JP6827390B2 - 保護制御装置 - Google Patents

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本開示は、電力系統を保護するための保護制御装置に関する。
従来、電力系統で発生した事故を検出するディジタル保護制御装置が使用されている。ディジタル保護制御装置は、電力系統から電流および電圧などの電気量(系統電気量)を収集することにより、事故等による過電圧、電圧の不足、または過電流などが発生したことを検出し、遮断器へ制御信号を送出する。
例えば、特開2011−160497号公報(特許文献1)は、ディジタル保護制御装置を開示している。このディジタル保護制御装置は、電力系統のアナログ交流電気量よりも高い周波数の高調波信号を発生させる高調波発生器と、電力系統から取込まれたアナログ交流電気量と高調波信号とを重畳した信号のフィルタ処理を行う複数のアナログフィルタと、複数のアナログフィルタと少なくとも同数以上のAD(analog to digital)変換器を備え、AD変換器の出力から重畳した高調波信号成分の振幅値および位相を算出するフーリエ変換手段とを備える。
特開2011−160497号公報
近年、製造メーカによってアナログフィルタの特性が異なる場合があるため、アナログフィルタを使用しない保護制御装置が望まれている。また、ディジタル保護制御装置では、高い信頼性が求められることから装置の異常を検出するための機能が必要とされる。
特許文献1に係るディジタル保護制御装置は、高速サンプリングを実現しつつ簡素な構成で不良監視をすることを検討している。しかし、特許文献1に係るディジタル保護制御装置はアナログフィルタを用いた構成となっており、上記ニーズを満たすような技術を何ら教示ないし示唆するものではない。
本開示のある局面における目的は、アナログフィルタを使用しない保護制御装置において、簡易な構成で装置の異常を検出することである。
ある実施の形態に従うと、電力系統を保護するための保護制御装置が提供される。保護制御装置は、電力系統の電気量を取り込む入力変換器と、電力系統の電気量よりも高い第1周波数成分を有する第1高調波信号を発生させる第1信号発生部と、入力変換器から出力された電気量に第1高調波信号が重畳されたアナログ信号を、予め定められたサンプリング周期でディジタル信号に変換する複数のアナログディジタル変換器を含む信号変換部と、複数のアナログディジタル変換器の各々ついて、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより、重畳された第1高調波信号の位相を算出するフーリエ変換部と、複数のアナログディジタル変換器の各々について、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号から算出された第1高調波信号の位相と、第1信号発生部が発生させた第1高調波信号の位相との位相差を算出する位相差算出部と、位相差算出部により算出された各位相差に基づいて、保護制御装置の異常の有無を判定する異常判定部とを備える。異常判定部は、位相差算出部により算出された各位相差のうちの少なくとも1つの位相差が第1閾値以上である場合、信号変換部が異常であると判定する。
本開示によると、アナログフィルタを使用しない保護制御装置において、簡易な構成で装置の異常を検出することが可能となる。
実施の形態1に従う保護制御装置の構成例を示す図である。 実施の形態1に従う演算処理部の機能構成を示すブロック図である。 実施の形態1に従う保護制御装置による異常判定処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に従う保護制御装置の構成例を示す図である。 実施の形態2に従う演算処理部の機能構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
実施の形態1.
