical patent/JP6827844B2/ja
Publication of JP2018135198A publication Critical patent/JP2018135198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6827844B2 publication Critical patent/JP6827844B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Indicating And Signalling Devices For Elevators (AREA)
  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Elevator Door Apparatuses (AREA)
  • Lock And Its Accessories (AREA)

Description

本開示は、非常開錠用の鍵穴を有さないエレベーター乗場扉の開錠システムに関する。
エレベーターには各階の乗場に設けられる乗場扉と、昇降路内を移動する乗りかごに設けられるかご扉がある。乗りかごが所定の乗場階に着床したときに、かご扉の開扉動作が行われ、かご扉と乗場扉とに設けられる連動開閉機構によってかご扉と乗場扉とが連動して開く。乗りかごが所定の乗場階に着床していないときに誤って乗場扉が開かないように、乗場扉錠が設けられる。乗場扉錠は、乗場扉に設けられ回転ローラの周りに回動可能なラッチと、乗場壁側に固定された掛止部とを含む。乗りかごが所定の乗場階に着床していないときは、ラッチと掛止部とは係合状態にあって乗場扉は開閉について施錠されている。乗りかごが所定の乗場階に着床したときは、かご扉に設けられる平行案内板であるベーンがラッチを回転ローラの周りに回動させながらラッチを案内するので、ラッチと掛止部との間の係合が外れて開錠状態となる。
乗場扉錠が何かの理由で正常に開錠できない状態になると、かご扉も乗場扉も開けることができない。それ以外にも、保守作業によっては乗りかごが所定の乗場階に着床していないときに乗場扉を開きたいことが生じ得る。そのために、乗場扉に乗場扉錠につながる非常開錠用の鍵穴が設けられ、その鍵穴に所定の保守用鍵を差し込み、強制的に乗場扉を開錠することが行われる。
特許文献1には、乗場扉に鍵穴を設ける加工に煩雑な手数が掛って生産性が低下し、鍵穴のために乗場の美観が損なわれることを指摘している。そこで、乗場扉開錠装置として、ラッチを押し上げる作動機構を設け、乗場から保守作業員が電磁波等のエネルギー波で作動機構に開錠信号を送信することが開示されている。
非常開錠用の鍵穴と保守用鍵を用いずに乗場扉錠を開錠する他の方法としては、乗場扉縁に設けた支点の周りに回動可能な作動片を設け、錠外し棒で作動片の一方端を支点の周りに回動させ、作動片の他方端とラッチとの間を接続するワイヤを引っ張る方法がある。
特開平5−155569号公報
特許文献1では、仮に作動機構が作動しないときには、非常開錠用の鍵穴がなければ乗場扉錠を強制的に開錠することが不可能になる。非常開錠用の鍵穴を設けると、特許文献1で指摘していること以外に、第三者がいたずら等で鍵穴を操作して乗場扉錠を勝手に開錠する恐れがある。作動片と錠外し棒を用いる方法は手動による機構作動であるので、鍵穴を設けなくても確実に乗場扉錠を開錠できる。しかし、作動片は乗場から見て乗場扉の裏側に設けられるので、乗場の三方枠と乗場扉との間の隙間に錠外し棒を入り込ませ、乗場からは見えない作動片を動かすことが必要である。この作業によって乗場扉の縁部等が損傷することが生じ得る。例えば、意匠性の高い乗場扉や、ホテルのエレベーター等では、乗場扉の損傷が生じないことが要望される。そこで、非常開錠用の鍵穴を設けず、必要なときは手動による作動片の操作の余地を残しつつ、錠外し棒を用いずに乗場扉錠の開錠を行えるエレベーター乗場扉の開錠システムが要望される。
本開示に係るエレベーター乗場扉の開錠システムは、乗場扉側に設けられ回転ローラの周りに回動可能なラッチ、及び、乗場壁側に固定された掛止部を含み、乗りかごが着床状態にないときにラッチと掛止部とが係合して乗場扉の開閉について施錠し、乗りかごが着床状態にあるときに開錠する乗場扉錠と、乗場扉縁に設けられた支点の周りに回動可能に支持され一方端が乗場扉縁から昇降路側に突出す作動片と、ラッチにおいて回転ローラから偏心した位置に設けられたワイヤ止部と作動片の他方端とを接続するワイヤと、作動片を回動させることでワイヤを引っ張って乗場扉錠を開錠する非常開錠部と、無線開錠信号を非常開錠部に送信する無線制御装置と、を備え、無線制御装置は、所定乗場階の非常開錠部に対し呼出信号を送信し、所定乗場階の非常開錠部から呼出信号に応答して送信されたアンサー信号を受信したときに無線開錠信号を送信し、非常開錠部は、無線開錠信号があること、エレベーターの走行中信号がないこと、及び、エレベーターのドア開信号がないことについてAND条件を満たすときに作動片を回動させて乗場扉錠を開錠する。
上記構成によれば、無線開錠信号に基づいて作動片を支点の周りに回動させることができるので、非常開錠用の鍵穴も錠外し棒も用いずに、乗場扉錠を開錠できる。作動片の回動を用いて乗場扉錠を開錠する方式であるので、無線開錠信号で開錠できない特別な場合には錠外し棒を用いて乗場扉錠を開錠できる余地を残している。
なお、無線信号の到達距離によっては、複数階に渡って乗場扉錠が開錠状態となる恐れがある。上記構成によれば、所定乗場階の乗場扉錠の非常開錠部からのアンサー信号を確認してからその所定乗場階の乗場扉錠についての無線開錠信号が送信されるので、不必要な乗場扉錠の開錠を防止できる。
本開示に係るエレベーター乗場扉の開錠システムは、乗場扉側に設けられ回転ローラの周りに回動可能なラッチ、及び、乗場壁側に固定された掛止部を含み、乗りかごが着床状態にないときにラッチと掛止部とが係合して乗場扉の開閉について施錠し、乗りかごが着床状態にあるときに開錠する乗場扉錠と、乗場扉縁に設けられた支点の周りに回動可能に支持され一方端が乗場扉縁から昇降路側に突出す作動片と、ラッチにおいて回転ローラから偏心した位置に設けられたワイヤ止部と作動片の他方端とを接続するワイヤと、作動片を回動させることでワイヤを引っ張って乗場扉錠を開錠する非常開錠部と、無線開錠信号を非常開錠部に送信する無線制御装置と、を備え、無線制御装置は、保守作業員が携帯し、エレベーター制御装置と交信できる保守用のメンテナンスコントローラ端末であって、エレベーター制御装置からエレベーターの走行中信号、及び、エレベーターのドア開信号を取得し、エレベーターの走行中信号がないこと、及びエレベーターのドア開信号がないことについてAND条件を満たすときに無線開錠信号を送信し、非常開錠部は、無線開錠信号を受信したときに作動片を回動させて乗場扉錠を開錠する。
上記構成によれば、無線開錠信号に基づいて作動片を支点の周りに回動させることができるので、非常開錠用の鍵穴も錠外し棒も用いずに、乗場扉錠を開錠できる。作動片の回動を用いて乗場扉錠を開錠する方式であるので、無線開錠信号で開錠できない特別な場合には錠外し棒を用いて乗場扉錠を開錠できる余地を残している。
また、上記構成によれば、無線制御装置として、保守作業員が携帯し、エレベーター制御装置と交信できる保守用のメンテナンスコントローラ端末を用いる。したがって、保守作業員は、メンテナンスコントローラ端末上でエレベーターの走行中信号、及び、エレベーターのドア開信号を確認できるので、非常開錠部におけるAND処理等の信号処理が不要になり、非常開錠部の構成が簡単になる。
本開示に係るエレベーター乗場扉の開錠システムにおいて、開錠状態が所定時間経過したときは、作動片の回動を元へ戻し乗場扉錠を施錠状態とするタイマーを備えることが好ましい。
上記構成によれば、開錠状態が所定時間経過するとタイマーの作用によって自動的に施錠状態に戻るので、開錠の目的を達した後に開錠状態にしたまま放置されることが防止される。
上記構成のエレベーター乗場扉の開錠システムによれば、非常解錠用の鍵穴を設けず、必要なときは手動による作動片の操作の余地を残しつつ、錠外し棒を用いずに乗場扉錠の開錠を行える。
実施の形態に係るエレベーター乗場扉の開錠システムが設けられるエレベーターの乗場を示す図である。 実施の形態に係るエレベーター乗場扉の開錠システムが設けられるエレベーターの乗りかごを示す図である。 実施の形態に係るエレベーター乗場扉の開錠システムにおける開錠装置の構成図である。 図3において、乗りかごが着床位置にあるときの動作図である。 図1において用いられる無線制御装置であるメンテナンスコントローラ端末の表示画面の例を示す図である。 図3において、メンテナンスコントローラ端末を用いるときの開錠装置の動作図である。 他の無線制御装置としての携帯端末の表示画面の例を示す図である。 図3において、図7の携帯端末を用いるときの開錠装置の動作図である。 図3において、錠外し棒を用いるときの作業の初めの手順を示す図である。 図9に引き続く作業の手順を示す図である。 図3において、錠外し棒を用いたときの開錠装置の動作図である。
以下に図面を用いて本開示に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、乗りかご扉、乗場扉がともにセンターオープンの二枚扉として述べるが、これは説明のための例示であって、これ以外の扉構成であってもよい。例えば、四枚扉、片開き扉であってもよい。以下で述べる形状、表示画面等は、説明のための例示であって、エレベーター乗場扉の開錠装置または開錠システムの仕様等に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
エレベーター10は、建物11の上下方向に縦貫する空間である昇降路12内で、利用客を乗せた乗りかご80を利用客の要求に応じて昇降させ、昇降路12に設けた各階の乗場14に着床し、乗場14に対応する乗降口で利用客を昇降させる利用客運搬装置である。
図1以下において、エレベーター10において互いに直交する上下方向、幅方向、奥行方向を示す。上下方向は、昇降路12が縦貫する建物11の上層階側と下層階側とに関する方向である。幅方向は、乗場14から昇降路12に向かって右側と左側とに関する方向である。乗場14において昇降路12に向かう方向または昇降路12から乗場14に向かう方向に関する方向が奥行方向である。
エレベーター10の構成を乗場14の部分と乗りかご80の部分とに分けて、図1に乗場14の各要素を示し、図2に乗りかご80の各要素を示す。図1は、昇降路12側に向って乗場14を見た図であり、図2は、昇降路12内において、乗場14から昇降路12側に向う奥行方向で乗りかご80を見た図である。
図1は、建物11の乗場14を示す図である。乗場14は、乗りかご80について利用客が乗降するための場所であって、通常、各階において三方枠16によって区画された領域に乗場乗降口を構成する開口部が設けられ、乗場14を構成する。三方枠16の壁面には、乗りかご80を呼ぶ呼びボタン18が配置され、開口部と三方枠16の上部の内側の昇降路12内とに乗場扉部20が設けられる。乗場扉部20は、開口部を塞ぐ乗場扉22,24と、これらを開閉する機構と、エレベーター乗場扉の開錠装置50とを含む。以下では、特に断らない限り、エレベーター乗場扉の開錠装置50を、開錠装置50と呼ぶ。
図1は、保守作業員8が乗場扉22,24を強制的に開こうとする状態を示す図である。保守作業員8が持っているメンテナンスコントローラ端末120は、乗りかご80を昇降路12内で昇降させる昇降機構等を含むエレベーター10の保守のときに用いる携帯端末である。ここでは無線信号によって開錠装置50の動作を制御して開錠装置50を施錠状態から開錠状態とするために用いる。保守作業員8の足元に置かれた工具箱122は、保守作業に必要な工具等が収納されている。工具箱122にある錠外し棒124は、開錠装置50が無線信号によっては開錠できないときに用いる工具である。メンテナンスコントローラ端末120、錠外し棒124の詳細については後述する。