<保護制御装置の構成>
図1は、実施の形態1に従う保護制御装置10の構成例を示す図である。例えば、保護制御装置10は、送電線Lを保護するためのディジタル保護リレー装置であり、送電線Lに接続された母線を含む電気所に配置される。送電線Lは、3相交流送電線であり、3本(U相、V相、W相)の送電線を含む。
図1を参照して、保護制御装置10は、入力変換器20,30と、アナログディジタル(AD)変換部50と、演算処理部60と、ディジタル入力回路71と、ディジタル出力回路72と、通信インターフェイス73と、基準信号発生回路81とを含む。AD変換部50は、複数のAD変換器51〜56を含む。
入力変換器20は、送電線Lの電流信号(すなわち、アナログ電流信号)を取り込み、AD変換器51〜53の処理に適したアナログ電圧信号に変換して出力する。具体的には、入力変換器20は、補助変流器21,22,23を含む。補助変流器21は、計器用変流器41により検出された送電線LのU相の電流Iuを取り込む。補助変流器22は、計器用変流器42により検出された送電線LのV相の電流Ivを取り込む。補助変流器23は、計器用変流器43により検出された送電線LのW相の電流Iwを取り込む。
入力変換器30は、送電線Lの電圧信号(すなわち、アナログ電圧信号)を取り込み、AD変換器54〜56の処理に適したアナログ電圧信号に変換して出力する。具体的には、入力変換器30は、補助変圧器31,32,33を含む。補助変圧器31は、計器用変圧器44により検出された送電線LのU相の電圧Vuを取り込む。補助変圧器32は、計器用変圧器45により検出された送電線LのV相の電圧Vvを取り込む。補助変圧器33は、計器用変圧器46により検出された送電線LのW相の電圧Vwを取り込む。
基準信号発生回路81は、高調波の監視用の基準信号M1を発生させる。具体的には、基準信号発生回路81は、基準信号M1として、電力系統(すなわち、送電線L)の系統周波数よりも高い周波数成分を有する高調波信号を発生させる。具体的には、基準信号M1は、系統周波数のn倍(nは2以上の自然数であり、例えばn=64)の周波数成分を有する。基準信号発生回路81は、アナログ電圧信号である基準信号M1を生成し、AD変換器51〜56に印加する。これにより、AD変換器51〜53には、入力変換器20から出力される電気量に基準信号M1が重畳されたアナログ電圧信号が入力され、AD変換器54〜56には、入力変換器30から出力される電気量に基準信号M1が重畳されたアナログ電圧信号が入力される。
AD変換器51〜56は、入力変換器20,30から出力された電気量に基準信号M1が重畳されたアナログ電圧信号を予め定められたサンプリング周期に従ってサンプリングすることによって、ディジタル信号に変換する。サンプリング周期は、系統周波数の逆数に相当する、系統電力の1サイクル(電気角360°)を複数に分割するように定められる。例えば、複数のAD変換器51〜56は、アナログ電圧信号を電気角30度毎にサンプリングすることによって、ディジタル信号を生成する。各AD変換器51〜56は、ディジタル信号を演算処理部60へ出力する。
具体的には、AD変換器51〜53は、それぞれ電流Iu,Iv,Iwに対応するアナログ電圧信号に基準信号M1を重畳したアナログ電圧信号をディジタル信号に変換する。AD変換器54〜56は、それぞれ電圧Vu,Vv,Vwに対応するアナログ電圧信号に基準信号M1を重畳したアナログ電圧信号をディジタル信号に変換する。
演算処理部60は、FPGA(Field Programmable Gate Array)上に実装するロジックで実現されるハードウェアによって構成される。FPGAは、保護制御装置10の動作を制御する。なお、演算処理部60は、マイクロコンピュータを主体として構成されていてもよい。この場合、制御部としてのCPUは、予めROMに格納されたプログラムを読み出して実行することによって、保護制御装置10の動作を制御する。
演算処理部60は、各AD変換器51〜56から取り込んだディジタル信号を用いて、各AD変換器51〜56の健全性を確認する。演算処理部60は、特に、各AD変換器51〜56のサンプリングタイミングの同時性を確認する。