乗場扉22,24を強制的に開ける必要がある理由の1つは、エレベーター10において故障等により乗りかご80の運行が停止し、乗りかご80内に利用客が閉じ込められた場合が考えられる。故障の際に乗りかご80が最寄階の乗場14に対応するところまで緊急的に移動して着床している場合には、乗りかご80内から扉開操作を行うことで、かご扉82,84と乗場扉22,24が連動して開くので利用客を最寄階に導くことができる。この場合でも何らかの理由で乗場扉22,24が開かないことがあると、保守作業員8等による救出作業が必要になる。また、乗りかご80が昇降路12の途中で停止した場合には、かご扉82,84も乗場扉22,24も乗りかご80からの操作では開かないので、保守作業員8による救出作業が必要になる。
2つ目の理由は、エレベーター10の運行は正常であるが、定期点検等の保守作業の際に、昇降路12内の最下部床部であるピットに降りる必要がある場合や、乗りかご80の上面の架台81で作業を行う場合がある。保守作業の際はエレベーター10の動作は保守モードに設定され、乗場14側から乗場扉22,24を開けることができない。
このように、乗場14から保守作業員8が乗場扉部20における乗場扉22,24を強制的に開ける場合としては、いくつか考えられるが、以下では、定期点検等の保守作業の際に乗場扉22,24を開ける場合について述べる。
乗場扉部20の機構は、乗場扉22,24の裏側、及び、三方枠16の上部の昇降路側の乗場壁に設けられるので、乗場14からは視認できず、図1では破線で示されている。乗場扉部20において、乗場扉22,24は、その上端に取り付けられたハンガープレート26,28のハンガーローラ30,32によってドアレール34に懸架される。また、乗場扉22,24の下端には、敷居35の敷居溝に嵌るドアシュー(図示せず)が取り付けられる。乗場扉22,24の上方には、左右に設けられた滑車36,38と、滑車36,38に巻き掛けられ、ハンガープレート26,28にそれぞれ接続されたベルト40を含む乗場扉用の開閉連動機構が設けられる。この開閉連動機構によって、後述するようにかご扉82,84側から乗場扉22に加えられた開閉駆動力を乗場扉24に伝達し、2つの乗場扉22,24を互いに反対方向にスライドさせて、両開き状態にできる。
乗場扉部20には、乗りかご80が所定の乗場階に着床していないときに誤って乗場扉22,24が開かないように、乗場扉錠52が設けられる。乗場扉錠52の詳細については図3において後述する。
図1において、昇降路12の破断線の先に、建物11の最上階の上に設けられる機械室112を示す。機械室112には、エレベーター10の動作を全体として制御するエレベーター制御装置114が設置される。エレベーター制御装置114は、各種信号が伝送される適当な信号線によって各階の乗場14の乗場扉部20と乗りかご80とに接続される。各種信号の内、ここでは、エレベーターの走行中信号が伝送される信号線116とエレベーターのドア開信号が伝送される信号線118を示す。
図2は、図1と同じ昇降路12内であるが、図1の乗場14とは異なる上下方向の位置にある乗りかご80を示す図である。乗りかご80を見る方向は、図1と同じく奥行方向において乗場14側から昇降路12側を見る方向である。ここでは、昇降路12の壁面を破断し、乗りかご80を直接視認した状態で示す。
乗りかご80は、利用者が乗り込むことのできる室内スペースを有し、例えば、機械室112に設けられる巻上げ機(図示せず)の駆動により昇降路12内を昇降する。乗りかご80の乗場14と対向する壁面には、かご乗降口を構成する開口部が形成され、その開口部を開閉する2枚のかご扉82,84が設けられる。ここで、かご乗降口とは、乗りかご80が乗場14に停止しているときに、乗りかご80と乗場14との間に形成される出入口である。
乗りかご80において、乗場扉部20と同様に、かご扉82,84は、その上端に取り付けられたハンガープレート86,88のハンガーローラ90,92によってドアレール94に懸架される。また、かご扉82,84の下端には、敷居85の敷居溝に嵌るドアシュー(図示せず)が取り付けられる。
乗りかご80の上部には、架台81が設置される。架台81の上に電動モータ96が搭載され、プーリ98はその回転軸100が架台81に支持され、電動モータ96の出力軸とプーリ98の外周面とにベルト102が懸架される。また、ハンガープレート86,88のそれぞれにリンク取付部104,106が取り付けられ、リンク機構108が、リンク取付部104,106と回転軸100との間について図2に示す接続関係で配置される。電動モータ96、プーリ98、リンク機構108は、かご扉82,84についての連動開閉機構である。
電動モータ96の動作は、エレベーター制御装置114によって制御される。電動モータ96が回転することでプーリ98が回転し、プーリ98の回転に伴うリンク機構108の作用によって、リンク取付部104,106は、幅方向に互いに反対方向に移動する。リンク取付部104,106が互いに反対方向へ移動することによって、ハンガープレート86,88のそれぞれが幅方向に沿って互いに反対方向に移動し、これによりかご扉82,84が連動して開閉する。
かご扉82に固定して配置されるベーン110は、上下方向に平行して配置される2つの案内板である。ベーン110の平行な内側間隔をd0とすると、ベーン110の上下方向の両端の案内口の内側間隔は、d0より広いd1に設定される。ベーン110は、乗場扉22に関する開錠装置50と協働して、乗りかご80が乗場14に着床したときに、かご扉82,84の開閉駆動力を乗場扉22に伝達する。ベーン110と開錠装置50との共働作用については、図3の開錠装置50の内容を述べた後で、図4を用いて説明する。
図3は、開錠装置50の構成図である。図3は、乗場扉22,24を奥行方向の昇降路側から見た図で、図1とは幅方向の左側と右側とが逆である。図3では開錠装置50が視認できるので、各要素が実線で示される。
開錠装置50は、乗場扉錠52、これを非常時に開錠するための作動片60、ワイヤ68、及び非常開錠部70を含む。
乗場扉錠52は、乗場壁19に固定され、掛止爪を有する掛止部54と、乗場扉22のハンガープレート26に設けられた回転ローラ58と、回転ローラ58の周りに回動可能なラッチ56とを含んで構成される。ラッチ56には、掛止部54の掛止爪に係合するラッチ爪を有する。ラッチ56は、図示しない付勢手段によって通常時は掛止部54側に付勢され、ラッチ爪と掛止爪とが係合状態にあり、乗場扉22は乗場壁19に対し固定状態にある。これが乗場扉錠52の施錠状態である。