上述したように、アナログフィルタは、製造メーカによって周波数特性(特に、高周波数帯)および温度特性が異なることから、アナログフィルタを使用しない保護制御装置が求められている。アナログフィルタを使用しない保護制御装置においては、アナログフィルタにより除去されていた高調波ノイズを、ディジタルフィルタにより除去する必要があるため、高速サンプリングを実現する必要がある。高速サンプリングのためには、複数のAD変換器を並列構成して高速化を図ることが考えられる。
一方で、複数のAD変換器間のサンプリングタイミングがずれていると、複数の入力要素(例えば、各相電流、各相電圧)のサンプリングタイミングの同時性が前提である保護リレー要素(例えば、電流差動リレー、距離リレー等)が誤動作してしまう可能性がある。そこで、本実施の形態に従う保護制御装置10(演算処理部60)は、各AD変換器51〜56の単体としての健全性だけではなく、各AD変換器51〜56のサンプリングタイミングの同時性を確認することにより、AD変換部50全体としての健全性も確認する。演算処理部60の構成および処理についての詳細は後述する。
ディジタル入力回路71は、例えば、開閉器の開閉情報を示す信号であるディジタル入力信号を受ける。ディジタル入力回路71には、遮断器(図示しない)からのディジタル入力信号の他、断路器(図示しない)の開閉情報を示すディジタル入力信号が入力されてもよい。
ディジタル出力回路72は、演算処理部60により事故が発生したと判定された場合、事故区間を除去するために電力系統(例えば、送電線L)に接続された遮断器(図示しない)に対して遮断指令を出力する。
通信インターフェイス73は、伝送路(図示しない)を介して外部装置(図示しない)に接続され、保護制御装置10と外部装置との間で各種データを送受信する。
<機能構成>
図2は、実施の形態1に従う演算処理部60の機能構成を示すブロック図である。図2を参照して、演算処理部60は、主な機能構成として、フーリエ変換部601と、位相差算出部603と、振幅差算出部605と、異常判定部607と、補正部609と、ディジタルフィルタ部611と、保護演算部613と、出力制御部615とを含む。
図2では、説明の容易化のため、各AD変換器51〜56のうちの1つのAD変換器から出力されるディジタル信号をDm(mは1〜6のいずれか)として表わしている。以下では、各AD変換器51〜56から出力されるディジタル信号を、D1〜D6として説明する。
フーリエ変換部601は、複数のAD変換器51〜56の各々について、当該AD変換器より変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより、重畳された基準信号M1の振幅および位相を算出する。フーリエ変換処理は、例えば、DFT(Discrete Fourier Transformer)処理である。具体的には、フーリエ変換部601は、ディジタル信号D1〜D6それぞれから抽出した基準信号M1の位相θ1〜θ6を位相差算出部603に出力する。フーリエ変換部601は、ディジタル信号D1〜D6それぞれから抽出した基準信号M1の振幅A1〜A6を振幅差算出部605に出力する。
位相差算出部603は、複数のAD変換器51〜56の各々について、当該AD変換器により変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより算出された基準信号M1の位相(すなわち、位相θ1〜θ6のいずれか)と、基準信号発生回路81が発生させた基準信号M1の位相θ0との位相差を算出する。具体的には、位相差算出部603は、基準信号発生回路81が生成した基準信号M1の入力を受け付け、当該基準信号M1の位相θ0を算出する。位相差算出部603は、基準信号M1の位相θmと、位相θ0との位相差Δθm(すなわち、位相差Δθ1〜Δθ6)を算出し、異常判定部607に出力する。
振幅差算出部605は、複数のAD変換器51〜56の各々について、当該AD変換器により変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより算出された基準信号M1の振幅(すなわち、振幅A1〜A6のいずれか)と、基準信号発生回路81が発生させた基準信号M1の振幅A0との振幅差を算出する。具体的には、振幅差算出部605は、基準信号発生回路81が生成した基準信号M1の入力を受け付け、当該基準信号M1の振幅A0を算出する。振幅差算出部605は、基準信号M1の振幅Amと、振幅A0との振幅差ΔAm(すなわち、振幅差ΔA1〜ΔA6)を算出し、異常判定部607に出力する。
異常判定部607は、位相差算出部603により算出された各位相差Δθ1〜Δθ6および各振幅差ΔA1〜ΔA6に基づいて、保護制御装置10の異常の有無を判定する。
ある局面では、異常判定部607は、各位相差Δθ1〜Δθ6のうちの少なくとも1つの位相差が閾値Th1以上である場合、AD変換部50が異常であると判定する。閾値Th1は、例えば、後述する補正部609により補正可能な位相差に設定される。補正可能な位相差の限界値は、例えば、サンプリング周期に対応する位相差である。
このように、異常判定部607は、各位相差Δθ1〜Δθ6のうちの1つでも閾値Th1以上である場合には、各AD変換器51〜56のサンプリングタイミングがずれており、そのずれを補正することもできないため、AD変換部50全体として異常が発生していると判定する。この場合、出力制御部615は、保護制御装置10が異常であることを示す異常情報をディスプレイ(図示しない)に表示したり、外部装置へ送信したりする。異常情報は、具体的な異常内容として、AD変換器51〜56のサンプリングタイミングの同時性が失われていることを示す情報を含んでいてもよい。
他の局面では、異常判定部607は、振幅差算出部605により算出された基準信号M1についての各振幅差ΔA1〜ΔA6のうちの1つの振幅差ΔAm(例えば、振幅差ΔA1)が基準振幅差AK以上である場合、当該振幅差ΔA1に対応するAD変換器51(すなわち、振幅差ΔA1を算出するために用いられたディジタル信号D1を出力するAD変換器51)が異常であると判定する。このように、振幅差ΔAmが基準振幅差AK以上である場合には、振幅差ΔAmに対応するAD変換器単体の異常(例えば、故障等)であると推定できるため、異常判定部607は当該AD変換器が異常であると判定する。この場合、出力制御部615は、AD変換器が異常であることを示す異常情報をディスプレイ(図示しない)に表示したり、外部装置へ送信したりする。
補正部609は、各位相差Δθ1〜Δθ6のうちの1つの位相差(例えば、Δθ1)が閾値Th1未満であり、かつ閾値Th1よりも小さい閾値Th2以上である場合(すなわち、Th2≦Δθ1<Th1である場合)、当該位相差Δθ1に対応するAD変換器51(すなわち、位相差Δθ1を算出するために用いられたディジタル信号D1を出力するAD変換器51)のサンプリング時刻を補正する。具体的には、補正部609は、位相差Δθ1に対応する時間を算出し、当該算出された時間を補正量としてAD変換器51に出力する。AD変換器51は、補正量に従ってサンプリングタイミングを調整する。
ここで、閾値Th2を設けている理由は、閾値Th2よりも小さい位相差であれば、サンプリングタイミングの同時性を確保できることから、保護演算を精度よく実行することができ、結果として誤動作が発生することがないためである。なお、閾値Th1,Th2の設定値は、保護制御装置10に求められる精度に応じて、系統運用者によって適宜定められればよい。
ディジタルフィルタ部611は、ある局面では、ディジタル信号D1〜D6に対して、電力系統(例えば、送電線L)の高調波成分および直流分と、重畳された基準信号M1の周波数成分とを除去するためのフィルタ処理を実行する。すなわち、ディジタルフィルタ部611は、送電線Lの系統周波数(例えば、50Hz,60Hz)の成分を抽出するためのフィルタ処理を実行する。
この場合、ディジタルフィルタ部611から出力されるディジタル信号は、送電線Lの電流Iu,Iv,Iwの各々から系統周波数の成分を抽出した交流電流データと、送電線Lの電圧Vu,Vv,Vwの各々から系統周波数の成分を抽出した交流電圧データとを含む。ディジタルフィルタ部611は、交流電流データおよび交流電圧データを保護演算部613に出力する。
保護演算部613は、交流電流データおよび交流電圧データを用いて、送電線Lを保護するための保護演算を実行し、送電線Lに事故が発生しているか否かを判断する。保護演算部613は、当該保護演算結果により送電線Lの事故を検出した場合には、ディジタル出力回路72を介して、遮断器を開放するための制御信号を当該遮断器に出力する。
典型的には、ディジタルフィルタ部611は、異常判定部607により保護制御装置10に何らの異常も発生していないと判定された場合に、上記フィルタ処理を実行する。これにより、信頼性の低いデータを用いた保護演算の実行を防止できる。なお、保護演算部613は、異常判定部607により保護制御装置10に何らかの異常が発生したと判定された場合に、保護演算を停止する、または遮断指令をロックするように構成されていてもよい。また、異常判定部607により複数回の異常が検出された場合に、保護演算を停止する構成、または遮断指令をロックする構成であってもよい。