ラッチ56には回転ローラ58とは別の案内ローラ59が設けられる。案内ローラ59は、ラッチ56に取付けられた回転軸(図示を省略)の周りに回転可能である。ここで、乗場扉錠52が施錠状態のとき、幅方向に沿って、回転ローラ58の左側の外周端と案内ローラ59の右側の外周端との間の距離をd2とする。d2は、図2で述べたベーン110のd0よりも大きな値で、d1よりも小さな値に設定される。すなわち、d0<d2<d1である。回転ローラ58と案内ローラ59の作用については、次の図4において、ベーン110と開錠装置50との協働に関連して述べる。
作動片60は、乗場扉22の縁部に設けられた支点62の周りに回動可能に支持される部材である。支点62は、乗場扉22において乗場扉24と向かう合う開閉縁とは幅方向に反対側の縁に設けられ、作動片60の一方端64は、乗場扉22の縁から昇降路12側に突出す。突出長さは、図1で述べた錠外し棒124の先端部が宛がわれるに十分な長さに設定される。一例を挙げると、突出長さは、約20mmから40mmである。
ワイヤ68は、一方端がラッチ56に設けられるワイヤ止部57に接続固定され、他方端が作動片60の他方端66に接続固定され、所定の長さを有する金属ワイヤである。ワイヤ止部57は、ラッチ56の回転ローラ58の回転軸100に対し偏心した位置に設けられる。ワイヤ68の所定の長さは、乗場扉錠52が施錠状態のときにワイヤ68が弛み無く張られているときの長さに設定される。
非常開錠部70は、無線開錠信号に基づいて作動片60の他方端を支点62の周りに回動させてワイヤ68を作動片60側に引張り、ラッチ56を回転ローラ58の回転軸の回りに回動させてラッチ爪と掛止爪との係合状態を外す装置である。非常開錠部70は、送受信回路と制御回路を含む制御部72と、作動片60の他方端66を押し付けるプランジャ部74と、プランジャ部74への作動信号が継続する時間を規定するタイマー部76とを含む。
プランジャ部74は、電気駆動信号によって上下方向に移動するプランジャ75を有する。プランジャ75には初期付勢力が与えられ、作動片60の他方端66は、上下方向の下層階側へ向かって付勢されて、ワイヤ68の引張力とのつり合いで初期状態が定まる。プランジャ部74は制御部72からの作動信号を受けて、プランジャ75を初期状態から上下方向の下層階側へ向かって突き出して作動片60の他方端66を押す。作動片60の他方端66を押すことで、ワイヤ68を作動片60側に引っ張り、乗場扉錠52においてラッチ爪と掛止爪との係合状態を外す。これが乗場扉錠52の開錠状態である。
タイマー部76は、制御部72からの作動信号を受けてからの時間を計測し、所定の経過時間に達したときに作動信号をオフにする。すなわち、乗場扉錠52の開錠状態が所定時間経過したときは、作動片60の回動を元へ戻し、乗場扉錠52を施錠状態に戻す自動復帰手段である。タイマー部76の作用によって、開錠の目的を達した後に開錠状態にしたまま放置されることが防止される。
図4は、エレベーター10の運行において、乗りかご80が乗場14において着床状態となるときに乗場扉錠52が開錠状態となることを示す図である。図4において、二点鎖線の状態が図3の状態で、乗りかご80が乗場14にまだ到着していないときである。この状態では、ラッチ56は掛止部54と係合状態にあり、幅方向に沿った回転ローラ58の左側の外周端と案内ローラ59の右側の外周端との間の幅方向の沿った距離はd2である。
乗りかご80が上下方向の上層階側に上昇すると、かご扉82と一体のベーン110が白抜矢印の方向に上昇し、ベーン110の上端の案内口の内側間隔d1で回転ローラ58と案内ローラ59の双方を受け止める。さらにベーン110が上方に移動すると、案内口の傾斜面に沿って案内ローラ59が案内されるので、案内ローラ59は回転ローラ58の回転軸周りに回動する。そして、ベーン110の平行な内側間隔d0の間に回転ローラ58と案内ローラ59の双方が収容された実線の状態になる。回転ローラ58の回転軸周りに案内ローラ59が回動することは、ラッチ56が矢印で示す方向に回動することになるので、ラッチ56のラッチ爪と掛止部54の掛止爪との係合状態が外れ、乗場扉錠52は開錠状態になる。なお、ラッチ56と掛止部54との係合状態が外れることでワイヤ68は弛むことになるが、非常開錠部70のプランジャ75は初期付勢力を有しているので、それによってワイヤ68はほぼ直線状に引っ張られた状態にある。
このように、乗りかご80が着床状態にないときには、ラッチ56と掛止部54とが係合して乗場扉22,24の開閉について施錠している。ここで、乗りかご80が所定の乗場階の乗場14に着床したときは、かご扉82に設けられるベーン110がラッチ56を回転ローラ58の周りに回動させるので、ラッチ56と掛止部54との間の係合が外れて乗場扉錠52は開錠状態となる。
次に、定期点検等の保守作業の際に乗場扉22,24を開ける図1の場合について述べる。図1において、保守作業員8が持っているメンテナンスコントローラ端末120は、エレベーター10の保守のときに用いる端末機器である。メンテナンスコントローラ端末120は、送受信回路を内蔵し、これを用いることで、エレベーター制御装置114と無線で交信できる。そこで、保守作業員8は、メンテナンスコントローラ端末120を無線制御装置として用い、開錠装置50の非常開錠部70と無線交信し、乗場扉錠52を開錠して、乗場扉22,24を手動で開けるようにできる。図5は、乗場扉開錠操作を行うときのメンテナンスコントローラ端末120の表示画面130の例である。
表示画面130には、保守作業の内容に対応した複数のアイコンが表示される。図5では、その内の1つの「乗場扉開錠操作」アイコン132を示す。保守作業員8が乗場14で乗場扉錠52の開錠操作を行うときは、この「乗場扉開錠操作」アイコン132をクリックする。そのクリックに対応して、表示画面130に、処理内容ファイル134が表示される。