また、ディジタルフィルタ部611は、他の局面では、ディジタル信号D1〜D6に対して、重畳された基準信号M1の周波数成分を除去するためのフィルタ処理を実行する。すなわち、当該フィルタ処理では、送電線Lの高調波成分および直流分は除去されない。ディジタルフィルタ部611は、基準信号M1を除去した交流電流データおよび交流電圧データを出力制御部615に出力する。この場合、出力制御部615は、交流電流データおよび交流電圧データに基づいて、高調波成分を含む電流波形および電圧波形をディスプレイに表示してもよいし、交流電流データおよび交流電圧データを外部装置に送信してもよい。
<処理手順>
図3は、実施の形態1に従う保護制御装置10による異常判定処理の一例を示すフローチャートである。典型的には、図3に示す保護制御装置10の各ステップは、演算処理部60により実行される。
図3を参照して、演算処理部60は、ディジタル信号Dmをフーリエ変換処理することにより位相θmおよび振幅Amを算出する(ステップS10)。演算処理部60は、基準信号M1の位相θ0と位相θmとの位相差Δθmと、基準信号M1の振幅A0と振幅Amとの振幅差ΔAmとを算出する(ステップS12)。
演算処理部60は、振幅差ΔAmが基準振幅差AK以上であるか否かを判断する(ステップS14)。振幅差ΔAmが基準振幅差AK以上である場合には(ステップS14においてYES)、演算処理部60は、振幅差ΔAmに対応するAD変換器が異常であると判定して(ステップS16)、処理を終了する。一方、振幅差ΔAmが基準振幅差AK未満である場合には(ステップS14においてNO)、演算処理部60は、位相差Δθmが閾値Th2未満であるか否かを判断する(ステップS18)。
位相差Δθmが閾値Th2未満である場合には(ステップS18においてYES)、演算処理部60は後述するステップS26を実行する。位相差Δθmが閾値Th2以上である場合には(ステップS18においてNO)、演算処理部60は、位相差Δθmが閾値Th2以上であって、かつ閾値Th1未満であるか否かを判断する(ステップS20)。
位相差Δθmが閾値Th1未満である場合には(ステップS20においてYES)、演算処理部60は、位相差Δθmに基づいて、対応するAD変換器のサンプリング時刻を補正する(ステップS22)。具体的には、演算処理部60は、位相差Δθmに対応する時間を補正量として算出し、当該補正量に従って当該AD変換器のサンプリング時刻を補正する。一方、位相差Δθmが閾値Th1以上である場合には(ステップS20においてYES)、演算処理部60は、AD変換部50全体としての異常が発生していると判定し(ステップS24)、処理を終了する。具体的には、演算処理部60は、各AD変換器51〜56のサンプリングタイミングの同時性が失われていると判定する。
続いて、演算処理部60は、各ディジタル信号Dmについて、ステップS14,S18,S20の判定処理を実行したか否かを判断する(ステップS26)。全てのディジタル信号について、当該判定処理が実行されていない場合には(ステップS26においてNO)、演算処理部60は、ステップS10に戻って他のディジタル信号Dmについて当該判定処理を実行する。全てのディジタル信号について、当該判定処理が実行された場合には(ステップS26においてYES)、演算処理部60は処理を終了する。
<利点>
実施の形態1によると、アナログフィルタを使用しない保護制御装置において、装置の異常を精度よく検出することができる。例えば、保護制御装置10は、振幅差ΔAmを用いてAD変換器単体の異常を検出でき、位相差Δθmを用いてAD変換部全体としての異常を検出できる。これにより、保護制御装置10の誤動作を回避できる。
また、AD変換器のサンプリングタイミングのずれが補正可能な範囲内であれば、当該ずれを調整できる。これにより、保護制御装置10を停止することなく誤動作を回避できる。
さらに、アナログフィルタを使用していないため、通常、アナログフィルタで除去される高調波を含む電流波形および電圧波形を観測できる。また、アナログフィルタによる温度特性の影響を受けないため、保護制御装置10を屋外に配置することもできる。
実施の形態2.
<保護制御装置の全体構成>
図4は、実施の形態2に従う保護制御装置11の構成例を示す図である。保護制御装置11は、図1中の保護制御装置10に基準信号発生回路82を追加するとともに、演算処理部60を演算処理部60Aに置き換えた構成に相当する。保護制御装置10と同一の構成についてはその詳細な説明は繰り返さない。
基準信号発生回路82は、基準信号発生回路81により生成される基準信号M1とは異なる基準信号M2を発生させる。具体的には、基準信号発生回路82は、基準信号M2として、送電線Lの系統周波数よりも高い周波数成分を有する高調波信号を発生させる。具体的には、基準信号M2は、系統周波数のp倍(pは2以上の自然数であり、例えばp=4)の周波数成分を有する。基準信号発生回路82は、アナログ電圧信号である基準信号M2を生成し、入力変換器20,30に印加する。
これにより、入力変換器20には、計器用変流器41〜43から出力されるアナログ電流信号に基準信号M2が重畳されたアナログ信号が入力される。入力変換器20は、当該アナログ信号をAD変換器51〜53の処理に適したアナログ電圧信号に変換して出力する。入力変換器30には、計器用変圧器44〜46から出力されるアナログ電圧信号に基準信号M2が重畳されたアナログ信号が入力される。入力変換器30は、当該アナログ信号をAD変換器54〜56の処理に適したアナログ電圧信号に変換して出力する。
各AD変換器51〜53は、入力変換器20から出力されたアナログ電圧信号に基準信号M1がさらに重畳されたアナログ電圧信号を予め定められたサンプリング周期に従ってサンプリングすることによって、ディジタル信号に変換する。また、各AD変換器54〜56は、入力変換器30から出力されたアナログ電圧信号に基準信号M1がさらに重畳されたアナログ電圧信号をディジタル信号に変換する。
演算処理部60Aは、図1中の演算処理部60の機能に、入力変換器20,30の異常判定機能を追加したものである。
<機能構成>
図5は、実施の形態2に従う演算処理部60Aの機能構成を示すブロック図である。図5を参照して、演算処理部60Aは、主な機能構成として、フーリエ変換部601Aと、位相差算出部603Aと、振幅差算出部605Aと、異常判定部607Aと、補正部609Aと、ディジタルフィルタ部611Aと、保護演算部613Aと、出力制御部615Aとを含む。以下では、演算処理部60と同一の機能については、その詳細な説明は繰り返さない。ここでは、演算処理部60Aに追加された機能について説明する。
なお、図5では、各AD変換器51〜56のうちの1つのAD変換器から出力されるディジタル信号をEm(mは1〜6のいずれか)として表わしている。ディジタル信号Emは、電気量に基準信号M1,M2が重畳されたアナログ電圧信号をディジタル変換したものである。
フーリエ変換部601Aは、複数のAD変換器51〜56の各々について、当該AD変換器より変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより、重畳された基準信号M2の振幅を算出する。フーリエ変換部601Aは、ディジタル信号E1〜E6それぞれから算出した基準信号M2の振幅B1〜B6を振幅差算出部605Aに出力する。