処理内容ファイル134は、乗場扉開錠操作に必要な処理内容がまとめられたファイルである。乗場ID欄136は、開錠操作しようとする非常開錠部70の識別番号を入力する欄である。建物11によっては各階にそれぞれ複数の乗場14があるので、どの階のどの乗場14の非常開錠部70を操作するのかを特定する必要がある。例えば、「建物11の3階の第1乗場」の乗場扉22,24に備えられる非常開錠部70を特定する場合は、図5に示すように、乗場ID欄136に「3F1」と入力する。
メンテナンスコントローラ端末120は、乗場IDが「3F1」と特定されたことを受けて、エレベーター制御装置114と交信し、走行中信号とドア開信号の有無を確認する。保守作業員8が保守作業を行う際には、エレベーター10の動作を保守モードに設定するので、保守作業員8の操作が無い限り、エレベーター10は走行を停止しており、かご扉82,84及び乗場扉22,24はいずれも閉状態である。したがって、走行中信号とドア開信号はいずれも「なし」のはずであるが、仮に保守モードに設定することを忘れていた場合等のときに非常開錠部70を操作することが無いように、走行中信号とドア開信号の有無の確認が行われる。確認の結果は、「走行中信号なし」に関する四角枠マーク138と、「ドア開信号なし」に関する四角枠マーク140に表示される。図5の例では、四角枠マーク138,140のいずれも黒マークで表示されているので、乗場ID「3F1」の乗りかご80に関して、走行中信号、ドア開信号のいずれも「なし」であることが確認されている。この確認処理は、乗場ID「3F1」の指定が行われると、メンテナンスコントローラ端末120によって自動的に行われる。
コールボタン142は、走行中信号、ドア開信号のいずれも「なし」のときに初めて操作可能となるボタンである。保守作業員8がコールボタン142を押すと、メンテナンスコントローラ端末120は、無線コール信号を乗場ID「3F1」の非常開錠部70に送信する。無線コール信号の宛先は「3F1」のIDを有する非常開錠部70である。そのの内容の一例は、「受信したときは、受信した旨のアンサー信号を非常開錠部のIDと共に、メンテナンスコントローラ端末に返信せよ:メンテナンスコントローラ端末のIDは120MMである」である。これは例示であって、無線コール信号を受信した旨のアンサー信号を要求する内容であればよい。図5においては、コールボタン142が点灯し、保守作業員8がコールボタン142を押したことを示している。
「3F1」のIDを有する非常開錠部70が自分のIDを添付してアンサー信号をメンテナンスコントローラ端末120に送信し、これをメンテナンスコントローラ端末120が受信すると、「アンサーあり」に関する四角枠マーク144が黒マークに変わる。図5では「アンサーあり」に関する四角枠マーク144が白マークのままであり、まだアンサー信号を受信していない状態である。
開錠ボタン146は、アンサー信号を受信したときに初めて操作可能となるボタンである。「アンサーあり」に関する四角枠マーク144が黒マークになったことを確認して保守作業員8が開錠ボタン146を押すと、メンテナンスコントローラ端末120は、無線開錠信号を乗場ID「3F1」の非常開錠部70に送信する。無線開錠信号の内容は、「乗場扉錠を開錠状態にせよ」である。上記の表示画面130の内容は、説明のための例示であり、これ以外の内容であってもよい。
図6に、メンテナンスコントローラ端末120から無線開錠信号を受け取ったときの開錠装置50の状態を示す。非常開錠部70が無線開錠信号を受け取ると、制御部72の作動指令によってプランジャ部74が作動し、プランジャ75を作動片60の他方端66に向かって突き出す。これによって作動片60が支点62の周りに二点鎖線の状態から白抜矢印の方向に回動して実線の状態に変わる。そして、ワイヤ68を作動片60側に引っ張るので、ラッチ56が二点鎖線の状態から実線の状態に変わり、ラッチ56のラッチ爪と掛止部54の掛止爪との係合状態が外れ、乗場扉錠52は開錠状態になる。
このように、乗りかご80が乗場14に着床していない場合でも、メンテナンスコントローラ端末120からの無線開錠信号によって非常開錠部70に開錠指令を与えることで、乗場扉錠52を開錠状態にできる。乗場14において乗場扉錠52が開錠状態となれば、保守作業員8は、乗場扉22,24を手動にて開けることができ、これによって引き続き保守作業を行うことができる。非常開錠部70の制御部72のプランジャ部74に対する作動指令は、タイマー部76に設定された所定時間経過後に無効となる。所定時間は、保守作業員8が乗場扉22,24を手動にて開き、保守作業が終了して乗場扉22,24を手動にて閉状態に戻すのに必要な時間として設定される。保守作業の内容にもよるが、一例を挙げると、所定時間は、約30分から約1時間である。タイマー部76の作用によって、保守作業が終了しても乗場扉錠52が開錠状態のままで放置されることを防止できる。保守作業が所定時間を超える場合には、メンテナンスコントローラ端末120から再び無線開錠信号を送信して、非常開錠部70を再動作させる。再動作させないと乗場扉錠52が閉状態に戻っているので、乗場扉22,24を手動で動かしても完全な閉状態に戻らないからである。
図7は、メンテナンスコントローラ端末120とは別の携帯端末150の例を示す図である。この携帯端末150は、乗場扉開錠操作を行うためのソフトウェアが内蔵された乗場扉開錠操作専用の無線端末機器である。メンテナンスコントローラ端末120と異なり、携帯端末150は、エレベーター制御装置114と交信ができない。そのために、携帯端末150は、走行中信号、ドア開信号の有無を確認できない。図7の携帯端末150を用いるときの開錠装置50の動作図を図8に示すが、非常開錠部70にはエレベーター制御装置114から走行中信号が伝送される信号線116、ドア開信号が伝送される信号線118が接続される。これを用いて、非常開錠部71の制御部73によって、走行中信号、ドア開信号の有無の確認が行われる。
携帯端末150の表示画面152の例を図7に示す。携帯端末150は、操作者の手のひらに入る大きさの対話型端末機器であり、表示画面152の大きさも操作者の手のひらの面積程度である。乗場ID欄154、コールボタン156、開錠ボタン160の内容は、図5で説明した乗場ID欄136、コールボタン142、開錠ボタン146の内容と同じであるので詳細な説明を省略する。
アンサー信号欄158は、携帯端末150から送信したコール信号を非常開錠部71の制御部73が受信したときに、制御部73へ携帯端末150から返信されてきたアンサー信号の内容である。図7の例では、アンサー信号欄158の内容は、「コール信号受信しました。開錠準備OKです。」である。開錠準備OKとは、エレベーター制御装置114から信号線116,118によって伝送してきた内容を制御部73が信号処理し、走行中信号もドア開信号も「なし」の状態であることを確認したことを意味する。図7のアンサー信号欄158の内容は説明のための例示であって、無線コール信号を受信した旨と、走行中信号とドア開信号の有無に関する内容とが含まれていればよい。
保守作業員8は、アンサー信号欄158の内容が、無線コール信号を受信した旨と、走行中信号とドア開信号とが無い旨であることを確認できたときは、開錠ボタン160を押す。保守作業員8が開錠ボタン146を押すと、携帯端末150は、無線開錠信号を乗場ID「3F1」の非常開錠部70に送信する。無線開錠信号の内容は、「乗場扉錠を開錠状態にせよ」である。上記の表示画面152の内容は、説明のための例示であり、これ以外の内容であってもよい。
図8に、携帯端末150から無線開錠信号を受け取ったときの開錠装置50の状態を示す。ここに示されるように、非常開錠部71には、エレベーター制御装置114から走行中信号が伝送される信号線116と、ドア開信号が伝送される信号線118とが接続される。制御部73は、走行中信号及びドア開信号の有無を判定する信号処理回路を有し、その信号処理の結果をアンサー信号の一部として、無線で携帯端末150に送信する。
非常開錠部71が無線開錠信号を受け取ると、制御部73の作動指令によってプランジャ部74が作動し、プランジャ75を作動片60の他方端66に向かって突き出す。以下の動作は、図6で述べた内容と同じであるので、詳細な説明を省略するが、図6と同様に、乗場扉錠52は開錠状態になる。
このように、携帯端末150を用いても、メンテナンスコントローラ端末120を用いたのと同様に、無線開錠信号によって非常開錠部71に開錠指令を与えることで、乗場扉錠52を開錠状態にできる。図6と図8と比較すると、メンテナンスコントローラ端末120を用いることで、非常開錠部70に走行中信号が伝送される信号線116及びドア開信号が伝送される信号線118を接続する必要がなくなる。さらに、制御部72において、走行中信号及びドア開信号の有無に関する信号処理回路が不要になる。したがって、メンテナンスコントローラ端末120を用いる方が、非常開錠部70の構成が簡単になる。その反面、やや大きな体格のメンテナンスコントローラ端末120を携帯する必要がある。したがって、建物11のエレベーター10の規模、保守計画等に応じて、図5、図6のメンテナンスコントローラ端末120を用いる方式と、図7、図8の携帯端末150を用いる方法とを使い分けることが好ましい。
上記では、アンサー信号が肯定的内容で返信されてくるものとしたが、アンサー信号が返信されてこない場合や、アンサー信号の内容が否定的な場合があり得る。例えば、メンテナンスコントローラ端末120や携帯端末150の無線送信能力と、エレベーター10における複数の非常開錠部70のそれぞれの無線受信能力によるが、無線コール信号が「3F1」のIDを有する非常開錠部70に到達しない可能性がある。あるいは、無線コール信号自体は「3F1」のIDを有する非常開錠部70に到達していても、非常開錠部70が無線信号の送受信ができない状態である可能性もある。例えば、非常開錠部70への電源が途絶している場合等である。また、走行中信号またはドア開信号が「あり」の状態のために保守作業自体を行えない場合もある。最後の例の場合は保守作業を中止して、走行中信号及びドア開信号が「なし」の状態にしてから保守作業を行うことになるが、その他の場合には、無線開錠信号によらずに、乗場扉錠52を開錠したい。
図9から図11は、錠外し棒124を用いて乗場扉錠52を開錠する例を示す図である。錠外し棒124とは、乗場扉22と三方枠16との間の奥行方向における隙間ΔSに挿入可能な太さを有するL字形の作業棒で、互いに垂直な一方側の部分126と他方側の部分128とを有する
図9と図10は、錠外し棒124を、乗場扉22と三方枠16との間の隙間ΔSに挿入する作業の手順を示す図である。図9、図10の各図において(a)は、図1の部分図であり、(b)は、(a)に対応し、奥行方向と幅方向で規定される面における断面図である。隙間ΔSは、各図の(b)に示す。
図9は、乗場扉22と三方枠16との間の隙間ΔSに錠外し棒124を挿入する作業の最初の手順を示す図である。ここでは、錠外し棒124のL字形を形成する一方側の部分126と他方側の部分128が共に乗場扉22の表面にほぼ平行とし、一方側の部分126を幅方向にほぼ平行に、他方側の部分128を上下方向の下層階側に向ける。その状態で、白抜矢印に示すように幅方向に移動させ、他方側の部分128を隙間ΔSに挿入する。図10は、図9に引き続く処理手順で、図9の状態で、幅方向を回転軸方向として、他方側の部分128が作動片60側の方に向くように、一方側の部分126を保守作業員8が手で回転させる。これにより、錠外し棒124のL字形は、奥行方向と幅方向で規定される面に平行となって、他方側の部分128の先端部を作動片60の一方端64の下方側の面に接触させることができる。この状態で、錠外し棒124のL字形の一方側の部分126を操作して、他方側の部分128を上下方向の上層階側に移動させる。これによって、作動片60の一方端64を上下方向の上層階側に向けて移動させることができる。
図11は、錠外し棒124のL字形の他方側の部分128を上下方向の上層階側に移動させて乗場扉錠52を開錠させるときの開錠装置50の状態を示す。錠外し棒124のL字形の他方側の部分128を白抜矢印の方向に移動させる。これによって作動片60が支点62の周りに二点鎖線の状態から矢印の方向に回動して実線の状態に変わる。これにより、ワイヤ68を作動片60側が引っ張られ、ラッチ56が二点鎖線の状態から実線の状態に変わり、ラッチ56のラッチ爪と掛止部54の掛止爪との係合状態が外れ、乗場扉錠52は開錠状態になる。