本実施の形態では、入力変換器20が補助変流器であり、入力変換器30が補助変圧器であり、これらは互いに出力特性が異なる。そのため、以下では、振幅B1〜B3の各振幅差と、振幅B4〜B6の各振幅差とを算出し、これらを用いて入力変換器20,30の異常判定を実行する構成について説明する。
振幅差算出部605Aは、入力変換器20の出力を受ける複数のAD変換器51〜53のうちの任意のAD変換器(例えば、AD変換器51)により変換されたディジタル信号から算出された基準信号M2の振幅(例えば、振幅B1)と、残余のAD変換器(例えば、AD変換器52,53)の各々により変換されたディジタル信号から算出された基準信号M2の振幅(例えば、振幅B2,B3のいずれか)との振幅差を算出する。例えば、振幅差算出部605Aは、振幅B1と振幅B2との振幅差ΔB12、振幅B1と振幅B3との振幅差ΔB13、および、振幅B2と振幅B3との振幅差ΔB23を算出する。
また、振幅差算出部605Aは、基準信号M2の振幅B4〜B6についても同様に振幅差を算出する。例えば、振幅差算出部605Aは、振幅B4と振幅B5との振幅差ΔB45、振幅B4と振幅B6との振幅差ΔB46、および振幅B5と振幅B6との振幅差ΔB56を算出する。
異常判定部607Aは、基準信号M2についての振幅差ΔB12,ΔB13,ΔB23の各々について、当該振幅差が基準振幅差BK以上であるか否かを判断する。異常判定部607Aは、すべての振幅差が基準振幅差BK未満である場合には、入力変換器20は正常(すなわち、どの補助変流器も特性劣化なし)と判定する。異常判定部607Aは、振幅差ΔB12,ΔB13,ΔB23の少なくとも1つが基準振幅差BK以上である場合には、入力変換器20は異常(すなわち、いずれかの補助変流器に特性劣化があり)と判定する。
例えば、異常判定部607Aは、振幅差ΔB12のみが基準振幅差BK未満である場合には、補助変流器21,22は正常であり、補助変流器23は異常であると判定する。同様に、異常判定部607Aは、振幅差ΔB13のみが基準振幅差BK未満である場合には補助変流器21,23は正常であり補助変流器22は異常であると判定し、振幅差ΔB23のみが基準振幅差BK未満である場合には補助変流器22,23は正常であり補助変流器21は異常であると判定する。
異常判定部607Aは、振幅差ΔB45,ΔB46,ΔB56の少なくとも1つが基準振幅差BK以上である場合には、入力変換器30は異常(すなわち、いずれかの補助変圧器に特性劣化があり)と判定する。補助変圧器31〜33の異常判定方式は、上述した補助変流器21〜23の異常判定方式と同様である。出力制御部615Aは、入力変換器20,30の異常情報を出力してもよい。なお、異常判定部607Aにより入力変換器20,30に異常が発生していると判定された場合、ディジタルフィルタ部611Aによるフィルタ処理は実行されない、保護演算部613Aによる保護演算は停止される、または遮断指令がロックされる。
<利点>
実施の形態2によると、実施の形態1の利点に加えて、入力変換器の異常を検出することができる。これにより、例えば、入力変換器を屋外に配置する等、温度条件が厳しい環境下においても確実に保護制御装置10の誤動作を防止できる。
その他の実施の形態.