このように、無線開錠信号による制御が行えない特別な場合でも、錠外し棒124を用いることで、乗場扉錠52を開錠することができる。
上記構成のエレベーター乗場扉の開錠装置50及び開錠システムによれば、非常開錠用の鍵穴を設けず、必要なときは手動による作動片60の操作の余地を残しつつ、錠外し棒124を用いずに乗場扉錠52の開錠を行うことができる。
8 保守作業員、10 エレベーター、11 建物、12 昇降路、14 乗場、16 三方枠、18 呼びボタン、19 乗場壁、20 乗場扉部、22,24 乗場扉、26,28,86,88 ハンガープレート、30,32,90,92 ハンガーローラ、34,94 ドアレール、35,85 敷居、36,38 滑車、40,102 ベルト、50 開錠装置、52 乗場扉錠、54 掛止部、56 ラッチ、57 ワイヤ止部、58 回転ローラ、59 案内ローラ、60 作動片、62 支点、64 一方端、66 他方端、68 ワイヤ、70,71 非常開錠部、72,73 制御部、74 プランジャ部、75 プランジャ、76 タイマー部、80 乗りかご、81 架台、82,84 かご扉、96 電動モータ、98 プーリ、100 回転軸、 104,106 リンク取付部、108 リンク機構、110 ベーン、112 機械室、114 エレベーター制御装置、116,118 信号線、120 メンテナンスコントローラ端末(無線制御装置)、122 工具箱、124 錠外し棒、126 一方側の部分,128 他方側の部分、130,152 表示画面、132 アイコン、134 処理内容ファイル、136,154 乗場ID欄、138,140,144 四角枠マーク、142,156 コールボタン、146,160 開錠ボタン、150 携帯端末(無線制御装置)、158 アンサー信号欄。

Claims (3)

  1. 乗場扉側に設けられ回転ローラの周りに回動可能なラッチ、及び、乗場壁側に固定された掛止部を含み、乗りかごが着床状態にないときにラッチと掛止部とが係合して乗場扉の開閉について施錠し、乗りかごが着床状態にあるときに開錠する乗場扉錠と、
    乗場扉縁に設けられた支点の周りに回動可能に支持され一方端が乗場扉縁から昇降路側に突出す作動片と、
    ラッチにおいて回転ローラから偏心した位置に設けられたワイヤ止部と作動片の他方端とを接続するワイヤと、
    作動片を回動させることでワイヤを引っ張って乗場扉錠を開錠する非常開錠部と、
    無線開錠信号を非常開錠部に送信する無線制御装置と、
    を備え、
    無線制御装置は、
    所定乗場階の非常開錠部に対し呼出信号を送信し、
    所定乗場階の非常開錠部から呼出信号に応答して送信されたアンサー信号を受信したときに無線開錠信号を送信し、
    非常開錠部は、
    無線開錠信号があること、エレベーターの走行中信号がないこと、及び、エレベーターのドア開信号がないことについてAND条件を満たすときに作動片を回動させて乗場扉錠を開錠する、エレベーター乗場扉の開錠システム。
  2. 乗場扉側に設けられ回転ローラの周りに回動可能なラッチ、及び、乗場壁側に固定された掛止部を含み、乗りかごが着床状態にないときにラッチと掛止部とが係合して乗場扉の開閉について施錠し、乗りかごが着床状態にあるときに開錠する乗場扉錠と、
    乗場扉縁に設けられた支点の周りに回動可能に支持され一方端が乗場扉縁から昇降路側に突出す作動片と、
    ラッチにおいて回転ローラから偏心した位置に設けられたワイヤ止部と作動片の他方端とを接続するワイヤと、
    作動片を回動させることでワイヤを引っ張って乗場扉錠を開錠する非常開錠部と、
    無線開錠信号を非常開錠部に送信する無線制御装置と、
    を備え、
    無線制御装置は、
    保守作業員が携帯し、エレベーター制御装置と交信できる保守用のメンテナンスコントローラ端末であって、エレベーター制御装置からエレベーターの走行中信号、及び、エレベーターのドア開信号を取得し、エレベーターの走行中信号がないこと、及びエレベーターのドア開信号がないことについてAND条件を満たすときに無線開錠信号を送信し、
    非常開錠部は、
    無線開錠信号を受信したときに作動片を回動させて乗場扉錠を開錠する、エレベーター乗場扉の開錠システム。
  3. 開錠状態が所定時間経過したときは、作動片の回動を元へ戻し乗場扉錠を施錠状態とするタイマーを備える、請求項1及び2に記載のエレベーター乗場扉の開錠システム。
JP2017032181A 2017-02-23 2017-02-23 エレベーター乗場扉の開錠システム Active JP6827844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032181A JP6827844B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 エレベーター乗場扉の開錠システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032181A JP6827844B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 エレベーター乗場扉の開錠システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018135198A JP2018135198A (ja) 2018-08-30
JP6827844B2 true JP6827844B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=63365205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017032181A Active JP6827844B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 エレベーター乗場扉の開錠システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6827844B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4324776A1 (en) * 2022-08-19 2024-02-21 Inventio AG Method of operating a landing door of an elevator shaft and door opening tool for such a door

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6806725B2 (ja) * 2018-03-23 2021-01-06 株式会社日立ビルシステム 外部開放治具、エレベーターシステム、点検方法および携帯端末
CN109436998B (zh) * 2018-11-28 2023-12-15 苏州市职业大学 电梯分体式电磁层门锁
CN109441248B (zh) * 2018-11-28 2024-04-05 苏州市职业大学 电梯分体式单开层门锁
CN109516354B (zh) * 2018-12-26 2023-07-07 浙江理工大学 一种具有独立驱动功能的电梯门锁装置及其锁解方法
CN111634774B (zh) * 2019-03-01 2021-12-03 上海三菱电梯有限公司 一种电梯层门小门锁安全系统
JP7274922B2 (ja) * 2019-04-17 2023-05-17 三菱電機ビルソリューションズ株式会社 エレベーター乗場ドア装置
CN110656812B (zh) * 2019-09-29 2021-06-08 重庆鑫安捷电梯有限公司 一种电梯门锁
CN111410105B (zh) * 2020-03-05 2021-09-14 日立电梯(中国)有限公司 电梯系统、检修安全装置及传动机构
CN112576109A (zh) * 2020-12-08 2021-03-30 上海三菱电梯有限公司 电梯层站解锁装置
KR102281527B1 (ko) * 2020-12-14 2021-07-23 이경은 정전시 카도어를 개방하는 클러치 유닛을 갖는 엘리베이터
CN114644280B (zh) * 2022-03-10 2024-02-20 浙江智菱科技有限公司 一种电梯层门结构及开门方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07100593B2 (ja) * 1989-11-17 1995-11-01 三菱電機株式会社 エレベータ乗場戸の非常開錠装置
JP2002339654A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Hitachi Building Systems Co Ltd 自動ドア
WO2005102900A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータの乗場戸解錠装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4324776A1 (en) * 2022-08-19 2024-02-21 Inventio AG Method of operating a landing door of an elevator shaft and door opening tool for such a door
EP4324778A1 (en) * 2022-08-19 2024-02-21 Inventio Ag Method of operating a landing door of an elevator shaft and door opening tool for such a door

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018135198A (ja) 2018-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6827844B2 (ja) エレベーター乗場扉の開錠システム
JP5452726B2 (ja) エレベータの運転モード切替システム
JP5743023B2 (ja) エレベーターの安全装置
JP5068521B2 (ja) エレベータの制御装置
WO2012176328A1 (ja) エレベータ装置
JPWO2005102900A1 (ja) エレベータの乗場戸解錠装置
JP6567712B2 (ja) エレベータの乗場ドア解錠装置
KR102086246B1 (ko) 엘리베이터 클러치 장치
JP4245371B2 (ja) エレベータのドア装置
WO2006072974A1 (ja) エレベータの乗場ドア装置
JP2010215381A (ja) エレベータの乗場装置
KR101772119B1 (ko) 엘리베이터의 비상 개방장치
JP2007099399A (ja) エレベータの制御装置
CN212315272U (zh) 一种集成轿门锁门刀
JP5138240B2 (ja) エレベータ装置
KR101927003B1 (ko) 비상탈출이 가능한 엘리베이터
JP2011046473A (ja) エレベータ装置
JP2013119476A (ja) エレベータドア装置
JP4742557B2 (ja) ホームエレベータの救助装置
JP2021031192A (ja) エレベーターのドア装置
KR20060040602A (ko) 엘리베이터의 승강장 도어 잠금 해제 장치
KR200477750Y1 (ko) 엘리베이터 승강장문 조립체의 상부이탈방지 구조
CN113998570B (zh) 电梯装置
JP2000211864A (ja) エレベ―タ三方枠扉のロック装置
WO2023053320A1 (ja) エレベータードア装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6827844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250