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,11 保護制御装置、20,30 入力変換器、21,22,23 補助変流器、31,32,33 補助変圧器、41,42,43 計器用変流器、44,45,46 計器用変圧器、50 AD変換部、51〜56 AD変換器、60,60A 演算処理部、71 ディジタル入力回路、72 ディジタル出力回路、73 通信インターフェイス、81,82 基準信号発生回路、601,601A フーリエ変換部、603,603A 位相差算出部、605,605A 振幅差算出部、607,607A 異常判定部、609,609A 補正部、611,611A ディジタルフィルタ部、613,613A 保護演算部、615,615A 出力制御部。

Claims (6)

  1. 電力系統を保護するための保護制御装置であって、
    前記電力系統の電気量を取り込む入力変換器と、
    前記電力系統の電気量よりも高い第1周波数成分を有する第1高調波信号を発生させる第1信号発生部と、
    前記入力変換器から出力された電気量に前記第1高調波信号が重畳されたアナログ信号を、予め定められたサンプリング周期でディジタル信号に変換する複数のアナログディジタル変換器を含む信号変換部と、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々ついて、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより、前記重畳された第1高調波信号の位相を算出するフーリエ変換部と、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々について、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号から算出された第1高調波信号の位相と、前記第1信号発生部が発生させた第1高調波信号の位相との位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部により算出された各位相差に基づいて、前記保護制御装置の異常の有無を判定する異常判定部とを備え、
    前記異常判定部は、前記位相差算出部により算出された各位相差のうちの少なくとも1つの位相差が第1閾値以上である場合、前記信号変換部が異常であると判定する、保護制御装置。
  2. 前記フーリエ変換部は、前記複数のアナログディジタル変換器の各々ついて、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号をフーリエ変換処理することにより、前記重畳された第1高調波信号の振幅をさらに算出し、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々について、当該アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号から算出された第1高調波信号の振幅と、前記第1信号発生部が発生させた第1高調波信号の振幅との差分である振幅差を算出する振幅差算出部をさらに備え、
    前記異常判定部は、前記振幅差算出部により算出された各振幅差のうちの第1振幅差が第1基準振幅差以上である場合、前記第1振幅差に対応するアナログディジタル変換器が異常であると判定する、請求項1に記載の保護制御装置。
  3. 前記電力系統の電気量よりも高い第2周波数成分を有する第2高調波信号を発生させ、当該第2高調波信号を当該電気量に重畳させる第2信号発生部をさらに備え、
    前記入力変換器は、当該電気量に前記第2高調波信号が重畳されたアナログ信号を出力し、
    前記複数のアナログディジタル変換器の各々は、前記入力変換器から出力されたアナログ信号に前記第1高調波信号をさらに重畳したアナログ信号を、前記予め定められたサンプリング周期でディジタル信号に変換し、
    前記振幅差算出部は、前記複数のアナログディジタル変換器のうちの第1アナログディジタル変換器により変換されたディジタル信号から算出された第2高調波信号の振幅と、残余のアナログディジタル変換器の各々により変換されたディジタル信号から算出された第2高調波信号の振幅との差分である振幅差をさらに算出し、
    前記異常判定部は、前記振幅差算出部により算出された前記第2高調波信号についての各振幅差に基づいて、前記入力変換器の異常の有無を判定する、請求項2に記載の保護制御装置。
  4. 前記異常判定部は、前記第2高調波信号についての各振幅差のうちの少なくとも1つの振幅差が第2基準振幅値以上である場合に、前記入力変換器が異常であると判定する、請求項3に記載の保護制御装置。
  5. 前記複数のアナログディジタル変換器の各々により変換されたディジタル信号に対して、前記電力系統の系統周波数成分を抽出するためのフィルタ処理を実行するディジタルフィルタ部と、
    前記フィルタ処理が実行された各ディジタル信号を用いて前記電力系統を保護するための保護演算を実行する保護演算部とをさらに備える、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の保護制御装置。
  6. 前記位相差算出部により算出された各位相差のうちの第1位相差が前記第1閾値未満であり、かつ前記第1閾値よりも小さい第2閾値以上である場合、当該第1位相差に対応するアナログディジタル変換器のサンプリング時刻を補正する補正部をさらに備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の保護制御装置。
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